JP5635320B2 - ベーカリーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食塩濃度が0.5〜10%であり、ベーカリー生地と共に焼成して用いるソースにおいて、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸するソースに関する。詳しくは、ベーカリー生地の上にソースを線状に載せて焼成しても、ベーカリー生地からずり落ちることなく、かつ線が途切れないソースに関する割った時に。
食生活の多様化に伴いパンやピザ等のベーカリー製品が広く普及している。その一つとして、醤油風味、ケチャップ風味等の塩味のソースをパン生地やピザ生地の上に塗布した後、焼成して製する調理パンやピザ等の需要が増大している。
パン等に塗布するスプレッドや焼成パン用のトッピング材が従来より提案されている。例えば、油相が50〜83重量%であり、かつ水相中に2重量%以下の食塩、生卵白として20〜60%の卵白、20〜50重量%の糖類および酢酸酸度として1〜6重量%の酸味料を含有する水中油型エマルジョン食品用組成物が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、パン生地やピザ生地のように焼成中に膨張するベーカリー生地に前記ソースを線状に載せて焼成すると、ベーカリー生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースの線が途切れてしまう場合があり外観が損なわれるという問題があった。
特開平9−271355号公報
そこで、本発明は、ベーカリー生地と共に焼成して用いる適度な塩味を感じるソースにおいて、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸するソースを提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、食塩濃度が特定濃度で、適度な塩味を感じ、ベーカリー生地と共に焼成して用いるソースにおいて、特定の粘度に調整し、脂質含有量が特定量以下であり、原料としてアルギン酸ナトリウム及びカルシウム塩を添加し、ソース全体としてナトリウムとカルシウムの濃度比を特定比率にするならば、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸するソースを完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)食塩濃度が0.5〜10%であり、粘度が30100Pa・s(品温20℃)、脂質の含有量が5%以下であって、原料としてアルギン酸ナトリウム及びカルシウム塩を添加し、ソース全体のナトリウムとカルシウムの濃度比が100:1〜1:2であるソースをベーカリー生地の上に載せ、焼成し、前記ソースが焼成後もベーカリー生地からずり落ちないことを特徴とするベーカリーの製造方法
(2)前記ソース中にアルギン酸ナトリウムを0.05〜2%含有する(1)記載のベーカリーの製造方法
(3)前記ソース中にタマリンドシードガム、カラギーナン、グアーガムから選ばれる少なくとも1種の増粘剤を含有する(1)又は(2)記載のベーカリーの製造方法
である。
本発明によれば、食塩濃度が0.5〜10%と適度な塩味を感じ、ベーカリー生地と共に焼成して用いるソースにおいて、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸するソースを提供できる。詳しくは、ベーカリー生地の上にソースを線状に載せて焼成しても、ベーカリー生地からずり落ちることなく、かつ線が途切れないソースを提供できる。このことから、ベーカリー製品の更なる用途拡大が期待できる。
以下、本発明を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明は、食塩濃度が0.5〜10%であり、ベーカリー生地と共に焼成して用いるソースにおいて、該ソースの粘度が5〜200Pa・s(品温20℃)、脂質の含有量が5%以下であって、原料としてアルギン酸ナトリウム及びカルシウム塩を添加し、ソース全体としてナトリウムとカルシウムとの濃度比が100:1〜1:2であることを特徴としており、これにより、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸するソースを提供することができる。詳しくは、ソースがしなやかに延伸することにより、ベーカリー生地からずり落ちることがなく、かつ線が途切れないソースを提供することができる。
