JP6581888B2 - 断熱構造体及び冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱材中に配線が埋め込まれている断熱構造体、及び、この断熱構造体を備えている冷蔵庫に関する。
一般に、冷蔵庫には、周囲との断熱を行うために、貯蔵空間の外周を覆うように断熱箱体が設けられている。断熱箱体は、外箱と、内箱と、これらの間に充填された断熱材とで構成されている。断熱材としては、例えば、硬質発泡ウレタン断熱材などの発泡性の断熱材が用いられる。
また、断熱箱体の内部には、断熱材の他に、冷蔵庫内に配設される制御基板、スイッチ、モータなどの各種電子部品同士を接続する電気配線も存在する。このような電気配線は、例えば特許文献1に示すように、複数本束ねられて形成されたハーネス部品として、断熱材中に埋め込まれるようにして存在する。
特開平5−205532公報
ところで、近年、冷蔵庫のエネルギー効率をより高めるために、硬質発泡ウレタン断熱材に用いる発泡剤として、ビニレン基(−CH=CH−)を基本構造とするハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤の使用が検討されている。しかし、このような発泡剤を断熱材に使用すると、断熱材中に埋め込まれるハーネスに用いられる被覆材が、時間の経過とともに劣化してしまうという問題が発生する。
通常、ハーネスを構成している配線は、導電性を有する芯材と、その周囲を覆っている絶縁性の被覆材とで構成されている。そのため、ウレタン発泡断熱材中にハーネスを埋め込んだとき、外側の被覆材と断熱材とが接触する。そして、この接触状態が継続すると、被覆材が徐々に硬化してしまう。被覆材が硬化すると、冷蔵庫の使用中や冷蔵庫の運搬中などに、被覆材がひび割れたり、はがれたりするなどして、内部の電性を有する芯材が露出する可能性がある。また、被覆材が硬化すると、冷蔵庫の作動中に起こり得る断熱材の膨張収縮によって、配線が断線してしまうことが懸念される。
そこで、本発明では、内部に埋め込まれる配線の品質低下を抑えることのできる断熱構造体、及び、その断熱構造体を備えた冷蔵庫を提供することを目的とする。
本発明の一局面にかかる断熱構造体は、断熱材と、当該断熱材の内部に埋め込まれた配線とを備えている。この断熱構造体において、前記断熱材は、ビニレン基、ビニル基、及びビニリデン基からなる群から選択される何れか一つの炭化水素基を有するハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤を含有している。また、この断熱構造体において、前記配線は、導電性を有する芯材と、該芯材を被覆する絶縁性の被覆材とを有している。そして、前記被覆材は、ポリ塩化ビニル及び可塑剤を、該被覆材の全重量に対して55重量%以上75重量%以下の割合で含んでいる。
上記の本発明の断熱構造体において、前記被覆材は、前記断熱材内に埋め込まれる前の引張強度に対して、60%以上の伸び残率を有していてもよい。また、上記の本発明の断熱構造体において、前記断熱材は、硬質発泡ウレタン断熱材であってもよい。また、上記の本発明の断熱構造体において、前記ハロゲン化炭化水素は、CHR=CHCRまたはCRCH=CHCRで表される構造を有していてもよい。ここで、R及びRは、それぞれが独立してハロゲンまたはハロゲン化合物であってもよい。
また、本発明のもう一つの局面に係る冷蔵庫は、上述した何れかの断熱構造体を断熱箱体として備えている。
本発明に係る断熱構造体によれば、内部に埋め込まれる配線の応力負荷による品質低下を抑えることができる。また、本発明に係る冷蔵庫によれば、断熱効率を向上させつつ、断熱材中に埋め込まれた配線の応力負荷による品質低下を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る冷蔵庫の内部構成を示す側面断面図である。 (a)は、図1に示す冷蔵庫に備えられた断熱箱体及び第3の実施形態に係る保温器の内部構成を示す断面模式図である。(b)は、(a)に示す断熱箱体の断熱材中に配置されたハーネス(配線)の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る冷蔵庫の内部構成を示す側面断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施形態>
