JP6015285B2 - 中空糸エレメントおよびそれを備えたガス分離膜モジュール - Google Patents

中空糸エレメントおよびそれを備えたガス分離膜モジュール Download PDF

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Description

本発明は、交換可能な中空糸エレメントおよびそれを備えた分離膜モジュールに関し、特には、取扱性に優れ交換時に損傷等が発生しにくい中空糸エレメントおよびそれを備えた分離膜モジュールに関する。
従来、選択透過性を有する分離膜を用いてガス分離(例えば、酸素分離、窒素分離、水素分離、水蒸気分離、二酸化炭素分離、有機蒸気分離等)を行う分離膜モジュールとしては、プレートおよびフレーム型、チューブラー型、中空糸膜型などがある。そのなかでも、中空糸膜型のガス分離膜モジュールは、単位体積当たりの膜面積がもっとも大きいという利点を有するだけでなく、耐圧性、自己支持性の点においても優れているので、工業的に有利であり、広範囲に利用されている。
中空糸膜型のガス分離膜モジュールは、一般に、選択透過性を有する複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸束とそれを収容する容器とを備え、中空糸束の一端または両端が樹脂製の硬化板(管板)によって固定された構成となっている。
特許文献1には、中空糸束の略中心に配置された芯管を通じてパージガスを供給する構成において、中空糸束の外周部にフィルムを巻き付けてパージガスの流れを規制するようにした中空糸エレメントが開示されている。
特開2010−82496号公報
しかしながら、ガス分離膜モジュールにおいてはその中空糸エレメントが交換可能に設けられることが多く、その場合、上述のような、中空糸束の外周部にフィルムが巻き付けられた中空糸エレメントでは、中空糸エレメントの取付け/取外しの際に、フィルムが例えば容器の一部に接触し、損傷する可能性がある。そのため、中空糸エレメントを交換する際に、熟練した立会作業員の指導が必要となる場合もあった。
そこで本発明は、交換可能な中空糸エレメントを備えた分離膜モジュールに関し取扱性に優れ交換時に損傷等が発生しにくい空糸エレメントおよびそれを備えた分離膜モジュールを提供することにある。
本出願は、下記の発明を開示する:
1.選択透過性を有する複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸束と、
前記中空糸膜の少なくとも一方の端部に設けられ前記中空糸膜を固着する管板と、
前記中空糸束の略中心に配置され、前記中空糸膜の外部空間にパージガスを供給する芯管と、
前記中空糸束および管板を収容するエレメントケースと、
を備え、混合ガスが前記中空糸膜内に導入されるボアフィード型の中空糸エレメントであって、
前記エレメントケースは、
ガスを外部に排出するための開口部が外周部に形成され、前記中空糸束を包囲する筒状部材であって、中空糸膜内の混合ガスと中空糸膜外のパージガスとが向流となるようにガスの流れを規制する筒状部材と、
前記筒状部材の一端または両端に取り付けられる端部部材と、
を有している、中空糸エレメント。
2.前記筒状部材は、
前記中空糸束の長手方向の一部を包囲する第1のパイプと、
該第1のパイプの端部に接続され、前記中空糸束の残りの部分を略包囲する第2のパイプと、
を有する、上記記載の中空糸エレメント。
3.前記第2のパイプは、前記中空糸束の外周部を部分的に覆う2つ以上の部材を有する、上記記載の中空糸エレメント。
4.前記端部部材は、前記管板の外周部を取り囲むリング状の管板リングであり、
前記管板と前記管板リングとの間に環状のシール部材が配置されている、
上記記載の中空糸エレメント。
5.前記端部部材の外周部に、環状のシール部材を嵌めるための環状溝が形成されている、上記に記載の中空糸エレメント。
6.選択透過性を有する複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸束と、
前記中空糸膜の少なくとも一方の端部に設けられ前記中空糸膜を固着する管板と、
前記中空糸束および管板を収容するエレメントケースと、
を備える中空糸エレメントであって、
前記エレメントケースは、
前記中空糸束の長手方向の一部を包囲する第1のパイプおよび該第1のパイプの端部に接続され前記中空糸束の残りの部分を略包囲する第2のパイプを有する筒状部材と、
前記筒状部材の一端または両端に取り付けられる端部部材と、
を有している、中空糸エレメント。
7.上記のいずれか一つに記載の中空糸エレメントと、
前記中空糸エレメントが交換可能に装着されるモジュール容器と、
を備える、ガス分離膜モジュール。
8.前記モジュール容器は、前記中空糸エレメントが配置される略円柱状の内部空間を形成するモジュールパイプを有し、前記内部空間の直径が略一定に形成されている、上記記載のガス分離膜モジュール。
