JP5657085B1 - 回転電機および回転電機用ステータの製造方法 - Google Patents

回転電機および回転電機用ステータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、ステータコアの径を小さくすることなく、ボルト座面に接するボルト挿通部材の座面の面積を確保し、かつ固定部のねじ穴周りの肉厚を厚くして、性能の低下を抑制できるとともに、ボルト挿通部材を塊状体で作製し、設定された締着力を長期的に確保できる回転電機および回転電機用ステータの製造方法を得る。【解決手段】円環状に配列された複数のコアブロックが円筒状のフレーム10に挿入、固着されてフレーム10の内部に配設され、塊状体で作製され、長さ方向に貫通するボルト挿通穴11bを有するボルト挿通部材11が、長さ方向をフレーム10の軸方向としてフレーム10の外周面に溶接により固着され、ステータ5は、ボルト挿通穴11bに通されたボルト9をハウジング1に形成された固定部1aに締着して、ハウジング1に保持される。【選択図】図1

Description

この発明は、例えば自動車に搭載される車両用電動機などに適用される回転電機および回転電機用ステータの製造方法に関するものである。
従来の回転電機では、ステータは、ステータコアをリング部材の円筒部に保持されてケース内に収納され、円筒部の一端から径方向外方に延びるフランジ部に形成されたボルト挿通穴に通されたボルトを、ケースの円筒部の外周側に形成された固定部に締着して、ケースに保持されていた(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来の回転電機では、ステータは、ステータコアから径方向に突出する突出部に形成されたボルト挿通穴に通されたボルトによりケースに締結固定されていた(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2011/080817号パンフレット 特許第4678515号公報
特許文献1に記載の従来の回転電機では、ボルト挿通穴が円筒部の一端から曲げられて径方向外方に突出するフランジ部に形成されている。そこで、ボルト挿通穴が円筒部に近づき過ぎると、ボルトの頭部に相対するフランジ部の領域が円筒部からの曲げ部に重なり、ボルト座面が接するフランジ部の座面の面積が十分に確保できなくなるので、ボルト挿通穴の位置を円筒部から径方向外方に離す必要があった。また、ボルトによる締着力を確保するには、ボルトが締着される固定部のねじ穴周りの肉厚を厚くする必要があった。しかしながら、設置スペースが限られている場合、ボルト挿通穴の穴位置を径方向外方に変位させることができないので、フランジ部の座面の面積を確保し、かつ固定部のねじ穴周りの肉厚を厚くするには、ステータコアの径を小さくしなければならず、回転電機の性能が低下するという課題があった。
特許文献2に記載の他の従来の回転電機では、積層片間に隙間が生じている積層コアをケースに直接締着固定しているので、設定された締着力を長期的に確保できないという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ボルト挿通部材をフレームと別部材で作製し、ステータコアの径を小さくすることなく、ボルト座面に接するボルト挿通部材の座面の面積を確保し、かつ固定部のねじ穴周りの肉厚を厚くして、性能の低下を抑制できるとともに、ボルト挿通部材を塊状体で作製し、設定された締着力を長期的に確保できる回転電機および回転電機用ステータの製造方法を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、ハウジングと、上記ハウジング内に回転可能に配設されたロータと、それぞれ、電磁鋼板を積層一体化して作製された、円弧状のヨーク部および該ヨーク部の内周壁面から径方向内方に突出するティース部を有する複数のコアブロックを円環状に配列して構成されるステータコア、および上記複数のコアブロックのそれぞれの上記ティース部に巻装されたコイルを有し、上記ロータを囲繞するように上記ハウジングに保持されたステータと、円筒状に作製され、円環状に配列された上記複数のコアブロックが挿入、固着されて内部に配設されたフレームと、塊状体で作製され、長さ方向を上記フレームの軸方向として上記フレームの外周面に溶接により固着され、長さ方向に貫通するボルト挿通穴を有するボルト挿通部材と、を備え、上記ステータは、上記ボルト挿通部材の長さ方向の一側から上記ボルト挿通穴に通されたボルトを上記ハウジングに形成された固定部に締着して、上記ハウジングに保持されている。
この発明によれば、ボルト挿通部材がフレームと別部材で作製されているので、ボルト挿通部材の端面がボルト座面に接する座面を構成する。そこで、ボルト挿通穴をフレームの外周面に近づけることができるので、ステータコアの径を小さくすることなく、ボルト座面に接する座面の面積を確保でき、性能の低下を抑制できる。
