JP5659277B1 - 水産加工品の熟成香増強方法 - Google Patents

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【課題】魚卵加工品や漬け魚などの水産物の加工品に熟成感を付与する方法を提供する。【解決手段】水産物加工品の製造において、水産物の調味液に分岐鎖を有する炭素数4又は5のアルコール及び/又は炭素数3〜5のアルデヒドを添加することにより水産物に熟成香を付与する方法である。調味液にイソアミルアルコールを0.1〜30ppm、イソバレルアルデヒドを0.01〜1ppm、イソアミルアルコール:イソバレルアルデヒド=10:1〜2000:1の濃度となるように添加するのが好ましい。イソアミルアルコールを喫食時の濃度として15〜30ppm含有する水産物加工品である。【選択図】 なし

Description

本発明は、辛子明太子のような水産物を調味液につけて熟成させて製造する水産加工品の製造に関する。具体的には、熟成により得られる好ましい香り、熟成香を増強する方法に関する。
水産物を塩、醤油、味噌、その他の調味料に漬けて、水産物の味、風味、食感などに変化を与えることは、昔から行われている加工方法である。これらの加工方法においては、多くの場合、水産物を調味液につけてから、一定の熟成期間を置くことにより、調味液が水産物になじみ、塩かどがとれ、より深みのある味、風味が得られることが知られている。
熟成工程によって得られる効果の一つが熟成香である。すべての調味料と水産物がよくなじんだ製品に感じる好ましい香りである。
辛子明太子は、例えば特許文献1の従来技術の欄に記載のように原料卵を塩蔵し、液切りした後、調味液に漬け込み、味付け・熟成を行うという工程で製造される。熟成期間は味の好みと製造効率などを鑑みて調節されている。
特許文献2には、辛子明太子に製造において、麹を熟成させた諸味を用いることにより、風味と味をまろやかにすることが記載されている。
特開平7−23748号 特開平5−41964号
本発明は辛子明太子のような魚卵加工品や漬け魚などの調味液に漬けて製造する水産物の加工品に熟成感を付与する方法を提供することを課題とする。
発明者らは、水産物の加工品の品質向上を図るため、水産物の熟成感に寄与する要素を検討する中で、熟成感を感じる香りが存在することに気づき、その成分を特定することに成功した。また、その成分を水産物に添加することにより、熟成感を高めることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、(1)〜()の水産物に熟成香を付与する方法、及び(8)の熟成香が付与された水産加工品要旨とする。
(1)魚卵加工品又は漬け魚の製造において、魚卵加工品又は漬け魚の調味液に3-メチル-1-ブタノール(イソアミルアルコール)を300ppm以上含有する食材又は添加物を喫食時の濃度が0.1〜30ppmとなるように添加することにより、魚卵加工品又は漬け魚に熟成香を付与する製造方法。
さらに、炭素数3〜5のアルデヒドを喫食時の濃度が0.01〜1ppmとなるように調味液に添加することを特徴とする(1)の方法。但し、炭素数3〜5のアルデヒドは、3-メチルブタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナール又は2-メチルブタナールのいずれかである。
)調味液に分岐鎖を有する炭素数4又は5のアルコールを喫食時の濃度として0.1〜30ppm、炭素数3〜5のアルデヒドを喫食時の濃度として0.01〜1ppm、かつ、分岐鎖を有する炭素数4又は5のアルコールと炭素数3〜5のアルデヒドの濃度の比率が10:1〜2000:1となるように添加することを特徴とする(1)の方法。但し、分岐鎖を有する炭素数4又は5のアルコールは、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、又は2-メチル-1-ブタノールのいずれかであり、炭素数3〜5のアルデヒドは、3-メチルブタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナール又は2-メチルブタナールのいずれかである。