本実施形態では、本発明の断熱構造体の一例として、冷蔵庫に備えられた断熱箱体を例に挙げて説明する。但し、本発明は、これに限定はされない。
<冷蔵庫の全体構成>
まず、本実施の形態にかかる冷蔵庫1の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる冷蔵庫1の全体構成を示す側面断面図である。
図1に示すように、冷蔵庫1は、上段に冷蔵室11、中段に野菜室12、及び下段に冷凍室13を備えている。冷蔵室11には、例えば、左右に分割された観音開き式の冷蔵室扉11aが設けられている。野菜室12には、引き出し式の冷蔵室扉12aが設けられている。冷凍室13には、引き出し式の冷凍室扉13aが設けられている。
本実施形態では、扉が設けられている面を冷蔵庫の前面とする。そして、前面に対向する面を背面とする。
冷蔵庫1には、各貯蔵空間を周囲から断熱するための断熱構造として、断熱箱体50が設けられている。断熱箱体50は、冷蔵庫1の外周を覆うように設けられている。断熱箱体50は、主として、外箱51と、内箱52と、断熱層(断熱材)53とを備えている。
冷蔵庫1の内部には、冷凍サイクルが設けられている。冷凍サイクルは、冷媒が流通する冷媒管(冷媒流路)を介して、圧縮機31、凝縮器(図示せず)、膨張器(図示せず)、及び、冷却器32が接続されて構成されている。
また、冷蔵庫1の内部には、制御部が設けられている。この制御部が、冷凍サイクルの運転の制御を行っている。すなわち、制御部が圧縮機31を駆動させることによって、冷凍サイクルの運転が開始され、サイクル内を冷媒が流通する。圧縮機31により圧縮された高温高圧の冷媒は、凝縮器で放熱しながら凝縮される。続いて、高温の冷媒は膨張器で膨張して低温低圧となり、蒸発器としての冷却器32に送られる。冷却器32に流入する冷媒は冷却室35内を流通する冷気と熱交換され、吸熱しながら蒸発して低温のガス冷媒となって圧縮機31に送られる。
このように、冷媒が循環して冷凍サイクルが運転されるとともに、冷却器32と熱交換した気流によって冷気が生成される。本実施形態では、制御部は、制御ユニット41などとして実現される。
図1に示すように、冷却器32は、冷蔵庫1の背面側に設けられた冷却室35内に配置されている。冷却室35は、各貯蔵空間と、断熱箱体50との間に配置されている。冷却室35内には、冷却器32の他に、冷却ファン33が備えられている。冷却ファン33は、冷却室35と各貯蔵空間との間で空気を循環させるために設けられている。すなわち、冷却ファン33は、冷凍サイクルの運転時などに冷却器32によって生成された冷気を、各流路を経由して各貯蔵空間へ送出するとともに、各貯蔵室に供給された冷気を、冷却室35内へ戻す。また、図1に示すように、圧縮機31は、冷蔵庫1の底部の背面側に設けられた機械室30内に配置されている。
また、機械室30内には、制御ユニット41が配置されている。制御ユニット41は、圧縮機31などの断熱箱体50の外側に配置されている各部品と接続されている。また、制御ユニット41は、断熱箱体50の内側に配置されている各部品(冷却器32、冷却ファン33、各種スイッチなど)とも接続されている。制御ユニット41は、制御基板で構成されており、各部品の制御を行う。
そして、断熱箱体50の内部には、ハーネス(配線)20がさらに配置されている。ハーネス20は、制御ユニット41と各部品との間をそれぞれ接続する。ハーネス20は、主として、導電性を有する芯材21と、芯材21を覆っている絶縁性の樹脂組成物で形成された被覆材22とで構成されている(図2(b)参照)。ハーネス20は、制御ユニット及び各部品を電気的に接続する。ハーネス20は、断熱層53中に埋め込まれている。ハーネス20の具体的な構成については、後述する。
<断熱箱体の説明>
続いて、断熱箱体50のより具体的な構成について、図1及び図2(a)を参照しながら説明する。図2(a)は、断熱箱体50の横断面の構成を示す。図2(a)に示すように、断熱箱体50は、主として、外箱51と、内箱52と、断熱層53とを備えている。
外箱51は、断熱箱体50の外周面を形成する。外箱51は、冷蔵庫1の外形も部分的に形成している。内箱52は、断熱箱体50の内周面を形成する。また、内箱52は、貯蔵空間(例えば、冷蔵室11、野菜室12、冷凍室13)及び冷却室35との境界を形成している。
