JP6836681B1 - 冷凍凝固卵加工品 - Google Patents

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Abstract

【課題】解凍後における、凝固卵同士の結着を抑制することが可能な冷凍凝固卵加工品及びそれを用いた食品を提供する。【解決手段】本発明の冷凍凝固卵加工品は、卵を含む調理品に用いられ容器内に収容された複数の凝固卵と、前記容器内における前記複数の凝固卵の周囲に収容された液部と、を含む冷凍凝固卵加工品であって、前記複数の凝固卵は、液卵と、0%より多く10%以下の増粘多糖類と、を含有するスラリーの加熱凝固物であり、前記液部は、100質量部の前記複数の凝固卵に対して10質量部以上であり、前記液部における糖類(増粘多糖類を含む)の含有割合から、前記スラリーにおける増粘多糖類の含有割合を減じた差分が、1.5%以上20%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍凝固卵加工品及びそれを用いた食品に関する。
液卵が加熱された凝固卵は、彩りがよく卵の柔らかい食感を楽しめることから、様々な調理品に用いられている。このような凝固卵を調理の手間を省いて大量に製造する観点から、凝固卵を含む卵加工品が知られている。例えば、特許文献1及び2には、不均一な膜状卵凝固物を含有する卵加工品が記載されている。このような膜状卵加工品は、皿上や丼に盛った米飯上にそのまま盛り付けられ、スクランブルエッグや卵とじ等として用いられる。
特開2011−10555号公報 特開2011−10556号公報
従来の凝固卵を含む卵加工品は、味付けや、更なる調理が不要な、調理品にトッピングするだけで完成するものが求められてきた。しかし、近年は、各店ごとの特徴を出すため、自由に味付けができるものや、卵加工品にさらに手を加え調理品を完成させるような、汎用性のあるものが求められる傾向にあり、凝固卵のみの卵加工品を要望されることも多くなってきた。
流通上及び保存上の観点からは、複数の凝固卵を容器詰めして冷凍品とすることが望ましい。しかしながら、凝固卵のみを容器詰めして冷凍処理を行うことによって、解凍後の凝固卵同士の結着が問題となる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、解凍後における、凝固卵同士の結着を抑制することが可能な冷凍凝固卵加工品及びそれを用いた食品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、冷凍凝固卵加工品について鋭意研究を重ねた。本発明者らは、複数の凝固卵に対する液部の含有比率を所定の比率以上とすることに加え、液部における糖類と、凝固卵を製するスラリーにおける増粘多糖類との含有割合のバランスに着目することで、意外にも、解凍後の凝固卵同士の結着を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)卵を含む調理品に用いられ容器内に収容された複数の凝固卵と、前記容器内における前記複数の凝固卵の周囲に収容された液部と、を含む冷凍凝固卵加工品であって、
前記複数の凝固卵は、液卵と、0%より多く10%以下の増粘多糖類と、を含有するスラリーの加熱凝固物であり、
前記液部は、100質量部の前記複数の凝固卵に対して10質量部以上であり、
前記液部における糖類(増粘多糖類を含む)の含有割合から、前記スラリーにおける増粘多糖類の含有割合を減じた差分が、1.5%以上20%以下である
冷凍凝固卵加工品、
(2)前記複数の凝固卵各々が、膜状である
(1)に記載の冷凍凝固卵加工品、
(3)(1)又は(2)に記載の冷凍凝固卵加工品を用いた食品、
である。
本発明によれば、解凍後における、凝固卵同士の結着を抑制することが可能な冷凍凝固卵加工品及びそれを用いた食品を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
<冷凍凝固卵加工品>
本発明の冷凍凝固卵加工品は、卵を含む調理品に用いられ容器内に収容された複数の凝固卵と、容器内における複数の凝固卵の周囲に収容された液部と、を含む。上記調理品を製する場合には、例えば、調理者が、容器ごと冷凍凝固卵加工品を解凍した後容器を開封し、解凍後の各凝固卵を取り出して調理に用いる。本発明の冷凍凝固卵加工品の解凍方法としては、室温(15℃〜25℃)による自然解凍、冷蔵温度帯(5℃〜10℃)による解凍、流水による解凍、湯煎やコンベクションオーブンによる加熱解凍等が挙げられる。
本発明の冷凍凝固卵加工品は、冷凍品であることから、冷凍保存による長期保存が可能である。
また、本発明の冷凍凝固卵加工品は、より好ましくは、着色料を含まない。これにより、添加物量を削減でき、消費者(喫食者)に安心感を与えることができる。
<卵を含む調理品>
本発明の卵を含む調理品は、例えば、丼、汁物、麺類、スクランブルエッグ、オムレツ、オムライス、かに玉、調理パン、炒め物などを含む。丼としては、例えば、親子丼、カツ丼、その他の卵でとじた丼、天津飯等が挙げられる。汁物としては、かきたま汁、中華スープ等が挙げられる。麺類としては、卵でとじたそば、かきたまそば、卵でとじたうどん、かきたまうどん等が挙げられる。調理パンとしては、サンドイッチ、マフィン、ハンバーガー、スクランブルエッグやオムレツを挟んだその他の調理パン等が挙げられる。炒め物としては、具材を卵でとじたもの(卵とじ)が挙げられる。その他、本発明の卵を含む調理品は、そぼろ状の卵を添えたそぼろ丼及び炒め物、並びに錦糸卵を添えた寿司、麺類及び汁物等を含んでいてもよい。
<冷凍凝固卵加工品を用いた食品>
本発明の冷凍凝固卵加工品を用いた食品としては、上記卵を含む調理品が挙げられる。
<凝固卵>
本発明の凝固卵とは、液卵と、増粘多糖類と、を少なくとも含有するスラリーの加熱凝固物をいう。また、「複数の凝固卵」の「各凝固卵」とは、解凍後の調理時に分離して用いられ得る凝固卵の膜、塊又は小片等をいうものとする。仮に、本来分離して用いられるべき凝固卵同士が結着した場合、盛り付けの不具合や、意図しない大きさの塊となることによる食感の低下を引き起こす。
本発明の凝固卵の形状は、例えば、膜状、棒状、鱗片状、偏平状、粒状(そぼろ状)等の様々な形状とすることができ、例えば膜状であるとよい。
<膜状の凝固卵>
本発明の膜状の凝固卵の厚さは、例えば、3mm以下であるとよく、さらに2mm以下であるとよい。また、当該膜状の凝固卵各々の面積は、例えば5mm以上であるとよく、さらに10mm以上であるとよく、また500mm以下であるとよく、さらに300mm以下であるとよい。膜状の凝固卵をこのような形状にすることで、例えば上記調理品に複数の膜状の凝固卵が重なって盛り付けられ、半熟状で美味しそうな外観となる。
なお、本発明の卵加工品における凝固卵の形状の確認は、解凍後の凝固卵の形状を目視にて確認し、面積や厚さを測定する。凝固卵が丸まっている場合には、広げて面積の測定を行うものとする。
<スラリーに用いられる液卵>
本発明のスラリーに用いられる液卵を構成する卵としては、鶏、鶉、アヒルの卵など、一般に食用に供されるものであればいずれのものでもよいが、入手しやすい点から鶏卵を用いるとよい。
また、上記液卵は、卵黄を含有していればいずれのものでもよく、例えば、生全卵液、生卵黄液をはじめ、それらを殺菌処理、冷凍処理、ホスフォリパーゼA1、ホスフォリパーゼA2、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理、有機溶媒等による抽出処理等の1種又は2種以上の処理、前記各種処理物をスプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理を施した後に水戻ししたもの等が挙げられる。
<スラリーに用いられる増粘多糖類>
本発明のスラリーに用いられる増粘多糖類としては、澱粉、ガム質、ペクチン、カードラン、プルラン、マンナン、寒天等が挙げられる。
澱粉としては、未加工澱粉と、未加工澱粉を加工した加工澱粉とが挙げられる。
未加工澱粉としては、米澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉等が挙げられる。
加工澱粉としては、ヒドロキシプロピル澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉等が挙げられる。
ガム質としては、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、タラガム、グアガム、アラビアガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム等が挙げられる。
本発明のスラリーは、上記増粘多糖類を1種又は複数含むことができる。
<スラリーにおける増粘多糖類の含有割合>
本発明のスラリーにおける増粘多糖類の含有割合は、スラリー全体を100%とした場合の、全ての増粘多糖類の含有割合の合計をいう。
本発明のスラリーにおける増粘多糖類の含有割合は、0%より多く、10%以下である。さらに、本発明のスラリーにおける増粘多糖類の含有割合は、3%以上であるとよく、7%以上であるとよい。スラリーがこのような含有割合の増粘多糖類を含むことで、凝固卵の冷凍及び解凍後の変性を抑制することができるとともに、凝固卵が厚くなりすぎる等の不具合を防止し、凝固卵の形状を制御することが容易になる。
<スラリーの他の原料>
本発明のスラリーは、本発明の効果を損なわない範囲で、液卵及び増粘多糖類以外の原料を含んでいてもよい。このような原料としては、例えば、
菜種油、大豆油等の食用油脂、
醤油、食塩、胡椒、アミノ酸等の調味料類、
牛乳、生クリーム、バター、チーズ、脱脂粉乳、発酵乳等の乳製品、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化剤等を配合することができる。
<液部>
本発明の液部は、容器内における複数の凝固卵の周囲に含まれ、凝固卵を構成しない液状の部分をいう。本発明の液部は、冷凍凝固卵加工品が解凍された状態(例えば5℃以上)において液体であればよく、冷凍品の状態では固体であってもよい。当該液部は、主に解凍後の状態の凝固卵同士の結着を抑制するために用いられ、上記調理品に用いられなくてもよい。
本発明の液部は、後述するように、糖類(増粘多糖類を含む)を含んでいる。
<液部の含有量>
本発明の液部は、100質量部の複数の凝固卵に対して10質量部以上であり、さらに20質量部以上であるとよい。これにより、解凍後に液部が複数の凝固卵間に十分に行きわたりやすくなり、解凍後の凝固卵同士の結着を抑制しやすくなる。また、本発明の液部は、100質量部の複数の凝固卵に対して、250質量部以下であるとよく、さらに230質量部以下であるとよい。これにより、冷凍凝固卵加工品全体のサイズを制限できるとともに、液部に係るコストを削減することができる。
<液部と凝固卵の質量比の測定方法>
解凍後、容器中の300gの内容物を2mmパンチのザルにあけた後、水を張ったボールに入れ、液部を洗い流す。これを3回くりかえす。フルイ上に残った部分を凝固卵として、質量を測定する。一方、液部の質量は内容量(300g)から凝固卵の質量を引いて算出する。測定された質量から、複数の凝固卵に対する液部の質量比を算出する。
<液部における糖類>
本発明の液部は、糖類を含む。本発明の液部に含まれる糖類とは、増粘多糖類と、増粘多糖類以外の糖類と、をいう。
増粘多糖類以外の糖類としては、スクロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、トレハロース、糖アルコール、果糖ブドウ糖液糖、澱粉を加水分解して製したデキストリン、サイクロデキストリン、還元デキストリン、イヌリン、セルロース等が挙げられる。
増粘多糖類としては、澱粉、ガム質、ペクチン、カードラン、プルラン、マンナン、寒天等が挙げられる。
澱粉としては、未加工澱粉と、未加工澱粉を加工した加工澱粉とが挙げられる。
未加工澱粉としては、米澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉等が挙げられる。
加工澱粉としては、ヒドロキシプロピル澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉等が挙げられる。
ガム質としては、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、タラガム、グアガム、アラビアガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム等が挙げられる。
本発明の液部は、上記糖類を1種又は複数含むことができる。