)3-メチル-1-ブタノール(イソアミルアルコール)を300ppm以上の濃度で含有する焼酎又は清酒又は、3-メチル-1-ブタノール(イソアミルアルコール)の濃度が5〜50%の水−エタノール溶液を用いる(1)ないし(3)いずれかの方法。
)(1)ないし()いずれかの方法で製造された魚卵加工品又は漬け魚
本発明により、水産物を調味液に漬けて、最適な条件で熟成を施したときに得られる好ましい熟成香を水産物に容易に安定して付与することができる。したがって、水産物加工品製造において、熟成時間を短縮したり、調節することができる。
本発明における熟成香とは、水産物を調味液等に漬けて一定期間保存することにより得られる、例えば魚卵と調味液の風味が調和し、魚卵自体の風味やまろやかさが増した好ましい香りである。
本発明は、水産物の加工品を製造する際に、好ましい条件で熟成させることによって得られる熟成香の成分の一つがイソアミルアルコールであることを見出したものである。水産物加工品に製造工程において、イソアミルアルコールを添加するだけで熟成香を付与することができる。また、第二の成分としてイソバレルアルデヒドを見出した。イソアミルアルコールとイソバレルアルデヒドを併用することにさらに好ましい熟成香を付与することができる。
イソアミルアルコールは、3-メチル-1-ブタノール (3-methyl-1-butanol) の慣用名であり、それ自体は不快な臭いを持つ無色の液である。イソバレルアルデヒドは、3-メチルブタナール (3-methylbutanal)、3-メチルブチルアルデヒド (3-methylbutyraldehyde) とも呼ばれ、こちらもそれ自体は特定悪臭物質である。
本発明に用いるイソアミルアルコール及びイソバレルアルデヒドは合成品でも天然物からの抽出品でもよい。また、純度の高い精製されたものでも、他の成分を含むものでも良い。イソアミルアルコールやイソバレルアルデヒドを多く含む食材としては、焼酎、清酒、ウイスキー、みりんなどの酒類があり、魚醤油や味噌にも少量だが含まれている。目的とする食品によっては、これらの形態でイソアミルアルコールやイソバレルアルデヒドを添加してもよい。特に、焼酎乙類、清酒はイソアミルアルコールやイソバレルアルデヒドを多く含むだけでなく、汎用性が高いので適している。特にこれらのなかでも、イソアミルアルコールやイソバレルアルデヒドを多く含むものが適しており、少なくとも100ppm以上の濃度でイソアミルアルコールを含むものが好ましい。また、焼酎ではトウモロコシ、米、麦と比較して、芋、そばを原料とするものは独特の風味があり、汎用性の点からは、トウモロコシ、米、麦を原料とするものが適する。
イソアミルアルコール単独よりもイソバレルアルデヒドを併用することにより効果が高くなる。酒類を選択する場合には、イソバレルアルデヒドも含有するものが好ましい。
本発明の目的には、イソアミルアルコールやイソバレルアルデヒドと構造が近いアルコールやアルデヒドも同様に用いることができることを確認した。イソアミルアルコールの代わりには分岐鎖を有する炭素数4又は5のアルコールを用いることができる。具体的には、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノールなどが例示される。2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-1-ブタノール等が好ましい。イソバレルアルデヒドの代わりには炭素数3〜5のアルデヒドを用いることができる。具体的には、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、2-メチル-2-ブテナール、3-メチル-2-ブテナール、2-メチルペンタナール、が例示される。3-メチルブタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナール又は2-メチルブタナール等が好ましい。
