JP5654189B2 - 液晶材料精製装置及び液晶材料精製方法 - Google Patents

液晶材料精製装置及び液晶材料精製方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶材料中に存在する不純物、特に液晶表示素子中において電圧印加時に電流を発生するイオン性不純物を除去する液晶材料の精製装置に関する。
液晶表示装置(LCD)は、電卓のディスプレイとして登場して以来、コンピューターの開発と歩みを同じくして、TN-LCD(捻れネマチック液晶表示装置)から、STN-LCDへと表示容量の拡大に対応してきた。STN-LCDは、シェファー(Scheffer)等[SID '85 Digest, 120頁(1985年)]、あるいは衣川等[SID '86 Digest, 122頁(1986年)]によって、開発され、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどの高情報処理用の表示に広く普及している。特に、各画素に薄膜トランジスタをつけたアクティブマトリクス液晶表示素子(AM-LCD)は、CRTにも代替できる高画質を備え、フラット化、省エネルギー化の後押しを受けて、現在最も有望なディスプレイとして成長を続けている。
AM-LCDではコントラストを上げるために、各画素に薄膜トランジスタやダイオードのスイッチング素子をつけて、画素に電圧を供給する。
AM-LCDはTN、STNのパッシブ駆動方式とは異なり、スイッチング素子を通して、各画素に数十msec毎に電荷を供給することにより駆動する。このため、電荷が供給されてから数十msec後の次の書き込み時間までの間は、与えられた電荷を完全に保持できないと、表示の悪化をきたすことになる。電荷が逃げると電極間の電位が下がり、透過光強度が変化してコントラストが低下してしまう。このため、AM-LCDでは、高い電圧保持特性が求められる。高い電圧保持特性を得るため、AM-LCD用液晶材料には、高比抵抗を維持しやすい化合物を取捨選択して使用しており、これにより高い電圧保持率を得ている。
液晶材料の電圧保持率には液晶材料中に含まれる不純物の影響が大きく、特にイオン電流の発生により液晶表示素子の電圧降下をきたすイオン性不純物の影響が大きい。これを防止するためには液晶材料を高純度に精製する必要がある。従来、液晶材料から不純物を除く方法としては、例えば再結晶、蒸留、液体クロマトグラフィー等、一般有機化合物の精製で通常行われている方法があるが、これらの方法だけでは液晶材料から有害なイオン性不純物を完全に取り除くことは困難であった。
このイオン性不純物には、水分、金属、ハロゲン、塩類などの無機物の他に有機酸、有機アルカリ、有機極性物質といった有機物があり、外部電界がなくてもイオンとして存在しているものもあれば、液晶材料を液晶表示素子中に入れ、表示動作に必要な電圧をかけることによって初めてイオンとして振る舞う潜在的イオン源もある。特に後者の潜在的イオン源は従来の精製方法で除去することが極めて困難であった。
イオン性不純物の除去という目的で液晶化合物をシリカゲルと接触させる方法(特開昭62-210420号公報)、活性アルミナと接触させる方法(特公平3-2918号公報)、イオン交換樹脂で処理する方法(特開昭52-59081号公報)や、ゼオライトと接触させる方法(特開昭63-261224号公報)等が提示されているが、液晶中の水分や金属イオンを取り除く効果は大きいものの、いまだ十分ではなかった。
更に、対向する一対の電極間に液晶材料を入れ、電界をかけることによりイオン性の不純物を除去する方法(特開昭50-108186号公報、特開昭51-11069号公報、特開平4-86812号公報)等が提示されている。これらの方法はイオン性不純物の捕集という面から非常に有効であるが、電極面に集められたイオン性不純物が液晶材料中に再拡散しやすく、イオン性不純物の除去を完全に行うことができないという問題があった。
発明が解決しようとする課題
本発明が解決しようとする課題は液晶材料中に存在するイオン性の不純物を除去し、液晶材料の電圧保持率を高めうる精製装置、及び該装置を使用した液晶材料精製方法を提供することである。
課題を解決するための手段
上記課題は本発明を用いることによって達成される。すなわち本発明は第一に電極間に液晶材料を注入できる構造を有し、更に吸着剤を電極表面に有し、当該電極間に働く電場の作用によって、前記電極間にある液晶材料中に存在するイオン源となりうる不純物をイオンに解離させ、生成したイオンと元々電圧印加前から存在していたイオンの両方を電気泳動させ、これらのイオンを吸着剤によって捕集することにより、前記電極間にある液晶材料を精製することを特徴とする液晶材料精製装置であり、第二に吸着剤がシリカゲル、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化チタンの中から選ばれた一種類、またはこれら二種類以上の組み合わせからなることを特徴とする上記第一の液晶材料精製装置であり、第に電極が平行に配置された平面構造を有することを特徴とする上記第一又はの液晶材料精製装置であり、第に更に、前記電極間に注入された液晶材料の排出孔を有する上記第一から第の液晶材料精製装置であり、第五に上記第一から第の液晶材料精製装置を使用することを特徴とする液晶材料精製方法であり、第に前記電極間に液晶材料を注入し、当該液晶材料に電圧を印加し、当該液晶材料中に存在するイオン源となりうる不純物を電界の力で正負のイオンに解離させ、生成したイオンと元々電圧印加前から存在していたイオンの両方を電界の力により泳動させ、吸着剤によって捕集する第の液晶材料精製方法である。