また、固定部がステータコアの軸方向外側に位置しているので、ステータコアの外径を縮小させることなく、固定部のボルト締着部周りの肉厚を確保でき、性能の低下を抑制できる。
さらに、ボルト挿通部材が塊状体で作製されているので、設定された締着力を初期的、かつ長期的に確保できる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機におけるステータを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機におけるコイルアッセンブリを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機におけるコイルアッセンブリを示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機におけるボルト挿通部材を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機におけるステータを示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機におけるボルト挿通部材を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機におけるステータを示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機におけるステータを示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機におけるボルト挿通部材を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機におけるステータを示す斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機におけるステータを示す片側断面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機におけるボルト挿通部材を示す斜視図である。
以下、本発明による回転電機および回転電機用ステータの製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機におけるステータを示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機におけるコイルアッセンブリを示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機におけるコイルアッセンブリを示す分解斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機におけるボルト挿通部材を示す斜視図である。
図1において、回転電機100は、固定部1aが形成されたハウジング1と、ハウジング1に軸受2を介して回転可能に支持されたシャフト4と、シャフト4に固定されてフレーム内に回転可能に配設されたロータ3と、ロータ3の外周に空隙を介してロータ3と同軸に配設されてハウジング1に保持されるステータ5と、を備える。固定部1aは、シャフト4の軸心と直交し、軸方向一側に向いた平坦な着座面を有し、雌ねじ部1bが固定部1aの着座面に形成されている。
つぎに、ステータ5の構成について図2から図5を参照しつつ説明する。
ステータ5は、図2に示されるように、18個のコアブロック7を周方向に配列して円環状に構成されたステータコア6と、コアブロック7のそれぞれのティース部7bに巻装された集中巻コイル8aにより構成されるステータコイル8と、を備える。
コアブロック7は、図4に示されるように、電磁鋼板の薄板から打ち抜かれた磁性片を積層一体化して作製され、円弧状のヨーク部7aと、ヨーク部7aの内周壁面から径方向内方に突出するティース部7bとからなる略T字状に構成される。集中巻コイル8aは、絶縁被覆された銅線などからなる導体線をティース部7bに複数回巻回して作製される。
フレーム10は、例えば、板金を丸めて端面同士を突き合わせ、その突き合わせ部をTIG溶接により接合して、円筒体に作製される。フレーム10の軸方向長さは、コアブロック7の積層方向長さ(軸方向長さ)より長い。ボルト挿通部材11は、図5に示されるように、例えば、鍛造により筒状体に作製される。ボルト挿通部材11の長さ(軸方向長さ)は、フレーム10の軸方向長さより僅かに長い。そして、取付面11aがボルト挿通部材11の外周面の一部に軸方向一端から他端に至るように形成されている。この取付面11aは、フレーム10の外周面と同じ曲率半径の曲面である。さらに、ボルト挿通部材11の軸方向の両端面は、軸方向と直交する平坦面に形成されている。
