JP5652246B2 - 一液性熱硬化型樹脂組成物、それを用いた電子部品の製造方法、および電子部品 - Google Patents

一液性熱硬化型樹脂組成物、それを用いた電子部品の製造方法、および電子部品 Download PDF

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本発明は、一液性熱硬化型樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、主剤であるエポキシ樹脂と、イミダゾール化合物とを含む一液性熱硬化型樹脂組成物に関する。
また本発明は、その一液性熱硬化型樹脂組成物を用いた電子部品の製造法方法、さらに電子部品に関する。
従来から、接着剤や封止剤として、一液性熱硬化型樹脂組成物が用いられている。
一液性熱硬化型樹脂組成物は、主剤となる液体の樹脂組成物の中に、固体(粉末)の硬化剤と硬化促進剤とを分散させておき、加熱されることにより硬化剤が固体から液体になると、主剤である樹脂組成物と硬化剤とが反応して硬化が開始するものである。硬化促進剤は、上記硬化を促進し、硬化開始から硬化が進んで流動性がなくなるまでの時間、いわゆるゲルタイムを短縮するために、また低い加熱温度でも硬化するようにするために添加されている。
このような一液性熱硬化型樹脂組成物として、特許文献1(特開平2−89613号公報)に記載されたものがあり、主剤としての樹脂組成物にはエポキシ樹脂が、硬化剤にはジシアンジアミドが、硬化促進剤にはイミダゾールがそれぞれ用いられている。
しかしながら、この組み合わせでは、ゲルタイムが充分に短いものにはならない。
たとえば、主剤としてジャパンエポキシレジン(株)製のエポキシ樹脂(品番:YL980)100重量部と、硬化剤として同じくジャパンエポキシレジン(株)製のジシアンジアミド(品番:DICY7)10重量部と、硬化促進剤として四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:2P4MHZ−PW)3重量部とを配合したところ、ゲルタイムは64秒、ガラス転移点は155℃であった。
この64秒というゲルタイムは、接着剤や封止剤として使用した場合(たとえば、電子部品の製造工程において、表面に圧電素子を実装したセラミック製の基板に金属製キャップを接合する接着剤として使用してセラミック発振子を製造した場合)、必ずしも短い時間ではなく、生産性が低く、短縮が望まれるものであった。
さらに、この従来の一液性熱硬化型樹脂組成物は、硬化剤にジシアンジアミドが用いられていることに起因して、電子部品を製造する際の接着剤に使用した場合に、極めて稀ではあるが、電子部品がAgマイグレーションを起こして故障の原因となることがあった。
たとえば、上記のように、セラミック発振子の製造にあたり、両主面にAg電極を備えた圧電素子を表面に実装したセラミック製の基板と、金属製キャップとを接合する接着剤として使用した場合、完成したセラミック発振子を使用した際に、一方の電極を構成するAgが圧電素子を通り抜けて他方の電極にまで至り、両者の間が短絡することがあった。
このメカニズムは必ずしも明確ではないが、次の推測がなされている。
1)セラミック発振子が完成した後、基板と金属キャップの接着剤として使用した一液性熱硬化型樹脂組成物が何らかの原因により吸湿する。
2)そのセラミック発振子をリフロー半田によりプリント回路基板に実装して電子機器を製造する際に、セラミック発振子の基板と金属キャップで構成される密封空間内に、熱硬化型樹脂組成物から水分が放出される。
3)熱硬化型樹脂組成物から水分が放出されたときに、圧電素子の表面に、何らかの原因により一液性熱硬化型樹脂組成物の硬化剤として使用したジシアンジアミドが付着していると、ジシアンジアミドが水分を吸着して、圧電素子の表面に水分が濡れ広がる。
4)圧電素子の表面に水分が付着した状態で、セラミック発振子が使用され、圧電素子の両Ag電極間に電圧印加がなされることによりAgのマイグレーションが起こる。
特開平2−89613号公報
本発明は、上記した従来の一液性熱硬化型樹脂組成物が有する問題点を解決するためになされたものであり、ゲルタイムが短い一液性熱硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、基板と金属キャップとの接合に要する時間が短く、生産性の高い電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、使用時にAgマイグレーションを起こすことのない電子部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一液性熱硬化型樹脂組成物は、主剤となるエポキシ樹脂と、常温で固体であり、それぞれ化学構造が異なる、第1のイミダゾール化合物と、第2のイミダゾール化合物とを含んでなり、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物は、主剤となるエポキシ樹脂100重量部に対し、合計で6〜26重量部含まれており、かつ、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との重量比が、5/11〜11/5となるようにした。
なお、エポキシ樹脂100重量部に対し、さらに、カーボンブラックが3〜20重量部含まれるようにしても良い。この場合には、この一液性熱硬化型樹脂組成物を、電子部品の基板と金属キャップとの接合などに用いた場合に、光が接合部分を透過するのを防止することができる。
