JP2015071728A - 半導体用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】凹凸の多い複雑な形状を持つ基板や半導体チップの凹凸に対して接着剤が追従することができ、かつ接着剤に含まれるエポキシ化合物が揮発することによって生じるボイドを抑制できる半導体用接着剤を提供する。【解決手段】低粘度エポキシ化合物、高反応性エポキシ化合物、硬化剤、硬化促進剤及び無機充填材を含有し、前記低粘度エポキシ化合物は、25℃、5rpmで測定した時の粘度が400mPa・s以下のエポキシ化合物であり、前記高反応性エポキシ化合物は、210℃での硬化速度が3秒以下であるエポキシ化合物であり、前記低粘度エポキシ化合物と前記高反応性エポキシ化合物との重量比が10:90〜50:50であり、前記無機充填材を、半導体用接着剤に含まれる前記低粘度エポキシ化合物、前記高反応性エポキシ化合物、前記硬化剤、前記硬化促進剤及び前記無機充填材の合計重量100重量部に対して50〜75重量部含有する半導体用接着剤。【選択図】なし
Description
本発明は、例えば半導体チップや基板等の電子部品を接合するのに用いられる半導体用接着剤に関し、詳しくは、接合時に接着剤が凹凸に対して高い追従性を示すことができる半導体用接着剤に関する。
接着剤を用いて基板や半導体チップ上に半導体チップを接合した半導体装置が用いられている。特許文献1には、半導体チップを接合する際に使用する接着剤として、エポキシ樹脂と、硬化剤と、潜在性硬化促進剤と、無機充填材とを含む接着剤が開示されている。
ところで、半導体装置は高集積化が進んでおり、それに伴って基板や半導体チップの形状がしだいに複雑化してきている。しかしながら、特許文献1等に記載された従来の接着剤では粘度が高いために、凹凸の多い複雑な形状の基板や半導体チップの凹凸に対して接着剤が追従できないという問題があった。したがって、接着後に接着剤が存在しない領域(ボイド)が発生してしまうことがあった。
なお、粘度を低下させる方法として無機充填材量を減らす方法が考えられるが、無機充填材の量を減らすと接着剤の線膨張率が著しく増加し、接着剤と被着体との線膨張差によって半導体装置が反ってしまったり、はんだ等の導通部分にクラックが発生したりしやすい。したがって、接着剤の粘度を低下させるために無機充填材の量を減らすことは適切ではない。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、凹凸の多い複雑な形状を持つ基板や半導体チップの凹凸に対して接着剤が追従することができ、かつ接着剤に含まれるエポキシ化合物が揮発することによって生じるボイドを抑制できる半導体用接着剤を提供することにある。
本発明者らは、無機充填材の量を減らすことなく接着剤の粘度を低下させる方法として、低粘度エポキシ化合物を用いることを検討した。ところが、低粘度のエポキシ化合物は、半導体装置を製造する際に行われる加熱温度で揮発してしまうことに起因してボイドが発生してしまうことが判明した。そこで、更なる検討を行った結果、本発明を完成させた。
本発明は、低粘度エポキシ化合物、高反応性エポキシ化合物、硬化剤、硬化促進剤及び無機充填材を含有し、前記低粘度エポキシ化合物は、25℃、5rpmで測定した時の粘度が400mPa・s以下のエポキシ化合物であり、前記高反応性エポキシ化合物は、210℃での硬化速度が3秒以下であるエポキシ化合物であり、前記低粘度エポキシ化合物と前記高反応性エポキシ化合物との重量比が10:90〜50:50であり、前記無機充填材を、半導体用接着剤に含まれる前記低粘度エポキシ化合物、前記高反応性エポキシ化合物、前記硬化剤、前記硬化促進剤及び前記無機充填材の合計重量100重量部に対して50〜75重量部含有する半導体用接着剤である。
以下本発明を詳述する。
(低粘度エポキシ化合物)
本発明に係る半導体用接着剤は、低粘度エポキシ化合物を含有する。低粘度エポキシ化合物は25℃、5rpmで測定した時の粘度が400mPa・s以下である。25℃、5rpmで測定した時の粘度は好ましくは300mPa・s以下であり、より好ましくは260mPa・s以下である。
また、25℃、5rpmで測定した時の粘度の下限は特に限定されないが、技術的に可能なエポキシ化合物の粘度を考慮すると、好ましい下限は30mPa・sである。
なお、前記粘度は、E型粘度測定装置(VISCOMETER TV−22、TOKAI SANGYO CO.LTD社製)を用いて25℃、回転数5rpmに設定して測定する。
(低粘度エポキシ化合物)
