JP5664669B2 - 硬質発泡合成樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は硬質発泡合成樹脂の製造方法に関する。
ポリオール等の活性水素化合物とポリイソシアネート化合物とを整泡剤、触媒および発泡剤の存在下で反応させて、硬質ポリウレタンフォーム、硬質ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームまたは硬質ポリウレアフォーム等の硬質発泡合成樹脂(以下総称して、硬質フォームという。)を製造することは広く行われている。
発泡剤に関しては、従来用いられてきた塩素化フッ素化炭素化合物(クロロフルオロカーボン化合物、CClF等のいわゆるCFC類)および塩素化フッ素化炭化水素化合物(ハイドロクロロフルオロカーボン化合物、CClFCH等のいわゆるHCFC類は、環境保護(オゾン層保護)の観点から使用が規制されているため、これらに代わる発泡剤が求められてきた。
上記問題の解決策として、水素化フッ素化炭化水素化合物(CHFCHCF、CHCFCHCF等のハイドロフルオロカーボン(HFC)類)が用いられている。しかしながら、該HFC類はオゾン層破壊係数(ODP)がゼロであるが、高い地球温暖化係数(GWP)を有するため、さらなる代替発泡剤が求められている。その候補物質の1つとしてハイドロフルオロオレフィン(HFO)類が提唱されている。
下記、特許文献1〜4には、大気中に放出された場合にもオゾン層を破壊しない発泡剤として、ハイドロフルオロオレフィン類が記載されている。
すなわち、特許文献1には、シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンが記載されており、特許文献2には、RCH=CHR’(R、R’はパーフルオロアルキル基)で表されるハイドロフルオロオレフィン、または臭素化ハイドロフルオロオレフィン等が記載されている。特許文献3には、ハイドロクロロフルオロオレフィンが記載されており、特許文献4には、発泡剤の一部としてトランス−1,1,1,3−テトラフルオロプロペンを用いることが記載されている。
特許文献1には発泡剤としてシス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336)を用い、ポリオールとして芳香族アミン系ポリオールを用いてフリーライズで得られた硬質フォームが記載されている。特許文献2には発泡剤としてHFO−1438mzzまたはHFO−1336mmzを用い、ポリオールとして一般的なシュークロース/グリセリン系ポリオールを用いて密閉金型内で発泡(以降注形法とも記載する)して得られた硬質フォームが記載されている。特許文献3にはHFO−1233zdまたはHFO−1234zeを用い、ポリオールとしてノニルフェノール系マンニッヒポリオールをポリオールの一部に用いてフリーライズで得られた硬質フォームが記載されている。特許文献4にはHFO1234zeを発泡剤として用いた硬質フォームが記載されている。
特開平5−179043号公報 特表2009−513815号公報 米国特許出願公開第2010/0105788号明細書 米国特許出願公開第2009/0253820号明細書
しかし、特許文献1〜4では、発泡剤であるハイドロフルオロオレフィン類(以降HFOと記載することもある)とポリオールとの組み合わせについての検討はほとんどなされておらず、必ずしも特性が良好な硬質フォームが得られるわけでない。特に近年求められるフォームの軽量化については検討がなされていない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、本発明Aは、発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン類を用いて、良好な特性、特に軽量化した場合でも寸法安定性が良好な硬質フォームを得ることを目的とする。
また発泡剤としてHFOを用いて、特に注入法を用いて良好な特性を有する硬質フォームを得ることを目的とする。
本発明Bは、発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン類を用いて、良好な特性を有する連続ボード法により製造される硬質フォーム、特に軽量化した場合でも寸法安定性が良好な硬質フォームを得ることを目的とする。
本発明Cは前記事情に鑑みてなされたもので、発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン類を用いて、良好な特性を有する硬質フォームが得られるようにすることを目的とする。発泡剤としてHFOを用いて、特にスプレー法を用いて良好な特性を有する硬質フォームを得ることを目的とする。
本発明Aは以下の[1]〜[7]を要旨とする。
[1]ポリオール組成物(Pa)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法であって、
前記ポリオール組成物(Pa)が下記ポリオール(Aa)を30〜70質量%、ベースポリオール(Wa’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるポリマー分散ポリオール(Wa)由来のポリマー粒子を0.5〜5.0質量%含み、該ポリオール組成物(Pa)の平均水酸基数が2.5〜7.5、平均水酸基価が300〜600mgKOH/gであり、前記発泡剤が下式(I)で表されるハイドロフルオロオレフィン類(I)
CH=CHR…(I)
(式中、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはハロゲン原子である。)を含むことを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Aa):活性水素原子数が4〜12の芳香族アミンを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールであって、該アルキレンオキシドの全量中におけるエチレンオキシドの含有量が0〜60質量%であり、水酸基価が100〜800mgKOH/gである、ポリエーテルポリオール。
[2]前記ポリオール組成物(Pa)が、下記ポリオール(Ba)を1〜50質量%含む、[1]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Ba):活性水素原子数が5〜12の多価アルコールを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールであって、該アルキレンオキシドの全量中におけるエチレンオキシドの含有量が0〜20質量%であり、水酸基価が100〜800mgKOH/gである、ポリエーテルポリオール。
[3]前記ポリオール組成物(Pa)が、下記ポリオール(Ca)を10〜40質量%含む、[1]または[2]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Ca):活性水素原子数が2〜4の脂肪族アミンを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールであって、該アルキレンオキシドの全量中におけるエチレンオキシドの含有量が0〜50質量%であり、水酸基価が100〜800mgKOH/gである、ポリエーテルポリオール。
[4]前記ポリオール組成物(Pa)が、下記ポリオール(Da)を10〜60質量%含む、[1]〜[3]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Da):芳香族化合物を含むモノマー混合物を重縮合して製造された、平均水酸基数が2〜3、水酸基価が100〜500mgKOH/gである、ポリエステルポリオール
[5]前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、Z−CFCH=CHCFを含む、[1]〜[4]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
[6]前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、E−CFCH=CHClを含む、[1]〜[4]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
[7]前記製造方法が注入法である、[1]〜[6]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
本発明Bは以下の[1]〜[5]を要旨とする。
[1]連続ボード成形法により、ポリオール組成物(Pb)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応、発泡させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法であって、
前記ポリオール組成物(Pb)が下記ポリオール(Ab)を5〜99.998質量%、ベースポリオール(Wb’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるポリマー分散ポリオール(Wb)由来のポリマー粒子を0.02〜3.8質量%含み、該ポリオール組成物(Pb)の平均水酸基数が2.2〜4.0、平均水酸基価が257〜531mgKOH/gであり、前記発泡剤が下式(I)で表されるハイドロフルオロオレフィン類(I)
CH=CHR …(I)
(式中、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはハロゲン原子である。)を含むことを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Ab):フェノール類および/または芳香族アミン類と、アルデヒド類と、アルカノールアミン類とを反応させて得られるマンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
[2]前記ポリオール組成物(Pb)が、下記ポリオール(Bb)を20〜70質量%含む、[1]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Bb):脂肪族アミンを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
[3]前記ポリオール組成物(Pb)が、下記ポリオール(C)を20〜60質量%含む、[1]または[2]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(C):芳香族アミン(マンニッヒ縮合物を除く)を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール
[4]前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、Z−CFCH=CHCFを含む、[1]〜[3]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
[5]前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、E−CFCH=CHClを含む、[1]〜[3]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
本発明Cは以下の[1]〜[7]を要旨とする。
[1]ポリオール組成物(Pc)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法であって、
前記ポリオール組成物(Pc)が下記ポリオール(Ac)を20〜99.998質量%、ベースポリオール(Wc’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるポリマー分散ポリオール(Wc)由来のポリマー粒子を0.3〜3.75質量%含み、該ポリオール組成物(Pc)の平均水酸基数が2.5〜7.5、平均水酸基価が200〜600mgKOH/gであり、前記発泡剤が下式(I)で表されるハイドロフルオロオレフィン類(I)
CH=CHR …(I)
(式中、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはハロゲン原子である。)を含むことを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Ac):フェノール類、アルデヒド類、およびアルカノールアミン類を反応させて得られるマンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
[2]前記ポリオール組成物(Pc)が、下記ポリオール(Bc)を0質量%超、70質量%以下含む、[1]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Bc):アミン化合物(マンニッヒ縮合物を除く)を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
[3]前記ポリオール組成物(Pc)が、下記ポリオール(Cc)を0質量%超、40質量%以下含む、[1]または[2]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Cc):活性水素原子数が2〜6の多価アルコールを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
[4]前記ポリオール組成物(Pc)が、下記ポリオール(Dc)を0質量%超、70質量%以下含む、[1]〜[3]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(Dc):芳香族化合物を含むモノマー混合物を重縮合して製造されたポリエステルポリオール
[5]前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、Z−CFCH=CHCFを含む、[1]〜[4]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
[6]前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、E−CFCH=CHClを含む、[1]〜[4]の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
[7]スプレー法を用いる、[1]〜[6]のいずれかの硬質発泡合成樹脂の製造方法。
本発明A、B、Cによれば、発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン類を用いて、良好な特性、特に軽量化した場合でも寸法安定性が良好な硬質フォームを製造することができる。特に注入法において良好な特性を有する硬質フォームを製造することができる。
実施例においてパネルフォームの製造に用いた金型を示す斜視図である。
<本発明Aについての説明>
本明細書における「ポリオール組成物(Pa)」とは、ポリイソシアネート化合物との反応に用いるポリオール(ポリマー分散ポリオールを含む)の全部の混合物である。
本明細書における「ポリオールシステム液」とは、ポリイソシアネート化合物と反応させる相手の液であり、ポリオール組成物(Pa)のほかに発泡剤、整泡剤、触媒等、必要に応じた配合剤を含む液である。
本明細書における「マンニッヒ縮合物」とは、一般にアニリン、フェノール類等の芳香族化合物と、アルデヒド類と、アミン類とを縮合反応させて得られる化合物を意味する。
本発明Aにおける「ポリマー分散ポリオール」とは、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオール等のベースポリオール(Wa’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるもので、該ベースポリオール(Wa’)中に該ポリマー粒子を分散させたポリオール(Wa)である。
[ポリオール(Aa)]
本発明Aにおけるポリオール組成物(Pa)は、ポリオール(Aa)を含む。
ポリオール(Aa)は、芳香族アミンを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。ポリオール(Aa)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
開始剤である芳香族アミンは、活性水素原子数が4〜12の、芳香環を有するアミン類である。その具体例としては、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、マンニッヒ縮合物等が挙げられる。
マンニッヒ縮合物は、フェノール、ノニルフェノール等のフェノール類;ホルムアルデヒド等のアルデヒド類;および、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類を反応させて得られる化合物が好ましい。マンニッヒ縮合物の分子量は、200〜10,000程度が好ましい。
これらの開始剤のうち、低い熱伝導率が得られる点から、トリレンジアミンが特に好ましい。トリレンジアミンとしては、o−トリレンジアミン、m−トリレンジアミンが好ましい。
ポリオール(Aa)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド(以下、EOともいう。)および/またはプロピレンオキシド(以下、POともいう。)を用いることが好ましい。そのほかにブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、スチレンオキシド等を併用してもよい。EOおよび/またはPOを使用する場合、以下のいずれの方法を用いてもよい。(1)EOを単独で開環付加重合する方法。(2)POを単独で開環付加重合する方法。(3)POとEOの混合物を開環付加重合する方法。(4)上記(1)〜(3)の方法を任意に組み合わせて開環付加重合する方法。
硬質フォームに良好な物性を付与するためには、(1)と(2)の組合せまたは、(2)の方法によることが好ましい。(1)と(2)を組み合わせる場合、(1)−(2)−(1)の順で開環付加重合を行うことがより好ましい。
ポリオール(Aa)の製造に用いるアルキレンオキシドの全量中における、エチレンオキシドの含有量(全EO含有量)は0〜60質量%が好ましく、0〜45質量%がより好ましく、0〜30質量%が特に好ましい。上記範囲の上限値以下であると、適度な反応性を有するため成形性が良好となる。
開始剤の活性水素原子にアルキレンオキシドを反応させることにより、アルキレンオキシドが開環付加してオキシアルキレン基を有するポリオールが生成する。活性水素原子に1分子のアルキレンオキシドが開環付加することによりヒドロキシアルキル基が生成し、また、その水酸基に引き続きアルキレンオキシドが開環付加し、この反応が繰り返されてオキシアルキレン基の連鎖が生成する。アルキレンオキシドがEOの場合は、オキシエチレン基が連鎖し、アルキレンオキシドがPOの場合は、オキシプロピレン基が連鎖する。
上記(1)−(2)−(1)の順で開環付加重合を行う場合、EO、POの順に付加した後に開環付加重合させるEOの量(末端のEO含有量)は、ポリオール(Aa)の製造に用いるアルキレンオキシドの全量中1〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。上記範囲の上限値以下であるとポリオール(Aa)の粘度が高くなりすぎず、下限値以上であると、ポリオール(Aa)の反応性が向上する。(1)−(2)−(1)の順で開環付加重合を行って得られるポリオール(Aa)は、開始剤にオキシエチレン基が連鎖し、続いてオキシプロピレン基が連鎖し、末端にオキシエチレン基が連鎖したポリオールである。
ポリオール(Aa)の水酸基数は4〜12であり、4〜10が好ましく、4〜8が特に好ましい。ポリオール(Aa)の水酸基数が上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの収縮が抑制されやすく、上限値以下であると粘度が適度な範囲となり、取り扱いが容易である。
ポリオール(Aa)の水酸基価は100〜800mgKOH/gであり、200〜600mgKOH/gが好ましく、300〜500mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(Aa)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの圧縮強さが向上し、独立気泡率も向上して熱伝導率も良好となる。上記範囲の上限値以下であると硬質フォームの脆性が抑えられる。
ポリオール組成物(Pa)におけるポリオール(Aa)の含有量は、30〜70質量%であり、30〜60質量%が好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。ポリオール(Aa)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、独泡率が向上して良好な熱伝導率が得られる。上記範囲の上限値以下であるとポリオールシステム液の粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易である。
特に注形法の場合、ポリオール(Aa)の含有量が上記範囲の上限値以下であるとセル荒れが発生しにくい。
[ポリオール(Ba)]
ポリオール(Ba)は活性水素原子数が5〜12の多価アルコールを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。
ポリオール組成物(Pa)は、ポリオール(Aa)のほかにポリオール(Ba)を含むことが好ましい。ポリオール(Ba)は硬質フォームの圧縮強さの向上および良好な寸法安定性に寄与する。またポリオール(Aa)のほかにポリオール(Ba)を用いることによりポリオール組成物(Pa)の粘度が高くなりすぎるのを防止することもできる。
ポリオール(Ba)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
開始剤である、活性水素原子数が5〜12の多価アルコールとして糖類を用いることが好ましい。該糖類の具体例としてはフルクトース、ソルビトール、シュークロース等が挙げられる。このうちソルビトールまたはシュークロースが好ましい。
ポリオール(Ba)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できる。少なくとも、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシドを含むことが好ましく、少なくともプロピレンオキシドを含むことが特に好ましい。
ポリオール(Ba)の製造に用いるアルキレンオキシドは、プロピレンオキシド単独の使用、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。併用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。
