JP5653549B1 - イオン徐放性歯科用レジン系仮封材組成物 - Google Patents

イオン徐放性歯科用レジン系仮封材組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5653549B1
JP5653549B1 JP2014113577A JP2014113577A JP5653549B1 JP 5653549 B1 JP5653549 B1 JP 5653549B1 JP 2014113577 A JP2014113577 A JP 2014113577A JP 2014113577 A JP2014113577 A JP 2014113577A JP 5653549 B1 JP5653549 B1 JP 5653549B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
weight
glass
acrylate
ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014113577A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015227308A (ja
Inventor
祐司 定金
祐司 定金
桂 石川
桂 石川
中塚 稔之
稔之 中塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shofu Inc
Original Assignee
Shofu Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shofu Inc filed Critical Shofu Inc
Priority to JP2014113577A priority Critical patent/JP5653549B1/ja
Priority to EP15150317.4A priority patent/EP2949310B1/en
Priority to EP15150487.5A priority patent/EP2949311B1/en
Priority to US14/593,241 priority patent/US9456964B2/en
Priority to US14/593,103 priority patent/US11648184B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5653549B1 publication Critical patent/JP5653549B1/ja
Publication of JP2015227308A publication Critical patent/JP2015227308A/ja
Priority to US16/059,446 priority patent/US11559471B2/en
Priority to US18/130,664 priority patent/US20230255857A1/en
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/70Preparations for dentistry comprising inorganic additives
    • A61K6/71Fillers
    • A61K6/77Glass
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/80Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
    • A61K6/884Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
    • A61K6/887Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • A61K6/889Polycarboxylate cements; Glass ionomer cements

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Plastic & Reconstructive Surgery (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Dental Preparations (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)

Abstract

【課題】窩洞壁と密着しながら窩洞内で一定期間仮封できる優れた封鎖性と除去時においては簡便に仮封材を除去できる優れた除去性を兼備し、フッ化物イオンを含む各種イオンを放出することにより窩洞内部の歯質の脱灰を抑制できるレジン系仮封材の提供。【解決手段】(a)非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマー、(b)充填材、(c)単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体、(d)親水性重合性単量体、(e)重合開始材、及び(f)可塑剤を含む重合可能な歯科用レジン系仮封材組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、歯科用レジン系仮封材組成物に関するものである。詳しくは、歯質との密着性と硬化物の除去性に優れ、フッ化物イオンを含む各種イオンの放出性を有する予防的機能を兼備した歯科用レジン系仮封材組成物に関する。
歯科用レジン系仮封材とは、歯科治療において歯牙に発症したう蝕を除去し窩洞形成後、一時的に窩洞を封鎖する目的で使用する暫間的な充填材料である。従来の歯科用レジン系仮封材は、光重合タイプと化学重合タイプの2種類に大別されるが、症例、部位及び適用期間等によって歯科医師が選択して臨床で使用しているのが現状である。コストや充填操作及び除去操作の容易性から化学重合タイプが広く用いられている。しかし、化学重合タイプのレジン系仮封材は封鎖性に欠点があり、実際の臨床においても、辺縁からのプラークの侵入によって歯質が脱灰されているケースも認められ、補綴物装着後の二次齲蝕や術後痛の発生が懸念されている。
特許文献1にはロジンまたはサンダラックを含有させることによって窩壁への密着性が向上し優れた封鎖性を有するレジン系仮封材が開示されている。しかし、レジン系仮封材にロジンまたはサンダラックを含有させるだけでは窩洞壁との密着性は改善できるものの、材料特性は逆に低下するために咀嚼による硬化物の変形が起こりやすくなる。その結果、辺縁部で間隙が発生するため、プラークが侵入しやすく歯質が脱灰しやすい状況となる。
特許文献2にはロジン系環式テルペン酸を配合することによって、除去性を改善した光重合タイプのレジン系仮封材が開示されている。しかし、光重合タイプのレジン系仮封材は硬化物が硬くなり過ぎるために、インスツルメントを用いた硬化物の除去が困難であるばかりでなく、除去時において硬化物周囲の窩洞壁歯質を破壊する等の危険性もあった。
特許第3418056 特開2010-215538
窩洞壁と密着しながら窩洞内で一定期間仮封できる優れた封鎖性と除去時においては簡便に仮封材を除去できる優れた除去性を兼備し、フッ化物イオンを含む各種イオンを放出することにより窩洞内部の歯質の脱灰を抑制できるレジン系仮封材が望まれていた。
本発明は、
(a)非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマー 44〜64重量%
(b)充填材 3〜21重量%
(c)単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体 4〜16重量%
(d)親水性重合性単量体 4〜13重量%
(e)重合開始材 0.1〜5重量%
(f)可塑剤 5〜25重量%
を含む重合可能な歯科用レジン系仮封材組成物である。

また前記歯科用レジン系仮封材組成物に含まれている(d)親水性重合性単量体が23℃における水に対する溶解度が5重量部以上であること特徴とする歯科用レジン系仮封材組成物である。

また前記歯科用レジン系仮封材組成物に含まれている(a)非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの50%平均粒子径が5〜150μmであることを特徴とする歯科用レジン系仮封材組成物である。