なお、断熱箱体50の底部の背面側には、機械室30を配置するための空間が形成されている。つまり、機械室30は、断熱箱体50の外側に配置される。これは、圧縮機31が運転されることにより、機械室30内の温度が上昇するためである。
上記の構成により、図1に示すように、機械室30と冷凍室13とは、断熱箱体50によって隔離される。そのため、機械室30内で発生した熱が冷凍室13へ流れ込むことを抑えることができる。
断熱層53は、主として、発泡断熱材で構成される。具体的には、断熱層53は、硬質発泡ウレタン(硬質ウレタンフォームともいう)などで形成することができる。硬質発泡ウレタンは、2種類の主原料に触媒、発泡剤、製泡剤などを混合し、泡化反応と樹脂化反応を同時に起こして得られる均一な樹脂発泡体である。
本実施形態に係る断熱箱体50においては、硬質発泡ウレタン製の断熱層53の発泡剤として、ビニレン基、ビニル基、及びビニリデン基からなる群から選択される何れか一つの炭化水素基を有するハロゲン化炭化水素を主成分として含む。
但し、本発明の断熱構造体の断熱材に使用する発泡剤は、これに限定されない。断熱材に使用可能な発泡剤の詳細については、後述する。
なお、断熱箱体50の断熱層53に含まれる発泡剤以外の材料(2種類の主原料、触媒、及び製泡剤など)については、従来公知のものを用いることができる。
なお、図示はしていないが、断熱層53内には、発泡断熱材の他に真空断熱材が含まれていてもよい。真空断熱材は、グラスウールやシリカ粉末等の微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外被材(袋状体、例えばラミネートフィルム)で覆い、外被材の内部を減圧密封して形成される。真空断熱材は、その内部空間を高真空に保ち、気相を伝わる熱量を出来る限り小さくすることにより、高い断熱効果を実現することができる。
真空断熱材を構成する材料については、従来公知のものを用いることができる。真空断熱材は、一般に、薄いシート状または板状の断熱材であり、例えば、冷蔵庫1の側面、上面、底面、及び、背面にそれぞれ配置されている。
このような構成の断熱箱体50は、例えば次のように製造される。まず、内箱52の内部に、ハーネス20などの配線を所定の位置に取り付ける。その後、真空断熱材をあらかじめ外箱51に接着固定する。そして、外箱51と内箱52とを例えば接着固定する。
その後、外箱51と内箱52との間に液体状の発泡断熱材の原料を注入する。発泡断熱材の原料は、外箱51と内箱52との間の空間内で発泡した後、硬化する。これにより、断熱箱体50の内部は、発泡断熱材で充填された状態となる。配線(ハーネス20)は、発泡断熱材(硬質発泡ウレタン)の内部に埋め込まれた状態となる。
上述した断熱箱体の構成は、本発明の一例である。したがって、本発明の冷蔵庫において、断熱箱体の構成は、上記のようなものに限定はされない。
<断熱材に使用する発泡剤について>
本発明においては、断熱構造体の断熱効率をより高めるために、硬質発泡ウレタン断熱材に用いる発泡剤として、気体熱伝導率が低いビニレン基(−CH=CH−)、ビニル基(HC=CH−)、及びビニリデン基(HC=CH<)の何れかを基本構造とするハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤を使用している。水素と置換されるハロゲンは、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)などである。この中でも、ビニレン基を基本構造とするハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤を使用することが好ましい。また、置換されるハロゲンは、フッ素(F)又は塩素(Cl)であることが好ましい。また、ハロゲンを含むハロゲン化合物が水素と置換されて得られるハロゲン化炭化水素も本発明の範疇に含まれる。
ビニレン基を基本構造とするハロゲン化炭化水素としては、例えば、CHCl=CHCFまたはCFCH=CHCFを挙げることができる。
上記のCHCl=CHCFで表されるハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤としては、例えば、ハネウエルソルティス(登録商標)LBA(ハネウエルジャパン株式会社製)などが挙げられる。この発泡剤を用いることで、断熱構造体のエネルギー効率をより向上させることができる。