ポリオール(Ba)の製造に用いるアルキレンオキシドの全量中における、エチレンオキシドの含有量(全EO含有量)は0〜20質量%であり、0〜10質量%が好ましく、0質量%、すなわちPO単独が特に好ましい。エチレンオキシドの含有量が上記範囲の上限値以下であると反応性の制御が容易である。
ポリオール(Ba)の水酸基数は5〜12であり、5〜10が好ましく、5〜8が特に好ましい。ポリオール(Ba)の水酸基数が上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの収縮が抑制されやすく、上限値以下であると粘度が適度な範囲となり、取り扱いが容易である。
ポリオール(Ba)の水酸基価は100〜800mgKOH/gであり、200〜600mgKOH/gが好ましく、300〜500mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(Ba)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの収縮が抑制でき、寸法安定性が良好となる。上記範囲の上限値以下であると、硬質ポリウレタンフォームの脆性が抑制できる。
ポリオール組成物(Pa)におけるポリオール(Ba)の含有量は、1〜50質量%が好ましく、2〜45質量%がより好ましく、5〜45質量%が特に好ましい。ポリオール(Ba)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの圧縮強さが向上し、また、収縮が抑制されて、良好な寸法安定性が得られやすい。上記範囲の上限値以下であると硬質フォームの成形時において良好な硬化特性(キュアー性)が確保されやすい。
[ポリオール(Ca)]
ポリオール(Ca)は、脂肪族アミンを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。
ポリオール組成物(Pa)は、ポリオール(Aa)のほかにポリオール(Ca)を含むことが好ましい。ポリオール(Ca)は成形性および反応性の向上に寄与する。また、ポリオール(Aa)のほかにポリオール(Ca)を用いることによりポリオール組成物(Pa)の粘度が高くなりすぎるのを防止することもできる。
ポリオール(Ca)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
開始剤である脂肪族アミンは、活性水素原子数が2〜4の脂肪族アミンである。具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のアルキルアミン類が挙げられる。これらのうち、エチレンジアミン、モノエタノールアミンまたはジエタノールアミンが好ましい。
ポリオール(Ca)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できる。プロピレンオキシド単独の使用、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。併用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。
ポリオール(Ca)の製造に用いるアルキレンオキシドの全量中における、エチレンオキシドの含有量(全EO含有量)は0〜50質量%であり、0〜48質量%が好ましく、0〜45質量%がより好ましく、0質量%、すなわちPO単独が特に好ましい。エチレンオキシドの含有量が上記範囲の上限値以下であると発泡時の反応性を制御しやすく、良好な成形性を確保できる。
ポリオール(Ca)の水酸基数は2〜4である。ポリオール(Ca)の水酸基数が上記範囲の上限値以下であると粘度が適度な範囲となり、取り扱いが容易である。
ポリオール(Ca)の水酸基価は100〜800mgKOH/gであり、200〜600mgKOH/gが好ましく、300〜500mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(Ca)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、硬質ポリウレタンフォームの圧縮強さが向上し、収縮も抑制され、良好な寸法安定性となる。上記範囲の上限値以下であると、粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易である。
ポリオール組成物(P)におけるポリオール(Ca)の含有量は、10〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%が特に好ましい。ポリオール(Ca)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、キュアー性が良好となり、脱型する際の作業性が向上しやすい。上記範囲の上限値以下であると、発泡時の反応性の制御がしやすい。
[ポリオール(Da)]
ポリオール(Da)は、芳香族化合物を含むモノマー混合物を重縮合して製造されたポリエステルポリオールである。
ポリオール組成物(Pa)は、必要に応じてポリオール(Da)を含有してもよい。ポリオール(Da)は難燃性の向上に寄与する。
ポリオール(Da)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール(Da)の製造に用いるモノマー混合物は、ジカルボン酸化合物と多価アルコールとを含み、該ジカルボン酸化合物および多価アルコールの一方または両方が、芳香環を有する化合物を含むことが好ましい。
特にポリオール(Da)が、芳香環を有するジカルボン酸と、芳香環を有しない多価アルコールとを重縮合反応させて得られる芳香族ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。
芳香環を有するジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等が挙げられる。耐熱性が向上する点でテレフタル酸がより好ましい。
芳香環を有しない多価アルコールとしては、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)、ネオペンチルグリコール等のジオール化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール化合物が挙げられる。ポリオール(Da)の粘度を低くでき、かつ、良好な難燃性向上効果が得られやすい点で、エチレングリコールまたはジエチレングリコールがより好ましく、ジエチレングリコールが特に好ましい。
ポリオール(Da)の平均水酸基数は2〜3であり、2であることが好ましい。該平均水酸基数が3以下であると粘度を低く抑えることができ、取り扱いが容易である。
ポリオール(Da)の水酸基価は100〜500mgKOH/gであり、150〜350mgKOH/gが好ましく、180〜300mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(Da)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの収縮が抑制されやすく、上記範囲の上限値以下であると硬質フォームの脆性が抑制されて良好な物性が得られやすい。
ポリオール組成物(Pa)におけるポリオール(Da)の含有量は、10〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%が特に好ましい。ポリオール(Da)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると難燃性の向上効果が充分に得られやすい。上記範囲の上限値以下であると硬質フォームの収縮が抑制され、良好な寸法安定性が得られやすい。
[ポリマー分散ポリオール(Wa)]
ポリオール組成物(Pa)はポリマー粒子を含有する。具体的には、ベースポリオール(Wa’)中にポリマー粒子が分散しているポリマー分散ポリオール(Wa)を調製し、該ポリマー分散ポリオール(Wa)をポリオール組成物(Pa)に含有させることが好ましい。
ポリオール組成物(Pa)中にポリマー粒子を存在させることにより、硬質フォームの収縮を抑制して、寸法安定性を向上させることができる。この効果は、より低密度の硬質ウレタンフォームを製造する際に、特に有用である。ポリマー分散ポリオール(Wa)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール組成物(Pa)全体におけるポリマー粒子の含有量は0.002〜30質量%が好ましく、0.02〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。上記範囲内であると、断熱性能を維持しながら、得られる硬質フォームの収縮を効果的に抑制できる。また、常温の貯蔵安定性および高温の貯蔵安定性が良好となる。
ポリマー分散ポリオール(Wa)の平均水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、150〜800mgKOH/gがより好ましい。本明細書におけるポリマー分散ポリオール(Wa)の平均水酸基価とは、ベースポリオール(Wa’)中にポリマー粒子が分散しているポリオールについて平均水酸基価を測定して得られる値であり、通常は、ベースポリオール(Wa’)の平均水酸基価よりも低くなる。
ポリマー分散ポリオール(Wa)の平均水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、他のポリオールとの相溶性が良好であり、上記範囲の上限値以下であると、ポリマー粒子の分散安定性が良好である。
ポリマー分散ポリオール(Wa)は、必要に応じて溶媒の存在下、ベースポリオール(Wa’)中で重合性不飽和基を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を析出させる方法で製造される。
ポリマー粒子の形成に用いられる、重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、通常、重合性不飽和結合を1個有するモノマーが使用されるが、これに限らない。
該モノマーの具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1等のシアノ基含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのアルキルエステルやアクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;イソプレン、ブタジエン、その他のジエン系モノマー;マレイン酸ジエステル、イタコン酸ジエステル等の不飽和脂肪酸エステル類;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;およびこれら以外のオレフィン、ハロゲン化オレフィンなどがある。
好ましくはアクリロニトリル20〜90質量%と他のモノマー10〜80質量%の組み合わせであり、他のモノマーとして好ましいのはスチレン、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、または酢酸ビニルである。これら他のモノマーは2種以上併用してもよい。
また、上記に挙げたモノマーのほかに、該重合性不飽和基を有するモノマーの一部または全部として、含フッ素アクリレートまたは含フッ素メタクリレート(以下、「含フッ素モノマー」ということがある。)を用いることも好ましい。該含フッ素モノマーを用いることにより、ベースポリオール(Wa’)中でのポリマー粒子の分散安定性がより良好となる。また、ポリマー分散ポリオール(Wa)と他のポリオールとの相溶性が高まって、硬質フォームにおける寸法安定性の向上、断熱性能の向上が期待できる。
含フッ素モノマーの好適なものとしては、下記式(1)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0005664669
式(1)中において、Rは、炭素数1〜18のポリフルオロアルキル基である。Rにおいて、炭素数は1〜18であり、1〜10が好ましく、3〜8がより好ましい。
は、アルキル基中のフッ素原子の割合(アルキル基中の水素原子がフッ素原子に置換されている個数の割合)が、80%以上であることが好ましく、全部の水素原子がフッ素原子で置換されていることが特に好ましい。炭素数が18以下であると、硬質フォーム製造における発泡時、フォームの安定性が良好となり好ましい。
Rは、水素原子またはメチル基である。
Zは、フッ素原子を含まない2価の連結基であり、炭化水素基が好ましく、たとえばアルキレン基、アリーレン基が挙げられ、アルキレン基がより好ましい。該アルキレン基は、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基が特に好ましく、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。なお、式(1)におけるZとRはRの炭素数が少なくなるように区切る。
前記式(1)で表されるモノマーの具体例として、下記式(1−1)〜(1−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005664669
Figure 0005664669
Figure 0005664669
前記含フッ素モノマーは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
含フッ素モノマーを用いる場合、その使用量は、重合性不飽和基を有する全モノマーに対し、10〜100質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。
特に、前記式(1)で表されるモノマーを用いる場合は、重合性不飽和基を有する全モノマー中において20〜100質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましく、40〜60質量%であることが最も好ましい。
該式(1)で表されるモノマーの割合が、20質量%以上、特に30質量%以上であると、硬質フォームとした際に良好な断熱性能が得られやすい。
含フッ素モノマーを用いる場合、上記に挙げた重合性不飽和結合を有するモノマーのほかに、マクロモノマーを併用してもよい。「マクロモノマー」とは、片末端にラジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴマーのことをいう。
ポリマー粒子の形成に用いられる、重合性不飽和結合を有するモノマーの合計の使用量は特に限定されないが、ポリマー分散ポリオール(Wa)中におけるポリマー粒子の含有量が1〜50質量%、より好ましくは2〜45質量%、特に好ましくは10〜30質量%となる量であることが好ましい。
重合性不飽和結合を有するモノマーの重合は、遊離基を生成して重合を開始させる重合開始剤が好適に用いられる。該重合開始剤の具体例としては2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、アセチルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、過硫酸塩等が挙げられる。特にAMBNが好ましい。
ベースポリオール(Wa’)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマー等が挙げられる。特にポリエーテルポリオールのみからなるか、またはポリエーテルポリオールを主成分として、少量のポリエステルポリオールや末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマー等を併用することが好ましい。
該ポリエーテルポリオールとしては、例えば多価アルコール、多価フェノール等のポリヒドロキシ化合物やアミン類等の開始剤にアルキレンオキシド等の環状エーテルを付加して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。ベースポリオール(Wa’)として用いるポリエーテルポリオールは、前記ポリオール(Aa)〜(Da)のいずれかと同じであってもよい。
ベースポリオール(Wa’)のうちの5質量%以上が、下記ポリエーテルポリオール(X)であることが好ましい。該ポリエーテルポリオール(X)は、水酸基価が84mgKOH/g以下であり、かつポリエーテルポリオール(X)全体に対するオキシエチレン基含有量が40質量%以上であるものをいう。
ポリエーテルポリオール(X)は、開始剤として多価アルコールを使用し、エチレンオキシドまたはエチレンオキシドと他の環状エーテルを付加して得られるものが好ましい。
多価アルコールとしてはグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等が好ましい。他の環状エーテルとしてはプロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシドが好ましく、プロピレンオキシドが特に好ましい。
ポリエーテルポリオール(X)において、水酸基価の上限は84mgKOH/g以下が好ましく、67mgKOH/g以下が好ましく、60mgKOH/g以下が特に好ましい。上記上限であると、ポリマー粒子が安定に分散したポリマー分散ポリオール(Wa)が得られやすい。水酸基価の下限は5mgKOH/g以上が好ましく、8mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましく、30mgKOH/g以上が特に好ましい。上記下限であると、ポリマー粒子の分散安定性が良好になる。
ポリエーテルポリオール(X)において、ポリエーテルポリオール(X)全体に対するオキシエチレン基含有量の下限は、40質量%以上であり、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上が特に好ましい。上記下限であると、ポリマー分散ポリオール(Wa)におけるポリマー粒子の分散が安定しやすい。オキシエチレン基含有量の上限は、100質量%、すなわち開始剤にエチレンオキシドのみを付加させたポリエーテルポリオール(X)であってもよい。ポリマー粒子の分散安定性の点からは、該オキシエチレン基含有量が90質量%以下であることがより好ましい。
ベースポリオール(Wa’)のうちのポリエーテルポリオール(X)の含有量の下限は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上が特に好ましい。上記下限であると、分散性のよいポリマー分散ポリオール(Wa)が得られやすい。ポリエーテルポリオール(X)の含有量の上限は特にないが、ポリマー分散ポリオール(Wa)全体の水酸基価が上記の好ましい範囲となるように設定することが好ましい。
ベースポリオール(Wa’)は、上記ポリエーテルポリオール(X)の5〜90質量%と、水酸基価が400〜850mgKOH/gであるポリオール(Y)の10〜95質量%との混合物であることが好ましく、ポリエーテルポリオール(X)の30〜80質量%と、前記ポリオール(Y)の20〜70質量%との混合物であることがより好ましい。
ポリオール(Y)の水酸基価は400〜800mgKOH/gがより好ましい。
ポリエーテルポリオール(Y)は、上記ベースポリオール(Wa’)として挙げたポリエーテルポリオールのうち、水酸基価が上記の範囲であるものを用いることができる。そのうち、開始剤として多価アルコールまたはアミン類を用い、プロピレンオキシドを付加して得られるものが好ましい。ポリエーテルポリオール(Y)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール組成物(Pa)にポリマー分散ポリオール(Wa)を含有させる場合は、その含有量は、ポリオール組成物(Pa)全体におけるポリマー粒子の含有量が上記の好ましい範囲となるように設定される。例えばポリオール組成物(Pa)全体におけるポリマー分散ポリオール(Wa)の含有量は0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましく、0.1〜20質量%が特に好ましい。
[その他のポリオール(Ea)]
ポリオール組成物(Pa)に、ポリオール(Aa)、ポリオール(Ba)、ポリオール(Ca)、ポリオール(Da)、またはポリマー分散ポリオール(Wa)のいずれにも属さない、その他のポリオール(Ea)を含有させてもよい。
その他のポリオール(Ea)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等が例示できる。ポリオール(Ea)の水酸基価は5〜1,000mgKOH/gが好ましく、10〜800mgKOH/gがより好ましく、20〜700mgKOH/gが特に好ましい。
ポリオール組成物(Pa)におけるポリオール(Ea)の含有量は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
<ポリオール組成物(Pa)>
ポリオール組成物(Pa)は、ポリオール(Aa)と、ポリマー粒子を含み、さらにポリオール(Ba)、ポリオール(Ca)、ポリオール(Da)から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。任意にその他ポリオール(Ea)を含んでもよい。ポリマー粒子はポリマー分散ポリオール(Wa)由来であることが好ましい。
ポリオール組成物(Pa)全体としての平均水酸基数は2〜8であり、2.5〜7.5が好ましい。該平均水酸基数が上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの圧縮強さが向上し、収縮も抑制できるため寸法安定性が良好となり、上限値以下であると発泡、成形時の急激な増粘挙動が抑制され、流動性、成形性が良好となる。
ポリオール組成物(Pa)全体としての平均水酸基価は100〜800mgKOH/gであり、200〜700mgKOH/gが好ましく、300〜600mgKOH/gが特に好ましい。該平均水酸基価が上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの収縮が抑制され、寸法安定性が良好となり、上限値以下であると硬質フォームの脆性が抑制される。
本発明Aにおいて、ポリオール組成物(Pa)の全部がポリオール(Aa)とポリマー粒子であってもよい。
ポリオール組成物(Pa)の好ましい組み合わせを以下に示す。
(組み合わせ3)
ポリオール(Aa)の30〜50質量%と、ポリオール(Ba)の5〜45質量%と、ポリオール(Ca)の10〜20質量%と、ポリマー分散ポリオール(Wa)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.01〜20質量%。
(組み合わせ4)
ポリオール(Aa)の30〜50質量%と、ポリオール(Ba)の5〜45質量%と、ポリオール(Ca)の10〜30質量%と、ポリオール(Da)の10〜60質量%と、ポリマー分散ポリオール(Wa)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.01〜20質量%。