また前記歯科用レジン系仮封材組成物に含まれている(b)充填材の一部または全部が、イオン徐放性ガラスであることを特徴とする歯科用レジン系仮封材組成物である。

前記イオン徐放性ガラスがフッ化物イオンを徐放し、更に2〜4価のイオンのうち一種類以上のイオンを徐放することが好ましい。
前記イオン徐放性ガラスがフッ化物イオンを徐放し、更にストロンチウムイオン、アルミニウムイオン及びホウ酸イオンの内から一種類以上を徐放することが好ましい。
本発明の歯科用レジン系仮封材組成物は、充填材、親水性重合性単量体、及び可塑材を含有することによって、窩洞壁との密着性を向上させることができ、また硬化時における寸法変化も少ないことから窩洞内部での優れた封鎖性も発現させることができる。また、適度な柔軟性と硬さを兼備していることから口腔内の過酷な状況下においても材料変形を最小限に留めることができるため、窩洞内部での優れた保持性を有し、且つ硬化物の除去においては簡便に除去できる優れた除去性も有している。硬化物が柔軟性を有しているために、対合歯と接触する咀嚼時においても咬合圧を緩和して刺激を低減させることもできる。さらにイオン徐放性ガラスを含有する場合は窩洞壁である歯質に対してフッ化物イオンを含む各種イオンを放出するため、歯質の脱灰を抑制することができる等の予防的機能も発現することができる。
(a)非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーは単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体により膨潤するものである。(膨潤とは物質が溶媒を吸収して膨らむ現象であり、歯科分野においては(メタ)アクリレート系ポリマーを主成分とする粉材に単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体が吸収されることにより、砂状、モチ状、ゴム状といった増粘挙動を意味する。)非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーは(メタ)アクリレート系重合性単量体を単独に重合させたポリマーやそれら複数の(メタ)アクリレート系重合性単量体を共重合させたポリマー、さらに他の重合性単量体と共に共重合させたポリマー等が何等制限なく用いることができる。
非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーを好ましい具体例を示すと、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピル(メタ)アクリレート、ポリイソプロピル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等の単独重合ポリマーやメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の中から二種類以上組み合わせた共重合コポリマー等が挙げられる。これらの非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーは単独だけでなく、複数を組み合わせて用いることができる。
これらの非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの中でもポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、メチルメタクリレートとエチルメタクリレートの共重合コポリマーを用いることが好ましい。
これら非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの重合方法においても何等制限はなく、乳化重合、懸濁重合等のいずれの重合方法で製造されたものであっても何等問題はない。これらの非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの形状は粒子状であって、好ましくは球状、破砕状、中空状のいずれの形状であっても何等制限なく用いることができるが、更に好ましくは球状である。非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの平均粒子径(50%)は5〜150μmの範囲であれば何等制限なく用いることができるが、好ましくは10〜150μmの範囲、さらに好ましくは20〜140μmの範囲である。また、非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの重量平均分子量は5〜150万の範囲であれば何等制限なく用いることができるが、好ましくは10〜140万の範囲であり、さらに好ましくは20〜130万である。
非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの含有量は44〜64重量%の範囲であれば何等制限なく用いることができるが、好ましくは49〜64重量%である。
非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの含有量が44重量%未満の場合は単官能性(メタ)クリレート系重合性単量体や親水性重合性単量体が過剰となり浸透・膨潤が均一に起こらず硬化物の柔軟性が低下して、除去時に硬くなりすぎる等の問題がある。一方、64重量%を越える場合は、非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーが過剰となり、硬化が均一に起こらないため、除去時に一括で除去することができない等の問題がある。
(b)充填材は特に限定されず、単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体に対して膨潤しないものであれば有機成分、無機成分及びそれらの混合物または複合物でも何等制限なく使用することができる。膨潤とは物質が溶媒を吸収して膨らむ現象であり、歯科分野においては(メタ)アクリレート系ポリマーを主成分とする粉材に単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体が吸収されることにより、砂状、モチ状、ゴム状といった増粘挙動を意味する。
充填材を具体的に例示すると水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム等の炭酸塩、酸化アルミニウム等の金属酸化物、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム等の金属フッ化物、タルク、カオリン、クレー、雲母、ヒドロキシアパタイト、シリカ、石英、種々のガラス類(ナトリウム、ストロンチウム、バリウム、ランタン等の重金属および/またはフッ素を含むフルオロアルミノシリケート、ボロシリケート、アルミノボレート、フルオロアルミノボロシリケート等のガラス類)等の無機系充填材、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、スチレンーブタジエンゴム等のエラストマー類、単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体と2個以上の官能基を有する重合性単量体を共重合させた架橋性(メタ)アクリレート系ポリマー等の有機系充填材、無機充填材の表面を重合性単量体により重合被覆したもの、無機充填材と重合単量体を混合・重合させた後、適当な粒子径に粉砕したもの、あるいは、予め重合性単量体中に充填材を分散させて乳化重合または懸濁重合させたもの等の有機‐無機複合系充填材等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明に用いる充填材の粒子径(50%)は0.01〜100μmの範囲であれば特に制限はないものの、好ましくは0.01〜50μmの範囲、さらに好ましくは0.1〜5μmの範囲である。また、充填材の形状は球状、板状、破砕状、鱗片状等の任意の形状でよく、特に何等制限はないが、好ましくは球状あるいは破砕状である。
さらに好ましい態様は(b)充填材の一部または全部としてイオン徐放性ガラスを含み、そのガラスからガラス組成に基因したイオンが持続的に徐放することである。
本発明に用いるイオン徐放性ガラスはガラス骨格を形成する1種類以上のガラス骨格形成元素とガラス骨格を修飾する1種類以上のガラス修飾元素を含んだガラスであれば何等制限なく用いることができる。また、本発明においてはガラス組成によってガラス骨格形成元素又はガラス修飾元素になりうる元素、いわゆるガラス両性元素はガラス骨格形成元素の範疇として含めるものである。イオン徐放性ガラスに含まれるガラス骨格形成元素を具体的に例示するとシリカ、アルミニウム、ボロン、リン等が挙げられるが、単独だけでなく複数を組み合わせて用いることができる。また、ガラス修飾元素を具体的に例示するとフッ素、臭素、ヨウ素等のハロゲン類元素、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属類元素、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属類元素等が挙げられるが、単独だけでなく複数を組み合わせて用いることができる。これらの中でもガラス骨格形成元素としてシリカ、アルミニウム、ボロンを含み、且つガラス修飾元素としてフッ素、ナトリウム、ストロンチウムを含むことが好ましく、具体的にはストロンチウム、ナトリウムを含んだシリカガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、フルオロボロシリケートガラス、フルオロアルミノボロシリケートガラス等が挙げられる。さらに、フッ化物イオン、ストロンチウムイオン、アルミニウムイオン、ホウ酸イオンを徐放する観点から、より好ましくはナトリウム、ストロンチウムを含んだフルオロアルミノボロシリケートガラスであり、そのガラス組成範囲はSiO2 15〜35質量%、Al2O3 15〜30質量%、B2O3 5〜20質量%、SrO 20〜45質量%、F 5〜15質量%、Na2O 0〜10質量%となる。このガラス組成は元素分析、ラマンスペクトルおよび蛍光X線分析等の機器分析を用いることにより確認することができるが、いずれかの分析方法による実測値がこれらの組成範囲に合致していれ何等問題はない。
これらのガラスの製造方法においては特に制限はなく、溶融法あるいはゾルーゲル法等の製造方法で製造することができる。その中でも溶融炉を用いた溶融法で製造する方法が原料の選択も含めたガラス組成の設計のし易さから好ましい。
本発明に用いるイオン徐放性ガラスは非晶質構造であるが、一部結晶質構造を含んでいても何等問題はなく、さらにそれらの非晶質構造を有するガラスと結晶構造を有するガラスの混合物であっても何等問題はない。ガラス構造が非晶質であるか否かの判断はX線回折分析や透過型電子顕微鏡等の分析機器を用いて行うことができる。その中でも本発明に用いるイオン徐放性ガラスは外部環境におけるイオン濃度との平衡関係により各種イオンが徐放することから、均質な構造である非晶質構造であることが好ましい。
本発明に用いるイオン徐放性ガラスからの各種イオンの徐放はガラスの粒子径によって影響を受けるため湿式又は/及び乾式の粉砕、分級、篩い分け等の方法により粒子径を制御する必要がある。そのため本発明に用いるイオン徐放性ガラスの粒子径(50%)は0.01〜100μmの範囲であれば特に制限はないものの、好ましくは0.01〜50μmの範囲、さらに好ましくは0.1〜5μmの範囲である。また、ガラスの形状は球状、板状、破砕状、鱗片状等の任意の形状でよく、特に何等制限はないが、好ましくは球状あるいは破砕状である。
さらにイオン徐放性ガラスからのイオン徐放性を高めるために、ガラス表面を表面処理することにより機能化してイオン徐放性を向上させることが好ましい態様である。表面処理に用いる表面処理材を具体的に例示すると界面活性剤、脂肪酸、有機酸、無機酸、モノマー、ポリマー、各種カップリング材、シラン化合物、金属アルコキシド化合物及びその部分縮合物等が挙げられる。好ましくは酸性ポリマー及びシラン化合物を表面処理材として用いることである。
この酸性ポリマー及びシラン化合物を表面処理材として用いてイオン徐放性ガラスを表面処理する製造方法、具体的にはシラン化合物によりイオン徐放性ガラス表面を被覆した後に、酸性ポリマーにより表面処理する方法を以下に例示する。
粉砕等によって所望の平均粒径に微粉砕されたイオン徐放性ガラスを含有する水性分散体中に、一般式(I)
(式中、ZはRO-、Xはハロゲン、YはOH-、Rは炭素数が8以下の有機基、n、m、Lは0から4の整数で、n+m+L=4である)で表されるシラン化合物を混合し、これを系中で加水分解または部分加水分解してシラノール化合物を経て、次いでこれを縮合させて、イオン徐放性ガラス表面を被覆する。
上記のポリシロキサン処理方法は、シラン化合物の加水分解及び縮合とガラス表面へのポリシロキサン処理を同一系内で同時に行っているが、シラン化合物の加水分解及び縮合を別の系で行って低縮合シラン化合物(オリゴマー)を生成させ、それをイオン徐放性ガラスを含有する水性分散体に混合する表面処理方法でも効率よくイオン徐放性ガラス表面にポリシロキサン被膜を形成することが可能である。より好ましくは市販の低縮合シラン化合物(オリゴマー)を用い、低縮合生成過程を経ず混合するポリシロキサン処理方法である。この方法が好ましい理由としては、シラン化合物単量体を用いる場合はポリシロキサン処理工程で多量の水が存在することから、縮合が3次元的に起こり、自己縮合が優位に進行し、均一なポリシロキサン被膜をガラス表面に形成することができないと考えられる。