また、本発明の電子部品の製造方法は、基板と金属キャップとの接合に、上記した本発明の一液性熱硬化型樹脂組成物を用いるようにした。
さらに、本発明の電子部品は、上記した本発明の電子部品の製造方法により製造するようにした。
本発明の一液性熱硬化型樹脂組成物は、上記の構成としたことにより、ゲルタイムが短く、接着剤や封止剤等として使用した場合に、非常に使い勝手が良い。
また、本発明の電子部品の製造方法は、基板と金属キャップとの接合に、ゲルタイムの短い一液性熱硬化型樹脂組成物を用いているため、基板と金属キャップとの接合に要する時間が短く生産性が高い。
さらに、本発明の電子部品は、基板と金属キャップとの接合に接着剤として用いられる一液性熱硬化型樹脂組成物に、Agマイグレーションに対して影響を与えるおそれのある物質を含んでいないため、使用時にAgマイグレーションを起こすことがない。
実験例3の各実施例および比較例のゲルタイム、ガラス転移点を示すグラフである。 実験例6の各実施例および比較例のゲルタイム、ガラス転移点を示すグラフである。 本発明の第4の実施形態にかかる電子部品の製造方法、および電子部品を示す分解斜視図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物について説明する。
第1の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物では、主剤となる樹脂組成物として、ジャパンエポキシレジン(株)製のエポキシ樹脂(品番:YL980)を用意した。
また、第1のイミダゾール化合物として、四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:2MAOK−PW)を用意した。この第1のイミダゾール化合物の化学構造は化1のとおりである。この第1のイミダゾール化合物の融点は260℃である。
Figure 0005652246
さらに、第2のイミダゾール化合物として、四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:2P4MHZ−PW)を用意した。この第2のイミダゾール化合物の化学構造は化2のとおりである。この第2のイミダゾール化合物の融点は191〜195℃である。
Figure 0005652246
次に、主剤となる液体のエポキシ樹脂100重量部を容器に入れ、ここに固体(粉体)の第1のイミダゾール化合物8重量部と、同じく固体(粉体)の第2のイミダゾール化合物8重量部を添加して攪拌し、第1の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
なお、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物とは、エポキシ樹脂100重量部に対し合計で6〜26重量部であれば良く、かつ、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との重量比は5/11〜11/5であれば良い。
この一液性熱硬化型樹脂組成物は、加熱することにより、固体(粉体)の第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物とがそれぞれ溶融し、液体となり、主剤となるエポキシ樹脂と反応して硬化が開始する。
化1および化2からわかるように、第1のイミダゾールと第2のイミダゾールとは、化学構造が異なる。そして、第1のイミダゾール化合物は、主剤であるエポキシ樹脂に対する硬化剤として機能するとともに、主剤であるエポキシ樹脂と第2のイミダゾールとの硬化反応に対する硬化促進剤として機能すると考えられる。逆に、第2のイミダゾール化合物は、主剤であるエポキシ樹脂に対する硬化剤として機能するとともに、主剤であるエポキシ樹脂と第1のイミダゾールとの硬化反応に対する硬化促進剤として機能すると考えられる。
この結果、本発明のゲルタイムは従来のものより短くなっており、この一液性熱硬化型樹脂組成物のゲルタイムを熱板法(160℃)で測定したところ33秒であった。ゲルタイムは、電子部品等を製造する際の接着剤や封止剤として使用する場合の生産性を考慮すると、通常50秒以下であることが要求されるが、本実施形態においては満足する値を得ることができた。
また、この一液性熱硬化型樹脂組成物のガラス転移点〔50mm×10mm×1mmの硬化物に対し、動的粘弾性測定(1Hz、5℃/分)における貯蔵弾性率が急激に低下する温度〕を測定したところ、160℃であった。ガラス転移点が低いと、例えば、この一液性熱硬化型樹脂組成物を接着剤として基板と金属キャップとの接合に使用した電子部品を、電子機器を製造するにあたりリフロー半田によりプリント回路基板に実装した際に、リフローの熱により基板と金属キャップで形成される空間気体が膨張するのに耐えることができず、基板と金属キャップの接合が外れるおそれがある。したがって、ガラス転移点は、低くても140℃を超えることが求められるが、本実施形態においては満足する値を得ることができた。
上記のとおり、本実施形態の一液性熱硬化型樹脂組成物は、ゲルタイムが短く、
接着剤や封止剤等として使用した場合に、非常に使い勝手が良い。また、ガラス転移点も、実用上、問題のない温度を満たしている。
(実験例1)
まず、本発明との比較のため、従来の一液性熱硬化型樹脂組成物を比較例1〜3として、ゲルタイムとガラス転移点とを上記と同様に調べた。このとき、比較例1〜3としては、背景技術で説明したものと同じく、主剤としてジャパンエポキシレジン(株)製のエポキシ樹脂(品番:YL980)、硬化剤として同じくジャパンエポキシレジン(株)製のジシアンジアミド(品番:DICY7)、硬化促進剤として四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:2P4MHZ−PW)を用いた。
