JP5636626B2 - 半導体薄膜の形成方法および薄膜半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体薄膜の形成方法および薄膜半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5636626B2
JP5636626B2 JP2008287250A JP2008287250A JP5636626B2 JP 5636626 B2 JP5636626 B2 JP 5636626B2 JP 2008287250 A JP2008287250 A JP 2008287250A JP 2008287250 A JP2008287250 A JP 2008287250A JP 5636626 B2 JP5636626 B2 JP 5636626B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
semiconductor
forming
organic
semiconductor thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008287250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009177136A (ja
Inventor
貴裕 大江
貴裕 大江
美樹 君島
美樹 君島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2008287250A priority Critical patent/JP5636626B2/ja
Publication of JP2009177136A publication Critical patent/JP2009177136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5636626B2 publication Critical patent/JP5636626B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/12Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having a potential-jump barrier or a surface barrier
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]
    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • H10K10/484Insulated gate field-effect transistors [IGFETs] characterised by the channel regions
    • H10K10/486Insulated gate field-effect transistors [IGFETs] characterised by the channel regions the channel region comprising two or more active layers, e.g. forming pn heterojunctions
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having a potential-jump barrier or a surface barrier
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]
    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • H10K10/468Insulated gate field-effect transistors [IGFETs] characterised by the gate dielectrics
    • H10K10/471Insulated gate field-effect transistors [IGFETs] characterised by the gate dielectrics the gate dielectric comprising only organic materials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は半導体薄膜の形成方法および薄膜半導体装置の製造方法に関し、特には加熱による特性劣化を抑えることが可能な有機半導体薄膜の形成方法およびこの形成方法を行う薄膜半導体装置の製造方法に関する。
有機薄膜トランジスタ(有機TFT)のような有機半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置の製造においては、塗布・印刷プロセスを適用した有機半導体薄膜の成膜が可能である。例えば、有機半導体材料を溶媒に溶かした溶液を基板上に塗布し、これを乾燥させることにより、単一構成の有機半導体材料からなる有機半導体薄膜を得ることができる。このため、従来のシリコン(Si)等の無機半導体材料を用いた半導体装置と比較して、基板の大型化や製造コストの低減を図ることができる。また、塗布・印刷プロセスなどはプロセス温度が低いため、プラスチック基板上への形成が可能であり、可撓性を有する半導体装置としても期待されている。このような一例として、プラスチック基板上に有機TFTを設けたバックプレーンを作製し、これを用いて液晶表示装置やOLED表示装置のようなフラットパネル型の表示装置を作製した報告が成されている。
有機半導体薄膜を構成する材料としては、例えば、ポリチオフェン、ぺンタセン、ルブレンなどの幅広い材料が研究されており、アモルファスシリコンからなる半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置と同程度以上の移動度を有するものもあると報告されている(例えば、下記非特許文献1参照)。
「Applied Physics Letters」、{ HYPERLINK "http://scitation.aip.org/dbt/dbt.jsp?KEY=APPLAB&Volume=69" ,Volume69},Issue26,1996年、p.4108−4110
しかしながら、有機半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置は、加熱によって移動度が劣化する問題があった。実際の実験においては、加熱前に移動度0.14cm2/Vsあったものが、窒素雰囲気下において180℃にまで加熱した状態では、移動度6×10-4cm2/Vsとなり、加熱によって移動度が1/100以下にまで劣化することが確認されている。尚、窒素雰囲気下での加熱であるため有機半導体材料が酸化しているわけではないこと、さらに用いた有機半導体材料そのものは180℃にまで加熱しても熱分解しないことから、このような加熱による移動度の劣化は有機半導体材料自体の変質に起因するものではないことが分かっている。
そこで本発明は、加熱による移動度の低下とこれによる特性劣化を抑制可能で、耐熱性の向上が図られた半導体薄膜をより簡便な手順によって得ることが可能な半導体薄膜の形成方法を提供すること、およびこの方法を適用した薄膜半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の半導体薄膜の形成方法および薄膜半導体装置の製造方法は、低分子半導体材料および高分子絶縁材料を含む有機材料を混合した溶液を基板上に塗布または印刷して薄膜を形成し、この薄膜を乾燥させる過程で低分子半導体材料と高分子絶縁材料とを相分離させることにより、低分子半導体材料からなる少なくとも2層の半導体層と高分子絶縁材料からなると共に2層の半導体層間に挟持された中間層とを含む積層構造の半導体薄膜を形成することを特徴とする。有機材料の相分離は、溶液を構成する高分子絶縁材料の分子量を調整することによって実現する。
このような方法において得られる積層構造の半導体薄膜は、以降の実施例で説明するように、単層構造の半導体薄膜と比較して加熱による移動度劣化が小さく抑えられることが実験によって確認された。このため、この半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置は、加熱による特性劣化が防止されたものとなる。このような移動度劣化の抑制は、1つの要因として、半導体薄膜の加熱による膨張が積層構造としたことによって抑えられていることが考えられる。そして、特に以上の形成方法では、積層構造の半導体薄膜が1回の塗布工程で形成される。
以上説明したように本発明によれば、半導体薄膜とこれを用いた薄膜半導体装置においての加熱による移動度の低下とこれによる特性劣化を抑制可能な積層構造の半導体薄膜を、極めて簡便な手順によって得ることが可能になる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて、次に示す順に実施の形態を説明する。
1.半導体薄膜の構成
2.半導体薄膜の形成方法
3.薄膜半導体装置−1(ボトムコンタクトボトムゲート)
4.薄膜半導体装置−2(ボトムコンタクトボトムゲートの他の例)
5.薄膜半導体装置−3(トップコンタクトボトムゲート)
6.薄膜半導体装置−4(トップコンタクトトップゲート)
7.薄膜半導体装置−5(ボトムコンタクトトップゲート)
8.薄膜半導体装置−6(ボトムコンタクトトップゲートの他の例)
9.薄膜半導体装置−7(ボトムコンタクトトップゲートのさらに他の例)
10.表示装置
11.電子機器
1.<半導体薄膜の構成>
図1は、本発明の形成方法を適用して得られる半導体薄膜の一構成例を示す断面図である。この図に示す半導体薄膜1は、積層構造中に少なくとも2層の半導体層a,a’を含んでいるいわゆる半導体複合薄膜であることを特徴としている。
これらの半導体層a,a’は、図示したように2層の半導体層a−a’間にさらに異なる材料を主成分とする中間層bを挟持する状態で配置されていても良い。この場合、2層の半導体層a,a’は異なる材料で構成されていても良く、同一材料で構成されていても良い。
中間層bは、2層の半導体層a,a’とは異なる材料からなり、この中間層bを含む半導体薄膜1が全体として所望の半導体性を備えれば良い。このため、中間層bは、例えば2層の半導体層a,a’よりも導電性が低い絶縁性材料で構成されて良く、また2層の半導体層a,a’と同程度の導電性の半導体材料で構成されていても良い。また中間層bの他の例としては、2層の半導体層a,a’よりも導電性が高い導電性材料で構成されていても良い。またこの中間層b自体が、積層構造で構成されていても良い。また混合材料で中間層bを形成している場合、構成材料として半導体層a,a’の材料が含まれていてもよい。