一方低縮合シラン化合物(オリゴマー)を用いる場合は、ある長さのポリシロキサン主鎖を有するユニット単位でガラス表面にポリシロキサン被膜を均一に形成することが可能と考えられる。またこの低縮合シラン化合物(オリゴマー)の形状は特に制限はないが3次元体のものよりも直鎖状の方が良く、またその重合度においても長いものほど縮合反応性が劣り、イオン徐放性ガラス表面上のポリシロキサン被膜の形成が悪くなることから、好ましい重合度は2〜20の範囲であり、より好ましくは2〜6である。その時の分子量は500〜600の範囲である。
上記水性分散体中でのポリシロキサン処理は比較的低速の撹拌状態下で行われ、温度は室温から100℃の範囲、より好ましくは室温から50℃の範囲であり、撹拌時間は通常数分から数十時間、より好ましくは30分〜4時間の範囲で行われる。撹拌は特別な方法を必要とするものではなく、一般業界で通常に使用されている設備を採用して行うことができる。例えば万能混合撹拌機やプラネタリーミキサー等のスラリー状のものを撹拌できる撹拌機を用いて撹拌すればよい。撹拌温度は水性媒体が揮発しない温度、つまり水性媒体の沸点以下の温度であれば何等問題はない。撹拌時間はシラン化合物または低縮合シラン化合物の種類または添加量、ガラスの種類、粒子径及びその水性分散体中に占める割合、水性媒体の種類及び水性分散体中に占める割合により、縮合して形成するゲル化速度が影響を受けることから、調節しなければならなく、またゲルが形成されるまで行わなければならない。撹拌速度は速すぎるとゲル構造が崩れ、均一な被膜が形成されないため、低速で行う必要がある。
また上記の水性媒体とは水及びアルコールから構成される。アルコールを加えることにより乾燥工程においてイオン徐放性ガラスフィラーの凝集性を軽減させ、より解砕性を向上させる多大な効果がある。好ましいアルコールとしては炭素数2〜10のアルコール類であるが、炭素数が10以上のアルコールの添加は沸点が高く溶媒を乾燥除去するために長時間を要する。具体的なアルコールとしては、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、iso−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコールn−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−ドデシルアルコールが挙げられ、より好ましくは炭素数2〜4のアルコール、例えばエチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコールが好適に使用される。上記アルコールの添加量は水に対して5〜100重量部、好ましくは5〜20重量部である。添加量が100重量部以上になると乾燥工程が複雑になる等の問題が生じる。またガラスの含有量は水性媒体に対して25〜100重量部の範囲であり、好ましくは30〜75重量部の範囲である。含有量が100重量部を超える場合は縮合によるゲル化速度が速く、均一なポリシロキサン被膜層を形成しにくく、また25重量部より少ない場合、撹拌状態下でガラスが沈降したり水性媒体中で相分離が発生したりする。また、シラン化合物の添加量はガラスの粒子径に依存するが、ガラスに対してSiO2 換算で0.1〜10重量部の範囲であり、好ましくは0.1〜4重量部である。添加量が0.1重量部以下の場合は、ポリシロキサン被膜層形成の効果がなく、一次粒子まで解砕できず凝集したものになり、10重量部以上では乾燥後の固化物が硬すぎて解砕することができない。
「ゲル」状態にある系を、乾燥し水性媒体を除去して固化させる。乾燥は、熟成と焼成の2段階からなり、前者はゲル構造の生長と水性媒体の除去を、後者はゲル構造の強化を目的としている。前者はゲル構造にひずみを与えず、かつ水性媒体を除去することから静置で行う必要があり、箱型の熱風乾燥器等の設備が好ましい。熟成温度は室温から100℃の範囲で、より好ましくは40〜80℃の範囲である。温度がこの範囲以下の場合は、水性媒体除去が不十分であり、範囲以上の場合は急激に揮発し、ゲル構造に欠陥が生じたり、ガラス表面から剥離したりする恐れがある。熟成時間は乾燥器等の能力にもよるため、水性媒体が充分除去できる時間ならば何等問題はない。
一方焼成工程は昇温と係留に分かれ、前者は目標温度まで徐々に長時間かけて昇温する方がよく、急激な温度はゲル分散体の熱伝導が悪いため、ゲル構造内にクラックが生じる可能性がある。後者は一定温度での焼成である。焼成温度は100〜350℃の範囲であり、よりこのましくは100〜200℃である。
以上のように乾燥によりゲルから水性媒体を除去し、収縮した固化物が得られる。固化物はイオン徐放性ガラスの凝集状態ではあるが、単なるイオン徐放性ガラスの凝集物ではなく、個々の微粒子の境界面には縮合により形成されたポリシロキサンが介在している。したがって次の工程としてこの固化物をポリシロキサン処理前のイオン徐放性ガラス相当に解砕すると、その表面がポリシロキサンで被覆されたイオン徐放性ガラスが得られる。ここで「ポリシロキサン処理前のイオン徐放性ガラス相当に解砕する」とは、ポリシロキサンで被覆されたイオン徐放性ガラスの一次粒子に解砕することであり、元のイオン徐放性ガラスと異なる点は個々の微粒子がポリシロキサンで被覆されていることである。ただし、問題ない程度なら2次凝集物を含んでもよい。固化物の解砕は、せん断力または衝撃力を加えることにより容易に可能であり、解砕方法としては、例えばヘンシェルミキサー、クロスロータリミキサー、スーパーミキサー等を用いて行いことができる。
一般式(I)で表されるシラン化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラキス(2-エチルヘキシロキシ)シラン、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリイソプロポキシクロロシラン、トリメトキシヒドロキシシラン、ジエトキシジクロロシラン、テトラフェノキシシラン、テトラクロロシラン、水酸化ケイ素(酸化ケイ素水和物)等が例示でき、より好ましくはテトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランである。また一般式(I)で表されるシラン化合物で示される凝集体であることがより好ましい。
また一般式(I)で表されるシラン化合物の低縮合体であることがより好ましい。例えばテトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランを部分加水分解して縮合させた低縮合シラン化合物である。これらの化合物は単独または組み合わせて使用することができる。
またポリシロキサン処理時に一般式(I)で表されるシラン化合物の一部としてオルガノシラン化合物も添加することができる。具体的にオルガノシロキサン化合物を例示すると、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メトキシトリプロピルシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等が例示でき、特に好ましくはメチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシランである。これらの化合物は単独または組み合わせて使用することができる。しかしこれらはポリシロキサン層内において有機基が存在するため、ポリシロキサン層形成時のひずみを受ける可能性があり、機械的強度に問題が生じることがある。このため少量の添加にとどめておく必要がある。またポリシロキサン処理時に一般式(I)で表されるシラン化合物の一部として、他の金属のアルコキシド化合物、ハロゲン化物、水和酸化物、硝酸塩、炭酸塩も添加することができる。
前記工程で得られたポリシロキサンで被覆されたイオン徐放性ガラスは酸性ポリマーと反応させる酸性ポリマー処理を施すことによって本発明の最も好ましい表面処理イオン徐放性ガラスを得ることができる。酸性ポリマー処理は乾式流動型の撹拌機であれば業界で一般に使用されている設備を用いることができ、ヘンシルミキサー、スーパーミキサー、ハイスピードミキサー等が挙げられる。ポリシロキサン被膜が形成されたイオン徐放性ガラスへの酸性ポリマーの反応は、酸性ポリマー溶液を含浸や噴霧等により接触させることにより行うことができる。例えばポリシロキサン被覆イオン徐放性ガラスを乾式流動させ、その流動させた状態で上部から酸性ポリマー溶液を分散させ、十分撹拌するだけでよい。このとき酸性ポリマー溶液の分散法は特に制限はないが、均一に分散できる滴下またはスプレー方式がより好ましい。また反応は室温付近で行うことが好ましく、温度が高くなると酸反応性元素と酸性ポリマーの反応が速くなり、酸性ポリマー相の形成が不均一になる。
熱処理後、熱処理物の解砕は剪断力または衝撃力を加えることにより容易に可能であり、解砕方法としては上記反応に用いた設備などで行うことができる。
反応に用いる酸性ポリマー溶液の調製に用いる溶媒は、酸性ポリマーが溶解する溶媒であれば何等問題はなく、水、エタノール、エタノール、アセトン等が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは水であり、これは酸性ポリマーの酸性基が解離し、イオン徐放性ガラスの表面と均一に反応することができる。
酸性ポリマー溶液中に溶解したポリマーの重量分子量は2000〜50000の範囲であり、5000〜40000の範囲にある。2000未満の重量平均分子量を有する酸性ポリマーで処理した表面処理イオン徐放性ガラスはイオン徐放性が低くなる傾向にある。50000を超える重量平均分子量を有する酸性ポリマーは酸性ポリマー溶液の粘性が上がり、酸性ポリマー処理を行うことが困難となる。また酸性ポリマー溶液中に占める酸性ポリマー濃度は3〜25重量%の範囲が好ましく、より好ましくは8〜20重量%の範囲である。酸性ポリマー濃度3重量%未満になると上記で述べた酸性ポリマー相が脆弱になる。また酸性ポリマー濃度が25重量%を超えるとポリシロキサン層(多孔質)を拡散しにくくなる反面、イオン徐放性ガラスに接触すると酸−塩基反応が速く、反応中に硬化が始まり凝集が起こる等の問題が生じる。またポリシロキサンで被覆されたイオン徐放性ガラスに対する酸性ポリマー溶液の添加量は6〜40重量%の範囲が好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。この添加量で換算するとポリシロキサン被覆イオン徐放性ガラスに対する酸性ポリマー量は1〜7重量%、また水量は10〜25重量%の範囲が最適値である。
上記の方法によりポリシロキサンで被覆されたイオン徐放性ガラスの表面に酸性ポリマー反応相を形成するために用いることのできる酸性ポリマーは、酸性基として、リン酸残基、ピロリン酸残基、チオリン酸残基、カルボン酸残基、スルホン酸基等の酸性基を有する重合性単量体の共重合体または単独重合体である。このような重合性単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2-クロロアクリル酸、3-クロロアクリル酸、アコニット酸、メサコン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、グルタコン酸、シトラコン酸、4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸、4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸無水物、5-(メタ)アクリロイルアミノペンチルカルボン酸、11-(メタ)アクリロイルオキシ-1,1-ウンデカンジカルボン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、20-(メタ)アクリロイルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェート、1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル-2-ジハイドロジェンホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルリン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル2'-ブロモエチルリン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスホネート、ピロリン酸ジ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンジチオホスホスフェート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェート等が列挙できる。これらの重合体の中でも酸反応性元素との酸-塩基反応が比較的遅い、α-β不飽和カルボン酸の単独重合体または共重合体が好ましい。より好ましくはアクリル酸重合体、アクリル酸-マレイン酸共重合体、アクリル酸-イタコン酸共重合体である。
本発明に用いるイオン徐放性ガラスはガラス組成に基因したイオン種を持続的に徐放することが特徴であり、金属フッ化物等の水への溶解によって一時的に多量を放出するものとは異なるものである。
以下の手法によってイオン徐放性ガラス又は他のフィラーがイオン徐放性を有しているか否かを判断することができる。
蒸留水100gに対してイオン徐放性ガラス又は他のフィラーを0.1g加え、1時間撹拌させた時の蒸留水中に徐放したイオン濃度(F1)又はイオン種に起因した元素濃度(F1)と、2時間撹拌した時の蒸留水中に徐放したイオン濃度(F1)又はイオン種に起因した元素濃度(F2)が下式(1)の関係を満足する場合をイオン徐放とみなすことができる。
F2 > F1 ・・・・式(1)