また、基板上に形成されたAg電極上にセラミック発振子を実装し、このセラミック発振子を封止するように、本実施形態の一液性硬化型樹脂組成物を接着剤として金属キャップを接合したものを用い、湿度85%、温度85℃の容器に入れて1000時間放置した後、260℃、30秒間のリフロー半田により、プリント回路基板に実装し、1000時間連続で動作させたうえで、Ag電極間のAgマイグレーションの発生の有無を調べた。
その結果を表1に示す。なお、表1においては、Agマイグレーションが生じなかったものを「○」、Agマイグレーションが生じたものを「×」とした(表2〜表7においても同じ)。
Figure 0005652246
比較例1は、主剤100重量部、硬化剤10重量部、硬化促進剤3重量部とした(背景技術で説明したものと同一の配合量)。この配合量は、この組成組み合わせにおいて、従来から一般的に用いられているものである。比較例1のゲルタイムとガラス転移点とを、第1の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物を測定したのと同様の方法で測定した(以下同じ)。比較例1のゲルタイムは64秒、ガラス転移点は155℃であった。ガラス転移点155℃は実用上問題のない温度であるが、ゲルタイム64秒は、生産性が良いとはいえず、硬化剤としてジシアンジアミドを使用しているため、Agマイグレーションも発生した。
ゲルタイムを短縮すべく、硬化促進剤を増量した。主剤および硬化剤の量は比較例1と変えず、比較例2では硬化促進剤を5重量部、比較例3では硬化促進剤を10重量部とした。この結果、比較例2のゲルタイムは49秒、ガラス転移点は158℃、比較例3のゲルタイムは41秒、ガラス転移点は160℃であり、ゲルタイムの短縮効果は表れたものの、硬化剤としてジシアンジアミドを使用しているため、比較例1と同じくAgマイグレーションが発生した。
(実験例2)
次に、第1の実施形態と同じく、主剤としてジャパンエポキシレジン(株)製のエポキシ樹脂(品番:YL980)、第1のイミダゾール化合物として四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:2MAOK−PW)、第2のイミダゾール化合物として四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:2P4MHZ−PW)からなる一液性熱硬化型樹脂組成物において、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との配合比を1/1としつつ、その合計量を変化させて、ゲルタイム、ガラス転移点、およびAgマイグレーションの有無とを調べた。その結果を表2に示す。
Figure 0005652246
表2からわかるように、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量が主剤100重量部に対して6〜26重量部である実施例1〜3は、ゲルタイムが30〜45秒、ガラス転移点が155〜165℃であり、いずれも良好であった。
これに対し、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量が4重量部である比較例4は、硬化剤としての絶対量が不足しているため、ゲルタイムが68秒と長く、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物とを使用したことによるゲルタイム短縮効果が見られない。また、ガラス転移点も実施例1〜3に比べて低く、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物のぞれぞれが本来有しているガラス転移点の高さを損なう結果となるため好ましくない。
一方、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量が主剤100重量部に対して30重量部である比較例5は、ゲルタイムの短縮効果は見られるものの、硬化剤としての絶対量が過剰であるため、ガラス転移点が実施例1〜3に比べて低く、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物のそれぞれが有するガラス転移点の高さを損なう結果となるため好ましくない。
以上より、本発明においては、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量を、主剤100重量部に対して6〜26重量部とした。
なお、実験例2の実施例1〜3および比較例4、5は、硬化剤としてジシアンジアミドを使用していないため、いずれもAgマイグレーションは発生しなかった。
(実験例3)
次に、上述した実験例2の実施例2と同じく、主剤を100重量部とし、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量を16重量部としたうえで、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の重量比を変化させた。その結果を表3および図1に示す。
Figure 0005652246