しかし、上述したようなハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤を用いて形成された断熱材は、断熱効率が高い反面、ハーネス20の被覆材22として用いられる樹脂組成物を硬化させやすいという問題を有している。
この問題の原因の一つとして、発泡剤中に含まれるハロゲン化炭化水素(例えば、CHCl=CHCFなど)の化学構造が、ハーネスの被覆材に含まれる成分の一つであるPVC(ポリ塩化ビニル)と似ていることによる相溶性影響が考えられる。そのため、本発明の断熱材中のハーネスの被覆材は、従来の発泡剤(例えば、炭化水素の一種であるシクロペンタン)を使用した断熱材と比較して、より浸食されやすい。
また、発泡剤中に含まれるハロゲン化炭化水素(例えば、CHCl=CHCFなど)の化学構造は、ハーネスの被覆材に含まれる成分の一つである可塑剤(炭酸エステルなど)とも似ている。これも、断熱材中のハーネスの被覆材が、ハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤から、より影響を受けやすい理由の一つであると考えられる。
<断熱材中のハーネスの構成について>
そこで、本発明においては、ハーネス20を構成する被覆材22中に含まれるポリ塩化ビニル及び可塑剤の含有量を所定の範囲に制限している。以下では、断熱層53内に埋め込まれているハーネス20の構成について説明する。
ハーネス20は、配線を複数本束ねた状態で、断熱箱体50内の断熱層53に埋め込まれるようにして配置されている。例えば、図2(a)に示すように、ハーネス20は、内箱52の背面と側面との角部分に配置され、内箱52の壁面に沿うように複数本並んで配置されている。但し、これは一例であり、断熱層53内におけるハーネス20の配置の仕方はこれに限定はされない。
図2(b)に示すように、ハーネス20は、主として、芯材21と、それを被覆する被覆材22とで構成されている。芯材21は、導電性を有する金属線(銅線など)で形成されている。芯材21は、複数本の金属線を束ねて構成されていてもよい。被覆材22は、芯材21の外周を覆っている。被覆材22は、可撓性を有する絶縁性の材料(樹脂組成物など)で形成されている。
被覆材22は、ポリ塩化ビニル(PVC)、可塑剤(増塑剤ともいう)、阻燃剤、安定剤、顔料、及び充填剤などを含んでいる。
可塑剤は、被覆材に柔軟性を付与する。使用される可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、トリメット酸トリオクチル(TOTM)、などを挙げることができる。
阻燃剤は、被覆材を難燃化する役割を有する。使用される阻燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン(Sb)、などを挙げることができる。
安定剤は、被覆材の劣化を抑える役割を有する。使用される安定剤としては、例えば、亜鉛(Zn)系安定剤、などを挙げることができる。
顔料は、被覆材を着色するために使用される。顔料は、着色したい色に応じて、適宜選択することができる。
充填剤は、被覆材の増量を目的として添加される。使用される充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛などを挙げることができる。
そして、本発明においては、被覆材22中に含まれるポリ塩化ビニル及び可塑剤の含有量が、被覆材の全重量に対して55重量%以上75重量%以下の範囲内となっている。
被覆材中のポリ塩化ビニル及び可塑剤の含有量が55重量%未満であると、ハーネスとして使用した場合に硬さが出やすく使用しにくい。これにより、ハーネスが断線するおそれが高まる。一方、被覆材中のポリ塩化ビニル及び可塑剤の含有量が75重量%を超えると、ハーネスを断熱材中に埋め込んだ後に、被覆材の劣化が進む傾向にある。被覆材の劣化が進むと、その硬度が増加し、伸び残率が低下する。これにより、ハーネスが断線するおそれが高まる。