本発明のソースは、ベーカリー生地と共に焼成して用いるソースである。ここでベーカリー生地とは、パンやピザ等のベーカリー製品を得るための焼成前の生地であって、小麦粉を主原料とし、バター等の脂質類、砂糖等の糖類、ベーキングパウダー等の膨張剤、レシチン等の乳化剤、卵、塩、イースト等の原料を常法により配合混捏し、必要に応じて発酵させた生地を言う。ベーカリー生地としては、例えば、パン生地、ピザ生地、ドーナッツ生地、パイ生地、ナン生地、ホットケーキ生地、ケーキ生地等が挙げられ、ベーカリー製品としては、前記ベーカリー生地を焼成して得られるパン、ピザ、ドーナッツ、パイ、ナン、ホットケーキ、ケーキ等が挙げられる。
また、本発明のソースは、食塩濃度が0.5〜10%の適度な塩味を感じるものである。塩味を付与する原料としては、食塩の他に、食塩が配合されている例えば、醤油、味噌、ケチャップ、ウスターソース、オイスターソース、マヨネーズ、コンソメ、ブイヨン等の調味料が挙げられる。
本発明のソースの食塩濃度は、前述のとおり0.5〜10%であり、0.5〜7.5%が好ましい。食塩濃度が前記範囲より低いと、塩味が無くソースとして物足りない味となってしまう。また、食塩濃度が前記範囲より高いと、塩味が強すぎる他、後述するアルギン酸カルシウムの生成を阻害する場合があり、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースがベーカリー生地からずり落ちてしまうため好ましくない。なお、食塩濃度は、銀滴定法を用いて、測定する。
本発明のソースは原料として前記アルギン酸ナトリウム及びカルシウム塩を添加することにより、カルシウム塩から解離したカルシウムイオンと、アルギン酸ナトリウムのカルボキシル基とがイオン結合し、アルギン酸カルシウムが生成される。これにより、ソースが増粘する。
アルギン酸とは、L−グルクロン酸及びD−マンヌロン酸の2糖がピラノース型で1,4グリコシド結合した直鎖状の多糖類である。本発明のソースに原料として用いるアルギン酸ナトリウムは、アルギン酸のカルボキシル基がナトリウムイオンとイオン結合した塩である。本発明では市販されているアルギン酸ナトリウムであれば、特に限定されず用いることができる。また、反応によって生成されるアルギン酸カルシウムは、アルギン酸のカルボキシル基がカルシウムイオンとイオン結合したものである。
本発明のソースに原料として用いるアルギン酸ナトリウムの添加量は、0.05〜2%が好ましく、0.1〜1%がより好ましい。アルギン酸ナトリウムの添加量が前記範囲より少ないと、アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩との反応によるアルギン酸カルシウムの生成が充分に行なわれず、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ベーカリー生地からソースがずり落ちてしまう場合があり好ましくない。一方、アルギン酸ナトリウムの含有量が前記範囲より多いと、アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩との反応によるアルギン酸カルシウムの生成が過剰となり、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースの線が途切れてしまう場合があり好ましくない。
本発明のソースに原料として用いるカルシウム塩は、食品素材として用いることができるものであれば、特に限定されない。例えば、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、卵殻カルシウム、貝殻カルシウム、乳清カルシウム等が挙げられる。これらは、一種類を単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。本発明のソースを製造する上で、ダマになり難く均一に増粘させるために、水難溶性のカルシウム塩を用いることが好ましい。ここで、水に難溶とは、20℃の水に対する溶解度が1g/100g以下であることを意味する。具体的には、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、卵殻カルシウム、貝殻カルシウム等が好ましい。
本発明のソースに原料として用いるカルシウム塩の添加量は、後で詳述するカルシウム濃度の範囲内で含有すればよく、具体的には0.02〜1%が好ましく、0.05〜1%がより好ましい。カルシウム塩の含有量が前記範囲より少ないと、アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩との反応によるアルギン酸カルシウムの生成が充分に行なわれず、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ベーカリー生地からソースがずり落ちてしまう場合があり好ましくない。一方、カルシウム塩の含有量が前記範囲より多いと、ソースが濁ってしまう場合があるため好ましくない。
