JP5662394B2 - 医療支援装置及び医療支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医療支援を行う医療支援装置及び医療支援方法に関するものである。
救急患者の治療や処置の支援を行なうために、インターネットなどの通信手段を介して、医療スタッフへの治療状況、検査結果、検査画像等の配信や、医療スタッフの相互間でのコメント交換を可能にした医療支援システムが知れられている。この医療支援システムにより、専門医からのアドバイスを受けて担当医が治療等を行ったり、医師以外の医療スタッフが治療状況を入手して、処置等の準備をしたりすることができる。
一方、画像を配信する際に、配信先の端末の環境情報や動作情報に基づいて、送信する画像の品質、例えば画素数やフレームを決定し、端末での処理が過負荷にならないように画像配信を行う技術が知られている(特許文献1参照)。また、端末ごとに設定されているサイズ(解像度)に画像をリサイズして送信することにより、PC端末や携帯端末などの違いに対応した画像の送信を行う技術が知られている(特許文献2参照)。
特開2005−223430号公報 特開2005−295301号公報
ところで、端末装置は、ネットワークに接続されて情報の送受信を行う。特に携帯型の端末、例えばスマートフォンやタブレット端末などは、無線LANや携帯電話の回線などの無線接続がほとんどである。そして、端末装置が無線接続される場合には、データの通信速度が高速ではないことが多い。このため、逐次配信される種々の検査画像等の医療画像を配信する際に、ネットワークの負荷が大きくなり、各端末装置での受信時間が長くなって必要な情報を迅速に参照できないという問題が生じる。これに対して、特許文献1,2のように、使用している端末装置の性能やその環境等に応じて検査画像等の解像度を決めたり、一律に低解像度の画像を配信した場合には、ネットワークの負荷を低減する効果を期待できるが、必要とする解像度の検査画像が得られないため適切な判断ができなくなるという問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するために、ネットワークの負荷を低減しながら適切な解像度で検査画像等の医療画像を配信することができる医療支援装置及び医療支援方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の医療支援装置は、配信すべき医療画像を取得する画像取得部と、配信先として指定された複数の支援者のうちから、取得した医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者を特定する特定部と、取得した医療画像をリサイズすることにより、第1医療画像とこの第1医療画像よりも低画質の第2医療画像とを生成する配信画像生成部と、特定された支援者の端末装置に対しては第1医療画像を、その他の端末装置に対しては第2医療画像を配信部に配信させる配信制御部と、を備えるものである。
特定部は、医師を医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定するのがよい。
また、特定部は、外部から指定される支援者または条件に合致する支援者を医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定するのがよい。
また、本発明の医療支援方法では、配信すべき医療画像にリサイズ処理を行って第1医療画像とこれよりも低画質の第2医療画像とを生成する生成ステップと、配信先として指定された複数の支援者のうちのから、医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者を特定する特定ステップと、特定された支援者の端末装置には高画質の第1医療画像を、その他の端末装置には第2医療画像を配信部に配信する配信ステップと、を有するものである。
特定ステップは、医師を医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定するのがよい。
また、特定ステップは、指定される支援者または条件に合致する支援者を医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定するのがよい。
本発明によれば、医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者には、診断等に必要とする画質の医療画像を配信しながら、それ以外の支援者には、低画質の医療画像を送信するので、ネットワークの負荷を低減することができる。
医療支援システムの構成を示す概略図である。 支援登録者データベースの構造を示す概略図である。 配信先データベースの構造を示す概略図である。 支援装置の機能を示すブロック図である。 医療支援セッション時の支援者端末の機能を示すブロック図である。 院内端末に表示される支援要請発行画面を示す説明図である。 タブレット端末の支援要請受信画面を示す説明図である。 タブレット端末の発言掲示板の表示を示す説明図である。 タブレット端末の発言入力画面を示す説明図である。 タブレット端末の検査画像表示画面を示す説明図である。 院内端末に電子カルテ及び時系列表示画面が表示されている状態を示す説明図である。 医療支援の要請手順を示すフローチャートである。 医療支援セッションの手順を示すフローチャートである。 高画質検査画像と低画質検査画像の配信を制御する手順を示すフローチャートである。
図1において、本発明を実施した医療支援システム10は、予め登録された支援者が担当医の判断や処置、医療業務等について支援できるようにするシステムである。医療支援システム10は、病院内に構築された院内システム11と、この院内システム11に接続される支援者端末TS(TS1,TS2)とを備えている。院内システム11は、医療支援を望む病院に設置されており、医療支援を行なえるようにする支援装置12が接続されている。
上記医療支援システム10では、病院の担当医が院内システム11の院内端末13を用いて医療支援を要請したときに、支援装置12によって、外来や入院患者、救急搬送などで受け入れた患者の案件ごとに医療支援セッションが開始される。この医療支援セッションは、患者の医療支援のために、その患者の疾病に関する一連の医療情報の交換を行うものであり、医療支援を要請した担当医と、この要請を受けた支援者とがそれぞれの端末装置で患者の医療データを参照しながら、患者の診療についての意見交換や指示を行う。
また、本実施形態でいう医療支援とは、支援者が病院の担当医に代わって患者の診断・治療を行うこと、支援者が担当医の診断または治療のアドバイスを行なうこと、患者の状態の報告や医師の指示に基づく処置、検査・治療・処置・入院などのための設備や機器の手配を行うこと、それらに関する連絡などを行なうことなどである。支援者は、医師,看護士,検査技師など医療関係者を任意に設定できるが、病院の事務員などを対象に含めることもできる。なお、この例においては、支援装置12に予め登録された支援者を支援登録者、医療支援セッションに参加している支援者を参加者とそれぞれ称して説明する。