本発明によって生ずる作用は、液晶材料に電圧を印加し、液晶材料中に存在するイオン源となりうる不純物を電界の力で正負のイオンに解離させ、このようにして生成したイオンと元々電圧印加前から存在していたイオンの両方を電界の力により泳動させ、吸着剤によって捕集することによって液晶材料を高純度化するというものである。特に本発明による液晶材料精製装置では液晶材料中または電極表面に吸着剤を有するので電気的な力で電極方向に引きつけられたイオン性不純物が吸着剤に化学的、物理的な力で吸着され、液晶材料中に再拡散しないため液晶材料中のイオン性不純物を高い効率で除去することができる。本発明の液晶材料精製装置において、印加電圧を液晶表示素子中で液晶材料に印加されるのと同等の電界強度が得られる電圧とすれば、液晶表示素子内における駆動電圧で初めて泳動する潜在的なイオン性不純物をも除去できるため液晶材料の電圧保持率向上に極めて有用である。
本発明の精製装置で精製される液晶材料は、液晶表示素子、すなわちTN(ねじれネマチック)型素子、STN(超ねじれネマチック)型液晶素子、PDLC(ポリマー分散型液晶)型液晶素子、OCB(光学自己補償型複屈折)型素子等に一般に使用されるネマチック液晶化合物およびネマチック液晶組成物、あるいはFLCD(強誘電性液晶ディスプレイ)に一般に使用されるスメクチックまたはカイラルスメクチック液晶化合物、およびスメクチック液晶組成物またはカイラルスメクチック組成物等が挙げられる。
本発明の精製装置に用いられる具体的な化合物の例としては、下記一般式(I)に示す構造を有する液晶化合物、
一般式(I)
Figure 0005654189
(式中、R1、R2はそれぞれ独立的にフッ素置換されていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、もしくは炭素原子数1〜10のアルコキシル基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、環A、環B及び環Cはそれぞれ独立的にフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-1,4-フェニレン基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいフェナントレン-2,7-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいフルオレン-2,7-ジイル基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、フッ素原子により置換されていてもよい1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基もしくはピリダジン-2,5-ジイル基を表し、mは0、1もしくは2を表し、L1及びL2はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-もしくは-C≡C-を表し、環C及びL2が複数存在する場合はそれらは同一でも良く異なっていても良い。)や、一般式(IIa)、一般式(IIb)、一般式(IIc)に示す構造を有する液晶化合物がある。特に、一般式(IIa)、一般式(IIb)、一般式(IIc)に示す極性基を有する化合物に関しては、有用である。
Figure 0005654189
(式中R3はフッ素置換されていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、もしくは炭素原子数1〜10のアルコキシル基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、環D及び環Eはそれぞれ相互に独立して、
(a) トランス-1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は-O-及びもしくは-S-に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は-N-に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル及びデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCNもしくはハロゲンで置換されていても良いが、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルを表す場合、無置換であるか、少なくとも2つ以上のハロゲンによって置換されており、L3、L4はそれぞれ相互に独立して-COO-、-OCO-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH2)4-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-もしくは単結合であり、X1、X2、X3、X4、X5、はそれぞれ独立してHもしくはFであり、nは、0、1もしくは2であり、kは、0もしくは1であり、Y1は、-H、-F、-ClもしくはCNであり、Q1は、単結合、-CF2-もしくは-OCF2-である。)