以上の他にも、半導体薄膜1は、2層の半導体層a,a’が直接積層されている構成であっても良い。この場合、2層の半導体層a,a’は異なる材料で構成されていることとする。さらに、この半導体薄膜1は、2層の半導体層a,a'のうちの一方が半導体薄膜1の片側の表面を構成していれば、半導体層a,a’のうちの他方の外側にさらに別の層が設けられていても良い。
以上のような半導体薄膜1における半導体層a,a’さらには半導体材料からなる中間層bを構成する半導体材料としては、有機半導体材料や、シリコンなどの無機半導体材料が用いられる。有機半導体材料としては、アセン化合物、オリゴチオフェン誘導体,フタロシアニン誘導体,ペリレン誘導体等の低分子半導体材料が好適に用いられる。共役低分子材料は多結晶または結晶であることとする。また有機半導体材料は、poly(3-hexyl-thiophene)のような高分子有機半導体材料でもよい。特に半導体層a,a’を構成する材料は共役系低分子材料で有ることが好ましい。一方、中間層bは、高分子材料を用いて構成されることが好ましく、高分子材料は非晶質であっても良い。
また中間層bを構成する絶縁性材料としては、有機絶縁性材料や酸化シリコンなどの無機絶縁性材料が用いられる。有機絶縁性材料は、低分子材料でも高分子材料でもよく、架橋反応が可能な場合か架橋していてもよく架橋していなくてもよい。好ましくは高分子絶縁材料であることとする。このような材料としては、ポリスチレン,ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ナイロン、ポリイミド,環状オレフィン・コポリマー,エポキシポリマー、セルロース、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン系ポリマー、ポリビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、フッ素系ポリマー、生分解性プラスチック、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、及び各種ポリマーユニットを組み合わせたコポリマー等が用いられる。
尚、以上の積層構造を形成する各層は単一組成で形成されていてもよく、複数の材料が混合した混合材料で層を形成していてもよい。さらに、各層間が完全に分離している状態に限定されることはなく、各層を構成する材料が界面付近で混在していても良い。また各層の成分は異なる成分比で別層に存在していても良い。例えば半導体層a,a’の半導体材料が、中間層bに存在していても良い。その場合組成比、構成材料比などが異なり半導体層a,a’と中間層bは別層と区別できるものとする。
そして特に好ましい半導体薄膜1の例としては、多結晶または結晶性の共役系低分子半導体材料を用いた半導体層a/非晶質の高分子材料を用いた絶縁性の中間層b/多結晶または結晶性の共役系低分子材料を用いた半導体層a’の積層構造が例示される。また半導体薄膜1の他の例としては、高分子系半導体材料を用いて構成された半導体層a−a’間に、半導体層a,a’とは異なる種類の高分子半導体材料で構成された中間層bを挟持した積層構造が例示される。
以上のような積層構造の半導体薄膜1は、これらを構成する複数材料の混合ギブスエネルギー(ΔGm)が正の値を示すように材料選択されたものであることが好ましい。これにより次に説明する半導体薄膜1の形成において、有機材料を自発的に相分離させた半導体薄膜1を得ることが可能になる。尚、この様な各層を構成する複数材料の選択は、材料の分子構造および分子量を選択因子として行なわれる。
一例として、半導体層aが、共役系低分子材料であるTIPSペンタセン(6,13-bis(triisopropylsilylethynyl)pentacene)を用いて構成されている場合であれば、中間層bは、高分子材料であるポリアルファメチルスチレン(poly(alpha-methylstyrene):PaMS)、ポリスチレン(polystyrene:PS)、または環状オレフィン・コポリマーを用いて構成される。この場合、混合ギブスエネルギー(ΔGm)が正の値を示すように、高分子材料は、重量混合比が1:1のときは、数平均分子量および重量平均分子量が5000以上、好ましくは2万以上のものが適用される。
以上のように構成された積層構造の半導体薄膜1は、以降の実施例で説明するように、単層構造の半導体薄膜と比較して加熱による移動度劣化が小さく抑えられることが実験によって確認された。
2.<半導体薄膜の形成方法>
次に、以上のような積層構造の半導体薄膜1の形成方法として、本発明を適用して塗布または印刷によって形成した薄膜中において有機材料を自発的に相分離させる半導体薄膜の形成方法を説明する。
先ず、上述した半導体層a,a’を構成する有機半導体材料を含む複数種類の有機材料を、溶媒に溶解させて混合した溶液を作製する。この際、例えば上記中間層bを構成する有機材料(例えば上述した有機絶縁性材料)も同様の溶媒に溶解させて混合する。
ここで、積層構造の半導体薄膜1における各層を形成するための複数種類の有機材料は、混合ギブスエネルギー(ΔGm)が正の値を示すように材料選択されたものを用いることとする。この様な各層を構成する材料の選択は、材料の分子構造および分子量を選択因子として行なわれる。そしてこのような材料選択を行なうことにより、各構成材料は、溶媒に溶解させて混合して塗布した状態において相分離を示すようになる。
つまり、統計熱力学において混合系を考えると、複数種類の材料が混合するか否かは、系全体のギブスエネルギー(G)、すなわち下記式(6)に示す混合ギブスエネルギー(ΔGm)によって決まる。混合ギブスエネルギー(ΔGm)が負である場合には、混合している方がより低エネルギーで安定しているため、系が混合する。これに対して、混合ギブスエネルギー(ΔGm)が正である場合には、混合系ではエネルギーが高く不安定であるため、系は混合せずに相分離するのである。
Figure 0005636626
ここで、上記式(6)に示す系のエンタルピー差(ΔHm)は、混合する材料種で決まり、高分子の分子量に依存しない量である。これに対して、上記式(1)に示すエントロピーサ差(ΔSm)は、高分子の分子量に依存する量である。このため、同一の材料種および同一の混合比であっても、高分子の分子量が異なると混合ギブスエネルギー(ΔGm)が異なることがわかる。したがって、各層を構成する材料の選択因子として、材料の分子構造と共に分子量も重要となることが分かる。
また特に高分子材料を含む系の混合系においては、複数種類の材料が混合するか否かは、格子モデルを用いた統計熱力学によるFlory-Huggins理論によって求めることができる。このうち、高分子材料と低分子材料とで構成された混合系については、下記式(1)のFlory-Huggins理論における混合ギブスエネルギー(ΔGm)を適用することができ、この値が正であれば系は混合せずに相分離する。
Figure 0005636626
ただし式(1)は、有機溶剤と高分子との混合系についてのFlory-Huggins理論である。このため、低分子材料(低分子半導体材料)と高分子材料との混合系について式(1)のFlory-Huggins理論を適用するには、低分子半導体材料の分子量の大きさにあわせ式(1)における高分子ユニット数xを調整すれば良い。
ここで、上記式(1)のFlory-Huggins理論び混合ギブスエネルギー(ΔGm)が正の値になるためには、式(1)を構成するパラメータのうち、χ12、φ1、φ2、xの4つのパラメータの値に依存する。このうち、φ1、φ2は、それぞれ低分子の分子数、高分子の分子数、および高分子ユニット数xに依存する値である。したがって、この式(1)からも、各層を構成する材料の選択因子として、混合する材料の分子構造と共に分子量も重要となることが分かる。
そして、上記(1)から抽出された以上の4つのパラメータで構成される下記式(2)が満たされるように、材料選択を行なうことで、低分子と高分子とで構成された系が混合せずに相分離するのである。
Figure 0005636626
一方、複数種類の高分子材料のみで構成された混合系については、下記式(3)のFlory-Huggins理論における混合ギブスエネルギー(ΔGm)を適用することができ、この値が正であれば系は混合せずに相分離する。
Figure 0005636626
式(3)のFlory-Huggins理論び混合ギブスエネルギー(ΔGm)が正の値になるためには、式(3)を構成するパラメータのうち、χ12、φ1、φ2、x1、x2の5つのパラメータの値に依存する。このうちφ1、φ2、は、それぞれの高分子の分子数、および高分子ユニット数x1、x2に依存する値である。したがって、この式(3)からも、各層を構成する材料の選択因子として、混合する材料の分子構造と共に分子量も重要となることが分かる。
そして、上記(3)から抽出された以上の5つのパラメータで構成される下記式(4)が満たされるように、材料選択を行なうことで、複数種類の高分子材料で構成された系が混合せずに相分離するのである。
Figure 0005636626
一例として図2には、上記式(1)のFlory-Huggins理論によって求めた、TIPSペンタセンとポリアルファメチルスチレン(PaMS)混合系におけるPaMSの分子量と混合ギブスエネルギー(ΔGm)との関係を示す。混合比は1:1とした。尚、TIPSペンタセンは、半導体層a,a’を構成する共役系低分子半導体材料である。またをPaMSは、中間層bを構成する高分子絶縁材料である。
図2のグラフに示すように、同一の混合材料種および同一の混合比であっても、高分子(PaMS)の分子量が異なると混合ギブスエネルギー(ΔGm)が異なることがわかる。具体的には、高分子(PaMS)の分子量が1万ぐらいで混合ギブスエネルギー(ΔGm)が0になり、分子量が1万を下回る範囲では混合ギブスエネルギー(ΔGm)はマイナス、分子量が1万を下回る範囲では混合ギブスエネルギー(ΔGm)はプラスになっている。
また、ある程度分子量が大きくなると、混合ギブスエネルギー(ΔGm)の変化はほとんどなくなってくることが分る。このことから、当然ではあるが、エントロピーの寄与だけでなくエンタルピーの寄与も大きく、この二つの兼ね合いによって、材料の分子構造および分子量を因子とした材料選択がなされる。
そして以上のような観点から混合ギブスエネルギー(ΔGm)が正の値を示すように選択された材料の中から、さらに層状に相分離が発生する組み合わせを選択し、溶媒に溶解させて混合した溶液を作製する。ただし、エントロピー差(ΔSm)には温度(T)がかかっているので、系を形成するときの温度も重要である。したがって、実用的な温度範囲−20℃〜200℃程度の範囲のいずれかの温度において、混合ギブスエネルギー(ΔGm)が正の値を示すように選択された材料の中から、さらに層状に相分離が発生する組み合わせを選択すれば良い。尚、実用的な温度範囲−20℃〜200℃とは、例えば薄膜半導体装置を形成する基板がプラスチック基板である場合の基板耐熱温度である。
一例としては、半導体材料として共役系低分子材料であるTIPSペンタセンを用いる場合、高分子材料としてポリアルファメチルスチレン(PaMS)、ポリスチレン(PS)、または環状オレフィン・コポリマーが用いられることは、上述した通りである。この場合、混合ギブスエネルギー(ΔGm)が正の値を示すように、高分子材料は、分子量が5000以上、好ましくは2万以上のものが適用される。