(用語の説明)
「筒状」とは、円筒状に限定されるものではなく、断面形状が矩形、多角形、楕円形等のものをも含む。
「略一定」は、一定のみならず実質的一定をも含む。例えば、「内部空間の直径が略一定」という場合には、その内部空間の全域にわたって直径が一定である場合と、部分的に凹凸などが形成され全域にわたって直径が一定であるとは言えないが実質的には一定である場合との両方を含む。
「向流」とは、芯管の軸線に沿った混合ガス供給側からの流れに対して略逆向きであることをいう。一方の流れと他方の流れとが必ずしも正確に180°逆向きである必要はなく、例えば±30°程度の範囲内で2つの流れが交差し対向する態様をも含む。
本発明の一形態のガス分離膜モジュールの断面図である(内部の中空糸エレメントについては断面図ではなく側面図である)。 図1のモジュールの構成を説明するための模式的な断面図である。 中空糸エレメント(特にエレメントケース)の構成を示す外観図である。 エレメントケースの断面図である。 半割パイプを示す図である。 中空糸エレメントの製造方法の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態について説明する。なお、以下では、いわゆるボアフィードタイプ、かつ、パージガスを流す方式の構成について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[ガス分離膜モジュール・中空糸エレメントの構成]
図1、図2に示すように、本実施形態のガス分離膜モジュール100は、モジュール容器110と、それに対して交換可能に取り付けられる中空糸エレメント200とを備えている。
モジュール容器110は、この例では略円柱状の内部空間111を有しており、この空間111内に中空糸エレメント200が挿入される。このような内部空間111は長尺なモジュールパイプ112によって形成されてもよい。モジュールパイプ112の内径は略一定である。これにより、後述するOリングR1、R2による、中空糸エレメント200とモジュールパイプ112との間の気密性の確保が良好に行われる。
モジュールパイプ112の両端部には、蓋部材113A、113Bが取り付けられており、これらによりモジュール容器110が構成されている。モジュール容器110は、一方の端部に混合ガス入口110aが形成され、反対側の端部およびその付近にパージガス入口110dおよび非透過ガス出口110bが形成されている。モジュール容器110の周壁部には、透過ガス出口110cが形成されている。
モジュールパイプ112および蓋部材113A、113Bの材質は、十分な強度、剛性を有し、使用時の安全性が確保されるものであればどのようなものであってもよく、例えば金属、プラスチック、ガラス繊維複合材料、セラミック等が挙げられる。
モジュール容器110内の空間115(図1、図2参照)は、中空糸エレメント200の管板220Aの上流側に形成されており、ここには、混合ガス入口110aを通じて混合ガスが流れ込む。一方、空間116は、管板220Bの下流側に形成されており、ここには、中空糸膜を透過しなかった非透過のガスが流れ込む。ガスの分離についてのより具体的な説明は後述するものとする。
中空糸エレメント200は、図3に示すように、全体として細長い略円柱形状に形成され、選択透過性を有する複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸束(図2も参照)と、中空糸束の両端部に形成された管板220A、220Bと、それらを収容するエレメントケース250とを有している。
なお、中空糸エレメント200の直径および長さについては適宜変更可能であり、図3に示すような形状に限定されるものではない。
中空糸束の形状には特に制限はない。例えば、中空糸膜が角柱状や平板状に集束された中空糸束、および、直方体の形状をもった管板であってもよい。製造の容易さ、および容器の耐圧性の観点からは、円柱状に集束された中空糸束、および円盤状の管板が好適に用いられる。
中空糸膜は選択透過性を有する従来公知のものを利用可能である。中空糸膜の構造は、均質性のものであっても、複合膜や非対称膜などの非均質性のものであってもよい。ガス分離用途においては、例えば、芳香族ポリイミド製の非対称膜が、選択性とガス透過速度とにおいて優れているため適当である。膜厚は20〜200μmで、外径が50〜1000μmのものが好適に使用できる。中空糸膜の材料は、一例として、高分子材料特にポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネートなどを利用可能である。例えば100〜1,000,000本程度の中空糸膜を束ねて中空糸束を構成してもよい。