本発明において水産物とは魚類、甲殻類、軟体動物の可食部分である。具体的には、魚卵(タラコ(助子)、イクラ、スジコ、数の子、トビッコ、キャビア、マダラ卵等)の加工品、漬け魚(西京漬け、粕漬け等)、イカの塩辛等が例示される。
タラコを例に本発明を詳細に説明する。
塩タラコはスケトウダラの卵巣を塩漬けにした加工品である。塩タラコを卵嚢膜につつまれたまま調味された調味タラコ、辛子明太子や卵嚢膜が除去され卵粒子のみにしたバラコ(タラコペースト)などの加工品がある。
タラコ、バラコいずれの場合も本発明を実施するには、漬け込む調味液に本発明の熟成香増強剤を添加するだけでよい。添加量は調味液にイソアミルアルコールを喫食時の濃度で0.1〜40ppmになるように添加するのが好ましい。さらに好ましくは1〜30ppmである。イソバレルアルデヒドを併用する場合は、イソアミルアルコールを0.1〜30ppm、イソバレルアルデヒドを0.01〜1ppm、イソアミルアルコール:イソバレルアルデヒド=10:1〜2000:1の範囲で混合して用いるのが好ましい。具体的には、イソアミルアルコール:イソバレルアルデヒド=10:1〜2000:1、好ましくは100:1〜500:1の比率で含有する熟成香増強剤を調味液に喫食時の濃度で1〜30ppmになるように添加するのが好ましい。
希釈して用いる加工品の場合は予定された希釈の程度に応じて、添加量を増やしておけばよい。すなわち、3倍希釈して用いるタラコペーストであれば、上記の3倍程度の濃度になるように添加する。また、漬け魚のように加熱調理してから食する加工品の場合、加熱により本発明の熟成香が揮発するので、その分多く添加しておくのが好ましい。加熱時間にもよるが、加熱しないで食する食品の5〜20倍程度添加するのが適当である。
本明細書中で用いられるppmは重量/重量の値である。
焼酎や清酒を用いる場合、酒の味が出ないようにするには0.1〜3%程度で用いるのが好ましい。イソアミルアルコール濃度が100ppm程度の酒類を0.1〜3%用いれば、調味液中のイソアミルアルコール濃度は0.1〜3ppm程度になる。焼酎には甲類と乙類があるが、甲類は高温で蒸留されているためイソアミルアルコール等の含量は低く本発明には使いえない。乙類のうちのイソアミルアルコール濃度が高いものを選択して用いる必要がある。市販されている焼酎乙類のイソアミルアルコールの含有量を測定したところ、麦、コメ、トウモロコシを原料とするものはいずれも80ppm以上含むものであった。本発明に用いるには、イソアミルアルコール高生産酵母を用いてイソアミルアルコールの濃度を200ppm以上、好ましくは300ppm以上に高めた酒類がより好ましい。
本発明のタラコペーストは、例えば、以下のような工程で製造することができる。
スケトウダラの卵を3%食塩水で洗浄し、一次調味液(タラコ70重量%、塩7重量%、水23重量%)に5日間漬け込んで塩タラコを作製する。塩タラコの卵嚢膜を取り除き、塩タラコ70%重量、澱粉7%重量、料理酒3.5%重量、昆布エキス3%重量、増粘剤3%重量、上白糖1.2%重量、グルタミン酸ナトリウム0.5%重量、食塩0.6%重量、唐辛子0.6%重量、唐辛子抽出物0.1%重量、水10.8%重量を均一になるように混合する。パウチに入れ密封し、低温殺菌後、冷却、凍結する。
本発明の熟成香増強剤は、どのような調味液とも併用することができるが、酒類を使用しているタラコ、明太子のようにもともとイソアミルアルコールを含む調味液に加えるほうが、風味がなじみやすく好ましい。
本発明の水産物に熟成香を付与するための添加物は、イソアミルアルコールを必要量添加できる組成物であればどのようなものでも良いが、イソアミルアルコールとイソバレルアルデヒドを10:1〜2000:1の重量比率で含む組成物であれば、水産物加工品の調味液に添加するだけで、イソアミルアルコールとイソバレルアルデヒドをバランスよく配合することができるので好ましい。これらを溶解しやすく、調味液に配合しやすい水およびエタノールの混合液を溶媒とする添加物が好ましい。イソアミルアルコールの濃度が5〜50%、好ましくは10〜30%になるような水−エタノール溶液が好ましい。この添加物には、乳化剤等を含んでもよい。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
