JP2014005347A - 接着剤組成物及び半導体チップ実装体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボイドを抑制しながら短時間で信頼性の高い半導体チップの実装を行うことのできる接着剤組成物を提供する。また、該接着剤組成物を用いた半導体チップ実装体の製造方法を提供する。
【解決手段】熱硬化性化合物、熱硬化剤、硬化促進剤及び無機充填剤を含有する接着剤組成物であって、70℃でのレオメーターにより測定した最低溶融粘度が1〜10Pa・sであり、70℃での最低溶融粘度を示した時間から1時間での粘度上昇率が200%以下であり、140℃でのゲル化時間が10秒以上であり、かつ、240℃でのゲル化時間が0.7〜2.5秒である接着剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】熱硬化性化合物、熱硬化剤、硬化促進剤及び無機充填剤を含有する接着剤組成物であって、70℃でのレオメーターにより測定した最低溶融粘度が1〜10Pa・sであり、70℃での最低溶融粘度を示した時間から1時間での粘度上昇率が200%以下であり、140℃でのゲル化時間が10秒以上であり、かつ、240℃でのゲル化時間が0.7〜2.5秒である接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ボイドを抑制しながら短時間で信頼性の高い半導体チップの実装を行うことのできる接着剤組成物に関する。また、本発明は、該接着剤組成物を用いた半導体チップ実装体の製造方法に関する。
半田等からなる突起電極(バンプ)を有する半導体チップを用いたフリップチップ実装が多用されている。フリップチップ実装においては、一般的に、半導体チップの突起電極と、基板又は他の半導体チップの電極部とを接合させた後、樹脂封止を行う。しかしながら、近年、半導体チップの小型化が進行するとともに突起電極間のピッチもますます狭くなっており、これらに伴って半導体チップ間又は半導体チップと基板との間のギャップも狭くなっていることから、封止樹脂の注入時に空気が巻き込まれ、ボイドが発生しやすくなっている。
ボイドを抑制するために、突起電極の接合後に封止樹脂を注入するのではなく、半導体チップ又は基板に予め樹脂組成物を供給しておく方法が用いられている。しかしながら、このような方法では、加熱により突起電極の接合と樹脂組成物の硬化とを同時に行うことから、樹脂組成物は例えば半田溶融点以上等の高温に晒されることになり、ボイドを抑制しながら信頼性の高い実装を行うことは容易ではない。
特許文献1には、熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と硬化剤とを含有する半導体封止用接着剤が記載されているが、このように接着剤中に含まれる揮発成分を減らしただけでは、高温での実装においてボイドを充分に抑制することは難しい。
特許文献1には、熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と硬化剤とを含有する半導体封止用接着剤が記載されているが、このように接着剤中に含まれる揮発成分を減らしただけでは、高温での実装においてボイドを充分に抑制することは難しい。
また、特許文献2には、複数のバンプが形成された半導体チップと、複数の電極を有する基板とを電気的に接続するために用いられる、エポキシ樹脂等を必須成分とする半導体封止充てん用エポキシ樹脂組成物であって、所定の温度における前記エポキシ樹脂組成物のゲル化時間が所定の範囲内に調整された半導体封止充てん用エポキシ樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、近年、生産性向上の観点からより一層の実装時間の短縮が求められているのに対し、特許文献2には、例えば実施例1〜4においては、フリップチップボンダーのヘッド温度100℃で5秒間、ヘッド温度210℃で10秒間、更に、ヘッド温度290℃で10秒間の圧着を行ったことが記載されており、実装に比較的長い時間を要している。また、特許文献2に記載されたエポキシ樹脂組成物は、フラックス剤を必須成分とするため、フラックス剤が揮発してボイドの原因となるという問題もある。
しかしながら、近年、生産性向上の観点からより一層の実装時間の短縮が求められているのに対し、特許文献2には、例えば実施例1〜4においては、フリップチップボンダーのヘッド温度100℃で5秒間、ヘッド温度210℃で10秒間、更に、ヘッド温度290℃で10秒間の圧着を行ったことが記載されており、実装に比較的長い時間を要している。また、特許文献2に記載されたエポキシ樹脂組成物は、フラックス剤を必須成分とするため、フラックス剤が揮発してボイドの原因となるという問題もある。
本発明は、ボイドを抑制しながら短時間で信頼性の高い半導体チップの実装を行うことのできる接着剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該接着剤組成物を用いた半導体チップ実装体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、熱硬化性化合物、熱硬化剤、硬化促進剤及び無機充填剤を含有する接着剤組成物であって、70℃でのレオメーターにより測定した最低溶融粘度が1〜10Pa・sであり、70℃での最低溶融粘度を示した時間から1時間での粘度上昇率が200%以下であり、140℃でのゲル化時間が10秒以上であり、かつ、240℃でのゲル化時間が0.7〜2.5秒である接着剤組成物である。
以下、本発明を詳述する。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、短時間での半導体チップの実装であってもボイドを抑制するためには、接着剤組成物の硬化速度を高める必要があると考えた。硬化速度を高めることにより、熱硬化性化合物等の配合成分が硬化前に揮発してボイドの原因となることを抑制することができ、また、接着剤組成物の粘度上昇速度が高まり、ボイドの成長が抑制される。