支援者端末TSとしては、支援登録者が携帯しているタブレット端末TS1や、支援登録者の自宅や勤務先などに設置したパ−ソナルコンピュータTS2などが用いられる。タブレット端末TS1には、例えば医療支援システム用の専用アプリケーション(以下、支援アプリケーションという)がインストールされたスマートフォンが用いられている。このタブレット端末TS1は、ディスプレイTS1aが設けられており、このディスプレイTS1aに医療支援セッションのための各種の画面が表示される。また、ディスプレイTS1aは、タッチスクリーンになっており、このディスプレイTS1aへのタッチによって、医療支援セッション等での各種指示や文字の入力を行うことができる。
パ−ソナルコンピュータTS2は、それに支援アプリケーションがインストールされている。パ−ソナルコンピュータTS2は、そのモニタTS2aに医療支援セッションのための各種の画面を表示し、キーボードTS2bやマウスを使用して医療支援セッション等での各種指示や文字の入力を行う。
なお、支援登録者の端末装置としての支援者端末TSは、通信機能を有し、また各種画面を表示し、必要な入力を行うことができるものであればよく、パーソナル情報端末(PDA)やスマートフォン,携帯電話、ノート型PC等の種々の端末装置を用いることができる。また、支援登録者の端末装置として院内端末13を含め、担当医と同じ院内の支援登録者が院内端末13を用いて支援を行うことができるようにしてもよい。
支援者端末TSは、ネットワーク16によって院内システム11と接続される。ネットワーク16は、支援者端末TSと院内システム11との相互間で通信ができるように接続するものであれば、どのようなものであってもよく、インターネット、専用線、携帯電話回線、公衆無線LANなどや、それらが混在するものでもよい。支援者端末TSは、このネットワーク16を介して、病院外及び病院内で院内システム11と通信を行う。支援者端末TSと院内システム11は、例えばVPN接続されて情報漏洩の防止が図られる。
院内システム11は、上記支援装置12,院内端末13と、医療情報を提供する電子カルテサーバ18及び検査画像サーバ19と、これらを接続する院内LAN20と、ネットワーク16と支援装置12との間に設けられたファイヤーウォール21などで構成されている。医療情報を提供するサーバとしては、上記の各サーバ18,19を例にしているが、これらに限られず、提供すべき情報に応じたサーバを設ければよい。例えば血液検査や病理検査の結果を提供するサーバなどを設置してもよい。
院内LAN20は、インターネット技術を用いて病院内に構築されたネットワークであり、支援装置12,院内端末13,各サーバ18,19を通信可能に接続している。ファイヤーウォール21は、ネットワーク16を介した支援者端末TSと支援装置12との医療支援セッションのための通信だけを許容する。これにより、支援装置12や院内LAN20に接続された各機器への不正なアクセスを阻止し、情報漏洩や情報の改竄を防止する。
院内端末13は、外科や内科などの各診療科や救急センターの診察室、処置室等に配置してある。この院内端末13は、パ−ソナルコンピュータに電子カルテ用のプログラムや検査依頼プログラム、医療支援用プログラムなどからなるアプリケーションをインストールしたものである。院内端末13のモニタ13aには、電子カルテ、医療画像の他、医療支援を要請する際に用いられる支援要請発行画面や、医療支援セッション用の各種画面が表示される。院内端末13のキーボード13bやマウスは、電子カルテの参照・入力、X線撮影などの検査依頼や医療画像の参照操作の他、医療支援の要請や医療支援セッション内での発言を行う際の入力操作に利用される。また、院内端末13から支援装置12にアクセスし、支援登録者の解除や新規追加を行うこともできる。
院内端末13は、医療支援の要請のために、支援装置12に対して支援要請発行画面の設定・入力内容に基づいた支援要請発行指示を行なう。支援要請発行指示には、支援要請の配信先を指定する情報などが含まれる。院内端末13から医療支援の要請に受けた支援装置12は、医療支援セッションを開始するとともに、その医療支援グループに含まれる複数の支援登録者に医療情報を含む支援要請を配信して、医療支援セッションへの参加を要請する。
電子カルテサーバ18は、各患者のそれぞれについての基本情報や、診療情報を電子カルテデータベース18aに記録・保存し、必要に応じてそれら情報を提供する。電子カルテサーバ18は、患者の氏名、生年月日、性別、体重、伸長など患者固有の基本情報を基本情報レコードとして電子カルテデータベース18aに記録する。基本情報レコードには、患者ごとに付与された患者IDが記録されており、この患者IDによって患者に対応する基本情報レコードを識別する。新規の患者、すなわち患者IDがない患者に対しては、新規登録用端末(図示省略)上で基本情報の入力操作を行うことにより、新規の基本情報レコードが作成されて電子カルテデータベース18aに記録される。
また、電子カルテサーバ18は、診療情報を診療情報レコードとして電子カルテデータベース18aに記録する。診療情報レコードには、診療受付時に受付端末(図示省略)で発行される受付IDと上述の患者IDとが記録されている。また、診療情報としては、電子カルテに入力した例えば所見や投薬などの診療経過、検査データ、バイタルなどの他、担当医の担当医師IDが含まれる。検査画像がある場合には、その検査画像の検査画像IDも診療情報レコードに記録される。
検査画像サーバ19は、CT装置やMRI装置等のモダリティ23が接続されており、モダリティ23で得られるCT画像等の検査画像を検査画像データベース19aに記録・保存し、必要に応じてそれら情報を提供する。この例では、モダリティ23で撮影される検査画像を医療画像としているが、配信する医療画像としては、これに限られるものではなく、例えば病理検査で組織を撮影した各種の画像や内視鏡を用いて撮影した患部の画像、心電図などでもよい。また、医療画像は、静止画に限らず動画であってもよい。
検査画像サーバ19は、院内端末13から検査依頼を受け付け、それに基づく指示をモダリティ23の操作端末23aに表示する。技師の操作によってモダリティ23による患者の撮影が完了すると、その撮影で得られる検査画像は、検査画像レコードとして検査画像データベース19aに記録される。検査画像レコードには、検査画像の他に、それ自体を特定するための検査画像ID、撮影時刻、撮影を行った技師に付与されている技師ID、受付ID、患者IDなどが含まれる。
電子カルテサーバ18,検査画像サーバ19は、医療支援セッションが開始されると、その医療支援セッションの対象案件の受付ID,患者IDが例えば支援装置12から通知される。この通知を受けると、電子カルテサーバ18は、その受付IDに対応する電子カルテの内容に更新があった場合には、その更新内容を、また検査画像サーバ19は、その患者IDに対応する検査画像が新たに撮影された場合には、その検査画像を支援装置12に送る。これにより、電子カルテの更新内容や新たに撮影された検査画像を自動的に配信する。なお、担当医の操作で、これらが配信されるようにしてもよい。