第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との重量比が5/11〜11/5である実施例4〜7においては、ゲルタイムおよびガラス転移点はいずれも良好であった。なお、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との添加量が同じものは、上述した実験例2の実施例2と同じであるため、実験例3では説明を省略する。
これに対し、比較例6〜9のように、両者の配合比が5/11〜11/5の範囲外になると、いずれも実施例4〜7に比べてゲルタイムの短縮効果が低く好ましくない。
以上より、本発明においては、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との配合比を5/11〜11/5とした。
なお、実験例3の実施例4〜7および比較例6〜9においても、硬化剤としてジシアンジアミドを使用していないため、いずれもAgマイグレーションは発生しなかった。
(実験例4)
さらに、主剤を100重量部としたまま、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の配合量を変え、ゲルタイム、ガラス転移点、およびAgマイグレーションの有無とを調べた。その結果を表4に示す。
Figure 0005652246
実施例8〜13は、いずれも本発明の範囲内にあるが、いずれも良好なゲルタイムとガラス転移点を備えている。
なお、実験例4の実施例8〜13においても、硬化剤としてジシアンジアミドを使用していないため、いずれもAgマイグレーションは発生しなかった。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物について説明する。
第2の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物では、主剤となる樹脂組成物として、第1の実施形態と同じく、ジャパンエポキシレジン(株)製のエポキシ樹脂(品番:YL980)を用意した。
また、第1のイミダゾール化合物も、第1の実施形態と同じく、四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:2MAOK−PW)を用意した。
第2の実施形態においては、第2のイミダゾール化合物として、新たに四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:C11Z−A)を用意した。この第2のイミダゾール化合物の化学構造は次のとおりである。なお、この第2のイミダゾール化合物の融点は187〜195℃である。
Figure 0005652246
次に、主剤となる液体のエポキシ樹脂100重量部を容器に入れ、ここに固体(粉体)の第1のイミダゾール化合物8重量部と、同じく固体(粉体)の第2のイミダゾール化合物8重量部を添加して攪拌し、第2の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
なお、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物とは、エポキシ樹脂100重量部に対し合計で6〜26重量部であれば良く、かつ、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との重量比は5/11〜11/5であれば良い。
この一液性熱硬化型樹脂組成物のゲルタイムとガラス転移点を第1の実施形態と同様にして測定した。ゲルタイムは33秒、ガラス転移点は148℃であり、いずれも良好であった。
(実験例5)
第3の実施形態にかかる一液性熱硬化樹脂組成物において、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との配合比を1/1としつつ、その合計量を変化させて、第1の実施形態と同様にして、ゲルタイム、ガラス転移点、およびAgマイグレーションの有無を測定した。
その結果を、表5に示す。
Figure 0005652246
表5からわかるように、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量が主剤100重量部に対して6〜26重量部である実施例14〜16は、ゲルタイムが28〜40秒、ガラス転移点が141〜148℃であり、いずれも良好であった。
これに対し、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量が、主剤100重量部に対して4重量部である比較例10は、硬化剤としての絶対量が不足しているため、ゲルタイムが61秒と長く、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物とを使用したことによるゲルタイム短縮効果が見られない。また、ガラス転移点も実施例14〜16に比べて低く、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物のぞれぞれが本来有しているガラス転移点の高さを損なう結果となるため好ましくない。
一方、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量が30重量部である比較例11は、ゲルタイムの短縮効果は見られるものの、硬化剤としての絶対量が過剰であるため、ガラス転移点が実施例14〜16に比べて低く、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物のぞれぞれが有するガラス転移点の高さを損なう結果となるため好ましくない。
以上より、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量を、主剤100重量部に対して6〜26重量部とすることが妥当であるとわかる。