次に、作製した溶液をスピンコート法、印刷法、さらにはインクジェット法のような塗布法によって基板上に塗布または印刷して薄膜を形成する。尚、ここでは印刷法も塗布法の一種で有ると捕らえ、以下においては印刷法を含む塗布法によって形成した薄膜を塗布膜と称する。
次に、塗布膜を乾燥させることにより塗布膜中の溶媒を除去すると共に、塗布膜中に含有される複数種類の有機材料を自発的に層状に相分離させる。
以上により、各有機材料が相分離し、有機半導体材料が積層された半導体層a,a’を含む積層構造の半導体薄膜が得られる。また、塗布膜中に有機絶縁性材料が含有されていれば、この有機絶縁性材料からなる絶縁層が積層された半導体薄膜が得られる。この際、例えば、塗布膜の界面側に有機半導体材料が析出して半導体層を構成し、これらの2層の半導体層a,a’の間に絶縁層が中間層bとして挟持された半導体薄膜1が得られる。この場合、例えば2層の半導体層a,a’は、同一の材料で構成されるようになる。
尚、以上のような塗布膜の乾燥過程においての塗布膜中における有機材料の自発的な相分離は、上述したように、塗布膜(すなわち溶液)を構成する複数種類の有機材料においての各分子量を調整することによって実現される。また、塗布膜(すなわち溶液)を構成する複数種類の有機材料自体の組み合わせによって実現される。
以上のような形成方法では、1回の塗布成膜によって積層構造の半導体薄膜を得ることが可能である。しかも、層上層の成膜の際に下地となる下層が侵食される問題が発生することもない。
また特に、有機半導体材料を含む複数種類の有機材料を溶媒に溶解させて混合した溶液を用いて塗布(印刷)成膜することにより、以降の実施例で説明するように、塗布・印刷性が向上し、得られる半導体薄膜の面内均一性が向上することも分かった。例えば有機半導体材料として低分子材料を用いる場合、この有機材料を溶解させた溶液は塗布成膜のために必要とする粘度を得ることが困難であり、また塗布・乾燥後は凝集しやすいことが多かった。凝集することによって膜は不連続化をおこし、結果として面内均一な半導体薄膜を得ることが困難であった。
そこで、上述したように有機半導体材料を含む複数種類の有機材料を溶媒に溶解させる際、有機半導体材料と組み合わせて用いる他の有機材料として、高分子材料(例えば高分子絶縁材料)を用いることにより、十分な粘度の溶液を調整することができ、またスピンコートやインクジェットなどで塗布した後の乾燥工程にて凝集し難く、面内均一な半導体薄膜が得られることが確認された。
尚、以上の式(1)および式(3)の各混合ギブスエネルギー(ΔGm)<0であっても、各混合ギブスエネルギー(ΔGm)を下記式(5)に示す変数φの関数としてみたときに、図3に示すように2つ以上の極小点a1,a2を持つような材料を組み合わせることによっても、相分離がなされる場合がある。
Figure 0005636626
図3のグラフにおける上に凸の領域というのは極小点a1,a2よりもエネルギーが高い。このため、極小点a1,a2の領域に行こうとして不要なものは系外に出し系がよりエネルギーの低い混合比に進むため相分離がなされる場合がある。
3.<薄膜半導体装置−1>
図4は、本発明を適用して形成した半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置の第1例を示す断面構成図である。この図に示す薄膜半導体装置10-1は、ボトムコンタクトボトムゲート(BCBG)型の薄膜トランジスタであり、電界効果トランジスタである。この薄膜半導体装置10-1は、基板11上にゲート電極13がパターン形成されている。またこのゲート電極13を覆う状態でゲート絶縁膜15が設けられており、このゲート絶縁膜15上にソース電極17sおよびドレイン電極17dがパターン形成されている。これらのソース電極17sおよびドレイン電極17dは、ゲート電極13の両脇となる位置にゲート電極13を挟む状態で対向するように設けられている。ゲート電極とソース及びドレイン電極の間には,オーバーラップする領域があっても良い.そして、ソース電極17s−ドレイン電極17d間にわたって、ゲート絶縁膜15、ソース電極17s、およびドレイン電極17dに接する状態で、上述した積層構造の半導体薄膜1が設けられている。
そして特に本第1例においては、上述した半導体薄膜1を構成する少なくとも2層の半導体層のうちの一つが、ソース電極17s、ゲート絶縁膜15、およびドレイン電極17dに接する状態で設けられていることとする。ここでは、例えば半導体層a−a’間に中間層bを狭持してなる3層構造の半導体薄膜1が、ソース電極17sおよびドレイン電極17dが形成されたゲート電極15上を覆う状態で設けられており、このうちの半導体層aが、ソース電極17s、ゲート絶縁膜15、およびドレイン電極17dに接する状態で設けられていることとする。このような半導体薄膜1は、上述した第1例または第2例の形成方法で形成されていることとする。
ここで、半導体薄膜1を構成する全ての層が有機材料からなる場合には、印刷法を適用した低温プロセスによって半導体薄膜1を得ることが可能である。このため、基板11としてプラスチック基板を用いることが可能になる。この場合、ゲート絶縁膜15も有機材料で構成することにより、印刷法を適用した低温プロセスでの形成が可能である。さらに、ゲート電極13、ソース電極17s、およびドレイ電極17dは、従来のスパッタ法、CVD法、メッキ法、蒸着法による金属電極の形成に加え、Au、Ag等のナノ粒子分散液,金属錯体溶液、さらには導電性分子溶液を用いたインクジェット法,マイクロコンタクト法,スクリーン印刷法等の印刷法を適用することで、低温プロセスでの形成が可能である。
そしてこのような構成の薄膜半導体装置10-1においては、図1を用いて説明した半導体薄膜1が活性層として用いられることにより、単層構造の半導体薄膜を活性層として用いた構成と比較して、加熱による移動度劣化が小さく抑えられることが実験によって確認された。この結果、加熱による移動度の低下とこれによる特性劣化が抑制され、耐熱性の向上を図ることが可能になる。
次にこの薄膜半導体装置10-1の製造工程を、図5の断面工程図を用いて説明する。
先ず、図5(1)に示すように、少なくとも表面が絶縁材料で構成された基板11を用意する。そしてこの上部に、ゲート電極13を形成する。この場合、例えば先ず、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の金属材料膜を、スパッタリング法、蒸着法、あるいはめっき法によって成膜する。その後、フォトリソグラフィーにより金属材料膜上にレジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクにして金属材料膜をエッチングする。これにより、基板11上にゲート電極13をパターン形成する。また別の方法としては、金(Au)微粒子や銀(Ag)微粒子等を含有するインクペーストを用いたインクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等の印刷技術によってゲート電極13をパターン形成しても良い。
以上の後には、図5(2)に示すように、ゲート電極13を覆う状態で基板11上に有機絶縁層としてのゲート絶縁膜15を成膜する。この際例えば、ポリビニルフェノール、PMMA、ポリイミド、フッ素樹脂等の有機高分子材料を塗布法や印刷法によって成膜する。ゲート絶縁膜15は、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料をCVD法やスパッタ法によって成膜したり、上記の方法を組み合わせて有機高分子材料と無機材料の多層膜を形成してもよい。
次に、ソース電極17sおよびドレイン電極17dをパターン形成する。これらのソース電極17sおよびドレイン電極17dの形成は、ゲーと電極13の形成と同様に行って良い。また必要に応じて、パターン形成されたソース電極17sおよびドレイン電極17dの表面処理を行うことにより、低オーミック接合を形成する金属材料層をソース電極17sおよびドレイン電極17dの表面に形成しても良い。
次に、図5(3)に示すように、ソース電極17sおよびドレイン電極17dが形成されたゲート絶縁膜15上に、有機半導体材料を含む複数種類の有機材料を溶媒に溶解させて混合した溶液を塗布または印刷した塗布膜20を形成する。この塗布膜20を構成する溶液は、半導体層(a,a’)を構成するための有機半導体材料と共に、中間層(b)を構成するための有機絶縁性材料とを、溶媒に溶解させたものである。これらの複数種類の有機材料は、上記<半導体薄膜の形成方法−2>で述べたように選択されたものを用いることとする。また溶媒は、選択された材料を溶解するものであれば良い。
またこのような溶液を用いた塗布膜20の形成は、作製した溶液をスピンコート法、印刷法、さらにはインクジェット法のような塗布法によって基板上に塗布または印刷することによって行なう。
次に、図5(4)に示すように、塗布膜(20)を乾燥させることにより塗布膜(20)中の溶媒を除去すると共に、塗布膜(20)中に含有される複数種類の有機材料を自発的に層状に相分離させる。これにより、各有機材料が相分離し、有機半導体材料が積層された半導体層a,a’を含む積層構造の半導体薄膜1を形成する。また、塗布膜(20)中に有機絶縁性材料が含有されていれば、この有機絶縁性材料からなる絶縁層が積層された半導体薄膜1が得られる。
この際、例えば、塗布膜の界面側に有機半導体材料が析出して半導体層aを構成し、これらの2層の半導体層a,a’の間に絶縁層が中間層bとして挟持された半導体薄膜1が得られる。この場合、例えば2層の半導体層a,a’は、同一の材料で構成されるようになる。
尚、以上のような塗布膜の乾燥過程においての有機材料の自発的な相分離は、塗布膜(すなわち溶液)を構成する複数種類の有機材料においての各分子量、または複数種類の有機材料自体の組み合わせによって実現されることは上記<半導体薄膜の形成方法−2>で述べたとおりである。
以上のようにして、図4で説明したと同様のボトムゲート・ボトムコンタクト型の薄膜トランジスタが、薄膜半導体装置10-1として得られる。
尚、基板11上に複数の薄膜トランジスタを形成する場合には、半導体薄膜1をパターニングすることによって素子分離を行なう。この場合、半導体薄膜1を形成した後にこれをパターニングしても良い。また、予め、半導体薄膜1の形成部を囲む形状のバンク(土手:図示を省略)をパターン形成しておき、その後、塗布膜(20)の形成と相分離を行うことによってパターニングされた状態の半導体薄膜1を形成しても良い。
尚、トランジスタの信頼性,耐環境性を向上させるために、ポリビニルアルコール、パリレン、窒化シリコン、または酸化シリコン等からなる保護膜によって薄膜トランジスタ1bを覆うことが好ましい。
また少なくとも2層の半導体層a,a’を備えた半導体薄膜1の形成は、上記<半導体薄膜の形成方法−1>で述べたように、各層を下層側から順に個別に成膜しても良い。