本発明のソースのカルシウム濃度は、0.004〜0.4%であり、0.01〜0.4%が好ましい。カルシウム濃度が前記範囲より低いと、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ベーカリー生地からソースがずり落ちてしまうため好ましくない。また、カルシウム濃度が前記範囲より高いと、ソースが濁ってしまうため好ましくない。なお、カルシウム濃度の測定は、原子吸光分析法を用いて測定する。
本発明のソースのナトリウム濃度は、後述するナトリウムとカルシウムとの濃度比の範囲に含まれる濃度であれば、特に限定されないが、0.2〜4%が好ましく、0.2〜3%がより好ましい。なお、ナトリウム濃度は、原子吸光分析法を用いて測定する。
本発明のソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比は、100:1〜1:2であり、80:1〜1:2が好ましい。ナトリウムに対するカルシウムの濃度比が前記範囲より低いと、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースがベーカリー生地からずり落ちてしまうため好ましくない。前記範囲より高いと、ソースが濁ってしまうため好ましくない。
本発明のソースの粘度は、5〜200Pa・sであり、30〜100Pa・sが好ましい。ソースの粘度が前記範囲より低いと、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースがベーカリー生地からずり落ちてしまうため好ましくない。また、ソースの粘度が前記範囲より高いと、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースの線が途切れてしまい好ましくない。
なお、前記粘度は、BH型粘度計を用い、回転数:6rpm、ローター:No.4、品温:20℃の測定条件で、2回転後の示度から換算した値である。
本発明のソースは、特に限定されないが、pH4.0以上が好ましく、pH4.5以上がより好ましい。ソースのpHが前記範囲より低いと、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースがベーカリー生地からずり落ちてしまうため好ましくない。一方、ソースのpHの上限は、一般的な食品のpHであれば特に限定されない。
本発明において、脂質とは、原料あるいは原料に含まれる水に不溶性のトリグリセリド等の脂質成分をいい、本発明では、脂質からなる、あるいは脂質を含有する原料であれば特に限定されない。そのような原料としては、例えば、オリーブオイル、菜種油、大豆油、これらを精製したサラダ油等の植物油脂や、牛脂等の動物油脂等の油脂類、また、牛肉、豚肉、鶏肉等の肉類、アンチョビー、あさり、ホタテ等の魚介類等、牛乳、チーズ、バター等の乳製品類等が挙げられる。
本発明のソースに用いる脂質の含有量は、5%以下であり、3%以下が好ましい。脂質の含有量が前記範囲より多いと、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースがベーカリー生地からずり落ちてしまうため好ましくない。脂質の含有量の下限としては、特に限定しないが、本発明では脂質を含まない、つまり脂質の含有量が0%のソースを含む。
なお、脂質の含有量は、常法に則り、ソックスレー抽出法によりジエチルエーテルを用いて抽出して、含量を測定した値である。
本発明のソースでは、タマリンドシードガム、カラギーナン、グアーガムから選ばれる少なくとも1種の増粘剤を含有すると、焼成時、生地の膨張と共によりしなやかに延伸するソースが得られるため好ましい。詳しくは、ベーカリー生地からずり落ちることなく、かつ線が途切れないソースが得られるため好ましい。
タマリンドシードガムは、グルコースの主鎖骨格にキシロースを側鎖に持つキシログルカンで、豆科のタマリンドの内胚乳から抽出される増粘剤である。本発明で用いるタマリンドシードガムは、市販されているものであれば特に限定されない。
本発明のソースに用いるカラギーナンは、通常食品素材として利用されるものであれば特に限定されない。カラギーナンは、一般に紅藻類から抽出して得られる硫酸基を持つガラクタンの一種であり、硫酸基の位置と数によってκ、λ、ι型に大別され、目的に応じて分画することができる。また、各型の含有割合は海藻の種類や年齢、部位等により変動するが、本発明のソースには、いずれの純度の、いずれの型のカラギーナンを用いても構わない。
本発明のソースに用いるグアーガムは、β−1,4D−マンナンの主鎖骨格に側鎖としてα−D−ガラクトースが1,6結合した豆科グアー種子由来の増粘剤である。市販されているものであれば、精製したもの、未精製のものいずれも用いることができる。