支援装置12は、管理サーバ25、端末制御サーバ26、配信サーバ27などで構成される。管理サーバ25は、支援登録者の登録・登録解除、医療支援時の参加の認証、支援登録者の医療支援セッションの参加管理等を行う。この管理サーバ25には、支援登録者が記録される支援登録者データベース25aが接続されている。
新規の支援登録者の登録や、既存の支援登録者の解除や、既存の支援登録者の情報変更は、院内端末13または管理専用端末(図示省略)を操作して管理サーバ25にアクセスすることで行う。新規の支援登録者の登録操作が行われた場合には、管理サーバ25は、新たな支援登録者レコードを作成して支援登録者データベース25aに記録し、登録解除操作が行われた場合には、その支援登録者レコードを支援登録者データベース25aから削除する。
支援登録者データベース25aの支援登録者レコードには、図2に示すように、支援登録者を識別する支援登録者ID、支援登録者の属性情報、認証用のID及びパスワード、使用端末情報、宛先情報などが記録される。属性情報としては、支援登録者の氏名、役割情報、専門分野情報などが記録される。役割情報は、支援登録者が医療においてどのような役割を担っているかを示すものであり、「医師」,「看護師」、「検査技師」、「薬剤師」などである。専門分野情報は、支援登録者が専門とする分野ないし所属する診療科を示すものであり「循環器・血管」、「脳外科」,「呼吸器・肺外科」等である。
使用端末情報は、支援登録者が使用する支援者端末TSを識別する情報であり、例えば支援者端末TSのネットワークインターフェースに付与されているMACアドレスや、タブレット端末TS1の携帯電話用のSIMカードに記録されたIMSIと呼ばれる固有番号などを用いることができる。宛先情報は、IPアドレス、メールアドレス、携帯電話の電話番号などの使用端末情報に示される支援者端末TSに情報を送信する際の宛先を示すものである。
なお、同一の支援登録者について、使用端末情報,宛先情報が異なる支援登録者レコードを複数記録するなどして、複数の支援者端末TSを利用できるようにしてもよい。また、同一の支援者端末TSに対してMACアドレスやIMSIなどの複数の使用端末情報を記録して、支援者端末TSが利用する通信方式に応じた使用端末情報を用いて、医療支援セッションへの参加に対する認証を行ってもよい。
また、管理サーバ25には、配信先レコードが記録される配信先データベース28が接続されている。図3に示すように、配信先データベース28の配信先レコードは、支援登録者レコードに参加項目を付加したものとなっている。この配信先データベース28に対する配信先レコードの記録、及び配信先レコードの参加項目の内容の書き換えにより、配信サーバ27による各情報の配信先が制御される。
端末制御サーバ26は、支援アプリケーションを通して支援者端末TSを制御するものである。この端末制御サーバ26は、例えば1件の医療支援セッションが終了したときに、支援者端末TS上に保存されている配信情報の削除などを行う。
配信サーバ27は、医療支援セッションの際に医療情報を支援者端末TS及び院内端末13に配信する。配信サーバ27は、院内端末13からの支援要請発行指示に基づいて支援要請を生成して指定された配信先に該当する各支援者端末TSに配信する。この支援要請には医療情報としての要請時情報が含まれている。支援要請後では、配信サーバ27は、担当医や参加者からの発言や、カルテの更新内容、新たな検査画像などの医療情報を取得して、担当医の院内端末13及び参加者の各支援者端末TSに配信する。
要請時情報は、院内端末13からの支援要請発行指示に含まれる情報に基づいて配信サーバ27で生成される。この要請時情報としては、医療支援セッションの対象とする患者の患者ID、対象とする案件の受付ID及び受付時刻、担当医が入力した支援要請コメント、患者の受け入れ後から支援要請発行指示を行うまでにモダリティ23で撮影された検査画像、当該案件の電子カルテの記載内容などがある。
配信サーバ27は、支援者端末TSに検査画像を送る場合には、詳細を後述するように、取得した検査画像のサイズを変換処理を行うことで、検査支援が要請される支援者(支援登録者または参加者)の支援者端末TSには高画質の検査画像を送信し、それ以外の支援者の支援者端末TSには低画質の検査画像を送信する。
配信サーバ27には配信情報データベース27aが接続されている。この配信情報データベース27aには、要請時情報や支援者端末TSや院内端末13に配信した情報が配信情報レコードとして記録される。配信情報レコードには、受付ID、配信した情報を識別するための配信ID、配信時刻、配信した情報の元となる情報(発言や検査画像)の受信時刻及び発言の発信元の参加者の支援登録者IDなども記録される。配信した情報が検査画像である場合には、配信情報レコードには検査画像IDが記録され、また撮影を行ったモダリティ23の装置IDが記録される。
図4に示すように、管理サーバ25は、配信先抽出部31,認証部32として機能する。配信先抽出部31は、院内端末13から支援要請発行指示に応答して、院内端末13の操作で指定された配信先に該当する支援等力者の支援登録者レコードを支援登録者データベース25aから抽出し、その抽出した各支援登録者レコードのそれぞれに参加項目を付加した配信先レコードとして配信先データベース28に記録する。指定された配信先に該当する否かは、支援登録者レコードの役割情報、専門分野情報などを参照して判断し、配信先として指定される条件に合致するものが抽出される
認証部32は、支援者端末TSの利用者が医療支援セッションへの参加可能な正規の登録者であるか否かを支援者端末TSからの送信される認証情報に基づいて判断する。支援要請の配信後に、医療支援セッションに支援登録者が参加する際に支援者端末TSから参加通知とともに送信されてくる認証情報としての認証用ID,パスワード及び使用端末情報を用いて支援登録者であるか否かを判断する認証を行う。この認証では、使用端末情報が合致する配信先レコードを配信先データベース28から特定し、その特定した配信先レコードに記録されている認証用ID,パスワードが支援者端末TSからのものと合致するときに正規の支援登録者として判断する。正規の支援登録者と判断された者が医療支援セッションの参加者となり、認証部32は、医療支援セッションに参加することを示す参加フラグ(「1」)を書き入む。なお、医療セッションへの参加の受付期間を設けてもよい。これには、例えば支援要請の発行後から適当な時間の間だけ認証部32による認証を行うようにすればよい。
配信サーバ27は、情報取得部34、画像取得部35、配信画像生成部36、配信部37、特定部、配信制御部38として機能する。情報取得部34は、検査画像を除く医療情報を取得する。すなわち、支援要請の際には、支援要請発行指示に含まれる情報に基づいて検査画像を除く要請時情報に必要な情報を取得し、支援要請後では担当医や参加者からの発言や、カルテの更新内容などの医療情報を取得する。配信に必要な電子カルテの内容は例えば受付IDをキーにして電子カルテサーバ18から取得する。なお、以下では、配信する各種医療情報のうち検査画像以外の情報を総称して通常情報と称して説明する。