更に、一般式(I)、一般式(IIa)、一般式(IIb)、一般式(IIc)から選ばれる化合物を二種類以上を混合してなる液晶組成物に対しても好適に用いることができる。
本発明による液晶精製装置では電極間に液晶材料を注入し、電圧を印加することによってイオン源となりうる不純物をイオンに解離させた上で電気泳動させ、これを吸着剤で捕集することによって液晶材料の精製を行うが、この際電極間に印加する電圧としては印加電圧を電極間距離で除した電界強度が0.02kV/cm以上100kV/cm以下となるようにすることが好ましい。この電界強度が0.02kV/cm未満の場合は、電気泳動によるイオンの除去が殆ど行われない。また、100kV/cmを超える電界強度を与えるのは絶縁破壊が発生する危険性が高くなる。さらに好ましい電界強度は0.1kV/cm以上50kV/cm以下である。
印加する電圧は直流または交流が使用できるが、交流である場合は周波数10Hz以下の交流またはそれらを重畳したものが好ましい。交流電圧を印加する場合周波数が高すぎると電界によるイオンの移動距離が不十分になるため精製効率が低下する。交流電圧の場合は矩形波として印加するのが好ましく、矩形波を用いない場合でも高電界強度を維持する時間が長くなるようにするのが好ましい。
本発明の液晶精製装置で用いる吸着剤は液晶材料中に存在していても、電極表面に固定化されていても良いが、イオン捕集の効率と取り扱いの容易さを考慮して電極表面に固定化することが好ましい。吸着剤が電極表面に固定化されていれば電気泳動によって集められた正負のイオンが最も遠い距離を隔てて蓄積されるため、再結合により再拡散する恐れがない。さらに電極表面を吸着剤で被覆することにより、むき出しの電極面でイオンが電極反応により中性化し再度液晶材料中に拡散することなく効率よく吸着剤に捕集される。また、電極表面に吸着剤が固定されていれば、液晶材料中に混入した吸着剤を後処理で取り除く必要もなく、取り扱いを簡便化することができる。
本発明の液晶精製装置で用いる吸着剤としては、無機系の吸着剤と有機系の吸着剤が挙げられる。無機系の吸着剤としては、シリカゲル、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ゼオライト、酸化チタン等が挙げられ、有機系の吸着剤としては、スチレン系、アクリル系、フェノール系、セルロース系等の合成吸着剤が挙げられる。液晶の配向膜としてよく用いられるポリイミドは、本発明で用いる吸着剤には含まれない。一部のポリイミドには若干の吸着作用はあるものの、吸着剤としては効力が弱く、ポリイミド自身からのイオンの放出、いったん吸着されたイオンの再放出が起こりやすいため本発明に用いる吸着剤としては好ましくない。上記に挙げた吸着剤のうち特にシリガゲル、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化チタンの中から選ばれた一種またはこれらの組み合わせを用いることが好ましい。吸着剤の選択は精製する液晶材料によって異なってくるが、多くの液晶材料ではシリカゲルまたは酸化アルミニウムを用いることが適切である場合が多い。これらの吸着剤は液晶材料中に入れるか電極表面に固定して用いるが、電極表面に固定する場合は電極表面全域かその大部分を被覆するように設けるのが好ましい。この場合電極表面に層状に設けるのが好ましく、粉末とした吸着剤を結着剤で電極上に固定するか、電極上に焼結させて固定することが好ましい。また、電極上にゾル−ゲル法等を用いて無機吸着剤層を形成させてもよい。吸着剤の表面に突起が存在すると電圧印加の際に絶縁破壊の原因になりやすいので平滑な吸着剤層を設けることが好ましい。
本発明の液晶精製装置では、電極間にある液晶材料が電極間に働く電場の作用によって精製されるので、精製されるべき液晶材料の全てがこの電極の間に入っているか、電極間を通過することが好ましい。このため本発明の精製装置の形態としては、例えば、対向する平行平板電極間に液晶材料を充填するバッチ式のもの、平行平板電極間を液晶材料が通過する連続式のもの、液晶材料が入った漕内に平行平板電極を入れて液晶材料を撹拌する方式のものなどが挙げられる。またこの他に、二重構造を持った円筒形電極の間に液晶材料を入れて螺旋状に液状材料を流す構造、電極間に電極と平行に細管を配しこの細管内に液晶材料を流す構造等を持っていてもよい。
このような精製装置を用いて精製された液晶化合物は、しきい値電圧以上の高電界下に置かれても高い電圧保持率を示す。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中における電圧保持率は以下の条件に従って測定したものである。
測定セル:JSR(株)製AL-1051を配向膜として有するセルギャップ6μm、ITO電極の面積0.64cm2のツイストネマチックセルを使用した。
