JP2012049556A - 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法、および電子機器 - Google Patents

薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】基板やゲート絶縁膜の露出表面と、ソース電極およびドレイン電極の露出表面とに、良好で均一な膜質の半導体薄膜を設けることが可能な薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】薄膜トランジスタ1aは、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなるゲート絶縁膜(絶縁層)15上に、導電性酸化物材料からなる酸化物材料層17-aとこの上部の金属材料層17-bとからなるソース電極およびドレイン電極が設けられたものである。そしてゲート絶縁膜(絶縁層)15とソース電極17sおよびドレイン電極17dとにおける酸化物材料層17-aとの露出面が、自己組織化膜19で覆われており、この自己組織化膜19で覆われた上部のソース電極17s−ドレイン電極17d間にわたって半導体薄膜21が設けられている。
【選択図】図1

Description

本開示は、薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法、および電子機器に関し、特にはソース電極とドレイン電極との上層に半導体薄膜を設けてなるボトムコンタクト型の薄膜トランジスタとその製造方法、さらにはこの薄膜トランジスタを備えた電子機器に関する。
近年、活性層として有機半導体薄膜を用いた薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)、いわゆる有機薄膜トランジスタ(以下、有機TFTと記す)が注目されている。有機TFTは、活性層となる有機半導薄膜を塗布成膜によって低温で形成することが可能であるため、低コスト化に有利である。また、プラスチック等の耐熱性のないフレキシブルな基板上への形成も可能であり、薄型表示装置の駆動素子としても注目されている
このような有機TFTにおいては、活性層となる有機半導体薄膜の膜質が、下地表面の性質に大きく依存することが知られている。そのため、有機TFTの製造においては、デバイス特性の向上を図るために、下地自体の材質を工夫したり、有機半導体薄膜の形成前に下地表面を改質することにより良質な有機半導体薄膜を形成する試みが行われている。
例えば、有機半導体薄膜の下地となる基板やゲート絶縁膜は、無機化合物から有機高分子化合物に至るまでの幅広い材料の中から適する材料を選択して用いることにより、これらの上部においての有機半導体薄膜の成長を良好にしている。これに対して、ソース電極およびドレイン電極は、導電性などの観点から材料選択が限られている。このため、例えばチオール分子などによりソース電極およびドレイン電極を表面処理することで、これらの電極上においての有機半導体薄膜の成長を良好にしている。
またこの他にも、酸化シリコン(SiO2)からなるゲート絶縁膜上に、金(Au)からなるソース電極およびドレイン電極を形成した後、オクタデシルトリクロロシラン(Octadecyltrichlorosilane:OTS)のエタノール溶液を用いた処理を行う。これにより、SiO2上にOTSの単分子膜を自己組織化的に形成し、有機半導体薄膜の下地となるゲート絶縁膜表面を改質することが開示されている(下記非特許文献1参照)。
さらに、有機半導体薄膜の下地となるゲート絶縁膜の表面に、有機半導体薄膜の下地改質のための自己組織化単分子層を設ける際、この自己組織化単分子層を、ゲート絶縁膜と自己組織化単分子層の前駆体との反応性生物として形成する方法が開示されている(例えば下記特許文献1参照)。
特表2005−503026号公報
「IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS」、1997年、VOL.18、NO.12、p.606-608
ところで、ボトムコンタクト型の有機TFTの製造においては、基板とソース電極およびドレイン電極とが混在する表面上、またはゲート絶縁膜とソース電極およびドレイン電極とが混在する表面上に有機半導体薄膜を形成する必要がある。
しかしながら、上述したように基板やゲート絶縁膜の材料を適宜選択し、この上部に形成したソース電極およびドレイン電極をチオール分子で表面処理する方法では、表面処理プロセスにおいて基板やゲート絶縁膜にダメージが加わる。これにより、材料選択された基板やゲート絶縁膜上においての良好な有機半導体薄膜の成長が阻害され、デバイス特性の劣化を招く要因となる。
またゲート絶縁膜の表面にOTS等の自己組織化層を形成する方法では、例えば金(Au)のような導電性の良好な材料からなるソース電極およびドレイン電極の表面には、自己組織化層が形成され難い。このため、ソース電極およびドレイン電極の表面状態と、基板やゲート絶縁膜の表面状態とを完全に同じにすることはできず、ソース電極およびドレイン電極上において、基板やゲート絶縁膜上と同様の有機半導体薄膜の成長を行うことは困難であった。これは、有機TFTにおけるコンタクト抵抗の増加によるデバイス特性の劣化を招く要因となる。
そこで本開示は、基板やゲート絶縁膜の露出表面と、ソース電極およびドレイン電極の露出表面とに、良好で均一な膜質の半導体薄膜を設けることが可能で、これによりソース電極およびドレイン電極との間のコンタクト抵抗の低減などの特性の向上が図られた薄膜トランジスタを提供すること、さらにはこのような薄膜トランジスタの製造方法およびこの薄膜トランジスタを用いた電子機器を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本開示の薄膜トランジスタは、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる絶縁層上に、導電性酸化物材料を用いて構成されたソース電極およびドレイン電極が設けられたものである。そして特に、これらの絶縁層とソース電極およびドレイン電極との露出面が自己組織化膜で覆われており、この自己組織化膜で覆われた絶縁層上にソース電極−ドレイン電極間にわたって半導体薄膜が設けられている。また、自己組織化膜が、絶縁層の露出表面と、自己組織化膜の厚さより厚いソース電極およびドレイン電極の互いに対向する側壁部分の露出表面とを覆うように設けられている。