<ポリイソシアネート化合物>
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2以上有する、芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはこれらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。このうち、クルードMDI、またはその変性体が好ましく、クルードMDIの変性体が特に好ましい。ポリイソシアネート化合物は1種でもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、ポリオールシステム液中に存在する、ポリオール組成物(Pa)およびその他の活性水素化合物の活性水素原子の合計数に対するイソシアネート基の数の100倍で表して(以下、この100倍で表した数値を「イソシアネート指数(INDEX)」という)、50〜400が好ましい。
特に、触媒としてウレタン化触媒を主に用いるウレタン処方の場合、ポリイソシアネート化合物の使用量は、前記イソシアネート指数で50〜170が好ましく、70〜150が特に好ましい。
また、触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方の場合、ポリイソシアネート化合物の使用量は、前記イソシアネート指数で110〜400が好ましく、150〜350がより好ましく、180〜300が特に好ましい。
<発泡剤>
本発明Aでは、発泡剤として、少なくとも上式(I)で表されるハイドロフルオロオレフィン類(I)の1種以上を用いる。すなわち、発泡剤は少なくともハイドロフルオロオレフィン類(I)を含む。
発泡剤の融点は10℃以下が好ましく、0℃以下が特に好ましい。また発泡剤の沸点は15〜80℃が好ましく、15〜60℃が特に好ましい。該沸点が上記範囲の下限値以上であると、取り扱いが容易である。上記範囲の上限値以下であると、発泡効率が良い。
上式()において、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはハロゲン原子である。
とRが2重結合に関して同じ側に存在するシス型(以下、Z−と表記することがある。)であってもよく、反対側に存在するトランス型(以下、E−と表記することがある。)であってもよい。特にRがペルフルオロアルキル基である場合は、沸点が常温域にあり取り扱い易さの点で、シス型(Z−)が好ましい。Rがハロゲン原子である場合は、ODPおよびGWPが低く環境負荷が小さい点で、トランス型(E−)が好ましい。
ハイドロフルオロオレフィン類(I)は公知の方法で製造可能であり、市販品からも入手できる。
としてのハロゲン原子は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)のいずれかであることが好ましく、特に経済的に有利である点で、塩素(Cl)が好ましい。
、Rとしてのペルフルオロアルキル基の炭素数が6以下であると、沸点が適度な領域となり発泡効率が良く、取り扱いも容易である。該炭素数は1〜5が好ましく、1〜4が特に好ましい。
該ペルフルオロアルキル基の具体例としては、CF、C5、CFCFCF、CF(CF、CFCFCFCF、CF(CF)CFCF、CFCF(CF、C(CF、CFCFCFCFCF、CFCFCF(CF、C(CF、CFCFCFCFCFCF、CF(CF)CFCF、またはC(CFCF等が挙げられる。
これらのうち、コストの点でCF、Cが特に好ましい。
常温で液体であるハイドロフルオロオレフィン類(I)の好ましい例としては、Z−CFCH=CHCF(Z−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、本明細書ではHFO−1336mzzということもある。)、E−CFCH=CHCl(E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−プロペン、本明細書ではHCFO−1233zdということもある。)、E−CFCH=CHCF(E−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン)、Z−CFCH=CHCl(Z−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−プロペン)等が挙げられる。
これらのうち、発泡剤が、少なくともHFO−1336mzzまたはHCFO−1233zdを含むことが、取り扱いがし易く、コストの点で特に好ましい。
また、発泡剤として、ハイドロフルオロオレフィン類(I)以外の公知の発泡剤を、本発明Aの効果を損なわない範囲で使用してもよい。
公知の発泡剤としては水が挙げられる。公知の発泡剤の使用量は、ポリオール組成物(Pa)の100質量部に対して1〜25質量部が好ましい。公知の発泡剤としての水の使用量は、ポリオール組成物(Pa)の100質量部に対して0〜25質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部が特に好ましい。
本発明Aにおいて、発泡剤の主成分がハイドロフルオロオレフィン類(I)であることが好ましく、具体的には発泡剤全体の50〜100質量%がハイドロフルオロオレフィン類(I)であることが好ましい。
発泡剤としてのハイドロフルオロオレフィン類(I)の使用量は、ポリオール組成物(Pa)の100質量部に対して1〜100質量部が好ましく、3〜80質量部がより好ましく、5〜50質量部が特に好ましい。
上記ハイドロフルオロオレフィン類(I)に加えその他発泡剤としてハイドロフルオロカーボン類(HFC類)を併用する場合、HFC類の使用量は、ポリオール組成物(Pa)の100質量部に対して0〜50質量部が好ましく、0.01〜50質量部がより好ましく、1〜40質量部がさらに好ましく、1〜20質量部が特に好ましい。
<触媒>
触媒として、ウレタン化反応を促進するウレタン化触媒、および/またはイソシアネート基の三量化反応を促進させる三量化反応促進触媒が用いられる。ウレタン化触媒としては第3級アミンが好ましい。三量化反応促進触媒としては、錫塩、鉛塩、水銀塩を除く金属塩、および/または第4級アンモニウム塩が好ましい。イソシアヌレート処方の場合、ウレタン化触媒と三量化反応促進触媒の併用が好ましく、第3級アミンと、前記金属塩および/または第4級アンモニウム塩とを併用することがより好ましい。
第3級アミンとしては、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N−メチル−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)エタノールアミン等の第3級アミン化合物が挙げられる。
錫塩、鉛塩、および水銀塩を除く金属塩としては、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ビスマス等のカルボン酸金属塩等が好ましい。
第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物;水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物;テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミンと炭酸ジエステル類とを反応して得られる4級アンモニウム炭酸塩を、2−エチルヘキサン酸とアニオン交換反応させることで得られる4級アンモニウム化合物等が挙げられる。
触媒の使用量は、ポリオール組成物(Pa)の100質量部に対して、触媒の合計量が0.1〜20質量部であることが好ましい。
触媒の使用量を調節することで、ポリオール組成物(Pa)とポリイソシアネート化合物、発泡剤、整泡剤の混合の開始時から目視で反応が開始するまでの時間(クリームタイム)、反応開始後から発泡が進行し、樹脂化を挙動を示すまでの時間(ゲルタイム)、発泡が終了するまでの時間(ライズタイム)を調整することができる。
<整泡剤>
本発明Aにおいては良好な気泡を形成するため整泡剤を用いる。整泡剤としては例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。これらは市販品を使用できる。整泡剤の使用量は適宜選定できるが、ポリオール組成物(Pa)の100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
<その他の配合剤>
本発明Aでは、上述したポリオール組成物(Pa)、ポリイソシアネート化合物、触媒、発泡剤、整泡剤の他に、公知の配合剤を使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。その他の配合剤の使用量は適宜選定できるが、ポリオール組成物(Pa)の100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましい。
<硬質フォームの製造方法>
本発明Aの硬質フォームの製造方法は、ポリオール組成物(Pa)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法である。
特に、金型等の枠内に硬質フォーム原料を注入して発泡させる、いわゆる注入法に本発明Aを適用すると、注入点付近においてもセル荒れが発生しにくい、という効果が得られる点で好ましい。
注入法は、例えば高圧発泡装置または低圧発泡装置を用いる方法で行うことができる。高圧発泡装置または低圧発泡装置を用いる場合、上記発泡剤をポリオールシステム液に配合して、種々の金型内に注入後、発泡硬化させて硬質フォームを製造する。発泡剤は、ポリオールシステム液にあらかじめ配合しておいても、発泡装置で発泡する際に配合してもよい。ここで原料系にあらかじめ配合するとは、ポリオールシステム液のみに配合する、または、ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物の両方に配合することを意味する。
注入法を用いて製造できる物品としては、電気冷蔵庫等の冷凍機器、冷凍・冷蔵車用パネル等が挙げられる。
また本発明Aは、連続ボード成形法またはスプレー法による硬質フォームの製造にも適用可能である。
連続ボード成形法とは、2枚の面材間に硬質フォーム原料を供給して発泡させることにより、これらの面材の間に硬質フォームが挟まれた積層体を製造する方法であり、建築用途の断熱材の製造等に用いられる。
スプレー法とは、硬質フォームをスプレーで吹き付け施工する方法である。スプレー法は、大きく分けてエアスプレー法とエアレススプレー法がある。このうち特に配合液をミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー法が好ましい。スプレー法を用いて製造できる物品としては、建築用途の断熱材が挙げられる。
本発明Aによれば、発泡剤として、ハイドロフルオロオレフィン類(I)を用いて、良好な特性を有する硬質フォームが得られる。
具体的に、硬質フォームにあっては、低密度化した場合にも、ポリオールシステム液の貯蔵安定性が良好であること、成形性が良好であること、寸法安定性が良好であることが望ましい。本発明Aによれば、これらの特性の全部が良好である硬質フォームを得ることができる。また本発明Aによれば、ポリオールシステム液の高温貯蔵安定性が良好となる。
また、ポリオール(Aa)およびポリマー粒子とハイドロフルオロオレフィン類(I)を組み合わせることにより、寸法安定性が良好で熱伝導率の低い、すなわち良好な断熱性能を有する硬質フォームを得ることができる。
<本発明Bについての説明>
本発明Bにおける「ポリオール組成物(Pb)」とは、ポリイソシアネート化合物との反応に用いるポリオール(ポリマー分散ポリオールを含む)の全部の混合物である。
本発明Bにおける「ポリオールシステム液」とは、ポリイソシアネート化合物と反応させる相手の液であり、ポリオール組成物(Pb)のほかに発泡剤、整泡剤、触媒等、必要に応じた配合剤を含む液である。
本発明Bにおける「発泡原液組成物」とは、ポリオールシステム液と、ポリイソシアネート化合物と、任意に残りの成分とを混合した液である。
本発明Bにおける「マンニッヒ縮合物」とは、一般に芳香族アミン類、フェノール類等の芳香族化合物と、アルデヒド類と、アミン類とを縮合反応(以下、マンニッヒ縮合反応ということもある。)させて得られる化合物を意味する。
本発明Bにおける「ポリマー分散ポリオール」とは、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオール等のベースポリオール(Wb’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるもので、該ベースポリオール(Wb’)中に該ポリマー粒子を分散させたポリオール(Wb)である。
[ポリオール(Ab)]
本発明Bにおけるポリオール組成物(Pb)は、ポリオール(Ab)を含む。
ポリオール(Ab)は、フェノール類および/または芳香族アミン類と、アルデヒド類と、アルカノールアミン類とを、反応させて得られるマンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール(マンニッヒポリオール)である。該マンニッヒポリオールは難燃性向上にも寄与する。
フェノール類は、フェノール、およびフェノールの水酸基に対して少なくとも1か所のオルト位に水素原子を有するフェノール誘導体からなる群から選ばれる1種以上である。すなわち、フェノールの水酸基に対して少なくとも1か所のオルト位に水素原子を有していればよく、フェノールであってもよく、フェノール誘導体であってもよい。フェノール類は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール誘導体としては、フェノールの水酸基に対して少なくとも1か所のオルト位に水素原子を有し、それ以外の、芳香環に結合した水素原子の1個以上が炭素数1〜15のアルキル基で置換されたアルキルフェノールが好ましい。アルキルフェノールにおけるアルキル基の置換位置はオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよい。アルキルフェノールの1分子中、アルキル基で置換された水素原子の数は1〜4個であり、1〜2個が好ましく、1個が特に好ましい。
アルキルフェノールにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10である。該アルキルフェノールとして、ノニルフェノール、クレゾールが好ましく用いられる。特にノニルフェノールは、ポリオール(Ab)とポリイソシアネート化合物との相溶性を向上させ、セル外観を向上させる点で好ましい。
芳香族アミン類としては、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。これらの中で、常温下において液状で取り扱いが容易で、マンニッヒポリオールの粘度が高くなりすぎない点、コストの点で、アニリンが好ましい。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの一方または両方の混合物が用いられる。これらのうちで、ホルムアルデヒドがマンニッヒ反応の反応性の点で好ましい。ホルムアルデヒドはどのような形態で使用してもよく、具体的にはホルマリン水溶液、メタノール溶液、またはパラホルムアルデヒドとして使用できる。パラホルムアルデヒドとして使用する場合は、パラホルムアルデヒドを加熱してホルムアルデヒドを生成させ、該ホルムアルデヒドを本工程の反応に用いてもよい。なお、使用量は、ホルムアルデヒド換算のモル数で計算する。
アルカノールアミン類は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよび1−アミノ−2−プロパノールからなる群から選ばれる1種以上である。これらのうちで、ジエタノールアミンが、低粘度のマンニッヒポリオールが得られやすい点で好ましい。
開始剤として用いるマンニッヒ縮合物は、上記フェノール類および/または芳香族アミン類と、アルデヒド類と、アルカノールアミン類とをマンニッヒ縮合反応させて得られる反応生成物である。該反応生成物には反応後に残存する未反応物も含まれるものとする。マンニッヒ縮合反応は公知の方法で実施できる。
マンニッヒ縮合反応に用いる原料において、フェノール類と芳香族アミン類の合計の1モルに対する、アルデヒド類の割合は0.3モル以上3モル以下が好ましい。該アルデヒド類の割合が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの良好な寸法安定性が得られやすい。上限値以下であると低粘度のマンニッヒポリオールを得やすくなる。また、マンニッヒポリオールの粘度がより低くなりやすい点では、0.3モル以上0.9モル未満が好ましく、得られる硬質フォームの強度の点からは0.9モル以上1.5モル以下がより好ましい。
マンニッヒ縮合反応に用いる原料において、アルデヒド類の1モルに対する、アルカノールアミン類の割合は0.7モル以上12モル以下が好ましい。該アルカノールアミン類の割合が上記範囲の下限値以上であると、良好な強度の硬質フォームが得られやすい。上限値以下であると良好な難燃性の硬質フォームが得られやすい。また、得られる硬質フォームの難燃性の点からは、0.7モル以上5モル以下が好ましい。低粘度のマンニッヒポリオールを得る点からは、0.7モル以上5モル以下が好ましく、0.7モル以上3.5モル以下が特に好ましい。
マンニッヒポリオールの製造に用いるアルキレンオキシドは、エチレンオキシド(以下、EOともいう。)、プロピレンオキシド(以下、POともいう。)、およびブチレンオキシドからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
EOおよび/またはPOを使用する場合、以下のいずれの方法を用いてもよい。
(1)EOを単独で開環付加重合する方法。
(2)POを単独で開環付加重合する方法。
(3)POとEOの混合物を開環付加重合する方法。
(4)上記(1)〜(3)の方法を任意に組み合わせて開環付加重合する方法。
開始剤の活性水素原子にアルキレンオキシドを反応させることにより、アルキレンオキシドが開環付加してオキシアルキレン基を有するポリオールが生成する。活性水素原子に1分子のアルキレンオキシドが開環付加することによりヒドロキシアルキル基が生成し、また、その水酸基に引き続きアルキレンオキシドが開環付加し、この反応が繰り返されてオキシアルキレン基の連鎖が生成する。アルキレンオキシドがEOの場合は、オキシエチレン基が連鎖し、アルキレンオキシドがPOの場合は、オキシプロピレン基が連鎖する。
開始剤に付加するアルキレンオキシドの付加量は、マンニッヒ縮合反応に使用するフェノール類と芳香族アミン類の合計の1モルに対して2〜30モルが好ましく、4〜20モルが特に好ましい。アルキレンオキシドの付加量が上記範囲の下限値以上であると、生成するマンニッヒポリオールの水酸基価および粘度が低くなりやすい。上記範囲の上限値以下であると、硬質フォームの収縮を抑えやすい。
ポリオール(Ab)の水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜700mgKOH/gがより好ましく、250〜650mgKOH/gが特に好ましい。
ポリオール(Ab)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、得られる硬質フォームの強度が確保し易く、良好な寸法安定性が得られやすいため好ましい。一方、上記範囲の上限値以下であると、マンニッヒポリオール中に存在するアルキレンオキシド由来のオキシアルキレン鎖の量が増え、マンニッヒポリオールの粘度が下がりやすく好ましい。また、製造される硬質フォームの脆さが抑制され、基材との接着性が出やすく、圧縮強度も向上する。
ポリオール組成物(Pb)におけるポリオール(Ab)の含有量は、5〜100質量%であり、5〜80質量%が好ましく、5〜60質量%がより好ましく、5〜50質量%が特に好ましい。ポリオール(Ab)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、接着性および難燃性が良好な硬質フォームが得られる。上記範囲の上限値以下であると、ポリオールシステム液の粘度が高くなりすぎず、取り扱いが容易である。
[ポリオール(Bb)]
ポリオール(Bb)は、脂肪族アミンを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。
ポリオール組成物(Pb)は、ポリオール(Ab)のほかにポリオール(Bb)を含むことが好ましい。ポリオール(Bb)はポリオールシステム液の低粘度化と反応性の向上に寄与する。ポリオール(Bb)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
開始剤である脂肪族アミンは、活性水素原子数が2〜4の脂肪族アミンが好ましい。具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のアルキルアミン類が挙げられる。これらのうち、エチレンジアミンが好ましい。
ポリオール(Bb)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できる。少なくとも、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシドを含むことが好ましく、少なくともプロピレンオキシドを含むことが特に好ましい。
具体的には、プロピレンオキシド単独の使用、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。併用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。
エチレンオキシドを用いる場合、ポリオール(Bb)の製造に用いるアルキレンオキシドの全量中における、エチレンオキシドの含有量(以下、全エチレンオキシド含有量、または全EO含有量ともいう。)は5〜55質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、15〜45質量%が特に好ましい。該全EO含有量が上記範囲の下限値以上であると、ポリオールの粘度が高くなりすぎず、取り扱いが容易である。上記範囲の上限値以下であると、反応が速くなりすぎず、発泡反応の制御がしやすい。
なお、本明細書では、プロピレンオキシドを開環付加重合させた後に、エチレンオキシドを開環付加重合させる場合など異なるアルキレンオキシドを順番に開環付加重合していく場合に、アルキレンオキシドの全量中のうち、最後に開環付加重合させたエチレンオキシドの割合を、末端のEO含有量(単位:質量%)ともいう。
ポリオール(Bb)の水酸基数は2〜4が好ましい。上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの強度が向上し、収縮が抑制される。上記範囲の上限値以下であると、ポリオールの粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易であり、成形時の流動性も良好となる。