<バラコに含まれる香気成分の添加試験>
熟成時間の短い辛子明太子と、同じ配合で長く熟成させた辛子明太子に含まれる香気成分をガスクロマトグラフ質量分析計を用いて比較した。検出された5種類の化合物をそれぞれ単品でバラコのタラコペーストに添加(バラコ質量に対して各化合物を10ppm)し、バラコの熟成香が増強されるかどうかを官能検査により確認した。熟成香の強度は、0:感じない、1:やや感じる、2:感じる、3:強く感じる、×:強すぎて異味に感じる、の5段階で評価した。
結果を表1に示す。イソアミルアルコールとイソバレルアルデヒドはバラコに添加すると熟成香を付与したが、他の香気成分にはそのような効果はなかった。
Figure 0005659277
<香気成分の組み合わせと添加濃度の検討>
実施例1で効果の見られたイソアミルアルコールとイソバレルアルデヒドについて、熟成香付与における、組み合わせの効果や濃度の影響を検討した。それぞれを表2に示す濃度でバラコに添加し、実施例1と同様の基準で官能検査により熟成香の増強効果を確認した。
結果を表2に示す。イソバレルアルデヒド単独では濃度を高めてもあまり効果は強くならなかったが、イソアミルアルコール単独では効果があり、さらにイソバレルアルデヒドを併用して添加するとさらに熟成香が強くなった。特にイソアミルアルコール20ppmにイソバレルアルデヒドを0.01〜0.1ppmしたものが最も効果が高かった。
イソアミルアルコール単独の場合は添加濃度1〜30ppmが好ましく、イソアミルアルコール0.1〜20ppm、イソバレルアルデヒド0.01〜1ppm、イソアミルアルコール:イソバレルアルデヒド=1:1〜2000:1で混合して添加すると更に好ましい。
Figure 0005659277
<他の水産加工品に対する効果>
タラコで確認されたイソアミルアルコール及びイソバレルアルデヒドの熟成感付与効果を他の水産加工品(明太子、イクラ、鮭の粕漬)について確認した。
明太子は、すけとうだらの卵を3%食塩水で洗浄し、一次調味液(タラコ70重量%、塩7重量%、水23重量%)に5日間漬け込んで塩たらこを作製した。液切り後、二次調味液(塩タラコ50重量%、みりん5重量%、日本酒2.5重量%、昆布エキス2.5重量%、砂糖0.5重量%、唐辛子1.5重量%、水38重量%、イソアミルアルコール40ppm、イソバレルアルデヒド0.2ppm)に5日間漬け込み、液切りをして辛子明太子を作製した。
イクラは、筋子を3%の食塩水で洗浄後、卵粒を分離させた。漬け液を作製し、24時間漬け込んだ(イクラ90重量%、醤油4.5重量%、日本酒4.5重量%、みりん1重量%、イソアミルアルコール20ppm、イソバレルアルデヒド0.1ppm)。
鮭の粕漬けは、鮭の切り身を漬け床に5日間漬け込んだ(鮭切り身50%重量、板粕30%重量、上白糖1.9%重量、みりん1.5%重量、料理酒1.1%重量、食塩1.0%重量、水14.5%、イソアミルアルコール200ppm、イソバレルアルデヒド1ppm)。漬け込み後、漬け床を水で洗い流し、230℃のグリルで5分間加熱した。
いずれも添加しないものを対照品とした。評価は実施例1と同じ基準で官能検査により行った。
結果を表3に示す。タラコと同様に、他の水産加工品でもイソアミルアルコール及びイソバレルアルデヒドを添加することにより熟成感を付与することが確認された。粕漬では他の調味の影響や加熱により香気成分が揮散するため、10倍程度の濃度で用いてちょうどよかった。
Figure 0005659277
<構造が類似した化合物の効果>
イソアミルアルコールとイソバレルアルデヒドに構造の類似した他のアルコール類及びアルデヒド類についても、熟成香増強効果が認められるかについて確認した。実施例1と同様のタラコペーストに各化合物を10ppm添加して、評価は実施例1と同じ基準で官能検査により行った。
結果を表4に示す。アルコール類は2-methyl-1-propanolや2-methyl-1-butanolなど構造がかなり近いもので熟成香増強効果が得られた。アルデヒド類はアルコール類よりも範囲が広く、炭素数や側鎖の有無が異なっていても熟成香が感じられた。