4.<薄膜半導体装置−2>
図6は、本発明を適用して形成した半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置の第2例を示す断面構成図である。この図に示す薄膜半導体装置10-2も、ボトムコンタクトボトムゲート(BCBG)型の薄膜トランジスタ(電界効果トランジスタ)であり、図4に示す薄膜トランジスタ(10-1)と同一の構成要素には同一の符号を付している。
この図に示す第2例の薄膜半導体装置10-2が、図4に示した第1例の薄膜トランジスタ(10-1)と異なるところは、ソース電極17sおよびドレイン電極17dのパターン段差において半導体薄膜1が分断されている構成にあり、他の構成は第1例と同様であることとする。
このような構成であっても、ソース電極17s−ドレイン電極17d間にわたって、ゲート絶縁膜15、ソース電極17s、およびドレイン電極17dに接する状態で、上述した半導体薄膜1が設けられて、また3層構造の半導体薄膜1のうちの半導体層aがソース電極17s、ゲート絶縁膜15、およびドレイン電極17dに接する状態で設けられた状態となる。ただし、半導体層aとソース電極17sおよびドレイン電極17dとの接触は、半導体層aの端面のみとなる。
そしてこのような構成の薄膜半導体装置10-2であっても、図1を用いて説明した半導体薄膜1が活性層として用いられることにより、第1例と同様に加熱による移動度の低下とこれによる特性劣化が抑制され、耐熱性の向上を図ることが可能になる。
このような構成の薄膜半導体装置10-2の製造は、薄膜半導体装置10-1の製造における塗布膜20の形成において、ソース電極17sおよびドレイン電極17dの膜厚に対して塗布膜20の膜厚を十分に薄くすれば良い。これにより、ソース電極17sおよびドレイン電極17dの段差において塗布膜20が分断されるため、これを相分離させた半導体薄膜1がソース電極17sおよびドレイン電極17dの上部と下部とで分断されたものとなる。
5.<薄膜半導体装置−3>
図7は、本発明を適用して形成した半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置の第3例を示す断面構成図である。この図に示す薄膜半導体装置10-3は、トップコンタクトボトムゲート(TCBG)型の薄膜トランジスタ(電界効果トランジスタ)であり、図4に示す薄膜トランジスタ(10-1)と同一の構成要素には同一の符号を付している。
この図に示す第3例の薄膜半導体装置10-3が、図4に示した第1例の薄膜トランジスタ(10-1)と異なるところは、半導体薄膜1とソース電極17sおよびドレイン電極17dとの積層順であり、他の構成は第1例と同様であることとする。
すなわち、基板11上のゲート電極13を覆うゲート絶縁膜15上には、半導体薄膜1を介してソース電極17sおよびドレイン電極17dがパターン形成されている。これにより、ソース電極17s−ドレイン電極17d間にわたって、ゲート絶縁膜15、ソース電極17s、およびドレイン電極17dに接する状態で、上述した半導体薄膜1が設けられている。
このような第3例の薄膜半導体装置10-3においては、上述した半導体薄膜1を構成する複数の半導体層のうちの一方(ここでは半導体層a)にゲート絶縁膜15が接し、他方(ここでは半導体層a’)にソース電極17sおよびドレイン電極17dに接する状態で設けられていることとする。
そしてこのような構成の薄膜半導体装置10-3であっても、図1を用いて説明した半導体薄膜1が活性層として用いられることにより、第1例と同様に加熱による移動度の低下とこれによる特性劣化が抑制され、耐熱性の向上を図ることが可能になる。
このような構成の薄膜半導体装置10-3の製造は、薄膜半導体装置10-1の製造において、ゲート絶縁膜15を成膜した後で、ソース電極17sおよびドレイン電極17dを形成する前に、半導体薄膜1を形成する手順とすれば良い。
6.<薄膜半導体装置−4>
図8は、本発明を適用して形成した半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置の第4例を示す断面構成図である。この図に示す薄膜半導体装置10-4は、トップコンタクトトップゲート(TCTG)型の薄膜トランジスタ(電界効果トランジスタ)であり、図4に示す薄膜トランジスタ(10-1)と同一の構成要素には同一の符号を付している。
この図に示す第4例の薄膜半導体装置10-4が、図4に示した第1例の薄膜トランジスタ(10-1)と異なるところは、構成要素の積層順が逆であるところにあり、他の構成は第1例と同様であることとする。
すなわち、基板11上には半導体薄膜1を介してソース電極17sおよびドレイン電極17dがパターン形成され、これを覆う状態でゲート絶縁膜15が設けられている。このゲート絶縁膜15上におけるソース電極17s−ドレイン電極17d間に挟まれた位置にゲート電極13がパターン形成されている。
このような構成では、第1例と同様に、ソース電極17s−ドレイン電極17d間にわたって、ゲート絶縁膜15、ソース電極17s、およびドレイン電極17dに接する状態で上述した半導体薄膜1が設けられ、また3層構造の半導体薄膜1のうちの一方の半導体層a’が、ソース電極17s、ゲート絶縁膜15、およびドレイン電極17dに接する状態で設けられた状態となる。
そしてこのような構成の薄膜半導体装置10-4であっても、図1を用いて説明した半導体薄膜1が活性層として用いられることにより、第1例と同様に加熱による移動度の低下とこれによる特性劣化が抑制され、耐熱性の向上を図ることが可能になる。
このような構成の薄膜半導体装置10-4の製造は、基板11上に半導体薄膜1を形成し、さらにソース電極17sおよびドレイン電極17dを形成した後に、ゲート絶縁膜15およびゲート電極13をこの順に形成する手順とすれば良い。各部分の形成は、薄膜半導体装置10-1の製造と同様であって良い。
7.<薄膜半導体装置−5>
図9は、本発明を適用して形成した半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置の第5例を示す断面構成図である。この図に示す薄膜半導体装置10-5は、ボトムコンタクトトップゲート(BCTG)型の薄膜トランジスタ(電界効果トランジスタ)であり、図4および図8に示す薄膜トランジスタ(10-1)と同一の構成要素には同一の符号を付している。
この図に示す第5例の薄膜半導体装置10-5は、図8に示した第4例の薄膜トランジスタ(10-4)において、半導体薄膜1とソース電極17sおよびドレイン電極17dとの積層順であり、他の構成は第4例と同様であることとする。
すなわち、基板11上にはソース電極17sおよびドレイン電極17dがパターン形成され、これを覆う状態で半導体薄膜1が設けられている。この半導体薄膜1上にゲート絶縁膜15が設けられ、さらにこのゲート絶縁膜15上におけるソース電極17s−ドレイン電極17d間に挟まれた位置にゲート電極13がパターン形成されている。
このような第5例の薄膜半導体装置10-5においては、上述した半導体薄膜1を構成する複数の半導体層のうちの一方(ここでは半導体層a’)にゲート絶縁膜15が接し、他方(ここでは半導体層a)にソース電極17sおよびドレイン電極17dに接する状態で設けられていることとする。
そしてこのような構成の薄膜半導体装置10-5であっても、図1を用いて説明した半導体薄膜1が活性層として用いられることにより、第1例と同様に加熱による移動度の低下とこれによる特性劣化が抑制され、耐熱性の向上を図ることが可能になる。
このような構成の薄膜半導体装置10-5の製造は、基板11上にソース電極17sおよびドレイン電極17dを形成し、さらに半導体薄膜1を形成した後に、ゲート絶縁膜15およびゲート電極13をこの順に形成する手順とすれば良い。各部分の形成は、薄膜半導体装置10-1の製造と同様であって良い。
8.<薄膜半導体装置−6>
図10は、本発明を適用して形成した半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置の第6例を示す断面構成図である。この図に示す薄膜半導体装置10-6は、第5例のボトムコンタクトトップゲート(BCTG)型の薄膜トランジスタ(電界効果トランジスタ)の第1変形例であり、ソース電極17sおよびドレイン電極17dの表面が基板11の表面と同一面を構成しているとろにおいてのみ、第5例と異なる。
このような構成の薄膜半導体装置10-6の製造は、先ず、基板11の表面側に溝パターン形成し、これを埋め込む状態でソース電極17sおよびドレイン電極17dを形成する。この際、電極材料膜を成膜し、溝パターン内のみに電極材料膜を残すように研磨を行なうことにより、溝パターン内にソース電極17sおよびドレイン電極17dを埋め込み形成する。その後、半導体薄膜1を形成し、次にゲート絶縁膜15およびゲート電極13をこの順に形成する手順とすれば良い。これらの形成は、薄膜半導体装置10-1の製造と同様であって良い。
9.<薄膜半導体装置−7>
図11は、本発明を適用して形成した半導体薄膜を用いた薄膜半導体装置の第7例を示す断面構成図である。この図に示す薄膜半導体装置10-7は、第5例のボトムコンタクトトップゲート(BCTG)型の薄膜トランジスタ(電界効果トランジスタ)の第2変形例であり、半導体薄膜1を構成する半導体層aがソース電極17sおよびドレイン電極17dのパターン段差を埋め込んで表面平坦に成膜されているとろにおいてのみ、第5と異なる。
尚、以上説明した実施形態の薄膜半導体装置は、さらに必要に応じた層間絶縁膜やパシベーション膜で覆われ、配線されて用いられる。
このような構成の薄膜半導体装置10-7の製造は、先ず、基板11の表面側にソース電極17sおよびドレイン電極17dを形成する。その後、ソース電極17sおよびドレイン電極17dのパターン段差を埋め込む膜厚で、第1層目の半導体層aを形成する。次に、この上層の中間層bおよび半導体層a’を成膜して半導体薄膜1を形成する。次に、ゲート絶縁膜15およびゲート電極13をこの順に形成する手順とすれば良い。これらの形成は、薄膜半導体装置10-1の製造と同様であって良い。
10.<表示装置>
次に、上述の実施形態で説明した本発明の製造方法を適用して得られた薄膜半導体装置を用いた表示装置の一例として、有機電界発光素子ELを用いたアクティブマトリックス型の表示装置を説明する。
図12には、表示装置30の回路構成図を示す。
この図に示すように、表示装置30の基板11上には、表示領域11aとその周辺領域11bとが設定されている。表示領域11aには、複数の走査線31と複数の信号線33とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素aが設けられた画素アレイ部として構成されている。また周辺領域11bには、走査線31を走査駆動する走査線駆動回路35と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線33に供給する信号線駆動回路37とが配置されている。