本発明のソースに用いるタマリンドシードガム、カラギーナン、グアーガムから選ばれる少なくとも1種の増粘剤の合計含有量は、0.05〜1%が好ましく、0.1〜1%がより好ましい。増粘剤の含有量が前記範囲より少ないと、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースがベーカリー生地からずり落ちてしまう場合があり好ましくない。一方、増粘剤の含有量が前記範囲より多いと、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースの線が途切れてしまう場合があり好ましくない。
本発明のソースは、前記記載の原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択し配合することができる。具体的には、例えば、とうもろこし澱粉、湿熱処理澱粉、加工澱粉等の澱粉類、デキストリン、ブドウ糖果糖液糖、ショ糖、オリゴ糖、スクラロース等の糖質類、還元水飴、ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール類、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤類、グルタミン酸ナトリウム、アミノ酸等の旨味調味料、カゼインナトリウム、煮干、椎茸、魚、野菜等を使用した出汁又はエキス類、カレー粉、胡椒、唐辛子等の香辛料類、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸等の有機酸及びその塩、リン酸等の無機酸及びその塩、色素、香料、pH調整剤が挙げられる。なお、これらの原料を用いる場合は、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が前記範囲内に含まれるように調整して用いる。
本発明のソースの製造方法は、常法に則り製造すればよい。例えば、以下のように製造することができる。食塩等の原料、アルギン酸ナトリウム、カルシウム塩、タマリンドシードガム、カラギーナン、グアーガムから選ばれる少なくとも1種の増粘剤を二重釜に投入して70〜100℃で5〜60分間加熱混合し、耐熱性容器等に充填し本発明のソースを製造することができる。
以下に本発明のソースを実施例および比較例に基づき詳述する。なお、本発明はこれに限定するものではない。
[実施例1]
下記配合表1に従って、ぶどう糖果糖液糖、食塩(ナトリウム濃度39%)、サラダ油、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム(ナトリウム濃度11.6%)、タマリンドシードガム、第三リン酸カルシウム(カルシウム濃度38.7%)、清水を二重釜に投入して90℃で20分間加熱混合し、100g容の耐熱性容器に充填し本発明のソースを得た。
なお、得られた本発明のソースは、食塩濃度が3.7%、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が50:1、脂質の含有量が1%、粘度は70Pa・s(品温20℃)、pHは5.1であった。
〔配合表1〕
ぶどう糖果糖液糖 50%
食塩(ナトリウム濃度39%) 3.7%
サラダ油 1%
キサンタンガム 1%
アルギン酸ナトリウム
(ナトリウム濃度11.6%) 0.5%
タマリンドシードガム 0.5%
第三リン酸カルシウム
(カルシウム濃度38.7%) 0.078%
清水 残余
――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例1]
第三リン酸カルシウムを清水に置き換えた以外は実施例1に準じて、ソースを製した。
なお、得られたソースは、食塩濃度が3.7%、カルシウム濃度が0%、脂質の含有量が1%、粘度は50Pa・s(品温20℃)であった。
[比較例2]
アルギン酸ナトリウムを清水に置き換えた以外は実施例1に準じて、ソースを製した。
なお、得られたソースは、食塩濃度が3.7%、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が48:1であり、脂質の含有量が1%、粘度は30Pa・s(品温20℃)であった。
[比較例3]
アルギン酸ナトリウムをジェランガムに置き換えた以外は実施例1に準じて、ソースを製した。
なお、得られたソースは、食塩濃度が3.7%、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が48:1であり、脂質の含有量が1%、粘度は60Pa・s(品温20℃)であった。
[試験例1]
実施例1、及び比較例1〜3で得られたソースについて、本発明の効果を有するか調べた。具体的には、天板に並べたパン生地の上に、ソースをそれぞれ曲線状に載せて、オーブンで200℃、10分間焼成し、得られた焼成パンについて、ソースのしなやかさを下記評価基準によって外観評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005635320
含有する場合:+ 含有しない場合:−
<評価基準>
A:生地の膨張と共にしなやかに延伸しており、ソースが生地からずり落ちることなく、かつソースの線が途切れることもなかった。