しかしながら、硬化速度が速すぎると、溶融した突起電極が対向電極に対して充分に濡れ広がる前に接着剤組成物が硬化するため、電極間に接着剤組成物を噛み込み、導通不良等の不具合が生じる。従って、溶融した突起電極が充分に濡れ広がるまでの間は接着剤組成物が適度な流動性を維持している必要がある。
本発明者は、熱硬化性化合物、熱硬化剤、硬化促進剤及び無機充填剤を含有する接着剤組成物であって、70℃でのレオメーターにより測定した最低溶融粘度、70℃での最低溶融粘度を示した時間から1時間での粘度上昇率、140℃でのゲル化時間、及び、240℃でのゲル化時間が所定範囲を満たす接着剤組成物であれば、硬化速度が速い一方で溶融した突起電極が充分に濡れ広がるまでの間は適度な流動性を維持することができ、その結果、ボイドを抑制しながら短時間で信頼性の高い半導体チップの実装を行うことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
しかしながら、硬化速度が速すぎると、溶融した突起電極が対向電極に対して充分に濡れ広がる前に接着剤組成物が硬化するため、電極間に接着剤組成物を噛み込み、導通不良等の不具合が生じる。従って、溶融した突起電極が充分に濡れ広がるまでの間は接着剤組成物が適度な流動性を維持している必要がある。
本発明者は、熱硬化性化合物、熱硬化剤、硬化促進剤及び無機充填剤を含有する接着剤組成物であって、70℃でのレオメーターにより測定した最低溶融粘度、70℃での最低溶融粘度を示した時間から1時間での粘度上昇率、140℃でのゲル化時間、及び、240℃でのゲル化時間が所定範囲を満たす接着剤組成物であれば、硬化速度が速い一方で溶融した突起電極が充分に濡れ広がるまでの間は適度な流動性を維持することができ、その結果、ボイドを抑制しながら短時間で信頼性の高い半導体チップの実装を行うことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の接着剤組成物は、熱硬化性化合物、熱硬化剤、硬化促進剤及び無機充填剤を含有する接着剤組成物であって、70℃でのレオメーターにより測定した最低溶融粘度が1〜10Pa・sである。
70℃での最低溶融粘度が1Pa・s未満であると、半導体チップの実装時に接着剤組成物の粘度が低くなりすぎ、ボイドの成長を充分に抑制できない。また、フィレット形状が崩れたり、溶融した突起電極が流れて隣接する電極等に接触したりしてしまう。70℃での最低溶融粘度が10Pa・sを超えると、接着剤組成物のハンドリング性が低下したり、接着剤組成物をディスペンサにより塗布する場合に吐出安定性が低下し、糸引き等が生じたりする。70℃での最低溶融粘度の好ましい下限は1.5Pa・s、好ましい上限は7.0Pa・sであり、より好ましい下限は2.0Pa・s、より好ましい上限は5.0Pa・sである。
70℃での最低溶融粘度が1Pa・s未満であると、半導体チップの実装時に接着剤組成物の粘度が低くなりすぎ、ボイドの成長を充分に抑制できない。また、フィレット形状が崩れたり、溶融した突起電極が流れて隣接する電極等に接触したりしてしまう。70℃での最低溶融粘度が10Pa・sを超えると、接着剤組成物のハンドリング性が低下したり、接着剤組成物をディスペンサにより塗布する場合に吐出安定性が低下し、糸引き等が生じたりする。70℃での最低溶融粘度の好ましい下限は1.5Pa・s、好ましい上限は7.0Pa・sであり、より好ましい下限は2.0Pa・s、より好ましい上限は5.0Pa・sである。
なお、70℃での最低溶融粘度は、例えば、レオメーターVAR−100(レオラジカル社製)等のレオメーターを用いて70℃一定で、周波数1rad秒、コーンプレート剪断にて測定することができる。
本発明の接着剤組成物は、70℃での最低溶融粘度を示した時間から1時間での粘度上昇率が200%以下である。
粘度上昇率が200%を超えると、半導体チップの実装前に接着剤組成物が硬化してしまい、実装不良となる。粘度上昇率は150%以下であることが好ましく、120%以下であることがより好ましい。粘度上昇率の下限は特に限定されないが、好ましい下限は90%である。粘度上昇率が90%未満であると、半導体チップ実装前の接着剤組成物の粘度が低くなりすぎ、ディスペンスパターンが崩れてしまうことがある。粘度上昇率のより好ましい下限は100%である。
粘度上昇率が200%を超えると、半導体チップの実装前に接着剤組成物が硬化してしまい、実装不良となる。粘度上昇率は150%以下であることが好ましく、120%以下であることがより好ましい。粘度上昇率の下限は特に限定されないが、好ましい下限は90%である。粘度上昇率が90%未満であると、半導体チップ実装前の接着剤組成物の粘度が低くなりすぎ、ディスペンスパターンが崩れてしまうことがある。粘度上昇率のより好ましい下限は100%である。
なお、70℃での最低溶融粘度を示した時間から1時間での粘度上昇率は、例えば、レオメーターVAR−100(レオラジカル社製)等のレオメーターを用いて70℃一定で、周波数1rad秒、コーンプレート剪断にて測定した最低溶融粘度と、最低溶融粘度を示した時間から1時間後の粘度との変化率から求めることができる。
本発明の接着剤組成物は、140℃でのゲル化時間が10秒以上である。
140℃でのゲル化時間が10秒未満であると、溶融した突起電極が対向電極に対して充分に濡れ広がる前に接着剤組成物が硬化するため、電極間に接着剤組成物を噛み込み、導通不良等の不具合が生じる。140℃でのゲル化時間は30秒以上であることが好ましく、60秒以上であることがより好ましい。140℃でのゲル化時間の上限は特に限定されないが、好ましい上限は1200秒である。140℃でのゲル化時間が1200秒を超えると、半導体チップの実装後に接着剤組成物を完全に硬化させる際に接着剤組成物が硬化しないことがある。140℃でのゲル化時間のより好ましい上限は600秒である。