また本開示の薄膜トランジスタの製造方法は、次の工程を順次行なう。先ず第1工程では、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる絶縁層上に導電性酸化物材料を用いてソース電極およびドレイン電極を形成する。次に第2工程では、絶縁層とソース電極およびドレイン電極との露出表面に、表面処理によって自己組織化膜を形成する。その後第3工程では、自己組織化膜が設けられた絶縁層上に、ソース電極−ドレイン電極間にわたって半導体薄膜を形成する。特に、第2工程では、絶縁層の露出表面と、自己組織化膜の厚さより厚いソース電極およびドレイン電極の互いに対向する側壁部分の露出表面とに自己組織化膜を形成する。
また本開示の電子機器は、以上のような構成の薄膜トランジスタを有する電子機器である。
以上の構成では、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる絶縁層の露出表面と、ソース電極およびドレイン電極を構成する導電性酸化物材料の露出表面とに、同一の自己組織化膜を形成することができる。これにより、ソース電極−ドレイン電極間にわたって設けられる半導体薄膜の下地が、同一の自己組織化膜によって均質に改質される。
以上説明したように本開示によれば、ソース電極−ドレイン電極間にわたって設けられる半導体薄膜の下地を、同一の自己組織化膜によって均質に改質することが可能になる。これにより、基板やゲート絶縁膜の露出表面と、ソース電極およびドレイン電極の露出表面とに、良好で均一な膜質の半導体薄膜を設けることが可能になり、半導体薄膜を用いた薄膜トランジスタにおいてのソース電極およびドレイン電極との間のコンタクト抵抗の低減や特性の向上を図ることが可能になる。またこれと共に、このような薄膜トランジスタを用いて構成された電子機器においての特性の向上を図ることが可能になる。
第1実施形態の薄膜トランジスタの断面図および平面図である。 第1実施形態の薄膜トランジスタの製造方法を示す断面工程図である。 第2実施形態の薄膜トランジスタの断面図および平面図である。 第2実施形態の薄膜トランジスタの製造方法を示す断面工程図である。 実施形態の電子機器として表示装置の一例を示す断面図である。 図5の表示装置の回路構成図である。
以下、本開示による技術を適用した各実施の形態を、図面に基づいて説明する。尚、各実施形態においては、薄膜トランジスタの構成、薄膜トランジスタの製造方法の順に説明し、その後、この薄膜トランジスタを用いた電子機器としての表示装置の実施形態を説明する。
≪第1実施形態の薄膜トランジスタの構成≫
図1は第1実施形態の薄膜トランジスタの断面図である。この図に示す薄膜トランジスタ1aは、ボトムゲート・ボトムコンタクト型の薄膜トランジスタとして構成されており、基板11側から順に、ゲート電極13、ゲート絶縁膜15、ソース電極17sおよびレイン電極17d、自己組織化膜19、および半導体薄膜21を備えている。
このうち特にソース電極17sおよびドレイン電極17dが、導電性酸化物材料を用いて構成されている点、およびゲート絶縁膜15とソース電極17sおよびドレイン電極17dとの露出面を覆う状態で自己組織化膜19が設けられている点が特徴的である。以下、薄膜トランジスタ1aの構成を、基板11側から順に説明する。
基板11は、少なくとも表面側が絶縁性材料で構成されていれば良く、例えばガラス基板からなる。基板11の材料は、この他にもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、液晶ポリマーなどのプラスチックシートが用いられる。さらに基板11には、ステンレス、アルミニウム、銅などの金属シートの表面を絶縁処理して用いても良い。
この基板11上に設けられたゲート電極13は、例えばアルミニウム(Al)からなる。またこのゲート電極13は、この他にもタングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、金(Au)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等のスパッタリング法、蒸着法、あるいはめっき法によって成膜された金属材料膜をパターニングしてなるもであって良い。またゲート電極13は、金(Au)微粒子や銀(Ag)微粒子等を含有するインクペーストを用いたインクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等の印刷技術によってパターン形成されたものであっても良い。
ゲート絶縁膜15は、次に説明する自己組織化膜の下地となる絶縁層として構成され、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる。このゲート絶縁膜15は、例えばポリビニルフェノールのような塗布性膜が可能な材料からなることが好ましい。
このようなゲート絶縁膜(絶縁層)15は、ポリビニルフェノールの他、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニールアルコール、ポリパラキシリレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド, ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロキサン、ポリメタクリルアミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ニトリルゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ノボラック樹脂などの有機材料が用いられる。また有機材料は、サイトップ(登録商標)のようなフッ素樹脂であっても良い。
