JP5635858B2 - 木造建築用の接合金具及び木造建築物における柱と梁の連結構造 - Google Patents
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Description
主接合部材は柱に取り付けられ、一対の突出部の間には梁の一部や梁と主接合部材に渡設される連結部材が入り込む。また、一対の突出部は梁に形成されたスリットに入り込むので、一対の突出部の外側には梁のスリットの側面が位置することになる。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、一対の側板が開いてしまうのを防止でき、地震等に対して大きな抵抗力をもつ木造建築用の接合金具及び木造建築物における柱と梁の連結構造を提供することを、その目的とする。
柱側取付部3の詳細な構成について説明する。なお、左右方向、前後方向及び上下方向をいうときは図3、図4を基準とする。
符号5は柱当接板を示し、この柱当接板5の前後方向の両端部には2つの丸穴7がそれぞれ形成されており、2つの丸穴7は上下方向に間隔をあけて配置されている。
柱当接板5の下端面には底板11が固着されており、この底板11は柱当接板5の右方向へ突出している。底板11の右端部にはボルト挿通穴13が形成されている。
支持板15の右端部には、上下方向へ延びる一対の離間板19が一体に設けられており、一対の離間板19は支持板15を挟んで支持板15の前後に配置されている。これらの離間板19は柱当接板5から離間した状態となっている。一対の離間板19は、支持板15と同様に底板11に固着されている。従って、一対の離間板19、支持板15、底板11及び柱当接板5が一体となり、頑丈な構造となる。
また、一対の離間板19の角部19aの角度φ、すなわち、一対の被圧接面20と一対の離間板19の前側(後側)の側面とが為す角度φもそれぞれ70°となっている。
符号25は梁当接板を示し、この梁当接板25には上下方向に間隔をあけて2つの丸穴27(図6参照)が形成されている。
梁当接板25の上端面には天板31が固着されており、この天板31は梁当接板25の左方向へ突出している。天板31にはボルト挿通穴33が形成されている。
一対の側板35の左端部内側面には、上下方向へ延びる平板から成る一対の差し込み部37が固着されており、これらの差し込み部37は前後方向に互いに間隔をあけて配置されている。差し込み部37は、側板35と同様に天板31に固着されている。従って、一対の側板35、一対の差し込み部37、天板31及び梁当接板25が一体となり、頑丈な構造となる。
また、一対の圧接面38と一対の側板35の内側面とが為す角度βもそれぞれ70°となっている。従って、一対の圧接面38と一対の側板35の内側面との間には凹部39がそれぞれ形成されている。
また、一対の差し込み部37の対向面には半円状の切り欠き43がそれぞれ形成されており、これらの切り欠き43は互いに対向している。切り欠き43は梁当接板25の丸穴27に対向する位置に配置されている。
梁当接板25の右側面の下端部にはナット42が固定されている。
この柱側取付部3が柱Sに取り付けられた状態について説明する。
ボルト用カップ40は柱Sに形成された図示しない丸穴に挿入されている。また、柱当接板5は柱Sに形成された図示しない凹部に嵌め込まれており、柱当接板5の右側面と柱Sの図示しない凹部が形成されていない部分の右側面は同一面となっている。
この梁側取付部23が梁Rに取り付けられた状態について説明する。
ボルト用カップ40は梁Rに形成された図示しない丸穴に挿入されており、梁側取付部23は梁Rの端部に形成された図示しない溝に嵌め込まれている。天板31、側板35、差し込み部37の左側面と梁Rの図示しない溝が形成されていない部分の左側面は同一面となっている。また、天板31の上面と梁Rの図示しない溝が形成されていない部分の上面も同一面となっている。
前述したように一対の差し込み部37には切り欠き43が形成されているので、ボルト51を雌ネジ部49に取り付ける際に、一対の差し込み部37の間に通過させることができるようになっている。
梁Rをクレーン等で吊り上げて、柱Sに取り付けられた梁側取付部23の差し込み部37を、梁Rに取り付けられた柱側取付部3の連結溝21の上方に位置させる。次に、梁Rを水平姿勢のまま下降させて、図3に示すように一対の差し込み部37を一対の連結溝21に上方から嵌め入れる。このとき、差し込み部37の角部37aを凹部22に、離間板19の角部19aを凹部39にそれぞれ入れる。
上記したように差し込み部37と側板35の下端面は底板11の上面に当接し、天板31の下面は支持板15と離間板19の上端面に当接するので、差し込み部37が下方へ抜けてしまうのを防止することができる。
これにより図5に示すように柱Sと梁Rとが木造建築用の接合金具1によって接合される。
よって、一対の側板35が開く方向の力に対して十分な強度を発揮でき、地震等に対して大きな抵抗力をもつようになる。
従って、木造建築用の接合金具1を用いた木造建築物における柱と梁の連結構造では、左右方向、前後方向及び上下方向の力に対し十分な強度をもって柱Sと梁Rとを接合することができる。