管板の材質としては、従来公知のものを利用可能であり特に限定されるものではないが、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、あるいは、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などからなる熱硬化性樹脂などであってもよい。管板は、複数の中空糸膜を固定(固着)する役割を果たす。
中空糸束の略中心部には芯管225が通されている。芯管225は、一例としてその両端のうち一方が閉塞し他方が開口した部材であり、開口部が管板220B側となる向きで配置されている。芯管225は、管板220Bを貫通して延在し、一方の端部が上流側の管板220Aに埋設されていてもよい。芯管225の外周部のうち管板220B寄りの位置には、複数の孔225aが形成されている。芯管端部の開口部(すなわちパージガス入口110d)から供給されたパージガスは、これらの孔225aを通じて中空糸膜どうしの間の空間に流れ込む。パージガスが中空糸膜間を混合ガスの流れ方向に対して向流となるように流れることで、中空糸膜からのガスの透過が促進される。
芯管の材質は、十分な強度、剛性を有し、使用時の安全性が確保されるものであればどのようなものであってもよく、例えば金属、プラスチック、ガラス繊維複合材料、セラミック等が挙げられる。
次に、エレメントケース250の構造について詳細に説明する。
エレメントケース250は、全体として略円筒状に形成されており、中空糸束および管板220A、220Bの外周部(管板の端面は除く)を略包囲している。「略包囲」とは、後述するように開口部253p等が形成されていることによって部分的に包囲されていない部分を含んでいることを意図する。エレメントケース250は、図3に示すように、細長い筒状部材251と、その両端部に取り付けられ、管板220A、220Bの外周部を包囲する管板リング265A、265B(単に「管板リング265」ともいう)とを有しており、筒状部材251は、この例では、半割パイプ253とガスガイドパイプ255とで構成されている。
半割パイプ253、ガスガイドパイプ255および管板リング265の材質は、十分な強度、剛性を有し、使用時の安全性が確保されるものであればどのようなものであってもよく、例えば金属、プラスチック、ガラス繊維複合材料、セラミック等が挙げられる。ガスガイドパイプ255の長さは特に限定されるものではないが、例えば、中空糸エレメント200の全長の半分以上、好ましくはおよそ60〜95%程度の長さであってもよい。
中空糸エレメント200の完成状態では、各管板220A、220Bの端面が露出するとともに、半割パイプ253の一部に形成された開口部253p(詳細下記)を通じて中空糸束の一部が露出する。このような構造とすることで、管板220Aの端面から中空糸膜内への混合ガスの供給、中空糸膜を透過したガス(透過ガス)およびパージガスの外部への排出、および、管板220Bの端面からの非透過ガスの排出が可能となる。
(a)なお、本実施形態では筒状部材251が2つの部材253、255から構成されているが、筒状部材251は単一の部材で構成されていてもよいし、あるいは、3つ以上の部材から構成されてもよい。
(b)透過ガスおよびパージガスの出口として機能する開口部253pの形状、数、配置位置は、何ら限定されるものではない。円形、楕円形、または多角形等の開口部としてもよい。開口部は、半割パイプ253および/またはガスガイドパイプ255に形成可能であり、また、筒状部材251を単一の部材で構成した場合には、その外周部に設ければよい。配置位置は、特に限定されるものではないが、管板リング265Aに近い方が好ましい。
(c)複数の開口部が筒状部材の外周部に沿って所定の間隔で配置されていてもよい。開口部が透過ガス出口付近に形成されている場合、開口部および透過ガス出口経由でのガスの排出が良好に行われることとなり好ましい。
ガスガイドパイプ255は、具体的には図4に示すように、パイプ本体256とその両端部に設けられた接続用部材258A、258Bを有している。パージガスの流れを良好に規制できるように、パイプ本体256は、その内周部が中空糸束の外周部に略当接するようなものであることが好ましい。すなわち、パイプ本体256の内径d256は、中空糸束の直径と略同一もしくは若干小さくてもよい。パイプ本体256の内径d256が中空糸束の直径より小さい場合、中空糸束が径方向に圧縮された状態でパイプ本体256内に配置されることとなる。
ガスガイドパイプ255を構成するパイプ本体256は、ガスを透過せず、かつ、エレメントケース250を構成できるものであれば、どのような材質であってもよく、その厚みも特に限定されるものではない。例えば、厚み0.5mm〜7mm程度、好ましくは0.5mm〜5mm程度の金属板を湾曲させて形成したものであってもよい。