またゲート絶縁膜(絶縁層)15は、上述した有機材料以外にも、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素などのシリコン系材料、さらには酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、のような酸化物材料で構成されていても良い。
そしてゲート絶縁膜(絶縁層)15上に設けられるソース電極17sおよびドレイン電極17dは、導電性酸化物材料を用いて構成されている。ここでは特に、導電性酸化物材料からなる酸化物材料層17-aと、この上部の金属材料層17-bとの積層構造としてソース電極17sおよびドレイン電極17dが構成されているところが特徴的である。
ここで導電性酸化物材料からなる酸化物材料層17-aは、例えば酸化モリブデン、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどが用いられる。
また、金属材料層17-bは、例えば金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ネオジム(Nd)、ルビジウム(Rb)、ロジウム(Rh)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、銅(Cu)、インジウム(In)、錫(Sn)やそれらの合金が用いられる。
自己組織化膜19は、ゲート絶縁膜15の露出表面と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dを構成する酸化物材料層17-aの露出表面とを覆う状態で設けられている。ここで、ソース電極17sおよびドレイン電極17dの酸化物材料層17-aは、ゲート絶縁膜15の直上に設けられている。このため、ゲート絶縁膜15の露出表面と酸化物材料層17aの露出表面とを覆う自己組織化膜19は、連続的に設けられた同一の膜となる。
ここで自己組織化膜19は、以降の製造方法で説明するように、表面処理を行うことにより特定材料の表面上に自己組織的に分子が配列して配列形成された膜である。特に、ここでは、ソース電極17sおよびドレイン電極17dを構成する酸化物材料層17-aの露出表面と、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなるゲート絶縁膜15の露出表面とに、同一の表面処理によって連続した自己組織化膜19が形成される。このような自己組織化膜19は、例えばシラン化合物からなるシランカップリング剤かなる。
シランカップリング剤の具体例としては、オクタデシルトリクロロシランが例示されるが、この他にも分子の一端に加水分解でシラノール基(Si-OH)を与えるエトキシ(又はメトキシ)基を有する化合物をシランカップリング剤として用いることができる。
そして半導体薄膜21は、ソース電極17sおよびドレイン電極17d間にわたって設けられる。この半導体薄膜21は、対向配置されたソース電極17s、ドレイン電極17d、およびこれらの電極17s−17d間のゲート絶縁膜15に対して自己組織化膜19を介して密着成膜されている。尚、ソース電極17sおよびドレイン電極17dの金属材料層17-bの露出表面に対しては、半導体薄膜21が直接成膜されていて良い。
このような半導体薄膜21は、例えばペンタセン、ナフタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、ルブレン、ポリチオフェン、ポリアセン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポルフィリン、カーボンナノチューブ、フラーレン、金属フタロシアニンやそれらの誘導体といった有機半導体材料からなる。
また半導体薄膜21は、やInGaZnO4,ZnOといった酸化物半導体を用いてもよい。
≪第1実施形態の薄膜トランジスタの製造方法≫
図2は、以上のような構成の薄膜トランジスタの製造手順の一例を示す断面工程図である。次にこれらの断面工程図に基づいて第1実施形態の薄膜トランジスタ1aの製造方法を説明する。
先ず、図2(1)に示すように、基板11上にゲート電極13をパターン形成する。ここでは、ガラス基板11上に例えばアルミニウム膜を成膜した後、レジストパターンをマスクにしたウェットエッチングによりアルミニウム膜をパターニングすることにより、アルミニウムからなるゲート電極13をパターン形成する。
次に、図2(2)に示すように、ゲート電極13が形成された基板11上に、ゲート絶縁膜15を成膜する。ここでは例えば、ゲート電極13が形成された基板11上に、ポリビニルフェノール溶液をスピンコートし加熱乾燥させることにより、ゲート電極13を覆う状態で有機材料からなるゲート絶縁膜(絶縁層)15を形成する。尚、ゲート絶縁膜13の成膜は、ゲート絶縁膜として用いる材質によって適宜選択された成膜方法によって行うこととする。
その後、図2(3)に示すように、ゲート絶縁膜15上に、酸化物材料層17-aと金属材料層17-bとの積層構造からなるソース電極17sとドレイン電極17dとを形成する。ここでは例えば、リフトオフ法を適用したソース電極17sおよびドレイン電極17dの形成を行う。この際先ず、ゲート絶縁膜15上にレジストパターンを形成し、その上部から酸化モリブデン膜およびAu膜をこの順に成膜し、次いでレジストパターンを除去する。これにより、レジストパターン上の酸化モリブデン膜およびAu膜をリフトオフ除去し、ゲート絶縁膜15上に残った酸化モリブデン膜からなる酸化物材料層17-aおよびAu膜からなる金属材料層17-bとの積層部を、ソース電極17sとドレイン電極17dとして形成する。