ポリオール(Bb)の水酸基価は300〜1,000mgKOH/gが好ましく、350〜900mgKOH/gがより好ましく、400〜800mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(Bb)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、ポリイソシアネート化合物との反応が促進され、成形時のキュアー性が向上する。上記範囲の上限値以下であると、硬質フォームの脆性が抑制され、硬質フォームの強度が良好となる。
ポリオール組成物(Pb)におけるポリオール(Bb)の含有量は、20〜70質量%が好ましく、25〜65質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。ポリオール(Bb)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、ポリオール組成物(Pb)と、ハイドロフルオロオレフィン類(I)との相溶性が向上し、ポリオールシステム液の分離が抑制される。また、成形時のキュアー性も良好となる。上記範囲の上限値以下であると、ポリオールシステム液の分離が抑制される。
[ポリオール(Cb)]
ポリオール(Cb)は、芳香族アミン(マンニッヒ縮合物を除く)を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。ポリオール(Cb)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
開始剤である芳香族アミンとしては、活性水素原子数が4〜12の、芳香環を有するアミン類を用いることが好ましい。その具体例としては、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
これらの開始剤のうち低い熱伝導率が得られる点から、トリレンジアミンが特に好ましい。トリレンジアミンはo−トリレンジアミンでもよく、m−トリレンジアミンでもよい。
ポリオール(Cb)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できる。少なくともエチレンオキシドを含むことが好ましく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。
ポリオール(Cb)の製造に用いるアルキレンオキシドの全量中における、エチレンオキシドの含有量(全EO含有量)は0〜60質量%が好ましく、0〜45質量%がより好ましく、0〜30質量%が特に好ましい。該全EO含有量が上記範囲の上限値以下であると、適度な反応性を有するため成形性が良好となる。
ポリオール(Cb)の水酸基数は4〜12が好ましく、4〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの強度が良好となり、硬質フォームの収縮が抑制される。上記範囲の上限値以下であると、発泡、成形時の流動性が良好となる。
ポリオール(Cb)の水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gがより好ましく、300〜500mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(Cb)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの独泡率が向上して良好な熱伝導率が得られる。上記範囲の上限値以下であると、硬質フォームの脆性が抑制されて硬質フォームの強度が向上する。
ポリオール組成物(Pb)におけるポリオール(Cb)の含有量は、20〜60質量%が好ましく、30〜55質量%がより好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。ポリオール(Cb)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、熱伝導率が良好となる。上記範囲の上限値以下であると、ポリオールシステム液の粘度上昇が抑制され取り扱いが容易で、かつ硬質フォームの発泡・成形時の流動性が良好となる。
[ポリマー分散ポリオール(Wb)]
ポリオール組成物(Pb)は、ポリマー粒子を含有する。具体的には、ベースポリオール(Wb’)中にポリマー粒子が分散しているポリマー分散ポリオール(Wb)を調製し、該ポリマー分散ポリオール(Wb)をポリオール組成物(Pb)に含有させることが好ましい。
ポリオール組成物(Pb)中にポリマー粒子を存在させることにより、硬質フォームの収縮を抑制して、寸法安定性を向上させることができる。この効果は、より低密度の硬質フォームを製造する際に、特に有用である。ポリマー分散ポリオール(Wb)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール組成物(Pb)全体におけるポリマー粒子の含有量は0.002〜30質量%が好ましく、0.02〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。上記範囲内であると、断熱性能を維持しながら、得られる硬質フォームの収縮を効果的に抑制できる。また、常温の貯蔵安定性および高温の貯蔵安定性が良好となる。
本発明Cにおけるポリマー分散ポリオール(Wb)については好ましい態様を含め、発明Aにおけるポリマー分散ポリオール(Wa)と同様である。
本発明Cにおけるポリマー分散ポリオール(Wb)の製造におけるベースポリオール(Wb’)については好ましい態様を含め、発明Aにおけるベースポリオール(Wa’)と同様である。またベースポリオール(Wb’)は、前記ポリオール(Ab)〜(Cb)のいずれかと同じであってもよい。
[その他のポリオール(Eb)]
ポリオール組成物(Pb)に、ポリオール(Ab)、ポリオール(Bb)、ポリオール(Cb)、またはポリマー分散ポリオール(Wb)のいずれにも属さない、その他のポリオール(Eb)を含有させてもよい。
その他のポリオール(Eb)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等が例示できる。ポリオール(Eb)の水酸基価は200〜800mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gがより好ましく、200〜500mgKOH/gが特に好ましい。
ポリオール組成物(Pb)におけるポリオール(Eb)の含有量は80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
<ポリオール組成物(Pb)>
ポリオール組成物(Pb)は、ポリオール(Ab)とポリマー粒子を含み、さらにポリオール(Bb)、ポリオール(Cb)から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。任意にその他ポリオール(Eb)を含んでもよい。また、ポリマー粒子はポリマー分散ポリオール(Wb)由来であることが好ましい。
ポリオール組成物(Pb)全体としての平均水酸基数は2〜8であり、2.5〜7.5が好ましい。該平均水酸基数が上記範囲であると、硬質フォームの圧縮強度が向上し、収縮も抑制できるため寸法安定性が良好となる。
ポリオール組成物(Pb)全体としての平均水酸基価は100〜800mgKOH/gであり、200〜700mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gが特に好ましい。該平均水酸基価が上記範囲であると、発泡、成形時の急激な増粘挙動が抑制され、流動性、成形性が良好となる。
本発明Bにおいて、ポリオール組成物(Pb)の全部がポリオール(Ab)およびポリマー粒子であってもよい。
後述のウレタン処方で硬質ポリウレタンフォームを製造する場合の好ましい組み合わせを以下に示す。
(組み合わせ2)ポリオール組成物(Pb)が、ポリオール(Ab)の5〜80質量と、ポリオール(Bb)の20〜70質量%と、ポリオール(Cb)の10〜60質量%と、ポリオール(Eb)の0〜25質量%と、ポリオール(Wb)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.002〜10質量%である。
(組み合わせ3)
ポリオール組成物(Pb)が、
ポリオール(Ab)の5〜60質量と、
ポリオール(Bb)の20〜65質量%と、
ポリオール(Cb)の20〜55質量%と、
ポリオール(Eb)の0〜25質量%と、
ポリオール(Wb)とからなり、
ポリマー粒子の含有量が0.01〜10質量%である。
(組み合わせ4)
ポリオール組成物(Pb)が、
ポリオール(Ab)の5〜50質量と、
ポリオール(Bb)の20〜60質量%と、
ポリオール(Cb)の20〜50質量%と、
ポリオール(Eb)の0〜25質量%と、
ポリオール(Wb)とからなり、
ポリマー粒子の含有量が0.01〜7質量%である。
後述のイソシアヌレート処方で硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造する場合の好ましい組み合わせを以下に示す。
(組み合わせ5)ポリオール組成物(Pb)が、ポリオール(Ab)の20〜100質量%と、ポリオール(Eb)の0〜80質量%とからなる。(組み合わせ6)ポリオール組成物(Pb)が、ポリオール(Ab)の20〜100質量%と、ポリオール(Eb)の0〜80質量%と、ポリオール(Wb)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.01〜7質量%である。
<ポリイソシアネート化合物>
本発明Bにおけるポリイソシアネート化合物は、好ましい態様を含め、本発明Aにおけるポリイソシアネート化合物と同様である。
本発明Bにおいては、触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方の場合、ポリイソシアネート化合物の使用量は、前記イソシアネート指数で100〜350が好ましく、100〜300が特に好ましい。
<発泡剤>
本発明Bにおける発泡剤は好ましい態様を含め、本発明Aにおける発泡剤と同様である。
式(I)で表わされるハイドロフルオロオレフィン類は好ましい態様を含め発明Aにおける式(I)で表わされるハイドロフルオロオレフィン類と同様である。
<触媒>
本発明Bにおける触媒は、好ましい態様を含め本発明Aにおける触媒と同様である。
<整泡剤>
本発明Bにおける整泡剤は好ましい態様を含め、本発明Aにおける整泡剤と同様である。
<その他の配合剤>
本発明Bにおけるその他の配合剤は、好ましい態様を含め、本発明Aにおけるその他の配合剤と同様である。
<本発明Bの硬質フォームの製造方法>
本発明Bの硬質フォームの製造方法は、連続ボード成形法により、ポリオール組成物(Pb)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応、発泡させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法である。
連続ボード成形法とは、連続的に供給される2枚の面材間に発泡原液組成物を供給して発泡させることにより、これらの面材の間に硬質フォームが挟まれた積層体を製造する方法であり、建築用途の断熱材の製造等に用いられる。建築材料としての硬質フォームは、防火性の観点から難燃性が必要である。連続ボード成形法において良好な成形性を得るには、発泡原液組成物の流し込みを良好に行うことができる流動性が要求される。
本発明Bは、特に、ポリオール組成物(Pb)がマンニッヒポリオールを含むため、高い難燃性が得られやすい。また連続ボード成形法に本発明Bを適用すると、流動性、キュアー性が良好であるため、成形性に優れる。
該面材の代表例としては、クラフト紙、塩化ビニル製フィルムおよびシート、鉄板、スレート板、石膏板等が挙げられる。
連続ボード成形法で得られる硬質フォームの用途の代表例としては、建築用断熱材、自動販売機等の冷凍機器用断熱材等が挙げられる。
また本発明Bは、スプレー法または注入法による硬質フォームの製造にも適用可能である。
スプレー法とは、硬質フォームをスプレーで吹き付け施工する方法である。スプレー法は、大きく分けてエアスプレー法とエアレススプレー法がある。このうち特に配合液をミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー法が好ましい。具体的なスプレー法の方法は、発明Cにおける方法を用いることができる。
注入法とは、金型等の枠内に硬質フォーム原料を注入して発泡させる方法である。具体的な注入法の方法は、発明Aにおける方法を用いることができる。
本発明Bによれば、発泡剤として、ハイドロフルオロオレフィン類(I)を用いて、良好な特性を有する硬質フォームが得られる。
具体的に、硬質フォームにあっては、低密度化した場合にも、ポリオールシステム液の貯蔵安定性が良好であること、成形性が良好であること、寸法安定性が良好であることが望ましい。本発明Bによれば、これらの特性の全部が良好である硬質フォームを得ることができる。
また、ポリオール(Ab)およびポリマー粒子とハイドロフルオロオレフィン類(I)を組み合わせることにより、寸法安定性が良好で熱伝導率の低い、すなわち良好な断熱性能を有する硬質フォームを得ることができる。また本発明Bによれば、ポリオールシステム液の高温貯蔵安定性が良好となる。
<本発明Cについての説明>
本発明Cにおける「ポリオール組成物(Pc)」とは、ポリイソシアネート化合物との反応に用いるポリオール(ポリマー分散ポリオールを含む)の全部の混合物である。
本発明Cにおける「ポリオールシステム液」とは、ポリイソシアネート化合物と反応させる相手の液であり、ポリオール組成物(Pc)のほかに発泡剤、整泡剤、触媒等、必要に応じた配合剤を含む液である。
本発明Cにおける「マンニッヒ縮合物」とは、一般にアニリン、フェノール類等の芳香族化合物と、アルデヒド類と、アミン類とを縮合反応(以下、マンニッヒ縮合反応ということもある。)させて得られる化合物を意味する。
本発明Cにおける「ポリマー分散ポリオール」とは、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオール等のベースポリオール(Wc’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるもので、該ベースポリオール(Wc’)中に該ポリマー粒子を分散させたポリオール(Wc)である。
[ポリオール(Ac)]
本発明Cにおけるポリオール組成物(Pc)は、ポリオール(Ac)を含む。
ポリオール(Ac)は、フェノール類とアルデヒド類とアルカノールアミン類とを反応させて得られるマンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール(マンニッヒポリオール)である。該マンニッヒポリオールは難燃性向上にも寄与する。
フェノール類は、フェノール、およびフェノールの水酸基に対して少なくとも1か所のオルト位に水素原子を有するフェノール誘導体からなる群から選ばれる1種以上である。すなわち、フェノールの水酸基に対して少なくとも1か所のオルト位に水素原子を有していればよく、フェノールであってもよく、フェノール誘導体であってもよい。フェノール類は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール誘導体としては、フェノールの水酸基に対して少なくとも1か所のオルト位に水素原子を有し、それ以外の、芳香環に結合した水素原子の1個以上が炭素数1〜15のアルキル基で置換されたアルキルフェノールが好ましい。アルキルフェノールにおけるアルキル基の置換位置はオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよい。アルキルフェノールの1分子中、アルキル基で置換された水素原子の数は1〜4個であり、1〜2個が好ましく、1個が特に好ましい。
アルキルフェノールにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10である。該アルキルフェノールとして、ノニルフェノール、クレゾールが好ましく用いられる。特にノニルフェノールは、ポリオール(Ac)とポリイソシアネート化合物との相溶性を向上させ、セル外観を向上させる点で好ましい。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの一方または両方の混合物が用いられる。これらのうちで、ホルムアルデヒドがマンニッヒ反応の反応性の点で好ましい。ホルムアルデヒドはどのような形態で使用してもよく、具体的にはホルマリン水溶液、メタノール溶液、またはパラホルムアルデヒドとして使用できる。パラホルムアルデヒドとして使用する場合は、パラホルムアルデヒドを加熱してホルムアルデヒドを生成させ、該ホルムアルデヒドを本工程の反応に用いてもよい。なお、使用量は、ホルムアルデヒド換算のモル数で計算する。
アルカノールアミン類は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよび1−アミノ−2−プロパノールからなる群から選ばれる1種以上である。これらのうちで、ジエタノールアミンが、低粘度のマンニッヒポリオールが得られやすい点で好ましい。
開始剤として用いるマンニッヒ縮合物は、上記フェノール類と、アルデヒド類と、アルカノールアミン類とをマンニッヒ縮合反応させて得られる反応生成物である。該反応生成物には反応後に残存する未反応物も含まれるものとする。マンニッヒ縮合反応は公知の方法で実施できる。
マンニッヒ縮合反応に用いる原料において、フェノール類の1モルに対する、アルデヒド類の割合は0.3モル以上3モル以下が好ましい。該アルデヒド類の割合が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの良好な寸法安定性が得られやすい。上限値以下であると低粘度のマンニッヒポリオールを得やすくなる。また、マンニッヒポリオールの粘度がより低くなりやすい点では、0.3モル以上0.9モル未満が好ましく、得られる硬質フォームの強度の点からは0.9モル以上1.5モル以下がより好ましい。
マンニッヒ縮合反応に用いる原料において、アルデヒド類の1モルに対する、アルカノールアミン類の割合は0.7モル以上12モル以下が好ましい。該アルカノールアミン類の割合が上記範囲の下限値以上であると、良好な強度の硬質フォームが得られやすい。上限値以下であると良好な難燃性の硬質フォームが得られやすい。また、得られる硬質フォームの難燃性の点からは、0.7モル以上5モル以下が好ましい。低粘度のマンニッヒポリオールを得る点からは、0.7モル以上5モル以下が好ましく、0.7モル以上3.5モル以下が特に好ましい。
マンニッヒポリオールの製造に用いるアルキレンオキシドは、エチレンオキシド(以下、EOともいう。)、プロピレンオキシド(以下、POともいう。)、およびブチレンオキシドからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。該アルキレンオキシドがエチレンオキシドを含むことが好ましく、エチレンオキシドのみ、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの組み合わせがより好ましい。
EOおよび/またはPOを使用する場合、以下のいずれの方法を用いてもよい。
(1)EOを単独で開環付加重合する方法。
(2)POを単独で開環付加重合する方法。
(3)POとEOの混合物を開環付加重合する方法。
(4)上記(1)〜(3)の方法を任意に組み合わせて開環付加重合する方法。
開始剤に付加するアルキレンオキシドの付加量は、マンニッヒ縮合反応に使用するフェノール類の1モルに対して2〜30モルが好ましく、4〜20モルが特に好ましい。アルキレンオキシドの付加量が上記範囲の下限値以上であると、生成するマンニッヒポリオールの水酸基価および粘度が低くなりやすい。上記範囲の上限値以下であると、硬質フォームの収縮を抑えやすい。
開環付加重合反応に使用するアルキレンオキシドの全量中における、エチレンオキシドの含有量(以下、全エチレンオキシド含有量、または全EO含有量ともいう。)が10〜100質量%が好ましく、20〜100質量%が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であるとマンニッヒポリオールの粘度が低くなりやすく、ポリオール組成物(Pc)の粘度およびポリオールシステム液の粘度を低くする上で好ましい。
なお、ポリオール(Ac)して、複数種のマンニッヒポリオールを組み合わせて用いる場合、上記全EO含有量は、ポリオール(Ac)全体としての値である。
開始剤の活性水素原子にアルキレンオキシドを反応させることにより、アルキレンオキシドが開環付加してオキシアルキレン基を有するポリオールが生成する。活性水素原子に1分子のアルキレンオキシドが開環付加することによりヒドロキシアルキル基が生成し、また、その水酸基に引き続きアルキレンオキシドが開環付加し、この反応が繰り返されてオキシアルキレン基の連鎖が生成する。
ポリオール(Ac)の水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜550mgKOH/gがより好ましく、250〜450mgKOH/gが特に好ましい。
ポリオール(Ac)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、得られる硬質フォームの強度が確保し易く、良好な寸法安定性が得られやすいため好ましい。一方、上記範囲の上限値以下であると、マンニッヒポリオール中に存在するアルキレンオキシド由来のオキシアルキレン鎖の量が増え、マンニッヒポリオールの粘度が下がりやすく好ましい。また、製造される硬質フォームの脆さが抑制され接着性が出やすい。
ポリオール組成物(Pc)におけるポリオール(Ac)の含有量は、20〜100質量%であり、20〜70質量%が好ましく、25〜60質量%がより好ましく、30〜60質量%がさらに好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。ポリオール(Ac)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、接着性および難燃性が良好な硬質フォームが得られる。上記範囲の上限値以下であるとポリオールシステム液の粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易である。
[ポリオール(Bc)]
ポリオール(Bc)は、アミン化合物(マンニッヒ縮合物を除く)を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。ポリオール(Bc)はウレタン化反応の初期の活性を高める効果に寄与する。ポリオール(Bc)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