140℃でのゲル化時間が10秒未満であると、溶融した突起電極が対向電極に対して充分に濡れ広がる前に接着剤組成物が硬化するため、電極間に接着剤組成物を噛み込み、導通不良等の不具合が生じる。140℃でのゲル化時間は30秒以上であることが好ましく、60秒以上であることがより好ましい。140℃でのゲル化時間の上限は特に限定されないが、好ましい上限は1200秒である。140℃でのゲル化時間が1200秒を超えると、半導体チップの実装後に接着剤組成物を完全に硬化させる際に接着剤組成物が硬化しないことがある。140℃でのゲル化時間のより好ましい上限は600秒である。
本発明の接着剤組成物は、240℃でのゲル化時間が0.7〜2.5秒である。240℃でのゲル化時間を上記範囲内とすることにより、熱硬化性化合物等の配合成分が硬化前に揮発してボイドの原因となることを抑制することができ、また、接着剤組成物の粘度上昇速度が高まり、ボイドの成長が抑制される。
240℃でのゲル化時間が0.7秒未満であると、半導体チップの実装途中に接着剤組成物が硬化してしまい、半導体チップと、基板又は他の半導体チップとの間の電極接合が不良となる。240℃でのゲル化時間が2.5秒を超えると、熱硬化性化合物等の配合成分が硬化前に揮発してボイドの原因となったり、接着剤組成物の粘度上昇速度が低下し、ボイドの成長が充分に抑制されなかったりする。240℃でのゲル化時間の好ましい下限は0.8秒、好ましい上限は2.2秒であり、より好ましい下限は1秒、より好ましい上限は2秒である。
240℃でのゲル化時間が0.7秒未満であると、半導体チップの実装途中に接着剤組成物が硬化してしまい、半導体チップと、基板又は他の半導体チップとの間の電極接合が不良となる。240℃でのゲル化時間が2.5秒を超えると、熱硬化性化合物等の配合成分が硬化前に揮発してボイドの原因となったり、接着剤組成物の粘度上昇速度が低下し、ボイドの成長が充分に抑制されなかったりする。240℃でのゲル化時間の好ましい下限は0.8秒、好ましい上限は2.2秒であり、より好ましい下限は1秒、より好ましい上限は2秒である。
なお、ゲル化時間は、JIS C2161Bに準拠して測定することができる。
本発明の接着剤組成物は、25℃でのE型粘度計により測定した粘度の好ましい下限が20Pa・s、好ましい上限が200Pa・sである。25℃での粘度が20Pa・s未満であると、半導体チップ実装前の接着剤組成物の粘度が低くなりすぎ、ディスペンスパターンが崩れてしまうことがある。25℃での粘度が200Pa・sを超えると、接着剤組成物をディスペンサにより塗布する場合に吐出安定性が低下し、糸引き等が生じることがある。25℃での粘度のより好ましい下限は30Pa・s、より好ましい上限は100Pa・sである。
なお、25℃での粘度は、例えば、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD社製)等のE型粘度計を用いて、25℃、回転数5rpmにて測定することができる。
本発明の接着剤組成物の70℃でのレオメーターにより測定した最低溶融粘度、70℃での最低溶融粘度を示した時間から1時間での粘度上昇率、140℃でのゲル化時間、及び、240℃でのゲル化時間を上記範囲に調整する方法として、熱硬化性化合物の種類及び配合量、熱硬化剤の種類及び配合量、硬化促進剤の種類及び配合量、無機充填剤の平均粒子径、表面処理の種類及び配合量等を調整するとともにレベリング剤等を適宜添加して、接着剤組成物の粘度挙動及び硬化挙動を調整する方法が好ましい。
上記熱硬化性化合物は、エポキシ化合物及び/又はエピスルフィド化合物を含有することが好ましい。
上記エポキシ化合物は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ポリエーテル変性エポキシ化合物、ベンゾフェノン型エポキシ化合物、アニリン型エポキシ化合物、NBR変性エポキシ化合物、CTBN変性エポキシ化合物、及び、これらの水添化物等が挙げられる。なかでも、速硬化性が得られやすいことから、ベンゾフェノン型エポキシ化合物が好ましい。これらのエポキシ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ化合物は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ポリエーテル変性エポキシ化合物、ベンゾフェノン型エポキシ化合物、アニリン型エポキシ化合物、NBR変性エポキシ化合物、CTBN変性エポキシ化合物、及び、これらの水添化物等が挙げられる。なかでも、速硬化性が得られやすいことから、ベンゾフェノン型エポキシ化合物が好ましい。これらのエポキシ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アニリン型エポキシ化合物のうち、市販品として、例えば、EP−3900S(ADEKA社製)等が挙げられる。上記ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物のうち、市販品として、例えば、EP−4088(ADEKA社製)等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物が上記エポキシ化合物を含有する場合、上記エポキシ化合物の配合量は特に限定されないが、接着剤組成物100重量部に占める好ましい下限が10重量部、好ましい上限が50重量部であり、より好ましい下限が20重量部、より好ましい上限が40重量部である。
上記エピスルフィド化合物は、エピスルフィド基を有していれば特に限定されず、例えば、エポキシ化合物のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物が挙げられる。
