JP5653680B2 - 表面処理されたポリビニルアルコール系重合体フィルム - Google Patents

表面処理されたポリビニルアルコール系重合体フィルム Download PDF

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本発明はポリビニルアルコール系重合体を用いたフィルムに関する。更に詳しくは、高い柔軟性および透明性を維持するとともに、滑り性に優れていてブロッキング現象が起こりにくく、ヒートシール性にも優れたフィルムに関する。
ポリビニルアルコール(以下、「ポリビニルアルコール」を「PVA」と略記することがある)系重合体フィルムは透明性および表面光沢が良好で、優れた強靭性を示すため、各種包装材料として広く使用されている。しかしながら、PVA系重合体フィルムは滑り性に乏しいため、フィルム同志が密着し、いわゆるブロッキング現象を起こし易く、特に自動包装機、自動製袋機に供して高速で運転する場合、ロール状に巻き取ったフィルムを解き出すのが難しく、またフィルムが装置に付着して作業性が悪化し、場合によってはフィルムが破断して作業が中断することもあった。
合成樹脂フィルムのブロッキングを防止するための一般的な方法として、合成樹脂フィルムの表面に疎水性の有機高分子を含む有機溶剤溶液を塗布して当該有機高分子の塗布層を形成する方法が知られている。しかしながら、PVA系重合体フィルムに当該方法を適用しても疎水性の有機高分子はPVA系重合体フィルムとの接着力に乏しいため、疎水性の有機高分子自体のヒートシール性がたとえ優れたものであったとしても、処理フィルムをヒートシールする際に塗布層とPVA系重合体フィルム層との界面で剥離しやすく、結果的に接合力を向上させることが困難であった。また、上記方法により有機高分子の塗布層を形成した場合には、臭化カルシウム、硝酸マグネシウム等のPVA系重合体フィルムの接着に通常用いられている周知の接着剤によって処理フィルムの接着を行う際に、接着性が著しく低下してその用途が制限される等の難点があった。そのため、疎水性の有機高分子の塗布層を形成する上記方法はPVA系重合体フィルムのブロッキング防止方法としては、実用的なものではなかった。
そこで、このような欠点を改良するため、PVAフィルムの表面に緊張下に疎水性合成樹脂のエマルジョンを特定の塗布量で塗布し乾燥することによりPVAフィルムのブロッキングを防止する方法(特許文献1参照)、スチレン系樹脂エマルジョンおよび/またはメタクリル系樹脂エマルジョン、PVA系樹脂水溶液、シリコーン系撥水剤の水溶液またはエマルジョン、ならびに平均粒子径5〜1000mμの微粒子体の水分散物からなる表面処理液をPVA系フィルムの表面処理に用いることによりブロッキングを防止する方法(特許文献2参照)、メタクリル酸メチル、スチレンおよび特定の官能基を有するビニルモノマーの共重合体である平均粒径0.02〜1μmの共重合体粒子を特定量塗布することにより耐ブロッキング性を改良する方法(特許文献3参照)などが提案されている。
特開昭49−100186号公報 特開昭57−92031号公報 特開平3−121841号公報
しかしながら、高い柔軟性および透明性を維持するとともに、滑り性に優れていてブロッキング現象が起こりにくく、ヒートシール性にも優れたPVA系重合体を用いたフィルムを得るためには更なる改良の余地があった。
そこで本発明は、PVA系重合体を用いたフィルムであって、高い柔軟性および透明性を維持するとともに、滑り性に優れていてブロッキング現象が起こりにくく、ヒートシール性にも優れたフィルムおよび当該フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、PVA系重合体フィルムの表面に微小粒子を配することで凹凸を形成して表面処理されたフィルムを得るにあたり、微小粒子を含む塗工液をグラビアコート法を採用して塗布することによって表面処理されたフィルムのフィルム表面の算術平均粗さ(Ra)を80〜300nmの範囲内にすると、フィルムの柔軟性および透明性を損なうことなく、滑り性およびヒートシール性を向上させることができることを見出し、当該知見に基いてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]PVA系重合体フィルムの表面に微小粒子を配してなるフィルムであって、フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が80〜300nmであり、ヤング率が150MPa以下であり、前記微小粒子の平均粒径が0.02〜0.5μmであるフィルム、
[2]PVA系重合体フィルムの表面に微小粒子を配してなるフィルムであって、フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が80〜300nmであり、ヤング率が150MPa以下であり、前記微小粒子がバインダーにより前記PVA系重合体フィルムの表面に固定されているフィルム、
[3]前記バインダーがPVA系重合体である、上記[2]のフィルム、
]前記微小粒子の平均粒径が0.02〜0.5μmである、上記[または[3]のフィルム、
]前記微小粒子が(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルとの共重合体から形成される、上記[1]]のいずれか1つのフィルム
6]ヘーズ値が0〜5%である、上記[1]〜[5]のいずれか1つのフィルム、
[7]PVA系重合体フィルムの表面に微小粒子を含む塗工液をグラビアコート法により塗布する工程を含む、フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が80〜300nmであるフィルムの製造方法、
[8]前記微小粒子の平均粒径が0.02〜0.5μmである、上記[7]の製造方法、
[9]前記微小粒子が(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルとの共重合体から形成される、上記[7]または[8]の製造方法、
[10]グラビア版面のセルの深度が5〜18μmである、上記[7]〜[9]のいずれか1つの製造方法、
[11]前記塗工液が前記微小粒子とバインダーとを含む、上記[7]〜[10]のいずれか1つの製造方法、
[12]前記バインダーがPVA系重合体である、上記[11]の製造方法、
に関する。
本発明によれば、PVA系重合体を用いたフィルムであって、高い柔軟性および透明性を維持するとともに、滑り性に優れていてブロッキング現象が起こりにくく、ヒートシール性にも優れたフィルムが得られる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のフィルムはPVA系重合体フィルムの表面に微小粒子を配してなる。そして、当該フィルムのフィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が80〜300nmの範囲にあり、ヤング率が150MPa以下である。
本発明において使用されるPVA系重合体フィルムを構成するPVA系重合体としては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステルの1種または2種以上を重合して得られるポリビニルエステル系重合体をけん化することにより得られるものを使用することができる。上記のビニルエステルの中でも、PVA系重合体の製造の容易性、入手容易性、コスト等の点から、酢酸ビニルが好ましい。
上記のポリビニルエステル系重合体は、単量体として1種または2種以上のビニルエステルのみを用いて得られたものが好ましく、単量体として1種のビニルエステルのみを用いて得られたものがより好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、1種または2種以上のビニルエステルと、これと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
上記のビニルエステルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数2〜30のα−オレフィン;(メタ)アクリル酸またはその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N−メチロール(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体等の(メタ)アクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等のN−ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル;不飽和スルホン酸等を挙げることができる。上記のポリビニルエステル系重合体は、前記した他の単量体の1種または2種以上に由来する構造単位を有することができる。
上記のポリビニルエステル系重合体に占める上記他の単量体に由来する構造単位の割合は、ポリビニルエステル系重合体を構成する全構造単位のモル数に基づいて、15モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、5モル%以下であることがさらに好ましい。
PVA系重合体フィルムを構成するPVA系重合体としては、グラフト共重合がされていないものを好ましく用いることができるが、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、PVA系重合体は1種または2種以上のグラフト共重合可能な単量体によって変性されたものであってもよい。当該グラフト共重合は、ポリビニルエステル系重合体およびそれをけん化することにより得られるPVA系重合体のうちの少なくとも一方に対して行うことができる。上記グラフト共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸またはその誘導体;不飽和スルホン酸またはその誘導体;炭素数2〜30のα−オレフィンなどが挙げられる。ポリビニルエステル系重合体またはPVA系重合体におけるグラフト共重合可能な単量体に由来する構造単位の割合は、ポリビニルエステル系重合体またはPVA系重合体を構成する全構造単位のモル数に基づいて、5モル%以下であることが好ましい。
PVA系重合体フィルムを構成するPVA系重合体としては架橋されていないものを好ましく用いることができるが、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、PVA系重合体はその水酸基の一部が架橋されていてもよい。
PVA系重合体フィルムを構成するPVA系重合体の重合度は、200〜6000の範囲内であることが好ましく、500〜4000の範囲内であることがより好ましい。重合度が200以上であることにより、PVA系重合体フィルムを安定して製造するのが容易となり、また十分なフィルム強度が得られる。一方、重合度が6000を超えると、PVA系重合体フィルムの製膜時の工程通過性の不良などが起こり易くなる傾向がある。なお、本明細書でいうPVA系重合体の重合度は、JIS K6726−1994の記載に準じて測定した平均重合度を意味する。
また、PVA系重合体フィルムを構成するPVA系重合体のけん化度は80〜100モル%の範囲内であることが好ましい。けん化度が80モル%以上であることにより、PVA系重合体フィルムひいてはそれを用いた本発明のフィルムの強度を向上させることができる。なお、本明細書におけるPVA系重合体のけん化度とは、PVA系重合体が有する、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。けん化度はJIS K6726−1994の記載に準じて測定することができる。
PVA系重合体フィルムには所望により可塑剤を含有させてもよい。該可塑剤としては、多価アルコールが好ましく用いられ、具体例としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。PVA系重合体フィルムは、これらの可塑剤の1種または2種以上を含有することができる。これらのうちでも、可塑化効果、PVA系重合体との相溶性、沸点の高さなどの点からグリセリンが好ましい。
PVA系重合体フィルムにおける可塑剤の含有量に特に制限はないが、PVA系重合体100質量部に対して50質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。可塑剤の含有量がPVA系重合体100質量部に対して50質量部を超えると、PVA系重合体フィルムが柔軟になりすぎてその製膜性に問題が生じ易くなる傾向がある。
PVA系重合体フィルムを後述するPVA系重合体フィルムを製造するための原液を用いて製造する場合には、製膜性が向上してフィルムの厚み斑の発生が抑制されると共に、製膜に金属ロールやベルトを使用した際、これらの金属ロールやベルトからのPVA系重合体フィルムの剥離が容易になることから、当該原液中に界面活性剤を配合することが好ましい。界面活性剤が配合された原液からPVA系重合体フィルムを製造した場合には、当該PVA系重合体フィルム中には界面活性剤が含有され得る。PVA系重合体フィルムを製造するための原液に配合される界面活性剤、ひいてはPVA系重合体フィルム中に含有される界面活性剤の種類は特に限定されないが、金属ロールやベルトなどからの剥離性の観点から、アニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤が好ましく、ノニオン性界面活性剤がより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウム等のカルボン酸型;オクチルサルフェート等の硫酸エステル型;ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型などが好適である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型;ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型;オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型などが好適である。
これらの界面活性剤は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
PVA系重合体フィルムを製造するための原液中に界面活性剤を配合する場合、原液中における界面活性剤の含有量、ひいてはPVA系重合体フィルム中における界面活性剤の含有量は、原液またはPVA系重合体フィルム中に含まれるPVA系重合体100質量部に対して0.01〜0.5質量部の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.3質量部の範囲内であることがより好ましく、0.05〜0.1質量部の範囲内であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有量がPVA系重合体100質量部に対して0.01質量部以上であることにより、製膜性および剥離性を向上させることができる。一方、界面活性剤の含有量がPVA系重合体100質量部に対して0.5質量部以下であることにより、PVA系重合体フィルムの表面に界面活性剤がブリードアウトしてブロッキングが生じて取り扱い性が低下するのを抑制することができる。
PVA系重合体フィルムは、PVA系重合体のみからなっていても、あるいはPVA系重合体と上記した可塑剤および/または界面活性剤のみからなっていてもよいが、必要に応じて、酸化防止剤、凍結防止剤、pH調整剤、隠蔽剤、着色防止剤、油剤など、上記したPVA系重合体、可塑剤および界面活性剤以外の他の成分を含有していてもよい。
PVA系重合体フィルムにおけるPVA系重合体、可塑剤および界面活性剤の合計の占める割合としては、50〜100質量%の範囲内であることが好ましく、80〜100質量%の範囲内であることがより好ましい。
PVA系重合体フィルムの厚みは特に制限されないが、5〜100μmの範囲内のものが好適に用いられる。PVA系重合体フィルムの厚みは任意の5箇所の厚みを測定し、それらの平均値として求めることができる。
また、PVA系重合体フィルムの形状に特に制限はなく、四角形(例えば、長方形、正方形等)、円形、三角形などの形状を有する単層フィルムの他、単層フィルムを積層しその一部を接着して袋状または筒状にしたものなどが挙げられ、本発明のフィルムの用途や、微小粒子を配する際の工程通過性などに応じて適宜設定することができるが、微小粒子を連続的に配するのが容易になり、保管や輸送も容易になることから、長尺のPVA系重合体フィルムがロール状に巻かれた形状であることが好ましい。上記長尺のPVA系重合体フィルムの幅は、10〜200cmの範囲内であることが好ましく、50〜150cmの範囲内であることがより好ましい。また、上記長尺のPVA系重合体フィルムの長さは5〜5000mの範囲内であることが好ましい。
本発明において使用されるPVA系重合体フィルムの製造方法は特に限定されず、例えば、PVA系重合体フィルムを構成する上記したPVA系重合体、および、必要に応じてさらに可塑剤、界面活性剤等の成分が溶剤中に溶解した原液や、PVA系重合体、溶剤および必要に応じて可塑剤、界面活性剤等の成分を含みPVA系重合体が溶融した原液を用いて製造することができる。
原液の調製に使用される上記溶剤としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。そのうちでも、環境に与える負荷や回収性の点から水が好ましい。
製膜に用いられる原液の揮発分率(製膜時に揮発や蒸発によって除去される溶媒などの揮発性成分の、原液中における含有割合)は、製膜方法、製膜条件などによって異なるが、50〜95質量%の範囲内であることが好ましく、55〜90質量%の範囲内であることがより好ましい。原液の揮発分率が50質量%以上であることにより、製膜原液の粘度が高くなり過ぎず、原液調製時の濾過や脱泡が円滑に行われ、異物や欠点の少ないPVA系重合体フィルムの製造が容易になる。一方、原液の揮発分率が95質量%以下であることにより、製膜原液の濃度が低くなり過ぎず、工業的なPVA系重合体フィルムの製造が容易になる。
上記した原液を用いてPVA系重合体フィルムを製膜する際の製膜方法としては、例えば、湿式製膜法、ゲル製膜法、流延製膜法、押出製膜法などが挙げられる。これらの製膜方法は、1種のみを採用しても2種以上を組み合わせて採用してもよい。これらの製膜法の中でも流延製膜法または押出製膜法が、膜の厚みおよび幅が均一で物性の良好なPVA系重合体フィルムが得られることから好ましい。PVA系重合体フィルムには、必要に応じて乾燥処理や熱処理を行うことができる。
PVA系重合体フィルムを製膜する具体的な方法としては、例えば、T型スリットダイ、ホッパープレート、I−ダイ、リップコーターダイ等を用いて、製膜用の原液を最上流側に位置する回転する加熱した第1ロール(あるいはベルト)の周面上に均一に吐出または流延し、この第1ロール(あるいはベルト)の周面上に吐出または流延された膜の一方の面から揮発性成分を蒸発させて乾燥し、続いて吐出または流延された膜の他方の面を回転する加熱した第2ロール(あるいは乾燥ロール)の周面上を通過させて乾燥し、その下流側に配置した1個または複数個の回転する加熱したロールの周面上でさらに乾燥するか、または熱風乾燥装置の中を通過させてさらに乾燥した後、巻き取り装置に巻き取る方法を工業的に好ましく採用することができる。加熱したロールによる乾燥と熱風乾燥装置による乾燥とは、適宜組み合わせて実施してもよい。
PVA系重合体フィルムを適切な状態に調整するためには、熱処理装置;調湿装置;各ロールを駆動するためのモータ;変速機等の速度調整機構などが付設されることが好ましい。
PVA系重合体フィルムの製造工程での乾燥処理における乾燥温度は、50〜150℃の範囲内であることが好ましく、60〜140℃の範囲内であることがより好ましい。
本発明において使用される微小粒子としては、例えば、酸化珪素(コロイダルシリカ等)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、二酸化チタン、タルク、カオリン、クレー、ベントナイト等の無機物から形成される粒子;ポリエチレンワックス、ポリ四フッ化エチレン、メラミン−グアナミン共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と芳香族ビニルとの共重合体(アクリル酸/スチレン共重合体等)、(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルとの共重合体、シリコーン樹脂等の有機物から形成される粒子などが挙げられる。
上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜8のアルコールとのエステルなどが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。
また、上記の芳香族ビニルとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
微小粒子は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。上記の微小粒子の中でも、透明性により優れるフィルムが得られることから、有機物から形成される粒子が好ましく、耐ブロッキング性により優れるフィルムが得られるとともに、低価格で入手性にも優れることから、(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルとの共重合体から形成される粒子がより好ましく、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体から形成される粒子がさらに好ましい。
微小粒子の平均粒径は、得られるフィルムのフィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が本発明において規定される範囲になる限り特に制限されないが、0.02〜0.5μmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.2μmの範囲内であることがより好ましい。平均粒径が0.02μm以上であることにより得られるフィルムの滑り性をより向上させることができ、ブロッキング現象を効果的に抑制することができる。一方、平均粒径が0.5μm以下であることにより得られるフィルムの透明性をより向上させることができる。
なお、微小粒子の平均粒径は、それを配してなる本発明のフィルムのフィルム表面を電子顕微鏡で観察し、その観察像上の任意の10個の微小粒子の粒径(観察像における最大長)を計測し、それを平均することにより求めることができる。
本発明のフィルムはPVA系重合体フィルムの表面に微小粒子を配してなる。ここで微小粒子の全てがPVA系重合体フィルムの表面と直接接触していても、微小粒子の一部または全てがPVA系重合体フィルムの表面と直接接触せずに後述するバインダーなどを介して配置されていてもよい。PVA系重合体フィルムの表面への微小粒子の配置は、微小粒子を単独で用いてこれをPVA系重合体フィルムの表面に吹き付けるなどして行うこともできるが、より均一に微小粒子を配することができることから、微小粒子を含む塗工液をPVA系重合体フィルムの表面に塗布し、必要に応じてさらに乾燥することにより行うのが好ましい。塗工液に使用される液状媒体としては、微小粒子の種類などにもよるが、例えば、水、メタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。
塗工液を用いて微小粒子を配する場合には、上記微小粒子が分散してなるエマルジョンをそのまま塗工液として使用するか、あるいは、当該エマルジョンに所望により上記液状媒体および/またはその他の成分(後述するバインダー等)などを添加したものを塗工液として使用することが好ましい。微小粒子が分散してなるエマルジョンを用いることにより、微小粒子の粒子径の安定性や経済性を向上させることができる。
また、塗工液を用いて微小粒子を配する場合に、塗工液はさらにバインダーを含むことが好ましい。微小粒子とバインダーを含む塗工液を用いることによって、微小粒子がバインダーによりPVA系重合体フィルムの表面に固定されているフィルムが得られ、摩擦などによる微小粒子の脱落を効果的に抑制することができる。
上記バインダーの素材に特に制限はないが、PVA系重合体フィルムとの接着力が強くて塗布層が脱落するのをより効果的に抑制することができることから、PVA系重合体が好ましい。バインダーとして使用されるPVA系重合体の種類に特に制限はなく、PVA系重合体フィルムを構成するPVA系重合体として上記したものを使用することができる。この場合、バインダーとして使用されるPVA系重合体は、PVA系重合体フィルムを構成するPVA系重合体と同じ種類のものであっても、異なる種類のものであってもよい。
バインダーとして使用されるPVA系重合体の重合度は50〜4000の範囲内であることが好ましく、100〜3500の範囲内であることがより好ましく、200〜3000の範囲内であることがさらに好ましい。当該重合度が50以上であることにより、本発明のフィルムをより安定して生産することができる。また、当該重合度が4000以下であることにより、塗工液の粘度が高くなりすぎるのを抑制することができ、塗布時の厚み斑を低減することができる。
また、バインダーとして使用されるPVA系重合体のけん化度は75〜100モル%の範囲内であることが好ましく、80〜100モル%の範囲内であることがより好ましい。当該けん化度が75モル%以上であることにより、PVA系重合体フィルムとの接着力をより向上させることができる。
上記のバインダーは塗工液中においては溶解していることが好ましく、塗工液に含まれる液状媒体の種類などを適宜変更するなどして、バインダーを容易に溶解させることができる。特に上記バインダーとしてPVA系重合体を用いる場合には、液状媒体として水を用いると、PVA系重合体を効率的に溶解させることができるとともに、回収を容易に行うことができ、環境への負荷を低減することもできることから好ましい。
塗工液がバインダーを含む場合、塗工液における微小粒子とバインダーとの含有割合は特に制限されないが、[微小粒子の質量]/[バインダーの質量]は20/1〜1/20の範囲内であることが好ましく、1/5〜2/1の範囲内であることがより好ましい。
塗工液を用いて微小粒子を配する場合、使用される塗工液の固形分濃度に特に制限はなく、所望とする塗布量などに応じて適宜設定することができるが、乾燥の容易さや塗布時の作業性を考慮すると、0.05〜5質量%の範囲内であることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲内であることがより好ましい。なお、塗工液の固形分濃度は、塗工液を乾燥した際の質量を塗工液を乾燥する前の質量で除すことにより求めることができる。
前記塗工液をPVA系重合体フィルムの表面に塗布する方法としては、例えば、ロールコーター法、エアドクター法、ブレードコーター法、スプレー法、ディップ法などが挙げられるが、本発明においては、ロールコーター法、中でもグラビアコート法を採用することが好ましい。グラビアコート法を採用することにより、柔軟性により優れたフィルムを容易に製造することができる。
グラビアコート法の具体的な操作方法は特に制限されず、公知のグラビアコート法を採用することができる。例えば、塗工液を保持するための凹状のセルが周面(グラビア版面)に複数形成されたグラビアロールを、その周面の下部が容器中の塗工液に浸かるように配置するとともに、グラビアロールの周面の上部でPVA系重合体フィルムと接触させることにより、PVA系重合体フィルムの表面に塗工液を塗布する方法を採用することができる。また、グラビアロールの周面の下部が容器中の塗工液に浸かるように配置せずに、塗工液がファニッシャーロールを介してグラビアロールの周面に供給されてもよい。グラビアロールがPVA系重合体フィルムと接触する部分においては、PVA系重合体フィルムに対してグラビアロールと反対側に圧胴を配置することが好ましい。
本発明のフィルムが得られる限り使用されるグラビアロールの種類に特に制限はないが、フィルムの各位置における算術平均粗さ(Ra)のバラツキの少ないフィルムが容易に得られることから、サイズおよび形状が同じセルが周面に均一に配置されたグラビアロールを用いることが好ましい。
使用されるグラビアロールのグラビア版面のセルの深度は5〜18μmの範囲内であることが好ましく、8〜15μmの範囲内であることがより好ましい。グラビア版面のセルの深度が5μm以上であることにより、本発明のフィルムのフィルム表面の算術平均粗さ(Ra)を容易に80nm以上にすることができる。一方、グラビア版面のセルの深度が18μm以下であることにより、PVA系重合体フィルムの表面への塗工液の塗布量が多くなりすぎてフィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が高くなりすぎるのを抑制することができ、得られるフィルムの透明性やヒートシール性をより向上させることができる。
塗工液を塗布した後に、必要に応じてさらに乾燥することが好ましい。乾燥時の温度としては、例えば、70〜110℃の範囲内とすることができる。また、乾燥時間としては、1〜30秒を採用することができる。なお、乾燥は常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。
微小粒子は、PVA系重合体フィルムの一方の面にのみ配しても、両方の面に配してもよいが、積層されるフィルムの向きによらず滑り性を十分に向上させることができて耐ブロッキング性により優れるフィルムが得られることから、両方の面に配することが好ましい。
本発明のフィルムにおいて、PVA系重合体フィルムの表面に配された微小粒子の量は、透明性が向上するとともに、滑り性ひいては耐ブロッキング性にもより優れるフィルムが得られることから、PVA系重合体フィルムの片面当り、0.005〜0.2g/mの範囲内であることが好ましく、0.01〜0.1g/mの範囲内であることがより好ましい。
本発明のフィルムのフィルム表面の算術平均粗さ(Ra)は、フィルムの柔軟性および透明性を損なうことなく、滑り性およびヒートシール性を向上させることができることから、80〜300nmの範囲内であり、90〜250nmの範囲内であることが好ましく、100〜200nmの範囲内であることがより好ましい。フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が80nm未満であるとフィルムの滑り性が低下して耐ブロッキング性が悪化する。一方、フィルム表面の算術平均粗さが300nmを超えるとフィルムの透明性が低下する。なお、本発明のフィルムは、微小粒子が配された一方の面における算術平均粗さ(Ra)が少なくとも上記範囲内であればよく、微小粒子がPVA系重合体フィルムの両面に配され、かつ各面における算術平均粗さ(Ra)がともに上記範囲にあることが好ましい。
上記の算術平均粗さ(Ra)は、フィルム表面の任意の5箇所において測定された個々の算術平均粗さ(Ra)の平均値として求めることができ、具体的には、実施例の項目において後述する方法により求めることができる。ここで、個々の算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601:2001に準じて測定することができる。
本発明のフィルムのヤング率は150MPa以下であることが好ましく、135MPa以下であることがより好ましく、125MPa以下であることがさらに好ましい。ヤング率が150MPa以下であるフィルムは十分な柔軟性を有する。ヤング率の下限に特に制限はないが、十分な強度を有するフィルムとなることから、ヤング率は80MPa以上であることが好ましい。なお、フィルムのヤング率は実施例の項目において後述する方法により測定することができる。上記のヤング率を有するフィルムは、PVA系重合体フィルムの表面に微小粒子を含む塗工液を塗布する際に、グラビアコート法を採用することにより容易に得ることができる。
また、本発明によれば、高い透明性を維持するフィルムが得られる。本発明のフィルムの透明性の程度はヘーズ値により評価することができ、具体的にはフィルムのヘーズ値が0〜5%の範囲内であることが好ましく、0〜3%の範囲内であることがより好ましい。ヘーズ値が5%以下であるフィルムは、包装材料として用いる場合などにおいて、好ましい透明性を有する。なお、フィルムのヘーズ値は実施例の項目において後述する方法により測定することができる。
本発明のフィルムの用途に特に制限はないが、高い柔軟性、透明性およびヒートシール性などの性質を活かして、包装材料用途において好ましく使用することができる。
以下に本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例などにより何ら限定されるものではない。なお、フィルムの算術平均粗さ(Ra)、ヤング率、ヘーズ値、ヒートシール強度および滑り性の各測定または評価方法は、下記の方法に従った。
(1)フィルムの算術平均粗さ(Ra)の測定方法
フィルムの算術平均粗さ(Ra)はZygo社製の白色干渉顕微鏡「New View 6300」を用いて以下のように測定した。
以下の実施例または比較例で得られたフィルムの一方の面における任意の5箇所を倍率20倍で観察し、各観察像の任意の位置において、グラビアロールにより塗工液を塗布する際の流れ方向(MD;なお比較例1では塗工液に浸漬する際の流れ方向)250μmの部分における算術平均粗さ(Ra)を測定した。5箇所での測定値の平均値を当該フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)とした。
(2)フィルムのヤング率の測定方法
フィルムのヤング率は株式会社島津製作所製の引張試験機「AG−IS」を用いて以下のように測定した。
以下の実施例または比較例で得られたフィルムを20℃、65%RHの条件下に24時間放置して調湿した後、グラビアロールにより塗工液を塗布する際の流れ方向(MD;なお比較例1では塗工液に浸漬する際の流れ方向)×幅方向(TD)=200mm×15mmの大きさに切り取り、試験機にチャック間隔100mmで取り付け、20℃、65%RHの条件下に引張速度1000mm/分で引張試験を行い、得られた初期応力と初期歪みの比からヤング率を算出した。
(3)フィルムのヘーズ値の測定方法
フィルムのヘーズ値はスガ試験機株式会社製のヘーズメーター「HZ−1」を用いて、JIS K7105−1981の記載に準じて測定した。
(4)フィルムのヒートシール強度の測定方法
以下の実施例または比較例で得られたフィルムを2枚重ね合わせて、その一部を380℃に加熱してヒートシールした後、その部分と直角の方向に幅15mm、長さ200mmの大きさ(ヒートシール部分は幅15mm、長さ約100mm)に切り取り、5℃、40%RHの条件下に24時間放置して調湿した後、 上記(2)に記載の引張試験機にチャック間隔100mmで取り付け、5℃、40%RHの条件下に引張速度1000mm/分で引張試験を行い、ヒートシール界面で剥離する際の引張強度をヒートシール強度とした。
(5)フィルムの滑り性の評価方法
フィルムの滑り性は株式会社東洋精機製作所製の摩擦測定機「AN」を用いて以下のように評価した。
測定機の本体傾斜板およびおもり(本体傾斜板に対向する面が幅60mm、長さ100mmの長方形で、質量が1000gのおもり)にそれぞれ試験片を密着させ、傾斜角度を0°にあわせた傾斜板の試験片に、試験片が向き合うようにおもりを置いた。その後、傾斜板の角度を徐々に大きくし、おもりが滑って落下する角度(落下角度)を計測した。同様の試験を10回行い、得られた10個の測定結果の平均値をPVA系フィルムの滑り性として評価した。落下角度が小さいほど滑り性が大きいことを示す。
[実施例1]
重合度2400、けん化度99.2モル%のPVA(酢酸ビニルの単独重合体のけん化物)を1.5質量%含むPVA水溶液に、平均粒径が0.1μmであるメタクリル酸メチル/スチレン共重合体(メタクリル酸メチル単位/スチレン単位(モル比)=50/50)のエマルジョン(メタクリル酸メチル/スチレン共重合体の粒子が水に30質量%の濃度で分散したもの)を[PVA]/[メタクリル酸メチル/スチレン共重合体](質量比)=3/1となるように添加して塗工液とした。
一方、重合度1700、けん化度99.9モル%のPVA(酢酸ビニルの単独重合体のけん化物)100質量部と可塑剤としてグリセリン12質量部を含む、PVA濃度10質量%の水溶液を金属ロール上で乾燥して、幅90cm、長さ1000m、厚み50μmの長尺のPVAフィルム(ロール状に巻いたもの)を得た。
上記の塗工液を上記の長尺のPVAフィルムの一方の面に、セルの深度が14μmであるグラビアロールを用いてメタクリル酸メチル/スチレン共重合体が0.020g/mの割合となるように塗布し、次いで、他方の面にも同様に上記塗工液を塗布し、さらに80℃で2秒間熱風乾燥して、PVAフィルムの両方の面に微小粒子が配されたフィルムを得た。なお、塗工液の塗布は、長尺のPVAフィルムの製膜時の流れ方向(長尺のPVAフィルムの長さ方向)に沿って連続的に行った。得られたフィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
[実施例2]
塗工液の製造に用いるPVA水溶液中のPVAの濃度を、1.5質量%から1.2質量%に変更し([PVA]/[メタクリル酸メチル/スチレン共重合体](質量比)=3/1のまま維持)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体の量を、0.020g/mから0.016g/mに変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
[実施例3]
塗工液の製造に用いるPVA水溶液中のPVAの濃度を、1.5質量%から2.5質量%に変更し([PVA]/[メタクリル酸メチル/スチレン共重合体](質量比)=3/1のまま維持)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体の量を、0.020g/mから0.033g/mに変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
[実施例4]
平均粒径が0.1μmであるメタクリル酸メチル/スチレン共重合体のエマルジョンの代わりに、平均粒径が0.2μmであるメタクリル酸メチル/スチレン共重合体(メタクリル酸メチル単位/スチレン単位(モル比)=50/50)のエマルジョン(メタクリル酸メチル/スチレン共重合体の粒子が水に30質量%の濃度で分散したもの)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
[実施例5]
セルの深度が14μmであるグラビアロールの代わりに、セルの深度が17μmであるグラビアロールを用い、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体の量を、0.020g/mから0.024g/mに変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1で使用した塗工液を実施例1で使用したPVAフィルムの両面に、ディップ法によりメタクリル酸メチル/スチレン共重合体が片面当り0.020g/mの割合となるように塗布し、100℃で30秒間熱風乾燥して、PVAフィルムの両方の面に微小粒子が配されたフィルムを得た。なお、塗工液の塗布は、長尺のPVAフィルムの製膜時の流れ方向(長尺のPVAフィルムの長さ方向)に沿ってPVAフィルムを塗工液に浸漬することにより連続的に行った。得られたフィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
[比較例2]
セルの深度が14μmであるグラビアロールの代わりに、セルの深度が20μmであるグラビアロールを用い、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体の量を、0.020g/mから0.029g/mに変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
[比較例3]
平均粒径が0.1μmであるメタクリル酸メチル/スチレン共重合体のエマルジョンの代わりに、平均粒径が1.0μmであるメタクリル酸メチル/スチレン共重合体(メタクリル酸メチル単位/スチレン単位(モル比)=50/50)のエマルジョン(メタクリル酸メチル/スチレン共重合体の粒子が水に30質量%の濃度で分散したもの)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
[比較例4]
平均粒径が0.1μmであるメタクリル酸メチル/スチレン共重合体のエマルジョンの代わりに、平均粒径が0.01μmであるメタクリル酸メチル/スチレン共重合体(メタクリル酸メチル単位/スチレン単位(モル比)=50/50)のエマルジョン(メタクリル酸メチル/スチレン共重合体の粒子が水に30質量%の濃度で分散したもの)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
[比較例5]
実施例1で使用したPVAフィルムを塗工液の塗布を行わずにそのまま用いた。当該フィルムの各種測定または評価結果を表1に示した。
Figure 0005653680
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5のフィルムは、柔軟性、透明性、ヒートシール性および滑り性のいずれにおいても優れていた。
本発明によれば、高い柔軟性および透明性を維持するとともに、滑り性に優れていてブロッキング現象が起こりにくく、ヒートシール性にも優れたフィルムが得られることから、当該フィルムは、包装材料用途において好ましく使用することができる。

Claims (12)

  1. ポリビニルアルコール系重合体フィルムの表面に微小粒子を配してなるフィルムであって、フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が80〜300nmであり、ヤング率が150MPa以下であり、前記微小粒子の平均粒径が0.02〜0.5μmであるフィルム。
  2. ポリビニルアルコール系重合体フィルムの表面に微小粒子を配してなるフィルムであって、フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が80〜300nmであり、ヤング率が150MPa以下であり、前記微小粒子がバインダーにより前記ポリビニルアルコール系重合体フィルムの表面に固定されているフィルム。
  3. 前記バインダーがポリビニルアルコール系重合体である、請求項2に記載のフィルム。
  4. 前記微小粒子の平均粒径が0.02〜0.5μmである、請求項2または3に記載のフィルム。
  5. 前記微小粒子が(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルとの共重合体から形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム
  6. ヘーズ値が0〜5%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルム。
  7. ポリビニルアルコール系重合体フィルムの表面に微小粒子を含む塗工液をグラビアコート法により塗布する工程を含む、フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が80〜300nmであるフィルムの製造方法。
  8. 前記微小粒子の平均粒径が0.02〜0.5μmである、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記微小粒子が(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルとの共重合体から形成される、請求項7または8に記載の製造方法。
  10. グラビア版面のセルの深度が5〜18μmである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記塗工液が前記微小粒子とバインダーとを含む、請求項7〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記バインダーがポリビニルアルコール系重合体である、請求項11に記載の製造方法。
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