JP5652591B2 - 搬送ホイール用容器回動抑制機構 - Google Patents
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Description
容器Cはグリッパーによって把持されて、ホイールと共に回転しながら搬送されるが、容器Cは必ずしも図8に示すように整然と並んで搬送されることは希であり、一般的には、容器Cは自身の中心軸まわりに回動する(容器Cの方向がバラバラになる)。その様子を図11において説明する。ここで、殺菌部から容器Cが整然と並んで搬送されてきたものと仮定する。容器Cには、たとえ空容器でも質量(重量)があるため、慣性モーメントがあり、慣性の作用で、容器Cは今ある状態を保とうとする。つまり、図11の殺菌部から第1ホイールに移るところ(図11(a)のG、及び同(b)のE)では、容器胴部(平坦部)CBの面がほぼ垂直な方向(図中のS)を向いている。従って、グリッパーの把持力がタイミング良く十分強い場合は、図11(a)では、受け渡し後の容器胴部(平坦部)CBの垂直2等分線は、第1ホイール10の中心Oを向いて、容器の回動は無い。しかし、グリッパーの把持力が、弱い場合、又は把持力が作用するタイミングが遅い場合は、受け渡し時の容器(図11(b)のE)は今の状態を保とうとし、受け渡し直後の容器(図11(b)のF)の平坦部CBも垂直な方向(図中のS)を向き、グリッパ−内で容器が中心軸回りに回動し、容器の方向は図11(b)のXに示すように、バラバラになる。容器胴部(平坦部)CBの垂直2等分線は、第1ホイールの中心Oからずれてしまう。
上述したように、第1グリッパー11の把持力が十分強い場合は容器は回動しない。従って、容器の回動防止の観点からは、グリッパーの把持力は十分強い方が好ましい。しかしながら、実際は、容器のネックリング下部やカブラ下部の強度の限界、容器への疵付問題や、更には疵から発生する塵の観点から、グリッパーの把持力を十分強く設定することはあまり好ましくない。そのため、実際のグリッパーの把持力は、上記観点を考慮した適度な強さに調整されている。その結果、従来のホイールでのグリッパーによる搬送では、容器の方向はバラバラになる傾向にあり、下流の搬送経路での容器詰まり、容器と設備との干渉による容器への傷や凹みが発生することになる。
ところで、このようにホイールによる搬送途中で容器が回転され容器の方向がバラバラになることを防止するために、充填機入り口ホイールの外周に、異形容器の代表寸法に近い直径の軟質材からなる円板状方向規制ガイドを距離を隔てて二箇所に配設しておき、前記ホイールによって移送されてきた異形容器の胴部の短辺から角部にかけて、或いは、当該容器胴部外周の最小曲率の部分近傍が前記方向規制ガイドに接触する際に、前記方向規制ガイドの押し圧力と摩擦力によって当該接触部分が座屈変形することなく、単に当該異形容器全体が前記方向規制ガイド上を転がり超えるように、当該方向規制ガイドの配置寸法並びに厚さ等を調整することとした異形容器の方向修正装置が公知となっている(例えば、引用文献1を参照。)。
同文献によると、上記異形容器の方向修正装置では、前記主ガイドは異形容器の方向転換を行い、一方、前記副ガイドはネックグリッパーの把持トルクによる抵抗で同主ガイドによる転換角度が不十分の場合に備えて更に角度修正を行い、規定値以下の後退角度に収める機能を持たせ、ネックグリッパーの把持トルクのバラツキに備えた付加的な方向規制ガイドである旨が記載されている。また、副ガイドは、主ガイドより若干後退した位置であって、且つまた、修正後の異形容器の後退角が、充填機の充填品質基準に合致するような範囲内に収まる位置に調整する旨が記載されている(特許文献1[0003]〜[0004]を参照。)。
また、この充填品質基準に合致する角度範囲としては、一例として前進角、後退角を問わず搬送方向に対して20度以内が推奨される旨が記載されている。また、上記方向規制ガイドの材質には、弾力性と耐摩耗性の観点から合成ゴム(例えば、フッ素ゴム)等が使用される旨が記載されている(特許文献1[0005]を参照。)。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は容器がグリッパーによって把持されホイール搬送される全区間およびホイール間を受け渡される区間を通して、容器の回動を確実に抑制して容器の方向がバラバラになることを防ぐことが出来る搬送ホイール用容器回動抑制機構を提供することである。