B−1:ソースが生地から若干ずり落ちていたが問題ない程度であった。
B−2:ソースの線が若干途切れていたが問題ない程度であった。
C−1:ソースが生地からずり落ちて天板に付着しており品位を損ねていた。
C−2:ソースの線が途切れてしまい品位を損ねていた。
表1より、原料としてアルギン酸ナトリウム及びカルシウム塩を添加するソースは、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸し、ベーカリー生地からずり落ちることなく、かつソースの線が途切れておらず好ましかった(実施例1)。一方、原料としてアルギン酸ナトリウム又はカルシウム塩のいずれか一方を添加しないソースは、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ベーカリー生地からずり落ちて天板に付着してしまい好ましくなかった(比較例1、2)。また、アルギン酸ナトリウムをジェランガムに置き換えたソースは、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースの線が途切れてしまい好ましくなかった(比較例3)。
[試験例2]
ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比の違いによる、本発明の効果への影響を調べた。具体的には、食塩及び第三リン酸カルシウムの含有量を調整することにより、ソース全体のナトリウム及びカルシウムの濃度を下記表2に示す比率に変更した以外は、実施例1に準じてソースを製し、得られたソースを試験例1の評価基準に従って、外観評価を行った。結果を表2に示す。
なお、得られたソースは、脂質の含有量が5%以下、粘度は5〜200Pa・s(品温20℃)であった。
Figure 0005635320
表2より、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が100:1〜1:2の場合、ソースがベーカリー生地から若干ずり落ちてしまう場合(No.2)があったが問題ない程度であり好ましかった。(No.2〜5)。特に、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が80:1〜1:2の場合、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸しており、ソースがベーカリー生地からずり落ちることなく、かつソースの線が途切れておらずより好ましかった(No.3〜5)。一方、カルシウム濃度に対するナトリウム濃度が100倍より高い場合、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースがベーカリー生地からずり落ちてしまい好ましくなかった(No.1)。
[試験例3]
ソースの粘度の違いによる、本発明の効果への影響を調べた。具体的には、粘度をキサンタンガムの含有量を調整することにより下記表3に示す粘度に変更した以外は、実施例1に準じてソースを製し、得られたソースを試験例1の評価基準に従って、外観評価を行った。結果を表3に示す。
なお、得られたソースは、品温20℃における粘度を測定し、食塩濃度が0.5〜10%、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が100:1〜1:2であり、脂質の含有量が5%以下であった。
Figure 0005635320
表3より、ソースの粘度が5〜200Pa・sの場合、ソースがベーカリー生地から若干ずり落ちてしまうか(No.2)、ソースの線が若干途切れてしまう場合(No.5)があるが、問題ない程度であり好ましかった(No.2〜5)。特に、ソースの粘度が30〜100Pa・sの場合、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸しており、ソースがベーカリー生地からずり落ちることなく、かつソースの線が途切れておらずより好ましかった(No.3、4)。一方、ソースの粘度が5Pa・s未満の場合、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースがベーカリー生地からずり落ちて好ましくなかった。また、ソースの粘度が200Pa・sより高い場合、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースの線が途切れてしまい好ましくなかった(No.1、6)。
[試験例4]
脂質の含有量の違いによる、本発明の効果への影響を調べた。具体的には、サラダ油の含有量を下記表4に示す割合に変更した以外は、実施例1に準じてソースを製し、得られたソースを試験例1の評価基準に従って、外観評価を行った。結果を表4に示す。