走査線31と信号線33との各交差部に設けられる画素回路は、例えばスイッチング用の薄膜トランジスタTr1、駆動用の薄膜トランジスタTr2、保持容量Cs、および有機電界発光素子ELで構成されている。尚、これらの薄膜トランジスタTr1,Tr2として、上述した薄膜トランジスタ10-1〜10-7が用いられる。
そして、走査線駆動回路35による駆動により、スイッチング用の薄膜トランジスタTr1を介して信号線33から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が駆動用の薄膜トランジスタTr2から有機電界発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子ELが発光する。尚、駆動用の薄膜トランジスタTr2は、共通の電源供給線(Vcc)39に接続されている。
尚、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成しても良い。また、周辺領域11bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
図13には、以上のような回路構成の表示装置30における1画素分の断面図として、薄膜トランジスタTr2,Tr1および容量素子Csと、有機電界発光素子ELとが積層された部分の断面図を示す。
この図に示すように、各画素には薄膜トランジスタTr2,Tr1として、例えば図4で示したボトムコンタクトボトムゲート構造の薄膜トランジスタ(10-1)が設けられている。
薄膜トランジスタTr1のソース電極17sと、薄膜トランジスタTr2のゲート電極13とは、ゲート絶縁膜15に設けられた接続孔15aを介して接続されている。また、薄膜トランジスタTr2のゲート電極13を延設した部分と、ソース電極17sを延設した部分との間にゲート絶縁膜15を挟持させて容量素子Csが構成されている。また、図12の回路図にも示したように、薄膜トランジスタTr1のゲート電極13は走査線(31)に、薄膜トランジスタTr1のドレイン電極17dは信号線(33)に、薄膜トランジスタTr2のソース電極17sは電源供給線(39)にそれぞれ延設される。
以上の薄膜トランジスタTr1,Tr2および容量素子Csは、例えば保護膜を介して層間絶縁膜41で覆われている。この層間絶縁膜41は、平坦化膜として構成されることが好ましい。この層間絶縁膜41には、薄膜トランジスタTr2のドレイン電極17dに達する接続孔41aが設けられている。
そして、層間絶縁膜41上の各画素に、接続孔41aを介して薄膜トランジスタTr2に接続された有機電界発光素子ELが設けられている。この有機電界発光素子ELは、層間絶縁膜41上に設けられた絶縁性パターン43で素子分離されている。
この有機電界発光素子ELは、層間絶縁膜41上に設けられた画素電極45を備えている。この画素電極45は、各画素毎に導電性パターンとして形成され、層間絶縁膜41に設けられた接続孔41aを介して薄膜トランジスタTr2のドレイン電極17dに接続されている。このような画素電極45は、例えば陽極として用いられるものであり、光反射性を有して構成されていることとする。
そして、この画素電極45の周縁が、有機電界発光素子ELを素子分離するための絶縁性パターン43で覆われている。この絶縁性パターン43は、画素電極45を広く露出させる開口窓43aを備えており、この開口窓43aが有機電界発光素子ELの画素開口となる。このような絶縁性パターン43は、例えば感光性樹脂を用いて構成され、リソグラフィー法を適用してパターニングされたものであることとする。
そして、このような絶縁性パターン43から露出する画素電極45上を覆う状態で、有機層47が設けられている。この有機層47は、少なくとも有機発光層を備えた積層構造からなり、必要に応じて陽極(ここでは画素電極45)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層、さらには他の層を積層してなる。また有機層57は、例えば各有機電界発光素子ELで発生させる発光光の波長毎に、少なくとも有機発光層を含む層が画素毎に異なる構成でパターン形成されていることとする。また、各波長の画素で共通の層を有していても良い。さらに、この有機電界発光素子ELが、微小共振器構造として構成されている場合、各有機電界発光素子ELから取り出す波長に合わせて有機層57の膜厚が調整されていることとする。
以上のような有機層47を覆い、画素電極45との間に有機層47を狭持する状態で、共通電極49が設けられている。この共通電極49は、有機電界発光素子ELの有機発光層で発生させた光を取り出す側の電極であり、光透過性を有する材料で構成されていることとする。またここでは、画素電極45が陽極として機能するものであるため、この共通電極49は、少なくとも有機層47に接する側が陰極として機能する材料を用いて構成されていることとする。さらに、この有機電界発光素子ELが、微小共振器構造として構成されている場合、この共通電極49は、半透過半反射性を有する構成であることとする。尚、図12の回路図にも示したように、この共通電極49はGNDに設置されている。
そして、以上のような画素電極45と共通電極49との間に有機層47が挟持された各画素部分が、有機電界発光素子ELとして機能する部分となる。
またここでの図示は省略したが、各有機電界発光素子ELの形成面側は、光透過性材料からなる封止樹脂で覆われ、さらにこの封止樹脂を介して光透過性材料からなる対向基板が張り合わされた状態で表示装置30が構成されている。
以上のような構成の表示装置30によれば、トランジスタ特性の良好な薄膜トランジスタ(10-1)を用いて画素回路を構成しているため、画素電極を安定して駆動することができ、これにより表示特性の向上を図ることが可能になる。
尚、上述した実施形態においては、図4を用いて説明したボトムコンタクトボトムゲート構造の薄膜トランジスタ10-1を用いた表示装置を説明した。しかしながら、上述した表示装置には、薄膜トランジスタ10-1に換えて上述した薄膜トランジスタ10-2〜10-7の何れを用いても良く、同様の効果を得ることができる。さらに上述した実施形態においては、薄膜トランジスタを備えた表示装置の一例として、有機電界発光素子ELを用いたアクティブマトリックス型の表示装置を例示した。しかしながら本発明の表示装置は、薄膜トランジスタを搭載した表示装置に広く適用可能であり、例えば液晶表示装置や電気泳動型ディスプレイに適用できる。
11.<電子機器>
本発明の電子機器の実施形態としては、上述した薄膜トランジスタ10-1〜10-7を搭載し、これに導電性パターンを接続させた電子機器に広く適用可能である。例えば、IDタグ、センサー等の電子機器への適用が可能であり、同様の効果を得ることができる。また、本発明の電子機器の実施形態としては、上記表示装置を搭載した電子機器に広く適用化能である。例えば、電子ペーパー、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の表示装置を搭載した電子機器に適用することが可能である。
≪半導体薄膜の作製−1≫:ポリアルファメチルスチレン
有機半導体材料としてTIPSペンタセンを用い、これと異なる有機材料としてポリアルファメチルスチレン(poly(alpha-methylstyrene):PaMS)を用い、これらをメシチレンに混合して溶かした溶液を作製した。尚、TIPSペンタセンは共役系低分子系の有機半導体材料として用いた。また、PaMSは高分子絶縁材料として用いた。
ここでは、高分子絶縁材料であるPaMSとして、下記表1の<サンプル1〜5>に示す各分子量のものを用い、TIPSペンタセン:PaMS=1:1の混合比で溶液を作製した。
Figure 0005636626
また表1に示すように、PaMSは、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との値が近く、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)がほぼ1である分子量分布が狭い物を用いた。
次に、架橋したPVP(ポリビニルフェノール)を主成分とした有機絶縁膜で表面が構成された基板上に、作製した溶液をスピンコートによって塗布して塗布膜を形成した。形成した塗布膜を、窒素雰囲気下60℃で1時間乾燥させて半導体薄膜を得た。
<移動度>
得られた各半導体薄膜に付いて移動度を測定した。図14には、PaMSの分子量(Mw)と、得られた半導体薄膜に付いて測定した移動度(mobility)との関係を示す。図14のグラフに示すように、用いる高分子(PaMS)の分子量が大きいほど高い移動度を示すことが分かる。これは、図2を用いて説明したように、高分子(PaMS)の分子量が大きいほど混合ギブスエネルギー(ΔGm)が高くなる結果と良く一致している。そして、図14から、分子量が5000以上、好ましくは2万以上の高分子(PaMS)を用いて半導体材料と混合することにより、十部に高い移動度の半導体薄膜が得られることが確認された。
<濃度プロファイル>
得られた各半導体薄膜について、TOF−SIMSにて深さ方向の濃度プロファイルを測定した。この結果を図15に示す。尚、図15中のCN,Oは、基板の表面を構成する有機絶縁膜の成分である。
図15(1)は、分子量が2万以上であるPaMS(Mw=108,000、Mn=106,000)を用いて作製した<サンプル4>の半導体薄膜の濃度プロファイルである。この図に示すように、TIPSペンタセンに含まれるSiのピークが、表面近傍と絶縁層(基板)界面近傍との2ヶ所に間隔を開けて検出された。このことから、上述した塗布液の乾燥過程において、有機半導体材料であるTIPSペンタセンと有機絶縁材料であるPaMSが相分離し、図1に示したように、Siを含むTIPSペンタセンで構成された半導体層a−a’間に、PaMSを主成分とする間層bが挟持された積層構成の半導体薄膜1が得られていることが確認された。
一方、図15(2)は、分子量が2万以下であるPaMS(Mw=2,200、Mn=1,960)を用いて作製した<サンプル1>の半導体薄膜の濃度プロファイルである。この図に示すように、TIPSペンタセンに含まれるSiは、極表面においれわずかに偏在しているものの、CNとOとが高濃度で検出されている絶縁層(基板)よりも表面側においてほぼ均等に検出された。このことから、<サンプル1>の半導体薄膜においてにおいては、上述した塗布膜の乾燥過程において、有機半導体材料であるTIPSペンタセンと有機絶縁材料であるPaMSとの相分離が生じず、薄内においてこれらがほぼ均等に混在した単層構造の薄膜しか得ることができていないことが確認された。
<X線回折スペクトル>
得られた各半導体薄膜について、X線回折スペクトルを測定した。この結果を図16に示す。
図16(1)は、分子量が2万以上であるPaMS(Mw=108,000、Mn=106,000)を用いて作製した<サンプル4>のスペクトルである。図16(2)は、分子量が5000以下であるPaMS(Mw=2,200、Mn=1,960)を用いて作製した<サンプル1>の半導体薄膜のX線回折スペクトルである。