前述したように、容器はホイールの外周部に設けられたグリッパーによって把持された状態で、ホイールと共に回転しながら搬送される。容器のネックリング下部又はカブラ下部がグリッパーによって十分に把持された状態では、容器を回動する力は生じない。しかし、例えば、第1ホイールから第2ホイールの受渡しでは、前述した慣性モーメントの働きで、第1ホイールでの容器の状態を保とうとし、容器胴部(平坦部)CBは第1ホイールの中心を向いたままの状態を保とうとする。先ず第1ホイールのグリッパーが容器を把持したまま(把持力を付加したまま)第2ホイールのグリッパーが閉じ始め、容器を把持したと同時に、第1ホイールのグリッパーが開き、容器を開放する。上記受け渡しは同時が理想的であるが、現実には、把持力がオーバーラップしたり、どちらの把持力も全く加わらないフリーの期間も発生し得る。このタイミングの差や、把持力の程度の違いにより、容器の平坦部CBの向きにバラツキが発生する。受け渡し終了後は、グリッパーの把持力が十分強ければ、上記バラツキは増大しない。しかし、疵付き、潰れの観点からは、グリッパーの把持力は弱い方が良く、理想的には把持力は“零”で搬送することが望ましいが、その場合容器の向きのバラツキは更に増大し好ましくない。
そこで、上記搬送ホイール用容器回動抑制機構では、ホイール搬送の全区間を通して、各容器胴部にホイールの径方向内側から部分円弧状プレートの径方向外側面に設けた平坦部から成る回動抑制部材を当接又は近接させることにより、容器の中心軸回りの回動を抑制し、或いはその回動を最小限に抑えるようにした。
上記搬送ホイール用容器回動抑制機構では、上記形態で上記部材を容器胴部の平坦部に当接又は近接させることによって、より好適に容器の中心軸回りの回動を抑制し、或いはその回動を最小限に抑えることが可能となる。
この容器回動抑制機構付きネック搬送システム100は、容器Cの中心軸回りの回動を抑制する容器回動抑制機構12,22を備えた複数のホイール、例えば第1ホイール10及び第2ホイール20を具備して構成される。同ネック搬送システム100は、ホイール毎に交互に容器Cのネックリング下部又はカブラ下部をグリッパーによって掴んで搬送するネック搬送方式を採用するが、各ホイールが容器回動抑制機構を備えるため、ホイール間での容器Cの受渡しの際、および容器Cのホイール搬送の全区間を通して容器Cの中心軸回りの回動を好適に抑制することが出来る。なお、本実施形態で使用される容器Cは、胴部断面形状の四隅がR加工された長方形の容器である。
第1容器回動抑制機構12は、第1グリッパー11が取り付けられたグリッパー取付リング13にスリーブ16を介してボルト15及びナット17によって締結されている。また、第1容器回動抑制機構12の容器胴部CBに対する当接又は近接する位置については、スリーブ16の取り付け位置や長さを調整することによって変えることが可能である。
第2容器回動抑制機構22は、ロアリング24にスリーブ26を介してボルト25及びナット27によって締結されている。また、同回動抑制機構22の容器胴部CBに対する当接又は近接する位置については、上記第1容器回動抑制機構12と同様に、スリーブ26の取り付け位置や長さを調整して上記当接又は近接する位置を変えることが可能である。さらに第2容器回動抑制機構22を、ロアリング24に設けることによって、既存のホイールの空きスペースを利用出来るため、本機構の導入に係るトータルコストを低く抑えることが出来る利点がある。
第2容器回動抑制機構22は、第2ホイール20の構体であるロアリング24の一部に容器胴部CBに当接又は近接する平坦部22aが、一つの円弧状プレートにつき3個設けられた機構である。また、平坦部22aはホイールの中心と各グリッパーの中心を結ぶ直線に直交する面構造を成している。更に平坦部22aは、各第2グリッパー21の下方に配置され、容器胴部CBに当接又は近接している。また、当接幅ΔWについては、容器胴部CBの長辺の長さをLとする場合、
0<ΔW≦L
が好ましい。更に好適には
0.5L≦ΔW≦L
とすることが望ましい。
平坦部22aを上記構成とすることによって、容器Cはこの平坦部22aによってホイール搬送の全区間およびホイール間の受け渡し区間において容器中心軸AC回りの回動を好適に抑制される。
また、上記の容器回動抑制部材の材質については、例えばナイロン樹脂である。
上記第2容器回動抑制機構22は、部分円弧状プレートの径方向外側面に部分に平坦部22aが形成されていたが、この第3容器回動抑制機構32では、部分円弧状プレートの径方向外側面が平坦部32aによって形成されている。平坦部32aをこのように構成することによって、平坦部32aを容器胴部CBの長辺全体に当接又は近接させることが可能となり、容器Cはこの平坦部32aによってホイール搬送の全区間およびホイール間の受け渡し区間において容器中心軸AC回りの回動をより好適に抑制される。
図11は従来のネック搬送システムで、図11(a)には、理想的なネック搬送の状態を示している。しかし、グリッパーの把持力を強力にするには制限があることや、グリッパーからグリッパーへの受け渡しのタイミングを完全に一致させることは困難であることから、図11(b)では、主にグリッパー着脱時に容器が回動することを説明している原理図である。
0.05BH≦dH≦0.2BH
が好ましい結果を得ている。上記図6と同様に、図7も容器回動抑制部材は各ヘッド毎に独立した型としたが、図4に示すような3連型でも回動抑制効果に変わりはない。
また、同回動抑制機構12,22,32は部分円弧状プレートの径方向外側面に容器胴部CBに当接する平坦部が設けられた極めて簡素な機構であり、既存ホイールの空きスペースにボルト及びナットによって締結される機構である。従って、同容器回動抑制機構12,22,32の導入に際し、既存のホイールをそのまま流用することが出来るため、本機構導入に係るトータルコストを低く抑えることが可能となる。
11 第1グリッパー
12 第1容器回動抑制機構
12a 容器回動抑制部材の平坦部
13 グリッパー取付リング
14 アッパーリング
15,25 ボルト
16,26 スリーブ
17,27 ナット
20 第2ホイール
21 第2グリッパー
22 容器回動抑制機構
22a 容器回動抑制部材の平坦部
23 アッパーリング
24 ロアリング
32 第3容器回動抑制機構
32a 容器回動抑制部材の平坦部
100 本発明に係る容器回動抑制機構付きネック搬送システム
500 従来のネック搬送システム
Claims (2)
- ホイール中心から放射状に外周部に設けられたグリッパーによって容器のネックリング下部又はカブラ下部を把持しながら該容器を搬送する容器搬送ホイールにおいて、該ホイール搬送の全区間を通して該ホイールの半径方向内側から前記各容器胴部に当接又は近接し、部分円弧状プレートの径方向外側面に設けた平坦部から成る回動抑制部材を、前記グリッパーの下方位置に設けたことを特徴とする搬送ホイール用容器回動抑制機構。
- 前記回動抑制部材は、前記ホイールの中心と各グリッパーの中心を結ぶ直線に直交する平坦面構造を有する請求項1に記載の搬送ホイール用容器回動抑制機構。
Priority Applications (1)
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JP2010014023A JP5652591B2 (ja) | 2010-01-26 | 2010-01-26 | 搬送ホイール用容器回動抑制機構 |
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JP2010014023A JP5652591B2 (ja) | 2010-01-26 | 2010-01-26 | 搬送ホイール用容器回動抑制機構 |
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-
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