次いで、図2(4)に示すように、ゲート絶縁膜15と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dにおける酸化物材料層17-aとの露出表面に、自己組織化膜19を成膜する。ここでは、ソース電極17sおよびドレイン電極17dが形成された基板11を、例えばシランカップリング剤であるオクタデシルトリクロロシラン溶液に浸漬させる表面処理を行う。これにより、有機材料からなるゲート絶縁膜(絶縁層)15の露出表面と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dにおける酸化物材料層17-aの露出表面とに、シランカップリング剤からなる自己組織化膜19が連続的に形成される。
この状態で、図2(5)に示すように、ソース電極17s−ドレイン電極17d間に渡って半導体薄膜21を形成する。ここでは、例えば抵抗加熱法によってペンタセンからなる半導体薄膜21を蒸着成膜する。尚、半導体薄膜21の成膜方法は、用いる材料によって塗布法や印刷法等の適する成膜方法が選択される。
以上により、図1を用いて説明した構成のボトムゲート・ボトムコンタクト型の薄膜トランジスタ1aが得られる。
以上の第1実施形態では、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなるゲート絶縁膜15上に、下層部分を導電性酸化物材料からなる酸化物材料層17-aとしたソース電極17sおよびドレイン電極17dを設けた。このため、ゲート絶縁膜15の露出表面と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dにおける下層部分の側壁露出面とに、同一の自己組織化膜19を設けることが可能である。これにより、ソース電極17s−ドレイン電極17d間にわたって設けられる半導体薄膜21の下地を同一の自己組織化膜19によって均質に改質することができ、この上部に形成される半導体薄膜21を良好で均一な膜質とすることが可能になる。
この結果、半導体薄膜21を用いた薄膜トランジスタ1aにおいて、半導体薄膜21と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dとの間のコンタクト抵抗の低減が図られるなど、トランジスタ特性の特性の向上を図ることが可能になる。
また、ソース電極17sおよびドレイン電極17dは、上述した酸化物材料層17-aの上部に金属材料層17-bを設けた積層構造である。このため、導電性も十分に確保された構成となっている。尚、図2(4)を用いて説明した表面処理による自己組織化膜19の形成においては、この金属材料層17-bの露出表面には自己組織化膜19は形成され難い。しかしながら、自己組織化膜19は、ゲート絶縁膜15とこの直上の酸化物材料層17-aの側壁に形成されていれば、ゲート絶縁膜15と接する側には自己組織化膜19を介して良質な半導体薄膜21を成長させることが可能なのである。
≪第2実施形態の薄膜トランジスタの構成≫
図3は第2実施形態の薄膜トランジスタの断面図である。以下、図1を用いて説明した第1実施形態の薄膜トランジスタと同一の構成要素には同一の符号を付して、第2実施形態の薄膜トランジスタ1bの構成を説明する。
この図に示す薄膜トランジスタ1bは、トップゲート・ボトムコンタクト型の薄膜トランジスタとして構成されており、基板11’側から順に、ソース電極17sおよびレイン電極17d、自己組織化膜19、半導体薄膜21、ゲート絶縁膜15’、およびゲート電極13を備えている。
このうち特にソース電極17sおよびドレイン電極17dが、導電性酸化物材料を用いて構成されている点、および基板11’とソース電極17sおよびドレイン電極17dとの露出面を覆う状態で自己組織化膜19が設けられている点が特徴的である。以下、薄膜トランジスタ1bの構成を、基板11’側から順に説明する。
基板11’は、次に説明する自己組織化膜の下地となる絶縁層として構成され、少なくとも表面側が、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる。
このような基板(絶縁層)11’は、ガラス基板、石英基板、さらにはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、液晶ポリマーなどのプラスチックシートからなる単一構造であっても良い。また、基板11’は、ステンレス、アルミニウム、銅などの金属シートの表面を絶縁処理することにより、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる絶縁層として用いても良い。
そして絶縁層として基板11’上に設けられるソース電極17sおよびドレイン電極17dは、導電性酸化物材料を用いて構成されている。ここでは特に、第1実施形態とは逆に、金属材料層17-bと、この上部の電性酸化物材料からなる酸化物材料層17-aとの積層構造としてソース電極17sおよびドレイン電極17dが構成されているところが特徴的である。
ここで酸化物材料層17-aは、第1実施形態と同様であって、例えば酸化モリブデン、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどが用いられる。
また、金属材料層17-bは、第1実施形態と同様であって、例えば金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ネオジム(Nd)、ルビジウム(Rb)、ロジウム(Rh)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、銅(Cu)、インジウム(In)、錫(Sn)やそれらの合金が用いられる。
自己組織化膜19は、基板11’の露出表面と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dを構成する酸化物材料層17-aの露出表面とを覆う状態で設けられている。ここで、ソース電極17sおよびドレイン電極17dの酸化物材料層17-aは、基板11’上に金属材料層17-bを介して設けられている。このため、基板11’の露出表面と酸化物材料層17-aの露出表面とを覆う自己組織化膜19は、同一材料からなるが金属材料層17-bの側壁部分で分断された状態となる。またソース電極17sおよびドレイン電極17dの上部が酸化物材料層17-aで構成されるため、ソース電極17sおよびドレイン電極17dの上面も自己組織化膜19で覆われた状態となる。