本発明に係る半導体用接着剤は、低粘度エポキシ化合物を含有する。低粘度エポキシ化合物は25℃、5rpmで測定した時の粘度が400mPa・s以下である。25℃、5rpmで測定した時の粘度は好ましくは300mPa・s以下であり、より好ましくは260mPa・s以下である。
また、25℃、5rpmで測定した時の粘度の下限は特に限定されないが、技術的に可能なエポキシ化合物の粘度を考慮すると、好ましい下限は30mPa・sである。
なお、前記粘度は、E型粘度測定装置(VISCOMETER TV−22、TOKAI SANGYO CO.LTD社製)を用いて25℃、回転数5rpmに設定して測定する。
前記低粘度エポキシ化合物の硬化速度は、特に限定されず、210℃での硬化速度が3秒以下であってもよい。
前記低粘度エポキシ化合物としては、上記範囲の粘度を満たすためには脂肪族炭化水素の骨格等を有することが好ましく、具体的には例えば、脂環式エポキシ化合物、脂肪族ポリエーテル骨格を有するエポキシ化合物が好ましい。また、芳香族エポキシ化合物であってもよく、該芳香族エポキシ化合物のなかでは、アニリン骨格を有するグリシジルアニリン型エポキシ化合物が好ましい。
脂環式エポキシ樹脂としては、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。脂肪族ポリエーテル骨格を有するエポキシ化合物としては、ポリエチレングリコールのグリジジルエーテル付加物、ポリプロピレングリコールのグリシジルエーテル付加物等が挙げられる。
前記低粘度エポキシ化合物の市販品としては、例えば、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート828EL、エピコート828XA、エピコート834、エピート801、エピコート801P、エピコート802、エピコート802XA、エピコート815、エピコート815XA、エピコート816A、エピコート819、エピコート806、エピコート806L、エピコート807等のジャパンエポキシレジン社製のエポキシ化合物、EP−4100、EP−4100G、EP−4100E、EP−4100W、EP−4100TX、EP−4300E、EP−4340、EP−4200、EP−4400、EP−4500A、EP−4510、EP−4520、EP−4520S、EP−4520TX、EP−4530、EP−4901、EP−4901E、EP−4950、EP−4000、EP−4005、EP−1307、EP−4004、Ep−4080E、EP−4012M、EP−4000S、EP−4000SS、EP−4003S、EP−4010S、EP−4088S、EP−4085S等のADEKA社製のエポキシ化合物、EXA−4850−150、EXA−4850−1000等のDIC社製のエポキシ化合物、CEL−2021P(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ当量128〜140、粘度200〜350cP/25℃)、CEL−2021A(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ当量130〜145、粘度200〜450cP/25℃)、CEL−2000(1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサン、粘度1.5cP/25℃)、CEL−3000(1,2,8,9−ジエポキシリモネン、エポキシ当量93.5以下、粘度5〜20cP/25℃)等のダイセル化学工業社製のエポキシ化合物、デナコールEX−421、201(レゾルシンジグリシジルエーテル)、211(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)、911(プロピレングリコールジグリシジルエーテル)、701(アジピン酸ジグリシジルエステル等のナガセ化成工業社製のエポキシ化合物等が挙げられる。なかでも、EP−4085S、EP−4088S等のADEKA社製の脂環式エポキシ化合物や、GANやGOT等の日本化薬社製のアニリン型エポキシ化合物が好ましい。
(高反応性エポキシ化合物)
本発明に係る半導体用接着剤は、前記低粘度エポキシ化合物と共に高反応性エポキシ化合物を含有する。高反応性エポキシ化合物は、210℃での硬化速度が3秒以下のエポキシ化合物である。前記低粘度エポキシ化合物と共にこのような高反応性エポキシ化合物を含有することにより、本発明に係る半導体用接着剤は、低い粘度を有しながら、接着剤の硬化反応時に接着剤の粘度が急激に上昇するため、前記低粘度エポキシ化合物が揮発してボイドを発生する現象を抑制することができる。210℃での硬化速度は好ましくは2.9秒以下であり、より好ましくは2.8秒以下である。
また、210℃での硬化速度の下限は特に限定されないが、技術的に可能なエポキシ化合物の硬化速度を考慮すると、好ましい下限は0.5秒である。
ここでいう210℃での硬化速度とは、次の方法により測定する。高反応性エポキシ化合物と共に配合される硬化剤及び硬化促進剤を高反応性エポキシ化合物に加えた硬化性樹脂を作製する。次いで、得られた硬化性樹脂をシリコン片上に塗布し、シリコン片に塗られた硬化性樹脂を210℃のホットプレートに押し付け、シリコン片を押しつけてからシリコン片が外れなくなるまでの時間を測定する。
本発明に係る半導体用接着剤は、前記低粘度エポキシ化合物と共に高反応性エポキシ化合物を含有する。高反応性エポキシ化合物は、210℃での硬化速度が3秒以下のエポキシ化合物である。前記低粘度エポキシ化合物と共にこのような高反応性エポキシ化合物を含有することにより、本発明に係る半導体用接着剤は、低い粘度を有しながら、接着剤の硬化反応時に接着剤の粘度が急激に上昇するため、前記低粘度エポキシ化合物が揮発してボイドを発生する現象を抑制することができる。210℃での硬化速度は好ましくは2.9秒以下であり、より好ましくは2.8秒以下である。
また、210℃での硬化速度の下限は特に限定されないが、技術的に可能なエポキシ化合物の硬化速度を考慮すると、好ましい下限は0.5秒である。
ここでいう210℃での硬化速度とは、次の方法により測定する。高反応性エポキシ化合物と共に配合される硬化剤及び硬化促進剤を高反応性エポキシ化合物に加えた硬化性樹脂を作製する。次いで、得られた硬化性樹脂をシリコン片上に塗布し、シリコン片に塗られた硬化性樹脂を210℃のホットプレートに押し付け、シリコン片を押しつけてからシリコン片が外れなくなるまでの時間を測定する。
前記高反応性エポキシ化合物の25℃、5rpmで測定した時の粘度は、400mPa・sを超えることが好ましい。
前記高反応性エポキシ化合物としては、上記範囲の硬化速度を満たすためには3官能以上の多官能エポキシ化合物であったり、アニリン骨格等を有していたりすることが好ましい。具体的には、3官能アニリン型エポキシ化合物、4官能ナフタレン型エポキシ化合物、フェノールノボラック型オリゴマーのエポキシ変性物、クレゾールノボラック型オリゴマーのエポキシ変性物、ジシクロペンタジエン型オリゴマーのエポキシ変性物、イソシアヌレート型エポキシ化合物、トリフェニルメタン型エポキシ化合物、テトラフェニルメタン型エポキシ化合物、ジヒドロキシベンゼンノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。
前記高反応性エポキシ化合物の市販品としては、例えばEP−3900S、EP−3950S(ADEKA社製、3官能アニリン型エポキシ化合物)、HP−4710(DIC社製、4官能ナフタレン型エポキシ化合物)が挙げられる。
前記低粘度エポキシ化合物と前記高反応性エポキシ化合物との組み合わせとしては、前記低粘度エポキシ化合物としての脂環式エポキシ化合物と、前記高反応性エポキシ化合物としての3官能アニリン型エポキシ化合物との組み合わせが好ましい。
本発明に係る半導体用接着剤は、前記低粘度エポキシ化合物と前記高反応性エポキシ化合物とを10:90〜50:50の重量比で含有する。なお、前記低粘度エポキシ化合物及び前記高反応性エポキシ化合物を含むエポキシ化合物の合計重量を100重量部としたとき、低粘度エポキシ化合物は10〜50重量部であることが好ましく、高反応性エポキシ化合物は50〜90重量部であることが好ましい。高反応性エポキシ化合物が少なすぎると低粘度エポキシ化合物の揮発を抑制することができず、多すぎると粘度が高くなり接着剤が凹凸へ十分に追従できない。
(硬化剤)
本発明に係る半導体用接着剤は、硬化剤を含有する。前記硬化剤としては、チオール基を有する硬化剤(チオール系硬化剤)が挙げられる。具体的には、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール等のアルキルポリチオール化合物;末端チオール基含有ポリエーテル;末端チオール基含有ポリチオエーテル、エポキシ化合物と硫化水素との反応によって得られるチオール化合物;ポリチオール化合物とエポキシ化合物との反応によって得られる末端チオール基を有するチオール化合物;ビス(ジシクロエチル)ホルマールと多硫化ソーダより得られるチオール化合物等、その製造工程上、反応触媒として塩基性物質を使用するものであって、これを脱アルカリ処理し、アルカリ金属イオン濃度を50ppm以下としたチオール化合物等が挙げられる。
本発明に係る半導体用接着剤は、硬化剤を含有する。前記硬化剤としては、チオール基を有する硬化剤(チオール系硬化剤)が挙げられる。具体的には、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール等のアルキルポリチオール化合物;末端チオール基含有ポリエーテル;末端チオール基含有ポリチオエーテル、エポキシ化合物と硫化水素との反応によって得られるチオール化合物;ポリチオール化合物とエポキシ化合物との反応によって得られる末端チオール基を有するチオール化合物;ビス(ジシクロエチル)ホルマールと多硫化ソーダより得られるチオール化合物等、その製造工程上、反応触媒として塩基性物質を使用するものであって、これを脱アルカリ処理し、アルカリ金属イオン濃度を50ppm以下としたチオール化合物等が挙げられる。
前記硬化剤としては特に多官能チオールが好ましい。多官能チオールを用いることにより、硬化速度が速い接着剤が得られるので低粘度エポキシ化合物の揮発を十分に抑制できる。
前記チオール系硬化剤の市販品としては、TMMP、DPMP、PEMP、TEMPIC(SC有機化学社製)等が挙げられる。
前記硬化剤の配合量は特に限定されないが、前記低粘度エポキシ化合物及び前記高反応性エポキシ化合物を含むエポキシ化合物に含まれるエポキシ基の総数に対して、30〜100当量の硬化剤を配合することが好ましい。
(硬化促進剤)
本発明に係る半導体用接着剤は、前記硬化剤に加えて、硬化促進剤を更に含有する。硬化促進剤を用いることにより、接着剤の硬化速度が更に速くなる。
本発明に係る半導体用接着剤は、前記硬化剤に加えて、硬化促進剤を更に含有する。硬化促進剤を用いることにより、接着剤の硬化速度が更に速くなる。
前記硬化促進剤としては特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、又は3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度を制御することで硬化物の物性を調整できることから、イミダゾール系硬化促進剤が特に好ましい。なお、硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記硬化促進剤の市販品としては、イミダゾールとテトラキスフェノールとの包接化合物であるTEP−2E4MZ(日本曹達社製)等が挙げられる。
前記硬化促進剤の配合量としては特に限定されず、前記低粘度エポキシ化合物及び前記高反応性エポキシ化合物を含むエポキシ化合物の合計重量100重量部に対して5〜35重量部であることが好ましい。
(無機充填材)
本発明に係る半導体用接着剤は、無機充填材を含有する。
本発明に係る半導体用接着剤は、前記低粘度エポキシ化合物を含有することにより低い粘度を有するため、十分な量の無機充填材を含有することができる。本発明に係る半導体用接着剤に十分な量の無機充填材を加えると、硬化した接着剤の線膨張率が低下し、接合された半導体装置に生じる応力が減少する。これにより、はんだ等の導通部分にクラックが発生することを抑制できる。
前記無機充填材としては特に限定されず、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスパウダー、ガラスフリット等が挙げられる。
本発明に係る半導体用接着剤は、無機充填材を含有する。
本発明に係る半導体用接着剤は、前記低粘度エポキシ化合物を含有することにより低い粘度を有するため、十分な量の無機充填材を含有することができる。本発明に係る半導体用接着剤に十分な量の無機充填材を加えると、硬化した接着剤の線膨張率が低下し、接合された半導体装置に生じる応力が減少する。これにより、はんだ等の導通部分にクラックが発生することを抑制できる。
前記無機充填材としては特に限定されず、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスパウダー、ガラスフリット等が挙げられる。
前記無機充填材として粒子状の無機充填材を用いる場合、平均粒径の好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は30μmである。前記無機充填材の平均粒径が0.1μm未満であると、半導体用接着剤の粘度が高くなりすぎることがある。前記無機充填材の平均粒径が30μmを超えると、半導体用接着剤を用いて半導体チップを被着体に加圧接合する際に、半導体チップの電極間に前記無機充填が噛み込むおそれがある。
前記無機充填材の市販品としては、SE4050、SE2050、SE2050−SPJ、SE2050−SMJ、SE2050−STJ、SE1050−SPT、SE1050−SMT、SE1050−STT(アドマテックス社製)等が挙げられる。
本発明に係る半導体用接着剤は、前記無機充填材を、本発明に係る半導体用接着剤に含まれる前記低粘度エポキシ化合物、前記高反応性エポキシ化合物、前記硬化剤、前記硬化促進剤及び前記無機充填材の合計重量100重量部に対して50〜75重量部含有する。
無機充填材の配合量が50重量部未満であると、半導体用接着剤の線膨張率が上昇し、接合された半導体装置に応力が生じ、はんだ等の導通部分にクラックが発生することがある。無機充填材の配合量が50〜75重量部の範囲にあると、接着剤の硬化反応時に接着剤の粘度が急激に上昇することを利用して、低粘度エポキシ化合物の揮発を抑制できる。
無機充填材の配合量が50重量部未満であると、半導体用接着剤の線膨張率が上昇し、接合された半導体装置に応力が生じ、はんだ等の導通部分にクラックが発生することがある。無機充填材の配合量が50〜75重量部の範囲にあると、接着剤の硬化反応時に接着剤の粘度が急激に上昇することを利用して、低粘度エポキシ化合物の揮発を抑制できる。
(半導体用接着剤)
本発明に係る半導体用接着剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、材料を所定量配合して混合する方法が挙げられる。混合装置は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等が挙げられる。
本発明に係る半導体用接着剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、材料を所定量配合して混合する方法が挙げられる。混合装置は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等が挙げられる。
本発明に係る半導体用接着剤は、室温(25℃)での粘度が、8Pa・s以下であることが好ましい。室温での粘度が8Pa・sを超えると基板や半導体チップの凹凸に半導体用接着剤が十分に追従できずボイドが発生してしまうことがある。なお、前記粘度は、E型粘度測定装置(VISCOMETER TV−22、TOKAI SANGYO CO.LTD社製)を用いて25℃、回転数5rpmに設定して測定する。
本発明に係る半導体用接着剤は、210℃での硬化速度が3秒以下となる半導体用接着剤であることが好ましい。210℃での硬化速度が3秒を超えると低粘度エポキシ化合物の揮発が抑えられずボイドが発生してしまうことがある。ここでいう210℃での硬化速度とは、次の方法により測定する。半導体用接着剤をシリコン片上に塗布し、シリコン片に塗られた半導体用接着剤を210℃のホットプレートに押し付け、シリコン片を押しつけてからシリコン片が外れなくなるまでの時間を測定する。
本発明に係る半導体用接着剤の用途は特に限定されないが、本発明に係る半導体用接着剤は、例えば、半導体チップと基板との接合、半導体チップと半導体チップとの接合(チップオンチップ)、半導体チップとウエハとの接合(チップオンウエハ)等に用いることができる。
本発明によれば、複雑な形状の基板や半導体チップの凹凸に追従できる低い粘度を有し、かつ、低粘度エポキシ化合物が揮発してボイドを発生する現象を抑制できる半導体用接着剤を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例だけに限定されない。
(実施例1〜5及び比較例1〜4)
以下に示す材料を表1、表2に示した配合割合で配合し、ホモディスパーを用いて撹拌混合し、半導体用接着剤を調製した。なお、エポキシ化合物の粘度は、E型粘度測定装置(VISCOMETER TV−22、TOKAI SANGYO CO.LTD社製)を用いて25℃、回転数5rpmに設定して測定した。また、エポキシ化合物の210℃での硬化速度は、エポキシ化合物と共に配合される硬化剤及び硬化促進剤をエポキシ化合物に加えた硬化性樹脂を作製し、得られた硬化性樹脂をシリコン片上に塗布し、シリコン片に塗られた硬化性樹脂を210℃のホットプレートに押し付け、シリコン片を押しつけてからシリコン片が外れなくなるまでの時間を測定した。
(低粘度エポキシ化合物)
脂環式エポキシ化合物(EP−4085S、ADEKA社製、25℃、5rpmで測定した時の粘度230mPa・s、下記の硬化剤及び硬化促進剤を用いた時の210℃での硬化速度5秒)
以下に示す材料を表1、表2に示した配合割合で配合し、ホモディスパーを用いて撹拌混合し、半導体用接着剤を調製した。なお、エポキシ化合物の粘度は、E型粘度測定装置(VISCOMETER TV−22、TOKAI SANGYO CO.LTD社製)を用いて25℃、回転数5rpmに設定して測定した。また、エポキシ化合物の210℃での硬化速度は、エポキシ化合物と共に配合される硬化剤及び硬化促進剤をエポキシ化合物に加えた硬化性樹脂を作製し、得られた硬化性樹脂をシリコン片上に塗布し、シリコン片に塗られた硬化性樹脂を210℃のホットプレートに押し付け、シリコン片を押しつけてからシリコン片が外れなくなるまでの時間を測定した。
(低粘度エポキシ化合物)
脂環式エポキシ化合物(EP−4085S、ADEKA社製、25℃、5rpmで測定した時の粘度230mPa・s、下記の硬化剤及び硬化促進剤を用いた時の210℃での硬化速度5秒)
(高反応性エポキシ化合物)
3官能アニリン型エポキシ化合物(EP−3900S、ADEKA社製、25℃、5rpmで測定した時の粘度650mPa・s、下記の硬化剤及び硬化促進剤を用いた時の210℃での硬化速度3秒)
3官能アニリン型エポキシ化合物(EP−3900S、ADEKA社製、25℃、5rpmで測定した時の粘度650mPa・s、下記の硬化剤及び硬化促進剤を用いた時の210℃での硬化速度3秒)
(硬化剤)
チオール系硬化剤(TMMP、SC有機化学社製)
チオール系硬化剤(TMMP、SC有機化学社製)
(硬化促進剤)
イミダゾール系硬化促進剤(TEP−2E4MZ、日本曹達社製)
イミダゾール系硬化促進剤(TEP−2E4MZ、日本曹達社製)
(無機充填材)
シリカ粒子(SE−2050−SMJ、アドマテックス社製)
シリカ粒子(SE−2050−SMJ、アドマテックス社製)
(評価)
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた半導体用接着剤について以下の評価を行った。結果を表1、表2に示した。
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた半導体用接着剤について以下の評価を行った。結果を表1、表2に示した。
(室温での粘度)
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた半導体用接着剤の室温(25℃)での粘度を、E型粘度測定装置(VISCOMETER TV−22、TOKAI SANGYO CO.LTD社製)を用いて25℃、回転数5rpmに設定して測定した。
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた半導体用接着剤の室温(25℃)での粘度を、E型粘度測定装置(VISCOMETER TV−22、TOKAI SANGYO CO.LTD社製)を用いて25℃、回転数5rpmに設定して測定した。
(210℃での硬化速度)
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた半導体用接着剤をシリコン片上に塗布し、シリコン片に塗られた半導体用接着剤を210℃のホットプレートに押し付け、シリコン片を押しつけてからシリコン片が外れなくなるまでの時間を測定した。
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた半導体用接着剤をシリコン片上に塗布し、シリコン片に塗られた半導体用接着剤を210℃のホットプレートに押し付け、シリコン片を押しつけてからシリコン片が外れなくなるまでの時間を測定した。
(基板凹凸への追従性)
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた半導体用接着剤を10mlのシリンジ(岩下エンジニアリング社製)に充填し、シリンジ先端に精密ノズル(岩下エンジニアリング社製、ノズル先端径0.3mm)を取り付け、ディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて塗布量が2.0mgとなるように基板(WALTS−KIT MB50−0101JY、ウォルツ社製)上に塗布した。
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた半導体用接着剤を10mlのシリンジ(岩下エンジニアリング社製)に充填し、シリンジ先端に精密ノズル(岩下エンジニアリング社製、ノズル先端径0.3mm)を取り付け、ディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて塗布量が2.0mgとなるように基板(WALTS−KIT MB50−0101JY、ウォルツ社製)上に塗布した。
塗布した半導体用接着剤を介して、フリップチップボンダ(FC3000S、東レエンジニアリング社製)を用いて、170℃、20Nで1秒間押圧することにより、はんだからなる突起状電極を有する半導体チップ(WALTS−TEG MB50−0101JY、はんだの溶融温度235℃、ウォルツ社製)の突起状電極と基板の電極部とを接触させるとともに半導体用接着剤を封止領域に充填させた。次いで、170℃のオーブンで30分間加熱し、半導体用接着剤を完全硬化させ、半導体チップ実装体を得た。
超音波探査映像装置(C−SAM D−90000、Sonoscan製)を用いて、前記半導体チップ実装体における基板開口部のボイドを観察し、下記の基準で評価した。
○ ボイドがほとんど観察されなかった。
△ ボイドがわずかに観察された。
× ボイドによる目立った剥離が見られた。
○ ボイドがほとんど観察されなかった。
△ ボイドがわずかに観察された。
× ボイドによる目立った剥離が見られた。
(低粘度エポキシ化合物の揮発に由来したボイド発生の有無)
上述した条件で塗布した半導体用接着剤を介して、フリップチップボンダ(FC30000S、東レエンジニアリング社製)を用いて、170℃、20Nで1秒間押圧することにより、はんだからなる突起状電極を有する半導体チップ(WALTS−TEG MB50−0101JY、はんだの溶融温度235℃、ウォルツ社製)の突起状電極と基板の電極部とを接触させるとともに半導体用接着剤を封止領域に充填させた。次いで、270℃、1Nで4秒加熱することにより接合部のはんだを溶融させるとともに半導体用接着剤を硬化させた。次いで、170℃のオーブンで30分間加熱し、半導体用接着剤を完全硬化させ、半導体チップ実装体を得た。
上述した条件で塗布した半導体用接着剤を介して、フリップチップボンダ(FC30000S、東レエンジニアリング社製)を用いて、170℃、20Nで1秒間押圧することにより、はんだからなる突起状電極を有する半導体チップ(WALTS−TEG MB50−0101JY、はんだの溶融温度235℃、ウォルツ社製)の突起状電極と基板の電極部とを接触させるとともに半導体用接着剤を封止領域に充填させた。次いで、270℃、1Nで4秒加熱することにより接合部のはんだを溶融させるとともに半導体用接着剤を硬化させた。次いで、170℃のオーブンで30分間加熱し、半導体用接着剤を完全硬化させ、半導体チップ実装体を得た。
超音波探査映像装置を用いて、前記半導体チップ実装体のボイドを観察し、下記の基準で評価した。
○ ボイドがほとんど観察されなかった。
△ ボイドがわずかに観察された。
× ボイドによる目立った剥離が見られた。
○ ボイドがほとんど観察されなかった。
△ ボイドがわずかに観察された。
× ボイドによる目立った剥離が見られた。
本発明によれば、凹凸の多い複雑な形状を持つ基板や半導体チップの凹凸に対して接着剤が追従することができ、かつ接着剤に含まれるエポキシ化合物が揮発することによって生じるボイドを抑制できる半導体用接着剤を提供することができる。
Claims (3)
- 低粘度エポキシ化合物、高反応性エポキシ化合物、硬化剤、硬化促進剤及び無機充填材を含有し、前記低粘度エポキシ化合物は、25℃、5rpmで測定した時の粘度が400mPa・s以下のエポキシ化合物であり、前記高反応性エポキシ化合物は、210℃での硬化速度が3秒以下であるエポキシ化合物であり、前記低粘度エポキシ化合物と前記高反応性エポキシ化合物との重量比が10:90〜50:50であり、前記無機充填材を、半導体用接着剤に含まれる前記低粘度エポキシ化合物、前記高反応性エポキシ化合物、前記硬化剤、前記硬化促進剤及び前記無機充填材の合計重量100重量部に対して50〜75重量部含有することを特徴とする半導体用接着剤。
- 室温での粘度が8Pa・s以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体用接着剤。
- 210℃での硬化速度が3秒以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体用接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013209061A JP2015071728A (ja) | 2013-10-04 | 2013-10-04 | 半導体用接着剤 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116179131A (zh) * | 2023-03-20 | 2023-05-30 | 广州聚合新材料科技股份有限公司 | 一种底部填充胶及其制备方法与应用 |
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2013
- 2013-10-04 JP JP2013209061A patent/JP2015071728A/ja active Pending
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