測定条件:図1に示すように、±5V、2.5Hzの矩形波から成るソース電圧VSをゲートパルスVGによる高インピーダンスFETスイッチングにより、64μ秒だけテストセルに印加し、遮断する。テストセルの両電極間の電圧VLが1/2周期に描くカーブより図中斜線部分の面積を求める。VLの減衰が全くない場合の面積を100%とし、これに対する面積比率を電圧保持率として算出した。
測定温度:80℃
電圧保持率測定用液晶組成物:液晶化合物の電圧保持率は下記に示す構造を有する液晶化合物1と液晶化合物2の等質量混合物をベース組成物とし、このベース組成物80質量部に対して、各実施例、比較例で精製された液晶化合物を20質量部混合した液晶組成物を調製し、この液晶組成物を測定セルに注入して電圧保持率を測定することによって評価した。
(液晶化合物1)
Figure 0005654189
(液晶化合物2)
Figure 0005654189
[ベース組成物の評価結果]
各実施例、比較例にて精製された液晶化合物を混合させない、ベース組成物のみの電圧保持率を評価したところ95.3%であった。
[実施例1]
図2に示すような断面構造を有する液晶精製装置を作製した。図2において、1,2は基板であり、この表面に電極3,4が形成されている。この電極3,4の表面に吸着剤層5,6を設ける。対向電極はスペーサー7,8により一定の電極間距離を保持しており、電極3,4は直流電源9によって電圧印加される。精製される液晶材料は注入孔(図示せず)から注入され、吸着剤層5,6間を通過する際に電極3,4間に印加された電界により精製される。精製された液晶材料は排出孔(図示せず)から排出される。この間液晶材料はポンプ(図示せず)により送液される。
本実施例1においては基板1,2はプラスチック、電極3,4は銅、吸着剤層5,6は樹脂結着したシリカゲル微粉末から成り層厚は0.1mmである。スペーサー7,8はプラスチックを用い電極間距離は1mmに調整した。直流電源9は市販の直流電源を使用した。
下記に構造を示す液晶化合物3をネマチック液晶相で注入孔から注入して1kVの電圧を印加しながら吸着剤層5,6の間を通過させて精製を行い、排出孔から精製された液晶化合物3を得た。この際液晶化合物3の流れの任意の部分が吸着剤層5,6の間を通過する時間が30分となるようにポンプの流速を調整した。得られた精製液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ94.3%であった。
(液晶化合物3)
Figure 0005654189
[実施例2]
吸着剤層5,6に用いる吸着剤を酸化アルミニウムとした以外は全て実施例1と同様にして液晶化合物3の精製を行った。精製された液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ93.8%であった。
[実施例3]
吸着剤層5,6に用いる吸着剤を酸化マグネシウムとした以外は全て実施例1と同様にして液晶化合物3の精製を行った。精製された液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ93.9%であった。
[実施例4]
吸着剤層5,6に用いる吸着剤をケイ酸マグネシウムとした以外は全て実施例1と同様にして液晶化合物3の精製を行った。精製された液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ94.5%であった。
[実施例5]
吸着剤層5,6に用いる吸着剤を酸化チタンとした以外は全て実施例1と同様にして液晶化合物3の精製を行った。精製された液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ93.6%であった。
[実施例6]
基板1,2をガラス、電極3,4をITO膜とした以外は全て実施例1と同様にして液晶化合物3の精製を行った。精製された液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ94.1%であった。
[実施例7]
スペーサー7,8を調整することによって電極3,4間の距離を2mmとした以外は全て実施例1と同様にして液晶化合物3の精製を行った。精製された液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ93.2%であった。
[実施例8]
実施例1と同様にして下記に構造を示す液晶化合物4を精製した。精製された液晶化合物4を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ95.2%であった。
(液晶化合物4)
Figure 0005654189
[実施例9]
実施例1と同様にしてベース液晶組成物を精製した。精製されたベース液晶組成物を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ97.7%であった。
[実施例10]
実施例1と同様にしてベース液晶組成物の80質量部と液晶化合物3の20質量部を混合した組成物を精製した。精製された液晶組成物の電圧保持率を測定したところ95.0%であった。