Figure 0005659277
<他社製品の分析>
一般に販売されている明太子のイソアミルアルコール、イソバレルアルデヒド量を調査した。バラコの従来品は、スケトウダラの卵を3%食塩水で洗浄し、一次調味液(タラコ70重量%、塩7重量%、水23重量%)に5日間漬け込んで塩タラコを作製した。塩タラコの卵嚢膜を取り除き、塩タラコ70%重量、澱粉7%重量、料理酒3.5%重量、昆布エキス3%重量、増粘剤3%重量、上白糖1.2%重量、グルタミン酸ナトリウム0.5%重量、食塩0.6%重量、唐辛子0.6%重量、唐辛子抽出物0.1%重量、水10.8%重量を均一になるように混合し、パウチに入れ密封し、低温殺菌後、冷却、凍結して製造した。本発明品は、従来品にイソアミルアルコールを20ppm、イソバレルアルデヒドを0.1ppm添加して製造した。A社辛子明太子は60〜72時間、C社辛子明太子は168時間熟成された製品であり、D社辛子明太子は芋焼酎を使用した製品である。
結果を表5に示す。従来の製品では、イソアミルアルコールを15ppm以上含有するものはなかった。
Figure 0005659277
<焼酎・発酵調味料添加試験>
イソアミルアルコールやイソバレルアルデヒドが含まれる食材を探索したところ、焼酎や発酵調味料に多く含まれることがわかった。本発明に用いる素材として表6に示す焼酎、発酵調味料について検討した。これらの焼酎、発酵調味料を実施例1と同じバラコに1重量%添加し、実施例1と同じ基準で官能検査を行った。
結果を表6に示す。飲用焼酎と清酒の熟成感向上効果が高かった。飲用焼酎はとうもろこしを原料とするものが最も良く、次に米、麦が良かった。芋焼酎やそば焼酎はイソアミルアルコール濃度は高いが、お酒自体の風味が強すぎて適当ではなかった。
Figure 0005659277
本発明により、熟成感の強い水産物加工品を提供することができる。原料や熟成条件によって品質にばらつきがでやすい熟成感のある製品を安定供給することができる。

Claims (5)

  1. 魚卵加工品又は漬け魚の製造において、魚卵加工品又は漬け魚の調味液に3-メチル-1-ブタノール(イソアミルアルコール)を300ppm以上含有する食材又は添加物を喫食時の濃度が0.1〜30ppmとなるように添加することにより、魚卵加工品又は漬け魚に熟成香を付与する製造方法。
  2. さらに、炭素数3〜5のアルデヒドを喫食時の濃度が0.01〜1ppmとなるように調味液に添加することを特徴とする請求項の方法。但し、炭素数3〜5のアルデヒドは、3-メチルブタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナール又は2-メチルブタナールのいずれかである。
  3. 調味液に分岐鎖を有する炭素数4又は5のアルコールを喫食時の濃度として0.1〜30ppm、炭素数3〜5のアルデヒドを喫食時の濃度として0.01〜1ppm、かつ、分岐鎖を有する炭素数4又は5のアルコールと炭素数3〜5のアルデヒドの濃度の比率が10:1〜2000:1となるように添加することを特徴とする請求項1の方法。但し、分岐鎖を有する炭素数4又は5のアルコールは、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、又は2-メチル-1-ブタノールのいずれかであり、炭素数3〜5のアルデヒドは、3-メチルブタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナール又は2-メチルブタナールのいずれかである。
  4. 3-メチル-1-ブタノール(イソアミルアルコール)を300ppm以上の濃度で含有する焼酎又は清酒又は、3-メチル-1-ブタノール(イソアミルアルコール)の濃度が5〜50%の水−エタノール溶液を用いる請求項1ないし3いずれかの方法。
  5. 請求項1ないしいずれかの方法で製造された魚卵加工品又は漬け魚
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