接続用部材258A、258Bはいずれもリング状の部材であって、パイプ本体256に取り付けられてガスガイドパイプ255のフランジ部として機能する。接続用部材258A、258Bには、締付ボルトを通すためのネジ孔または貫通孔が形成されていてもよい。なお、パイプ本体256と接続用部材(258Aまたは258B)とを固定する手段としては、例えば溶接等を用いてもよい。あるいはボルト等を用いてもよく、この場合、パイプ本体256と接続用部材(258Aまたは258B)との間に、何らかの中間部材(不図示)を介在させてもよい。
半割パイプ253は、図5に示すように、それぞれ中空糸束の外周部のほぼ半分ずつ覆う一対の部材253−1、253−2を有している。各部材253−1、253−2は、上述したパイプ本体256とほぼ同様の役割を果たす断面略円弧状の半パイプ部253aと、その両端部に設けられた円弧状の接続用部材254A、254Bを有している。接続用部材254はフランジ部を構成するものであり、締付けボルトを通すための貫通孔h1が形成されている。
接続用部材254A、254Bについては、例えば、予め形成しておいたリング状の部材を半分に切り分け、その後、その両端部をさらに切断することに得られるものであってもよい。
(d)なお、本実施形態では一対の部材253−1、253−2で半割パイプ253を構成しているが、1つまたは3つ以上の複数の部材で構成してもよい。
(e)半パイプ部253aおよび接続用部材254A、254Bのうち、2つ以上もしくは全部が単一の部材で構成されていてもよい。
再び図4を参照し、管板リング265Aは、シールリング267およびテーパリング269を有している。シールリング267およびテーパリング269は、いずれもリング状であって互いに接続されている。なお、管板リング265Bの方は、テーパリング269に相当するものがガスガイドパイプ255の一部として設けられているので、シールリング267のみの構成となっている。
シールリング267の内周部には環状のシール部材を嵌めるための環状溝267aが形成されている。シール部材としてはOリングやパッキン等を利用でき、これにより、管板外周部とシールリング内周部の間の気密性が確保される。一方、シールリング267の外周部にも環状のシール部材を嵌めるための環状溝267bが形成されている。シール部材としてはOリングやパッキン等を利用でき、これにより、中空糸エレメント200の装着時に、シールリング267の外周部とモジュール容器110の内周部との間の気密性が確保される。
図4に示すように、テーパリング269の内周部にはテーパ部269aが形成されている。このテーパ部269aは、管板に形成されたテーパ部(不図示)に対応しており、管板の位置(軸方向に関する位置)を規制する役割を果たす。
シールリング267およびテーパリング269は、締付けボルトB1を用いて、半割パイプ253の接続用部材254Aに対して固定される。
上述のように構成された本実施形態の中空糸エレメント200は、モジュール容器110に対して取外し自在に装着される。すなわち、モジュール容器110の蓋部材113A側から装着する場合、蓋部材113A側(図1参照)を外した状態で、中空糸エレメント200をモジュール容器110内の所定の固定位置まで挿入する。それにより、パージガス導入管118が中空糸エレメント200のパージガス入口110dに接続された状態となり、装着が完了する。管板リング265A、265Bの外周部とモジュール容器110の内周部との間の気密性は、OリングR1、R2によって良好に確保される。なお、中空糸エレメント200を、蓋部材113B側からモジュール容器110内に挿入することも可能である。
本実施形態の構成されたガス分離膜モジュール100は、一例として次のようなガス分離を行うものである。
有機蒸気分離を行う場合は、まず、有機蒸気と水蒸気とを含む混合ガスを混合ガス入口110aから空間115内に流す。混合ガスは、次いで、中空糸膜端部の開口部からその内部に入り膜内を流れ、その際に、混合ガス中の一部の成分ガスが中空糸膜の外へと透過する。中空糸膜外に放出されたガス(透過ガス)は、次いで、開口部253pを通じて中空糸エレメント200から外部に排出され、次いで、モジュール容器110の透過ガス出口110cから外部に排出される。一方、中空糸膜を透過しなかった非透過ガスはそのまま中空糸膜内を下流へと流れ、下流側の開口部から膜外へと送り出されて空間116内に流れ込む。そして、非透過ガスは非透過ガス出口110bを介して外部へと排出される。中空糸膜は選択透過性を有しているので、膜を透過した透過ガスは、高透過成分である水蒸気に富んでおり、非透過ガス排出口から排出される非透過ガスは、高透過成分である水蒸気の濃度が減少している。
ガス分離の間、パージガス入口110dからパージガスが導入され、パージガスは芯管225経由で中空糸束内へと流れ込む。ここで本実施形態においては、少なくともガスガイドパイプ255が、従来のキャリアガスガイドフィルムと同様にガスの流れ方向を規制するので、パージガスが混合ガスに対して向流となるような向きにパージガスが流れることとなり、中空糸膜によるガス分離の効率が向上する。なお、パージガスも、透過ガスと同様に、中空糸エレメント200の開口部253pを通じて中空糸エレメント200から外部に排出され、次いで、モジュール容器110の透過ガス出口110cから外部に排出される。