画像取得部35は、配信すべき検査画像を検査画像サーバ19から取得する。要請時情報に必要な検査画像は、例えば検査画像IDをキーにして検査画像サーバ19から取得する。また、支援要請後では、検査画像サーバ19から送信される検査画像を受信することで取得する。
配信画像生成部36は、画像取得部35が取得した検査画像に対して画素数を減らすリサイズ処理を行い、検査画像を高画質検査画像(第1医療画像)と、この高画質検査画像よりも画質が低い低画質検査画像(第2医療画像)とを生成する。この高画質検査画像、支援者端末TSの表示性能を考慮してリサイズ処理により検査画像の画素数を減らしたものであるが、専門医がその高画質検査画像を見て診断を行うことができる画質を維持する画素数にしてある。一方の低画質検査画像は、高画質検査画像よりも画素数を小さくして、例えば1/10程度に画質を低くしたものである。なお、リサイズ処理による変化させる画質としては、画素数の増減に限定されない。例えば動画であればフレームレートの高低でもよい。
配信部37は、配信制御部38の制御下で、情報取得部34からの通常情報、配信画像生成部36で生成された高画質検査画像または低画質検査画像を配信する。配信制御部38は、配信先データベース28の配信先レコードに基づいて、支援要請時及び支援要請後の配信を制御する。
配信制御部38は、支援要請時では、配信先データベース28に記録されている全ての配信先レコードに記録されている宛先情報に示される各宛先に向けて支援要請を送信させる。これにより、院内端末13で指定した配信先に該当する各支援者端末TSに支援要請を配信する。一方、支援要請後では、配信先データベース28に記録されている配信先レコードのうちの参加フラグ(「1」)を書き入まれた配信先レコードの宛先情報に示される各宛先に向けて医療情報を送信させる。これにより、医療支援セッションに参加することを表明して認証された支援登録者、すなわち参加者にだけ医療情報が配信される。
支援要請時及び支援要請後のいずれの場合でも検査画像を配信するときには、配信制御部38は、特定部39で特定される支援登録者または参加者の支援者端末TSには高画質検査画像を配信し、それ以外の支援者端末TSには低画質検査画像を配信する。
特定部39は、配信される検査画像に基づいた支援の依頼先となる支援者(支援登録者または参加者)を特定する。すなわち、検査画像に基づく診断や助言、サポートの依頼先としての支援者を特定する。この例では、配信先データベースに記録されている配信先レコードを参照し、役割情報が「医師」となっている支援登録者または参加者を、検査画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として自動的に特定する。これにより、検査画像に基づいた支援の依頼先には、診断等が行える高画質検査画像を配信し、その他には低画質検査画像を配信する。
なお、図4では、支援装置12から支援者端末TSに配信を行う場合の機能を示しているが、支援要請発行指示を送出した院内端末13、すなわち担当医の操作する院内端末13には無条件で配信が行われる。
支援者端末TSは、前述のように支援用アプリケーションがインストールされており、これを実行することによって、図5に示すように、制御部41、通信部42、表示部43、入力部44として機能する。制御部41は、通信部42、表示部43、入力部44を統括的に制御する。通信部42は、ネットワークインターフェースなどの通信回路などで構成されており、ネットワーク16,ファイヤーウォール21を介して支援装置12と通信を行う。
例えばタブレット端末TS1では、表示部43は、ディスプレイTS1aなどで構成されており、支援要請受信画面や医療支援セッションの画面などを表示する。入力部44は、ディスプレイTS1aのタッチスクリーンなどで構成されており、ディスプレイTS1aに表示される各種の操作ボタンやソフトキーボードによる入力を受け付ける。この入力部44に対する入力操作により、医療支援プロジェクトの参加や医療支援プロジェクトでの発言の入力、検査画像の参照等を行うことができる。また、パーソナルコンピュータTS2では、表示部43は、モニタTS2aなどで、また入力部44は、キーボードTS2bなどで構成されており、同様な画面表示、入力操作を行うことができる。
上述の制御部41、通信部42は、支援者端末TSがオン及びスリープ状態となっている期間は、支援装置12からの支援要請を受信できるように、その一部の機能が常に作動している。制御部41は、通信部42を介して支援要請を受信することに応答して、表示部43に支援要請受信画面を表示させる。これにより、支援要請を各支援登録者に対して速やかに表示し、緊急の案件の支援要請に対応できるようにしている。なお、支援要請を受信したときに、音や振動などを用いて支援登録者に報知することも好ましい。
次に、医療支援セッションの各場面で院内端末13及び支援者端末TSに表示される画面について説明する。図6において、支援要請発行画面50は、院内端末13のモニタ13aに表示される。支援要請発行画面50は、例えば院内端末13の電子カルテ画面で所定の操作を行うことにより表示される。この支援要請発行画面50での入力・設定内容に基づいた支援要請発行指示が院内端末13から支援装置12に送られる。
支援要請発行画面50は、電子カルテに表示されている案件を対象案件とするものが表示されるので、支援要請発行画面50に表示される「患者氏名」、「患者ID」、「受付時刻」、「受付ID」は、電子カルテ画面に表示されている案件のものと同じになる。なお、これらのうちの「患者ID」、「受付時刻」、「受付ID」は、支援要請の際に各支援者端末TSに配信サーバ27から配信されるが、「患者氏名」については個人を特定する情報となるので配信されない。
コメント記入欄52は、担当医が支援要請コメントを記入する入力欄であり、支援要請を求める理由などを記入する。カルテ内容確認ボタン53をマウスの操作でクリックすることにより、院内端末13は、当該案件で電子カルテに記入された内容のうち支援要請の際に配信される内容、例えば患者の症状や担当医の所見、診療経過などを表示する。
また、支援要請発行画面50には、検査画像リスト54が表示される。検査画像リスト54は、配信サーバ27によって医療支援の際に配信される検査画像の検査画像IDをリスト表示したものである。支援要請発行画面50を起動したときに、院内端末13は、受付IDをキーにして検査画像サーバ19に自動的にアクセスし、当該案件の受付からこの支援要請発行画面50を起動するまでに撮影された当該案件の検査画像の検査画像IDを取得し、その検査画像IDを検査画像リスト54に表示する。
