JP5644760B2 - 有機蒸気分離用の中空糸エレメント - Google Patents

有機蒸気分離用の中空糸エレメント Download PDF

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Description

本発明は、選択的透過性を有する多数の中空糸膜からなる糸束が、特定のエポキシ組成物を硬化した管板で一体に固着されている有機蒸気分離用の中空糸エレメント、および、前記中空糸エレメントの製造方法に関する。また、前記中空糸エレメントを容器内に収納した有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールに関する。さらに、前記ガス分離膜モジュールを用いて有機蒸気を分離する方法に関する。
有機化合物を含む液体混合物を加熱蒸発させて生成した有機蒸気混合物を、選択的透過性を有する分離膜を用いて分離する方法(有機蒸気分離)が、注目を集めている。この方法に用いられるガス分離膜モジュールとしては、プレートおよびフレーム型、チューブラー型、中空糸型などがある。そのなかでも、中空糸型のガス分離膜モジュールは、単位体積当たりの膜面積がもっとも大きいという利点を有するだけでなく、耐圧性、自己支持性の点においても優れているので、工業的に有利であり、広範囲に利用されている。
中空糸型のガス分離膜モジュールは、選択的透過性を有する多数の中空糸膜からなる糸束の少なくとも一端を注型用の樹脂の硬化板(管板)で一体に結束、固着している中空糸エレメントを、少なくとも混合ガス導入口、透過ガス排出口、および非透過ガス排出口を備えた容器に収納しているものである。管板は、糸束を一体に固着する役割のほか、中空糸と中空糸の間、および、中空糸と容器の間を密封することにより、中空糸膜の内部空間と外部空間を隔絶し、内部空間と外部空間との気密性を保持する役割を持っている。中空糸型のガス分離膜モジュールは、前記管板による気密性が失われると、好適な分離が行われなくなる。
中空糸型のガス分離膜モジュールを用いた有機蒸気分離は、以下のように行われる。有機化合物を含む液体混合物を加熱蒸発させて生成した有機蒸気混合物を、原料ガス導入口からガス分離膜モジュールに供給する。有機蒸気混合物が中空糸膜に接して流通する間に、中空糸膜を透過した透過蒸気と、中空糸膜を透過しなかった非透過蒸気とに分離し、透過蒸気を透過ガス排出口から、非透過蒸気を非透過ガス排出口から回収する。中空糸膜は選択的透過性を有するため、透過蒸気は分離膜の透過速度が速い成分(高透過成分)に富み、非透過蒸気は高透過成分が少なくなる。この結果、有機蒸気混合物は、高透過成分に富んだ透過蒸気と、高透過成分が少ない非透過蒸気とに分離される。
中空糸型のガス分離膜モジュールを用いた有機蒸気分離として、例えば、有機化合物を含む水溶液を脱水して、純度の高い有機化合物を精製・回収する方法が特許文献1で提案されている。まず、有機化合物を含む水溶液を加熱気化させて有機化合物の蒸気と水蒸気とを含む有機蒸気混合物を生成させ、次いで、この有機蒸気混合物を70℃以上の温度にて中空糸型の芳香族ポリイミド製気体分離膜(中空糸膜)の一方の側に接触させて流通する間に水蒸気を選択的に透過分離し、これにより水蒸気含有量が減少した有機蒸気混合物を得ている。
比較的少ない面積で効率よく水−有機物蒸気の脱水を行う方法が、特許文献2に提案されている。中空糸束の外周部がフィルム状物質で被覆されているガス分離膜モジュールを用いることによって効率的な脱水を実現している。
中空糸型の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールの管板用途に用いられる注型用の樹脂として、例えば特許文献3には、テトラグリシジル化合物を含むエポキシ樹脂組成物が開示されている。
また、浸透気化法による有機溶媒の分離に使われる分離膜用の中空糸の接着剤として、特許文献4にはアミノフェノール類とエピハロヒドリンとの反応によって得られる2官能または3官能のエポキシ樹脂組成物が開示されている。
特開昭63−267415 特開2000−262838 特開平02−31821 特開平02−218714
有機蒸気分離においては、有機化合物を含む液体混合物を加熱した有機蒸気混合物をガス分離膜モジュールに供給して分離するため、管板は、有機化合物の沸点より高い温度の有機蒸気にさらされる。したがって、膨潤、割れを伴う機械的強度の低下、中空糸との密着性の低下などによって管板の気密性が失われることを防ぐ必要があった。
分離膜を用いたガス分離方法において、多くの場合、ガス混合物を高圧の状態で供給することによって好適なガス分離を達成している。ガス分離膜を透過する透過成分ガスの透過量は、ガス分離膜を挟んだ両側の透過成分ガスの分圧差に比例するため、ガス混合物をより高圧で供給したほうがガス分離を効率化できる。
一般に、環境の圧力が増加すると、物質の沸点は上昇する。よって、有機蒸気分離において有機蒸気混合物をより高圧でガス分離膜モジュールに供給するためには、ガス分離膜モジュールに供給される有機蒸気混合物の温度をより高温にする必要がある。すなわち、有機蒸気混合物を高圧でガス分離膜モジュールに供給すると、管板はこれまでより高温・高圧の有機蒸気にさらされるために、管板の気密性が失われる危険性が高くなるという問題があった。
さらに、分離膜モジュールが乾燥した状態で有機蒸気混合物を導入する際には、管板部分に注目すると、供給した有機蒸気混合物を構成する有機化合物の全部又はその一部が中空糸膜を通して管板を形成する硬化樹脂組成物(以下、管板樹脂と呼ぶこともある)中へ拡散を開始する。管板の封止面も有機蒸気に直接接触するが、この封止面の面積に比べて、管板に多数埋め込まれている中空糸膜へ管板樹脂が接している面積の総和の方が極めて大きい。このため有機化合物の管板樹脂中への拡散は、主として中空糸の表面を通して起こり、中空糸が埋め込まれている領域からその周りの部分(例えば管板が筐体と接する側の中空糸が埋め込まれていない部分など)へ向かって進行する。管板の内、有機化合物が拡散を通して侵入した領域では、管板樹脂は膨潤しその寸法に変化を生じる。有機化合物の管板樹脂中への侵入が、管板の各部分で均一に進行するのではなく、中空糸が埋め込まれている部分から不均一に進行するため、管板全体が平衡に達するまでの間、管板の各部分における管板樹脂の膨潤による寸法変化は不均一に起こり、そのため管板樹脂の内部には高い応力が発生する。従来の管板樹脂は、樹脂の破断伸度が、膨潤による樹脂の寸法変化率に近いものであり、急激に高温・高圧の有機蒸気混合物をモジュールに供給する等して、管板に極端に不均一な膨潤を生じせしめた場合、それによって生じた歪によってクラック等の破壊が生じることがあるという問題があった。
さらに、長時間の運転の後、分離膜モジュールを停止する際にも、有機蒸気と接触することで有機化合物によって平衡の膨潤率に達した管板樹脂が、主に中空糸膜表面を通した有機蒸気の管板樹脂外部への拡散によって乾燥される。膨潤した管板樹脂の乾燥による収縮は、中空糸が埋め込まれている部分から優先的に進行するため、管板全体が乾燥するまでの間、管板の各部分での管板樹脂の寸法変化は不均一に生じ、そのため管板樹脂内部には高い応力が発生する。先に述べたように、従来用いられてきた管板樹脂は、管板樹脂の破断伸度が、その膨潤による寸法変化率に極めて近く、急激にモジュールに高温の乾燥ガスを流通する等して管板に極端に不均一な収縮を生じせしめた場合、その内部に生じた応力によってクラックが生じることがあるという問題があった。
これらの問題を回避するには、管板を形成する樹脂組成物として延性の高いものを用いればよいのであるが、一般に樹脂組成物の延性を向上させると、樹脂のガラス転移温度の低下が伴う。高温・高圧の有機蒸気混合物に管板が長い時間さらされる間に、管板が変形してしまうことを抑制するために、管板樹脂として、モジュールを操作する温度と比べてガラス転移温度の高いものが使用される。延性を向上させた管板樹脂のガラス転移温度が低くなり、モジュールを操作する温度に近付いてしまうと、長時間モジュールを運転したときに、管板の変形により気密性が損なわれるという問題があった。
本発明は、高温・高圧の有機蒸気下での使用においても、中空糸膜の内部空間と外部空間との気密性を十分に保持する耐久性を有する有機蒸気分離用の中空糸エレメント、ならびに有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを提供することを目的とする。
本発明は、管板樹脂として、ガラス転移温度が160℃以上であり、かつ、最小破断伸度が7.0%以上であり、かつ、溶出率が5%未満であるエポキシ組成物の硬化物を用いることを特徴とする有機蒸気分離用の中空糸エレメントに関する。
さらに、本発明は、エポキシ組成物(A)が、下記化学式(a1)で示されるエポキシ化合物(a1)、および/または、下記化学式(a2)で示されるエポキシ化合物(a2)、および、下記化学式(a3)で示されるエポキシ化合物(a3)を含み、且つエポキシ組成物(A)のうち、エポキシ化合物(a3)が7〜50重量%であることを特徴とする前記有機蒸気分離用の中空糸エレメントに関する。
Figure 0005644760
Figure 0005644760
(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のフッ素化アルキル基、または水素原子を表す。)
Figure 0005644760
(式中、R’は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のフッ素化アルキル基、または水素原子を表し、nは0〜20の整数を表す。)
さらに本発明は、エポキシ組成物(A)が、下記化学式(a2)で示されるエポキシ化合物(a2)を含み、かつ、硬化剤(B)が下記化学式(b1)で示される芳香族アミン化合物(b1)であることを特徴とする前記有機蒸気分離用の中空糸エレメントに関する。
Figure 0005644760
(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のフッ素化アルキル基、または水素原子を表す。)
Figure 0005644760
(式中、nは、0〜3の整数を表す。)
さらに本発明は、エポキシ組成物(A)が、下記化学式(a4)で示されるエポキシ化合物(a4)を含み、かつ、硬化剤(B)が下記化学式(b1)で示される芳香族アミン化合物(b1)であることを特徴とする前記有機蒸気分離用の中空糸エレメントに関する。
Figure 0005644760
(式中、R”は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のフッ素化アルキル基、または水素原子を表し、nは、0〜500の整数を表す。)
Figure 0005644760