これに対して、被覆材中のポリ塩化ビニル及び可塑剤の含有量が、55重量%以上75重量%以下の範囲内にあることで、本発明に係る断熱構造体の断熱材中にハーネスを埋め込んでも、ハーネスを構成する被覆材の伸び残率を良好に維持することができる。これにより、ハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤を用いて断熱構造体の断熱効果を向上させつつ、発泡剤に起因した被覆材の劣化を抑えることができる。
なお、本実施形態に係る断熱箱体50において、断熱層53中に埋め込まれたハーネス20の被覆材22の伸び残率は、ハーネス20が断熱材内に埋め込まれる前の状態での被覆材22の引張強度に対して、60%以上となっていることが好ましい。これにより、断熱箱体50内でのハーネス20の断線をより確実に抑えることができる。
また、被覆材中に含まれる可塑剤単独での含有量は、被覆材の全重量に対して5重量%以上であることが好ましい。これにより、製造される被覆材の硬度が高くなり過ぎることを抑えることができる。また、被覆材中での可塑剤の含有量を5重量%以上とすることで、ハーネス製造時における被覆材を芯材に巻きつける工程において、被覆材の材料を延伸しやすくすることができる。
被覆材中のポリ塩化ビニル及び可塑剤以外の成分の含有量については、特に限定はされない。例えば、従来公知のハーネスの被覆材と同程度の含有量とすることができる。なお、被覆材中に含まれる無機材料(例えば、可塑剤、充填剤など)の含有量を減らせば、被覆材の引張強度を向上させることができる。但し、被覆材中で無機材料の含有量を増やすと、強度及び耐熱性は低下する。
<効果>
以上のように、本実施形態に係る冷蔵庫1は、断熱箱体50を構成している断熱層53の発泡剤として、ビニレン基(−CH=CH−)、ビニル基(HC=CH−)、及びビニリデン基(HC=CH<)の何れかを基本構造とするハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤を使用している。このような発泡剤を用いることで、従来のシクロペンタンなどを主成分とする発泡剤を用いた場合と比較して、発泡断熱材中の熱伝導率を低く抑えることができる。したがって、断熱効率のより高い断熱構造体を得ることができる。
また、本実施形態では、断熱層53中に埋め込まれているハーネス20の被覆材22として、ポリ塩化ビニル及び可塑剤の含有量が、55重量%以上75重量%以下の範囲内にある被覆材を用いている。被覆材中のポリ塩化ビニル及び可塑剤の含有量を、55重量%以上とすることで、被覆材の柔軟性を良好に維持することができる。また、被覆材中のポリ塩化ビニル及び可塑剤の含有量を、75重量%以下とすることで、発泡剤として上述したようなハロゲン化炭化水素を用いても、断熱材中でのハーネスの硬化を抑えることができる。これにより、断熱箱体中でのハーネス不具合などの品質低下を抑えることができる。
<実施例>
以下に、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、以下の表1に示す組成を有する被覆材を調製し、銅線で形成された芯材に被覆して、ハーネスを作製した。また、比較例として、以下の表1に示す組成を有する被覆材を調製し、実施例と同じ銅線で形成された芯材に被覆して、ハーネスを作製した。
Figure 0006581888
次に、作製されたハーネス(通常品)について、伸び率A:X’/X(%)(X:ハーネスの通常時の長さ、X’:ハーネスを伸ばした後の長さ)の測定を行った。この伸び率Aを基準として用いた。
続いて、本発明に係る断熱構造体中に含まれる発泡剤の一つである、液状発泡剤(ハネウエルソルティス(登録商標)LBA(ハネウエルジャパン株式会社製))中に、本実施例のハーネス及び比較例のハーネスを、それぞれ浸漬させた。浸漬時間は、24時間であった。
その後、上述した伸び率Aの測定方法と同じ方法で、浸漬後の各ハーネスについて伸び率を測定した。実施例のハーネスの伸び率を伸び率Bとし、比較例のハーネスの伸び率を伸び率Cとした。そして、浸漬前の伸び率Aに対する浸漬後の伸び率B及び伸び率Cの割合を、伸び残率(%)(実施例:伸び率B/伸び率A×100、比較例:伸び率C/伸び率A×100)として算出した。
その結果を、以下の表2及び表3に示す。なお、実施例に係るハーネスは9本作製して、上記の実験に供した。それぞれの結果を、実施例1−9として表2に示す。また、比較例に係るハーネスは6本作製して、上記の実験に供した。それぞれの結果を、比較例1−6として表3示す。