検査画像リスト54には、各検査画像IDに対応して確認ボタン54a,削除ボタン54bが表示される。院内端末13は、確認ボタン54aのクリックにより対応する検査画像を検査画像サーバ19から取得してディスプレイに表示する。また、削除ボタン54bがクリックされた場合には、その検査画像IDが検査画像リスト54から外され、配信すべき検査画像から外れる。
また、検査画像リスト54には、配信する検査画像を追加するための追加ボタン54cが表示される。追加ボタン54cをクリックすることにより、院内端末13によって、当該案件の患者の検査画像の選択画面が表示される。その画面で選択された検査画像が配信すべき検査画像として追加され、検査画像リスト54にも検査画像IDが追加される。これにより、同じ患者で、それまでに受診した際に撮影した検査画像などを配信することができる。
さらに、支援要請発行画面50には、支援要請を配信する配信先を指定する配信先指定部56が表示される。この例では、全支援登録者を配信先とする「全員」の他に、役割や、専門分野ないし診療科目に応じたグループで配信先を指定できる。役割としては「医師」,「看護師」,「レントゲン技師」、専門分野ないし診療科目としては「循環器・血管」、「脳外科」,「呼吸器・肺外科」,「読影医」・・・などを指定することができる。これらは、同時に複数を指定することができる。
発行指示ボタン57のクリックに応答して、院内端末13は、支援要請発行画面50で入力・設定された内容を指示情報とした支援要請発行指示を支援装置12に送る。すなわち、指定した配信先は、管理サーバ25に送られる。また、受付ID,支援要請コメント、検査画像リスト54中の検査画像IDが配信サーバ27に送信され、受付ID,検査画像IDに基づいて要請時情報として配信すべき各情報が収集される。
配信サーバ27からの支援要請を受信した支援者端末TSは、表示部43によって支援要請受信画面がディスプレイTS1a,モニタTS2aに表示される。なお、医療支援セッションの各場面で、パーソナルコンピュータTS2のモニタTS2aに表示される画面は、タブレット端末TS1に表示されるものと同様であるので、以下では、支援者端末TSに表示される画面として、タブレット端末TS1のものを例に説明する。
図7に一例を示すように、ディスプレイTS1aには支援要請受信画面60が表示される。この支援要請受信画面60には、要請時情報として配信サーバから配信された患者ID,受付時刻,受付ID、コメント記入欄52に入力された支援要請コメント61、この案件として電子カルテに記載されているカルテ内容62、検査画像リスト54に対応する検査画像リスト63が表示される。
また、表示部43により、支援要請受信画面60には、参照ボタン64、参加ボタン65、不参加ボタン66が表示される。参照ボタン64は、検査画像リスト63内の各検査画像IDにそれぞれ対応して表示され、それへのタッチにより検査画像表示画面が開き、対応する検査画像がディスプレイTS1aに表示される。参加ボタン65のタッチにより医療支援セッションに参加することが参加通知として、また不参加ボタン66のタッチにより参加しないことが不参加通知としてそれぞれ支援装置12に通知される。
医療支援セッションが開始されると、図8に示すように、電子掲示板方式で支援要請コメント71,担当医及び各参加者の発言72,検査画像のサムネイル画像73を古い順に並べて表示する発言掲示板68が表示部43によってディスプレイTS1aに表示される。この発言掲示板68の表示内容は、発言・検査画像の配信があるごとに更新される。
検査画像のサムネイル画像73としては、要請時情報に含まれる検査画像のもの,自動配信される検査画像のものがある。この例では、要請時情報に含まれる検査画像のサムネイル画像73は、支援要請コメント71とともに表示している。サムネイル画像73は、配信された検査画像のサイズを表示部43が縮小することにより生成する。サムネイル画像73をタッチすることにより、検査画像表示画面となり、それに対応する検査画像が表示される。なお、例えば配信サーバ27がサムネイル画像73を生成して検査画像とともに配信してもよい。
発言掲示板68の上方には、患者ID,受付ID、及び支援要請を行った担当医の名前が表示される。また、発言掲示板68の下方には、発言ボタン77,カルテ参照ボタン78,終了ボタン79が表示される。発言ボタン77のタッチに応答して、表示部43は画面を発言入力画面に切替える。また、カルテ参照ボタン78をタッチした場合には、表示部43は画面を切り替えて配信された電子カルテの内容を表示する。終了ボタン79は、医療支援セッションから離脱する際に操作するものであり、これがタッチされた場合には、離脱通知が支援装置12に送信される。離脱通知に基づき、管理サーバ25は、この離脱通知を送信してきた支援者端末TSに対応する配信先レコードの参加フラグを消去することで、その支援者端末TSへの配信を停止する。
図9に示すように、発言入力画面81には、患者ID,受付時刻,受付IDの他、発言入力欄82が表示される。発言入力欄82内には、タッチスクリーンを用いた入力部44によるソフトキーボードなどを利用して発言を入力することができる。送信ボタン83へのタッチに応答して、発言入力欄82に入力された発言は、通信部42を介して支援装置12に送信される。これが配信サーバ27により受信され、参加者の支援者端末TS及び担当医の院内端末13に配信される。キャンセルボタン84は、この発言入力画面81を閉じて、直前に表示されていた画面に戻るためのものである。また、発言入力画面81には、カルテ参照ボタン78が表示されている。これを操作することにより、発言入力中に電子カルテの内容を参照することができる。なお、この発言入力画面に、検査画像を参照するための参照ボタンを表示してもよい。
図10に示すように、検査画像表示画面86には、X線画像、CT画像などの検査画像の種別、検査画像ID,撮影時刻とともに、検査画像87が表示される。参加者は、この検査画像表示画面86上で検査画像87を見ることができる。検査画像87としては、高画質検査画像または低画質検査画像であり、支援装置12から配信されたものが表示される。なお、CT画像やMRI画像などを表示する場合には、表示する検査画像の切断面や向きをコントロールするためのツールバーが表示され、これに対する操作で任意の切断面、向きで検査画像87を見ることができる。
検査画像表示画面86には、発言ボタン77、キャンセルボタン84が表示される。これらの各ボタンの機能は、上述のものと同じである。なお、支援要請受信画面60の参照ボタン64の操作によって検査画像表示画面を参照した場合には、発言ボタン77は表示されない。
医療支援セッションの開始後では、院内端末13のモニタ13aには、図11に示すように、電子カルテ91とともに、発言掲示板68が表示される。このように、支援者端末TSに表示されるのと同じ発言掲示板68を院内端末13に表示することにより、発言掲示板68に基づく参加者の発言内容などを担当医が容易に理解できるようにしている。また、院内端末13には、発言ボタン92,終了ボタン93が表示される。発言ボタン92の操作により、医療支援セッションにおける発言を入力して送信することができる。この院内端末13で送信された発言は、院内LAN20を通して支援装置12に送られる。終了ボタン93は、院内端末13から医療支援セッションの終了通知を支援装置12に送信するものである。支援装置12は、終了通知に応答して、医療支援セッションの終了シーケンスを実行して、医療支援セッションを終了させる。
