JP3418056B2 - 歯科用レジン系仮封材組成物 - Google Patents

歯科用レジン系仮封材組成物

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JP3418056B2 JP07915396A JP7915396A JP3418056B2 JP 3418056 B2 JP3418056 B2 JP 3418056B2 JP 07915396 A JP07915396 A JP 07915396A JP 7915396 A JP7915396 A JP 7915396A JP 3418056 B2 JP3418056 B2 JP 3418056B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、歯科医院におい
て、齲歯治療の際、診療と診療の間に使用する材料であ
り、窩洞封鎖性に優れ、しかも除去操作が容易な特性を
有する仮封材と称する歯科用暫間充填物に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】仮封材とは、歯科治療において齲歯の感
染した軟化象牙質を削除して窩洞形成を行なった後、あ
るいは根管治療を行なった後、永久補綴物を装着するま
での一連の治療期間、窩洞を無菌清浄に保持し外来刺激
を遮断するための一時的に封鎖する目的で使用する暫間
的な充填材をいう。仮封は日常の臨床で最も頻繁に行な
われる治療処置で、仮封期間は通常約一週間である。 【0003】仮封材は、治療行為の期間中、(1)外来
刺激を遮断し、歯髄を安静に保ち、(2)窩洞形成され
た象牙質の感染防止、(3)歯内療法時に根管内からの
治療薬物の漏洩の防止、などの目的で使用される。 【0004】仮封材に期待される性質としては、(1)
咬合圧などの外力に十分耐え得る強度があること、
(2)封鎖性が良好であること、(3)除去が容易であ
ること、(4)冷水痛や咬合痛などの臨床的不快症状を
生じないこと、などが挙げられる。 【0005】とくに仮封中の封鎖性能は重要な特性であ
り、種々の臨床的不快症状を誘発する原因と密接に関連
している。封鎖性が悪いと仮封材が脱落したり、隙間に
プラーク(細菌塊)や唾液が侵入して窩洞内で細菌が増
殖することにより、歯髄を安静に保護できなかったり腐
敗臭発生の原因となる。さらに封鎖性が悪く漏洩(隙間
が存在)が起こると、咬合圧などの物理的外力により象
牙細管内溶液が移動し、歯髄神経を興奮させ、咬合痛を
生じたり、また冷水などの温度変化により象牙細管内溶
液が膨張・収縮を起こし、冷水痛を生じるなどの臨床的
不快症状の原因となることが知られている(動水力学
説)。 【0006】したがって仮封材の本来の使命である「外
来刺激を遮断し、歯髄を安静に保つ役割」を果たすため
に、封鎖性能を改善することは極めて重要な要件とな
る。 【0007】しかしながら、仮封材に期待されるこれら
全ての要件を完全に満足する材料は従来存在しなかっ
た。とくに封鎖性が良好であって、しかも除去が容易で
ある、という二つの相反する条件を満足し得なかったか
らである。 【0008】従来の仮封材には、新歯科用セメント 総
山孝夫(永山書店)1983、p.65〜73、p.7
5〜81、要説歯科材料学 J.N.Anderso
n、山根・平沢訳(医歯薬出版)1981、p.296
〜302、接着歯学10巻3号1992 柳川他 p.
247〜249 “保存修復における仮封”、JIST
6507 歯科用テンポラリーストッピング(昭和35
年制定、平成6年改正)等に記載されているように、
(1)熱可塑性樹脂(テンポラリーストッピング)、
(2)水硬性仮封材、(3)仮封セメント(ユージノー
ルセメント、脂肪酸セメント、ポリカルボン酸セメン
ト)、(4)レジン系仮封材、などの種類がある。 【0009】テンポラリーストッピングは、ガッタパー
チャを主原料とした熱可塑性仮封材の一種で、加熱し軟
化させた後、窩洞に充填して用いるもので、充填、除去
の操作性が簡便なため、多く利用されている。しかし、
咬合圧により変形しやすく、封鎖性に劣るという欠点が
ある。 【0010】水硬性仮封材は、ビニルポリマーと硫酸カ
ルシウム無水物を主成分にしたパテ状の仮封材で、室温
で柔らかい状態で、空気中の水分や口腔内の唾液に触れ
ることにより硬化する。練和、加熱という操作が要らな
いので非常に便利であるが、唾液に触れて硬化するまで
数時間を必要とし、完全硬化するまでに咬合圧が加わる
と簡単に磨耗や脱落が起こりやすいこと、さらに生成し
た硬化物は硬く、除去時には機械的に削らないと除去で
きない、などの欠点がある。 【0011】仮封セメントは、数分で適度な硬さの硬化
物となる材料である。強度・封鎖性の点で優れており、
特にユージノールセメントは封鎖性に優れているという
理由のために実際に多用されているが、操作性がやや面
倒で、除去しにくいという欠点がある。 【0012】レジン系仮封材は、ラジカル重合性単量体
と可塑剤に重合開始剤を配合してなる混合液体と、フィ
ラー粉体中に重合硬化剤を配合してなる粉体を混合し
て、化学重合反応により急速に硬化する材料であり、筆
積み操作で楽に充填でき、除去時に一塊で窩洞から撤去
できる便利さがある。 【0013】現在、市販のレジン系仮封材としては、デ
ュラシール(米国リライアンスケミカル社製)が知られ
ている。デュラシールの液組成は、ラジカル重合性単量
体としてのメチルメタクリレート中に可塑剤としてジ−
tert−ブチルフタレートを配合しているため、粉液
混和時の硬化物は、メチルメタクリレート単体からなる
硬化物に比べ、やや柔らかい性質を有し、除去しやすく
なっているものの、窩洞内歯質と密着し封鎖する成分
が、何ら含まれていないので、封鎖性に難点があった。
実際、封鎖性が不完全であるため、仮封材充填後、唾液
の侵入により窩洞内が汚染されたり、また時間の経過と
ともに口腔内の細菌が窩洞内に侵入し繁殖することによ
り腐敗臭を発生したり、さらには冷水痛や咬合痛を起こ
すなど、臨床的にはまだまだ改善すべき余地がある。 【0014】また、フェノキシ系アクリレートモノマー
を含有する歯科用仮封材組成物において、その硬化物が
弾性を有することを特徴とする例が、特開平6−650
20号公報に開示されているが、フェノキシ系アクリレ
ートモノマーと封鎖性能との相関性については、とくに
は記載されていない。ラジカル重合機構に基づく硬化反
応で得られる硬化物が、弾性を有する例として、他に、
シール材に用いる光硬化性ゴム弾性組成物が特開昭60
−163911号公報に、そのほかレンズ等の光学用途
に用いる例が特開平3−281511号公報に開示され
ているが、これらはその硬化物にゴム弾性を与えること
のみを目的とし、歯科用仮封材として用いる例ではな
く、歯質との封鎖性能を考慮した材料ではない。 【0015】以上のように従来、歯質との封鎖性が良
く、除去時には簡単に除去できるという相矛盾した特性
が仮封材には要求されてきたが(接着歯学10巻3号
1992 真坂他 p.241〜252“仮封につい
て”)、これを満足する材料或いは技術はなかった。例
えば、歯質との封鎖性能を向上すべく強く接着させる
と、優れた封鎖性は得られるものの、次の除去時には全
くとれなくなってしまうのが、従来の技術レベルであっ
た。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】本発明において解決す
べき課題は、仮封材として使用した際、除去性能を悪化
させることなく封鎖性の向上を達成することである。 【0017】すなわち、仮封材として使用した際に、窩
洞内への細菌の侵入を防止すべく窩洞を確実に封鎖し、
歯髄保護する特性を有し、除去時には探針で楽に一塊除
去できる、レジン系仮封材を提供することにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明は、液剤と粉剤と
からなるレジン系仮封材であって、ラジカル重合性単量
体に可塑剤と重合開始剤を配合してなる混合液体と、フ
ィラー粉体中に重合開始剤を配合してなる粉末からなる
レジン系組成物に、ロジンまたはサンダラック(松脂)
を配合することによって優れた封鎖性と除去性を両立し
たレジン系仮封材を完成するに到った。 【0019】 【発明の実施の形態】ロジンはマツ属諸種植物の分泌物
から精油を除いて得た固形樹脂のことであり、特に限定
されず、通常歯科用分野で使用されるものが使用でき
る。ロジン中の構成成分は90%の樹脂酸と10%の中
性物質からなる。樹脂酸の主成分(約90%)は加熱に
より異性化したアビエチン酸であり、他成分としてピマ
ール酸、イソピマール酸を含み、精油はほとんど含まな
い。尚、フランス産のものはピマール酸含量が高い。 【0020】サンダラックは、北アフリカ産Calli
tis guadivalvisの木幹から得られる透
明な樹脂で、歯科ではアルコール溶液として分離液また
プラスチック鋳型の保存に用いられ、サンダラックワニ
スとして知られている。構成成分の80%はピマール酸
であり、他成分はカリトロール酸やサンダリシン酸など
から成る。 【0021】これらのロジンまたはサンダラックを、ラ
ジカル重合性単量体100重量部に対し、1〜40重量
部配合することにより、乾燥した歯面とのヌレ性を向上
し、決して接着することなく、窩壁への密着性を向上さ
せるため、仮封期間中の優れた封鎖性を確保することが
でき、また除去時に探針で容易に除去できるという、相
反する臨床特性を両立可能とした。さらにロジンもサン
ダラックも、ラジカル重合性単量体や可塑剤との相溶性
が良く、一体化した硬化物の仮封材を得るのにも好都合
である。 【0022】ロジンまたはサンダラックの配合量がラジ
カル重合性単量体100重量部に対し、1重量部以下の
場合は、封鎖性能が低下し、漏洩を起こす。40重量部
よりも多い場合には、硬化時間が遅延したり、硬化物が
もろくなったりする結果、二次的に封鎖性が悪化するこ
とが確認されている。 【0023】ラジカル重合性単量体としては、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、デシルメタクリレー
ト、ドデシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、及びこれらのア
クリレートのような単官能性モノマーが主成分として最
適であるが、他に多官能性モノマー;ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、1,6−へキサンジオールジ
メタクリレート及びこれらのアクリレートのような脂肪
族二官能性モノマー、2,2−ビス(メタクリロキシジ
エチルフェニル)プロパンのような芳香族二官能性モノ
マー、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ぺ
ンタエリスリトリールメタクリレート、及びこれらのア
クリレートのような三官能性モノマー、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、グリシドールジメタクリレート及びこれらの
アクリレートのように水酸基を有するモノマーとトリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネー
トメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネー
トメチルベンゼン、メチレンビス(4−シクロヘキシル
イソシアネート)のようなイソシアネート化合物との付
加反応から得られるウレタン系ジ(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマーや、ポリエステル或いはポリアルキルウ
レタンジメタクリレートなどの、歯科材料の用途で一般
的に使用されるモノマーを使用することができる。これ
らのモノマーは必要に応じて1種または2種以上を組み
合わせて使用できる。 【0024】また、硬化物に可塑性をもたせるために添
加する可塑剤は、特に限定されず、通常歯科用分野に使
用されるものが使用できる。代表的なものを例示すれ
ば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブヂ
ルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタ
レート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタ
レート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチ
ルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等
のフタル酸エステル、ジブチルアジペート、ジブチルジ
グリコールアジペート、ジブチルセバチート、ジオクチ
ルセバチート、ジブチルマレエート、ジブチルフマレー