以上説明したように本実施形態の中空糸エレメント200は、ガスの流れ方向を規制する部材として、従来のようなフィルムに代えて筒状部材251で中空糸束の外周を包囲する構成としたので、従来の構成と比較して、中空糸エレメント200の交換時にフィルムがモジュール容器等に接触しフィルムを損傷させてしまうようなことがない。また、管板リング265A、265Bによって管板も包囲されているので、管板を損傷させてしまう可能性も低減する。
有機蒸気分離等を行う場合、高圧の混合ガスが供給され中空糸膜が膨潤することがあるが、本実施形態の構成よれば、筒状部材251(特にはガスガイドパイプ255)によって中空糸束の外周が包囲されているので、中空糸膜の膨潤に起因して従来の構成で生じるおそれのあったフィルム(特にフィルム同士の接続部)の破損等も発生しない。
また、本実施形態の中空糸エレメント200は、図1に示すようなモジュール容器110に対して容易に装着でき、しかも、モジュール容器110の内部空間111の直径が略一定であるので、OリングR1、R2による気密性の確保が良好に行われる。なお、図1から明らかなように、管板リング265A、265Bの外径は筒状部材251の外径よりも大きく形成されている。
[製造方法の一例]
次に、上述したガス分離膜モジュールの製造方法の一例について説明する。本実施形態の構成によれば、筒状部材251が単一の部材ではなくガスガイドパイプ255と半割パイプ253とで構成されているで、管板220A、220Bの外周部を管板リング265の内周部に接着する必要のない、下記のような製造を実現できる。
まず、図6(A)に示すように、ガスガイドパイプ255の端部に管板リング265Bを接続した状態のものを用意する。
次いで、図6(B)に示すように、従来公知の方法で作製した中空糸束(芯管の図示は省略)を、ガスガイドパイプ255および管板リング265B内に通し、中空糸束の一端側を管板リング265Bから突出させる。そして、不図示の金型を用いて中空糸束端部で樹脂を硬化させることにより管板220Bを形成する。管板形成後に管板の一部を切断して中空糸膜の端部を開口させる手順などについては従来と同様の方法で実施可能である。
なお、図6では中空糸束が横向きに描かれているが、当然ながら中空糸束を縦向きに配置し、その下部に金型を取り付けて管板の形成を行ってもよい。また、図6(B)の段階では管板リング265Bは取り付けず、両管板220A、220Bを形成した後(詳細下記)の工程で、管板リング265A、265Bの取付けを行うようにしても構わない。
次いで、図6(C)に示すように、形成した管板220Bを管板リング265B内に挿入するとともに、OリングR4により管板220Bと管板リング265Bとの間をシールする。続いて、上記同様、不図示の金型を用い、中空糸束の反対側の端部で樹脂を硬化させることにより、もう一方の管板220Aも形成する。管板形成後に管板の一部を切断して中空糸膜の端部を開口させる手順などについては従来と同様の方法で実施可能である。なお、図6(C)の状態では、管板220Aとガスガイドパイプ255との間にテーパリング269が配置された状態となっている。
次いで、図6(D)に示すように、半割パイプ253をテーパリング269とガスガイドパイプ255との間に取り付けるとともに、半割パイプ253の接続用部材254に締付ボルト(不図示)を通し、シールリング267およびテーパリング269を固定する。管板220Aとシールリング267との間は、OリングR3によりシールする。
上記一連の工程によって、本実施形態の中空糸エレメント200が完成する。
以上、本発明の一形態について図面を参照して説明したが、本発明は上記に限定されるものではなく、種々変更可能である:
(a)管板が中空糸束の一方の端部だけを固着していてもよい。管板が一方の端部だけを固着している中空糸エレメントにおいては、他方の端部は中空糸が開口しないように構成される。例えば、中空糸膜が折り返されてもよい。
(b)上記では、管板の外周部がエレメントケースの内周に固着されておらず、両者間の気密性をOリングによって確保する構成を例示したが、管板の外周部をエレメントケースの内周に固着する構成としてもよい。
(c)エレメントケースの端部部材としては、管板の外周部のみを包囲する環状リング265A、265B以外にも、管板の端面をも覆うような形状のキャップ部材(必要に応じてガスの出入口が形成される)を用いてもよい。
(d)上記ではいわゆるボアフィードタイプであってパージガスを供給する構成を例示したが、本発明は、シェルフィードタイプの構成の中空糸エレメントにも適用可能であり、また、パージガスを供給しない構成のものにも適用可能である。また、ガス分離の用途についても何ら制限されるものではない。