なお、実験例5の実施例14〜16および比較例10、11においても、硬化剤としてジシアンジアミドを使用していないため、いずれもAgマイグレーションは発生しなかった。
(実験例6)
次に、上述した実験例5の実施例15と同じく、主剤を100重量部とし、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の合計量を16重量部としたうえで、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物の配合比を変化させた。その結果を表6および図2に示す。
Figure 0005652246
第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との重量比が5/11〜11/5である実施例17〜20においては、ゲルタイムおよびガラス転移点はいずれも良好であった。なお、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との添加量が同じものは、上述した実験例5の実施例15と同じであるため、実験例6では説明を省略する。
これに対し、比較例12〜15のように、両者の配合比が5/11〜11/5の範囲外になると、比較例12、13では、実施例17〜20に比べてガラス転移点が低く、また、ゲルタイムの短縮効果も低く好ましくなく、比較例14、15では、実施例17〜20に比べてゲルタイムの短縮効果が低く好ましくない。
以上より、第2の実施形態においても、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との配合比を5/11〜11/5とすることが妥当であるとわかる。
なお、実験例6の実施例17〜20および比較例12〜15においても、硬化剤としてジシアンジアミドを使用していないため、いずれもAgマイグレーションは発生しなかった。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物について説明する。
第3の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物では、主剤となる樹脂組成物として、第1の実施形態と同じく、ジャパンエポキシレジン(株)製のエポキシ樹脂(品番:YL980)を用意した。
また、第1のイミダゾール化合物も、第1の実施形態と同じく、四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:2MAOK−PW)を用意し、第2のイミダゾール化合物も、第1の実施形態と同じく、四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物(品番:2P4MHZ−PW)を用意した。
さらに、第3の実施形態においては、カーボンブラックとして、旭カーボン(株)製のカーボンブラック(品番:HS‐500)を用意した。このカーボンブラックは、電子顕微鏡法で測定した平均粒子径が38nm、窒素吸着法で測定した比表面積が42mg/gである。
次に、主剤となる液体のエポキシ樹脂100重量部を容器に入れ、ここに固体(粉体)の第1のイミダゾール化合物5重量部と、同じく固体(粉体)の第2のイミダゾール化合物5重量部と、カーボンブラック5重量部とを添加して攪拌し、第3の実施形態にかかる一液性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
なお、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物とは、エポキシ樹脂100重量部に対し合計で6〜26重量部であれば良く、また、第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との重量比は5/11〜11/5であれば良く、さらに、カーボンブラックは、エポキシ樹脂100重量部に対し3〜20重量部であれば良い。
本実施形態の一液性熱硬化型樹脂組成物は、カーボンブラックが含まれているため、電子部品の基板と金属キャップとの接合などに用いた場合に、接合部分を光が透過するのを防止することができる。すなわち、可視光線、赤外線、紫外線などを遮断することができ、金属キャップ内部の機能部品が特性劣化をおこすことを防止することができる。
もちろん、本実施形態の一液性熱硬化型樹脂組成物は、ゲルタイムが短く、
接着剤や封止剤等として使用した場合に、非常に使い勝手が良い。また、ガラス転移点も、実用上、問題のない温度を満たしている。この一液性熱硬化型樹脂組成物のゲルタイムとガラス転移点を第1、第2の実施形態と同様にして測定した。ゲルタイムは39秒、ガラス転移点は161℃であり、いずれも良好であった。
(実験例7)
第3の実施形態にかかる一液性熱硬化樹脂組成物において、カーボンブラック
の量を変化させて、ゲルタイム、ガラス転移点、Agマイグレーションの有無、さらに遮光性を測定した。
遮光性は、図示しないが、表面に光センサの設置された長方形の薄板からなるセラミック製の基板に、この一液性熱硬化樹脂組成物を用いて、表面にNiメッキが施された、肉厚0.1mmのAl製の金属キャップを接着した装置を用いて測定した。具体的には、この装置に対し、外部から、白熱光の照射、非照射を繰り返し、光センサが反応しているか否かを調べた。なお、光センサとしては、角速度を検出するICを用い、その残留ノイズから、遮光性を判断した。具体的には、残留ノイズ増幅回路で得た出力の振幅を測定し、その測定値を角速度換算し、平均0.7deg/s以下のものを、光センサが反応しなかったものとした。