実施の形態2に係る木造建築用の接合金具61は、実施の形態1に係る木造建築用の接合金具1と同様の構成部分を有するので、木造建築用の接合金具1と同様の構成部分については、同じ符号を付すことで説明を省略する。
図7において符号63は一対の離間板を示し、一対の離間板63は下方へいくにしたがって柱当接板5に近づく方向へ傾斜している。従って、柱当接板5と支持板15と一対の離間板63とによって画成された一対の連結溝65は、上方から下方へいくにしたがって幅寸法が徐々に小さくなっている。
なお、離間板63の柱当接板5側の端面は被圧接面20となっている。
この傾斜部材67の梁当接板25側の端面は圧接面38となっている。
従って、連結溝65の上端部は差し込み部69の下端部よりも幅寸法が大きくなっている。
また、地震が発生して柱Sと梁Rが揺れて一対の側板35が開こうとしても、傾斜部材67の圧接面38が連結溝65の被圧接面20に圧接するので、実施の形態1で説明したのと同様に一対の側板35が開いてしまうのを防止することができる。
上記実施の形態1、2では、角度θ、φ、α、βを70°としたが、これらの角度θ、φ、α、βは90°より小さければ、70°に限定されない。
また、連結溝21、65を、上面と前側(後側)の側面が開口するように構成したが、連結溝21、65を、上面だけが開口し、その他の面が全て閉鎖するように構成してもよい。
上記実施の形態2では、差し込み部69を傾斜部材67と側板35の一部分とによって構成したが、すなわち、差し込み部69を2つの部材によって構成したが、差し込み部69を1つの部材だけで構成してもよい。
7…丸穴 11…底板 13…ボルト挿通穴
15…支持板 17…雌ネジ穴 19…離間板
20…被圧接面 21…連結溝 22…凹部
23…梁側取付部 24…被接合面
25…梁当接板 27…丸穴
31…天板 33…ボルト挿通穴 35…側板
36…接合面 37…差し込み部
38…圧接面 39…凹部
40…ボルト用カップ 41…ボルト挿通穴 42…ナット
43…切り欠き 44、47…ラグスクリューボルト
45、49…雌ネジ部 46、51、53、55…ボルト
61…木造建築用の接合金具 63…離間板 65…連結溝
67…傾斜部材 69…差し込み部
S…柱 R…梁
Claims (5)
- 柱と梁とを接合する木造建築用の接合金具であって、
柱に当接する柱当接板と、前記柱当接板に固着され梁側へ突出する支持板と、前記支持板に設けられ前記支持板の突出する方向に対し交差する方向に突出し、且つ前記柱当接板から離間して備えられた一対の離間板とから成り、前記柱当接板と前記支持板と前記一対の離間板とによって画成され、且つ上面が開口する一対の連結溝が形成された柱側取付部材と、
梁に当接する梁当接板と、前記梁当接板に固着され柱側へ突出する一対の側板と、前記一対の側板側に設けられた一対の差し込み部とによって構成された梁側取付部材とを有し、
前記一対の差し込み部を前記一対の連結溝に上方から差し込んで、前記柱側取付部材と前記梁側取付部材とを連結する木造建築用の接合金具において、
前記一対の差し込み部は圧接面と、前記圧接面に接続された接合面とをそれぞれ有し、前記圧接面は傾斜面によって構成され、前記連結溝は被圧接面と、前記被圧接面に接続された被接合面とを有し、前記被圧接面は前記圧接面の傾斜角度と同じ傾斜角度に設定された傾斜面によって構成されており、前記差し込み部を前記連結溝に差し込んだ状態で、前記圧接面が前記被圧接面に当接し、且つ前記接合面が前記被接合面に当接し、前記圧接面と前記接合面とが為す角度は鋭角であり、前記被圧接面と前記被接合面とが為す角度は、前記圧接面と前記接合面とが為す角度と同じであり、
前記一対の側板が開こうとすると、前記圧接面が前記被圧接面に圧接することを特徴とする木造建築用の接合金具。 - 請求項1に記載した木造建築用の接合金具において、
連結溝は上方から下方へいくにしたがって幅寸法が徐々に小さくなるように形成され、差し込み部は前記連結溝の形状に対応して上方から下方へいくにしたがって幅寸法が徐々に小さくなるように形成されており、柱側取付部材と梁側取付部材とを連結した状態で、前記差し込み部が前記連結溝に嵌り込むことを特徴とする木造建築用の接合金具。 - 請求項1または2に記載した木造建築用の接合金具において、
柱当接板の下端部には梁側へ突出する底板が固着されており、支持板と離間板は前記柱当接板と前記底板の両方に固着され、梁当接板の上端部には柱側へ突出する天板が固着されており、側板と差し込み部は前記梁当接板と前記天板の両方に固着されていることを特徴とする木造建築用の接合金具。 - 請求項3に記載した木造建築用の接合金具において、
差し込み部を連結溝に差し込んだ状態で支持板と離間板の上端面は天板の下面に当接し、且つ側板と差し込み部の下端面は底板の上面に当接することを特徴とする木造建築用の接合金具。 - 請求項1から4のいずれかに記載した木造建築用の接合金具によって柱と梁が接合されていることを特徴とする木造建築物における柱と梁の連結構造。
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