Figure 0006581888
Figure 0006581888
以上のように、ハーネスを構成する被覆材中のポリ塩化ビニル(PVC)及び可塑剤の含有量を75重量%以下とすることで、液状発泡剤中に浸漬させた後の伸び残率を60%以上に維持することができることが確認された。この結果から、被覆材中のPVC及び可塑剤の含有量を75重量%以下とすることで、ハロゲン化炭化水素を主成分とする発泡剤を含む断熱材中におけるハーネスの品質低下を抑えることができることがわかる。
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、制御ユニット41が機械室30内に配置されている構成について説明した。しかし、本発明の冷蔵庫の構成は、これに限定はされない。そこで、第2の実施形態では、制御ユニットが断熱層内に配置されている構成例について説明する。
図3は、本実施形態に係る冷蔵庫100の全体構成を示す側面断面図である。本実施形態に係る冷蔵庫100においては、制御ユニット142の配置位置が第1の実施形態に係る冷蔵庫1とは異なっている。その他の構成については、基本的に第1の実施形態の冷蔵庫1と同様の構成が適用できる。そのため、冷蔵庫1と同様の構成部材については同じ符号を付し、その説明は省略する。
図3に示すように、制御ユニット142は、断熱箱体50の内部に、断熱層53に埋め込まれるようにして配置されている。制御ユニット142は、断熱箱体50の内側に配置されている各部品(冷却器32、冷却ファン33、各種スイッチなど)と接続されている。
また、図示はしていないが、制御ユニット142は、圧縮機31などの断熱箱体50の外側に配置されている各部品とも接続されている。制御ユニット142は、制御基板で構成されており、各部品の制御を行う。庫内制御ユニット142は、筐体などの中に収容され、断熱層53とは直接接触しないようになっている。
断熱層53は、主として、発泡断熱材で構成される。断熱層53を構成している発泡断熱材としては、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
断熱層53の内部には、ハーネス(配線)20が埋め込まれている。ハーネス20は、主として、導電性を有する芯材21と、芯材21を覆っている絶縁性の樹脂組成物で形成された被覆材22とで構成されている(図2(b)参照)。ハーネス20の具体的な構成については、第1の実施形態と同様の構成を適用することができる。
以上のように、本実施形態に係る冷蔵庫100は、断熱箱体50を構成している断熱層53の発泡剤として、ビニレン基(−CH=CH−)、ビニル基(HC=CH−)、及びビニリデン基(HC=CH<)の何れかを基本構造とするハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤を使用している。したがって、断熱効率のより高い断熱構造体を得ることができる。
また、本実施の形態に係る冷蔵庫100においては、ハーネス20を構成する被覆材22だけでなく、制御ユニットの外装(筐体)やハーネス20の取出部のブッシュなどといった断熱層53に接触する部分に本発明を適用してもよい。すなわち、制御ユニットの外装やハーネスの取出部のブッシュなどの被覆材として、本発明の断熱構造体において用いる被覆材と同等の構成を有する被覆材を適用することができる。
また、ハーネスなどの電装部品に限ることなく、断熱層53に接触するポリ塩化ビニル及び可塑剤を含む材質の部品に本発明を適用することで、当該部品の劣化を抑制し、長期に亘る信頼性を確保することができる。
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、本発明に係る断熱構造体の一例として、冷蔵庫の断熱箱体を例に挙げて説明した。しかし、本発明の断熱構造体は、これに限定はされない。そこで、第3の実施形態では、本発明の断熱構造体を保温器の筐体として使用する例について説明する。
図2(a)には、本実施形態に係る保温器の筐体200の構成を示す。図2(a)に示す筐体200は、保温器の外形を形成している。冷蔵庫1の断熱箱体50と同様に、筐体200の内部が、保温対象となる飲料や食品などの収容室となっている。この収容室内を、例えば、70℃程度の高温状態に維持することで、収容室内に置かれた飲料などを温めることができる。なお、筐体200の前面には、扉(図示せず)が設けられている。