ここで自己組織化膜19は、第1実施形態と同様であり、表面処理を行うことにより特定材料の表面上に自己組織的に分子が配列して配列形成された膜である。特にここでは、ソース電極17sおよびドレイン電極17dを構成する酸化物材料層17-aの露出表面と、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる基板11’の露出表面とには、同一の表面処理によって同一の自己組織化膜19が形成される。このような自己組織化膜19は、例えばシラン化合物からなるシランカップリング剤かなる。
シランカップリング剤の具体例としては、第1実施形態と同様に、オクタデシルトリクロロシランが例示されるが、この他にも分子の一端に加水分解でシラノール基(Si-OH)を与えるエトキシ(又はメトキシ)基を有する化合物をシランカップリング剤として用いることができる。
そして半導体薄膜21は、ソース電極17sおよびドレイン電極17d間にわたって設けられる。この半導体薄膜21は、対向配置されたソース電極17s、ドレイン電極17d、およびこれらの電極17s−17d間の基板11’に対して自己組織化膜19を介して密着成膜されている。尚、ソース電極17sおよびドレイン電極17dの金属材料層17-bの露出表面に対しては、半導体薄膜21が直接成膜されていて良い。
このような半導体薄膜21は、第1実施形態と同様であって、例えばペンタセン、ナフタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、ルブレン、ポリチオフェン、ポリアセン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポルフィリン、カーボンナノチューブ、フラーレン、金属フタロシアニンやそれらの誘導体といった有機半導体材料からなる。また半導体薄膜は、やInGaZnO4,ZnOといった酸化物半導体を用いてもよい。
ゲート絶縁膜15’は、ゲート絶縁膜として適する材料を選択して用いれば良く、例えばポリパラキシリレンなどが用いられる。このようなゲート絶縁膜15’は、ポリパラキシレンの他、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニールアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロキサン、ポリメタクリルアミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ニトリルゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ノボラック樹脂、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、サイトップ(登録商法)などを用いても良い。
このゲート絶縁膜15’上に設けられたゲート電極13は、例えば金(Au)からなる。尚このゲート電極13は、第1実施形態と同様の材料が用いられ、金(Au)の他にも、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等のスパッタリング法、蒸着法、あるいはめっき法によって成膜された金属材料膜をパターニングしてなるもであって良い。またゲート電極13は、金(Au)微粒子や銀(Ag)微粒子等を含有するインクペーストを用いたインクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等の印刷技術によってパターン形成されたものであっても良い。
≪第2実施形態の薄膜トランジスタの製造方法≫
図4は、以上のような構成の薄膜トランジスタの製造手順の一例を示す断面工程図である。次にこれらの断面工程図に基づいて第2実施形態の薄膜トランジスタ1bの製造方法を説明する。
先ず、図4(1)に示すように、基板11’上に、金属材料層17-bと酸化物材料層17-aとの積層構造からなるソース電極17sとドレイン電極17dとを形成する。ここでは例えば、リフトオフ法を適用してソース電極17sおよびドレイン電極17dの形成を行う。この際先ず、ガラス基板11’上にレジストパターンを形成し、その上部からAu膜および酸化モリブデン膜をこの順に成膜し、次いでレジストパターンを除去する。これにより、レジストパターン上のAu膜および酸化モリブデン膜をリフトオフ除去し、ゲート絶縁膜15上に残ったAu膜からなる金属材料層17-bおよび酸化モリブデン膜からなる酸化物材料層17-aとの積層部を、ソース電極17sとドレイン電極17dとして形成する。
次に、図4(2)に示すように、基板11’と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dにおける酸化物材料層17-aとの露出表面に、自己組織化膜19を成膜する。ここでは、ソース電極17sおよびドレイン電極17dが形成された基板11’を、シランカップリング剤であるオクタデシルトリクロロシラン溶液に浸漬させる表面処理を行う。これにより、シリコンを含有するガラス材料からなる基板11’の露出表面と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dにおける酸化物材料層17-aの露出表面とに、シランカップリング剤からなる自己組織化膜19が形成される。
尚、自己組織化膜19を形成するための表面処理には、オクタデシルトリクロロシランの他に、分子の一端に加水分解でシラノール基(Si-OH)を与えるエトキシ(又はメトキシ)基を有する化合物(いわゆるシランカップリング剤)を用いることができる。