上記構成の作用について図12,図13を参照しながら説明する。医療支援システム10による医療支援は、医師が担当している患者について、例えば病気やケガの診断や処置等について、専門医や読影医の助言を受けたい場合などに利用することができる。なお、患者に特に限定はなく、例えば一般の外来患者、時間外の救急外来患者、救急搬送されてきた患者、あるいは入院している患者などを対象とすることができる。
例えば現在診療している患者の診療(以下、対象案件という)について医療支援が必要となった場合には、担当医は院内端末13を操作して、その患者の電子カルテ画面から所定の操作を行って、図6に示される支援要請発行画面50を表示する。これにより、当該患者の対象案件についての支援要請発行画面50が表示されるため、担当医は患者IDや対象案件の受付時に付された受付ID等を入力したり選択したりする必要はない。
支援要請発行画面50の表示後、担当医は、コメント記入欄52に支援要請コメントを入力する。支援要請コメントは、任意の内容でよいが、例えば支援要請を必要としている理由や助言の欲しい内容などを記入する。また、カルテ内容確認ボタン53をクリックして、配信される電子カルテの内容の確認を行う。院内端末13は、受付IDをキーにして、当該案件の電子カルテの内容のうち配信される内容を電子カルテサーバ18から取得し、これを表示する。配信される電子カルテの内容に不足があれば電子カルテに不足する内容を入力し、あるいはコメント記入欄52に支援要請コメントとして入力する。
検査画像リスト54内には、対象案件で既に撮影されている検査画像の各検査画像IDが電子カルテの内容から取得されて表示されている。担当医は、検査画像を確認する場合には、確認ボタン54aをクリックする。確認ボタン54aのクリックに応答して、その確認ボタン54aに対応する検査画像IDの検査画像を、院内端末13が検査画像サーバ19から取得し、これを表示する。表示された検査画像の配信が不要である場合には、検査画像を閉じてから、それに対応する削除ボタン54bをクリックし、その検査画像IDを検査画像リスト54から削除する。なお、配信する場合には、検査画像を閉じてから特に何もしなくてよい。
例えば当該患者が過去に受診した際に撮影された検査画像を支援要請時に配信する場合には、追加ボタン54cをクリックする。このクリックに応答して、院内端末13によって選択画面が表示される。この選択画面には、検査画像データベース19aに登録されている当該患者の検査画像が例えばサムネイル画像が表示されるので、担当医はそのサムネイル画像を参照して必要とする検査画像を選択する。検査画像が選択されると、検査画像リスト54に選択された検査画像の検査画像IDが表示される。複数の検査画像を追加する場合には、同様な操作を繰り返し行う。
担当医は、例えば支援内容などに応じて配信先を配信先指定部56で指定した後に、発行指示ボタン57をクリックする。このクリックに応答して、上記のように支援要請発行画面50での入力・設定内容に基づいた支援要請発行指示が院内端末13から支援装置12に送られる。したがって、患者ID,受付時刻,受付ID,支援要請コメント、検査画像リスト54に表示されている各検査画像IDを含む指示情報を有する支援要請発行指示が支援装置12に送られる。また、支援要請発行指示を送信した担当医の名前もあわせて送られる。支援要請発行指示の送信後には、図11に示されるように、院内端末13に発言掲示板68が表示される。
支援要請発行指示を支援装置12が受信すると、それの指示情報のうちの指定した配信先が管理サーバ25に送られる。管理サーバ25の配信先抽出部31によって、支援登録者データベース25aがアクセスされ、配信先として指定されたグループに含まれる各支援登録者の支援登録者レコードが抽出される。例えば、配信先として「医師」を指定している場合には、役割情報が「医師」となっている各支援登録者レコードが抽出される。また、配信先として「呼吸器・肺外科」を指定している場合には、専門分野情報が「呼吸器・肺外科」となっている医師や看護師の各支援登録者レコードが抽出される。さらに、「読影医」を指定している場合には、専門分野情報が「読影医」となっている医師の各支援登録者レコードが抽出される。なお、配信先として「全員」を指定している場合には、支援登録者データベース25aに記録されている全ての支援登録者レコードが抽出される。
そして、抽出した支援登録者レコードに参加項目を付加することで、配信先レコードが作成され、これが配信先データベース28に記録される。このときに、各配信先レコードの参加項目には、初期値として医療支援セッションに参加しないことを示す不参加フラグ(「0」)が与えられる。
また、指示情報のうちの受付ID,支援要請コメント、検査画像リスト54中の検査画像IDが配信サーバ27に送られる。この配信サーバ27の情報取得部34によって、受付IDに示される電子カルテの内容が電子カルテサーバ18から取得され、要請時情報のうちの通常情報が生成される。
また、画像取得部35によって各検査画像IDに対応する検査画像がそれぞれ検査画像サーバ19から取得される。取得された検査画像に対して、配信画像生成部36によりリサイズ処理が行われ、要請時情報で送る高画質検査画像と低画質検査画像とが生成される。
上記のように生成された通常情報と高画質検査画像または低画質検査画像とからなる要請時情報を含む支援要請が配信部37によってファイヤーウォール21,ネットワーク16を介して配信される。この配信の際には、配信制御部38の制御により、配信先データベース28に記録されている各配信先レコードの宛先情報に示される宛先に向けて送信される。
また、特定部39が各配信先レコードの役割情報を参照し、その役割情報が「医師」となっている支援登録者を特定しているので、配信制御部38は、図14に示すように、その特定結果に基づいて要請時情報の検査画像を各支援者端末TSに配信する。すなわち、特定部39が特定している支援登録者の支援者端末TSが宛先となっているときには、配信部37に高画質検査画像を選択させ、その選択した高画質検査画像を送信させ、それ以外の宛先には低画質検査画像を選択して送信させる。そして、このように配信された要請時情報を含む支援要請の内容が配信情報レコードとして配信情報データベース27aに記録される。
例えば、支援要請の配信先として「全員」が指定されていた場合には、支援登録者のうちの全ての医師が検査画像に基づいた支援の依頼先となる支援登録者となって、その支援者端末TSに高画質検査画像を含む要請時情報が送信される。一方、看護師やレントゲン技師などの支援登録者には低画質検査画像を含む要請時情報が送信される。また、配信先として「呼吸器・肺外科」が指定されている場合には、専門分野または診療科が「呼吸器・肺外科」の医師が検査画像に基づいた支援の依頼先となる支援登録者となって、その支援者端末TSに高画質検査画像を含む要請時情報が送信され、「呼吸器・肺外科」の看護師には低画質検査画像を含む要請時情報が送信される。