上記エピスルフィド化合物として、具体的には例えば、ビスフェノール型エピスルフィド化合物(ビスフェノール型エポキシ化合物のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物)、水添ビスフェノール型エピスルフィド化合物、ジシクロペンタジエン型エピスルフィド化合物、ビフェニル型エピスルフィド化合物、フェノールノボラック型エピスルフィド化合物、フルオレン型エピスルフィド化合物、ポリエーテル変性エピスルフィド化合物、ブタジエン変性エピスルフィド化合物、トリアジンエピスルフィド化合物、ナフタレン型エピスルフィド化合物等が挙げられる。なかでも、ナフタレン型エピスルフィド化合物が好ましい。これらのエピスルフィド化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、酸素原子から硫黄原子への置換は、エポキシ基の少なくとも一部におけるものであってもよく、すべてのエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されていてもよい。
上記エピスルフィド化合物として、具体的には例えば、ビスフェノール型エピスルフィド化合物(ビスフェノール型エポキシ化合物のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物)、水添ビスフェノール型エピスルフィド化合物、ジシクロペンタジエン型エピスルフィド化合物、ビフェニル型エピスルフィド化合物、フェノールノボラック型エピスルフィド化合物、フルオレン型エピスルフィド化合物、ポリエーテル変性エピスルフィド化合物、ブタジエン変性エピスルフィド化合物、トリアジンエピスルフィド化合物、ナフタレン型エピスルフィド化合物等が挙げられる。なかでも、ナフタレン型エピスルフィド化合物が好ましい。これらのエピスルフィド化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、酸素原子から硫黄原子への置換は、エポキシ基の少なくとも一部におけるものであってもよく、すべてのエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されていてもよい。
上記エピスルフィド化合物のうち、市販品として、例えば、YL−7007(水添ビスフェノールA型エピスルフィド化合物、三菱化学社製)等が挙げられる。また、上記エピスルフィド化合物は、例えば、チオシアン酸カリウム、チオ尿素等の硫化剤を使用して、エポキシ化合物から容易に合成される。
本発明の接着剤組成物が上記エピスルフィド化合物を含有する場合、上記エピスルフィド化合物の配合量は特に限定されないが、接着剤組成物100重量部に占める好ましい下限が5重量部、好ましい上限が25重量部であり、より好ましい下限が10重量部、より好ましい上限が20重量部である。
上記熱硬化剤として、例えば、酸無水物硬化剤、チオール硬化剤、フェノール硬化剤、カチオン硬化剤、アミン硬化剤、ベンゾオキサジン硬化剤等が挙げられる。なかでも、酸無水物硬化剤、チオール硬化剤、フェノール硬化剤及びカチオン硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
上記酸無水物硬化剤として、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、フタル酸誘導体の無水物、無水マレイン酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、トリアクリルテトラヒドロ無水フタル酸等の2官能の酸無水物硬化剤、無水トリメリット酸等の3官能の酸無水物からなる粒子、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等の4官能以上の酸無水物硬化剤等が挙げられる。
上記酸無水物硬化剤のうち、市販品として、例えば、HNA−100(新日本理化社製)、YH−306、YH−307(以上、三菱化学社製)等が挙げられる。
上記酸無水物硬化剤のうち、市販品として、例えば、HNA−100(新日本理化社製)、YH−306、YH−307(以上、三菱化学社製)等が挙げられる。
上記酸無水物硬化剤の配合量は、熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が10重量部、好ましい上限が40重量部である。配合量が10重量部未満であると、接着剤組成物が充分に硬化しないことがある。配合量が40重量部を超えると、接着剤組成物の接合信頼性又は接続信頼性が低下することがある。配合量のより好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は35重量部である。
上記チオール硬化剤は、チオール基を有していれば特に限定されず、例えば、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール等のアルキルポリチオール化合物;末端チオール基含有ポリエーテル;末端チオール基含有ポリチオエーテル;エポキシ化合物と硫化水素との反応によって得られるチオール化合物;ポリチオール化合物とエポキシ化合物との反応によって得られる末端チオール基を有するチオール化合物;ビス(ジシクロエチル)ホルマールと多硫化ソーダとにより得られるチオール化合物等が挙げられる。また、その製造工程上、反応触媒として塩基性物質を使用したチオール化合物であって、これを脱アルカリ処理し、アルカリ金属イオン濃度を50ppm以下としたチオール化合物等が挙げられる。
上記チオール硬化剤のうち、市販品として、例えば、TMMP、DPMP(以上、堺化学工業社製)等が挙げられる。
上記チオール硬化剤のうち、市販品として、例えば、TMMP、DPMP(以上、堺化学工業社製)等が挙げられる。
上記チオール硬化剤の配合量は、熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が10重量部、好ましい上限が40重量部である。配合量が10重量部未満であると、接着剤組成物が充分に硬化しないことがある。配合量が40重量部を超えると、接着剤組成物の接合信頼性又は接続信頼性が低下することがある。配合量のより好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は35重量部である。