筐体200は、主として、外箱51と、内箱52と、断熱層53とを備えている。外箱51は、断熱箱体50の外周面を形成する。外箱51は、保温器の外形も部分的に形成している。内箱52は、筐体200の内周面を形成する。
断熱層53は、主として、発泡断熱材で構成される。断熱層53を構成している発泡断熱材としては、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
また、断熱層53の内部には、ハーネス(配線)20が埋め込まれている。ハーネス20は、主として、導電性を有する芯材21と、芯材21を覆っている絶縁性の樹脂組成物で形成された被覆材22とで構成されている(図2(b)参照)。ハーネス20は、保温器内の制御ユニット及び各部品を電気的に接続する。ハーネス20の具体的な構成については、第1の実施形態と同様の構成を適用することができる。
以上のように、本実施形態に係る保温器は、筐体200を構成している断熱層53の発泡剤として、ビニレン基(−CH=CH−)、ビニル基(HC=CH−)、及びビニリデン基(HC=CH<)の何れかを基本構造とするハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤を使用している。したがって、断熱効率のより高い断熱構造体を得ることができる。
なお、本発明の発泡剤の主成分となるハロゲン化炭化水素は、上記の実施例に記載の構造に限定はされない。すなわち、このハロゲン化炭化水素は、ビニレン基、ビニル基、及びビニリデン基からなる群から選択される何れか一つの炭化水素基の水素が、ハロゲンまたはハロゲン化合物と置換された構造を有していればよい。たとえば、ハロゲン化炭化水素は、ビニレン基を基本構造として有する、CHR=CHCRまたはCRCH=CHCRで表され、上記R及びRは、それぞれがハロゲンまたはハロゲン化合物であってもよい。
また、本実施形態では、断熱層53中に埋め込まれているハーネス20の被覆材22として、ポリ塩化ビニル及び可塑剤の含有量が、55重量%以上75重量%以下の範囲内にある被覆材を用いている。そのため、被覆材の柔軟性を良好に維持することができる。また、筐体中でのハーネスの品質低下を抑えることができる。
なお、本発明の断熱構造体は、上述した冷蔵庫及び保温器以外にも、例えば、湯沸かし器の筐体、冷水供給装置の筐体、住宅用の断熱材などに適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
1 :冷蔵庫
20 :ハーネス(配線)
21 :芯材
22 :被覆材
50 :断熱箱体(断熱構造体)
51 :外箱
52 :内箱
53 :断熱層(断熱材)
100 :冷蔵庫
200 :保温器の筐体(断熱構造体)

Claims (5)

  1. 断熱材と、当該断熱材の内部に埋め込まれた配線とを備えている断熱構造体であって、
    前記断熱材は、ビニレン基、ビニル基、及びビニリデン基からなる群から選択される何れか一つの炭化水素基を有するハロゲン化炭化水素を主成分として含む発泡剤を含有し、
    前記配線は、導電性を有する芯材と、該芯材を被覆する絶縁性の被覆材とを含み、
    前記被覆材は、ポリ塩化ビニル及び可塑剤を、該被覆材の全重量に対して55重量%以上75重量%以下の割合で含んでいる
    断熱構造体。
  2. 前記被覆材は、前記断熱材内に埋め込まれる前の引張強度に対して、60%以上の伸び残率を有している、請求項1に記載の断熱構造体。
  3. 前記断熱材は、硬質発泡ウレタン断熱材である、請求項1または2に記載の断熱構造体。
  4. 前記ハロゲン化炭化水素は、
    CHR=CHCRまたはCRCH=CHCR
    (前記R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲンまたはハロゲン化合物からなる)
    である、請求項1から3の何れか1項に記載の断熱構造体。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の断熱構造体を備えている冷蔵庫。
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