また、イオン徐放性ガラスから徐放するイオンが複数ある場合は、すべてのイオン濃度又は元素濃度が式(1)を満足する必要はなく、少なくとも一つのイオン濃度又は元素濃度が式(1)を満足した場合をイオン徐放とみなすことができる。

本発明に用いるイオン徐放性ガラスはイオン徐放の効果に基因する酸中和能を有していることが好ましい。酸中和能はpHを4.0に調整した乳酸水溶液10gに対してイオン徐放性ガラスを0.1g加え、5分間撹拌させた時のpH変化を測定することにより確認することできる。その時のpHが5.5以上、より好ましくは6.0以上、最も好ましくは6.5以上を示したとき酸中和能が発現するとみなすことができる。
(b)充填材の含有量は、歯科用レジン系仮封材の総量に対して3〜21重量%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜18重量%の範囲である。充填材の含有量が3重量%未満の場合は非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの含有量が多くなるために、単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体や親水性重合性単量体等の浸透・膨潤が速くなり、十分な操作時間が確保できない。また窩洞への充填時において解剖学的形態を再現する操作性に乏しくなり、咀嚼等により硬化物の変形や脱落も発生する等、封鎖性においても悪影響を及ぼす。一方、21重量%を越える場合は歯科用レジン系仮封材中における非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーの含有量が少なくなるために、単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体や親水性重合性単量体等の浸透・膨潤が均一に起こらず、その結果材料特性、封鎖性及び除去性等に問題が生じる。
(c)単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体は、一般に歯科分野で用いられている公知の単官能性のアクリロイル基及び/またはメタクリロイル基を有する(メタ)アクリレート系重合性単量体のうちから、後述する(d)親水性重合性単量体に該当するもの以外であれば何等制限なく使用することができる。なお、本発明においては単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体はアクリロイル基含有重合性単量体とメタクリロイル基含有重合性単量体の両者を包括的に表記したものである。
単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体を具体的に例示すれば次の通りである。
単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のシラン化合物類、2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の窒素含有化合物が挙げられる。
単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体の含有量は4〜16重量%の範囲であれば何等制限なく含有することができる。単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体の含有量が4重量%未満の場合はレジン成分の硬化性が低下し、硬化物の材料特性に問題が生じる。一方、16重量%を超える場合は、レジン成分の重合収縮が大きく窩洞の封鎖性が低下する等の問題が生じる。
(d)親水性重合性単量体は重合性基を少なくとも1個以上有し、且つ23℃の水100重量部に5重量部以上溶解するものであれば何等制限なく用いることができる。
なお、本発明において親水性の評価は以下の方法にて行う。
サンプル瓶中に蒸留水を100g入れ、そこに重合性単量体5gを添加して均一になるまで混合後、24時間放置する。その後、蒸留水と重合性単量体が無色透明な状態となっている場合を溶解度が5%以上とし、白濁している場合を溶解度が5%以下とした。
親水性重合性単量体を具体的に例示すると、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1、2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1、3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2、3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1、3−ジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル−1、2−ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、2−トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルクロライド、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が9以上のもの)等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
これらの親水性重合性単量体は単独だけでなく、複数を組み合わせて用いることができる。
これら親水性重合性単量体の中でも23℃の水100重量部に対して10重量部以上溶解するものであるものが好ましく、より好ましくは23℃の水100重量部に対して20重量部以上溶解するのものである。それら親水性重合性単量体を具体的に例示すると2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が9のもの)、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が14のもの)、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が23のもの)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも本発明の歯科用レジン系仮封材組成物が硬化後において窩洞壁への優れた密封性、柔軟な材料特性、低い吸水性、水中浸漬による安定した硬度、少ない寸法変化等を示すためには重合性基を少なくとも2個以上を有した親水性重合性単量体を含有することが好ましく、より好ましくは重合性基を1個有する親水性重合性単量体と重合性基を少なくとも2個以上を有した親水性重合性単量体の両方を含むことである。
親水性重合性単量体の含有量は4〜13重量%の範囲であれば何等制限なく用いることができるが、好ましくは6〜13重量%である。
親水性重合性単量体の含有量が4重量%未満の場合は親水性である窩洞壁との馴染みが悪くなり、窩洞の封鎖性が低下する。一方、13重量%を越える場合はレジン成分の重合硬化性が低下するために、吸水率が増加したり、又は大きな寸法変化が生じたりする等の問題が認められる。
本発明の歯科用レジン系仮封材組成物に用いることができる重合開始材は特に限定されず、歯科分野で用いられている公知のラジカル発生剤を何等制限なく用いることができる。重合開始材は一般に、光照射により重合を開始させるもの(光重合開始材)、使用直前に混合することにより重合を開始させるもの(化学重合開始材)に大別さ、好ましく用いられる。
光重合開始材としては、光増感剤からなるもの、光増感剤と光重合促進剤を組み合わせるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記光増感剤を具体的に例示すると、ベンジル、カンファーキノン、α−ナフチル、アセトナフセン、p,p´−ジメトキシベンジル、p,p´−ジクロロベンジルアセチル、ペンタンジオン、1,2−フェナントレンキノン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナントレンキノン、9,10−フェナントレンキノン、ナフトキノン等のα−ジケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、2−ヒドロキシチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−プロパノン−1等のα−アミノアセトフェノン類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジル(2−メトキシエチルケタール)等のケタール類、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル〕−チタン、ビス(シクペンタジエニル)−ビス(ペンタンフルオロフェニル)−チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ジシロキシフェニル)−チタン等のチタノセン類等が挙げられる。
また、上記光重合促進剤を具体的に例示すると、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、p−N,N−ジメチル−トルイジン、m−N,N−ジメチル−トルイジン、p−N,N−ジエチル−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッド、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドエチルエステル、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドアミノエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、p−N,N−ジヒドロキシエチル−トルイジン、p−ジメチルアミノフェニルアルコール、p−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2,2´−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等の第三級アミン類、N−フェニルグリシン等の第二級アミン類、5−ブチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸等のバルビツール酸類、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジバーサテート、ジオクチルスズビス(メルカプト酢酸イソオクチルエステル)塩、テトラメチル−1,3−ジアセトキシジスタノキサン等のスズ化合物類、ラウリルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のアルデヒド化合物類、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、1−デカンチオール、チオサルチル酸等の含イオウ化合物等が挙げられる。
さらに、光重合促進能の向上のために、上記光重合促進剤に加えて、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、グルコン酸、α−オキシイソ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、ジメチロールプロピオン酸等のオキシカルボン酸類の添加が効果的である。
一方、化学重合開始材としては、有機過酸化物/アミン化合物または有機過酸化物/アミン化合物/スルフィン酸塩、有機過酸化物/アミン化合物/ボレート化合物からなるレドックス型の重合開始系、酸素や水と反応して重合を開始する有機金属型の重合開始材系が挙げられ、さらにはスルフィン酸塩類やボレート化合物類は酸性基を有する重合性単量体との反応により重合を開始させることもできるが、これらに限定されるものではない。
上記有機過酸化物を具体的に例示すると、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエード等が挙げられる。