上記フェノール硬化剤として、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエンフェノール、アラルキルフェノール、トリスフェノール、テトラキスフェノール、レゾール型フェノール、ビフェニルジメチレン型フェノール、フェノール樹脂−シリカハイブリッド、及び、これらの誘導体、変性体等が挙げられる。なかでも、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエンフェノール、ビフェニルジメチレン型フェノール、フェノール樹脂−シリカハイブリッド、及び、これらの誘導体、変性体が好ましい。
上記フェノール硬化剤のうち、市販品として、例えば、MEH−8000H(明和化成社製)、TD−2131(DIC社製)、Matrimid(Huntsman社製)等が挙げられる。
上記フェノール硬化剤のうち、市販品として、例えば、MEH−8000H(明和化成社製)、TD−2131(DIC社製)、Matrimid(Huntsman社製)等が挙げられる。
上記フェノール硬化剤の配合量は、熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が3重量部、好ましい上限が30重量部である。配合量が3重量部未満であると、接着剤組成物が充分に硬化しないことがある。配合量が30重量部を超えると、接着剤組成物の接合信頼性又は接続信頼性が低下することがある。配合量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は20重量部である。
上記カチオン硬化剤として、例えば、オニウム塩、スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ボロン酸のジアリールヨードニウム塩、ボロン酸のトリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。なかでも、芳香族スルホニウム塩が好ましい。
上記カチオン硬化剤のうち、市販品として、例えば、SI−100(三新化学社製)等が挙げられる。
上記カチオン硬化剤のうち、市販品として、例えば、SI−100(三新化学社製)等が挙げられる。
上記カチオン硬化剤の配合量は、熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が0.2重量部、好ましい上限が3重量部である。配合量が0.2重量部未満であると、接着剤組成物が充分に硬化しないことがある。配合量が3重量部を超えると、接着剤組成物の接合信頼性又は接続信頼性が低下することがある。配合量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は2重量部である。
上記硬化促進剤は特に限定されないが、イミダゾール硬化促進剤が好ましい。上記イミダゾール硬化促進剤として、例えば、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン−2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。なかでも、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。
上記硬化促進剤の配合量は特に限定されないが、熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が25重量部である。配合量が5重量部未満であると、接着剤組成物の硬化物の架橋密度が低下したり、硬化不良が生じたりすることがある。配合量が25重量部を超えると、接着剤組成物の吸水率が高くなることがある。
上記無機充填剤を配合することで、接着剤組成物の硬化物の線膨張率を低下させることができ、実装後の半導体チップへの応力の発生、及び、半田等の導通部分へのクラックの発生を良好に防止することができる。
上記無機充填剤は特に限定されず、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスパウダー、ガラスフリット等が挙げられる。
上記無機充填剤は特に限定されず、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスパウダー、ガラスフリット等が挙げられる。
上記無機充填剤として粒子状の無機充填剤を用いる場合、平均粒子径の好ましい下限は1nm、好ましい上限は5μmである。平均粒子径が1nm未満であると、接着剤組成物の粘度が高くなりすぎることがある。平均粒子径が5μmを超えると、半導体チップの実装時に電極間で無機充填剤を噛み込むことがある。
上記無機充填剤の配合量は、接着剤組成物中の好ましい下限が50重量%、好ましい上限は80重量%である。配合量が50重量%未満であると、無機充填剤を添加する効果が充分に得られないことがある。配合量が80重量%を超えると、接着剤組成物の硬化物の線膨張率は低下するものの、同時にせん断弾性率が上昇し、実装後の半導体チップへの応力、及び、半田等の導通部分へのクラックが発生しやすくなることがある。配合量は、接着剤組成物中のより好ましい下限が55重量%、より好ましい上限が70重量%である。
本発明の接着剤組成物は、更に、必要に応じて、応力緩和剤、シランカップリング剤、ゴム粒子、増粘剤等を含有してもよい。
本発明の接着剤組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、熱硬化性化合物、熱硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤及び必要に応じて配合される他の成分を所定量配合して混合する方法等が挙げられる。混合方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物の用途は特に限定されないが、フリップチップ実装に好適に用いられ、半導体チップの突起電極の電極材料が半田である場合に、特に好適に用いられる。本発明の接着剤組成物は、硬化速度が速い一方で溶融した突起電極が充分に濡れ広がるまでの間は適度な流動性を維持することができることから、本発明の接着剤組成物によれば、ボイドを抑制しながら短時間で信頼性の高い半導体チップの実装を行うことができる。