先ず、図4(3)に示すように、ソース電極17s−ドレイン電極17d間に渡って半導体薄膜21を形成する。ここでは、例えば抵抗加熱法によってペンタセンからなる半導体薄膜21を蒸着成膜する。尚、半導体薄膜21の成膜方法は、用いる材料によって塗布法や印刷法等の適する成膜方法が選択される。
先ず、図4(4)に示すように、半導体薄膜21上に、ゲート絶縁膜15’を成膜する。ここでは例えば、半導体薄膜21上に、ポリパラキシリレンからなるゲート絶縁膜15’をCVDで成膜する。
先ず、図4(5)に示すように、ゲート絶縁膜15’上にゲート電極13をパターン形成する。ここでは、ポリパラキシリレンからなるゲート絶縁膜15’上に、例えば金(Au)膜を成膜した後、レジストパターンをマスクにしたウェットエッチングにより金(Au)膜をパターニングすることにより、金(Au)からなるゲート電極13をパターン形成する。
以上により、図3を用いて説明した構成のトップゲート・ボトムコンタクト型の薄膜トランジスタ1bが得られる。
以上の第2実施形態では、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる基板11’上に、上層部分を導電性酸化物材料からなる酸化物材料層17-aとしたソース電極17sおよびドレイン電極17dを設けた。このため、基板11’の露出表面と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dにおける上面と上層部分の側壁露出面とに、同一の自己組織化膜19を設けることができる。これにより、ソース電極17s−ドレイン電極17d間にわたって設けられる半導体薄膜21の下地を同一の自己組織化膜19によって均質に改質することができ、この上部に形成される半導体薄膜21を良好で均一な膜質とすることが可能になる。
この結果、半導体薄膜21を用いた薄膜トランジスタ1bにおいて、半導体薄膜21と、ソース電極17sおよびドレイン電極17dとの間のコンタクト抵抗の低減が図られるなど、トランジスタ特性の特性の向上を図ることが可能になる。
また、ソース電極17sおよびドレイン電極17dは、上述した酸化物材料層17-aの下部に金属材料層17-b上を設けた積層構造である。このため、導電性も十分に確保された構成となっている。尚、図4(2)を用いて説明した表面処理による自己組織化膜19の形成においては、この金属材料層17-bの露出表面に自己組織化膜19は形成され難い。しかしながら、自己組織化膜19は、ゲート絶縁膜15’に対向する位置に形成されていれば、ゲート絶縁膜15’と接する側には自己組織化膜19を介して良質な半導体薄膜21を成長させることが可能なのでありゲート絶縁膜15’との境界部分における半導体薄膜21の膜質を良好に成長させることが可能である。
≪電子機器≫
図5には、図1で示した第1実施形態のボトムゲート・ボトムコンタクト構造の薄膜トランジスタ1aを備えた本開示の電子機器の一例として、有機電界発光素子ELを用いたアクティブマトリックス型の表示装置の1画素分の断面図を示す。
この図に示す表示装置5は、有機電界発光素子ELを設けた表示装置であり、次のように構成されている。
すなわち、薄膜トランジスタ1aは、例えばここでの図示を省略した保護膜を介して層間絶縁膜51で覆われる。この層間絶縁膜51は、平坦化膜として構成されることが好ましい。またこの層間絶縁膜51には、薄膜トランジスタ1aのドレイン電極17dに達する接続孔51aが設けられている。
そして、層間絶縁膜51上の各画素に、接続孔51aを介して薄膜トランジスタ1aに接続された有機電界発光素子ELが設けられている。この有機電界発光素子ELは、層間絶縁膜51上に設けられた絶縁性パターン53で素子分離されている。
この有機電界発光素子ELは、層間絶縁膜51上に設けられた画素電極55を備えている。この画素電極55は、各画素毎に導電性パターンとして形成され、層間絶縁膜51に設けられた接続孔51aを介して薄膜トランジスタ1aのドレイン電極17dにおける金属材料層17-bに接続されている。このような画素電極55は、例えば陽極として用いられるものであり、光反射性を有して構成されていることとする。
そして、この画素電極55の周縁が、有機電界発光素子ELを素子分離するための絶縁性パターン53で覆われている。この絶縁性パターン53は、画素電極55を広く露出させる開口窓53aを備えており、この開口窓53aが有機電界発光素子ELの画素開口となる。このような絶縁性パターン53は、例えば感光性樹脂を用いて構成され、リソグラフィー法を適用してパターニングされたものであることとする。
そして、このような絶縁性パターン53から露出する画素電極55上を覆う状態で、有機層57が設けられている。この有機層57は、少なくとも有機発光層を備えた積層構造からなり、必要に応じて陽極(ここでは画素電極55)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層、さらには他の層を積層してなる。また有機層57は、例えば各有機電界発光素子ELで発生させる発光光の波長毎に、少なくとも有機発光層を含む層が画素毎に異なる構成でパターン形成されていることとする。また、各波長の画素で共通の層を有していても良い。さらに、この有機電界発光素子ELが、微小共振器構造として構成されている場合、各有機電界発光素子ELから取り出す波長に合わせて有機層57の膜厚が調整されていることとする。
以上のような有機層57を覆い、画素電極55との間に有機層57を狭持する状態で、共通電極59が設けられている。この共通電極59は、有機電界発光素子ELの有機発光層で発生させた光hを取り出す側の電極であり、光透過性を有する材料で構成されていることとする。またここでは、画素電極55が陽極として機能するものであるため、この共通電極59は、少なくとも有機層57に接する側が陰極として機能する材料を用いて構成されていることとする。さらに、この有機電界発光素子ELが、微小共振器構造として構成されている場合、この共通電極59は、半透過半反射性を有する構成であることとする。
そして、以上のような画素電極55と共通電極59との間に有機層57が挟持された各画素部分が、有機電界発光素子ELとして機能する部分となる。