また図16(3)は、<比較例1>として、有機絶縁性材料を用いずにTIPSペンタセン(有機半導体材料)のみをメシチレンに溶解した溶液を用いて、同様の手順で作製した半導体薄膜のスペクトルである。
図16(1)に示すように、有機半導体材料であるTIPSペンタセンが有機絶縁性材料であるPaMSと相分離している<サンプル4>の半導体薄膜は、図16(3)のTIPSペンタセンのみで構成された単層構造の<比較例1>と同様の回折スペクトルを示している。このことから、相分離している<サンプル4>の半導体薄膜1においては、半導体層a,a’においてのTIPSペンタセンの配列状態が、比較例1で作製されたTIPSペンタセンからなる単層構造内においての配列状態と同じに保たれていることが確認された。
これに対して、図16(2)に示すように、TIPSペンタセンとPaMSとがほぼ均等に混在した単層構造の<サンプル1>の半導体薄膜は、X線回折スペクトルにピークが発生せず、膜内においてTIPSペンタセンが配向できずに分子配列が乱れてしまっていることが分かる。
尚、上述した<サンプル1〜4>とは別に、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の差が大きいPaMS(Mn=500、Mw=15,000)、つまり分子量分布が大きいPaMSを用いて同様の膜形成を行った。得られた膜について移動度を測定したところ、極端に小さい移動度を示した。このことから、用いる高分子材料には、2,000以下の分子量のものが存在していないことが好ましいことが分かった。
≪半導体薄膜の作製−2≫:ポリスチレン
有機半導体材料としてTIPSペンタセンを用い、これと異なる有機材料としてポリスチレン(polystyrene:PS)を用い、これらをメシチレンに混合して溶かした溶液を作製した。尚、TIPSペンタセンは共役系低分子系の有機半導体材料として用いた。また、PSは高分子絶縁材料として用いた。
ここでは、高分子絶縁材料であるPSとして、下記表2の<サンプル6〜11>に示す各分子量のものを用い、重量でTIPSペンタセン:PS=1:1の混合比で溶液を作製した。
Figure 0005636626
また表2に示すように、PSは、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との値が近く、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)がほぼ1である分子量分布が狭い物を用いた。
次に、架橋したPVP(ポリビニルフェノール)を主成分とした有機絶縁膜で表面が構成された基板上に、作製した溶液をスピンコートによって塗布して塗布膜を形成した。形成した塗布膜を、窒素雰囲気下60℃で1時間乾燥させて半導体薄膜を得た。
<移動度>
得られた各半導体薄膜に付いて移動度を測定した。図17には、PSの分子量と、得られた半導体薄膜に付いて測定した移動度(mobility)との関係を示す。図17のグラフに示すように、用いる高分子(PS)の分子量が大きいほど高い移動度を示すことが分かる。これは、図2に示したように高分子(PS)の分子量が大きいほど混合ギブスエネルギー(ΔGm)が高くなる結果と良く一致している。そして、この図17からも、分子量が5000以上、さらには2万以上の高分子(PS)を用いて半導体材料と混合することにより、十部に高い移動度の半導体薄膜が得られることが確認された。
≪半導体薄膜の作製−3≫:環状オレフィン・コポリマー
以下のようにして図1に示す半導体薄膜を形成した。先ず、TIPSペンタセン(有機半導体材料)と、環状オレフィン・コポリマー(有機絶縁性材料)とを、メシチレンに混合して溶かした溶液を作製した。混合比は重量で1:1とした。次に、架橋したPVP(ポリビニルフェノール)を主成分とした有機絶縁膜を有する基板上に、作製した溶液をスピンコートによって塗布して塗布膜を形成した。形成した塗布膜を、窒素雰囲気下60℃で1時間乾燥させて薄膜を得た。
<濃度プロファイル>
得られた薄膜について、TOF−SIMSにて深さ方向の濃度プロファイルを測定した。この結果を図18に示す。この図に示すように、TIPSペンタセンに含まれるSiのピークが、表面近傍と絶縁層(基板)界面近傍との2ヶ所に間隔を開けて検出された。このことから、上述した塗布膜の乾燥過程において、有機半導体材料であるTIPSペンタセンと有機絶縁材料である環状オレフィン・コポリマーとが相分離し、図1に示したように、Siを含むTIPSペンタセンで構成された半導体層a−a’間に、環状オレフィン・コポリマーからなる中間層bが挟持された積層構成の半導体薄膜1が得られていることが確認された。
また先のPaMSを用いて得られた半導体薄膜との比較から、有機半導体材料と有機絶縁性材料との塗布膜中における相分離は、有機絶縁性材料としてPaMSのような芳香族炭化水素化合物を用いた場合に限定されず、芳香環を持ち合わせていないオレフィン系の高分子材料であっても生じることが確認された。
≪比較例2の膜の作製≫:ポリイソブチルメタクリレート
以下のようにして<比較例2>の膜を作製した。先ず、低分子有機半導体材料としてTIPSペンタセンと、高分子絶縁材料としてポリイソブチルメタクリレート(Mw=300,000、Mn=140,000)とをメシチレンに混合して溶かした溶液を作製した。混合比は重量で1:1とした。次に、架橋したPVP(ポリビニルフェノール)を主成分とした有機絶縁膜を有する基板上に、作製した溶液をスピンコートによって塗布して塗布膜を形成した。形成した塗布膜を、窒素雰囲気下60℃で1時間乾燥させて<比較例2>の膜を得た。
<濃度プロファイル>
得られた比較膜について、TOF−SIMSにて深さ方向の濃度プロファイルを測定した。この結果を図19に示す。この図に示すように、TIPSペンタセンに含まれるSiのピークが、CNとOとが高濃度で検出されている絶縁層(基板)よりも表面側においてほぼ均等に検出された。このことから、ここで作製された<比較例2>の膜は、上述した塗布膜の乾燥過程において、有機半導体材料であるTIPSペンタセンと有機絶縁材料であるポリイソブチルメタクリレートとの間で相分離が生じておらず、単層構造であることが確認された。
この系の混合ギブスエネルギー(ΔGm)は、ΔGm<0になることがFlory-Huggins理論より求まる。すなわち相分離するよりも混合しているほうがエネルギー的に有利であるため、PaMSなどを用いたときと異なり、相分離しない。よって半導体分子であるTIPSペンタセンが配向せず、十分な移動度が得られていないと考えられる。実際X線回折による分析では、TIPSペンタセンが配向したときのような回折パターンは得られなかった。
≪薄膜半導体装置の作製≫
各分子量のPaMSを用いた<サンプル1>および<サンプル4>の半導体薄膜の作製を適用し、以下のようにして、図4を用いて説明したボトムコンタクトボトムゲート(BCBG)型の薄膜トランジスタを作製した。
先ず、3inchのSiウエハを共通のゲート電極13とし、この上部に有機絶縁膜からなるゲート絶縁膜15を形成し、このゲート絶縁膜15上にソース電極17sおよびドレイン電極17dのパターンを87個以上形成した。次いで、ソース電極17sおよびドレイン電極17dが形成されたゲート絶縁膜15の上方に、上述したサンプル1の半導体薄膜とサンプル4の半導体薄膜とを形成した。これにより、図4に示したボトムコンタクトボトムゲート型の各薄膜トランジスタを得た。
<装置の評価−1>
得られた各薄膜トランジスタについて、窒素雰囲気下において加熱温度による移動度(Mobility)の変化を測定した。この結果を図20に示す。この図に示すように、相分離している<サンプル4>の半導体薄膜を備えた薄膜トランジスタでは、初期の移動度0.2cm2/Vsが、加熱によって低下するものの、180℃にまで加熱しても移動度0.08cm2/Vs程度に維持されている。これに対して、相分離しない<サンプル1>の半導体薄膜を備えた薄膜トランジスタでは、初期の移動度0.09cm2/Vsが、加熱によって低下し、180℃では移動度6×10-4cm2/Vsにまで劣化している。
これにより、相分離していない半導体薄膜を備えた薄膜トランジスタと比較して、本発明が適用された相分離している半導体薄膜を備えた薄膜トランジスタは、初期の移動度も高く、かつ180℃にまで加熱した状態であっても移動度の低下が小さく抑えられていることが分かる。
これにより、本発明を適用して半導体薄膜1を積層構造とすることにより、加熱による移動度の低下とこれによる特性劣化を抑制可能であり、耐熱性の向上が図られた半導体薄膜および薄膜半導体装置が得られることが確認された。
尚、このような移動度劣化の抑制は、1つの要因として、半導体薄膜の加熱による膨張が積層構造としたことによって抑えられていることが考えられる。すなわち、熱を加えることによって起こる物理的変化の一つとして、熱による膨張伸縮があげられる。薄膜トランジスタは、異なる材質の有機物を重ね合わせた構造をしていると見ることができ、それぞれの層が異なる熱膨張係数を有し、熱が加わることで各層と層の間でストレスが生じている可能性がある。例えば、熱膨張係数の異なる金属Maと金属Mbを張り合わせた場合、室温で平坦なものが高温になると反り返ることが知られている。これは上下で膨張率が異なるために起こる現象である。しかしこの反り返りはMa−Mb−Maといったサンドイッチ構造にすることで回避することができる場合がある。これは、金属Ma−Mb間で熱膨張によるストレスが生じているものの、一枚の板としてみたときサンドイッチ構造をとることで熱膨張によるストレスが上下で緩和されているからだと考えることができる。
また、半導体薄膜を塗布にて作製する場合、溶媒の乾燥工程が薄膜トランジスタとしての特性の性能を大きく左右することが知られている。例えば、より高沸点の塗布溶媒を用いることにより、高い移動度の薄膜トランジスタを得ることができると報告されている(「Chem.Mater.」,16(23),2004年,p.4772-4776参照)。これは、高沸点の塗布溶媒を用いたことにより、乾燥工程における塗布溶媒の乾燥速度を遅くなるためと考えられる。
そして、以上の<サンプル4>および<サンプル1>のように、半導体薄膜の形成に同一の塗布溶媒(メシチレン)を用いた場合には、<サンプル4>における塗布溶媒の乾燥速度が、<サンプル1>よりも遅くなることが目視にて確認できている。これは、有機半導体材料であるTIPSペンタセンに対して、これよりも十分に分子量が大きな高分子材料であるPaMS(Mw=108,000、Mn=106,000)を混合することで塗布溶媒の揮発が阻害され、この結果として乾燥が遅くなったためと考えられる。そしてこのような乾燥速度の低下も一因となって、より移動度高められた薄膜トランジスタが得られたと考えられる。
<装置の評価−2>
また、<サンプル4>および<サンプル1>を適用して作製した複数の薄膜トランジスタのうち、各87個ずつの薄膜トランジスタについて、オン電流のバラツキを測定した。この結果、相分離している<サンプル4>を適用して作製した薄膜トランジスタのオン電流のバラツキは11.3%であった。一方、相分離していない<サンプル1>を適用して作製した薄膜トランジスタのオン電流のバラツキは54.7%であった。