フリップチップ実装により、半導体チップを基板又は他の半導体チップに実装する半導体チップ実装体の製造方法であって、本発明の接着剤組成物を、半導体チップの突起電極面、或いは、基板又は他の半導体チップの電極面に設ける工程と、本発明の接着剤組成物を封止領域に充填するとともに、上記半導体チップの突起電極と、上記基板又は他の半導体チップの電極とを接触させる充填工程と、上記半導体チップの突起電極と、上記基板又は他の半導体チップの電極とを溶融接合させる接合工程と、本発明の接着剤組成物を完全に硬化させる工程とを有し、上記充填工程から上記接合工程までを5秒以内に行う半導体チップ実装体の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、まず、本発明の接着剤組成物を、半導体チップの突起電極面、或いは、基板又は他の半導体チップの電極面に設ける工程を行う。
接着剤組成物を半導体チップの突起電極面、或いは、基板又は他の半導体チップの電極面に設ける方法は特に限定されず、例えば、精密ノズルを取り付けたシリンジ等とディスペンサ等とを組み合わせて用い、接着剤組成物を塗布する方法等が挙げられる。
接着剤組成物を半導体チップの突起電極面、或いは、基板又は他の半導体チップの電極面に設ける方法は特に限定されず、例えば、精密ノズルを取り付けたシリンジ等とディスペンサ等とを組み合わせて用い、接着剤組成物を塗布する方法等が挙げられる。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、次いで、本発明の接着剤組成物を封止領域に充填するとともに、上記半導体チップの突起電極と、上記基板又は他の半導体チップの電極とを接触させる充填工程を行う。
上記充填工程では、上記半導体チップに対して押圧し、本発明の接着剤組成物を封止領域に充填するとともに、上記半導体チップの突起電極と、上記基板又は他の半導体チップの電極とを接触させることが好ましい。押圧する際の圧力は特に限定されないが、突起電極当たり0.01〜10Nであることが好ましい。圧力が0.01N未満であると、半導体チップの突起電極と基板又は他の半導体チップの電極とが接触しないことがある。圧力が10Nを超えると、半導体チップの突起電極がつぶれすぎて隣接する電極等と接触し、ショートすることがある。
上記充填工程の温度は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば特に限定されず、例えば、120〜220℃等が挙げられる。上記半導体チップの突起電極等が半田である場合には、半田溶融点以下の温度で加熱すればよい。
上記充填工程の温度は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば特に限定されず、例えば、120〜220℃等が挙げられる。上記半導体チップの突起電極等が半田である場合には、半田溶融点以下の温度で加熱すればよい。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、次いで、上記半導体チップの突起電極と、上記基板又は他の半導体チップの電極とを溶融接合させる接合工程を行う。
上記接合工程でも、上記充填工程と同様に上記半導体チップに対して押圧し、上記半導体チップの突起電極と、上記基板又は他の半導体チップの電極とを溶融接合させることが好ましい。
上記接合工程の温度は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば特に限定されず、例えば、230〜300℃等が挙げられる。上記半導体チップの突起電極等が半田である場合には、半田溶融点以上の温度で加熱すればよい。
上記接合工程の温度は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば特に限定されず、例えば、230〜300℃等が挙げられる。上記半導体チップの突起電極等が半田である場合には、半田溶融点以上の温度で加熱すればよい。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、上記充填工程から上記接合工程までを5秒以内に行う。本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、本発明の接着剤組成物を用いているため、短時間での半導体チップの実装であってもボイドを抑制することができる。上記充填工程から上記接合工程までは、4秒以内に行うことが好ましい。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、更に、本発明の接着剤組成物を完全に硬化させる工程を行う。これにより、接着剤組成物が完全に硬化し、上記半導体チップの突起電極と、上記基板又は他の半導体チップの電極とが接合された半導体チップ実装体が得られる。硬化条件は特に限定されず、接着剤組成物の硬化特性に合わせた硬化条件を適宜選択して用いることができ、例えば、120℃で30分、170℃で30分等が挙げられる。
本発明によれば、ボイドを抑制しながら短時間で信頼性の高い半導体チップの実装を行うことのできる接着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該接着剤組成物を用いた半導体チップ実装体の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜5及び比較例1〜5)
表1に示す配合に従って、ホモディスパーを用いて以下に示す材料を攪拌混合し、接着剤組成物を調製した。レオメーターVAR−100(レオラジカル社製)を用いて70℃一定で、周波数1rad秒、コーンプレート剪断にて、得られた接着剤組成物の最低溶融粘度(70℃)を測定した。また、レオメーターVAR−100(レオラジカル社製)を用いて70℃一定で、周波数1rad秒、コーンプレート剪断にて、得られた接着剤組成物の最低溶融粘度と、最低溶融粘度を示した時間から1時間後の粘度とを測定し、これらの変化率から粘度上昇率(70℃/1時間)を求めた。更に、JIS C2161Bに準拠して、得られた接着剤組成物の140℃でのゲル化時間及び240℃でのゲル化時間を求めた。結果を表1に示した。