開始剤であるアミン化合物の活性水素原子数は2〜6が好ましく、3〜6がより好ましく、3〜4が特に好ましい。
開始剤であるアミン化合物としては、アルカノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、アルキルアミン類(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン)等の脂肪族アミン化合物;N−アミノメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジンなどの飽和環状アミン化合物;アニリン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンなどの芳香族アミン化合物(マンニッヒ縮合物を含まない)が挙げられる。ウレタン化反応の初期の活性を高める効果の点から、脂肪族アミン化合物または飽和環状アミン化合物が好ましい。
ポリオール(Bc)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できる。プロピレンオキシド単独の使用、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。併用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。
ポリオール(Bc)の水酸基数は2〜6が好ましく、3〜6がより好ましく、3〜4が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの収縮を抑制し、上限値以下であると粘度が適度な範囲となり、取り扱いが容易である。
ポリオール(Bc)の水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gがより好ましく、300〜500mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(Bc)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの強度が向上し、収縮が抑制されて寸法安定性が向上する。上記範囲の上限値以下であると、粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易である。
本発明Cにおいて、ポリオール(Bc)は必須ではないが、ポリオール(Bc)を用いる場合、ポリオール組成物(Pc)におけるポリオール(Bc)の含有量は、0質量%超、70質量%以下が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、3〜35質量%がさらに好ましく、3〜30質量%が特に好ましい。ポリオール(Bc)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの収縮が抑制されて、良好な寸法安定性が得られやすい。上記範囲の上限値以下であると硬質フォームの成形時において良好な硬化特性(キュアー性)を確保しやすい。
[ポリオール(Cc)]
ポリオール(Cc)は、活性水素原子数が2〜8の多価アルコールを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。ポリオール(Ac)のほかにポリオール(Cc)を用いることによりポリオール組成物(Pc)の粘度が高くなりすぎるのを防止することができる。
ポリオール(Cc)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
開始剤である多価アルコールとしては、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド等の4価アルコール;ソルビトール、マンニトール、ズルシトール等の6価アルコール;シュークロース等の8価アルコールが挙げられる。
これらのうち、寸法安定性と粘度のバランスが良い点でグリセリンが好ましい。
ポリオール(Cc)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できる。プロピレンオキシド単独の使用、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。併用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。
ポリオール(Cc)の製造にエチレンオキシドを併用する場合、アルキレンオキシドの全量中における、エチレンオキシドの含有量(全EO含有量)は0質量%超、50質量%以下が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。エチレンオキシドの含有量が上記範囲の下限値以上であると反応性が良好となり、上記範囲の上限値以下であると、得られる硬質フォームの脆性が抑制される。
ポリオール(Cc)の水酸基数は2〜8であり、2〜6がより好ましく、2〜4が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの収縮が抑制されて寸法安定性が向上する。上限値以下であると、粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易である。
ポリオール(Cc)の水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜700mgKOH/gがより好ましく、300〜600mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(Cc)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの強度が良好となり、収縮が抑制される。上記範囲の上限値以下であると、粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易であり、ポリイソシアネーとト化合物との混合性も良好となる。
本発明Cにおいて、ポリオール(Cc)は必須ではないが、ポリオール(Cc)を用いる場合、ポリオール組成物(Pc)におけるポリオール(Cc)の含有量は、0質量%超、40質量%以下が好ましく、1〜35質量%がより好ましく、3〜30質量%が特に好ましい。ポリオール(Cc)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、ポリオールシステム液が低粘度化でき、良好な成形性が得られやすい。上記範囲の上限値以下であると、硬質フォームの良好な圧縮強度が得られやすい。
[ポリオール(Dc)]
ポリオール(Dc)は、芳香族化合物を含むモノマー混合物を重縮合して製造されたポリエステルポリオールである。
ポリオール組成物(Pc)は、必要に応じてポリオール(Dc)を含有してもよい。ポリオール(Dc)は難燃性の向上に寄与する。
ポリオール(Dc)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール(Dc)の製造に用いるモノマー混合物は、ジカルボン酸化合物と多価アルコールとを含み、該ジカルボン酸化合物および多価アルコールの一方または両方が、芳香環を有する化合物を含むことが好ましい。
特にポリオール(Dc)が、芳香環を有するジカルボン酸と、芳香環を有しない多価アルコールとを重縮合反応させて得られる芳香族ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。
芳香環を有するジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等が挙げられる。耐熱性が向上する点でテレフタル酸がより好ましい。
芳香環を有しない多価アルコールとしては、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)、ネオペンチルグリコール等のジオール化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール化合物が挙げられる。ポリオール(Dc)の粘度を低くでき、かつ、良好な難燃性向上効果が得られやすい点で、エチレングリコールまたはジエチレングリコールがより好ましく、ジエチレングリコールが特に好ましい。
ポリオール(Dc)の平均水酸基数は2〜3が好ましく、2が特に好ましい。該平均水酸基数が3以下であると粘度を低く抑えることができ、取り扱いが容易である。
ポリオール(Dc)の水酸基価は100〜500mgKOH/gが好ましく、150〜350mgKOH/gがより好ましく、180〜300mgKOH/gが特に好ましい。ポリオール(Dc)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると硬質フォームの収縮が抑制されやすく、上記範囲の上限値以下であると硬質フォームの脆性が抑制されて良好な物性が得られやすい。
本発明Cにおいて、ポリオール(Dc)は必須ではないが、ポリオール(Dc)を用いる場合、ポリオール組成物(Pc)におけるポリオール(Dc)の含有量は、0質量%超、70質量%以下が好ましく、10〜65質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。ポリオール(Dc)の含有量が、上記範囲の下限値以上であると、ポリオールシステム液の粘度の低減効果が得られやすい。上記範囲の上限値以下であると、硬質フォームの収縮が抑制されやすい。
[ポリマー分散ポリオール(Wc)]
ポリオール組成物(Pc)はポリマー粒子を含有する。具体的には、ベースポリオール(Wc’)中にポリマー粒子が分散しているポリマー分散ポリオール(Wc)を調製し、該ポリマー分散ポリオール(Wc)をポリオール組成物(Pc)に含有させることが好ましい。
ポリオール組成物(Pc)中にポリマー粒子を存在させることにより、硬質フォームの収縮を抑制して、寸法安定性を向上させることができる。この効果は、より低密度の硬質フォームを製造する際に、特に有用である。ポリマー分散ポリオール(Wc)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール組成物(Pc)全体におけるポリマー粒子の含有量は0.002〜30質量%が好ましく、0.02〜20質量%がより好ましく、0.02〜10質量%が特に好ましい。上記範囲内であると、断熱性能を維持しながら、得られる硬質フォームの収縮を効果的に抑制できる。また、常温の貯蔵安定性および高温の貯蔵安定性が良好となる。
本発明Cにおけるポリマー分散ポリオール(Wc)については好ましい態様を含め、発明Aにおけるポリマー分散ポリオール(Wa)と同様である。
本発明Cにおけるポリマー分散ポリオール(Wc)の製造におけるベースポリオール(Wc’)については好ましい態様を含め、発明Aにおけるベースポリオール(Wa’)と同様である。またベースポリオール(Wc’)は、前記ポリオール(Ac)〜(Cc)のいずれかと同じであってもよい。
[その他のポリオール(Ec)]
ポリオール組成物(Pc)に、ポリオール(Ac)、ポリオール(Bc)、ポリオール(Cc)、ポリオール(Dc)、またはポリマー分散ポリオール(Wc)のいずれにも属さない、その他のポリオール(Ec)を含有させてもよい。
その他のポリオール(Ec)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等が例示できる。ポリオール(Ec)の水酸基価は5〜1,000mgKOH/gが好ましく、10〜800mgKOH/gがより好ましく、20〜700mgKOH/gが特に好ましい。
ポリオール組成物(Pc)におけるポリオール(Ec)の含有量は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
<ポリオール組成物(Pc)>
ポリオール組成物(Pc)は、ポリオール(Ac)と、ポリマー粒子を含み、さらにポリオール(Bc)、ポリオール(Cc)、ポリオール(Dc)から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。任意にその他ポリオール(Ec)を含んでもよい。ポリマー粒子はポリマー分散ポリオール(Wc)由来であることが好ましい。 ポリオール組成物(Pc)全体としての平均水酸基数は2〜8であり、2.5〜7.5が好ましい。該平均水酸基数が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの収縮が抑制され、寸法安定性が良好になる。上限値以下であると、ポリオールシステム液の粘度が適度となり成形性が良好となる。
ポリオール組成物(Pc)全体としての平均水酸基価は100〜800mgKOH/gであり、150〜700が好ましく、200〜600がより好ましい。該平均水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、硬質フォームの収縮が抑制され、寸法安定性が良好になる。上限値以下であると、硬質フォームの脆性が抑制される。
本発明Cにおいて、ポリオール組成物(Pc)の全部がポリオール(Ac)とポリマー粒子であってもよい。
ポリオール組成物(Pc)のより好ましい組成は以下の通りである。
後述のイソシアヌレート処方で硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造する場合の好ましい組み合わせを以下に示す。
(組み合わせ1)ポリオール組成物(Pc)が、ポリオール(A)の30〜50質量%と、ポリオール(Bc)の1〜30質量%と、ポリオール(Dc)の30〜70質量%と、ポリオール(Wc)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.02〜7質量%である。
(組み合わせ2)ポリオール組成物(Pc)が、ポリオール(Ac)の30〜50質量%と、ポリオール(Bc)の1〜30質量%と、ポリオール(Cc)の1〜30質量%と、ポリオール(Dc)の10〜60質量%と、ポリオール(Wc)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.02〜7質量%である。
後述のウレタン処方で硬質ポリウレタンフォームを製造する場合の好ましい組み合わせを以下に示す。
(組み合わせ5)ポリオール組成物(Pc)が、ポリオール(Ac)の30〜70質量%と、ポリオール(Bc)の10〜50質量%と、ポリオール(Cc)の5〜30質量%と、ポリオール(Wc)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.02〜7質量%である。
(組み合わせ7)ポリオール組成物(Pc)が、ポリオール(Ac)の30〜60質量%と、ポリオール(Bc)の10〜60質量%と、ポリオール(Cc)の5〜20質量%と、ポリオール(Wc)とからなり、ポリマー粒子の含有量が0.02〜7質量%である。
<ポリイソシアネート化合物>
本発明Cにおけるポリイソシアネート化合物は、好ましい態様を含め、発明Aにおけるポリイソシアネート化合物と同様である。
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2以上有する、芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはこれらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。このうち、クルードMDI、またはその変性体が好ましく、クルードMDIの変性体が特に好ましい。ポリイソシアネート化合物は1種でもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、ポリオールシステム液中に存在する、ポリオール組成物(Pc)およびその他の活性水素化合物の活性水素原子の合計数に対するイソシアネート基の数の100倍で表して(以下、この100倍で表した数値を「イソシアネート指数(INDEX)」という)、50〜400が好ましい。
特に、触媒としてウレタン化触媒を主に用いるウレタン処方の場合、ポリイソシアネート化合物の使用量は、前記イソシアネート指数で50〜170が好ましく、70〜150が特に好ましい。
また、触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方の場合、ポリイソシアネート化合物の使用量は、前記イソシアネート指数で100〜350が好ましく、100〜300がより好ましく、100〜180が特に好ましい。
<発泡剤>
本発明Cにおける発泡剤は好ましい態様を含め、発明Aにおける発泡剤と同様である。
式(I)で表わされるハイドロフルオロオレフィン類は好ましい態様を含め前述の式(I)で表わされるハイドロフルオロオレフィン類と同様である。
<触媒>
本発明Cにおける触媒は、好ましい態様を含め、本発明Aにおける触媒と同様である。
<整泡剤>
本発明Cにおける整泡剤は好ましい態様を含め、本発明Aにおける整泡剤と同様である。
本発明Cにおいては良好な気泡を形成するため整泡剤を用いる。整泡剤としては例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。これらは市販品を使用できる。整泡剤の使用量は適宜選定できるが、ポリオール組成物(Pc)の100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
<その他の配合剤>
本発明Cにおけるその他の配合剤は、好ましい態様を含め、発明Aにおけるその他の配合剤と同様である。
本発明Cでは、上述したポリオール組成物(Pc)、ポリイソシアネート化合物、触媒、発泡剤、整泡剤の他に、公知の配合剤を使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。その他の配合剤の使用量は適宜選定できるが、ポリオール組成物(Pc)の100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましい。
<発明Cの硬質フォームの製造方法>
本発明Cの硬質フォームの製造方法は、ポリオール組成物(Pc)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法である。
特に、硬質フォームをスプレーで吹き付け施工するスプレー法を好適に用いることができる。スプレー法は、例えばポリオールシステム液と、ポリイソシアネート化合物とをそれぞれポンプで送液し、スプレーガンから施工対象となる壁面等の基材に吹きつけながら反応させ、その基材上で発泡させて断熱材等とする方法である。スプレー法は、大きく分けてエアスプレー法とエアレススプレー法がある。このうち特に配合液をミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー法が好ましい。
例えば、建築現場等においてはスプレー法が多く採用される。このような建築材料としての硬質フォームは、防火性の観点から難燃性が必要である。特にスプレー法を採用する場合には、施工現場での溶接火花による火災事故防止の点からも難燃性が要求される。
本発明Cは、特に、ポリオール組成物(Pc)がマンニッヒポリオールを含むため、高い難燃性が得られやすい。またスプレー法に本発明Cを適用すると、寸法安定性が良好で、難燃性も良好なスプレー法による硬質合成発泡樹脂を得ることができる。
スプレー法においては、基材上でポリオールシステム液と、ポリイソシアネート化合物とを吹き付け後に早い速度で硬化するのが、液流れしない点で好ましい。例えばライズタイムが8〜25秒が好ましく、10〜20秒が特に好ましい。
基材としては、ベニヤ板、合板、スレート板、石膏板等が挙げられる。
スプレー法を用いて製造できる物品としては、住宅用結露防止断熱材、冷凍倉庫断熱材等が挙げられる。
また本発明Cは、連続ボード成形法または注入法による硬質フォームの製造にも適用可能である。
連続ボード成形法とは、2枚の面材間に硬質フォーム原料を供給して発泡させることにより、これらの面材の間に硬質フォームが挟まれた積層体を製造する方法であり、建築用途の断熱材の製造等に用いられる。注入法とは、金型等の枠内に硬質フォーム原料を注入して発泡させる方法である。
本発明Cによれば、発泡剤として、ハイドロフルオロオレフィン類(I)を用いて、良好な特性を有する硬質フォームが得られる。
具体的に、硬質フォームにあっては、低密度化した場合にも、ポリオールシステム液の貯蔵安定性が良好であること、成形性が良好であること、寸法安定性が良好であることが望ましい。本発明Cによれば、これらの特性の全部が良好である硬質フォームを得ることができる。
また、ポリオール(Ac)およびポリマー粒子とハイドロフルオロオレフィン類(I)を組み合わせることにより、寸法安定性が良好で熱伝導率の低い(すなわち良好な断熱性能)を有する硬質フォームを得ることができる。また本発明Cによれば、ポリオールシステム液の高温貯蔵安定性が良好となる。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<本発明Aの実施例について>
ポリオールの水酸基価は、JIS K 1557(1970年版)に準拠して測定した値である。
以下の本発明Aの例で用いた各原料は以下の通りである。
[ポリオール(Aa)]
ポリオールAa1:m−トリレンジアミンにEOを開環付加重合した後、水酸化カリウ触媒存在下でPO、EOの順にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られた、水基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、Eの含有量(全EO含有量)は25質量%である。また、末端のEO含有量は3質量%である。
ポリオールAa2:m−トリレンジアミンにEOを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でPO、EOの順にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量(全EO含有量)は25質量%である。また、末端のEO含有量は11質量%である。
ポリオールAa3:m−トリレンジアミンにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価350mgKOH/のポリエーテルポリオール。
ポリオールAa4:ノニルフェノール、ジエタノールアミンおよびホルムアルデヒドを1モル/2.2モル/1.5モルの比率で縮合させたマンニッヒ縮合物に、アルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価470mgKOH/g、平均官能基数4のポリエーテルポリオール。
[ポリオール(Ba)]
ポリオールBa1:ソルビトールにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価が500mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールBa2:ソルビトールにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価が385mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールBa3:シュークロースとグリセリンの混合物(質量比2:1)にアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリオール(Ca)]
ポリオールCa1:エチレンジアミンにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールCa2:モノエタノールアミンにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価が500mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールCa3:エチレンジアミンにアルキレンオキシドとしてPOを開環付加重合させ、続いて水酸化カリウム触媒存在下でEOを開環重合させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量(全EO含有量)は41質量%である。
[ポリオール(Da)]
ポリオールDa1:ジエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合して得られた、平均水酸基数が2、水酸基価が250mgKOH/gのポリエステルポリオール(製品名:Terol 563、オキシド社製)。
[その他のポリオール(Ea)]
ポリオールEa1:グリセリンにアルキレンオキシドとしてPOを開環付加重合させ、水酸化カリウム触媒存在下でEOを開環付加重合させて得られた、水酸基価56mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量(全EO含有量)は13質量%である。
ポリオールEa2:グリセリンにアルキレンオキシドとしてPOを開環付加重合させ、水酸化カリウム触媒存在下でEOを開環付加重合させて得られた水酸基価56mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量(全EO含有量)は20質量%である。
ポリオールEa3:ペンタエリスリトールにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価410mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールEa4:ジプロピレングリコールにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価450mgKOH/のポリエーテルポリオール。
[ポリマー分散ポリオール(Wa)]
ポリマー分散ポリオール(Wa)として、下記表1に示す配合で、下記製造例の方法により製造したポリマー分散ポリオールWa1〜Wa6を用いた。表1における配合比の単位は「質量部」である。
[重合性不飽和結合を有するモノマー]
ポリマー粒子を形成するための重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、アクリロニトリル(AN)、酢酸ビニル(Vac)、メタクリル酸メチル(MMA)、前記式(1−1)で表わされるポリフルオロアルキルメタクリレート(FMA)を用いた。
[マクロモノマー]
マクロモノマーとして以下の2種を用いた。
・マクロモノマーM1:下記のポリオールG、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールG/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価40mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
・マクロモノマーM2:下記のポリオールF、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールF/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価21mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
・上記ポリオールG:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、EOを開環付加重合した後、POとEOとの混合物[PO/EO=46.2/53.8(質量比)]を開環付加重合させた、ポリオールG中のオキシエチレン基含有量65質量%、水酸基価が48mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
・上記ポリオールF:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、EOを開環付加重合した後、POとEOとの混合物[PO/EO=48.0/52.0(質量比)]を開環付加重合させた、ポリオールF中のオキシエチレン基含有量60質量%、水酸基価が28mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
[ポリイソシアネート化合物]
ポリイソシアネート化合物1:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)(日本ポリウレタン工業社製、製品名:ミリオネートMR−200)。
[発泡剤]
発泡剤1:E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−プロペン。
発泡剤2:Z−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン。
発泡剤3:水。
[難燃剤]
難燃剤1:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(スプレスタジャパン社製、製品名:ファイロールPCF)。
[触媒]
触媒1:ペンタメチルジエチレントリアミン(東ソー社製、製品名:TOYOCAT DT)。
触媒2:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(東ソー社製、製品名:TOYOCAT MR)。
ウレタン化触媒1:触媒1/触媒2の1/3(質量比)の混合物。
[整泡剤]
整泡剤1:シリコーン系整泡剤(東レ・ダウコーニング社製、製品名:SH−193)。
<製造例1>
5L加圧反応容器に、下記ポリエーテルポリオール(X1)の300質量部、下記ポリエーテルポリオール(Y1)の150質量部、下記ポリエーテルポリオール(Y2)の300質量部、アクリロニトリルの50質量部、酢酸ビニルの200質量部、および重合開始剤として2,2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)の10質量部を仕込んだ後、撹拌しながら昇温を開始し、反応液を80℃に保ちながら10時間反応させた。モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、110℃、マイナス0.10MPa(ゲージ圧力)で2時間加熱減圧脱気して未反応モノマーを除去し、ポリマー分散ポリオール(ポリオールWa1)を得た。得られたポリマー分散ポリオールWa1の水酸基価、25℃における粘度、およびWa1中のポリマー粒子の含有量を表1に示す(以下、同様。)。
<製造例2、3:ポリマー分散ポリオール(Wa2)、(Wa3)の製造>
5L加圧反応槽に、表1に示したベースポリオール(Wa’)の混合物のうちの70質量%を仕込み、120℃に保ちながら、残りのベースポリオール(Wa’)の混合物とモノマーと重合開始剤(AMBN)との混合物を撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。製造例2、3のいずれにおいても、モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、未反応モノマーを120℃、20Paで2時間加熱減圧脱気にて除去し、ポリマー分散ポリオールWa2およびWa3を得た。
<製造例4〜6:ポリマー分散ポリオール(Wa4)、(Wa5)、(Wa6)の製造>
5L加圧反応槽に、表1に示した配合で、ポリオールX1、ポリオールY1、およびマクロモノマーを仕込み、120℃に保ちつつ、モノマーおよび重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールWa4、Wa5およびWa6を得た。
Figure 0005664669
ポリエーテルポリオール(X1):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウム触媒存在下、POとEOとをランダムに付加して得られる、水酸基価が50mgKOH/g、オキシエチレン基含有量70質量%のポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオール(Y1):エチレンジアミンを開始剤として、POのみを付加して得られる、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオール(Y2):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウム触媒存在下、POのみを付加して得られる、水酸基価が650mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリマー分散ポリオールの平均水酸基価は、JIS K 1557−1:2007に従って測定した。
<例1〜50>
例19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49が実施例、例1〜18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50が比較例である。
表2、3、4、5、に示す配合で硬質フォームを製造する。表に示した配合の数値の単位は質量部である。ただしポリイソシアネート化合物の配合量はイソシアネート指数(INDEX)で表す。表にポリオール組成物(Pa)の全体における平均水酸基数および平均水酸基価を示す。
まず、各ポリオール、ウレタン化触媒、整泡剤、混合発泡剤および水の所定量を混合してポリオールシステム液を調製する。ウレタン化触媒の配合量はゲルタイムが100秒となる量に設定した。ポリオールシステム液およびポリイソシアネート化合物の液温を、それぞれ20℃に調整する。
[自由発泡フォームの製造]
上記の手順で調製した、ポリイソシアネート化合物をポリオールシステム液に投入し、日立製作所社製のボール盤に円盤型形状の攪拌翼を装着した攪拌装置を用いて、毎分3,000回転の回転速度で5秒間撹拌・混合して発泡原液組成物を調製する。調製直後の発泡原液組成物を、ポリエチレン製の離型袋を装着した縦、横、高さ各200mmの木箱に素早く投入し、自由発泡フォームを得る。得られた自由発泡フォームのボックスフリー密度を下記の方法で測定する。また、発泡途中には、反応性(クリームタイム、ゲルタイム、タックフリータイム)を下記の方法で測定する。結果を表3および4に示す。
[パネルフォームの製造]
上記自由発泡フォームの製造と同様な方法で調製した発泡原液組成物を、40℃に温度調整した縦400mm×横800mm×厚さ40mmのアルミニウム製金型に有機系の離型剤を塗布した状態で、ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物との混合直後に投入する。投入量は、金型容積に対し15%の過充填となる量とする。投入後、蓋をして密閉した状態で発泡させて、10分間保持し、該金型から取り出すことでパネルフォームを製造する。
得られたパネルフォームのパネル全密度(単位:kg/m)を下記の方法で測定する。また、下記の方法で各特性の評価を行う。結果を表3および4に示す。
<自由発泡フォームの評価方法>
[ボックスフリー密度]
自由発泡で得られたフォームの中央付近を100mm角に切り出した試験片について、JIS A 9511に準拠した方法で密度(単位:kg/m)を測定する。
[反応性]
ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物との混合開始時刻を0秒とし、クリームタイム、ゲルタイムおよびタックフリータイムを測定する。
クリームタイム(秒):ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物との混合液が泡立ちを始めるまでの時間。
ゲルタイム(秒):ゲル化の進行に伴い、細いガラスまたは金属製の棒を発泡中の発泡原液組成物上部に軽く差した後、素早く引き抜いた時に発泡原液組成物が糸を引き始めるまでの時間。
タックフリータイム(秒):発泡が終了し、フォームにベトツキが無くなるまでの時間。
<パネルフォームの評価方法>
[パネル全密度]
得られたパネルフォームの全体につき、JIS A 9511に準拠した方法でパネル全密度(単位:kg/m)を測定する。
[成形性]
(1)脱型後の収縮の有無:得られたパネルフォームを、20℃で30時間放置した後、外観状態を観察する。下記の基準で評価する。
○(良):変形がない。良好。
△(可):収縮により部分的に変形が生じる。
×(不可):収縮により全体が潰れる。不良。
(2)セル外観:得られたパネルフォームの表面のうち、発泡方向(金型の厚さ方向)に対して下側(金型の底面側)の表面をスキン部の表面とする。パネルフォームのコア部から、横(x)100mm、縦(y)100mm、高さ(z)25mmの寸法で切り出した試験片の表面をコア部の表面とする。
スキン部およびコア部のそれぞれの表面について、セルが不均一な部分(セルが粗くなっている部分)の有無を目視で観察し、下記の基準で評価する。
◎(優良):セルが粗くなっている部分がない。セルが微細でかつ均一。
○(良):セルが粗くなっている部分がない。セルが均一。
△(可):部分的にセルが粗くなっている。
×(不可):全体的にセルが粗くなっている。不良。
[寸法安定性]
寸法安定性は、ASTM D 2126−75に準じた方法で測定する。金型からパネルフォームを取り出した後、雰囲気温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下で30時間養生した後、パネルフォームのコア部から、横(x)100mm、縦(y)100mm、高さ(z)25mmの寸法で切り出したものを試験片として、高温寸法安定性、低温寸法安定性および湿熱寸法安定性の各試験を行う。
養生条件は以下の条件で行う。
高温寸法安定性:試験片を70℃の恒温槽中で24時間保存。
低温寸法安定性:試験片を−30℃の恒温槽中で24時間保存。
湿熱寸法安定性:試験片を70℃で相対湿度95%の雰囲気下の恒温槽中で24時間保存。
上記各条件での保存終了後、試験片のx、y、zの3方向について、保存前の寸法に対する変化した寸法の割合を寸法変化率(単位:%)で表す。
寸法変化率において、負の数値は収縮を意味し、絶対値が大きいことは、寸法変化が大きいことを意味する。
[圧縮強度]
パネルフォームの圧縮強さは、JIS A 9511に準拠して測定した。試料片の大きさは、縦(x)、横(y)を各50mmに切出し、高さ方向(z)は表面スキン層を切り出さずパネルフォームの厚さである40mmのままとし、z方向の圧縮強度を測定する。
[熱伝導率]
パネルフォームの熱伝導率(単位:W/m・K)は、JIS A 9511に準拠し、熱伝導率測定装置(製品名:オートラムダHC−074型、英弘精機社製)を用いて、平均温度24℃で測定した。
[常温貯蔵安定性]
ポリオールシステム液を20℃で1ヶ月間保存した後、液の状態を目視で観察する。下記の基準で評価する。
○(良):濁り、分離、沈殿、固化のいずれも発生せず、透明である。良好。
×(不可):濁り、分離、沈殿、固化のうちの1つ以上が発生する。不良。
[高温貯蔵安定性]
ポリオールシステム液を40℃で1ヶ月間保存した後、液の状態を目視で観察する。下記の基準で評価する。
○(良):濁り、分離、沈殿、固化のいずれも発生せず、透明である。良好。
×(不可):濁り、分離、沈殿、固化のうちの1つ以上が発生する。不良。
××(より不可):濁り、分離、沈殿、固化のうち2つ以上が発生する。より不良。
Figure 0005664669
Figure 0005664669
Figure 0005664669
Figure 0005664669
Figure 0005664669
Figure 0005664669
表6の結果より、ポリオール組成物にポリマー粒子を含まない例1〜18は、ポリオールシステムの高温の貯蔵安定性が不良である。
表7の結果より、本願発明の例19、21の硬質フォームは例20、22と比べてボックスフリー密度を低くして軽量化しても、寸法安定性、成形性が良好であり、ポリオールシステムの安定性が良好であり、高温の貯蔵安定も良好である。またポリエーテルポリオールよりも収縮する傾向が強いポリエステルポリオール(ポリオール(Da))を用いた例23、25においても、例24、26と比べてフォームの収縮が抑制され、成形性、寸法安定性、圧縮強度、熱伝導率およびポリオールシステムの貯蔵安定性がいずれも向上する。
Figure 0005664669
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表8、9の結果より、本願発明のポリオール組成物を用いた例27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49は、ポリオール(Aa)を用いない比較例である例28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50と比べて、成形性、寸法安定性、圧縮強さ、熱伝導率およびポリオールシステムの常温貯蔵安定性がいずれも良好であり、高温の貯蔵安定性も良好である。
<本発明Bの実施例について>
ポリオールの水酸基価は、JIS K 1557(1970年版)に準拠して測定した値である。以下の例で用いる各原料は以下の通りである。
[ポリオール(Ab)]
ポリオールAb1:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの1.5モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POを開環付加重合させた後、水酸化カリウム触媒存在下で、EOを開環付加重合させて得られた水酸基価が300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し15.4モルである。付加させたPOとEOとの合計量に対するEOの割合(全EO含有量)は58質量%である。
ポリオールAb2:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの2.2モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POを開環付加重合させた後、水酸化カリウム触媒存在下で、EOを開環付加重合させて得られた水酸基価が430mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し6.3モルである。付加させたPOとEOとの合計量に対するEOの割合(全EO含有量)は23質量%である。
ポリオールAb3:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの1.5モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POのみを開環付加重合させて得られた水酸基価が470mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し5.5モルである。
ポリオールAb4:アニリン1モルに対して、フェノール1モル、ホルムアルデヒド0.6モルおよびジエタノールアミン2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POのみを開環付加重合させて得られた水酸基価が540mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はアニリンの1モルに対し6.9モルである。
ポリオールAb5:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの1.5モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、EOのみを開環付加重合させて得られた水酸基価が580mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し2.6モルである。
[ポリオール(Bb)]
ポリオールBb1:エチレンジアミンにPOを開環付加重合させた後、水酸化カリウム触媒存在下で、EOを開環付加重合させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量(全EO含有量)は41質量%である。
ポリオールBb2:エチレンジアミンにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールBb3:モノエタノールアミンにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価が500mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリオール(Cb)]
ポリオールCb1:m−トリレンジアミンにEOを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でPO、EOの順にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量(全EO含有量)は25質量%である。また、末端のEO含有量は3質量%である。
ポリオールCb2:m−トリレンジアミンにEOを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でPO、EOの順にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量(全EO含有量)は25質量%である。また、末端のEO含有量は11質量%である。
ポリオールCb3:m−トリレンジアミンにアルキレンオキシドとしてPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価が350mgKOH/のポリエーテルポリオールである。
[その他のポリオール(Eb)]
ポリオールEb1:ジエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合して得られた、水酸基価が250mgKOH/gのポリエステルポリオール(オキシド社製、製品名:Terol 563)。
[ポリマー分散ポリオール(Wb)]
ポリオールWb1:下記の製造例1で得られた、平均水酸基価320mgKOH/gのポリマー分散ポリオール。
ポリマー分散ポリオール(Wb)として、下記表1に示す配合で、下記製造例の方法により製造したポリマー分散ポリオールWb1〜W6を用いた。表1における配合比の単位は「質量部」である。[重合性不飽和結合を有するモノマー]
ポリマー粒子を形成するための重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、アクリロニトリル(AN)、酢酸ビニル(Vac)、メタクリル酸メチル(MMA)、前記式(1−1)で表わされるポリフルオロアルキルメタクリレート(FMA)を用いた。
[マクロモノマー]
マクロモノマーとして以下の2種を用いた。
・マクロモノマーM1:下記のポリオールE、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールE/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価40mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
・マクロモノマーM2:下記のポリオールF、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールF/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価21mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
・上記ポリオールE:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、EOを開環付加重合した後、POとEOとの混合物[PO/EO=46.2/53.8(質量比)]を開環付加重合させた、ポリオールD中のオキシエチレン基含有量65質量%、水酸基価が48mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
・上記ポリオールF:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、EOを開環付加重合した後、POとEOとの混合物[PO/EO=48.0/52.0(質量比)]を開環付加重合させた、ポリオール中のオキシエチレン基含有量60質量%、水酸基価が28mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
[ベースポリオール(Wb’)]
ベースポリオール(Wb’)としては、下記のポリオールX1、Z1、Z2を用いた。
(ポリオールX1)
グリセリンを開始剤として、EOとPOとをランダムに開環付加重合させて得られた、水酸基価50mgKOH/gのポリエーテルポリオール。付加させたPOとEOの合計量に対するEOの割合は70質量%である。ポリオールX1の全体におけるEO基の含有量は68質量%である。(ポリオールY1)
グリセリンを開始剤として、POを開環付加重合して得られた、水酸基価650mgKOH/gのポリエーテルポリオール。(ポリオールY2)
エチレンジアミンを開始剤として、POを開環付加重合させて得られた、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[製造例1:ポリマー分散ポリオール(Wb1)の製造]
5L加圧反応槽に、表1に示した配合でベースポリオール(Wb’)、モノマー、および重合開始剤としてのAMBNを全て仕込んだ後、撹拌しながら昇温を開始し、反応液を80℃に保ちながら10時間反応させた。モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、110℃、20Paで2時間加熱減圧脱気して未反応モノマーを除去し、ポリマー分散ポリオールWb1を得た。
得られたポリマー分散ポリオールWb1の水酸基価、25℃における粘度、およびWb1中のポリマー粒子の含有量を表1に示す(以下、同様。)。
[製造例2、3:ポリマー分散ポリオール(Wb2)、(Wb3)の製造]
5L加圧反応槽に、表1に示したベースポリオール(Wb’)の混合物のうちの70質量%を仕込み、120℃に保ちながら、残りのベースポリオール(Wb’)の混合物とモノマーと重合開始剤(AMBN)との混合物を撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。製造例2、3のいずれにおいても、モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、未反応モノマーを120℃、20Paで2時間加熱減圧脱気にて除去し、ポリマー分散ポリオールWb2およびWb3を得た。
[製造例4〜6:ポリマー分散ポリオール(Wb4)、(Wb5)、(Wb6)の製造]
5L加圧反応槽に、表1に示した配合で、ポリオールX、ポリオールY1、およびマクロモノマーを仕込み、120℃に保ちつつ、モノマーおよび重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールWb4、Wb5およびWb6を得た。ポリマー分散ポリオールの平均水酸基価は、JIS K 1557−1:2007に従って測定した。
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[ポリイソシアネート化合物]
ポリイソシアネート化合物1:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)(日本ポリウレタン工業社製、製品名:ミリオネートMR−200)。[発泡剤]
発泡剤1:E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−プロペン。
発泡剤2:Z−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン。
発泡剤3:水。
[難燃剤]
難燃剤1:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(スプレスタジャパン社製、製品名:ファイロールPCF)。
[触媒]
触媒1:ペンタメチルジエチレントリアミン(東ソー社製、製品名:TOYOCAT DT)。
触媒2:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(東ソー社製、製品名:TOYOCAT MR)。
触媒3:オクチル酸カリウム塩(日本化学産業社製、製品名:プキャット15G)。
ウレタン化触媒1:触媒1/触媒2の1/3(質量比)の混合物。
[整泡剤]
整泡剤1:シリコーン系整泡剤(東レ・ダウコーニング社製、製品名:SH−193)。
<例1〜16、21〜34>
表2、3、6および7に示す配合で自由発泡フォームおよびパネルフォームのサンプルを製造した。表2および3はポリウレタンフォームの配合(ウレタン処方)、表6および7はポリイソシアヌレートフォームの配合(イソシアヌレート処方)である。例3〜4、11〜24、33〜34、37〜38、41〜57は実施例、例1〜2、7、8、25、26、29〜32、35〜36、39〜40、58〜59は比較例である。
表に示した配合の数値の単位は質量部である。ただしポリイソシアネート化合物の配合量はイソシアネート指数(INDEX)で表す。表にポリオール組成物(Pb)の全体における平均水酸基数および平均水酸基価を示す。以下において、発泡方向を厚さ方向とする。
[発泡原液組成物の調製]
各例の配合のうち、ポリイソシアネート化合物を除く各成分の所定量をプラスチック製容器に量り取り、撹拌羽根付のミキサーを用い、毎分3,000回転で30秒間撹拌・混合し、ポリオールシステム液を調製した。該ポリオールシステム液の液温を25℃に保温する。
これとは別に、ポリイソシアネート化合物の所定量をプラスチック容器に量り取り、液温を20℃に保温する。
該ポリイソシアネート化合物を上記ポリオールシステム液に投入し、ミキサーを用いて、毎分3,000回転で5秒間撹拌・混合して発泡原液組成物を調製する。
[自由発泡フォームの製造]
上記手順で調製した、発泡原液組成物を調製後、直ちに、縦、横、高さ各20cmの木箱に素早く投入して、自由発泡フォームを得た。得られた自由発泡フォームのボックスフリー密度を下記の方法で測定する。また、発泡途中には、反応性(クリームタイム、ゲルタイム、タックフリータイム)を下記の方法で測定する。
[パネルフォームの製造]
図1はパネルフォームの製造に用いた金型1の斜視図である。該金型1はアルミニウム製の下型2と上蓋3とからなる。
下型2は、縦方向(X)の長さが800mm、横方向(Y)の長さが400mm、厚さ方向(t)の長さが40mmである直方体の、厚さ方向(t)に垂直な上面が取り除かれて上部開口部4が形成され、かつ縦方向(X)に垂直な一側面が取り除かれて側部開口部5が形成された形状である。すなわち下型2は、底面2aと、横方向(Y)に垂直な2つの側面2cと、縦方向(X)に垂直な1つの側面2bとからなる。
上蓋3は、下型2の上部開口部4を閉じる板状であり、下型2の横方向(Y)に垂直な一側面2cの上端に蝶着されている。
パネルフォームの製造においては、予め金型1を60℃に温度調整しておき、上記手順で発泡原液組成物を調製した後、直ちに、下型2内の投入位置6に投入する。投入量は、発泡後に金型容積(800mm×400mm×40mm)が丁度満たされた状態となる量(ジャストパック)とする。投入位置6は、縦方向(X)に垂直な側面2bの近傍における、底面2aの横方向(Y)の中央部である。投入位置6に投入された発泡原液組成物は、底面2a上を側部開口部5に向かって、縦方向(X)に沿って流れる。全量を投入した直後に、上蓋3を閉じて発泡させ、パネルフォームを製造する。なお、ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物との混合開始時刻を0秒とし、10分後に、上蓋3を開放して製品(パネルフォーム)を取り出す。
<自由発泡フォームの評価方法>
[反応性]
ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物との混合開始時刻を0秒とし、クリームタイム、ゲルタイムおよびタックフリータイムを測定する。
クリームタイム(秒):ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物との混合液が泡立ちを始めるまでの時間。
ゲルタイム(秒):ゲル化の進行に伴い、細いガラスまたは金属製の棒を発泡中の発泡原液組成物上部に軽く差した後、素早く引き抜いた時に発泡原液組成物が糸を引き始めるまでの時間。
タックフリータイム(秒):発泡が終了し、フォームにベトツキが無くなるまでの時間。
[ボックスフリー密度]
自由発泡で得られたフォームの中央付近を10cm角に切り出した試験片について、JIS A 9526に準拠した方法で密度(単位:kg/m)を測定する。
<パネルフォームの評価方法>
[パネルコア密度]
上述のように製造したパネルフォームの中央部から表皮部を除いて縦横10cm、厚さ2.5cmに切り出した試験片について密度(単位:kg/m)を測定する。
[成形性]
パネルフォームで下記の項目につき観察を行い、成形性評価とする。
(1)端部収縮の有無:パネルフォームの縦方向(X)の両端部のうち、側部開口部5側の端部(以下、流れ端部という)におけるフォーム外観を観察し、下記の基準で評価する。
○(良好):流れ端部付近に変形(収縮)がない。良好。
△(可):流れ端部が収縮により部分的に変形が生じる。
×(不可):流れ端部が収縮により大きく収縮した。不良。
(2)セル外観:得られたパネルフォームの中央部の表面のうち、発泡方向(厚さ方向(t))に対して下側(下型2の底面2a側)の表面のセル状態を評価する。セルが不均一な部分(セルが粗くなっている部分)の有無を目視で観察し、下記の基準で評価する。
◎(優良):セルが粗くなっている部分がない。セルが微細でかつ均一。
○(良好):セルが粗くなっている部分がない。セルが均一。
△(可):部分的にセルが粗くなっている。
×(不可):全体的にセルが粗くなっている。不良。
[寸法安定性]
ASTM D 2126−75に準じた方法で、70℃高温寸法安定性および−30℃低温寸法安定性の2条件の評価を行う。
すなわち、上述のように製造したパネルフォームの中央部から縦10cm、横15cm、厚さ2.5cmにカットして得られた試験片を、高温寸法安定性は70℃、低温寸法安定性は−30℃の雰囲気下に、それぞれ24時間保存し、縦(X)方向、横(Y)方向および厚さ(t)方向について、増加した長さ(厚さ)を、保存前の長さ(厚さ)に対する寸法変化率(単位:%)で表す。寸法変化率において、負の数値は収縮を意味し;絶対値が大きいことは、寸法変化が大きいことを意味する。
[圧縮強度]
上述のように製造したパネルフォームの中央部から縦(X)40mm、横(Y)40mm、厚さ(t)40mmに切り出した試験片について、JIS A 9511に準拠して、縦(X)方向、横(Y)方向および厚さ(t)方向の圧縮強度を測定する。
[熱伝導率]
JIS A 1412に準拠し、熱伝導率測定装置(英弘精機社製、製品名:オートラムダHC−074型)を用いて、平均温度20℃で測定する。
[難燃性]
JIS A 9511B法に準拠した方法で、フォームの燃焼性を評価した。すなわち、パネルフォームコア部を長さ150mm、幅50mm、厚さ13mmに切り出し、ブンゼンバーナでフォームの片方の端部に炎をあて、燃焼時間(秒)と燃焼距離(mm)を測定する。
[常温貯蔵安定性]
ポリオールシステム液を20℃で1ヶ月間保存した後、液の状態を目視で観察する。下記の基準で評価する。
○(良好):濁り、分離、沈殿、固化のいずれも発生せず、透明である。
×(不可):濁り、分離、沈殿、固化のうちの1つ以上が発生する。
××(より不可):濁り、分離、沈殿、固化のうち2つ以上が発生する。より不良。
[高温貯蔵安定性]
ポリオールシステム液を40℃で1ヶ月間保存した後、液の状態を目視で観察する。下記の基準で評価する。
○(良):濁り、分離、沈殿、固化のいずれも発生せず、透明である。良好。
×(不可):濁り、分離、沈殿、固化のうちの1つ以上が発生する。不良。
××(より不可):濁り、分離、沈殿、固化のうち2つ以上が発生する。より不良。
Figure 0005664669
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表4−1、表4−2および表5の結果より、ウレタン処方による評価において、ポリオール(Ab)およびポリマー粒子を含む例3〜4および11〜24は、良好な成形性および物性を有するパネルフォームを得ることができる。ポリオールシステム液の常温貯蔵安定性、高温の貯蔵安定性も良好である。一方、ポリオール(Ab)および/またはポリマー粒子を含まない例1〜2、7、8、25、26、29、30で得られたフォームは、ポリオールシステム液の高温の貯蔵安定性が不充分である。
Figure 0005664669
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表8および表9の結果より、イソシアヌレート処方の評価において、ポリオール(Ab)およびポリマー粒子を含む例33〜34、37〜38、41〜57は、良好な成形性および物性を有するパネルフォームを得ることができる。一方、ポリオール(Ab)および/またはポリマー粒子を含まない例31〜32、35〜36、39〜40、58〜59で得られたフォームは、ポリオールシステム液の高温の貯蔵安定性が不充分である。
<本発明Cの実施例について>
(実施例3)
以下に、実施例を用いて本発明Cをさらに詳しく説明するが、本発明Cはこれら実施例に限定されるものではない。ポリオールの水酸基価は、JIS K 1557(1970年版)に準拠して測定した値である。
以下の例で用いた各原料は以下の通りである。
[ポリオール(Ac)]
ポリオールAc1:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの1.5モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でEOを開環付加重合させて得られた水酸基価が300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し15.4モルである。付加させたPOとEOとの合計量に対するEOの割合は58質量%である。
ポリオールAc2:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの0.75モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、EOを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でPO、EOをこの順で開環付加重合させて得られた水酸基価300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し18.0モルである。付加させたPOとEOとの合計量に対するEOの割合は75質量%である。
ポリオールAc3:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの2.2モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下で、EOを開環付加重合させて得られた水酸基価が430mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し6.3モルである。付加させたPOとEOとの合計量に対するEOの割合は23質量%である。
ポリオールAc4:ノニルフェノールの1モルに対し、ホルムアルデヒドの1.5モルおよびジエタノールアミンの2.2モルを反応させて得られた反応生成物を開始剤として、POのみを開環付加重合させて得られた水酸基価が470mgKOH/gのポリエーテルポリオール。アルキレンオキシドの付加量はノニルフェノールの1モルに対し5.5モルである。
[ポリオール(Bc)]
ポリオールBc1:エチレンジアミンにPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールBc2:モノエタノールアミンにPOのみを単独で開環付加重合させて得られた、水酸基価500mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリオール(Cc)]
ポリオールCc1:グリセリンにPOを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でEOを開環付加重合させて得られた水酸基価が56mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量は13質量%である。
ポリオールCc2:グリセリンにPOを開環付加重合した後、水酸化カリウム触媒存在下でEOを開環付加重合させて得られた水酸基価が56mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの合計のうち、EOの含有量は20質量%である。
ポリオールCc3:グリセリンにPOのみを開環付加重合させて得られた、水酸基価400mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリオール(Dc)]
ポリオールDc1:ジエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合して得られた、平均水酸基数が2、水酸基価が250mgKOH/gのポリエステルポリオール(製品名:Terol 563、オキシド社製)。
[その他のポリオール(Ec)]
ポリオールEc1:開始剤としてビスフェノールAを用い、水酸化カリウム触媒存在下で開始剤にEOのみを開環付加重合させた、水酸基価が150mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリマー分散ポリオール(Wc)]
ポリマー分散ポリオール(Wc)として、下記表1に示す配合で、下記製造例の方法により製造したポリマー分散ポリオールWc1〜Wc6を用いた。表1における配合比の単位は「質量部」である。
(重合性不飽和結合を有するモノマー)
ポリマー粒子を形成するための重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、アクリロニトリル(AN)、酢酸ビニル(Vac)、メタクリル酸メチル(MMA)、前記式(1−1)で表わされるポリフルオロアルキルメタクリレート(FMA)を用いた。
(マクロモノマー)
マクロモノマーとして以下の2種を用いた。
・マクロモノマーM1:下記のポリオールG、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールG/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価40mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
・マクロモノマーM2:下記のポリオールF、トリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン工業社製)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学社製)を、ポリオールF/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=1/1/1のモル比率となるように仕込み、60℃で1時間反応させた後さらに80℃で6時間反応させることで得られた、水酸基価21mgKOH/gの重合性不飽和基を有するマクロモノマー。
・上記ポリオールG:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、EOを開環付加重合した後、POとEOとの混合物[PO/EO=46.2/53.8(質量比)]を開環付加重合させた、ポリオールG中のオキシエチレン基含有量65質量%、水酸基価が48mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
・上記ポリオールF:開始剤としてグリセリンを用い、該グリセリンに、EOを開環付加重合した後、POとEOとの混合物[PO/EO=48.0/52.0(質量比)]を開環付加重合させた、ポリオールF中のオキシエチレン基含有量60質量%、水酸基価が28mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール。
[ポリイソシアネート化合物]
ポリイソシアネート化合物1:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、(製品名:コロネート1130、日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート基含有率:31質量%)。
ポリイソシアネート化合物2:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、(製品名:ミリオネート MR−200、日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート基含有率:31質量%)[発泡剤]
発泡剤1:E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−プロペン。
発泡剤2:Z−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン。
発泡剤3:水。
[触媒]
触媒1:ウレタン化触媒(1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、製品名:ポリキャット41、エアプロダクツ社製)。
触媒2:第4級アンモニウム塩とエチレングリコールの混合物(製品名:TOYOCAT TRX、東ソー社製)。
触媒3:ウレタン化触媒(N,N,N’,N’,−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、製品名:TOYOCAT MR、東ソー社製)。
触媒4:ウレタン化触媒(トリエチレンジアミン、製品名:TEDA−L33、東ソー社製)。
触媒5:三量化反応促進触媒(オクチル酸カリウム塩、製品名:プキャット15G、日本化学産業社製)。
[整泡剤]
整泡剤1:シリコーン系整泡剤(製品名:SH−193、東レ・ダウコーニング社製)。
[難燃剤]
難燃剤1:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(製品名:ファイロールPCF、スプレスタジャパン社製)。
<製造例1:ポリマー分散ポリオール(Wc1)の製造>
5L加圧反応容器に、下記ポリエーテルポリオール(X1)の300質量部、下記ポリエーテルポリオール(Y1)の150質量部、下記ポリエーテルポリオール(Y2)の300質量部、アクリロニトリルの50質量部、酢酸ビニルの200質量部、および重合開始剤として2,2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)の10質量部を仕込んだ後、撹拌しながら昇温を開始し、反応液を80℃に保ちながら10時間反応させた。モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、110℃、マイナス0.10MPa(ゲージ圧力)で2時間加熱減圧脱気して未反応モノマーを除去し、ポリマー分散ポリオール(ポリオールWc1)を得た。
得られたポリマー分散ポリオールWc1の水酸基価、25℃における粘度、およびWc1中のポリマー粒子の含有量を表1に示す(以下、同様。)。
<製造例2、3:ポリマー分散ポリオール(Wc2)、(Wc3)の製造>
5L加圧反応槽に、表1に示したベースポリオール(Wc’)の混合物のうちの70質量%を仕込み、120℃に保ちながら、残りのベースポリオール(Wc’)の混合物とモノマーと重合開始剤(AMBN)との混合物を撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。製造例2、3のいずれにおいても、モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、未反応モノマーを120℃、20Paで2時間加熱減圧脱気にて除去し、ポリマー分散ポリオールWc2およびWc3を得た。
<製造例4〜6:ポリマー分散ポリオール(Wc4)、(Wc5)、(Wc6)の製造>
5L加圧反応槽に、表1に示した配合で、ポリオールX1、ポリオールY1、およびマクロモノマーを仕込み、120℃に保ちつつ、モノマーおよび重合開始剤(AMBN)の混合物を、撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後、同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。その後、未反応モノマーを減圧下、120℃で3時間除去することによりポリマー分散ポリオールWc4、Wc5およびWc6を得た。
Figure 0005664669
ポリエーテルポリオール(X1):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウム触媒存在下、POとEOとをランダムに付加して得られる、水酸基価が50mgKOH/g、オキシエチレン基含有量70質量%のポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオール(Y1):エチレンジアミンを開始剤として、POのみを付加して得られる、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオール(Y2):グリセリンを開始剤として、水酸化カリウム触媒存在下、POのみを付加して得られる、水酸基価が650mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリマー分散ポリオールの平均水酸基価は、JIS K 1557−1:2007に従って測定した。
<例1〜52:硬質フォームの製造および評価>
例1〜2、例5〜6、9〜24、27〜28、31〜46、49〜50は実施例、例3〜4、7〜8、21〜22、25〜26、47〜48、51〜52は比較例である。例1〜24はポリイソシアヌレートフォームの配合(イソシアヌレート処方)、例25〜52はポリウレタンフォームの配合(ウレタン処方)である。
表2〜6に示す配合で硬質フォームを製造した。表に示した配合の数値の単位は質量部である。ポリイソシアネート化合物の配合量はポリオールシステム液と同じ体積を用いる。ポリイソシアネート化合物は、例1〜24においてはポリイソシアネート化合物1を用い、例25〜52においてはポリイソシアネート化合物2を用いる。表にポリオール組成物(Pc)の全体における平均水酸基数および平均水酸基価を示す。
まず、各ポリオール、触媒、整泡剤、混合発泡剤および発泡剤4(水)の所定量を混合してポリオールシステム液を調製した。ポリオールシステム液およびポリイソシアネート化合物の液温を、それぞれ10℃に調整する。
[簡易発泡試験]
上記の手順で調整した、ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物とを、それぞれ同じ体積をポリエチレン製カップ中に手早く投入し、毎分3,000回転で3秒間撹拌し、2Lカップ中で発泡させ、簡易発泡フォームを得る。得られる簡易発泡フォームのコア密度を下記の方法で測定する。また、発泡途中には、反応性(クリームタイム、ライズタイム)を下記の方法で測定する。結果を表4〜6に示す。
[スプレー施工試験]
上記の手順で調整した、ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物とを、ガスマー社製スプレー発泡機(製品名:FF−1600)を用いて、吐出圧力70〜85kg/m、液温40℃、室温20℃の条件下で基材に吹き付け、発泡、反応させて硬質フォーム(スプレー施工フォーム)を製造する。ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物は同じ体積となるように調整する。
該基材としては、縦が600mm、横が600mm、厚さが5mmのフレキシブル板を用る。吹き付けは、厚さ1mmの下吹き層を施工した後に、一層の厚さが25〜30mmとなるように2層吹き付け施工し、合計で3層積層する。
下記の方法で各特性の評価を行う。結果を表4〜6に示す。
<簡易発泡フォームの評価方法>
[コア密度]
得られた簡易発泡フォームの中央部を10cm角に切出し、JIS A 9511に準拠した方法で、簡易発泡フォームのコア密度(kg/m)を測定する。
[反応性]
ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物との混合開始時刻を0秒とし、混合液が泡立ちを始めるまでの時間をクリームタイム(秒)、混合液が発泡し始め、フォームの上昇が停止する時間をライズタイム(秒)とする。
<スプレー施工フォームの評価方法>
[密度]
スプレー施工フォームの密度を、JIS K 9511に準拠する方法で測定する。
[成形性(フォーム内部の状態)]
スプレー施工フォームの端部をカットし、断面の状態を確認し以下の基準で評価する。
×(不良):フォーム内部にスコーチ等による着色や割れがあったり、セル不均一などの不良部分がある。
○(良好):フォーム内部にスコーチ等による着色や割れや、セル不均一などがない。
[寸法変化率]
スプレー施工フォームのコア部から100mm×100mm×40mmの直方体に切り出したものを試験片とし、高温寸法変化率、低温寸法変化率の測定を行う。下記各条件での保存後、試験片の発泡方向に対して垂直方向について増加した長さを、保存前の長さに対する寸法変化率(%)とする。寸法変化率において、負の数値は収縮を意味し、絶対値が大きいことは、寸法変化が大きいことを意味する。
測定は以下の条件で行う。
高温寸法変化率:試験片を70℃の恒温槽中で24時間保存後に測定。
低温寸法変化率:試験片を−30℃の恒温槽中で24時間保存後に測定。
[圧縮強度]
スプレー施工フォームの圧縮強度を、JIS K 7220に準拠する方法で測定する。吹き付け方向に対して平行方向について測定する。
[熱伝導率]
スプレー施工フォームの熱伝導率(単位:W/m・K)は、JIS A 1412−2に準拠し、熱伝導率測定装置(製品名:オートラムダHC−074型、英弘精機社製)を用いて、平均温度20℃で測定した。熱伝導率が低い方が断熱性能に優れる。
[燃焼試験]
前記スプレー施工フォームをフレキシブル板も含め、厚み20mmとなるようカットし、ISO 5660に準拠したコーンカロリーメータによる試験を実施する。
ISO5660では、難燃材料の基準である5分間の試験において、最大発熱速度(HRR)が200kW/m以上を10秒以上継続する場合、総発熱量(THR)が8MJ/m以上の場合、あるいは防火上有害な裏面まで貫通する亀裂および穴がある場合は不合格である。亀裂および貫通については目視による外観で評価し、亀裂および/または貫通なきものは外観評価は○(良好)、判定は合格とする。亀裂および/または貫通のあるものは外観評価は×(不良)、判定は不合格とする。
[常温貯蔵安定性]
ポリオールシステム液を20℃で1ヶ月間保存した後、液の状態を目視で観察する。下記の基準で評価する。
○(良好):濁り、分離、沈殿、固化のいずれも発生せず、透明である。
×(不可):濁り、分離、沈殿、固化のうちの1つ以上が発生する。
××(より不可):濁り、分離、沈殿、固化のうち2つ以上が発生する。より不良。
[高温貯蔵安定性]
ポリオールシステム液を40℃で1ヶ月間保存した後、液の状態を目視で観察する。下記の基準で評価する。
○(良):濁り、分離、沈殿、固化のいずれも発生せず、透明である。良好。
×(不可):濁り、分離、沈殿、固化のうちの1つ以上が発生する。不良。
××(より不可):濁り、分離、沈殿、固化のうち2つ以上が発生する。より不良。
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表7、8の結果より、ポリオール(Ac)およびポリマー粒子を含む例1〜2および例5〜6、9〜24は、コア密度を低くして軽量化してもスプレー施工試験において良好な成形性および物性を有するポリイソシアヌレートスプレーフォームを得ることができる。またポリオールシステム液の常温の貯蔵安定性および、高温の貯蔵安定性も良好である。一方、ポリオール(Ac)およびポリマー粒子を含まない例3〜4で得られた硬質フォームは成形性、寸法安定性、圧縮強度および難燃性が不充分である。また、ポリオールシステム液の常温の貯蔵安定性も不充分である。ポリマー粒子を含まない例7〜8はポリオールシステム液の高温の貯蔵安定性が不十分である。
表9、10、11の結果より、ポリオール(Ac)およびポリマー粒子を含む例23〜24、27〜46、49〜50では、熱伝導率、物性が良好なポリウレタンスプレーフォームを得ることができる。ポリオールシステム液の常温の貯蔵安定性および高温の貯蔵安定性も良好である。一方、ポリオール(Ac)およびポリマー粒子を含まない例51、52は成形性、寸法安定性、圧縮強度および熱伝導率が不充分である。また、ポリオールシステム液の常温の貯蔵安定性および高温の貯蔵安定性も不充分である。ポリマー粒子を含まない例25、26、29、30、47、48は高温の貯蔵安定性が不十分である
なお、2011年2月2日に出願された日本特許出願2011−021030号、2011年2月2日に出願された日本特許出願2011−021031号および2011年2月2日に出願された日本特許出願2011−021032号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
1 金型
2 下型
3 上蓋
4 上部開口部
5 側部開口部
6 発泡原液組成物の投入位置

Claims (19)

  1. ポリオール組成物(Pa)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法であって、
    前記ポリオール組成物(Pa)が下記ポリオール(Aa)を30〜70質量%、ベースポリオール(Wa’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるポリマー分散ポリオール(Wa)由来のポリマー粒子を0.5〜5.0質量%含み、該ポリオール組成物(Pa)の平均水酸基数が2.5〜7.5、平均水酸基価が300〜600mgKOH/gであり、前記発泡剤が下式(I)で表されるハイドロフルオロオレフィン類(I)
    CH=CHR …(I)
    (式中、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはハロゲン原子である。)を含むことを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Aa):活性水素原子数が4〜12の芳香族アミンを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールであって、該アルキレンオキシドの全量中におけるエチレンオキシドの含有量が0〜60質量%であり、水酸基価が100〜800mgKOH/gである、ポリエーテルポリオール。
  2. 前記ポリオール組成物(Pa)が、下記ポリオール(Ba)を1〜50質量%含む、請求項1に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Ba):活性水素原子数が5〜12の多価アルコールを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールであって、該アルキレンオキシドの全量中におけるエチレンオキシドの含有量が0〜20質量%であり、水酸基価が100〜800mgKOH/gである、ポリエーテルポリオール。
  3. 前記ポリオール組成物(Pa)が、下記ポリオール(Ca)を10〜40質量%含む、請求項1または2に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Ca):活性水素原子数が2〜4の脂肪族アミンを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールであって、該アルキレンオキシドの全量中におけるエチレンオキシドの含有量が0〜50質量%であり、水酸基価が100〜800mgKOH/gである、ポリエーテルポリオール。
  4. 前記ポリオール組成物(Pa)が、下記ポリオール(Da)を10〜60質量%含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Da):芳香族化合物を含むモノマー混合物を重縮合して製造された、平均水酸基数が2〜3、水酸基価が100〜500mgKOH/gである、ポリエステルポリオール。
  5. 前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、Z−CFCH=CHCFを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  6. 前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、E−CFCH=CHClを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  7. 前記製造方法が注入法である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  8. 連続ボード成形法により、ポリオール組成物(Pb)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応、発泡させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法であって、
    前記ポリオール組成物(Pb)が下記ポリオール(Ab)を5〜99.998質量%、ベースポリオール(Wb’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるポリマー分散ポリオール(Wb)由来のポリマー粒子を0.02〜3.8質量%含み、該ポリオール組成物(Pb)の平均水酸基数が2.2〜4.0、平均水酸基価が257〜531mgKOH/gであり、前記発泡剤が下式(I)で表されるハイドロフルオロオレフィン類(I)
    CH=CHR …(I)
    (式中、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはハロゲン原子である。)を含むことを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Ab):フェノール類および/または芳香族アミン類と、アルデヒド類と、アルカノールアミン類とを反応させて得られるマンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
  9. 前記ポリオール組成物(Pb)が、下記ポリオール(Bb)を20〜70質量%含む、請求項8に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Bb):脂肪族アミンを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
  10. 前記ポリオール組成物(Pb)が、下記ポリオール(Cb)を20〜60質量%含む、請求項8または9に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Cb):芳香族アミン(マンニッヒ縮合物を除く)を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
  11. 前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、Z−CFCH=CHCFを含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  12. 前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、E−CFCH=CHClを含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  13. ポリオール組成物(Pc)とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法であって、
    前記ポリオール組成物(Pc)が下記ポリオール(Ac)を20〜99.998質量%、ベースポリオール(Wc’)中で、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー粒子を形成することによって得られるポリマー分散ポリオール(Wc)由来のポリマー粒子を0.3〜3.75質量%含み、該ポリオール組成物(Pc)の平均水酸基数が2.5〜7.5、平均水酸基価が200〜600mgKOH/gであり、前記発泡剤が下式(I)で表されるハイドロフルオロオレフィン類(I)
    CH=CHR …(I)
    (式中、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはハロゲン原子である。)を含むことを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Ac):フェノール類、アルデヒド類、およびアルカノールアミン類を反応させて得られるマンニッヒ縮合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
  14. 前記ポリオール組成物(Pc)が、下記ポリオール(Bc)を0質量%超、70質量%以下含む、請求項13に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Bc):アミン化合物(マンニッヒ縮合物を除く)を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
  15. 前記ポリオール組成物(Pc)が、下記ポリオール(Cc)を0質量%超、40質量%以下含む、請求項13または14に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Cc):活性水素原子数が2〜6の多価アルコールを開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
  16. 前記ポリオール組成物(Pc)が、下記ポリオール(Dc)を0質量%超、70質量%以下含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(Dc):芳香族化合物を含むモノマー混合物を重縮合して製造されたポリエステルポリオール。
  17. 前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、Z−CFCH=CHCFを含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  18. 前記ハイドロフルオロオレフィン類(I)が、E−CFCH=CHClを含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  19. スプレー法を用いる、請求項13〜18のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
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