ト等のフタル酸以外の二塩基酸エステル、グリセロール
トリアセテート等のグリセリンエステル、トリブチルホ
スフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート等のリン酸エステル等である。上記エステ
ル類のうち脂肪族エステルは、炭素原子数1〜12好ま
しくは1〜8のものが好ましい。特に上記記載の可塑剤
のうちフタル酸エステルは好適である。これらの可塑剤
は必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて使用
すればよい。 【0025】可塑剤の配合量は、ラジカル重合性単量体
100重量部に対して、20〜120重量部が好適であ
り、20重量部よりも少ないと、硬化物が硬すぎ、除去
困難となる。120重量部を超えると、硬化時間が遅延
し、硬化物も軟弱になり臨床使用できなくなる。 【0026】フィラー粉体としては、重合反応を阻害し
ないものであれば、無機物粉体、有機物粉体、有機−無
機複合物粉体など何でもよく、また、それらを組み合わ
せて混合したものでもよい。代表的なものを具体的に示
せば、粉砕石英、湿式シリカ、乾式シリカ、カーボンブ
ラック、ケイソウ土、ガラス繊維、アルミナ、マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネ
シウム、粉末ポリマー、複合フィラー(無機酸化物とポ
リマーの複合体を粉砕したもの)などが挙げられる。 【0027】硬い無機物フィラーを多く配合すると、仮
封材除去時に探針が刺さりにくくなったり、仮封材硬化
物が硬くなりすぎ、除去困難になる。従って、なかでも
軟らかい有機物粉体がより望ましく、代表的なものを具
体的に示せば、ポリメチルメタクリレートとポリエチル
メタクリレート、ポリブチルメタクリレート、メチルメ
タクリレートとエチルメタクリレートの共重合体、エチ
ルメタクリレートとイソブチルメタクリレートの共重合
体、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレンの共重合体、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリビニルステアリン酸などが
挙げれられる。なかでも、ポリエチルメタクリレート単
独あるいはメチルメタクリレートとエチルメタクリレー
トの共重合体は好適である。 【0028】本発明に使用される重合硬化剤は、一般に
ラジカル機構により重合するモノマーに対して用いられ
るものであれば特に制限されない。 【0029】フィラー粉体の配合量については特に限定
されず、ラジカル重合性単量体と可塑剤とからなる液体
をぺースト化するのに要する量があれば良い。 【0030】重合開始剤には、有機過酸化物と第3級ア
ミンからなるレドックス系重合開始剤、及び光重合開始
剤が使用できる。 【0031】本発明における化学重合に関する重合開始
剤は、有機過酸化物と第3級アミンからなるレドックス
系重合開始剤が最適であり、有機過酸化物には主に過酸
化べンゾイル(BPO)が使用される。また、第3級ア
ミンとしては、芳香族第3級アミンが有効であり、N,
N−ジメチル−P−トルイジン、N,N−ジヒドロキシ
エチル−P−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン等
が挙げられる。この重合開始剤の配合量は、0.1〜5
重量部が好適である。0.1重量部未満の場合、組成物
は速やかな硬化がみられず、5重量部より多く配合して
も硬化促進効果は期待できず、むしろ保存安定性に問題
が生じ好ましくない。光重合型レジン系仮封材の製造に
際しては、カンファーキノン/4−ジメチルアミノ安息
香酸エチル系、カンファーキノン/4−ジメチルアミノ
ベンゾフェノン系、カンファーキノン/芳香族スルフィ
ン酸塩系、カンファーキノン/2−メルカプトベンゾキ
サゾール系、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイドなどの光重合型の開始剤が好
適に用いられている。 【0032】本発明の歯科用レジン系仮封材の使用方法
は、基本的には従来のレジン系仮封材と同様に使用でき
る。すなわち、歯牙に窩洞形成した後、液剤と粉剤を筆
積み法により混合しペーストを作り、速やかに窩洞内に
充填する。筆積み法とは、小筆を液剤に浸した後、筆先
を粉剤に入れ、円を描くように筆を動かしペースト玉を
つくり、窩洞に填入する方法である。充填したぺースト
は数分で硬化する。硬化前の軟らかいうちに患者に咬ん
でもらい、余剰のペーストをトリミングし咬合調整を行
なう。 【0033】また、有機過酸化物と第3級アミンを別々
のペースト/ペーストに配合し、使用に際してこれらペ
ーストを練和して窩洞内に充填しても良い。 【0034】また光重合レジン系仮封材の場合は、ペー
ストをシリンジから取り出し充填器等で窩洞内に速やか
に充填し、可視光線照射器により20〜60秒間光照射
し、硬化を完了する。なお、次回の治療時に仮封材を窩
洞から除去するまでの期間、その窩洞は細菌の侵入より
汚染されることなく無菌清浄状熊を維持できる。 【0035】 【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0036】[封鎖性および除去性試験方法]新鮮抜去
牛歯(前歯)の歯冠部(エナメル質)および歯根部(象
牙質)に4mm×5mm×3mmのボックス窩洞を注水
下で形成し、水洗、乾燥後、処方した仮封材を充填し
た。仮封材硬化後、37°Cの水中に24時間放置し、
60°Cおよび4°Cの水中に各1分間浸漬する熱サイ
クルを50回くり返した。牛歯は50%硝酸銀水溶液に
2時間浸漬後、水洗、乾燥後、写真用現像液に2時間浸
漬し銀を遊離させた。 【0037】臨床現場での方法と同様、歯科用探針を仮
封材に挿入したときの抵抗感、さらに楽に一塊で除去で
きるかどうかの実践的感覚により除去性の評価をおこな
った。仮封材除去後、窩洞内に浸透した銀(黒色)を肉
眼で確認し、窩洞内に占める黒色部分の面積%を測定し
た。 【0038】[硬化時間の測定法]仮封材のペーストを
円筒形金型(直径6mm、高さ5mm)に填入し、37
°C恒温器内に放置後、ビカー針を仮封材表面に落とし
た時、針跡を残さなくなるまでの時間を測定し硬化時間
とした。 【0039】[実施例1〜10、比較例1〜10]表1
に示した粉末組成を均一に分散混合し、実施例1〜1
0、比較例1〜10に適用すべく、粉剤を調製した。表
2に記載した液剤に小筆を浸け、筆先を粉剤に入れ、円
を描くように筆を動かしペースト玉を作り、速やかに窩
洞内に充填する筆積み法により、封鎖性と除去性の評価
をおこなった。 【0040】 【表1】【表2】 [結果]実施例1〜10の処方はすべて封鎖性にすぐ
れ、探針で楽に一塊で除去できた。いずれの硬化時間も
適切(2分〜3分)であった。 【0041】 【表3】 [結果]ロジンまたはサンダラックを配合しない処方
(比較例1〜6)、配合量の少ない処方(比較例7、
8)では、硬化時間(2分〜3分)、除去性ともに満足
するものの封鎖性に劣っていた。また、逆に配合量が多
すぎると(比較例9、10)硬化時間が大幅に遅延し
(約4分)、その結果封鎖性能も低下していた。 【0042】[実施例11〜16および比較例11]表
4に記載の光重合1ペースト仮封材を調製し、牛歯窩洞
内に充填し可視光線照射器(オプティラックス400:
米国デメトロン社製)にて40秒間光照射してペースト
を硬化させ、前記と同様な封鎖性試験および除去性試験
を実施した。 【0043】 【表4】[結果]ロジンまたはサンダラックを配合しない処方
(比較例11)では、封鎖性に劣っており、ロジンまた
はサンダラックが封鎖性能に大きく寄与することが確認
された。実施例11〜16の光重合1ペースト仮封材は
すべて封鎖性能に優れ、また探針を用いての除去性能も
優れていた。 【0044】 【発明の効果】 (1)封鎖性と除去性能にすぐれた仮封材を得ることが
できる。 【0045】(2)その除去に際しては、鎖、探針で楽
に一塊で除去できる。 【0046】(3)封鎖性に優れるため、冷水による知
覚過敏や咬合痛を起こさない。 【0047】(4)患者が次回来院するまで、仮封材の
脱離がない。 【0048】(5)仮封材除去後、窩洞内にプラークが
溜まらず腐敗臭がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−65020(JP,A) 特開 平2−144069(JP,A) 特開 平2−101007(JP,A) 特開 昭62−61909(JP,A) 社団法人 歯科理工学会 編集,歯科 理工学,1971年 5月30日,p.302− 303 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 6/08 A61K 6/083

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ラジカル重合性単量体、フィラー、可塑
    剤および重合開始剤からなるレジン系組成物において、
    ロジンまたはサンダラックをラジカル重合性単量体10
    0重量部に対し、1〜40重量部含有してなることを特
    徴とする歯科用レジン系仮封材組成物。
JP07915396A 1996-04-01 1996-04-01 歯科用レジン系仮封材組成物 Expired - Lifetime JP3418056B2 (ja)

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