その結果を、表7に示す。なお、表7の「遮光性」の欄において、光センサが反応しなかったものは「○」、反応したものは「×」とした。
Figure 0005652246
表7からわかるように、主剤100重量部に対して、第1のイミダゾール化合物5重量部、第2のイミダゾール化合物5重量部とし、カーボンブラックを2〜20に変化させた実施例21〜24は、ゲルタイムが38〜39秒、ガラス転移点が158〜162℃であり、いずれも良好であった。
遮光性については、主剤100重量部に対して、カーボンブラックを3〜20重量部とした実施例22〜24は、光センサが反応せず、良好な遮光性を示した。一方、主剤100重量部に対して、カーボンブラックを2重量部とした実施例21は、光センサが反応し、遮光性は認められなかった。また、表7には示していないが、主剤100重量部に対して、カーボンブラックを、20重量部を超えて、たとえば25重量部とした場合には、高粘度になり、一液性熱硬化樹脂組成物を作製することができなかった。
以上より、本発明において、カーボンブラックを含有させ、一液性熱硬化樹脂組成物に遮光性を持たせる場合には、主剤100重量部に対して、カーボンブラックを3〜20重量部とすることが好ましいことがわかった。
なお、実験例7の実施例21〜24においても、硬化剤としてジシアンジアミドを使用していないため、いずれもAgマイグレーションは発生しなかった。
〔第4の実施形態〕
次に、図3を参照しながら、本発明の第4の実施形態にかかる、電子部品の製造方法、およびその製造方法により製造された電子部品について説明する。なお、本実施形態においては、電子部品としてセラミック発振子を用いた。図3は、その分解斜視図である。
図3において、1は長方形の薄板からなるセラミック製の基板であり、表面に電極2、3、4が形成され、また一対の長手側面にはそれぞれ3つの切り欠きが設けられ、それぞれ電極2、3、4から延長された外部電極2a、3a、4aが形成されている。
厚みすべり振動モードのセラミック製の圧電素子(発振子素子)10は、一方の表面には一方の端面から延びるAg製の電極10aが圧電素子の約2/3の長さにわたって形成され、他方の表面には他方の端面から延びるAg製の電極10bが同じく圧電素子の約2/3の長さにわたって形成されており、電極10aと電極10bとは、圧電素子の約1/3の長さにわたって圧電素子を介して対向している。
三端子コンデンサ素子20は、図示しないが3つの電極を備えており、圧電素子10と三端子コンデンサ素子20は、それぞれ所定の電極同士が導電性接着剤30、31で接続されて一体化されたうえで、同じく導電性接着剤6、7、8を用いて、基板1の電極2、3、4に接続固定されている。
40は、肉厚0.1mmのAl製の金属キャップであり、表面にNiメッキが施されている。
金属キャップ40は、接着剤5により、基板1の表面に接合されている。接着剤5には、第1の実施形態の実施例2に係る一液性熱硬化型樹脂組成物が使用されている。
第3の実施形態にかかるセラミック発振子の製造方法は、以下の通りである。
まず、金属キャップ40の枠状の脚部の先端に、接着剤5として、一液性熱硬化型樹脂組成物を塗布したうえ、金属キャップ40の脚部を基板1上に当接させるように載置する。
次に、基板1と金属キャップ40の間に所定の圧力を加えた状態で、200℃、90秒間の加熱をおこない、接着剤(一液性熱硬化型樹脂組成物)5を硬化させて、金属キャップ40を基板1上に接合固定する。
1:基板
2、3、4:電極
5:接着剤(一液性熱硬化型樹脂組成物)
6、7、8:導電性接着剤
10:圧電素子
20:三端子コンデンサ素子
40:金属キャップ

Claims (4)

  1. 主剤となるエポキシ樹脂と、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物からなる第1のイミダゾール化合物と、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールからなる第2のイミダゾール化合物とを含んでなる一液性熱硬化型樹脂組成物であって、
    前記第1のイミダゾール化合物と前記第2のイミダゾール化合物とが、前記エポキシ樹脂100重量部に対し、合計で6〜26重量部含まれており、かつ、前記第1のイミダゾール化合物と第2のイミダゾール化合物との重量比が、5/11〜11/5である一液性熱硬化型樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂100重量部に対し、さらに、カーボンブラックが3〜20重量部含まれている、請求項1に記載された一液性熱硬化型樹脂組成物。
  3. 表面に電子部品素子が実装された基板に、前記電子部品素子を覆うように金属キャップを接合してなる電子部品の製造方法であって、
    前記基板の前記金属キャップとの接合面と、前記金属キャップの前記基板との接合面との両方、またはいずれか一方に、請求項1または2に記載された一液性熱硬化型樹脂組成物を塗布する工程と、
    前記基板の表面の所定の部分に前記金属キャップを当接させる工程と、
    前記一液性熱硬化型樹脂組成物を加熱硬化させる工程と、を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
  4. 請求項3に記載された電子部品の製造方法により製造されたことを特徴とする電子部品。
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