またここでの図示は省略したが、各有機電界発光素子ELの形成面側は、光透過性材料からなる封止樹脂で覆われ、さらにこの封止樹脂を介して光透過性材料からなる対向基板が張り合わされた状態で表示装置5が構成されている。
ここで、この表示装置5は、基板11表面側の各画素に、上述した構成の薄膜トランジスタ1aとこれに接続された有機電界発光素子ELとが配列されたものであり、全体の回路構成は、例えば図6の回路構成図に示すように構成されている。
この図に示すように、表示装置5の基板11上には、表示領域11aとその周辺領域11bとが設定されている。表示領域11aには、複数の走査線61と複数の信号線63とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素aが設けられた画素アレイ部として構成されている。また周辺領域11bには、走査線61を走査駆動する走査線駆動回路65と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線63に供給する信号線駆動回路67とが配置されている。
走査線61と信号線63との各交差部に設けられる画素回路は、例えばスイッチング用の薄膜トランジスタTr1、駆動用の薄膜トランジスタTr2、保持容量Cs、および有機電界発光素子ELで構成されている。このうち、薄膜トランジスタTr1,Tr2として、第1実施形態で説明した構成の薄膜トランジス1aが適用される。
そして、走査線駆動回路65による駆動により、スイッチング用の薄膜トランジスタTr1を介して信号線63から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が駆動用の薄膜トランジスタTr2から有機電界発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子ELが発光する。尚、駆動用の薄膜トランジスタTr2と保持容量Csとは、共通の電源供給線(Vcc)69に接続されている。
先に説明した図5の断面図は、以上のような画素回路において、薄膜トランジスタTr2と有機電界発光素子ELとが積層された部分の断面を示している。そして、画素回路に示した薄膜トランジスタTr1は、薄膜トランジスタTr2と同一層を用いて構成されている。また画素回路に示した容量素子Csは、薄膜トランジスタTr2のゲート電極−ゲート絶縁膜−ドレイン電極の層部分を積層して構成されている。さらに、画素回路に示した走査線61はゲート電極13を延設して構成され、画素回路に示した信号線63および電源供給線69は、断面図のソース電極17sおよびドレイン電極17dと同一層を用いて同一の層構造で構成される。
尚、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成しても良い。また、周辺領域11bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
以上のような構成の表示装置5によれば、第1実施形態で説明したようにトランジスタ特性の良好な薄膜トランジスタ1aを用いて画素回路を構成しているため、表示特性の向上を図ることが可能になる。また、信号線63および電源供給線69は、金属材料層17bを用いたソース電極17sおよびドレイン電極17dと同一層を用いて同一の層構造で構成されるため、導電性も良好である。
尚、上述した実施形態においては、図1を用いて説明した第1実施形態のボトムゲート・ボトムコンタクト構造の薄膜トランジスタ1aを用いた表示装置を説明した。しかしながら、上述した表示装置には、図3を用いて説明した第2実施形態のトップゲート・ボトムコンタクト構造の薄膜トランジスタ1bを適用しても良く、同様の効果を得ることができる。さらに上述した実施形態においては、薄膜トランジスタを備えた電子機器の一例として、有機電界発光素子ELを用いたアクティブマトリックス型の表示装置を例示した。しかしながら本技術の電子機器は、薄膜トランジスタを搭載した電子機器に広く適用可能である。例えば、表示装置であれば、液晶表示装置のようなフレキシブルディスプレイに適用できる。また表示装置以外にも、IDタグ、センサー等の電子機器への適用が可能であり、同様の効果を得ることができる。
1a,1b…薄膜トランジスタ、11…基板、11’…基板(絶縁層)、13…ゲート電極、15…ゲート絶縁膜、15’…ゲート絶縁膜(絶縁層)、17-a…酸化物材料層、17-b…金属材料層、17s…ソース電極、17d…ドレイン電極、19…自己組織化膜、21…半導体薄膜。
このような目的を達成するための本開示の薄膜トランジスタは、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる絶縁層上に、導電性酸化物材料を用いて構成されたソース電極およびドレイン電極が設けられたものである。そして特に、これらの絶縁層とソース電極およびドレイン電極との露出面が自己組織化膜で覆われており、この自己組織化膜で覆われた絶縁層上にソース電極−ドレイン電極間にわたって半導体薄膜が設けられている。また、自己組織化膜が、絶縁層の露出表面に存在するとともに、ソース電極およびドレイン電極の側壁における、自己組織化膜の膜厚以上の領域に自己組織化膜が存在するように設けられている。
また本開示の薄膜トランジスタの製造方法は、次の工程を順次行なう。先ず第1工程では、有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる絶縁層上に導電性酸化物材料を用いてソース電極およびドレイン電極を形成する。次に第2工程では、絶縁層とソース電極およびドレイン電極との露出表面に、表面処理によって自己組織化膜を形成する。その後第3工程では、自己組織化膜が設けられた絶縁層上に、ソース電極−ドレイン電極間にわたって半導体薄膜を形成する。特に、第2工程では、絶縁層の露出表面に自己組織化膜が存在し、ソース電極およびドレイン電極の側壁における自己組織化膜の膜厚以上の領域に自己組織化膜が存在することとなるように、自己組織化膜を形成する。