表1に示す配合に従って、ホモディスパーを用いて以下に示す材料を攪拌混合し、接着剤組成物を調製した。レオメーターVAR−100(レオラジカル社製)を用いて70℃一定で、周波数1rad秒、コーンプレート剪断にて、得られた接着剤組成物の最低溶融粘度(70℃)を測定した。また、レオメーターVAR−100(レオラジカル社製)を用いて70℃一定で、周波数1rad秒、コーンプレート剪断にて、得られた接着剤組成物の最低溶融粘度と、最低溶融粘度を示した時間から1時間後の粘度とを測定し、これらの変化率から粘度上昇率(70℃/1時間)を求めた。更に、JIS C2161Bに準拠して、得られた接着剤組成物の140℃でのゲル化時間及び240℃でのゲル化時間を求めた。結果を表1に示した。
(1)熱硬化性化合物
エポキシ化合物A EP−3900S(ADEKA社製)
エポキシ化合物B EP−4088(ADEKA社製)
エポキシ化合物C HP−4710(DIC社製)
エピスルフィド化合物A YL−7007(三菱化学社製)
エポキシ化合物A EP−3900S(ADEKA社製)
エポキシ化合物B EP−4088(ADEKA社製)
エポキシ化合物C HP−4710(DIC社製)
エピスルフィド化合物A YL−7007(三菱化学社製)
(2)熱硬化剤
硬化剤A TMMP(堺化学工業社製、チオール硬化剤)
硬化剤B YH−307(三菱化学社製、酸無水物硬化剤)
硬化剤C SI−100(三新化学社製、カチオン硬化剤)
硬化剤D MEH−8000H(明和化成社製、フェノール硬化剤)
硬化剤A TMMP(堺化学工業社製、チオール硬化剤)
硬化剤B YH−307(三菱化学社製、酸無水物硬化剤)
硬化剤C SI−100(三新化学社製、カチオン硬化剤)
硬化剤D MEH−8000H(明和化成社製、フェノール硬化剤)
(3)硬化促進剤
硬化促進剤A TEP−2E4MZ(日本曹達社製、イミダゾール硬化促進剤)
硬化促進剤B 1B2MZ(四国化成工業社製、イミダゾール硬化促進剤)
硬化促進剤C 2MZ−A(四国化成工業社製、イミダゾール硬化促進剤)
硬化促進剤D P−0505(四国化成工業社製、イミダゾール硬化促進剤)
硬化促進剤A TEP−2E4MZ(日本曹達社製、イミダゾール硬化促進剤)
硬化促進剤B 1B2MZ(四国化成工業社製、イミダゾール硬化促進剤)
硬化促進剤C 2MZ−A(四国化成工業社製、イミダゾール硬化促進剤)
硬化促進剤D P−0505(四国化成工業社製、イミダゾール硬化促進剤)
(4)無機充填剤
無機充填剤A SE−2050SPJ(アドマテックス社製)
無機充填剤A SE−2050SPJ(アドマテックス社製)
<評価>
実施例及び比較例で得られた接着剤組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた接着剤組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)ディスペンス評価
接着剤組成物をディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて、基板とニードルとのギャップ200μmで基板に塗布し、下記の基準で評価した。
○ 糸引きも、吐出不良も観察されなかった。
× 糸引き、又は、吐出不良が観察された。
接着剤組成物をディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて、基板とニードルとのギャップ200μmで基板に塗布し、下記の基準で評価した。
○ 糸引きも、吐出不良も観察されなかった。
× 糸引き、又は、吐出不良が観察された。
(2)ボイド評価−1
半導体チップとして、先端部に半田ボールを有する銅ポストからなるバンプが50μm間隔で形成されたTEGチップ(7.6mm×7.6mm×厚み725μm)を用いた。また、基板として、このTEGチップのバンプとデイジーチェーンとなるように配線された銅配線を有するガラスエポキシTEG基板を用いた。接着剤組成物を用いて、ステージ温度70℃、ヘッド温度140℃1秒、280℃3秒、ヘッド圧20Nで、TEGチップをガラスエポキシTEG基板にフリップチップボンディングした。その後、170℃30分で接着剤組成物を完全に硬化させ(ポストキュア)、半導体チップ実装体を得た。
超音波探査映像装置(mi−scope hyper II、日立建機ファインテック社製)を用いて、得られた半導体チップ実装体のボイドを観察し、下記の基準で評価した。
○ ボイドがほとんど観察されなかった。
× ボイドが観察された。
半導体チップとして、先端部に半田ボールを有する銅ポストからなるバンプが50μm間隔で形成されたTEGチップ(7.6mm×7.6mm×厚み725μm)を用いた。また、基板として、このTEGチップのバンプとデイジーチェーンとなるように配線された銅配線を有するガラスエポキシTEG基板を用いた。接着剤組成物を用いて、ステージ温度70℃、ヘッド温度140℃1秒、280℃3秒、ヘッド圧20Nで、TEGチップをガラスエポキシTEG基板にフリップチップボンディングした。その後、170℃30分で接着剤組成物を完全に硬化させ(ポストキュア)、半導体チップ実装体を得た。
超音波探査映像装置(mi−scope hyper II、日立建機ファインテック社製)を用いて、得られた半導体チップ実装体のボイドを観察し、下記の基準で評価した。
○ ボイドがほとんど観察されなかった。
× ボイドが観察された。
(3)ボイド評価−2(放置後)
上記(2)のボイド評価−1に使用したTEGチップ及びガラスエポキシTEG基板を用いた。接着剤組成物をディスペンスによりガラスエポキシTEG基板に塗布し、ステージ温度70℃で1時間放置した後、ヘッド温度140℃1秒、280℃3秒、ヘッド圧20Nで、TEGチップをガラスエポキシTEG基板にフリップチップボンディングした。その後、170℃30分で接着剤組成物を完全に硬化させ(ポストキュア)、半導体チップ実装体を得た。