なお、得られたソースは、食塩濃度が0.5〜10%、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が100:1〜1:2であり、粘度は5〜200Pa・s(品温20℃)であった。
Figure 0005635320
表4より、脂質の含有量が5%以下の場合、ソースがベーカリー生地から若干ずり落ちてしまう場合もあったが、問題ない程度であり好ましかった(No.1〜3)。特に、脂質の含有量が3%以下の場合、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸しており、ソースがベーカリー生地からずり落ちることなく、かつソースの線が途切れることがなくより好ましかった(No.1,2)。一方、脂質の含有量が5%より多いと、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸せず、ソースがベーカリー生地からずり落ちてしまい好ましくなかった。
[実施例2]
タマリンドシードガム0.5%をカラギーナン0.3%、グアーガム0.2%に変更した以外は、実施例1に準じて、本発明のソースを製した。
なお、得られた本発明のソースは、食塩濃度が3.7%、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が50:1であり、脂質の含有量が1%、粘度は70Pa・s(品温20℃)であった。
得られた本発明のソースを試験例1の評価基準に従って、外観評価を行ったところ、本発明のソースは焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸しており、ソースがベーカリー生地からずり落ちることなく、かつソースの線が途切れることがなく好ましかった。
[実施例3]
タマリンドシードガムを清水に置き換え、醸造酢を2%配合した以外は実施例1に準じて、本発明のソースを製した。
なお、得られた本発明のソースは、食塩濃度が3.7%、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が50:1であり、脂質の含有量が1%、粘度は40Pa・s(品温20℃)、pHは4.1であった。
得られた本発明のソースを試験例1の評価基準に従って、外観評価を行ったところ、本発明のソースは、ベーカリー生地から若干ずり落ちていたが、問題ない程度であり好ましかった。
[実施例4]
タマリンドシードガムをキサンタンガムに置き換えた以外は実施例1に準じて、本発明のソースを製した。
なお、得られた本発明のソースは、食塩濃度が3.7%、ソース全体のナトリウムとカルシウムとの濃度比が50:1であり、脂質の含有量が1%、粘度は70Pa・s(品温20℃)であった。
得られた本発明のソースを試験例1の評価基準に従って、外観評価を行ったところ、本発明のソースは、ベーカリー生地から若干ずり落ちていたが、問題ない程度であり好ましかった。
[試験例5]
アルギン酸ナトリウムの含有量の違いによる、本発明の効果への影響を調べた。具体的には、実施例1において、アルギン酸ナトリウムの含有量を下記表5に示す割合に変更した以外は、実施例1に準じてソースを製し、得られたソースを試験例1の評価基準に従って、外観評価を行った。結果を表5に示す。
なお、得られたソースは、食塩濃度が0.5〜10%、ナトリウムとカルシウムとの濃度比が100:1〜1:2であり、脂質の含有量が5%以下、粘度は5〜200Pa・s(品温20℃)であった。
Figure 0005635320
表5より、アルギン酸ナトリウムの含有量が0.05〜2%の場合、ソースがベーカリー生地から若干ずり落ちてしまう場合(No.1)や、ソースの線が若干途切れてしまう場合(No.4)があったが、いずれも問題ない程度であり好ましかった(No.1〜4)。特に、アルギン酸ナトリウムの含有量が0.1〜1%の場合、焼成時、生地の膨張と共にしなやかに延伸しており、ソースがベーカリー生地からずり落ちることなく、かつソースの線が途切れることもなくより好ましかった(No.2,3)。


Claims (3)

  1. 食塩濃度が0.5〜10%であり、粘度が30100Pa・s(品温20℃)、脂質の含有量が5%以下であって、原料としてアルギン酸ナトリウム及びカルシウム塩を添加し、ソース全体のナトリウムとカルシウムの濃度比が100:1〜1:2であるソースをベーカリー生地の上に載せ、焼成し、前記ソースが焼成後もベーカリー生地からずり落ちないことを特徴とするベーカリーの製造方法
  2. 前記ソース中にアルギン酸ナトリウムを0.05〜2%含有する請求項1記載のベーカリーの製造方法
  3. 前記ソース中にタマリンドシードガム、カラギーナン、グアーガムから選ばれる少なくとも1種の増粘剤を含有する請求項1又は2記載のベーカリーの製造方法
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