Claims (12)

  1. 有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる絶縁層と、
    導電性酸化物材料を用いて前記絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、
    前記絶縁層と前記ソース電極およびドレイン電極との露出面を覆う自己組織化膜と、
    前記自己組織化膜が設けられた前記絶縁層上に前記ソース電極−ドレイン電極間にわたって形成された半導体薄膜と
    を備え、
    前記自己組織化膜が、前記絶縁層の露出表面と、前記自己組織化膜の厚さより厚い前記ソース電極およびドレイン電極の互いに対向する側壁部分の露出表面とを覆うように設けられている
    薄膜トランジスタ。
  2. 前記ソース電極およびドレイン電極は、前記導電性酸化物材料からなる酸化物材料層上に金属材料層を積層してなり、
    前記絶縁層は、ゲート絶縁膜を構成するものであり、
    前記自己組織化膜は、前記ゲート絶縁膜の露出表面と前記ソース電極およびドレイン電極を構成する前記酸化物材料層の側壁部分の露出表面とを連続的に覆う状態で設けられていると共に、
    前記ゲート絶縁膜下にはゲート電極が設けられている
    請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記ソース電極およびドレイン電極は、金属材料層上に前記導電性酸化物材料からなる酸化物材料層を積層してなり、
    前記自己組織化膜は、前記絶縁層の露出表面と前記ソース電極およびドレイン電極を構成する前記酸化物材料層の側壁部分の露出表面とを覆う状態で設けられていると共に、
    前記半導体薄膜上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられている
    請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記自己組織化膜は、シランカップリング剤で構成されている
    請求項1〜3のうちの1項に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記半導体薄膜は、有機半導体薄膜である
    請求項1〜4のうちの1項に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる絶縁層上に、導電性酸化物材料を用いてソース電極およびドレイン電極を形成する第1工程と、
    前記絶縁層と前記ソース電極およびドレイン電極との露出表面に、表面処理によって自己組織化膜を形成する第2工程と、
    前記自己組織化膜が設けられた前記絶縁層上に前記ソース電極−ドレイン電極間にわたって半導体薄膜を形成する第3工程とを含み、
    前記第2工程では、前記絶縁層の露出表面と、前記自己組織化膜の厚さより厚い前記ソース電極およびドレイン電極の互いに対向する側壁部分の露出表面とに前記自己組織化膜を形成する
    薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記第1工程の前に、ゲート電極を覆う状態で前記絶縁層をゲート絶縁膜として形成する工程を行い、
    前記第1工程では、前記導電性酸化物材料からなる酸化物材料層上に金属材料層を積層してなる前記ソース電極およびドレイン電極を形成し、
    前記第2程では、前記ゲート絶縁膜の露出表面と前記ソース電極およびドレイン電極を構成する前記酸化物材料層の側壁部分の露出表面とを連続的に覆う状態で前記自己組織化膜を形成す

    請求項6記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 前記第1工程では、金属材料層上に前記導電性酸化物材料からなる酸化物層を積層してなる前記ソース電極およびドレイン電極を形成し、
    前記第2工程では、前記絶縁層の露出表面と前記ソース電極およびドレイン電極を構成する前記酸化物層の側壁部分の露出表面とに前記自己組織化膜を形成し、
    前記第3工程の後に、半導体薄膜上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程を行う
    請求項6記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 前記自己組織化膜を形成する工程では、シランカップリング剤を用いた表面処理を行う
    請求項6〜8のうちの1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 前記第3工程では、前記半導体薄膜として有機半導体薄膜を形成する
    請求項6〜9のうちの1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 前記第3工程では、前記半導体薄膜を塗布法によって成膜する
    請求項6〜9のうちの1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 有機材料または酸化物材料またはシリコン系材料からなる絶縁層と、
    導電性酸化物材料を用いて前記絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と

    前記絶縁層と前記ソース電極およびドレイン電極との露出面を覆う自己組織化膜と、
    前記自己組織化膜が設けられた前記絶縁層上に前記ソース電極−ドレイン電極間にわたって形成された半導体薄膜とを備えた薄膜トランジスタを有し、
    前記自己組織化膜が、前記絶縁層の露出表面と、前記自己組織化膜の厚さより厚い前記ソース電極およびドレイン電極の互いに対向する側壁部分の露出表面とを覆うように設けられている
    電子機器。
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