したがって、高画質の検査画像が不要である、検査画像に基づいた支援の依頼先とならない支援登録者には低画質検査画像が送信される。これにより、配信サーバ27と各支援者端末TSとの間のネットワーク16の負荷が低減され、無線接続される支援者端末TSである各タブレット端末TS1での受信時間も短くなる。
各支援者端末TSでは、支援要請を受信できるように一部の機能が作動しているから、配信先に該当する支援者端末TSによって支援要請が受信され、受信した支援者端末TSには、図7に示される支援要請受信画面60が表示される。
支援要請受信画面60が表示された支援者端末TSの支援登録者は、その支援要請受信画面60に表示されている支援要請コメント61やカルテ内容62を参照、また必要に応じて検査画像リスト63の参照ボタン64にタッチあるいはクリックすることで検査画像表示画面を開いて検査画像を参照する。
ここで、検査画像に基づいた支援の依頼先の支援登録者、この例では配信先に指定された支援登録者のうちの医師の支援者端末TSでは高画質画像になっているので、その医師らは詳細に検査画像を検討することができる。使用している支援者端末TSの性能やその環境等に応じて検査画像等の解像度を決めたり、一律に低解像度の画像を配信した場合には、必要とする解像度の検査画像が得られないため適切な判断ができなくなることがあるが、この例ではそのようなことがない。
そして、対象案件について支援できる否か、あるいは経過を観察するか否かなどに応じ医療支援セッションへの参加・不参加を判断し、それに応じて参加ボタン65または不参加ボタン66をタッチまたはクリックする。
例えば支援者端末TSがタブレット端末TS1であるときに、参加しない場合には不参加ボタン66をタッチする。この不参加ボタン66への操作に応答して、不参加通知がタブレット端末TS1から支援装置12に通知される。不参加通知を受けた場合、配信先レコードの参加項目が変更されない。このため、不参加フラグ(「0」)が維持され、この後の医療支援セッションの発言などは、そのタブレット端末TS1には配信されることはない。また、不参加の通知後に支援要請受信画面60が閉じられる。
一方、参加する場合には、参加ボタン65をタッチする。この参加ボタン65の操作に応答して、ディスプレイTS1aに認証用IDとパスワードの入力画面(図示省略)が表示される。支援登録者は、ソフトキーボードを使用して、事前に設定されている認証用IDとパスワードをそれぞれ入力してから送信ボタンを操作する。
上記送信ボタンの操作により、入力した認証用ID,パスワードとともに、参加通知がタブレット端末TS1からネットワーク16,ファイヤーウォール21を介して支援装置12に送られる。
タブレット端末TS1からの認証用ID,パスワードは、管理サーバ25で受信される。管理サーバ25の認証部32は、認証用ID,パスワードの受信時に得られる情報から、それを送信した支援者端末TSを識別する。この後、識別した支援者端末TSと一致する使用端末情報が記録されている配信先レコードを配信先データベース28から抽出する。そして、この配信先レコードに記録されている認証用ID,パスワードと、支援者端末TSからの認証用ID,パスワードが一致しているか否かを判断する。
例えば認証用IDまたはパスワードが一致していないときには、認証用IDまたはパスワードが間違っている旨のメッセージを配信サーバ27を介してタブレット端末TS1に送信し、認証用ID,はパスワードの再入力を求める。なお、識別した支援者端末TSに一致する使用端末情報が記録された支援者登録レコードが見つからない場合は、例えば使用している支援者端末TSが登録されていない旨を、その支援者端末TSに表示させる。
認証用ID及びパスワードが一致した場合には、認証部32によって正規の支援登録者と判断され、医療支援セッションの参加者と認められる。そして、その参加者の配信先レコードに記録されている参加項目に参加フラグ(「1」)を書き込む。支援者端末TSからの認証用ID,パスワード,参加通知を受信するごとに同様の処理を行って、認証用ID及びパスワードが一致したときには、その参加者の配信先レコードに記録されている参加項目に参加フラグ(「1」)を書き込む。
また、上記のようにして参加フラグ(「1」)を書き込まれたタブレット端末TS1、すなわち参加者のタブレット端末TS1には、配信サーバ27から認証の正常完了通知が送られる。タブレット端末TS1は、この正常完了通知を受信することに応答して、図8に示されるように、ディスプレイTS1aに発言掲示板68を表示する。参加者が発言を行っていない場合では、発言掲示板68には、要請時情報に基づいて、支援要請コメント71と、検査画像リスト54に登録した検査画像のサムネイル画像73が表示されている。
参加者は、発言を行う場合には、発言掲示板68の下方の発言ボタン77をタッチする。この操作に応答して発言入力画面81が表示される。発言入力欄82に、参加者の助言や所見などの発言を入力した後に、送信ボタン83をタッチする。これにより、発言入力欄82に入力された発言が支援装置12に送信される。
なお、発言掲示板68の表示後に検査画像を参照する場合には、発言掲示板68に表示されているサムネイル画像73をタッチして検査画像表示画面86を開く。また、電子カルテの内容を参照する場合には、カルテ参照ボタン78をタッチして、それを表示すればよい。
タブレット端末TS1からの発言は、配信サーバ27の情報取得部34から配信部37に送られ、配信制御部38の制御の下で配信される。この配信の際には、配信制御部38の制御により、配信先データベース28に記録されている各配信先レコードのうちの参加項目が参加フラグ(「1」)となっている配信先レコードの宛先情報に示される宛先と、担当医の院内端末13とに向けて送信される。これにより参加者の支援者端末TSと、担当医の院内端末13とに発言が配信される。また、配信された発言が配信情報レコードとして配信情報データベース27aに記録される。
なお、支援者端末TSがパーソナルコンピュータTS2であるときには、タッチ操作に代えて、マウスの操作によるクリックで医療支援セッションへの参加・不参加、検査画像の参照等を行い、キーボードTS2bを使って発言等の入力を行う。
配信サーバ27からの発言を受信すると、支援者端末TS及び担当医の院内端末13では、それに対応する発言72を表示するように発言掲示板68の表示内容が更新される。支援者端末TSから発言が送信されるごとに、同様な処理が行われ、新たな発言72が表示される。また、院内端末13の発言ボタン92の操作によって担当医が発言を行った場合にも同様である。