また、上記アミン化合物を具体的に例示すると、アミン基がアリール基に結合した第二級または第三級アミンが好ましく、具体的に例示するとp−N,N−ジメチル−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N−β−ヒドロキシエチル−アニリン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−アニリン、p−N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−トルイジン、N−メチル−アニリン、p−N−メチル−トルイジン等が挙げられる。
また、スルフィン酸塩類を具体的に例示すると、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、ボレート化合物を具体的に例示すると、トリアルキルフェニルホウ素、トリアルキル(p−フロロフェニル)ホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
さらに有機金属型の重合開始材を具体的に例示すると、トリフェニルボラン、トリブチルボラン、トリブチルボラン部分酸化物等の有機ホウ素化合物類等が挙げられる。
また加熱や加温による熱重合開始材としては、上記有機過酸化物の他にアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物類が好適に使用される。
これらの重合開始材は重合様式や重合方法に関係なく、単独だけでなく、複数を組み合わせて用いることができる。また、これらの重合開始材は重合の安定化や重合の遅延等を実現するためにマイクロカプセルに内包する等の二次的な処理を施しても何等問題なく用いることができる。
これらの重合開始材の中でも、使用直前に混合することにより重合を開始させる化学重合開始材を用いることが好ましく、その簡便性から最も好適に使用される。また、化学重合開始材の中でも、有機過酸化物と第三級アミンの組み合わせがより好ましく、ベンゾイルパーオキサイドとp−N、N−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミノ基がベンゼン環に直結した芳香族アミンまたはN、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の分子内に二重結合を有した脂肪族アミン等の組み合わせが最も好ましい。
重合開始材の含有量は、使用用途に応じて適宜選択することができるが、(c)単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体と(d)親水性重合性単量体を合わせた総重合性単量体100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜2重量部の範囲である。重合開始材の含有量が0.1部未満の場合は重合硬化性が不十分になり意図した材料特性や性能が発揮することができない。一方、5重量%を越える場合は重合硬化性が速くなるために窩洞への充填操作が行いにくい等の操作性、又は重合が進んで硬化物が硬くなるために除去時に窩洞から撤去しにくい等の除去性等に問題が発生する。
(f)可塑材は特に限定されず、公知のものが何等制限なく用いることができる。可塑材を具体的に例示すれと、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブヂルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル、ジブチルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジブチルセバチート、ジオクチルセバチート、ジブチルマレエート、ジブチルフマレート等のフタル酸以外の二塩基酸エステル、グリセロールトリアセテート等のグリセリンエステル、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル、安息香酸ベンジル,安息香酸エチル,安息香酸ブチル,安息香酸アミル等のカルボン酸エステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの可塑材は単独だけでなく、複数を組みわせて用いることができる。
これら可塑材の中でもカルボン酸エステルが好ましく、より好ましくは安息香酸ベンジル,安息香酸エチル,安息香酸ブチル,安息香酸アミル等である。
可塑材の含有量は使用方法、使用目的、組成等によって適宜調製することができるが、5〜25重量%の範囲であれば何等制限なく、用いることができる。好ましくは8〜25重量%の範囲である。可塑剤の含有量が5%未満の場合は硬化物に柔軟性がなくなるため、除去時において一括に除去することができない等の問題が生じる。一方、25重量%を越える場合は仮封後において可塑剤が経時的に溶出するために寸法変化が起こり、窩洞の封鎖性が悪くなることが懸念される。
また、本発明の歯科用レジン系仮封材組成物には、上記の(a)〜(f)の成分以外に、架橋材として、親水性ではない二つ以上の官能性基を有する重合性単量体、フュームドシリカに代表される賦形剤、2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾフェノンのような紫外線吸収剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2、5−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤、変色防止剤、抗菌材、着色顔料、その他の従来公知の添加剤等の成分を必要に応じて任意に添加できる。
本発明の歯科用レジン系仮封材組成物における包装形態は特に制限はなく、粉材/液材、粉材/ペースト、ペースト/液材、ペースト/ペースト、1ペースト等のいずれの包装形態であっても問題はない。好ましい包装形態は粉材/液材、粉材/ペーストである。
本発明の歯科用レジン系仮封材組成物は歯科治療において用いられる仮封材にかかるものである。産業上利用する発明である。
以下に本発明の実施例及び比較例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例にて調製した歯科用レジン系仮封材組成物の性能を評価する試験方法は次の通りである。
[イオン徐放性ガラス又は各種フィラーから徐放されるイオンに基因した元素量の測定]
蒸留水100gに対してイオン徐放性ガラス又は各種フィラーを0.1g加えて1時間撹拌後、分析用シリンジフィルター(クロマトディスク25A,ポアサイズ0.2μm:ジーエルサイエンス社)でろ過した溶液中に徐放した各イオンに基因する元素濃度をF1とした。また、同様に蒸留水100gに対してイオン徐放性ガラス又は各種フィラーを0.1g加えて2時間撹拌後、同じ操作を行いろ過した溶液中に徐放した各イオンに基因した元素濃度をF2とした。フッ素はフッ素イオン複合電極(Model 9609:オリオンリサーチ社)及びイオンメータ(Model 720A:オリオンリサーチ社)を用いてフッ化物イオンを測定し、その値を用いてフッ素元素濃度に換算した。測定時にイオン強度調整剤としてTISABIII(オリオンリサーチ社製)を0.5ml添加した。検量線の作成は0.1、1、10、20ppmの標準液を用いて行った。他の元素(Na,B,Al,Sr)に関しては誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICPS-8000:島津社製)を用いて、測定により算出した。検量線の作成は0、10、25、50ppmの標準液を用いて行った。なお、測定元素が検量線範囲外となった場合、適宜希釈して測定を実施した。
[歯科用レジン系仮封材組成物から徐放されるイオンに基因した元素濃度の測定]
粉液を表4に記載の割合で混合し、混合物をステンレス製金型(15φ×1mm:円盤状)に充填した後、両面にカバーグラスを置きガラス練板で圧接した後、混合物を硬化させた。硬化後、金型から硬化物を取り出し、硬化物を5mLの蒸留水が入ったプラスチック製容器に入れ、密封後37℃恒温器中に1週間放置した。1週間後容器を恒温器から取り出し、円盤状試験体を取り除いた溶出液を採取した。溶出液を上記の[イオン徐放性ガラス又は各種フィラーから徐放されるイオンに基因した元素濃度の測定]と同様の方法で元素濃度の測定を実施した。
[イオン徐放性ガラス及び各種フィラーの酸中和能の評価]
本発明に用いるイオン徐放性ガラスの酸中和能を以下の方法で評価した。pHを4.0に調整した乳酸水溶液10gに対してイオン徐放性ガラス及び各種フィラーを0.1g加え、5分間撹拌した後のpHをpHメーター(D-51:堀場製作所)を用いて測定することにより評価した。
〔歯科用レジン系仮封材組成物の酸中和能の評価〕
粉液を表4に記載の割合で混合し、混合物をステンレス製金型(15φ×1mm:円盤状)に充填した後、両面にカバーグラスを置きガラス練板で圧接した後、混合物を硬化させた。硬化後、金型から硬化物を取り出し、硬化物を5mLの乳酸水溶液(pH4.0に調整)中に浸漬した。その後、6時間及び24時間経過後の乳酸水溶液のpHをpHメーター(D-51:堀場製作所)を用いて測定した。
〔除去性〕
目的:歯科用レジン系仮封材組成物の硬化物の除去性を評価する。
方法:抜去した牛歯の歯冠部に直径4.5mm、深さ1.6mmの窩洞を形成し、水洗、乾燥を行う。その後、粉液を表4に記載の割合で混合し、混合物を窩洞に充填した。仮封材が硬化した後、37℃の水中で24時間放置後、探針を用いて硬化物(サンプル数5個)の除去操作を歯科医師5人が実施し、その除去性を以下の4段階で評価した後、最も多い評価を除去性の評価とした。
◎・・・容易に一塊で除去できる
○・・・一塊ではないが、歯面に残ることなく容易に除去できる
△・・・除去の際にちぎれてしまい、歯面に残ってしまう
×・・・硬くて除去が困難である
〔封鎖性〕
目的:歯科用レジン系仮封材組成物の硬化物の封鎖性を評価する。
方法:抜去した牛歯の歯冠部に直径4.5mm、深さ1.6mmの窩洞を形成し、水洗、乾燥した。その後、粉液を表4に記載の割合で混合し、混合物を窩洞に充填した。仮封材が硬化した後、37℃の水中で24時間放置し、4℃と60℃の水中に各1分間浸漬するサーマルサイクルを50回繰り返した。サーマルサイクル終了後、0.1%塩基性フクシン水溶液に2時間浸漬後、充填した試料を除去し、色素の侵入状態を観察した。評価は以下の4段階とした。試験数は5個で行ない、最も多い評価で示した。
◎・・・色素浸透無し
○・・・エナメル質内までの浸透
△・・・象牙質内までの浸透
×・・・窩洞内全てに浸透
〔ショアD硬度の測定〕
目的:歯科用レジン系仮封材組成物の硬化物の硬さを評価する。
方法:粉液を表4に記載の割合で混合し、混合物をステンレス製金型(15φ×1mm:円盤状)に充填した後、両面にカバーグラスを置きガラス練板で圧接した後、混合物を硬化させた。硬化後、金型から硬化物を取り出し、硬化物をイオン交換水が入ったプラスチック製容器に入れ、密封後37℃恒温器中に1週間放置した。1週間後容器を恒温器から取り出し、ショアD硬度計を用いて測定を行った。試料は5個作製し、1試料は3回測定し、全ての平均を示した。測定はJIS K6253(加硫ゴム試験方法)に従った。ショアD硬度は30〜50の範囲にあることが好ましく、30より低いと咬合圧による変形が懸念され、50より高いと硬くて除去しにくいという問題が生じる。
本発明の実施例及び比較例に使用した成分名およびその略号を以下に示す。
(a:非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマー)
PEMA1:ポリエチルメタクリレート(50%平均粒子径:70μm、重量平均分子量:95万、形状:球状)
PMMA1:ポリメチルメタクリレート(50%平均粒子径:80μm、重量平均分子量:100万、形状:球状)
PEMA2:ポリエチルメタクリレート(50%平均粒子径:4μm、重量平均分子量:4万、形状:球状)
PMMA1:ポリメチルメタクリレート(50%平均粒子径:160μm、重量平均分子量:160万、形状:球状)