このように構成されたステータ5を組み立てるには、まず、集中巻コイル8aをティース部7bに巻装し、図3に示されるコイルアッセンブリ12を組み立てる。ついで、ヨーク部7aの周方向の側面同士を突き合わせて、18個のコイルアッセンブリ12を円環状に配列する。ついで、円環状に配列されたコイルアッセンブリ12の群をフレーム10に圧入、あるいは焼きばめにより挿入、固定する。ついで、それぞれ、ボルト挿通穴11bの穴方向をフレーム10の軸方向と平行として、かつ軸方向の両端部をフレーム10から軸方向に突出させて、取付面11aをフレーム10の外周面に載置し、ボルト挿通部材11をTIG溶接によりフレーム10に接合する。これにより、図2に示されるように、5本のボルト挿通部材11がフレーム10の外周面に周方向に等角ピッチで配設されたステータ5が組み立てられる。そして、図1に示されるように、ボルト9をボルト挿通部材11の軸方向一側からボルト挿通穴11bに通し、ハウジング1の固定部1aに形成された雌ねじ部1bに締着して、ステータ5がハウジング1に保持される。
この実施の形態1では、ボルト挿通部材11がフレーム10と別部材で作製されているので、ボルト挿通部材11の端面がボルト9の頭部の座面(ボルト座面)が接する第1座面を構成する。そこで、ボルト挿通部材11をフレーム10の外周面に溶接により接合した場合、円筒状のフレームの一端側を曲げて径方向外方に突出させたフランジ部にボルト挿通穴を形成している特許文献1に比べ、ボルト挿通穴11bをフレーム10の外周面に近づけることができる。言い換えれば、ボルト挿通穴11bの穴位置の径方向位置が同じ場合、本構成は、特許文献1に比べて、フレーム10の外径を大きくでき、ステータコア6の外径を大きくできる。このように、回転電機のサイズが同じ場合には、特許文献1に比べて、ステータコア6(ステータ5)の外径を大きくでき、回転電機100の性能を高めることができる。したがって、電気自動車やハイブリッド自動車などの設置スペースの省スペース化が求められる用途に回転電機100を適用しても、回転電機100の性能の低下を抑制できる。
ボルト9の締着部であるハウジング1の雌ねじ部1bがステータ5の軸方向外側に位置しているので、回転電機100の外径を増大させることなく、かつステータ5の外径を縮小させることなく、雌ねじ部1b周りの肉厚を確保できる。したがって、電気自動車やハイブリッド自動車などの設置スペースの省スペース化が求められる用途に回転電機100を適用しても、回転電機100の性能の低下を抑制できる。
ボルト挿通部材11をフレーム10の外周面に溶接により接合しているので、ボルト挿通部材11とフレーム10とを一体成形する場合に比べて、コストを低減できる。
塊状体で作製されたボルト挿通部材11をハウジング1にボルト9により締着固定しているので、積層コアをケースに直接締着固定している特許文献2に比べて、設定された締着力を初期的、かつ長期的に確保できる。
円環状に配列されたコイルアッセンブリ12の群が挿入、固定されたフレーム10にボルト挿通部材11を溶接しているので、ステータ5に生じる応力が不均一となることがない。また、フレーム10の外周面と同じ曲率半径の曲面の取付面11aがボルト挿通部材11の外周面の一部に軸方向一端から他端に至るように形成されているので、ボルト挿通部材11をフレーム10の外周面上に安定した状態で載置でき、溶接の作業性および溶接信頼性が高められる。
コアブロック7を円環状に配列する工程に先立って、集中巻コイル8aを各コアブロック7のティース部7bに巻装しているので、集中巻コイル8aを、高い占積率で、かつバラツキのない占積率で、各コアブロック7に巻装することができ、回転電機100の性能を高めることができる。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係る回転電機におけるステータを示す斜視図、図7はこの発明の実施の形態2に係る回転電機におけるボルト挿通部材を示す斜視図である。
図6および図7において、ボルト挿通部材13は、板金を曲げ加工にして作製され、長さ方向と直交する断面形状をC字状とし、フレーム10の軸方向長さより長い略筒状のボルト挿通部13aと、ボルト挿通部13aの断面C字状の両端部から両側に突出してボルト挿通部13aの長さ方向に延びるように形成されたフランジ部13bと、を有する。フランジ部13bのボルト挿通部13aと反対側の面は、フレーム10の外周面と同じ曲率半径の曲面である。また、ボルト挿通部材13の長さ方向の両端面は、長さ方向と直交する平坦面に形成されている。
そして、集中巻コイル8aが巻装されたコアブロック7が、ヨーク部7aの周方向の側面同士を突き合わせて円環状に配列され、圧入或いは焼きばめにより、フレーム10に挿入、固定される。ボルト挿通部材13は、フランジ部13bをフレーム10の外周面に載置し、スポット溶接によりフレーム10に接合され、ステータ5Aが組み立てられる。そして、ボルト挿通穴が、ボルト挿通部13aとフレーム10との間に構成される。