一方、モダリティ23で対応案件の患者の撮影が行われた場合で、患者IDから医療支援セッションの対象案件の患者であることが検査画像サーバ19によって検知されると、その検査画像が配信サーバ27に送られる。この検査画像は、画像取得部35で受けとられ、配信画像生成部36がそれを元に高画質検査画像と低画質検査画像とを生成する。そして、要請時情報の検査画像と同様な配信制御部38の制御の下で配信部37から参加フラグ(「1」)となっている配信先レコードの宛先情報に示される宛先と、担当医の院内端末13とに向けて送信される。したがって、この場合には、参加者のうちの医師が検査画像に基づいた支援の依頼先となる参加者となり、その支援者端末TSに高画質検査画像が送信され、それ以外の参加者の支援者端末TSには低画質検査画像が送信される。したがって、この場合にも、ネットワーク16の負荷が低減される。
これを受けて支援者端末TS及び院内端末13の各発言掲示板68には、その配信された検査画像のサムネイル画像73が表示される。そして、サムネイル画像73をタッチ、またはクリックすることにより、検査画像表示画面86が開かれて配信された検査画像を参照することができる。モダリティ23で対応案件の患者の撮影が行われるごとに同様な手順で検査画像が配信されてサムネイル画像73が発言掲示板68内に表示される。
また、担当医が院内端末13を操作して電子カルテに入力を行うと、その内容が電子カルテサーバ18によって電子カルテデータベース18a上の診療情報レコードに追加される。受付IDに基づいて内容を追加した診療情報レコードが対象案件のものあることを検知すると、追加された電子カルテの内容を配信サーバ27に送る。そして、配信サーバ27により、発言や検査画像と同様に、追加された電子カルテの内容が参加者の各支援者端末TSに配信される。これにより、この後にカルテ参照ボタン78を操作すれば、追加された内容を含めて電子カルテの内容を見ることができる。
上記のようにして、発言掲示板68に表示される各人の発言や、検査画像表示画面86上の検査画像を参照しながら担当医、各参加者は発言を行うことで意見交換を行い、また参加者から担当医に助言等を与えることができる。そして、担当医は適切な診断、処置を行うことができる。また、検査画像表示画面86に表示される検査画像は、支援要請時の検査画像と同様に、検査画像に基づいた支援の依頼先となる参加者、この場合には参加者の医師の支援者端末TSでは高画質画像になっているので、詳細に検査画像を検討することができる。
進行中の医療支援セッションから参加者が離脱しなければならない場合には、その参加者は終了ボタン79をタッチする。これにより、その参加者の支援者端末TSから離脱通知が支援装置12に送信され、管理サーバ25が、その支援者端末TSに対応する配信先レコードの参加項目を不参加フラグに変更する。これにより、離脱通知を送信した支援者端末TSには、発言等の配信が行われなくなる。また、端末制御サーバ26のネットワーク16を介した制御により、離脱通知を送信した支援者端末TSに保存されている対応案件の各配信情報が削除される。
さらに、例えば十分な支援が得られて処置が完了して医療支援セッションを終了する場合には、担当医が院内端末13で終了ボタン93を操作する。この操作に応答して、終了通知が支援装置12に送られるとともに、配信サーバ27から参加者の各支援者端末TSに終了通知が送られ、また端末制御サーバ26のネットワーク16を介した制御により、支援者端末TS上に保存されている対応案件の各配信情報が削除される。
上記の例では、配信先となる支援登録者または参加者のうちの医師を自動的に検査画像に基づいた支援の依頼先として特定しているが、これに限るものではなく、院内端末による操作で検査画像に基づいた支援の依頼先やその条件などを指定する構成としてもよい。例えば、配信先として「全員」または「医師」を指定し、検査画像に基づいた支援の依頼先となる支援者の条件として、専門分野あるいは診療科を指定することで、指定した専門分野あるいは診療科の医師が検査画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定されるようにしてもよい。また、検査画像ごとに支援の依頼先やその条件などを指定する構成としてもよい。さらに、医師以外の者が検査画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定されるようにしてもよい。
10 医療支援システム
12 支援装置
13 院内端末
25 管理サーバ
25a 支援登録者データベース
27 配信サーバ
28 配信先データベース
31 認証部
34 情報取得部
36 画像変換部
37 配信部
38 配信制御部
39 特定部
TS 支援者端末

Claims (6)

  1. 患者の医療支援のために医療画像と任意の端末からの発言とを、配信先として指定された複数の支援者の端末装置に配信部から配信する医療支援装置において、
    配信すべき医療画像を取得する画像取得部と、
    配信先として指定された複数の支援者のうちから、取得した医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者を特定する特定部と、
    取得した医療画像をリサイズすることにより、第1医療画像とこの第1医療画像よりも低画質の第2医療画像とを生成する配信画像生成部と
    特定された支援者の端末装置に対しては第1医療画像を、その他の端末装置に対しては第2医療画像を前記配信部に配信させる配信制御部と、を備えることを特徴とする医療支援装置。
  2. 前記特定部は、医師を医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定することを特徴とする請求項1記載の医療支援装置。
  3. 前記特定部は、外部から指定される支援者または条件に合致する支援者を医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定することを特徴とする請求項1記載の医療支援装置。
  4. 患者の医療支援のために医療画像と任意の端末からの発言とを、配信先として指定された複数の支援者の端末装置に配信部から配信する医療支援方法において、
    配信すべき医療画像にリサイズ処理を行って第1医療画像とこれよりも低画質の第2医療画像とを生成する生成ステップと、
    配信先として指定された複数の支援者のうちのから、医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者を特定する特定ステップと、
    特定された支援者の端末装置には高画質の第1医療画像を、その他の端末装置には
    第2医療画像を配信部に配信する配信ステップと、を有することを特徴とする医療支援方法。
  5. 前記特定ステップは、医師を医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定することを特徴とする請求項4記載の医療支援方法。
  6. 前記特定ステップは、指定される支援者または条件に合致する支援者を医療画像に基づいた支援の依頼先となる支援者として特定することを特徴とする請求項4記載の医療支援方法。
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