(b:充填材)
イオン徐放性ガラス1
イオン徐放性ガラス2
イオン徐放性ガラス3
フィラー1:フッ化ナトリウム粉末(ナカライテスク社)
(c:単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体)
MMA:メタクリル酸メチル
(d:親水性重合性単量体)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
14EG:ポリエチグリコールジメタクリレート(繰り返し数:14)
(e:重合開始材)
BPO:過酸化ベンゾイルDMPT:N,N-ジメチルパラトルイジン
(f:可塑材)
BB:安息香酸ベンジル
非親水性重合性単量体
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
[イオン徐放性ガラス1の製造]
二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、フッ化ナトリウム、炭酸ストロンチウムの各種原料(ガラス組成:SiO2 23.8質量%、Al2O3 16.2質量%、B2O3 10.5質量%、SrO 35.6質量%、Na2O 2.3質量%、F11.6質量%)をボールミルを用いて均一に混合し原料混合品を調製した後、その原料混合品を溶融炉中で1400℃にて溶融した。その融液を溶融炉から取り出し冷鋼板上、ロールまたは水中で冷却してガラスを生成した。4連式振動ミルのアルミナポット(内容積3.6リットル)中に直径6mmφのアルミナ玉石4kgを投入後、上記で得たガラスを500g投入して40時間粉砕を行い、イオン徐放性ガラスフィラー1を得た。このイオン徐放性ガラスフィラー1の50%平均粒子径をレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラックSPA:日機装社製)により測定した結果、1.2μmであった。このイオン徐放性ガラス1から放出されるイオンに基因した元素量を測定し、(1)式への適合性を確認した。その結果を表1に示した。
[イオン徐放性ガラス2の製造]
以下に示すポリシロキサン処理及び酸性ポリマー処理を行い表面処理したイオン徐放性ガラス2を得た。
前述のイオン徐放性ガラス1を500g、シラン化合物(予めテトラメトキシシラン5g、水1000g及びエタノール100gを2時間室温で撹拌し得られたシラン化合物の低縮合物)を万能混合攪拌機に投入し、90分間撹拌混合した。その後、140℃にて熱処理を30時間施し、熱処理物を得た。この熱処理物をヘンシェルミキサーを用いて解砕し、ポリシロキサン被覆ガラスを得た。このポリシロキサンで被覆されたイオン徐放性ガラス500gを撹拌しつつ、酸性ポリマー水溶液(ポリアクリル酸水溶液:ポリマー濃度13重量%、重量平均分子量20000;ナカライ社製)をヘンシェルミキサーを用いて噴霧した。その後、熱処理(100℃3時間)を施し、表面処理したイオン徐放性ガラス2を製造した。このイオン徐放性ガラス2の50%平均粒子径をレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラックSPA:日機装社製)により測定した結果、1.3μmであった。この表面処理したイオン徐放性ガラス2から放出されるイオンに基因した元素量を測定し、(1)式への適合性を確認した。その結果を表1に示した。
[イオン徐放性ガラス3の製造]
二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、フッ化ナトリウム、炭酸ストロンチウムの各種原料を混合後、1400℃にてその混合物を溶融してガラス(ガラス組成:SiO2 19.8質量%、Al2O3 19.8質量%、B2O3 11.7質量%、SrO 35.0質量%、Na2O 2.3質量%、F11.4質量%)を得た。次に生成したガラスを振動ミルを用いて10時間粉砕し、ガラス3を得た。前述のガラス3を500g、シラン化合物(予めテトラメトキシシラン10g、水1500g、エタノール100g、メタノール70g及びイソプロパノール50gを2時間室温で撹拌し得られたシラン化合物の低縮合物)を万能混合攪拌機に投入し、90分間撹拌混合した。その後、140℃にて熱処理を30時間施し、熱処理物を得た。この熱処理物をヘンシェルミキサーを用いて解砕し、ポリシロキサンで被覆したイオン徐放性ガラスを得た。このポリシロキサンで被覆したガラス500gを撹拌しつつ、酸性ポリマー水溶液(ポリアクリル酸水溶液:ポリマー濃度13重量%、重量平均分子量20000;ナカライ社製)をヘンシェルミキサーを用いて噴霧した。その後、熱処理(100℃3時間)を施し、表面処理したイオン徐放性ガラス3を製造した。この表面処理したイオン徐放性ガラスフィラー3の50%平均粒子径をレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラックSPA:日機装社製)により測定した結果、3.1μmであった。この表面処理したイオン徐放性ガラスフィラー3から放出されるイオンに基因した元素量(フッ化物イオンのみイオン量)を測定し、(1)式への適合性を確認した。その結果を表1に示した。
[非イオン徐放性フィラー]
非イオン徐放性フィラーとして以下のフィラーを使用した。
FLX:フューズレックスX(シリカフィラー、粒径=2.1μm:龍森社)
SOC5:シリカフィラーであるアドマファイン SO−C5(シリカフィラー、平均粒径=1.6μm:アドマテックス社)
上記のフィラーから放出されるイオンに基因した元素量を測定し、(1)式への適合性を確認した。その結果を表1に示した。