超音波探査映像装置(mi−scope hyper II、日立建機ファインテック社製)を用いて、得られた半導体チップ実装体のボイドを観察し、下記の基準で評価した。
○ ボイドがほとんど観察されなかった。
× ボイドが観察された。
上記(2)のボイド評価−1に使用したTEGチップ及びガラスエポキシTEG基板を用いた。接着剤組成物をディスペンスによりガラスエポキシTEG基板に塗布し、ステージ温度70℃で1時間放置した後、ヘッド温度140℃1秒、280℃3秒、ヘッド圧20Nで、TEGチップをガラスエポキシTEG基板にフリップチップボンディングした。その後、170℃30分で接着剤組成物を完全に硬化させ(ポストキュア)、半導体チップ実装体を得た。
超音波探査映像装置(mi−scope hyper II、日立建機ファインテック社製)を用いて、得られた半導体チップ実装体のボイドを観察し、下記の基準で評価した。
○ ボイドがほとんど観察されなかった。
× ボイドが観察された。
(4)フィレット評価
上記(2)のボイド評価−1に使用した半導体チップ実装体の上部からフィレットを観察し、下記の基準で評価した。なお、フィレット形状の崩れとは、TEGチップの周辺からフィレットの先端までの距離が100〜300μmの範囲外であったことを指す。
○ 接着剤組成物の半導体チップ上面への這い上がりも、フィレット形状の崩れも観察されなかった。
× 接着剤組成物の半導体チップ上面への這い上がり、又は、フィレット形状の崩れが観察された。
上記(2)のボイド評価−1に使用した半導体チップ実装体の上部からフィレットを観察し、下記の基準で評価した。なお、フィレット形状の崩れとは、TEGチップの周辺からフィレットの先端までの距離が100〜300μmの範囲外であったことを指す。
○ 接着剤組成物の半導体チップ上面への這い上がりも、フィレット形状の崩れも観察されなかった。
× 接着剤組成物の半導体チップ上面への這い上がり、又は、フィレット形状の崩れが観察された。
(5)電極接合状態評価
上記(2)のボイド評価−1に使用した半導体チップ実装体を、断面からバンプに対して平行に研磨した。電極接合状態を観察し、下記の基準で評価した。
○ 電極接合状態が良好であった。
× 電極間に接着剤組成物を噛み込み、接合不良が生じていた。
上記(2)のボイド評価−1に使用した半導体チップ実装体を、断面からバンプに対して平行に研磨した。電極接合状態を観察し、下記の基準で評価した。
○ 電極接合状態が良好であった。
× 電極間に接着剤組成物を噛み込み、接合不良が生じていた。
本発明によれば、ボイドを抑制しながら短時間で信頼性の高い半導体チップの実装を行うことのできる接着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該接着剤組成物を用いた半導体チップ実装体の製造方法を提供することができる。
Claims (6)
- 熱硬化性化合物、熱硬化剤、硬化促進剤及び無機充填剤を含有する接着剤組成物であって、
70℃でのレオメーターにより測定した最低溶融粘度が1〜10Pa・sであり、
70℃での最低溶融粘度を示した時間から1時間での粘度上昇率が200%以下であり、
140℃でのゲル化時間が10秒以上であり、かつ、
240℃でのゲル化時間が0.7〜2.5秒である
ことを特徴とする接着剤組成物。 - 熱硬化性化合物は、エポキシ化合物及び/又はエピスルフィド化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物。
- 熱硬化剤は、酸無水物硬化剤、チオール硬化剤、フェノール硬化剤及びカチオン硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の接着剤組成物。
- 硬化促進剤は、イミダゾール硬化促進剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の接着剤組成物。
- 無機充填剤の配合量が、接着剤組成物中の50〜80重量%であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の接着剤組成物。
- フリップチップ実装により、半導体チップを基板又は他の半導体チップに実装する半導体チップ実装体の製造方法であって、
請求項1、2、3、4又は5記載の接着剤組成物を、半導体チップの突起電極面、或いは、基板又は他の半導体チップの電極面に設ける工程と、
前記接着剤組成物を封止領域に充填するとともに、前記半導体チップの突起電極と、前記基板又は他の半導体チップの電極とを接触させる充填工程と、
前記半導体チップの突起電極と、前記基板又は他の半導体チップの電極とを溶融接合させる接合工程と、
前記接着剤組成物を完全に硬化させる工程とを有し、
前記充填工程から前記接合工程までを5秒以内に行う
ことを特徴とする半導体チップ実装体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012141107A JP2014005347A (ja) | 2012-06-22 | 2012-06-22 | 接着剤組成物及び半導体チップ実装体の製造方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2016048691A (ja) * | 2014-03-07 | 2016-04-07 | 積水化学工業株式会社 | 導電ペースト、接続構造体及び接続構造体の製造方法 |
JP2020164628A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 株式会社Adeka | 樹脂組成物 |
-
2012
- 2012-06-22 JP JP2012141107A patent/JP2014005347A/ja active Pending
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