これにより、スピンコート法を適用した半導体薄膜の形成においては、自発的な相分離によって積層構造の半導体薄膜を形成するようにすることで、単一の有機半導体材料を用いて半導体薄膜を形成する場合と比較して、ON電流のバラつきを約1/5にまで抑える効果も確認された。
<装置の評価−3>
また、<サンプル4>および<サンプル1>を適用して作製した複数の薄膜トランジスタのうち、各87個ずつの薄膜トランジスタについて、ゲート電圧Vg−ドレイン電流Id特性を測定した。この結果を図21に示す。この結果からも、相分離している<サンプル4>を適用して作製した薄膜トランジスタの特性バラツキは、相分離しない<サンプル1>を適用して作製した薄膜トランジスタの特性バラツキよりも小さいことが確認された。
以上の<装置の評価−2>と<装置の評価−3>の結果から、有機半導体材料であるTIPSペンタセンに対して、これよりも十分に分子量が大きな高分子材料であるPaMS(Mw=108,000、Mn=106,000)を混合することにより、塗布用の溶液に対してある程度の粘度を得ることが可能となって塗布性が向上し、さらに塗布膜の乾燥過程による凝集が防止されることで、面内均一な半導体薄膜が得られていることが確認された。
本発明の形成方法を適用して得られる半導体薄膜の断面図である。 Flory-Huggins理論によって求めた、TIPSペンタセンとPaMS混合系におけるPaMSの分子量と混合ギブスエネルギー(ΔmG)との関係を示す図である。 各混合ギブスエネルギー(ΔGm)を式(6)に示す変数φの関数としてみた場合の一例を示す図である。 本発明を適用して得られる薄膜半導体装置の第1例を示す断面構成図である。 本発明を適用した第1例の薄膜半導体装置の製造手順を示す断面工程図である。 本発明を適用して得られる薄膜半導体装置の第2例を示す断面構成図である。 本発明を適用して得られる薄膜半導体装置の第3例を示す断面構成図である。 本発明を適用して得られる薄膜半導体装置の第4例を示す断面構成図である。 本発明を適用して得られる薄膜半導体装置の第5例を示す断面構成図である。 本発明を適用して得られる薄膜半導体装置の第6例を示す断面構成図である。 本発明を適用して得られる薄膜半導体装置の第7例を示す断面構成図である。 実施形態の表示装置の回路構成図である。 実施形態の電子機器として表示装置の一例を示す断面図である。 PaMSの分子量と得られた半導体薄膜に付いて測定した移動度との関係を示す図である。 各分子量のPaMSを用いて作製したサンプル1,4の半導体薄膜におけるSIMSプロファイルである。 各分子量のPaMSを用いて作製したサンプル1,4の各半導体薄膜、およびTIPSペンタセンのみを用いて作製した比較例1の半導体薄膜におけるXRDスペクトルである。 PSの分子量と得られた半導体薄膜に付いて測定した移動度との関係を示す図である。 環状オレフィン・コポリマーを用いて作製した半導体薄膜のSIMSプロファイルである。 ポリイソブチルメタクリレートを用いて作製した比較膜のSIMSプロファイルである。 サンプル1およびサンプル4を適用して作製した各薄膜トランジスタの加熱温度による移動度の変化を示すグラフである。 サンプル1およびサンプル4を適用して作製した各薄膜トランジスタのゲート電圧Vg−ドレイン電流Id特性を示すグラフである。
符号の説明
1…半導体薄膜、10-1,10-2,10-3,10-4,10-5,10-6,10-7…薄膜半導体装置、a,a’…半導体層、b…中間層

Claims (11)

  1. 低分子半導体材料および分子量が2000より大きな高分子からなる高分子絶縁材料を含む有機材料を混合した溶液を基板上に塗布又は印刷して薄膜を形成する工程と
    前記薄膜を乾燥させる過程で前記低分子半導体材料と前記高分子絶縁材料とを相分離させることにより、積層構造の半導体薄膜を形成する工程とを含み、
    前記低分子半導体材料および前記高分子絶縁材料には、前記相分離させることにより、前記低分子半導体材料からなる少なくとも2層の半導体層と前記高分子絶縁材料からなると共に前記2層の半導体層間に挟持された中間層とを含む積層構造が形成できるものを用いる
    半導体薄膜の形成方法。
  2. 前記低分子半導体材料には多結晶または結晶性の材料を、前記高分子絶縁材料には非晶質の材料を用いる
    請求項1に記載の半導体薄膜の形成方法。
  3. 前記高分子絶縁材料の分子量を調整することにより、前記有機材料を相分離させる
    請求項1または2に記載の半導体薄膜の形成方法。
  4. 前記有機材料の混合ギブスエネルギーが正の値を示す
    請求項1〜3の何れかに記載の半導体薄膜の形成方法。
  5. 下記式(1)で示されるFlory-Huggins理論における高分子材料を含む材料系の混合ギブスエネルギー(ΔGm)から抽出される関数が、下記式(2)を満たす
    請求項4に記載の半導体薄膜の形成方法。
    Figure 0005636626
  6. 前記積層構造を構成する複数材料が、下記式(1)を下記式(5)で表されるφの式として混合ギブスエネルギー(ΔGm)を求めたとき2つ以上の極小点をもつ
    請求項1〜3の何れかに記載の半導体薄膜の形成方法。
    Figure 0005636626
    Figure 0005636626
  7. 前記高分子絶縁材料として、数平均分子量および重量平均分子量が5000以上の高分子材料を用いる
    請求項1〜6の何れかに記載の半導体薄膜の形成方法。
  8. 前記高分子絶縁材料は、ポリアルファメチルスチレン、ポリスチレン、または環状オレフィン・コポリマーである
    請求項7に記載の半導体薄膜の形成方法。
  9. 前記低分子半導体材料はアセン系材料である
    請求項1〜8の何れかに記載の半導体薄膜の形成方法。
  10. 前記低分子半導体材料はTIPSペンタセンである
    請求項1〜9の何れかに記載の半導体薄膜の形成方法。
  11. 低分子半導体材料および分子量が2000より大きな高分子からなる高分子絶縁材料を含む有機材料を混合した溶液を基板上に塗布又は印刷して薄膜を形成する工程と、
    前記薄膜を乾燥させる過程で前記低分子半導体材料と前記高分子絶縁材料とを相分離させることにより、積層構造の半導体薄膜を形成する工程とを行い、
    前記低分子半導体材料および前記高分子絶縁材料には、前記相分離させることにより、前記低分子半導体材料からなる少なくとも2層の半導体層と前記高分子絶縁材料からなると共に前記2層の半導体層間に挟持された中間層とを含む積層構造が形成できるものを用いる
    薄膜半導体装置の製造方法。
JP2008287250A 2007-12-27 2008-11-10 半導体薄膜の形成方法および薄膜半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP5636626B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008287250A JP5636626B2 (ja) 2007-12-27 2008-11-10 半導体薄膜の形成方法および薄膜半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007335882 2007-12-27
JP2007335882 2007-12-27
JP2008287250A JP5636626B2 (ja) 2007-12-27 2008-11-10 半導体薄膜の形成方法および薄膜半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009177136A JP2009177136A (ja) 2009-08-06
JP5636626B2 true JP5636626B2 (ja) 2014-12-10

Family

ID=40824298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008287250A Expired - Fee Related JP5636626B2 (ja) 2007-12-27 2008-11-10 半導体薄膜の形成方法および薄膜半導体装置の製造方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US8415196B2 (ja)
EP (1) EP2226836B1 (ja)
JP (1) JP5636626B2 (ja)
KR (1) KR20100106401A (ja)
CN (1) CN101903993B (ja)
TW (1) TWI381568B (ja)
WO (1) WO2009084584A1 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009277710A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Ricoh Co Ltd 有機トランジスタ、有機トランジスタの製造方法、有機トランジスタアレイ及び表示装置
JP5621273B2 (ja) * 2010-02-23 2014-11-12 ソニー株式会社 薄膜トランジスタ構造体およびその製造方法、ならびに電子機器
JP2012069545A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Toyoda Gosei Co Ltd 発光素子の搭載方法
JP5807738B2 (ja) * 2011-03-30 2015-11-10 ソニー株式会社 有機トランジスタの製造方法、有機トランジスタ、半導体装置の製造方法、半導体装置および電子機器
JP2014517524A (ja) * 2011-06-01 2014-07-17 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ハイブリッド両極性tft
CN102332534A (zh) * 2011-09-20 2012-01-25 电子科技大学 一种n型有机薄膜晶体管及其制备方法
TWI451580B (zh) * 2011-09-26 2014-09-01 Ind Tech Res Inst 薄膜太陽能電池之製法
EP2767540A1 (en) 2011-10-12 2014-08-20 Sony Corporation Dioxaanthanthrene-based compound, laminated structure and molding method thereof, and electronic device and production method thereof
JP2013105950A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Sony Corp 半導体装置および電子機器
JP2013219172A (ja) * 2012-04-09 2013-10-24 Sony Corp 電子デバイス及びその製造方法並びに画像表示装置