このように組み立てられたステータ5Aは、ボルト9をボルト挿入部材13の長さ方向の一側からボルト挿通穴に通して固定部1aに形成された雌ねじ部1bに締着して、ハウジング1に保持される。
なお、実施の形態2によるステータ5Aは、ボルト挿通部材11に替えてボルト挿通部材13を用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態2によれば、ボルト挿通部材13が板金により作製されているので、低コスト化が図られる。また、ボルト挿通部材13がスポット溶接によりフレーム10に接合されているので、溶接時間が短縮され、低コスト化が図られる。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3に係る回転電機におけるステータを示す斜視図である。
図8において、ボルト挿通部材14は、軸方向長さがフレーム10の軸方向長さと等しくなっている点を除いて、上述のボルト挿通部材11と同様に構成されている。そして、集中巻コイル8aが巻装されたコアブロック7が、ヨーク部7aの周方向の側面同士を突き合わせて円環状に配列され、圧入或いは焼きばめにより、フレーム10に挿入、固定される。ボルト挿通部材14は、長さ方向の両端面がフレーム10の両端面と面一となるように、フレーム10の外周面に取付面(図示せず)を載置し、TIG溶接によりフレーム10に接合され、ステータ5Bが組み立てられる。
このように組み立てられたステータ5Bは、ボルト9をボルト挿通部材14の長さ方向の一側からボルト挿通穴14bに通して固定部1aに形成された雌ねじ部1bに締着して、ハウジング1に保持される。
なお、実施の形態3によるステータ5Bは、ボルト挿通部材11に替えてボルト挿通部材14を用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、この実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態3では、ボルト挿通部材14が、フレーム10の両端面と面一となるように、フレーム10の外周面に溶接により接合されているので、ボルト挿通部材14の一端面とフレーム10の一端面がボルト座面に接する第1座面を構成し、ボルト挿通部材14の他端面とフレーム10の他端面が雌ねじ部1b周りの着座面に接する第2座面を構成する。そこで、ボルト9の軸方向の締着力がボルト挿通部材14とフレーム10の両者に作用しているので、振動などの衝撃が回転電機に加わったときに、ボルト挿通部材14とフレーム10の接合部に剪断力が発生しない。したがって、ボルト挿通部材14とフレーム10の接合強度を小さくすることができるので、溶接点を減らすことができ、ボルト挿通部材14とフレーム10を一体化する作業時間を短縮でき、低コスト化が図られる。
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4に係る回転電機におけるステータを示す斜視図、図10はこの発明の実施の形態4に係る回転電機におけるボルト挿通部材を示す斜視図である。
図9および図10において、ボルト挿通部材15は、鍛造により、フレーム10の軸方向長さより長い軸方向長さを有する筒状体に作製される。そして、突出部15aが、ボルト挿通部材15の軸方向一端部から径方向外方に突き出るように形成され、取付面15bがボルト挿通部材15の外周面の一部に軸方向他端から突出部15aの根元部に至るように形成されている。この取付面15bは、フレーム10の外周面と同じ曲率半径の曲面であり、ボルト挿通部材15の長さ方向の両端面は、長さ方向と直交する平坦面に形成されている。
そして、集中巻コイル8aが巻装されたコアブロック7が、ヨーク部7aの周方向の側面同士を突き合わせて円環状に配列され、圧入或いは焼きばめにより、フレーム10に挿入、固定される。ボルト挿通部材15は、突出部15aをコアブロック7のヨーク部7aの軸方向外側に位置させて、フレーム10の外周面に取付面15bを載置し、TIG溶接によりフレーム10に接合され、ステータ5Cが組み立てられる。
このように組み立てられたステータ5Cは、ボルト9をボルト挿通部材15の長さ方向の一側からボルト挿通穴15cに通して固定部1aに形成された雌ねじ部1bに締着して、ハウジング1に保持される。
なお、実施の形態4によるステータ5Cは、ボルト挿通部材11に替えてボルト挿通部材15を用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、この実施の形態4においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態4によれば、突出部15aが、コアブロック7のヨーク部7aの軸方向外側に位置するようにボルト挿通部材15の軸方向一端部から径方向内方に延び出ている。そこで、ボルト挿通穴15cをフレーム10に近づけても、ボルト座面が接する第1座面の面積を十分に確保することができる。
実施の形態5.
図11はこの発明の実施の形態5に係る回転電機におけるステータを示す斜視図、図12はこの発明の実施の形態5に係る回転電機におけるステータを示す片側断面図、図13はこの発明の実施の形態5に係る回転電機におけるボルト挿通部材を示す斜視図である。
図11から図13において、フレーム10Aは、円筒状に作製される。切り欠き17が、それぞれ、フレーム10Aの軸方向一端側に形成されて、周方向に6つ配列されている。断面台形の溝形状を有するアリ溝18が、溝方向を軸方向として、各コアブロック7Aのヨーク部7aの外周面に軸方向一端から他端に至るように形成されている。ボルト挿通部材16は、鍛造により、フレーム10Aの軸方向長さより長い軸方向長さを有する筒状体に作製される。断面台形の嵌合部16aがボルト挿通部材16の軸方向一端側から径方向外方に突き出るように形成されている。そして、取付面16bがボルト挿通部材16の外周面の一部に軸方向他端から嵌合部16aの根元部に至るように形成されている。この取付面16bは、フレーム10Aの外周面と同じ曲率半径の曲面である。
集中巻コイル8aが巻装されたコアブロック7Aが、ヨーク部7aの周方向の側面同士を突き合わせて円環状に配列され、圧入或いは焼きばめにより、フレーム10Aに挿入、固定される。このとき、フレーム10Aは、切り欠き17がアリ溝18上に位置するように位置決めされる。これにより、アリ溝18は、軸方向一側を除いて、フレーム10Aにより塞口されている。そして、ボルト挿通部材16の取付面16bの軸方向他端側をフレーム10Aの切り欠き17に沿わせて、ボルト挿通部材16を軸方向他側に移動させる。これにより、嵌合部16aが軸方向一側からアリ溝18に嵌め入れられる。そして、嵌合部16aの根元部が切り欠き17の底部に当接し、ボルト挿通部材16のそれ以上の軸方向他側への移動が阻止される。また、ボルト挿通部材16の取付面16bがフレーム10Aの外周面に接する。そこで、ボルト挿通部材16をフレーム10Aの外周面にTIG溶接により接合し、図11に示されるステータ5Dが組み立てられる。
このように組み立てられたステータ5Dは、ボルト9をボルト挿通部材16の長さ方向の一側からボルト挿通穴16cに通して固定部1aに形成された雌ねじ部1bに締着して、ハウジング1に保持される。
したがって、この実施の形態5においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態5によれば、コアブロック7Aのヨーク部7aの外周面に形成されたアリ溝18にボルト挿通部材16に形成された嵌合部16aを嵌合させて、ボルト挿通部材16をフレーム10AにTIG溶接している。そこで、嵌合部16aが回り止めとして機能し、円環状に配列されたコアブロック7Aの周方向の移動が阻止されるので、フレーム10Aに挿入固定されたコアブロック7Aの固定の信頼性が高められる。
なお、上記各実施の形態では、導体線をコアブロックのティース部に直接巻回して集中巻コイルを作製しているが、絶縁性樹脂で作製されたボビンをコアブロックの軸方向両端面上に配置し、導体線を、ティース部とティース部の両端面に載置されたボビンとの周りに巻回して集中巻コイルを作製してもよい。
また、上記各実施の形態では、ステータコアが18個のコアブロックを円環状に配列して構成されているが、ステータコアを構成するコアブロックの個数は18個に限定されない。
1 ハウジング、1a 固定部、2 ロータ、5,5A,5B,5C,5D ステータ、6 ステータコア、7 コアブロック、7a ヨーク部、7b ティース部、8a 集中巻コイル、9 ボルト、10 フレーム、11 ボルト挿通部材、11a 取付面、11b ボルト挿通穴、13 ボルト挿通部材、14 ボルト挿通部材、15 ボルト挿通部材、15a 突出部、15b 取付面、15c ボルト挿通穴、16 ボルト挿通部材、16a 嵌合部、16b 取付面、16c ボルト挿通穴、18 アリ溝。

Claims (7)

  1. ハウジングと、
    上記ハウジング内に回転可能に配設されたロータと、
    それぞれ、電磁鋼板を積層一体化して作製された、円弧状のヨーク部および該ヨーク部の内周壁面から径方向内方に突出するティース部を有する複数のコアブロックを円環状に配列して構成されるステータコア、および上記複数のコアブロックのそれぞれの上記ティース部に巻装されたコイルを有し、上記ロータを囲繞するように上記ハウジングに保持されたステータと、
    円筒状に作製され、円環状に配列された上記複数のコアブロックが挿入、固着されて内部に配設されたフレームと、
    塊状体で作製され、長さ方向を上記フレームの軸方向として上記フレームの外周面に溶接により固着され、長さ方向に貫通するボルト挿通穴を有するボルト挿通部材と、を備え、
    上記ステータは、上記ボルト挿通部材の長さ方向の一側から上記ボルト挿通穴に通されたボルトを上記ハウジングに形成された固定部に締着して、上記ハウジングに保持されていることを特徴とする回転電機。
  2. 上記ボルト挿通部材が板金で作製されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 上記フレームの軸方向の両端面と上記フレームに固着された上記ボルト挿通部材の長さ方向の両端面とが面一に構成され、
    上記フレームの軸方向の両端面と上記ボルト挿通部材の長さ方向の両端面が、それぞれ、上記ボルトの頭部および上記固定部に接していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機。
  4. 上記ボルト挿通部材が、上記フレームから軸方向一側に突出するように形成され、
    突出部が、上記ボルト挿通部材の軸方向一端部から径方向内方に延び出て、上記ヨーク部の軸方向外側に位置するように形成されている請求項1又は請求項2記載の回転電機。
  5. アリ溝が、溝方向を軸方向として、上記ヨーク部の外周面に形成され、
    嵌合部が、上記ボルト挿通部材の外周面に突出するように形成され、
    上記ボルト挿通部材は、上記嵌合部を上記アリ溝に嵌着されて上記フレームに固着されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  6. 上記ボルト挿通部材の上記フレームの外周面に接する取付面が、上記フレームの外周面と同じ曲率半径の曲面に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. それぞれ、電磁鋼板を積層一体化して作製された、円弧状のヨーク部および該ヨーク部の内周壁面から径方向内方に突出するティース部を有する複数のコアブロックを、円環状に配列して円筒状のフレームに挿入固着して構成されたステータコアと、
    上記複数のコアブロックのそれぞれの上記ティース部に巻装されたコイルと、
    塊状体で作製され、長さ方向を上記フレームの軸方向として上記フレームの外周面に溶接により固着された、長さ方向に貫通するボルト挿通穴を有するボルト挿通部材と、を有する回転電機用ステータの製造方法において、
    上記複数のコアブロックのそれぞれの上記ティース部に上記コイルを巻装する工程と、
    上記コイルが巻装された上記複数のコアブロックを円環状に配列して上記フレームに挿入固着する工程と、
    上記ボルト挿通部材の長さ方向を上記フレームの軸方向として、上記複数のコアブロックが挿入固着された上記フレームの外周面に上記ボルト挿通部材を溶接により固着する工程と、を有することを特徴とする回転電機用ステータの製造方法。
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