[実施例11]
実施例1と同様にして下記の液晶組成物Aを精製した。精製前の電圧保持率は96.0%であったが、精製後の電圧保持率は98.5%まで精製された。また、液晶組成物Aのネマチック相−等方相転移温度(Tni):81℃、複屈折(Δn):0.097、比誘電率異方性(Δε):6は精製前後で変化は無かった。
(液晶組成物A)
下記の組成表に記載の%は、質量%を示す。
Figure 0005654189
[比較例1]
吸着剤層5,6を設けなかったこと以外は全て実施例1と同様にして液晶化合物3の精製を行った。精製された液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ88.7%であった。
[比較例2]
吸着剤層5,6を設けなかったこと以外は全て実施例6と同様にして液晶化合物3の精製を行った。精製された液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ89.1%であった。
[比較例3]
比較例1と同様にして液晶化合物4の精製を行った。精製された液晶化合物4を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ90.7%であった。
[比較例4]
吸着剤層5,6を市販のポリイミド配向膜(JSR(株)製 AL-1051)とした以外は全て実施例1と同様にして液晶化合物3の精製を行った。精製された液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ89.6%であった。
[比較例5]
本発明の実施例、比較例に挙げた精製を行わず、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製した液晶化合物3を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ84.8%であった。
[比較例6]
本発明の実施例、比較例に挙げた精製を行わず、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製した液晶化合物4を所定の割合でベース液晶組成物と混合して電圧保持率を測定したところ87.9%であった。
以上の実施例と比較例から本発明による液晶材料精製装置で液晶化合物または液晶組成物の精製を行うと電圧保持率を著しく高められることが確認できる。また、吸着剤層5,6がない場合及びこれがポリイミド膜からなる場合は、電圧印加する精製により電圧保持率の向上は認められるものの本発明による液晶精製装置を用いた場合ほど効果が顕著ではない。これは電極に引きつけられたイオンの液晶材料中への拡散を防止することができないためである。
発明の効果
本発明の精製装置により、液晶材料中のイオン性不純物を極めて少なくすることができ、電圧保持率を向上させることができる。このためアクティブ駆動方式等のディスプレイにおける画像品位を向上させることができる。
本発明の実施例及び比較例によって精製された液晶化合物を注入したテストセルをアクティブ駆動させたときの電圧波形の一例を示す概略説明図である。 本発明の一実施例を示す概略説明図である。
・・・ソース電圧
・・・ゲート電圧
・・・両電極間にかかる電圧
1,2・・・基板
3,4・・・電極
5,6・・・吸着剤
7,8・・・スペーサー
9・・・・・直流電源

Claims (5)

  1. 基板表面に形成され、かつスペーサーを介した電極間に液晶材料を注入できる電極セル構造を有し、更に吸着剤を電極表面に有し、当該電極間に働く印加電圧を前記電極間の距離で除した電界強度が0.02kV/cm以上100kV/cm以下となる電場の作用によって、前記電極間にある液晶材料中に存在するイオン源となりうる不純物をイオンに解離させ、生成したイオンと元々電圧印加前から存在していたイオンの両方を前記液晶材料中で電気泳動させ、これらのイオンを吸着剤によって捕集することにより、前記電極間にある液晶材料を精製する液晶材料精製装置であって、
    吸着剤がシリカゲル、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化チタンの中から選ばれた一種類、又はこれら二種類以上の組み合わせからなることを特徴とする液晶材料精製装置。
  2. 電極が平行に配置された平面構造を有する請求項記載の液晶材料精製装置。
  3. 更に、前記電極間に注入された液晶材料の排出孔を有する請求項1又は2記載の液晶材料精製装置。
  4. 請求項1から記載の液晶材料精製装置を使用することを特徴とする液晶材料精製方法。
  5. 基板表面に形成され、かつスペーサーを介した電極間に液晶材料を注入し、当該液晶材料に電圧を前記電極間の距離で除した電界強度が0.02kV/cm以上100kV/cm以下となるよう印加し、当該液晶材料中に存在するイオン源となりうる不純物を電界の力で正負のイオンに解離させ、生成したイオンと元々電圧印加前から存在していたイオンの両方を電界の力により前記液晶材料中で泳動させ、吸着剤によって捕集する請求項記載の液晶材料精製方法。
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