(式中、nは、0〜3の整数を表す。)
さらに本発明は、硬化剤(B)が下記化学式(b2)で示される芳香族アミン化合物(b2)であることを特徴とする前記有機蒸気分離用の中空糸エレメントに関する。
Figure 0005644760
{式中、Xは、炭素数3から5のアルキレン基、または下記化学式:
Figure 0005644760
(式中、Yは、直接結合、−O−、−CH−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−を表す。)
で示される基を表す。}
さらに本発明は、エポキシ組成物(A)が、下記化学式(a5)で示されるエポキシ化合物(a5)を含むことを特徴とする前記有機蒸気分離用の中空糸エレメントに関する。
Figure 0005644760
本発明によって、高温、高圧の有機蒸気雰囲気下においても十分な耐久性を発揮して気密性を失わない管板を備え、有機蒸気分離に好適に使用することが出来る有機蒸気分離用の中空糸エレメント、ならびに有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを提供することが出来る。
本発明のガス分離膜モジュールを用いれば、高温、高圧の条件においても耐久性良く有機蒸気分離を行う事が出来る。
有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールの一例を示す概略図である。 本発明における有機蒸気分離用の中空糸エレメントの作成法を示す概略図である。
以下に、本発明の有機蒸気分離用の中空糸エレメント、前記中空糸エレメントの製造方法、前記中空糸エレメントを収納した有機蒸気分離用ガス分離膜モジュール、および前記分離膜モジュールを用いた有機蒸気混合物を分離する方法について詳しく説明する。
図1は、本発明の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールの一例である、中空糸束の略中心部にキャリアガス供給用の芯管を有し、中空糸束外周部にキャリアガスガイドフィルムが被覆されている有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールの概略を表す断面図である。図1に示すガス分離膜モジュールは、その外枠が混合ガス導入口1、キャリアガス導入口2、透過ガス排出口3および非透過ガス排出口4を有する筒型容器5からなり、前記筒型容器5には選択的透過性を有する多数の中空糸膜6aを束ねて形成した糸束6が、次の態様の中空糸エレメントとして内蔵されているものである。すなわち、前記糸束6は、図中透過ガス排出口3側の端部で、エポキシ組成物の硬化物により形成される第二管板7bにより、また、図中非透過ガス排出口4側の端部で同じくエポキシ組成物の硬化物により形成される第一管板7aによりそれぞれ固着され、全体として中空糸エレメントを形成している。この中空糸エレメントにおいて、前記中空糸束6を形成する各中空糸膜6aは、前記管板7a,7bを貫通して、開口した状態でそれぞれ固着されている。また、前記中空糸束6の外周部には、キャリアガスが導入され、排出されるまでの位置に、キャリアガスガイドフィルム8が被覆されている。また、前記管板7aを貫通して、かつ中空糸束6の略中心部に前記中空糸束に沿って配せられる芯管9を設け、キャリアガス導入側の管板7aの近傍に位置する前記芯管に、前記芯管内部空間と中空糸束とを連通する連通孔10が形成されている。
図1に示す分離膜モジュールを用いて有機蒸気混合物を分離する方法の一例を以下説明する。有機蒸気混合物は好ましくは過熱され、混合ガス導入口1から中空糸膜の開口を経て中空糸膜6aの内部空間に導入される。有機蒸気混合物が中空糸膜の内部空間を流れる間に、高透過成分が選択的に膜を透過した透過蒸気は管板7a,7bの間の中空糸束が収納されている空間に移動する。透過しなかった非透過蒸気は中空糸膜のもう一方の開口が面している空間を経て非透過ガス排出口4から排出される。キャリアガスは芯管9のキャリアガス導入口2から導入され、芯管9の連通孔10から管板7a,7bの間の中空糸が装着されている空間へ導入され、中空糸膜6aの外側に接して流れ、中空糸膜からの透過ガスと共に透過ガス排出口3から排出される。したがって、有機蒸気混合物とキャリアガスのモジュール内部での流れは分離膜を挟んで向流となる。また、高透過成分の分圧は供給側よりも透過側が低くなるように操作される。
次に、本発明における中空糸エレメントについて説明する。本発明における中空糸エレメントとは、少なくとも選択的透過性を有する多数の中空糸膜からなる中空糸束の少なくとも一方の端部が、エポキシ組成物の硬化物により形成される管板によって中空糸の開口を維持した状態で固着され、結束されたものである。実施形態の一つは、図1の概略図および前記の説明のとおりであるが、その形態のみに限定されるものではない。
本発明の中空糸エレメントに用いられる選択的透過性を有する中空糸膜は、分離対象や分離条件に適合した材料で形成される。例えば、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ブチルゴム、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリカーボネートなどで例示される、エラストマーやガラス状高分子などの材料で好適に形成される。有機蒸気分離用途においては、特に耐熱性、耐有機溶剤性、および、透過性能において優れている芳香族ポリイミド製の中空糸膜が最も適当である。
前記の中空糸膜の構造は、均質性のものであっても、複合膜や非対称膜などの非均質性のものであっても良い。有機蒸気分離用途においては、芳香族ポリイミド製の非対称膜が、選択性と透過性能において優れているため最も適当である。膜厚は20〜200μmで、外径が50〜1000μmのものが好適に使用できる。
本発明における中空糸束は、前記選択性を有する多数の中空糸膜を集束したものである。通常、100〜1,000,000本程度の中空糸膜を集束している。集束された中空糸束の形状には特に制限はない。例えば、中空糸膜が角柱状や平板状に集束された中空糸束、および、直方体の形状をもった管板であっても良い。製造の容易さ、および容器の耐圧性の観点からは、円柱状に集束された中空糸束、および円盤状の管板が好適に用いられる。中空糸は、軸に対して実質的に平行であっても、一定の角度を持っていても良いが、軸方向に対して5〜30度の角度を持って交互に交差配列するように集束されていることが好ましい。
本発明の中空糸エレメントは、管板が前記中空糸束の両端部を固着していても、前記中空糸束の一方の端部だけを固着していても良い。さらに、管板が中空糸束の両端部を固着している中空糸エレメントにおいても、一方の端部において中空糸の開口が維持されていれば、一方の端部が閉塞されていても構わない。管板が一方の端部だけを固着している中空糸エレメントにおいては、もう一方の端部は、中空糸端部を閉塞する、中空糸を折り返す等の手段により、中空糸が開口しないように構成される。好ましくは、中空糸束の両端部が開口を維持した状態で管板によって固着されて構成される。
本発明の中空糸エレメントの管板に用いられるエポキシ組成物の硬化物は、ガラス転移温度が160℃以上であることが好ましく、190℃以上であることがより好ましく、220℃以上であることが特に好ましい。
ガラス転移温度が160℃未満であると、高温・高圧の有機蒸気混合物にさらされた管板の剛性が不十分となり、管板は変形を生じやすくなる。より効率的な脱水操作を行うためにモジュールの操作温度として120℃以上の温度が用いられることがある。従って、管板樹脂はこの温度域より高いガラス転移温度を有していることが望ましく、上記の温度範囲にガラス転移温度を有する樹脂組成物が好適に用いられる。ガラス転移温度が上記の範囲より低い場合、モジュールを高温で操作中に管板が塑性変形を起こしてしまい、管板の気密性が損なわれやすくなるため、好ましくない。またモジュールをより高温で操作して、モジュールに供給する有機蒸気の圧力をより高くすれば、有機蒸気混合物の処理量を更に大きくできるため、管板樹脂のガラス転移温度が190℃以上あることが、管板の変形を抑制する上でより好ましい。また直接、あるいは中空糸を介して高温・高圧の有機蒸気と接触する管板樹脂は、浸透拡散した有機化合物によって可塑化され実効ガラス転移温度が低下するため、管板樹脂のガラス転移温度が220℃以上であることが特に好ましい。
本発明におけるガラス転移温度は、固体動的粘弾性測定により見積もることができる。エポキシ組成物の硬化物サンプルを、引っ張りモード(周波数10Hz)、窒素雰囲気下で測定したときの、tanδ(損失弾性率E’’/貯蔵弾性率E’)のピークトップ位置をガラス転移温度とした。
本発明の中空糸エレメントの管板に用いられるエポキシ組成物の硬化物は、最小破断伸度が7.0%以上であることが好ましい。
本発明における最小破断伸度とは、大気中標準状態における樹脂組成物の破断伸度εと、有機化合物によって平衡の膨潤率に達した樹脂組成物の破断伸度εb、Sを比べて、より小さい側の伸度をいう。最小破断伸度は、不均一に有機蒸気混合物が侵入した管板において最も脆弱な部分が破壊することなく耐えられる最大の伸度を表すものである。
破断伸度は樹脂組成物の温度によっても多少変化するが、その温度による変化はあまり大きくないため、室温における破断伸度の実測値で代表させて構わない。
モジュールの運転終了時には、中空糸が埋め込まれている部分に流通する乾燥空気を通して管板に浸透した有機溶媒が拡散により抜けていく。このとき管板樹脂の収縮率は均一とはならず、中空糸が埋め込まれている部分の速い収縮に対してその外側の中空糸が埋め込まれていない部分の収縮には遅れが生じる。その結果、管板樹脂の収縮速度の異なる部分の界面には大きな歪みが発生する。このとき管板樹脂の最小破断伸度が小さいと、界面に生じる歪みが樹脂の破断伸度を越えてしまい、クラックが発生する可能性が高くなるため好ましくない。
クラックの発生を防ぐという観点から、樹脂組成物の最小破断伸度は大きければ大きい程よいと言えるが、ガラス転移温度が160℃以上の十分に架橋反応を進行させたエポキシ樹脂成型体について、有機溶媒(エタノール)と長時間接触させた後の寸法変化率は概略7%を超えないため、最小破断伸度が7.0%以上あれば中空糸エレメントの管板樹脂として好ましい伸度を有しているといえる。なおここでいう寸法変化率とは、有機溶媒と長時間接触させた後で成型体に生じた寸法変化量を、有機溶媒と接触させる前の成型体の寸法で除した値をいう。
エポキシ組成物の硬化物の破断伸度は、引張試験により測定することができる。試験時のクロスヘッドスピードを初期長さ(チャック間距離)で除した公称歪速度が0.1min−1である条件で引張試験を行い、破断時の公称歪を本発明における破断伸度とした。
本発明の中空糸エレメントの管板に用いられるエポキシ組成物の硬化物は、膨潤度が17%未満であることが好ましく、16%未満であることがより好ましい。
本願発明における膨潤度とは、有機化合物によって平衡の膨潤に達した状態の重量増加の割合のことである。本発明では膨潤度として、高温の有機化合物として130℃のエタノールを選択した場合の重量増加の割合を用いる。
膨潤度は、硬化物の架橋反応の進行度にも依存する量である。本願発明における膨潤度はエポキシ組成物のエポキシ当量および芳香族アミン化合物の活性水素当量から計算される化学量論量が等量であり、且つ十分な加熱により架橋反応を十分に進行させた場合の硬化物についての膨潤度である。
膨潤度が17%以上であると、有機化合物と接触した場合に、管板の変形が甚だしいため、好ましくない。
本発明の中空糸エレメントの管板に用いられるエポキシ組成物の硬化物は、有機化合物によって平衡の膨潤率に達した状態での最大応力(σmax、S)が40MPa以上であることが好ましく、45MPa以上であることがより好ましく、50MPa以上であることがより好ましく、55MPa以上であることがさらに好ましい。
モジュールの運転開始時には、中空糸が埋め込まれている部分を通して有機蒸気を構成する有機化合物が乾燥した管板樹脂に拡散により浸透していく。このとき管板樹脂の膨潤度は均一とはならず、中空糸が埋め込まれている部分ではその外側の中空糸が埋め込まれていない部分と比べて相対的に膨潤度が大きくなり、管板樹脂の膨潤度の異なる部分の界面付近には高い応力が発生する。このとき管板樹脂の最大応力が小さいと、管板樹脂自体がその内部に発生した応力に耐え切れず、クラックが発生する可能性が高くなるため好ましくない。
モジュールの運転を開始した後の各時点における管板内部の不均一な膨潤により、管板樹脂にクラックが発生する場合、クラックの起点となる位置にも有機化合物は既にいくらか拡散してきていると考えられる。有機化合物が拡散してくると、管板樹脂は可塑化され、最大応力は低下する。管板樹脂が平衡の膨潤率に達し最大応力が最も低下した場合において、最大応力が低いと、管板中にクラックが発生しやすくなるため前記の範囲が好ましい。更にモジュール取扱時に加わる外力により管板部に破損が生じることを防ぐ上でも前記の範囲が好ましい。
最大応力は、引張試験により見積もることができる。試験時のクロスヘッドスピードを初期長さ(チャック間距離)で除した公称歪速度が0.1min−1となる条件で引張試験を行い、最大荷重を試験前のサンプルの断面積で除した値(公称応力の最大値)を、本発明における最大応力とした。
本発明の中空糸エレメントの管板に用いられるエポキシ組成物の硬化物は、有機化合物によって平衡の膨潤率に達した状態でのヤング率(ES)が1.6GPa以上であることが好ましく、1.7GPa以上であることがより好ましく、1.8GPa以上であることがさらに好ましい。
モジュールの運転中に管板樹脂が熱膨張したり有機化合物によって膨潤したりすると、管板樹脂には外側に向かう応力が生じる。但し、管板は筐体で押さえられている部分では外側に変形できないため、専ら筐体に固定されていない方向に向かって変形を生じることになる。特に、有機化合物が浸透した状態で管板樹脂内部に応力が発生した状態が長期間続くと、筐体から固定されていない方向へ樹脂がクリープ変形を生じ、これがやがてはモジュールの気密性の低下やクラック発生の原因となることがある。このとき管板樹脂のヤング率が小さいと、樹脂の変形量が大きくなり、管板の耐久性低下をきたすことがあるため好ましくない。
ヤング率は、引張試験により見積もることができる。試験時のクロスヘッドスピードを初期長さ(チャック間距離)で除した公称歪速度が0.1min−1となる条件で引張試験を行い、公称応力−公称歪曲線の初期の勾配を、本発明におけるヤング率とした。
εb、S、σmax、S、ESを評価する場合、実際のモジュール操作条件において有機蒸気にさらし平衡の膨潤率に達したサンプルをその雰囲気の中で試験し測定してもよいが、高温の有機化合物に浸漬して平衡の膨潤率に達しせしめたサンプルについて測定してもよい。後者の方がより危険側での評価となっており好ましく用いられる。εb、S、σmax、S、ESを評価する際に用いる有機化合物としては、アルコール、特にエタノールが好適に用いられる。エタノールはエポキシ組成物の硬化物中での拡散速度が遅いため、高温のエタノールに浸漬させ平衡の膨潤率に達したサンプルを室温に冷却し大気中に取り出しても、直ぐには乾燥が進まないため、容易に機械試験を行い破断伸度、最大応力、ヤング率を測定することができる。
硬化物をエタノールで平衡の膨潤率まで達しせしめるには、例えば厚さが約100μm程度のサンプルを使用する場合、密閉容器中130℃で120時間エタノールに浸漬させれば十分である。
本発明の中空糸エレメントの管板に用いられるエポキシ組成物の硬化物は、溶出率が5%未満であることが好ましく、4.5%未満であることがより好ましく、4.0%未満であることがさらに好ましい。
溶出率とは、樹脂組成物を高温の有機化合物に浸漬した際の、重量損失の割合のことである。本発明では溶出率として、高温の有機化合物として130℃のエタノールを選択した場合の重量損失の割合を用いる。
本発明の溶出率は、厚さが約100μm、長さ及び幅がその厚みより十分大きいサンプル(例えば長さ及び幅が5mm以上のサンプル)を用いて、密閉容器中130℃で120時間エタノールに浸漬させた際の浸漬前後の乾燥重量変化分(重量損失)をエタノール浸漬前のサンプルの重量で除した値に、100を掛けて算出することが出来る。
溶出率が5%以上であると、管板樹脂からの溶出物が、分離した有機化合物中に混入する可能性が高くなり、製品の品質を低下させるため好ましくない。
本発明の第Iの態様において、中空糸エレメントの管板に用いられるエポキシ組成物(A)は、前記化学式(a1)で示されるエポキシ化合物(a1)および/または前記化学式(a2)で示されるエポキシ化合物(a2)、および、前記化学式(3)で示されるエポキシ化合物(a3)を含み、好ましくはこれらのエポキシ化合物を80重量%以上、より好ましくは90重量%以上の量で含む。エポキシ組成物(A)の100重量%がこれらのエポキシ化合物のみからなることも好ましい。併用可能なエポキシ化合物は、本発明の他の態様で説明されるような化合物である。
エポキシ組成物(A)合計100重量部中に含有されるエポキシ化合物(a3)の量は、好ましくは7重量部以上、より好ましくは9重量部以上、さらに好ましくは10重量部以上であり、また、好ましくは50重量部以下、より好ましくは45重量部以下、さらに好ましくは40重量部以下、特に好ましくは30重量部以下である。
エポキシ組成物100重量部中にエポキシ化合物(a3)が7重量部以下であると、エポキシ組成物を硬化させた硬化物の最小破断伸度が7.0%未満となり、管板材料として使用した際にクラックが発生する確率が高くなるため好ましくない。
エポキシ組成物100重量部中にエポキシ化合物(a3)が50重量部以上であると、エポキシ組成物を硬化させた硬化物の溶出率が5.0%以上となり、管板樹脂からの溶出物が分離した有機化合物中に混入する可能性が高くなるため好ましくない。
化学式(1)で表されるエポキシ化合物(a1)としては、ジャパンエポキシレジン(株)製;jER604、DIC(株)製;EPICLON 430、東都化成(株)製;エポトートYH−434、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(株)製のアラルダイトMY−720、アラルダイトMY−721などがあげられる。
化学式(a2)で表されるエポキシ化合物(a2)の具体例としては、4−アミノ−フェノール、4−アミノ−m−クレゾール、4−アミノ−o−クレゾール、2−エチル−4−アミノフェノール、3−エチル−4−アミノフェノールなどのトリグリシジル誘導体が挙げられるが、これらの中で、トリグリシジル−4−アミノフェノールが特に好ましい。
トリグリシジル−4−アミノフェノールとしては、ジャパンエポキシレジン(株)製 jER630、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(株)製のアラルダイトMY0500、アラルダイトMY0510などがあげられる。
化学式(a3)中、R’は、好ましくは水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基である。化学式(a3)で示されるエポキシ化合物(a3)としては、ジャパンエポキシレジン(株)製;jER806、jER827、jER828、jER1001、DIC(株)製;EPICLON830、EPICLON840、EPICLON850、東都化成(株)製;エポトートYH−128、(株)ADEKA製アデカレジンEP−4100、アデカレジンEP−4901などがあげられる。
硬化剤(B)は特に限定されるものではないが、耐水性が高く且つ優れた機械特性が得られやすい硬化剤として、アミン系硬化剤が好適に利用される。アミン系硬化剤は、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、脂環族アミン化合物、及びこれらを組み合わせて用いることができる。硬化物のガラス転移温度を高くしやすいことから、芳香族アミン化合物が特に好適である。
芳香族アミン化合物としては、2,4−ジアミノトルエン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,5−ジアミノ−4−クロロ安息香酸アルキルエステルなどの単環式芳香族ジアミン;4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどのジアミノジフェニルメタン類;4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどジアミノジフェニルスルホン類;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニルエーテル類などが例示され、これらを変性した変性芳香族アミン化合物も使用できる。これらの芳香族アミン化合物は、1種でもよいし、2種以上の混合物としても使用できる。その中でも、ジアミノジフェニルメタン類もしくはジアミノジフェニルエーテル類が好ましく、特に4,4’−ジアミノジフェニルメタンもしくは3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好適である。
4,4’−ジアミノジフェニルメタンとしては、三井化学ポリウレタン(株)製 MDA−220などがあげられる。
硬化剤(B)としての芳香族アミン化合物の使用割合は、エポキシ組成物のエポキシ当量および芳香族アミン化合物の活性水素当量から計算される化学量論量に対して、化学量論量の約6割〜14割であることが好ましい。さらに、化学量論量の8割〜12割となるような割合で配合されていることが好ましい。これらの範囲から外れた場合、エポキシ組成物の硬化が不十分となり、強固な管板が形成されないので、好ましくない。
本発明の第IIの態様において、中空糸エレメントの管板は、前記化学式(a2)で示されるエポキシ化合物(a2)を含むエポキシ組成物(A)を、前記化学式(b1)で示される芳香族アミン化合物(b1)を用いて硬化することにより得ることが出来る。
化学式(a2)で示されるエポキシ化合物(a2)としては、前述の第Iの態様で説明したとおりであり、具体的にはジャパンエポキシレジン(株)製 jER630,ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(株)製のアラルダイトMY0500、アラルダイトMY0510等があげられる。
エポキシ組成物(A)は、前記化学式(a2)で示されるエポキシ化合物(a2)の他に、他のエポキシ化合物を併用しても良い。特に、比較的高いガラス転移温度を持つ硬化物が得られるため、多官能のエポキシ化合物を併用することが好ましい。
多官能のエポキシ化合物としては、前記化学式(a1)で示されるテトラグリシジル構造を有するエポキシ化合物(a1)、前記化学式(a4)で示されるフェノールノボラック構造を有するエポキシ化合物(a4)、及びそれらの混合物があげられる。その中でも、特にエポキシ化合物(a1)が特に好ましい。エポキシ化合物(a1)については、前述の第Iの態様で説明したとおりであり、エポキシ化合物(a4)については、第IIIの態様で後述する。
エポキシ組成物(A)において、化学式(a2)で示されるエポキシ化合物(a2)の含有量は、10重量%以上、特に20重量%以上であることが好ましい。
化学式(b1)で示される芳香族アミン化合物(b1)としては、
n=0である、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
n=1である、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
n=2である、4−[3−[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]フェノキシ]ベンゼンアミンなどがあげられる。
その中でも、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンが特に好ましい。
芳香族アミン化合物(B)の使用割合は、エポキシ組成物のエポキシ当量および芳香族アミン化合物の活性水素当量から計算される化学量論量に対して、化学量論量の約6割〜14割であることが好ましい。さらに、化学量論量の8割〜12割となるような割合で配合されていることが好ましい。これらの範囲から外れた場合、エポキシ組成物の硬化が不十分となり、強固な管板が形成されないので、好ましくない。
本発明の第IIIの態様において、中空糸エレメントの管板は、前記化学式(a4)で示されるエポキシ化合物(a4)を含むエポキシ組成物(A)を、前記化学式(b1)で示される芳香族アミン化合物(b1)を用いて硬化することにより得ることが出来る。
化学式(a4)中、R”は、好ましくはメチル基または水素原子である。化学式(a4)で示されるエポキシ化合物(a4)としては、ジャパンエポキシレジン(株)製;jER152,jER154、DIC(株)製;EPICLONN740、EPICLONN770、EPICLONN775、東都化成(株)製;YDPN−638、YDCN−700シリーズ等があげられる。
エポキシ組成物(A)は、前記化学式(a4)で示されるエポキシ化合物(a4)の他に、他のエポキシ化合物を併用しても良い。特に、比較的高いガラス転移温度を持つ硬化物が得られるため、多官能のエポキシ化合物を併用することが好ましい。
多官能のエポキシ化合物としては、特に制限はないが、例えば、化学式(a1)で示されるテトラグリシジル構造を有するエポキシ化合物(a1)、化学式(a2)で示されるトリグリシジルフェノール構造を有するエポキシ化合物(a2)、及びそれらの混合物があげられる。エポキシ化合物(a1)およびエポキシ化合物(a2)については、前述の第Iの態様で説明したとおりである。
エポキシ組成物(A)において、化学式(a4)で示されるエポキシ化合物(a4)の含有量は、10重量%以上、特に20重量%以上であることが好ましい。
化学式(b1)で示される芳香族アミン化合物(b1)としては、
n=0である、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
n=1である、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
n=2である、4−[3−[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]フェノキシ]ベンゼンアミンなどがあげられる。
その中でも、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンが好ましい。
芳香族アミン化合物(b1)の使用割合は、エポキシ組成物のエポキシ当量および芳香族アミン化合物の活性水素当量から計算される化学量論量に対して、化学量論量の約6割〜14割であることが好ましい。さらに、化学量論量の8割〜12割となるような割合で配合されていることが好ましい。これらの範囲から外れた場合、エポキシ組成物の硬化が不十分となり、強固な管板が形成されないので、好ましくない。
本発明の第IVの態様において、中空糸エレメントの管板は、エポキシ組成物(A)を、前記化学式(b2)で示される芳香族アミン化合物(b2)を用いて硬化することにより得ることが出来る。
前記化学式(b2)で示される芳香族アミン化合物(b2)としては、2,2−ビス(4−アミノフェノキシ(4−フェニル))プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシ(4−フェニル))ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン等があげられる。
その中でも2,2−ビス(4−アミノフェノキシ(4−フェニル))プロパンもしくは4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルもしくはビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンが特に好ましい。
エポキシ組成物(A)は、比較的高いガラス転移温度を有する硬化物を得るために、3官能以上の多官能のエポキシ化合物であることが好ましい。具体的には、化学式(a1)で示されるテトラグリシジルアミン構造を有するエポキシ化合物(a1)、化学式(a2)で示されるトリグリシジルフェノール構造を有するエポキシ化合物(a2)、化学式(a4)で示されるフェノールノボラック構造を有するエポキシ化合物(a4)、及びそれらの混合物があげられる。エポキシ化合物(a1)およびエポキシ化合物(a2)については、前述の第Iの態様で説明したとおりであり、エポキシ化合物(a4)については、第IIIの態様で説明したとおりである。
その中でも、特に高いガラス転移温度を有する硬化物が得られる、テトラグリシジルアミン構造を有するエポキシ化合物(a1)、化学式(a2)で示されるトリグリシジルフェノール構造を有するエポキシ化合物(a2)およびそれらの混合物が好ましい。
芳香族アミン化合物(b2)の使用割合は、エポキシ組成物のエポキシ当量および芳香族アミン化合物の活性水素当量から計算される化学量論量に対して、化学量論量の約6割〜14割であることが好ましい。さらに、化学量論量の8割〜12割となるような割合で配合されていることが好ましい。これらの範囲から外れた場合、エポキシ組成物の硬化が不十分となり、強固な管板が形成されないので、好ましくない。
本発明の第Vの態様において、中空糸エレメントの管板に用いられるエポキシ組成物は、前記化学式(a5)で示されるエポキシ化合物(a5)を含む組成物である。
前記化学式(a5)で示されるエポキシ化合物(a5)としては、DIC(株)製;EPICLON HP−4032Dなどがあげられる。
エポキシ組成物(A)は、前記化学式(a5)で示されるエポキシ化合物(a5)の他に、他のエポキシ化合物を併用しても良い。特に、比較的高いガラス転移温度を持つ硬化物が得られるため、多官能のエポキシ化合物を併用することが好ましい。
多官能のエポキシ化合物としては、特に制限はないが、例えば、化学式(a1)で示されるテトラグリシジルアミン構造を有するエポキシ化合物(a1)、化学式(a2)で示されるトリグリシジルフェノール構造を有するエポキシ化合物(a2)、化学式(a4)で示されるフェノールノボラック構造を有するエポキシ化合物(a4)、及びそれらの混合物があげられる。その中でも、エポキシ化合物(a1)、エポキシ化合物(a2)およびそれらの混合物が特に好ましい。エポキシ化合物(a1)およびエポキシ化合物(a2)については、前述の第Iの態様で説明したとおりであり、エポキシ化合物(a4)については、第IIIの態様で説明したとおりである。
エポキシ組成物(A)において、化学式(a5)で示されるエポキシ化合物(a5)の含有量は、10重量%以上、特に20重量%以上であることが好ましい。
硬化剤(B)は特に限定されるものではないが、耐水性が高く且つ優れた機械特性が得られやすい硬化剤として、アミン系硬化剤が好適に利用される。アミン系硬化剤は、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、脂環族アミン化合物、及びこれらを組み合わせて用いることができる。硬化物のガラス転移温度を高くしやすいことから、芳香族アミン化合物が特に好適である。
芳香族アミン化合物としては、2,4−ジアミノトルエン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,5−ジアミノ−4−クロロ安息香酸アルキルエステルなどの単環式芳香族ジアミン;4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどのジアミノジフェニルメタン類;4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどミノジフェニルスルホン類;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどが例示され、これらを変性した変性芳香族アミン化合物も使用できる。これらの芳香族アミン化合物、1種でもよいし、2種以上の混合物としても使用できる。その中でも、ジアミノジフェニルメタン類、もしくはジアミノジフェニルエーテル類が好ましく、特に4,4’−ジアミノジフェニルメタンもしくは3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好適である。
硬化剤(B)としての芳香族アミン化合物の使用割合は、エポキシ組成物のエポキシ当量および芳香族アミン化合物の活性水素当量から計算される化学量論量に対して、化学量論量の約6割〜14割であることが好ましい。さらに、化学量論量の8割〜12割となるような割合で配合されていることが好ましい。これらの範囲から外れた場合、エポキシ組成物の硬化が不十分となり、強固な管板が形成されないので、好ましくない。
本発明の中空糸エレメントの管板に用いられるエポキシ組成物を硬化剤を用いて硬化させた硬化物は、エポキシ組成物と硬化剤とを混合した未硬化樹脂(以下、注入樹脂組成物と呼ぶこともある)に、熱処理を行うことにより得ることが出来る。
熱処理の条件として例えば、未硬化樹脂を60℃の温度で15時間加熱後、昇温速度0.25℃/minで110℃に昇温し、110℃のまま3時間加熱して一次硬化させ、次いで一次硬化した樹脂を110℃で更に2時間加熱後、昇温速度0.25℃/minで180℃に昇温し、180℃のまま4時間加熱して後硬化し、注入樹脂組成物の硬化物を得ることができる。種々の熱処理条件で良好な硬化物を得ることができるが、未硬化樹脂を0.1℃/minより速い昇温速度で直接110℃以上まで加熱すると、注入樹脂組成物内部で急激に発生する反応熱により熱暴走が生じる可能性が高まるため好ましくない。
110℃以下で注入樹脂組成物の流動性がなくなる程度まで一次硬化が進んでいることが、良好な注入樹脂組成物の硬化物を得る上で望ましい。一次硬化させる方法として、0.1℃/min以下の速度で極めてゆっくりと注入樹脂組成物を加熱していってもよいし、適当な一定温度で長時間注入樹脂組成物を保温してもよい。モジュール運転中に物性変化を起こさせないために、最終的にモジュールの操作温度以上の温度、例えば120℃以上、より好ましくは160℃以上で注入樹脂組成物の熱処理が行われていることが望ましい。
本発明の中空糸エレメントにおいては、中空糸束の略中心部にガスを導入する機能を持つ芯管を有することが好ましい。中空糸束の略中心部に導入するガスは、キャリアガスであることが好ましい。ここでいう中空糸束の略中心部とは、導入されたガスが中空糸全体に広がることを目的とするものであるので、その目的を達成できる程度であれば良く、厳密な中心部に限定するものではない。
前記芯管は、所定の気密性および耐圧性を備えたものであれば、その形成材料は特に限定されず、金属、プラスチック、又はセラミック等により好適に形成できる。また、前記図1に示した場合には、芯管の先端は閉じており、第二管板7bに埋設されているが、必ずしも管板によって固着されている必要はなく、熱膨張によるずれなどを吸収する程度の隙間があるのが好ましい。
本発明の中空糸エレメントにおいては、中空糸束の外周部にあらかじめキャリアガスガイドフィルムを設けることが好ましい。
前記キャリアガスガイドフィルムの材料は特に限定されないが、装置内に供給されたキャリアガスを実質的に透過しない材料か、又は難透過性の材料であれば如何なるもので形成してもよい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド等のプラスチックフィルムあるいはアルミニウムやステンレスの金属箔が好適に用いられる。特に、耐熱性、耐溶剤性、加工性の点でポリイミドフィルムが好適である。また、キャリアガスガイドフィルム8の厚さも特に制限されないが、厚いフィルムが用いられると中空糸が装着される空間を占有して有効膜面積が減少するので、数10μm〜2mm程度の厚みを好ましい範囲として挙げることができる。
前記キャリアガスガイドフィルムは、芯管の連通孔に近い側の第一管板7aに固着され、または固着せず間隙を小さくし、第二管板7bには間隙をあけて、キャリアガスが有機蒸気混合物と向流となるように配置されるのが分離効率を高めるうえで好ましい。
次いで、本発明の中空糸エレメントの製造方法について説明する。
まず、中空糸膜を中空糸束として集束する方法について説明する。
中空糸膜を軸方向に対して5〜30度の角度を持って交互に交差配列するように集束させる方法としては、例えば、下記の方法があげられる。1〜100本の中空糸膜は、芯になる管状物(芯管)の軸方向に一定の速度で往復する配糸ガイドによって芯管に配糸されるが、同時に芯管が一定の速度で回転する。このため、中空糸膜は軸に平行に配糸されないで、軸方向に対して芯管が回転しただけ角度を持って配糸される。配糸が一方の端部までくると、そこで中空糸膜は固定され、配糸ガイドは逆方向へ引き返して更に配糸をおこなう。芯管は同方向へ回転し続けるので、こんどは軸方向に対して前回とは角度が同じで丁度反対の方向となる角度をもって配糸される。これを繰り返していくと、配糸される中空糸膜は反対の角度で配糸されている中空糸膜の上に交互に交叉して配列されて中空糸束に集束される。
次に、本発明における管板を形成する方法について、以下に説明する。前記の方法等で、所定の長さおよび本数の中空糸膜6aを集束した中空糸束6を、芯管を取り外すか或いは芯管をそのまま束の略中心部に有したまま、端部に管板を成形する金型11内の所定の位置に設置し、前記中空糸束と円柱状の容器を、端部を下にして実質的に垂直に保持する。この状態の模式図を図2bに示す。
金型11に、管板を形成するために前記エポキシ組成物と硬化物とからなる注入樹脂組成物を所定量注入する。注入樹脂組成物が注入された状態の模式図を図2cに示す。注入樹脂組成物の注入方法は特に限定されないが、容器下部の複数場所からシリンジを用いて注入することが、管板内に注入樹脂組成物を均一に注入しやすいため好ましい。注入樹脂組成物の注入速度が速すぎると、注入樹脂組成物を充填すべき部位に均等に注入することが困難となるため、十分時間をかけて注入することが好ましい。注入樹脂組成物を金型に注入する間、金型の温度を適宜制御することが好適である。同様に、注入樹脂組成物の温度を制御することが好適である。
硬化前の注入樹脂組成物は、成型性の面から、樹脂注入時の温度において液状であることが好ましい。
注入樹脂組成物の粘度については特に制限は無いが、樹脂注入に際し標準的に用いられる温度40℃における粘度が10poise以上120poise未満であることが好ましく、20poise以上110poise未満であることが特に好ましい。ここで樹脂組成物の粘度は、回転粘度計を用いて好適に測定される。
注入樹脂組成物の40℃における粘度が120poise以上であると、管板成型時の樹脂注入に長時間を要するうえ、樹脂注入時に生じる気泡が抜けにくくなり、さらに中空糸膜間へ樹脂が十分に浸透せず、空隙が生じるという問題がある。
また、エポキシ樹脂組成物の40℃における粘度が10poise未満だと、エポキシ樹脂組成物を硬化した際に大きいひけが生じ、成型不良となる傾向が強いため好ましくない。
金型11に注入樹脂組成物を注入した後、金型及び中空糸束を一定温度に保持することで注入樹脂組成物を硬化させ、管板を形成する。このときの温度は100℃以下、好ましくは30〜80℃が好適である。この段階での温度が高いと、注入樹脂組成物の硬化反応が激しくなり、最終的に得られる管板の強度に影響が出るため好ましくない。
注入樹脂組成物が硬化した後、注入樹脂組成物をさらに加熱する事により後硬化を行うことが管板の耐久性、機械特性を向上させる点において好ましい。後硬化時の温度は100℃〜250℃が好ましい。後硬化時の温度が100℃より低いと注入樹脂組成物の硬化が不十分と成るため、好ましくない。また、後硬化時の温度が高すぎると、注入樹脂組成物の硬化反応が激しくなり、管板の強度に問題が出るため好ましくない。注入樹脂組成物を後硬化する際には、複数回に分けて、それぞれ別々の温度に加熱しても構わない。
注入樹脂組成物を後硬化させた後、管板を切断し、中空糸膜を端部で開口させることによって、端部で中空糸が開口状態を保持して管板で固着された中空糸エレメントとする。
ここで、中空糸束の両端部に管板を形成する場合には、前記の手順により中空糸束の一方の端部に管板を形成した後に、他方の端部に同様の手順によって管板を形成することによって行われる。一方の端部に管板を形成した後というのは、管板を切断して、中空糸膜を開口させた後であっても良い。また、一方の端部を金型内に設置し、注入樹脂組成物を注入、硬化した後、後硬化を行う前に、他方の端部に管板を形成し、後硬化以降の手順を両端部に同時に行うことも好適である。
また、中空糸束6の外周部に形成されたキャリアガスガイドフィルム8は、例えば次のようにして作製することができる。まず、中空糸膜を集束した中空糸束を前記の方法等で作製し、その周囲にキャリアガスガイドフィルム8を形成するための、例えばポリエステルフィルムを巻き付け、その重なり部分を糊付けする。次いで、フィルムを巻きつけた状態で、前記束状物の両端部を前記の方法等で、管板相当部を形成する。その際、キャリアガス導入口側の管板7aに対応する端部では前記フィルム末端をも一緒に固着し、透過ガス排出口側の管板7bに対応する端部では前記フィルムの他の末端を管板7bに固着せず、透過ガスおよびキャリアガスが中空糸束から透過ガス排出口に流出するよう隙間を確保する。また、中空糸束の外周に、中空糸エレメントを保護するためのメッシュや2個の半割ケースからなる内套を、有機蒸気混合物の流路を確保できるようにして、備えても構わない。
本発明における有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールとは、前記有機蒸気分離用の中空糸エレメントの一つあるいは二つ以上を、少なくとも混合ガス導入口、透過ガス排出口および非透過ガス排出口を備える容器内に内蔵して構成されたものである。ガス分離膜モジュールの形態は特に限定されるものではなく、中空フィードタイプでもシェルフィードタイプでも良く、キャリアガスを用いるタイプでもキャリアガスを用いないタイプでも良い。キャリアガスを用いるタイプでは、容器にキャリアガス導入口が配置されたり、中空糸エレメントにキャリアガス導入管が配置されたりすることが好適である。
本発明のガス分離膜モジュールは、中空糸エレメントが着脱可能であることが好ましい。
容器内に中空糸エレメントを内蔵したガス分離膜モジュールは、管板で区切られ蒸気の流路を除いて密閉され、気密性を保持した空間を形成する。密閉方法は、特に限定されないが、弾性O−リングやパッキンが好適に用いられる。
本発明の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールは、内蔵される中空糸エレメントの形状や混合ガス導入口、透過ガス排出口、非透過ガス排出口などの配置によって種々の形態をとり得る。例えば、円筒状であっても箱型のものであっても良い。いずれの場合もモジュール内では、中空糸膜の内部空間に通じる空間と、中空糸膜の外部空間に通じる空間とは互いに隔絶され、気密性を保持している。
有機蒸気の分離を行う際には、高温流体や高圧流体、あるいは減圧条件にさらされるものであるから、ガス分離膜モジュールの容器には、充分な強度と使用条件下での安定性が必要である。材質には特に限定はないが、金属、プラスチック、ガラス繊維複合材料、およびセラミックが好適に使用される。
本発明の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールは、混合ガス導入口、非透過ガス排出口が中空糸膜の内部空間に通じ、キャリアガス導入口および透過ガス排出口が中空糸膜の外部空間に通じるように構成されていることが好ましい。特に、キャリアガス導入口が中空糸エレメントの略中心部にある芯管に配置されていることが、より好ましい。
本発明の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを用いた有機蒸気混合物を分離する方法について説明する。
分離膜によるガス分離においては、分離膜を挟んだ二つの空間を、原料のガスを供給する空間(一次側)と、透過ガスが透過してくる空間(二次側)の二つに分ける。
本発明の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを用いた有機蒸気混合物を分離する方法において、中空糸膜の内部空間を一次側(原料ガス供給側)とする中空フィードと、反対に中空糸膜の外部空間を一次側とするシェルフィードのどちらを採用しても良い。中空糸膜を有効に利用するためには、原料ガスの偏流が起こりにくい中空フィードが好ましい。
シェルフィード、中空フィードのいずれの場合においても、ガス分離膜モジュールによる有機蒸気混合物を分離する方法は、下記の方法によって行われる。すなわち、混合ガス導入口からガス分離膜モジュール内の一次側の空間に供給された有機蒸気混合物は、中空糸膜の表面に接しながら流れて、非透過ガス排出口からモジュール外へ排出される。その間、中空糸膜を透過した透過ガスは、二次側の空間に設置された透過ガス排出口からモジュール外に排出される。中空糸膜は選択的透過性を有しているので、膜を透過した透過ガスは、高透過成分に富んでおり、非透過ガス排出口から排出される非透過ガスは、高透過成分の濃度が減少している。
本発明の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを用いた有機蒸気混合物を分離する方法においては、一次側での高透過成分の分圧を、二次側での高透過成分の分圧より高く保つように操作される。
具体的には、膜の二次側を減圧に保持して、中空糸膜の両側における高透過成分の分圧差を確保する方法が挙げられる。また、膜の二次側表面にキャリアガスを流通させる方法が挙げられる。その中で、膜の二次側表面にキャリアガスを流通させる方法が好ましく、かつ、キャリアガスが中空糸膜を挟んで有機蒸気混合物と向流になるように構成することが好ましい。
前記キャリアガスは、高透過成分を含まないか、少なくとも高透過成分の分圧が非透過ガスより小さい濃度であるガスであれば特に制限はなく、例えば、窒素、空気などが使用できる。窒素は膜の二次側から一次側への逆浸透が起こりにくく、不活性であるために、防災上も好ましいキャリアガスである。そのほか、高透過成分を分離した非透過ガスの一部をキャリアガスの供給口に循環し、キャリアガスとして使用することも好適である。
中空フィード型のガス分離膜モジュールにおいては、キャリアガスは中空糸膜の外側に沿って流れることで透過を促進する働きを有している。したがって、キャリアガスは中空糸膜の外側に沿ってショートパスがなく均一に流されることが好ましい。
本発明の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを用いた有機蒸気混合物を分離する方法において、分離する有機蒸気混合物(混合ガス)は、有機化合物の蒸気を含む2種以上のガス混合物であれば特に制限されるものではない。例えば、水蒸気と有機蒸気の混合蒸気からの水蒸気の分離(有機蒸気の脱水)や、メタノールとジメチルカーボネートとの混合蒸気からのメタノールの分離などに好適に使用することが出来る。
前記の有機化合物としては、常圧における沸点が0℃以上200℃以下であるものが好ましい。有機化合物の沸点が0℃以上200℃以下であるのは、中空糸膜の使用温度範囲、有機蒸気混合物を過熱蒸気化するための設備、精製分離成分を凝集し回収するための設備や取扱いの容易さを考慮したときに実用的だからである。
常圧における沸点が0℃以上200℃以下である有機化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s-ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコールなどの脂肪族アルコール類、シクロヘキサノールなどの脂環族アルコール類、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの有機カルボン酸類、酢酸ブチル、酢酸エチルなどの有機酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど環式エーテル類、ブチルアミン、アニリンなどの有機アミン類、および、前記の化合物の混合物を挙げることができる。
本発明の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを用いた有機蒸気混合物を分離する方法においては、有機蒸気混合物は蒸発(蒸留)装置などによって加熱蒸発させて、常圧状態乃至0.1〜10気圧(ゲージ圧)程度の加圧状態の有機蒸気混合物として有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールへ供給される。加圧状態の有機蒸気混合物は、加圧蒸発器で直接加圧状態の有機蒸気混合物を得ても良いし、常圧蒸留器で得られた常圧状態の有機蒸気混合物をベーパーコンプレッサーによって加圧することで得ても構わない。
また、有機蒸気混合物は有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールへ供給され中空糸内部を流通して非透過ガス排出口から排出されるまでの間で凝縮しない程度以上に十分高温に過熱された有機蒸気混合物として供給されることが好ましい。
本発明の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールへ供給される有機蒸気混合物は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上の温度のものである。
過熱された有機蒸気混合物を得る方法としては、具体的には、有機化合物を含む溶液混合物を加熱装置付蒸発装置などによって気化すると同時に加熱(過熱)処理することが好適である。また、気化した有機蒸気混合物を、別に備えた加熱装置を用いて加熱(過熱)処理を行い、過熱された有機蒸気混合物を好適に得ることもできる。
また、必要に応じて有機蒸気混合物を、その温度を保持しながら圧力を低下させる処理をおこなった後、有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールへ供給しても構わない。圧力を低下させる処理方法は、通常の減圧弁等に拠っても良いし、気化したガス混合物をデミスター(ミストセパレーター)などで処理してミストを除去すると同時に圧損を発生させることに拠っても良い。
前記処理後の有機蒸気混合物はその温度での飽和蒸気圧未満の圧力を有するガス混合物になっており、その状態を保持したまま(具体的には、保温されて)有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールへ供給されるのが好適である。そうすれば、有機蒸気混合物が中空糸膜内部を流通して非透過ガス排出口から排出されるまでの間で凝縮しない。
本発明は、前記の有機物のうち、さらに、アルコールを含有する水溶液の脱水に好ましく利用でき、特にエタノール又はイソプロパノールを含有する水溶液の脱水に好ましく使用することができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に限られるものではない。
以下の例で用いた化合物は以下のとおりである。
(1)エポキシ化合物(a1)
604:jER604、ジャパンエポキシレジン社製、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,エポキシ当量:119
(2)エポキシ化合物(a2)
630:jER630、ジャパンエポキシレジン社製、トリグリシジルアミノフェノール,エポキシ当量:98
(3)エポキシ化合物(a3)
828:jER828、ジャパンエポキシレジン社製、液状をなすビスフェノールA型エポキシ化合物,エポキシ当量:189
806:jER806、ジャパンエポキシレジン社製、液状をなすビスフェノールF型エポキシ化合物,エポキシ当量:165
1001:jER1001、ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ化合物,エポキシ当量:475
(4)エポキシ化合物(a4)
152:jER152、ジャパンエポキシレジン社製、フェノールノボラック型エポキシ化合物,エポキシ当量:177
(5)エポキシ化合物(a5)
4032:EPICLON HP−4032D、DIC株式会社製、ナフタレン型エポキシ化合物,エポキシ当量:142
(6)エポキシ化合物(A)
742:Tactix 742、ハンツマンアドバンストマテリアル社製、トリスアミノフェノキシメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量:160
(7)芳香族アミン化合物(b1)
34DE:3、4’−ジアミノジフェニルエーテル、活性水素量:50
TPER:活性水素当量:73
(8)芳香族アミン化合物(b2)
BAPP:2,2−ビス(4−アミノフェノキシ(4−フェニル))プロパン、活性水素当量:103
BAPS:2,2−ビス(4−アミノフェノキシ(4−フェニル))スルホン、活性水素当量:108
BAPB:4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、活性水素当量:92
DA5MG:1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、活性水素当量:72
(9)芳香族アミン化合物(B)
DDM:MDA−220、三井化学ポリウレタン社製、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、活性水素当量:50
DDS:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、活性水素当量:62
ASD:4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、活性水素当量:54
TPEQ:1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、活性水素当量:73
44DE:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、活性水素当量:50
(エポキシ組成物の硬化物の作成方法)
所定量のエポキシ化合物および硬化剤を均一に混合して得られる注入樹脂組成物をキャストすることにより形成したフィルムを、60℃で15時間、110℃で5時間、次いで180℃で4時間加熱することにより硬化させて、厚さ約100μmのエポキシ組成物の硬化物からなるフィルムを作成した。
エポキシ化合物及び硬化剤を混合する際に、必要に応じて溶媒を用いて混合した。
(注入樹脂組成物の粘度の測定方法)
所定量のエポキシ化合物および硬化剤を混合して室温で10分間撹拌し、注入樹脂組成物とした。前記注入樹脂組成物の粘度を、回転粘度計(東京計器社製E型粘度計 Visconic EHD)を用いて、ローターのずり速度1.75sec−1、温度40℃の条件で測定した。
(ガラス転移温度の測定方法)
前記エポキシ組成物の硬化物からなるフィルムを、幅約2mm、長さ約40mmの短冊状に切断して試験片とした。前記試験片を、動的固体粘弾性測定装置(TA Instruments社製、RSA III)を用いて、引っ張りモード(周波数10Hz)、最大歪0.2〜1.0%、窒素雰囲気下で測定した。tanδ(損失弾性率E’’/貯蔵弾性率E’)のピークトップをガラス転移温度(T)とした。
一部のエポキシ組成物の硬化物に関しては、熱機械分析装置(TMA)により得られた軟化温度を、動的粘弾性測定により得られるTgに換算することにより求めた。
(熱機械分析装置による軟化温度の測定方法)
エポキシ組成物の硬化物からなるフィルムを、幅約5mm、長さ約20mmの短冊状に切断して試験片とした。前記試験片を、熱機械分析装置(株式会社リガク製 Thermo plus EVO TMA8310)を用いて、引張り荷重法(荷重5g)、昇温速度5℃/min、測定温度範囲40〜250℃の条件で、窒素雰囲気下にて測定した。得られたTMA曲線において、熱膨張係数(CTE)が大きく変化する前後について曲線に接線を引き、接線の交点の温度をエポキシ組成物の硬化物の軟化点とした。
(熱機械分析装置による軟化温度のガラス転移温度への換算方法)
いくつかのエポキシ組成物の硬化物について、熱機械分析装置により得られる軟化温度と動的粘弾性により得られるTgとの関係(最小二乗法により得られる回帰直線)を求めた。次いで、Tgが未知のエポキシ組成物の軟化温度を熱機械分析装置により測定し、得られた軟化温度を回帰直線に従い、動的粘弾性測定により得られるTgに換算した値を、本発明におけるTgとして代用した。
(破断伸度、最大応力、ヤング率の測定方法)
前記エポキシ組成物の硬化物からなるフィルムを、幅約2mm、長さ約40mmの短冊状に切断して試験片とした。前記試験片を、引張り試験機を用いて、引張り速度2mm/min、チャック間距離20mmとして、引張り破断伸度、最大応力、ヤング率の測定を行った。測定は、温度23℃、湿度50%RHの調湿条件下で行った。
前記試験片を調湿条件下に10時間以上保持した後で測定した破断伸度を大気中標準状態における破断伸度(ε)とし、最大応力を大気中標準状態における最大応力(σmax)とし、ヤング率を大気中標準状態におけるヤング率(E)とした。
前記試験片を密閉容器中130℃で120時間エタノールに浸漬させた後直ちに測定した破断伸度を平衡の膨潤率に達した状態の破断伸度(εb、s)とし、最大応力を平衡の膨潤率に達した状態の最大応力(σmax、S)とし、ヤング率を平衡の膨潤率に達した状態のヤング率(ES)とした。
大気中標準状態における破断伸度と、平衡の膨潤率に達した状態の破断伸度とのより小さい側の伸度を最小破断伸度とした。
(溶出率の測定方法)
前記エポキシ組成物の硬化物からなるフィルムを、幅約10mm、長さ約40mmの短冊状に切断してサンプルとし、真空中、120℃で72時間乾燥させた状態の重量を測定し、浸漬前重量とした。前記サンプルを、密閉容器中130℃で120時間エタノールに浸漬させた後、真空中、120℃で72時間乾燥させた状態の重量を測定し、浸漬後重量とした。サンプルの浸漬前重量と浸漬後重量との差分をサンプルの浸漬前重量で除した値に100を掛けた値を溶出率とした。
(膨潤度の測定方法)
前記エポキシ組成物の硬化物からなるフィルムを、幅約10mm、長さ約40mmの短冊状に切断してサンプルとし、密閉容器中130℃で120時間エタノールに浸漬させた後、重量を測定し、膨潤時重量とした。真空中、120℃で72時間乾燥させた状態の重量を測定し、再乾燥後重量とした。サンプルの膨潤時重量と再乾燥後重量との差分をサンプルの再乾燥後重量で除した値に100を掛けた値を膨潤度とした。
(実施例1)
jER604 68重量部、jER630 17重量部、jER828 15重量部からなるエポキシ組成物およびMDA−220 41重量部を混合して注入樹脂組成物とした。この注入樹脂組成物の40℃における未硬化状態での粘度は、56Poiseであった。
注入樹脂組成物を硬化させてエポキシ組成物の硬化物のフィルムを作成した。前記方法により、前記エポキシ組成物の硬化物のガラス転移温度(T)、大気中標準状態における破断伸度(ε)、平衡の膨潤率に達した状態の破断伸度(εb、S)、大気中標準状態における最大応力(σmax)、平衡の膨潤率に達した状態の最大応力(σmax、S)、大気中標準状態におけるヤング率(E)、平衡の膨潤率に達した状態のヤング率(E)、溶出率、膨潤度を測定した結果を表2に示す。
(実施例2から27)
表1に示した組成の注入樹脂組成物を硬化させたエポキシ組成物の硬化物のフィルムを作成し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005644760
Figure 0005644760
(表2の注)
Tg:固体動的粘弾性測定により見積もったガラス転移温度[℃]ただし、数字に*がついたものは、熱機械分析装置により見積もった軟化温度を固体動的粘弾性測定により得られるガラス転移温度に換算した値を代用。
εb:大気中23℃50RHでの破断伸度[%]
εb、S:平衡の膨潤率に達した状態の破断伸度[%]
最小破断伸度:εb、εb、Sのより小さい側の伸度[%]
σmax:大気中23℃50RHでの最大応力[MPa]
σmax、S:平衡の膨潤率に達した状態の最大応力[MPa]
E:大気中23℃50RHでのヤング率[GPa]
S:
平衡の膨潤率に達した状態のヤング率[GPa]
溶出率:エタノールに130℃、120時間浸漬した際の重量損失率[%]
膨潤度:エタノールに130℃、120時間浸漬した際の重量増加率[%]
(比較例1から14)
表3に示した組成の注入樹脂組成物を硬化させたエポキシ組成物の硬化物のフィルムを作成し、実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
Figure 0005644760
Figure 0005644760
(表4の注)
Tg:固体動的粘弾性測定により見積もったガラス転移温度[℃]
εb:大気中標準状態における破断伸度[%]
εb、S:平衡の膨潤率に達した状態の破断伸度[%]
最小破断伸度:εb、εb、Sのより小さい側の伸度[%]
σmax:大気中標準状態における最大応力[MPa]
σmax、S:平衡の膨潤率に達した状態の最大応力[MPa]
E:大気中標準状態におけるヤング率[GPa]
S:
平衡の膨潤率に達した状態のヤング率[GPa]
溶出率:エタノールに130℃、120時間浸漬した際の重量損失率[%]
膨潤度:エタノールに130℃、120時間浸漬した際の重量増加率[%]
(比較例15)
jER604 80重量部、jER630 20重量部からなるエポキシ組成物および1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン 64重量部からなる組成の注入樹脂組成物は、エポキシ組成物と硬化剤が完全には混合せず、均一な硬化物が得られなかった。
(実施例28)
ポリイミド中空糸膜(膜面積 略100m)を集束した糸束の両端部に、jER604 68重量部、jER630 17重量部、jER828 15重量部からなるエポキシ組成物を、MDA−220 41重量部を用いて硬化させて管板を作成し、有機蒸気分離用の中空糸エレメントを作成した。前記エポキシ組成物の硬化物は、ガラス転移温度が245℃であり、最小破断伸度が8.4%であり、溶出率が2.9%であった。前記中空糸エレメントを収納した図1の構成の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを用いて、エタノールの脱水を行った。エタノール 80重量%及び水20重量%を含有する溶液を、加熱して133℃、0.4MPa(G)の有機蒸気混合物としてガス分離膜モジュールへ供給して、脱水操作を行った。
その分離膜モジュールにおける脱水操作においては、乾燥したエタノール蒸気の一部(キャリアガス)を、中空糸膜の外側(中空糸の周辺部、透過側)に流通させると共に、中空糸膜の透過側を12kPa(A)に減圧して、混合ガス中の水蒸気を選択的に膜透過させて分離することによって混合ガスの脱水操作を行った。分離膜モジュールの透過蒸気および非透過蒸気は、冷却されて凝縮させて、透過蒸気および非透過蒸気の凝縮液を得て、回収した。24時間連続で運転を行い、運転停止後に管板の外観を目視で確認したところ、クラックなどは全く見られず、良好であった。またモジュール運転中に性能の変化も認められなかった。
(比較例16)
ポリイミド中空糸膜(膜面積 略100m)を集束した糸束の両端部に、jER604 80重量部、jER630 20重量部からなるエポキシ組成物を、MDA−220 44重量部を用いて硬化させて管板を作成し、有機蒸気分離用の中空糸エレメントを作成した。前記エポキシ組成物の硬化物は、ガラス転移温度が250℃であり、最小破断伸度が6.4%であり、溶出率が2.9%であった。前記中空糸エレメントを収納した図1の構成の有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを用いて、エタノールの脱水を行った。エタノール 80重量%及び水20重量%を含有する溶液を、加熱して133℃、0.4MPa(G)の有機蒸気混合物としてガス分離膜モジュールへ供給して、脱水操作を行った。
その分離膜モジュールにおける脱水操作においては、乾燥したエタノール蒸気の一部(キャリアガス)を、中空糸膜の外側(中空糸の周辺部、透過側)に流通させると共に、中空糸膜の透過側を12kPa(A)に減圧して、混合ガス中の水蒸気を選択的に膜透過させて分離することによって混合ガスの脱水操作を行った。分離膜モジュールの透過蒸気および非透過蒸気は、冷却されて凝縮させて、透過蒸気および非透過蒸気の凝縮液を得て、回収した。24時間連続で運転を行い、運転停止後に管板の外観を目視で確認したところ、管板の一部に微小なクラックの発生が確認された。
本発明の有機蒸気分離用の中空糸エレメントおよび、有機蒸気分離用ガス分離膜モジュールを用いることで、有機蒸気分離において高温・高圧の条件下においても気密性を保ち、分離性能を維持して、有機蒸気の分離を効率よく行う事が出来る。
1 混合ガス導入口
2 キャリアガス導入口
3 透過ガス排出口
4 非透過ガス排出口
5 筒状容器
6 中空糸束
6a 中空糸膜
7 管板
7a 第一管板
7b 第二管板
8 キャリアガスガイドフィルム
9 芯管
10 芯管の通連孔
11 金型

Claims (14)

  1. 選択的透過性を有する多数の中空糸膜からなる糸束の少なくとも一方の端部が、エポキシ組成物(A)を硬化剤(B)を用いて硬化させた硬化物により形成される管板によって、固着され、結束されている、有機蒸気分離を行うための分離膜モジュールを構成する中空糸エレメントであって、硬化物のガラス転移温度が160℃以上であり、かつ、最小破断伸度が7.0%以上であり、かつ、溶出率が5%未満であり、
    エポキシ組成物(A)が、下記化学式(a1)で示されるエポキシ化合物(a1)、および/または、下記化学式(a2)で示されるトリグリシジル−4−アミノフェノールであるエポキシ化合物(a2)、および、下記化学式(a3)で示されるエポキシ化合物(a3)を含み、且つエポキシ組成物(A)のうち、エポキシ化合物(a3)が7〜50重量%であり、エポキシ化合物(a1)、エポキシ化合物(a2)およびエポキシ化合物(a3)の合計が80重量%以上であることを特徴とする有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
    Figure 0005644760
    Figure 0005644760
    (式中、Rは、水素原子を表す。)
    Figure 0005644760
    (式中、R’は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のフッ素化アルキル基、または水素原子を表し、nは0〜20の整数を表す。)
  2. 硬化剤(B)が、2,4−ジアミノトルエン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,5−ジアミノ−4−クロロ安息香酸アルキルエステル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、および3,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる一種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
  3. 硬化剤(B)が、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる一種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
  4. 選択的透過性を有する多数の中空糸膜からなる糸束の少なくとも一方の端部が、エポキシ組成物(A)を硬化剤(B)を用いて硬化させた硬化物により形成される管板によって、固着され、結束されている、有機蒸気分離を行うための分離膜モジュールを構成する中空糸エレメントであって、硬化物のガラス転移温度が160℃以上であり、かつ、最小破断伸度が7.0%以上であり、かつ、溶出率が5%未満であり、
    ポキシ組成物(A)が、下記化学式(a2)で示されるトリグリシジル−4−アミノフェノールであるエポキシ化合物(a2)を含み、かつ、硬化剤(B)が下記化学式(b1)で示される芳香族アミン化合物(b1)であることを特徴とする有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
    Figure 0005644760
    (式中、Rは、水素原子を表す。)
    Figure 0005644760
    (式中、nは、0〜3の整数を表す。)
  5. 前記化学式(a2)で示されるトリグリシジル−4−アミノフェノールであるエポキシ化合物(a2)が、前記エポキシ組成物(A)のうち、10重量%以上含まれることを特徴とする請求項4に記載の有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
  6. 前記芳香族アミン化合物(b1)が、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
  7. 選択的透過性を有する多数の中空糸膜からなる糸束の少なくとも一方の端部が、エポキシ組成物(A)を硬化剤(B)を用いて硬化させた硬化物により形成される管板によって、固着され、結束されている、有機蒸気分離を行うための分離膜モジュールを構成する中空糸エレメントであって、硬化物のガラス転移温度が160℃以上であり、かつ、最小破断伸度が7.0%以上であり、かつ、溶出率が5%未満であり、
    ポキシ組成物(A)が、下記化学式(a4)で示されるエポキシ化合物(a4)を含み、かつ、硬化剤(B)が下記化学式(b1)で示される芳香族アミン化合物(b1)であることを特徴とする有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
    Figure 0005644760
    (式中、R”は、メチル基、または水素原子を表し、nは、0〜500の整数を表す。)
    Figure 0005644760
    (式中、nは、0〜3の整数を表す。)
  8. 前記エポキシ化合物(a4)が、前記エポキシ組成物(A)のうち、10重量%以上含まれることを特徴とする請求項7に記載の有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
  9. 前記芳香族アミン化合物(b1)が、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
  10. 選択的透過性を有する多数の中空糸膜からなる糸束の少なくとも一方の端部が、エポキシ組成物(A)を硬化剤(B)を用いて硬化させた硬化物により形成される管板によって、固着され、結束されている、有機蒸気分離を行うための分離膜モジュールを構成する中空糸エレメントであって、硬化物のガラス転移温度が160℃以上であり、かつ、最小破断伸度が7.0%以上であり、かつ、溶出率が5%未満であり、
    エポキシ組成物(A)が、下記化学式(a1)で示されるエポキシ化合物(a1)、下記化学式(a2)で示されるトリグリシジル−4−アミノフェノールであるエポキシ化合物(a2)、および、下記化学式(a4)で示されるエポキシ化合物(a4)からなる群から選ばれる一種以上を含み、
    化剤(B)が下記化学式(b2)で示される芳香族アミン化合物(b2)であることを特徴とする有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
    Figure 0005644760
    Figure 0005644760
    (式中、Rは、水素原子を表す。)
    Figure 0005644760
    (式中、R”は、メチル基、または水素原子を表し、nは、0〜500の整数を表す。)
    Figure 0005644760
    {式中、Xは、炭素数3から5のアルキレン基、または下記化学式:
    Figure 0005644760
    (式中、Yは、直接結合、−O−、−CH−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−を表す。)
    で示される基を表す。}
  11. 芳香族アミン化合物(b2)が、2,2−ビス(4−アミノフェノキシ(4−フェニル))プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシ(4−フェニル))ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、および1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタンからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項10に記載の有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
  12. 選択的透過性を有する多数の中空糸膜からなる糸束の少なくとも一方の端部が、エポキシ組成物(A)を硬化剤(B)を用いて硬化させた硬化物により形成される管板によって、固着され、結束されている、有機蒸気分離を行うための分離膜モジュールを構成する中空糸エレメントであって、硬化物のガラス転移温度が160℃以上であり、かつ、最小破断伸度が7.0%以上であり、かつ、溶出率が5%未満であり、
    ポキシ組成物(A)が、下記化学式(a5)で示されるエポキシ化合物(a5)をエポキシ組成物(A)のうち、10重量%以上含むことを特徴とする有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
    Figure 0005644760
  13. 硬化剤(B)が、2,4−ジアミノトルエン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,5−ジアミノ−4−クロロ安息香酸アルキルエステル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、および3,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる一種以上であることを特徴とする、請求項12に記載の有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
  14. 硬化剤(B)が、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項12または13に記載の有機蒸気分離用の中空糸エレメント。
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