(e)シールリング267とテーパリング269(図2参照)とを別部材として構成するのではなく、これらを一体構造としてもよい。
(f)ガスガイドパイプ255の構成に関し、上記では、ガスガイドパイプ255がパイプ本体256と2つの接続用部材258A、258Bとの三部品で構成される一例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。パイプ本体256および接続用部材258A、258Bの全部、あるいは、パイプ本体255と接続用部材258A、258Bの一方とが一体となったような形状の単一の部品を利用してもよい。
(g)また、ガスガイドパイプ255とシールリング267とが一体構造とされてもよい。
100 ガス分離膜モジュール
110 モジュール容器
110a 混合ガス入口
110b 非透過ガス出口
110c 透過ガス出口
110d パージガス入口
111 空間
112 モジュールパイプ
113A、B 蓋部材
118 パージガス導入管
200 中空糸エレメント
220A、220B 管板
250 エレメントケース
251 筒状部材
253 半割パイプ
253a 半パイプ本体
253p 開口部
254A、254B 接続用部材
255 ガスガイドパイプ
256 パイプ本体
258A、258B 接続用部材
265A、265B 管板リング
267 シールリング
267a、267b 環状溝
269 テーパリング
h1 貫通孔
R1〜R4 Oリング

Claims (7)

  1. 選択透過性を有する複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸束と、
    前記中空糸膜の少なくとも一方の端部に設けられ前記中空糸膜を固着する管板と、
    前記中空糸束の略中心に配置され、前記中空糸膜の外部空間にパージガスを供給する芯管と、
    前記中空糸束および管板を収容するエレメントケースと、
    を備え、混合ガスが前記中空糸膜内に導入されるボアフィード型の中空糸エレメントであって、
    前記エレメントケースは、
    ガスを外部に排出するための開口部が外周部に形成され、前記中空糸束を包囲する筒状部材であって、中空糸膜内の混合ガスと中空糸膜外のパージガスとが向流となるようにガスの流れを規制する筒状部材と、
    前記筒状部材の一端または両端に取り付けられる端部部材と、
    を有し、
    前記筒状部材は、
    前記中空糸束の長手方向の一部を包囲する第1のパイプと、
    該第1のパイプの端部に接続され、前記中空糸束の残りの部分を略包囲する第2のパイプであって、前記中空糸束の外周部を部分的に覆う2つ以上の部材を有する第2のパイプと、
    を含むものである、中空糸エレメント。
  2. 前記端部部材は、前記管板の外周部を取り囲むリング状の管板リングであり、
    前記管板と前記管板リングとの間に環状のシール部材が配置されている、
    請求項に記載の中空糸エレメント。
  3. 前記端部部材の外周部に、環状のシール部材を嵌めるための環状溝が形成されている、請求項1または2に記載の中空糸エレメント。
  4. 選択透過性を有する複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸束と、
    前記中空糸膜の少なくとも一方の端部に設けられ前記中空糸膜を固着する管板と、
    前記中空糸束および管板を収容するエレメントケースと、
    を備える中空糸エレメントであって、
    前記エレメントケースは、
    前記中空糸束の長手方向の一部を包囲する第1のパイプおよび該第1のパイプの端部に接続され前記中空糸束の残りの部分を略包囲する第2のパイプであって前記中空糸束の外周部を部分的に覆う2つ以上の部材を有する第2のパイプを有する筒状部材と、
    前記筒状部材の一端または両端に取り付けられる端部部材と、
    を有している、中空糸エレメント。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の中空糸エレメントと、
    前記中空糸エレメントが交換可能に装着されるモジュール容器と、
    を備える、ガス分離膜モジュール。
  6. 前記モジュール容器は、前記中空糸エレメントが配置される略円柱状の内部空間を形成するモジュールパイプを有し、前記内部空間の直径が略一定に形成さている、請求項に記載のガス分離膜モジュール。
  7. 前記第1および第2のパイプの材質が、金属、ガラス繊維複合材料、またはセラミックのいずれかである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の中空糸エレメント。
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