pHを4.0に調整した乳酸水溶液10gに対してイオン徐放性ガラス及び各種フィラーを0.1g加え、5分間撹拌した結果、イオン徐放性ガラスはpHが6.5以上となり、酸中和能を有しているのに対して、非イオン徐放性フィラーはpHが4.1とほとんど変化しておらず、酸中和能を有していないことを確認した。また、イオン徐放性ガラスから徐放される元素量(フッ化物イオンのみイオン量)は式(1)を適合し、一方、非イオン徐放性フィラーから徐放される元素量(フッ化物イオンのみイオン量)は式(1)を適合しないことを確認した。


実施例1〜10は本発明の構成要件(a)〜(f)を含有した歯科用レジン系仮封材組成物であり、表4に示すように、形成した窩洞に仮封した場合においても色素の侵入がほとんど認められず優れた封鎖性が確認できる。また、適度な硬度であることから除去性にも優れていることが明らかとなった。なお、実施例5、6は臨床でのバラつきを想定した、粉液比が2.2/1、1.8/1の結果であるが、いずれも仮封材として良好な封鎖性と除去性を兼備していることが明らかとなった。
さらに、表5に示すように、実施例9はフッ化物イオンとナトリウムイオンを放出すること、実施例1〜8及び10はフッ化物イオンを含む6種類のイオンを放出することが明らかとなった。このことから仮封した窩洞壁歯質におけるフッ化物イオンによる歯質強化が期待される。さらに実施例1〜8及び10ではイオン徐放性ガラスから6種類のイオンが認められ、酸中和能を示すことから、フッ化物イオンによる歯質強化だけでなく、他のイオンとの相乗効果、例えば歯質の脱灰抑制等が期待できる。
比較例1〜4は本発明の構成要件の中でも各成分が好ましい範囲から外れているために、除去性、封鎖性またはショアD硬度に関して劣る結果となった。比較例5は親水性重合性単量体を含んでいない系であり、歯質との濡れ性が悪く封鎖性に劣る結果であった。
比較例6〜7は本発明要件の中でも(a)成分であるPMMAやPEMAの分子量及び平均粒子径が好ましい範囲から外れているために、封鎖性、除去性に劣る結果となった。

Claims (4)

  1. (a)非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーを44〜64重量%、
    (b)充填材を3〜21重量%、
    (c)単官能性(メタ)アクリレート系重合性単量体を4〜16重量%、
    (d)親水性重合性単量体を4〜13重量%、
    (e)重合開始材を0.1〜5重量%、
    (f)可塑材を5〜25重量%を含む重合可能な歯科用レジン系仮封材組成物であって、
    (a)非架橋性(メタ)アクリレート系ポリマーが、粒子であって、50%平均粒子径が5〜150μmであって且つ重量平均分子量は5〜150万の範囲であり、
    (d)親水性重合性単量体が、23℃における水に対して5重量%以上の溶解度を示すことを特徴とする歯科用レジン系仮封材組成物。
  2. 請求項記載の(b)充填材の一部または全部が、イオン徐放性ガラスであることを特徴とする歯科用レジン系仮封材組成物。
  3. イオン徐放性ガラスがフッ化物イオンを徐放し、更に2〜4価のイオンのうち一種類以上を徐放することを特徴とする請求項に記載の歯科用レジン系仮封材組成物。
  4. 前記イオン徐放性ガラスがフッ化物イオンを徐放し、更にストロンチウムイオン、アルミニウムイオン及びホウ酸イオンの内から一種類以上を徐放することを特徴とする請求項に記載の歯科用レジン系仮封材組成物。
JP2014113577A 2014-05-30 2014-05-30 イオン徐放性歯科用レジン系仮封材組成物 Active JP5653549B1 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014113577A JP5653549B1 (ja) 2014-05-30 2014-05-30 イオン徐放性歯科用レジン系仮封材組成物
EP15150317.4A EP2949310B1 (en) 2014-05-30 2015-01-07 Dental temporary sealing material comprising an ion sustained-release glass
EP15150487.5A EP2949311B1 (en) 2014-05-30 2015-01-08 Dental composition containing ion sustained-release glass
US14/593,103 US11648184B2 (en) 2014-05-30 2015-01-09 Dental composition containing ion sustained-release glass
US14/593,241 US9456964B2 (en) 2014-05-30 2015-01-09 Ion sustained-release dental resin temporary sealing material composition
US16/059,446 US11559471B2 (en) 2014-05-30 2018-08-09 Dental composition containing ion sustained-release glass
US18/130,664 US20230255857A1 (en) 2014-05-30 2023-04-04 Dental composition containing ion sustained-release glass

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014113577A JP5653549B1 (ja) 2014-05-30 2014-05-30 イオン徐放性歯科用レジン系仮封材組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5653549B1 true JP5653549B1 (ja) 2015-01-14
JP2015227308A JP2015227308A (ja) 2015-12-17

Family

ID=52292775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014113577A Active JP5653549B1 (ja) 2014-05-30 2014-05-30 イオン徐放性歯科用レジン系仮封材組成物

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9456964B2 (ja)
EP (1) EP2949310B1 (ja)
JP (1) JP5653549B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3047839A1 (en) * 2015-01-22 2016-07-27 Shofu Inc. Filler treated with an acidic polymer

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6892755B2 (ja) * 2016-12-09 2021-06-23 株式会社松風 イオン徐放性歯科用水硬性仮封材組成物
CN116196222A (zh) * 2023-02-28 2023-06-02 上海沐良医疗器械有限公司 防龋齿添加剂、防龋齿材料、牙科膜片及隐形矫治器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08188516A (ja) * 1994-11-11 1996-07-23 Tokuyama Corp 歯科用仮封材組成物
JP2001010919A (ja) * 1999-06-30 2001-01-16 Nippon Shika Yakuhin Kk 歯科用硬化性組成物

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5147202A (en) * 1987-10-22 1992-09-15 Japan Institute Of Advanced Dentistry Bracket for orthodontics
JP3126378B2 (ja) 1989-05-25 2001-01-22 ノバルティス・アクチェンゲゼルシャフト 遺伝子機能の多価リプレッサー
US5883153A (en) * 1993-04-15 1999-03-16 Shofu Inc. Fluoride ion sustained release preformed glass ionomer filler and dental compositions containing the same
JP3418056B2 (ja) * 1996-04-01 2003-06-16 日本歯科薬品株式会社 歯科用レジン系仮封材組成物
JP4636656B2 (ja) * 1999-07-08 2011-02-23 株式会社松風 歯科用接着剤組成物
JP4580531B2 (ja) 2000-10-04 2010-11-17 株式会社松風 歯科充填用ガラスおよびそのガラス粒子を含む歯科用組成物
JP4305594B2 (ja) * 2000-11-28 2009-07-29 株式会社トクヤマ 歯科用接着キット
US20090068123A1 (en) 2005-03-30 2009-03-12 Kuraray Medical Inc Fluorine ion-releasable composition for dental purposes
WO2009131250A1 (ja) * 2008-04-25 2009-10-29 サンメディカル株式会社 易除去性歯科用硬化性組成物
JP2010215538A (ja) 2009-03-13 2010-09-30 Tokuyama Dental Corp 歯科用仮封材

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08188516A (ja) * 1994-11-11 1996-07-23 Tokuyama Corp 歯科用仮封材組成物
JP2001010919A (ja) * 1999-06-30 2001-01-16 Nippon Shika Yakuhin Kk 歯科用硬化性組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3047839A1 (en) * 2015-01-22 2016-07-27 Shofu Inc. Filler treated with an acidic polymer
US20160213576A1 (en) * 2015-01-22 2016-07-28 Shofu Inc. Filler characterized by acidic polymer treatment method
US10149802B2 (en) * 2015-01-22 2018-12-11 Shofu Inc. Filler characterized by acidic polymer treatment method
EP3047839B1 (en) * 2015-01-22 2024-03-13 Shofu Inc. Filler treated with an acidic polymer

Also Published As

Publication number Publication date
US9456964B2 (en) 2016-10-04
EP2949310A1 (en) 2015-12-02
EP2949310B1 (en) 2019-09-11
US20150342840A1 (en) 2015-12-03
JP2015227308A (ja) 2015-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4794201B2 (ja) 2ペースト型グラスアイオノマー系セメント
JP6966785B2 (ja) 光硬化性組成物
WO2002036691A1 (fr) Plombages et materiaux dentaires composites les contenant
GB1578500A (en) Adhesive compositions comprising a phosphinic acid compound
JP6340066B2 (ja) 歯科用重合性組成物、歯科用仮着セメント、歯科用充填材、義歯床裏装材、及び歯科用粘膜調整材
EP0684033B1 (en) Adhesive composition for dental treatment
CN111743783B (zh) 双膏型牙科用树脂加强型玻璃离子水门汀组合物
KR101929652B1 (ko) 경화성 조성물
JP5653549B1 (ja) イオン徐放性歯科用レジン系仮封材組成物
JP5653554B1 (ja) 二成分混和型イオン徐放性義歯床用関連材料組成物
JP6615549B2 (ja) 歯科用硬化性組成物
JP6429310B2 (ja) イオン放出機能性複合微粒子
US11311350B2 (en) Resin cured body for dental cutting processing improved in adhesive property
JP6892755B2 (ja) イオン徐放性歯科用水硬性仮封材組成物
JP4573319B2 (ja) 高フッ素徐放性歯科用組成物
JP5653555B1 (ja) 二成分混和型イオン徐放性粘膜調整材組成物
JPH09249514A (ja) 歯科用レジン強化型セメント用前処理剤
CN110302062B (zh) 除去性好的牙科粘合用玻璃离子水门汀组合物
JP7261555B2 (ja) 接着性を向上させた歯科切削用レジン硬化体
JP2019163247A (ja) 連鎖移動剤を含む歯科用接着性組成物
JP5653552B1 (ja) イオン徐放性バーニッシュ組成物
JP7284607B2 (ja) 保存安定性に優れる歯科用水硬性仮封材組成物
WO2023106419A1 (ja) 歯科用硬化性組成物
JP2023107373A (ja) 歯科用硬化性組成物
JP2024013169A (ja) 歯科用レジン強化型グラスアイオノマーセメントキット

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141006

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20141009

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5653549

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250