JP2014032983A (ja) * 2012-08-01 2014-02-20 Sony Corp 半導体装置、表示装置および電子機器
CN104584251A (zh) * 2012-08-15 2015-04-29 帝人株式会社 有机半导体溶液和有机半导体膜
JP2014053555A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Sony Corp 半導体装置の製造方法、半導体装置および電子機器
JP6210530B2 (ja) * 2013-06-04 2017-10-11 国立研究開発法人物質・材料研究機構 デュアルゲート有機薄膜トランジスタ
JP6140626B2 (ja) * 2014-03-03 2017-05-31 富士フイルム株式会社 有機薄膜トランジスタ及びその製造方法
KR102364609B1 (ko) * 2014-08-28 2022-02-18 주식회사 클랩 소분자 반전도성 화합물 및 비-전도성 중합체를 포함하는 박막 반도체
WO2016031968A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 国立大学法人東京大学 半導体膜の製造方法、半導体膜及び電界効果トランジスタ
KR101943232B1 (ko) * 2014-09-25 2019-01-28 후지필름 가부시키가이샤 유기 전계 효과 트랜지스터, 유기 반도체 결정의 제조 방법, 및 유기 반도체 소자
JP6328535B2 (ja) * 2014-10-30 2018-05-23 富士フイルム株式会社 有機半導体膜形成用組成物、有機半導体膜、及び、有機半導体素子
EP3240056B1 (en) * 2015-03-11 2020-04-22 FUJIFILM Corporation Organic semiconductor liquid composition and method of producing organic semiconductor element using said composition
CN107431125B (zh) * 2015-03-16 2020-01-07 富士胶片株式会社 有机半导体元件及其制造方法、化合物、有机半导体组合物和有机半导体膜及其制造方法
EP3346504B1 (en) * 2015-09-02 2023-07-26 FUJIFILM Corporation Organic thin-film transistor manufacturing method, organic semiconductor composition, organic semiconductor film, and organic semiconductor film manufacturing method
JP6427473B2 (ja) * 2015-09-08 2018-11-21 富士フイルム株式会社 有機半導体膜形成用組成物、有機半導体膜およびその製造方法、並びに有機半導体素子
JP6733157B2 (ja) * 2015-11-27 2020-07-29 東ソー株式会社 有機半導体層形成用溶液、有機半導体層、および有機薄膜トランジスタ
CN113540351A (zh) * 2020-04-21 2021-10-22 丰田自动车株式会社 场效应晶体管、气体传感器及其制造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4306176B2 (ja) * 2002-04-01 2009-07-29 シャープ株式会社 ヘテロ接合素子
JP2005243822A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Seiko Epson Corp 薄膜トランジスタの製造方法、薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタ回路、電子デバイスおよび電子機器
KR100560796B1 (ko) * 2004-06-24 2006-03-13 삼성에스디아이 주식회사 유기 박막트랜지스터 및 그의 제조방법
JP4167287B2 (ja) * 2004-08-20 2008-10-15 松下電器産業株式会社 電界効果トランジスタの製造方法
US7964440B2 (en) * 2004-12-20 2011-06-21 Palo Alto Research Center Incorporated Phase-separated composite films and methods of preparing the same
US7671448B2 (en) * 2005-03-24 2010-03-02 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device including two organic semiconductor layers
US7352503B2 (en) * 2005-06-24 2008-04-01 Xerox Corporation Two-particle electrophoretic ink for microencapsulated flexible electronic display
JPWO2007026608A1 (ja) * 2005-08-31 2009-03-05 独立行政法人理化学研究所 有機薄膜トランジスタおよび有機薄膜トランジスタにおけるゲート絶縁層の表面改質方法
US7347953B2 (en) * 2006-02-02 2008-03-25 International Business Machines Corporation Methods for forming improved self-assembled patterns of block copolymers

Also Published As

Publication number Publication date
EP2226836B1 (en) 2014-05-14
EP2226836A4 (en) 2013-02-20
CN101903993B (zh) 2012-11-21
JP2009177136A (ja) 2009-08-06
TW200947779A (en) 2009-11-16
US8415196B2 (en) 2013-04-09
TWI381568B (zh) 2013-01-01
US20100233846A1 (en) 2010-09-16
KR20100106401A (ko) 2010-10-01
WO2009084584A1 (ja) 2009-07-09
EP2226836A1 (en) 2010-09-08
CN101903993A (zh) 2010-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5636626B2 (ja) 半導体薄膜の形成方法および薄膜半導体装置の製造方法
JP5453771B2 (ja) 薄膜半導体装置、表示装置、および電子機器
US7126153B2 (en) Organic transistor
JP4550030B2 (ja) 有機薄膜トランジスタ及びそれを含む平板ディスプレイ装置
US8963141B2 (en) Thin-film transistor, fabrication method thereof, and image display device
US9246008B2 (en) Thin-film device, method of manufacturing the same, and method of manufacturing image display apparatus
JP2008034760A (ja) 電子素子、電流制御ユニット、電流制御装置、演算装置及び表示装置
JP2010087440A (ja) 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法、および電子機器
JP4723675B2 (ja) 半導体装置とその製造方法および画像表示装置
TW200830595A (en) Organic thin film transistor, organic composite electronic element, method for manufacturing such transistor and element, and display device and memory
JP2012049556A (ja) 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法、および電子機器
JP2012033617A (ja) 有機トランジスタ素子用テンプレートおよびその製造方法、並びに有機トランジスタ素子およびその製造方法
JPWO2005006449A1 (ja) 有機薄膜トランジスタとその製造方法、及びそれを用いたアクティブマトリクス型のディスプレイと無線識別タグ
JP5630364B2 (ja) 有機半導体素子の製造方法および有機半導体素子
JP5532655B2 (ja) 有機薄膜トランジスタ、その製造方法及び画像表示装置
WO2015004847A1 (en) Electronic device and manufacturing method therefor and image display apparatus and substrate for constituting image display apparatus
JP5310567B2 (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP2020088096A (ja) 薄膜トランジスタ及び画像表示装置
JP2008270240A (ja) 半導体装置
US20150060802A1 (en) Electronic device, manufacturing method thereof, and image display device
JP2008186845A (ja) 論理素子
JP2013197229A (ja) 積層構造体及びその形成方法、並びに、電子デバイス及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110714

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111206

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20120313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140616

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141007

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees