JP5649763B1 - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ビスフェノールA及びビスフェノールAを含む原料を用いて製造された樹脂を含まない缶被覆用水性塗料組成物であって、塗料の貯蔵安定性に優れ、耐水性、耐食性、加工性に優れた塗膜を形成可能な缶被覆用水性塗料組成物を提供する。本発明は、コア部が架橋したコアシェル型アクリル樹脂粒子(A)を含む缶被覆用水性塗料組成物であって、前記シェル部を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度が35〜105℃の範囲内であり、前記コア部を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度が−10〜25℃の範囲内であり、コア部の質量がコア部とシェル部との合計質量を基準として10〜90質量%の範囲内であり、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)が酸基を有していることを特徴とする缶被覆用水性塗料組成物である。

Description

本発明は、塗料の貯蔵安定性に優れ、耐水性、耐食性及び加工性に優れた塗膜を形成することが可能な缶被覆用水性塗料組成物に関する。
従来、缶内面用の塗料としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤とを含む有機溶剤型塗料が一般に使用されてきたが、この塗料から排出される有機溶剤による地球環境汚染の問題があり、缶内面用の塗料は、有機溶剤型塗料から水性塗料に置き換えられつつある。
そして、その水性塗料としては、例えば、エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂とを反応させて得られたエポキシ変性アクリル樹脂を含む水性塗料が提案されている(特許文献1を参照)。
上記のような従来の缶内面用水性塗料においては、良好な塗装作業性と塗膜性能を得るために、一般にビスフェノールAを含む原料を用いて製造されたエポキシ樹脂が使用されている。しかしながら、ビスフェノールAは外因性内分泌攪乱化学物質の疑いがあるとされるため、ビスフェノールAを含む原料を用いて製造された樹脂を含まない缶内面用水性塗料が望まれている。
ビスフェノールAを原料として含まない樹脂を用いた塗料組成物としては、例えば、ラジカル反応性不飽和基を有するポリエステルに、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含む重合性不飽和モノマーをグラフト重合してなるアクリル変性ポリエステル樹脂と、レゾール型フェノール樹脂の架橋物とを含む缶内面用水性被覆組成物が提案されている(特許文献2を参照)。しかしながら、このような組成物から得られた被膜は、耐レトルト白化性に劣ることがあった。
また、界面活性剤を用いた乳化重合法により得られたアクリル樹脂エマルションを含む缶内面水性塗料組成物は、硬化した塗膜中に界面活性剤が含まれることとなり、この界面活性剤が、硬化塗膜の耐食性悪化や耐レトルト白化性悪化の原因となることがあった。そのため、界面活性剤を用いないソープフリー重合により製造されたアクリル樹脂エマルションを用いた缶内面用水性塗料組成物が、特許文献3〜5に開示されている。
例えば、特許文献3には、水性アクリル重合体を用いてエチレン系不飽和単量体の混合物を水性媒体中に分散させた水性分散液を、前記水性アクリル重合体とは別の水性樹脂の存在下でラジカル重合させることによって得られる熱硬化性水性樹脂の分散体を含む製缶塗料用水性樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献4には、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体を含有するカルボキシル基含有成分、塩基性化合物、及び水を含有するポリマーの水溶液ないしエマルションの存在下で、エチレン性不飽和モノマーを含有する被乳化成分をラジカル重合させることによって得られる複合化ポリマーのエマルションを含有する缶内面被覆用水性塗料組成物が開示されている。
また、特許文献5には、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体を含有するカルボキシル基含有成分、塩基性化合物、及び水を含有してなるポリマーの水溶液ないしエマルションの存在下で、エチレン性不飽和モノマーを含有する被乳化成分を、ノニオン性の水溶性ラジカル開始剤を用いてラジカル重合させることによって得られるポリマーエマルションを含有することを特徴とする水性塗料が開示されている。
しかしながら、特許文献3〜5に開示されたこれらの水性塗料組成物は、製造工程が煩雑なために、高コストになることがあった。また、これらのアクリル樹脂系エマルションを用いた水性塗料組成物は、貯蔵安定性に劣ることがあり、さらに、これらの水性塗料組成物から得られた塗膜は、耐水性、耐食性、加工性が特許文献1に開示されたエポキシ変性アクリル樹脂系の水性塗料から得られた塗膜よりも劣ることがあった。
特開平7−138523号公報 特開2002−302639号公報 特開2002−155234号公報 特開2005−179491号公報 特開2008−255204号公報
本発明の目的は、ビスフェノールA又はビスフェノールAを含む原料を用いて製造された樹脂を含まない缶被覆用水性塗料組成物であって、塗料の貯蔵安定性に優れ、耐水性、耐食性、加工性に優れた塗膜を形成可能な缶被覆用水性塗料組成物、及び該塗料組成物によって被覆されてなる被覆缶を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、シェル部及び架橋したコア部からなるコアシェル型アクリル樹脂粒子(A)を含む缶被覆用水性塗料組成物であって、前記シェル部を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度が35〜105℃の範囲内であり、前記コア部を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度が−10〜25℃の範囲内であり、前記コア部の質量がコア部とシェル部との合計質量を基準として10〜90質量%の範囲内であり、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)が酸基を有している缶被覆用水性塗料組成物が、貯蔵安定性に優れており、さらに、前記水性塗料組成物から得られた塗膜が、耐水性、耐食性、加工性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の水性塗料組成物は、貯蔵安定性に優れており、耐水性、耐食性、加工性に優れた塗膜を形成することができる。また、本発明の水性塗料組成物に使用される、コア部が架橋したコアシェル型アクリル樹脂粒子は、低コストで製造することができる。
本発明の缶被覆用水性塗料組成物(以下、「水性塗料組成物」と記すことがある)は、シェル部及び架橋したコア部からなるコアシェル型アクリル樹脂粒子(A)(以下、単に「コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)」と記すことがある。)を含む水性塗料組成物であって、前記シェル部を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度(以下、「シェルTg」と記すことがある。)が35〜105℃の範囲内であり、前記コア部を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度(以下、「コアTg」と記すことがある。)が−10〜25℃の範囲内であり、前記コア部の質量がコア部とシェル部との合計質量を基準として10〜90質量%の範囲内であり、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)が酸基を有していることを特徴とする。
コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)
コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)は、ラジカル重合性不飽和モノマーを用いた従来から公知の多段階の乳化重合により得ることができる。例えば、前記コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)は、ラジカル重合性不飽和基を1分子中に2個以上有するラジカル重合性不飽和モノマー(以下、「多ビニルモノマー」と記すことがある。)及び/又は相補的に反応して化学結合を形成することが可能な不飽和基以外の官能基を有するラジカル重合性不飽和モノマーを含むモノマー混合物(以下、「コアモノマー混合物(a1)」と記すことがある。)を用いて、第1段階の乳化重合を水の存在下で行い、架橋したコア粒子の水分散体を得た後、前記水分散体にシェル部を形成するためのラジカル重合性不飽和モノマーのモノマー混合物(a2)(以下、「シェルモノマー混合物(a2)」と記すことがある。)を加えて、第2段階の乳化重合を行うことにより得ることができる。
前記多ビニルモノマーは、コアモノマー混合物(a1)の質量を基準として0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%の範囲内の量で用いることができる。
前記相補的に反応して化学結合を形成することが可能な不飽和基以外の官能基を有するラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の同種の官能基どうしが相補的に反応して化学結合を形成できるもの、又は(メタ)アクリル酸グリシジルエステルと(メタ)アクリル酸との組合せにおけるグリシジル基とカルボン酸との反応のように、異種の2つの官能基が相補的に反応してエステル結合等の化学結合を形成できるものなどを挙げることができる。コア粒子内の架橋反応は、例えば、前記第1段階の乳化重合においてコア粒子を形成しながら行っても、コア粒子を形成した後に適当な触媒を加えて行っても、又はシェル部を形成した後に適当な触媒を加えて行ってもよい。
前記ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有するモノマー;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有するモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有するモノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有するモノマー;N置換マレイミド類;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等の窒素含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物、(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体、アリルアルコ−ル、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート及びこれらのナトリウム塩又はアンモニウム塩等のスルホン酸基含有モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸基を有するモノマー;アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有モノマー;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ペンタエリスリトルジアリルエ−テル、ジビニルベンゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等のラジカル重合性不飽和基を1分子中に2個以上有するラジカル重合性不飽和モノマー、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
前記第1段階の乳化重合において、コアモノマー混合物(a1)の一部を少量用いた乳化重合によりシード粒子を得た後、該シード粒子の存在下で、残りのコアモノマー混合物(a1)を乳化重合することによりコア粒子の水分散体を得てもよい。
前記コア粒子の水分散体にシェルモノマー混合物(a2)を加えて、第2段階の乳化重合を行うことにより、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)を得ることができる。その際に、シェル部を形成するための前記第2段階の乳化重合を、2段階以上で行うことにより、シェル部を2層以上有するコアシェル型アクリル樹脂粒子(A)を得てもよい。このとき、シェルモノマー混合物(a2)の配合量やモノマー組成は、各段階で異なっていてもよい。
また、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)の製造において、重合反応槽にコアモノマー混合物(a1)又はシェルモノマー混合物(a2)を添加する手段については、特に制約はなく、例えば、第1段階の乳化重合において、コアモノマー混合物(a1)を一括で添加しても、連続的に添加しても、又は間欠的に添加してもよい。同様に、第2段階の乳化重合において、シェルモノマー混合物(a2)を一括で添加しても、連続的に添加しても、又は間欠的に添加してもよい。
本発明におけるコアシェル型アクリル樹脂粒子(A)は、シェルTgが35〜105℃の範囲内であり、コアTgが−10〜25℃の範囲内である。シェルTgが35℃よりも低いと、得られる塗膜の耐食性が劣ることがあり、シェルTgが105℃よりも高いと、得られる塗膜の加工性が劣ることがある。また、コアTgが−10℃よりも低いと、得られる塗膜の耐食性が劣ることがあり、コアTgが25℃よりも高いと、得られる塗膜の加工性が劣ることがある。
ここで、ガラス転移温度(Tg)は、下記の式(1)及び式(2)を用いて算出することができる。
Figure 0005649763
Figure 0005649763
式中、W1、W2、・・は、共重合に使用されたモノマーのそれぞれの質量%を表わし、T1、T2、・・は、それぞれ単量体のホモポリマ−のTg(°K)を表わす。なお、T1、T2、・・は、Polymer Hand Book(Second Edition,J.Brandup・E.H.Immergut編)による値である。このハンドブックに記載されてないモノマーによるホモポリマーのガラス転移温度は、重量平均分子量が2万〜5万程度のホモポリマーについての実測値とする。この実測値は、測定カップにとった試料を真空吸引して溶剤等の揮発成分を除去した後、示差走査型熱分析「DSC−50Q型」(商品名、島津製作所社製)を用いて、3℃/分の昇温速度で−50℃〜+150℃の範囲の熱量変化を測定し、低温側の最初のベースラインの変化点を用いる。
なお、本明細書において、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)のシェル部が2層以上の多層の場合、シェルTgは、シェルモノマー混合物(a2)に用いたすべてのモノマーを合計した組成に基づいて、上述の各式により計算された値である。また、前記架橋したコア部が多ビニルモノマーを含むコアモノマー混合物(a1)を用いて形成された場合、コアTgは、前記コアモノマー混合物(a1)から多ビニルモノマーを除外した組成に基づいて、上述の各式により計算された値である。
コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)におけるコア部の質量は、コア部とシェル部との合計質量を基準として10〜90質量%、好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%の範囲内である。前記コア部の質量が10質量%よりも少ないと、得られる塗膜の加工性が劣ることがあり、90質量%よりも多いと、得られる塗膜の耐食性が低下することがある。
本発明の水性塗料組成物のコアシェル型アクリル樹脂粒子(A)は、貯蔵安定性の観点から、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸基を有していることが好ましい。これらの酸基に由来する酸価は、0.5〜100mgKOH/g、好ましくは20〜90mgKOH/g、さらに好ましくは40〜80mgKOH/gの範囲内である。前記酸価が100mgKOH/gよりも大きいと、得られる塗膜の耐水性が低下することがある。
コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)を得るための乳化重合に用いることのできるラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を挙げることができ、例えば、ジベンゾイルパーオキシド、ジオクタノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキシド、ジステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]の塩酸塩又は硫酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチルプロピオンアミジン]の塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]の水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)の塩酸塩又は硫酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素等の無機過酸化物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。さらに、前記過酸化物系の重合開始剤は、所望により、アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、クエン酸等の有機酸類、これらの有機酸の塩類、3級アミン類、糖類、メルカプタン類、ピロ亜燐酸塩類、亜燐酸塩類、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩類、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素等の公知の還元剤を1種又は2種以上添加して、レドックス開始剤として使用してもよい。
前記ラジカル重合開始剤は、乳化重合に用いるラジカル重合性不飽和モノマーの合計質量を基準として0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%の範囲内の量で用いることができる。前記ラジカル重合開始剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、種類、質量等に応じて適宜選択することができ、例えば、あらかじめモノマー混合物又は水に添加してもよく、重合時に一括添加又は滴下してもよい。
前記乳化重合に用いることのできる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性とカチオン性との両方の特性を有する両性イオン性界面活性剤等の従来から公知の化合物を採用することができる。前記界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸等の酸のナトリウム塩やアンモニウム塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のノニオン性界面活性剤、ジメチルアルキルベタイン類、ジメチルアルキルラウリルベタイン類、アルキルグリシン等の両性イオン性界面活性剤を挙げることができる。
また、1分子中にアニオン性基と、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基とを有するポリオキシアルキレン基含有アニオン性界面活性剤、1分子中にアニオン性基とラジカル重合性不飽和基とを有する反応性アニオン性界面活性剤等を使用することもできる。前記反応性アニオン性界面活性剤としては、アリル基、(メタ)アクリロイル基、プロペニル基、ブテニル基等のラジカル反応性不飽和基を有するスルホン酸化合物のナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
前記界面活性剤は、乳化重合に用いるラジカル重合性不飽和モノマーの合計質量を基準として0.05〜10質量%、さらには0.1〜5質量%の量で用いることが、得られる塗膜の耐水性の点で好ましい。
本発明の水性塗料組成物のコアシェル型アクリル樹脂粒子(A)の平均粒子径は、80〜500nm、さらには150〜300nmが、貯蔵安定性の観点から好ましい。なお、前記平均粒子径は、サブミクロン粒子アナライザーN4(商品名、ベックマン・コールター株式会社製、粒度分布測定装置)を用いて、脱イオン水にて測定に適した濃度に希釈した試料を、常温(20℃程度)で測定した値である。
第1段階及び第2段階以降の乳化重合は、水の存在下、40℃から98℃の重合温度にて1〜20時間程度の重合時間で、行うことができる。
コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)を得るための乳化重合においては、上述の水、ラジカル重合性不飽和モノマーの混合物、ラジカル重合開始剤、界面活性剤等の成分以外に、所望により、還元剤、有機溶剤、高分子化合物、連鎖移動剤等を用いてもよい。
水性樹脂(B)
本発明の水性塗料組成物は、水溶性又は水分散性の水性樹脂(B)をさらに含んでもよい。水性樹脂(B)は、水溶性又は水分散性であり、且つ、ビスフェノールAを原料として使用していない公知の樹脂を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、アクリル樹脂変性ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、ポリオキシアルキレン樹脂及びこれらの樹脂を公知の方法により変性した樹脂等を、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の水性塗料組成物において、水性樹脂(B)は、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)の固形分質量を基準として、固形分で0〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは2〜10質量%の範囲内の量で用いることができる。本発明の水性塗料組成物が水性樹脂(B)を含むことにより、得られる塗膜の耐水性、耐食性、加工性等の性能を向上させる調節が可能となる。
本発明の水性塗料組成物の水性樹脂(B)の重量平均分子量は、貯蔵安定性や得られる塗膜の耐食性の観点から3000〜200000、好ましくは5000〜150000、さらに好ましくは、8000〜120000の範囲内のものを使用することができる。
なお、本明細書において、重量平均分子量又は数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー株式会社製、「HLC8120GPC」)で測定した重量平均分子量又は数平均分子量を、ポリスチレンの重量平均分子量又は数平均分子量を基準として換算した値である。測定は、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー株式会社社製、商品名)の4本のカラムを用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行う。
また、水性樹脂(B)は、得られる塗膜の加工性の観点から、ガラス転移温度が−20℃以上、好ましくは−10〜130℃、さらに好ましくは0〜80℃の範囲内のものを使用することができる。ここで、ガラス転移温度は、測定カップにとった試料を、真空吸引して溶剤を除去した後、示差走査型熱分析「DSC−50Q型」(商品名、島津製作所社製)を用いて、3℃/分の昇温速度で−60℃〜+150℃の範囲の熱量変化を測定し、低温側の最初のベースラインの変化点を使用する。
本発明の水性塗料組成物における水性樹脂(B)は、貯蔵安定性の観点から、カルボキシル基含有樹脂が好ましい。水性樹脂(B)の酸価は、得られる塗膜の耐水性の観点から20〜250mgKOH/g、好ましくは50〜200mgKOH/g、さらに好ましくは80〜150mgKOH/gの範囲内である。水性樹脂(B)のカルボキシル基の一部又は全部は、塗料の配合前に、アミンなどの塩基化合物によりあらかじめ中和しておいてもよいし、塗料の配合時に、アミンなどの塩基化合物を含む他の塗料成分と混合することにより中和してもよい。
水性樹脂(B)がアクリル樹脂である場合、該アクリル樹脂は、架橋構造を実質的に有していない樹脂であって、例えば、溶液重合、分散重合、乳化重合、バルク重合等の従来から公知のラジカル重合により製造することができる。前記アクリル樹脂の製造に用いることのできるラジカル重合性不飽和モノマーは、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)の製造に用いることのできるラジカル重合性不飽和モノマーとして上記に例示したものの中から、適宜複数のモノマーを選択して用いることができる。また、前記アクリル樹脂の製造に用いることのできるラジカル重合開始剤は、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)の製造に用いることのできるラジカル重合開始剤として上記に例示したものの中から、適宜選択して用いることができる。
前記溶液重合、分散重合及び乳化重合において用いることのできる溶媒としては、例えば、水、トルエン、ブタノール、ブチルセロソルブ等の公知の有機溶剤を挙げることができ、単独で又は2種以上を組み合わせて、使用することができる。
前記溶液重合における重合条件としては、通常、反応温度が室温〜200℃程度で、反応時間が2〜10時間程度である。
水性樹脂(B)は、得られる塗膜の耐水性の観点から、架橋反応性を有していることが好ましい。水性樹脂(B)は、水性樹脂(B)どうしの架橋反応、水性樹脂(B)とコアシェル型アクリル樹脂粒子(A)との架橋反応、水性樹脂(B)と後述のレゾール型フェノール樹脂(C1)及び/又はアミノ樹脂(C2)との架橋反応などの何れの架橋反応に対する架橋反応性を有していてもよい。水性樹脂(B)がアクリル樹脂である場合、架橋反応性を有する前記アクリル樹脂は、例えば、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の架橋反応性の官能基を有するラジカル重合性不飽和モノマーと、他のラジカル重合性不飽和モノマーとを共重合することによって得ることができる。
レゾール型フェノール樹脂(C1)、アミノ樹脂(C2)
本発明の水性塗料組成物は、レゾール型フェノール樹脂(C1)及び/又はアミノ樹脂(C2)を硬化剤としてさらに含んでもよい。本発明の水性塗料組成物がレゾール型フェノール樹脂(C1)及び/又はアミノ樹脂(C2)を含むことにより、得られる塗膜の耐水性、耐食性、加工性等を向上させることが可能となる。
レゾール型フェノール樹脂(C1)としては、例えば、フェノールやビスフェノールAなどのフェノール化合物とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で縮合反応させてメチロール基を導入したフェノール樹脂;及び前記導入したメチロール基の一部を炭素原子数1〜6個のアルコールでアルキルエーテル化したものなどが包含される。
前記フェノール化合物としては、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール等の2官能性フェノール化合物;石炭酸、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール等の3官能性フェノール化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF等の4官能性フェノール化合物;などのフェノール化合物を、単独で又は2種以上混合して、使用することができる。
前記ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はトリオキサンなどが挙げられ、単独で又は2種以上混合して、使用することができる。メチロール化フェノール樹脂のメチロール基の一部をアルキルエーテル化するのに用いられるアルコールとしては、炭素原子数1〜6個、好ましくは1〜4個の1価アルコールを好適に使用することができる。好適な1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。
レゾール型フェノール樹脂(C1)は、数平均分子量が200〜2000、好ましくは300〜1200の範囲内であり、かつベンゼン核の1核当たりのメチロール基の平均数が0.3〜3.0個、好ましくは0.5〜3.0個の範囲内であることが適当である。特に、レゾール型フェノール樹脂の中でも、石炭酸とホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られる石炭酸ホルムアルデヒド樹脂が、衝撃加工を受けた部分においても良好な耐食性を示す塗膜を得ることができる。
アミノ樹脂(C2)としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等のアルデヒド成分との反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。このメチロール化アミノ樹脂のメチロール基を炭素原子数1〜6の低級アルコールによってエーテル化したものも、前記アミノ樹脂(C2)に包含される。
前記アミノ樹脂(C2)としては、メチロール化メラミン樹脂もしくはメチロール化ベンゾグアナミン樹脂のメチロール基の一部又は全部を低級アルコールによってエーテル化した、低級アルキルエーテル化メラミン樹脂又は低級アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。前記エーテル化に使用する低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコールが好ましく、これらのアルコールは、単独で又は2種以上を混合して、前記エーテル化に使用することができる。
前記メラミン樹脂の具体例としては、例えば、ユーバン20SE、同225(いずれも三井東圧(株)製)、スーパーベッカミンJ820−60、同L−117−60、同L−109−65、同47−508−60、同L−118−60、同G821−60(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)等のブチルエーテル化メラミン樹脂;サイメル300、同303、同325、同327、同350、同730、同736、同738(いずれも三井サイテック(株)製)、メラン522、同523(いずれも日立化成(株)製)、ニカラックMS001、同MX430、同MX650(いずれも三和ケミカル(株)製)、スミマールM−55、同M−100、同M−40S(いずれも住友化学(株)製)、レジミン740、同747(いずれもモンサント社製)等のメチルエーテル化メラミン樹脂;サイメル232、同266、同XV−514、同1130(いずれも三井サイテック(株)製)、ニカラックMX500、同MX600、同MS95(いずれも三和ケミカル(株)製)、レジミン753、同755(いずれもモンサント社製)、スミマールM−66B(住友化学(株)製)等のメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂などを挙げることができる。
前記ベンゾグアナミン樹脂の具体例としては、サイメル1123(メチルエーテルとエチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂)、サイメル1123−10(メチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂)、サイメル1128(ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂)、マイコート102(メチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂)(いずれも三井サイテック(株)製)などを挙げることができる。
水性塗料組成物
本発明の水性塗料組成物は、前記コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)を含み、さらに必要に応じて、水性樹脂(B)、レゾール型フェノール樹脂(C1)、アミノ樹脂(C2)等を含んでもよい。
水分散性樹脂(B)は、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)の固形分質量を基準として0〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%の範囲内の量で、用いることができる。水分散性樹脂(B)の使用量が20質量%よりも多いと、得られる塗膜の耐水性が低下することがある。レゾール型フェノール樹脂(C1)とアミノ樹脂(C2)は、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)の固形分質量を基準として(C1)と(C2)との合計質量が0〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%の範囲内の量で、用いることができる。レゾール型フェノール樹脂(C1)とアミノ樹脂(C2)との合計使用量が20質量%よりも多いと、得られる塗膜の耐水性や加工性が劣ることがある。
本発明の水性塗料組成物は、必要に応じて、コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)中のカルボキシル基の一部又は全部を塩基性化合物で中和した後、さらに必要に応じて、水性樹脂(B)、レゾール型フェノール樹脂(C1)、アミノ樹脂(C2)等の原料を添加してもよい。また、水性樹脂(B)がカルボキシル基やスルホン酸基等の酸基を有する場合は、前記酸基の一部又は全部を塩基性化合物で中和してから用いてもよい。
前記カルボキシル基の中和に使用できる塩基性化合物としては、通常の無機塩基及び有機塩基が、いずれも使用できる。前記無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等を挙げることができる。また、前記有機塩基としては、例えば、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンもしくはブチルアミンのようなアルキルアミン類:ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミンもしくはアミノメチプロパノールのようなアルコールアミン類;エチレンジアミン、ジエチレントリアミンのような多価アミン;モルホリンなどを挙げることができる。前記塩基性化合物としては、アンモニアや揮発性のアミン類が、得られる塗膜の耐水性の観点から好適である。
本発明の水性塗料組成物は、さらに必要に応じて、有機溶剤、消泡剤、界面活性剤、潤滑剤、ワックス、顔料等の従来から公知の原料を、適宜混合して使用することができる。
本発明で用いることができる前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、n−ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキシルアルコールのようなアルキルアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールのようなグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ダイアセトンアルコールなどを挙げることができる。これらは2種類以上を併用することもできる。
前記消泡剤としては、例えば、アクリル系、ビニルエーテル系、ジメチルポリシロキサン系等の消泡剤を挙げることができ、これらは2種類以上を併用することもできる。
本発明の水性塗料組成物は、種々の基材に適用することができ、例えばアルミニウム板、鋼板、ブリキ板等の無処理の又は表面処理した金属板、及びこれらの金属板にエポキシ系、ビニル系などのプライマーを塗装した金属板等、並びにこれらの金属板を缶などに加工したものを挙げることができる。
本発明の水性塗料組成物が適用される缶の形態は、蓋部、及び底部と一体化した胴体部の2つの部位から構成される2ピース缶や、蓋部、底部及び胴体部の3つの部位から構成される3ピース缶、ボトル缶などを挙げることができ、前記の各部位に本発明の水性塗料組成物を塗装することができる。本発明の水性塗料組成物から得られる被膜は、加工性と耐食性に優れているため、飲料缶などの製造過程において凹凸状の変形を繰り返し受ける蓋部の塗装などに好適である。
本発明の水性塗料組成物は、缶内面の塗装、特に缶内面のシーム部(つなぎ目部)の補修塗装や、缶蓋の外面、タブ等の缶外面の塗装などに用いることができる。
本発明の水性塗料組成物を基材に塗装する方法としては、公知の各種の方法、例えば、ロールコータ塗装やスプレー塗装、浸漬塗装、電着塗装等を適用することができる。中でも、ロールコータ塗装もしくはスプレー塗装が好ましい。塗膜厚は、用途によって適宜選定すればよいが、乾燥膜厚で通常3〜20μm程度が好ましい。塗装した塗膜の乾燥条件としては、通常、素材の到達最高温度が120〜300℃となる条件で10秒〜30分間、好ましくは同温度が200〜280℃となる条件で15秒間〜10分間の範囲内である。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ここで「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)の製造
(製造例1)
コアモノマー混合物(a1−1)の乳化物の調製
脱イオン水27部、「ニューコール714―SF」5部、スチレン10部、メチルメタクリレート5部、イソブチルメタクリレート5部、エチルアクリレート10部、2−エチルヘキシルアクリレート14.9部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1部、メタクリル酸3.9部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.2部、及び過硫酸アンモニウム0.05部を混合攪拌して、コアモノマー混合物(a1−1)の乳化物を得た。
シェルモノマー混合物(a2−1)の乳化物の調製
脱イオン水27部、「ニューコール714―SF」5部、スチレン15部、メチルメタクリレート10部、イソブチルメタクリレート5部、エチルアクリレート5部、2−エチルヘキシルアクリレート10.1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1部、メタクリル酸3.9部、及び過硫酸アンモニウム0.05部を混合攪拌して、シェルモノマー混合物(a2−1)の乳化物を得た。
加熱及び冷却装置を備え、撹拌機、温度計、サーモスタット、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置が取り付けられた反応容器に、脱イオン水を95部、「ニューコール714―SF」(日本乳化剤株式会社製、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、有効成分30質量%)を0.1部仕込み、窒素気流下で撹拌混合しながら、内容物を85℃に昇温した。次いで、前記コアモノマー混合物(a1−1)の乳化物の全質量の4%に相当する量及び5%過硫酸アンモニウム水溶液1部を撹拌しながら加え、85℃で15分間保持した。その後、温度を85℃に保ちながら、前記コアモノマー混合物(a1−1)の乳化物の残量全部を2時間かけて滴下し、1時間熟成した。
その後、内容物の温度を85℃に保ちながら、前記シェルモノマー混合物(a2−1)の乳化物を2時間かけて滴下し、1時間熟成した後、内容物に2−(ジメチルアミノ)エタノールを5部添加した。以上の工程により、2−(ジメチルアミノ)エタノールによって中和されたコアシェル型アクリル樹脂粒子A−1の分散体を得た。
得られたコアシェル型アクリル樹脂粒子A−1は、コア部が架橋したコアシェル型アクリル樹脂粒子であり、平均粒子径が180nm(サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N4型」(ベックマン・コールター社製)用いて、脱イオン水で希釈し20℃で測定した。)であり、分散体の固形分濃度が40質量%であった。コアシェル型アクリル樹脂粒子A−1の酸価は、50mgKOH/gであった。
(製造例2〜16)
コアモノマー混合物(a1−1)の乳化物及びシェルモノマー混合物(a2−1)の乳化物の組成を、下記表1−1及び表1−2に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様にして、コアシェル型アクリル樹脂粒子A−2〜A−16の分散体を得た。
(製造例17)
モノマー混合物(a17)の乳化物の調製
モノマー混合物(a17)の乳化物の組成は、下記表1−2におけるコアモノマー(a1)の乳化物の欄に記したとおりである。
脱イオン水50部、「ニューコール714―SF」10部、スチレン20部、メチルメタクリレート20部、イソブチルメタクリレート10部、エチルアクリレート30部、2−エチルヘキシルアクリレート10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2部、メタクリル酸7.8部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.2部、及び過硫酸アンモニウム0.1部を混合攪拌して、モノマー混合物(a17)の乳化物を得た。
加熱及び冷却装置を備え、撹拌機、温度計、サーモスタット、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置が取り付けられた反応容器に、脱イオン水を95部、「ニューコール714―SF」を0.1部仕込み、窒素気流下で撹拌混合しながら、内容物を85℃に昇温した。次いで、前記モノマー混合物(a17)の乳化物の全質量の2%に相当する量及び5%過硫酸アンモニウム水溶液1部を撹拌しながら加え、85℃で15分間保持した。その後、温度を85℃に保ちながら、前記モノマー混合物(a17)の乳化物の残量全部を4時間かけて滴下し、1時間熟成した。
得られた単層型アクリル樹脂粒子A−17は、架橋した単層型アクリル樹脂粒子であり、平均粒子径が180nm(サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N4型」(ベックマン・コールター社製)用いて、脱イオン水で希釈し20℃で測定した。)であり、分散体の固形分濃度が40質量%であった。単層型アクリル樹脂粒子A−17の酸価は、50mgKOH/gであった。
(製造例18)
モノマー混合物(a18)の乳化物の調製
モノマー混合物(a18)の乳化物の組成は、下記表1−2におけるコアモノマー(a1)の乳化物の欄に記したとおりである。
脱イオン水50部、「ニューコール714―SF」10部、スチレン30部、メチルメタクリレート40部、及びイソブチルメタクリレート10部、エチルアクリレート10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2部、メタクリル酸7.8部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.2部、及び過硫酸アンモニウム0.1部を混合攪拌して、モノマー混合物(a18)の乳化物を得た。
加熱及び冷却装置を備え、撹拌機、温度計、サーモスタット、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置が取り付けられた反応容器に、脱イオン水を95部、「ニューコール714―SF」を0.1部仕込み、窒素気流下で撹拌混合しながら、内容物を85℃に昇温した。次いで、前記モノマー混合物(a18)の乳化物の全質量の2%に相当する量及び5%過硫酸アンモニウム水溶液1部を撹拌しながら加え、85℃で15分間保持した。その後、温度を85℃に保ちながら、前記モノマー混合物(a18)の乳化物の残量全部を4時間かけて滴下し、1時間熟成した。
得られた単層型アクリル樹脂粒子A−18は、架橋した単層型アクリル樹脂粒子であり、平均粒子径が180nm(サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N4型」(ベックマン・コールター社製)用いて、脱イオン水で希釈し20℃で測定した。)であり、分散体の固形分濃度が40質量%であった。単層型アクリル樹脂粒子A−18の酸価は、50mgKOH/gであった。
得られたコアシェル型アクリル樹脂粒子A−1〜A−16並びに単層型アクリル樹脂粒子A−17及びA−18のガラス転移温度、固形分濃度、酸価及び平均粒子径を、下記表1−1及び表1−2に示す。
Figure 0005649763
Figure 0005649763
水性樹脂(B)の製造
(製造例19)
加熱及び冷却装置を備え、撹拌機、温度計、サーモスタット、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置が取り付けられた反応容器に、プロピレングリコールn−プロピルエーテルを130部仕込み、窒素気流中で撹拌混合しながら、内容物を100℃に昇温した。その後、ラジカル重合性不飽和モノマー混合物(メチルメタクリレート30部、ブチルメタクリレート13部、スチレン10部、エチルアクリレート17部、メタクリル酸20部及びN−ブトキシメチルアクリルアミド10部)と、重合開始剤溶液(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2部及びプロピレングリコールnプロピルエーテル20部の混合液)とを混合した混合物を、4時間かけて定量ポンプで反応器内に滴下し、滴下終了後、0.5時間熟成した。続いて、重合開始剤溶液(t-ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部及びプロピレングリコールn−プロピルエーテル20部の混合液)を0.5時間かけて滴下し、滴下終了後、2時間熟成した。その後、N,N−ジメチルアミノエタノールを13部加えて、攪拌した。そして、室温まで冷却し、固形分40質量%のアクリル系水性樹脂(B−1)の溶液を得た。アクリル系水性樹脂(B−1)は、ガラス転移温度が30℃、酸価が130mgKOH/g、重量平均分子量が3万であった。
(製造例20〜23)
モノマー組成を下記表2に示すように変更したこと以外は、製造例19と同様にして、アクリル系水性樹脂(B2〜B5)の溶液を得た。
Figure 0005649763
水性塗料組成物(E−1〜25)
(実施例1)
製造例1で得た固形分40質量%のコアシェル型アクリル樹脂粒子A−1の分散体を250部(固形分100部)と、固形分50質量%のCKS−3898(商品名、昭和電工社製、レゾール型フェノール樹脂、ノルマルブタノール溶液)を10部(固形分5部)と、ブチルセロソルブを15部と、をディスパーで攪拌しながら混合し、脱イオン水を加えて固形分を調整し、固形分20質量%の水性塗料組成物E−1を得た。
(実施例2〜11、比較例1〜9)
実施例1と同様にして、下記表3−1及び表3−2に示す各々の配合に従って各成分を攪拌しながら混合し、該混合した混合物に脱イオン水を加えて固形分を調整し、固形分20質量%の水性塗料組成物E−2〜11、17〜25をそれぞれ作製した。なお、表における各成分の配合量は、固形分量に基づくものである。また、実施例10においては、固形分50質量%のCKS−3898の代わりに、サイメル303を5部(固形分5部)用いた。さらに、実施例11においては、硬化剤を用いなかった。
(実施例12)
製造例1で得た固形分40質量%のコアシェル型アクリル樹脂粒子A−1の分散体を250部(固形分100部)と、固形分40質量%のアクリル系水性樹脂(B−1)溶液を12.5部(固形分5部)と、固形分50質量%のCKS−3898を10部(固形分5部)と、ブチルセロソルブ15部と、をディスパーで攪拌しながら混合し、脱イオン水を加えて固形分を調整し、固形分20質量%の水性塗料組成物E−12を得た。
(実施例13〜16)
実施例12と同様にして、下記表3−1及び表3−2に示す各々の配合に従って各成分を攪拌しながら混合し、脱イオン水を加えて固形分を調整し、固形分20質量%の水性塗料組成物E−13〜16をそれぞれ作製した。なお、表中における各成分の配合量は、固形分量に基づくものである。
試験用塗装板の作製
前記実施例及び比較例で得た各水性塗料組成物を、リン酸クロメート処理が施された厚さ0.25mmの#5021アルミニウム板に、乾燥塗膜厚が5μmとなるようにバーコーター塗装し、200℃で1分間の焼付けにより硬化させて、試験用塗装板とした。性能試験は、下記の試験方法に従って行った。
[貯蔵安定性]
実施例及び比較例の水性塗料を40℃で1ヶ月貯蔵した後の塗料状態を、下記の基準で評価した。
◎:異常のないもの
○:倍率100倍の透過型顕微鏡で観察してわずかに油滴が認められるもの
△:目視で油滴が認められるもの
×:著しく油滴が発生しているもの
[Tベンド折り曲げ加工性]
試験用塗装板を圧延方向に5cm、垂直方向に4cm切断した後、下部を短辺と平行に2つ折りにした。20℃の室内にて、この試験用塗装板の試験片の折曲げ部の間に、厚さ0.26mmのアルミニウム板を2枚挟み、特殊ハゼ折り型デュポン衝撃試験器にセットした。50cmの高さから接触面が平らな重さ1kgの鉄のおもりを落下させて、前記折曲げ部に衝撃を与えた後、折曲げ先端部に印加電圧6.5Vで6秒間通電し、前記折曲げ先端部の20mm幅の電流値(mA)を測定し、下記の基準で評価した。
◎ :10mA未満
○ :10mA以上、且つ20mA未満
○△:20mA以上、且つ40mA未満
△ :40mA以上、且つ80mA未満
× :80mA以上
[耐レトルト白化性]
試験用塗装板を水に浸漬し、オートクレーブ中において125℃で30分間処理した後、塗膜の白化状態を目視にて観察し、下記の基準により評価した。
◎ :全く白化が認められない
○ :部分的な白化がわずかに認められる
○△:全体的にわずかな白化が認められる
△ :かなり白化が認められる
× :著しく白化が認められる
[耐食性]
試験用塗装板を、クエン酸、リンゴ酸、塩化ナトリウムを各3%溶解した混合水溶液に浸漬し、40℃で2週間貯蔵した後、塗面状態を目視にて観察し、下記の基準により評価した。
◎ :ツヤビケ、腐食が認められない
○ :ツヤビケがあるが、腐食が認められない
○△:腐食がわずかに認められる
△ :腐食がかなり認められる
× :腐食が著しい
[耐フェザリング性(耐膜残り性)]
試験用塗装板を、製蓋プレス機を用いて製蓋加工し、内面側に塗膜面を有する缶蓋を作製した。作製した缶蓋を、100℃の沸騰水中に10分間浸漬した後、前記塗膜面を下向きにした状態で、その缶蓋の上面に設けられた開口片(タブ)を上方に引き上げて、開口部を開口させた。そして、その開口部の開口端部からの塗膜の剥離幅を測定し、下記の基準により評価した。なお、◎〜○△の評価が実用範囲である。
◎ :塗膜の最大剥離幅が0.2mm未満、
○ :塗膜の最大剥離幅が0.2mm以上で0.4mm未満、
○△:塗膜の最大剥離幅が0.4mm以上で0.5mm未満、
△ :塗膜の最大剥離幅が0.5mm以上で1.0mm未満、
× :塗膜の最大剥離幅が1.0mm以上
Figure 0005649763
Figure 0005649763

Claims (8)

  1. シェル部及び架橋したコア部からなるコアシェル型アクリル樹脂粒子(A)、並びにレゾール型フェノール樹脂(C1)を含み、ビスフェノールA又はビスフェノールAを含む原料を用いて製造された樹脂を含まない缶被覆用水性塗料組成物であって、
    前記コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)は、酸基を有し、該酸基に由来する酸価が20〜90mgKOH/gの範囲内であり、
    前記シェル部を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度が35〜105℃の範囲内であり、前記コア部を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度が−10〜25℃の範囲内であり、前記コア部の質量がコア部とシェル部との合計質量を基準として10〜90質量%の範囲内であり、
    前記レゾール型フェノール樹脂(C1)は、前記コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)の固形分質量を基準として0.1〜10質量%であることを特徴とする缶被覆用水性塗料組成物。
  2. 前記コアシェル型アクリル樹脂粒子(A)が、ラジカル重合性不飽和基を1分子中に2個以上有するラジカル重合性不飽和モノマーを用いた多段階の乳化重合により得られたものである、請求項1に記載の缶被覆用水性塗料組成物。
  3. 重量平均分子量が3000〜200000の範囲内であり且つガラス転移温度が−20℃以上である水溶性又は水分散性の水性樹脂(B)を更に含む、請求項1又は2に記載の缶被覆用水性塗料組成物。
  4. 水性樹脂(B)がアクリル樹脂である、請求項3に記載の缶被覆用水性塗料組成物。
  5. 缶被覆用水性塗料組成物が缶内面被覆用水性塗料組成物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の缶被覆用水性塗料組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の缶被覆用水性塗料組成物によって被覆されてなる、被覆缶。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の缶被覆用水性塗料組成物によって缶の蓋部内面が被覆されてなる、被覆缶。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の缶被覆用水性塗料組成物によって缶の蓋部外面が被覆されてなる、被覆缶。
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