<液部における糖類の含有割合>
本発明では、液部における糖類の含有割合と、スラリーにおける増粘多糖類の含有割合とのバランスを調整することにより、解凍後の凝固卵の結着を抑制することができる。
本発明の液部における糖類の含有割合は、液部全体を100%とした場合の、増粘多糖類を含む全ての糖類の含有割合の合計をいう。
具体的に、本発明の液部における糖類(増粘多糖類を含む)の含有割合は、スラリーにおける増粘多糖類の含有割合との差分によって、以下のように規定される。本発明では、液部における糖類(増粘多糖類を含む)の含有割合から、スラリーにおける増粘多糖類の含有割合を減じた差分が、1.5%以上である。これにより、後述する実施例の結果に示すように、意外にも、解凍後の状態において凝固卵同士の結着を抑制することができる。したがって、本来分離して用いられるべき凝固卵同士が結着して塊になることを抑制でき、調理品の盛り付けを簡便かつ良好に行うことができる。
さらに、上記差分は、2%以上であるとよく、さらに3%以上であるとよい。これにより、上記作用効果をより確実に得ることができる。
また、上記差分は、20%以下である。これにより、十分な結着防止効果を得られるとともに、原料費の上昇を抑制することができる。
<液部における増粘多糖類の含有割合>
本発明の液部は、糖類として、増粘多糖類を含むことが好ましい。本発明の液部における増粘多糖類の含有割合は、1%以上であるとよく、さらに3%以上であるとよい。これにより、液部が各凝固卵の周囲を覆いやすくなり、結着抑制効果を良好に発揮させることができる。
また、本発明の液部における増粘多糖類の含有割合は、10%以下であるとよく、さらに7%以下であるとよい。これにより、液部が凝固卵の周囲を十分に覆いやすくなるとともに、原料費の上昇を抑制することができる。
<液部の他の原料>
本発明の液部は、本発明の効果を損なわない範囲で、糖類以外の原料を含んでいてもよい。このような原料としては、例えば、
菜種油、大豆油等の食用油脂、
醤油、食塩、胡椒、アミノ酸等の調味料類、
かつおだし、昆布だし等の出汁類
グリシン、酢酸ナトリウム等の静菌剤、
有機酸、有機酸塩等のpH調整剤、
保存料、
酸化防止剤、
香料等、が挙げられる。
<冷凍凝固卵加工品の他の原料>
本発明の冷凍凝固卵加工品は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、凝固卵、液部以外に、肉類、野菜等の具材等を適宜配合することができる。
<容器>
本発明に用いる容器は、冷凍及び密封可能であればよく、材質、形状等は特に制限されない。例えば、当該容器としては、プラスチック製等の硬質な容器、並びに、ポリエチレン製及びポリプロピレン製等のパウチ等の軟質な容器等が挙げられる。
<冷凍凝固卵加工品の製造方法>
本発明の冷凍凝固卵加工品の製造方法は、スラリーを調製する工程と、スラリーを加熱して複数の凝固卵を製する工程と、液部を調製する工程と、複数の凝固卵と液部を容器に充填する工程と、容器詰めされた複数の凝固卵及び液部を冷凍処理する工程と、を含む。
<スラリーの調製工程>
まず、液卵と、0%より多く10%以下の増粘多糖類と、を混合してスラリーを調製する。上述のように、スラリーは、液卵及び増粘多糖類以外の原料を含んでいてもよい。原料の混合は、例えば、ミキサーや撹拌機を用いて行うことができる。
<凝固卵の製造工程>
続いて、スラリーを加熱して複数の凝固卵を製する。加熱方法は特に限定されず、例えば、加熱した溶液にスラリーを注入し、凝固後に水切りすることで製してもよい。これにより、膜状の凝固卵が得られやすくなる。あるいは、フライパン、鉄板やスチームコンベクションオーブン等の機器を用いてスラリーを凝固させ、必要に応じて適切な形状に加工してもよい。
<液部の調製工程>
そして、水と糖類とを混合して液部を調製する。上述のように、液部は、水及び糖類以外の原料を含んでいてもよい。原料の混合は、例えば、ミキサーや撹拌機を用いて行うことができる。液部は、液部における糖類(増粘多糖類を含む)の含有割合から、スラリーにおける増粘多糖類の含有割合を減じた差分が1.5%以上20%以下となるように調製される。また、液部は、必要に応じて加熱されてもよい。
<容器の充填工程>
続いて、製した複数の凝固卵と液部とを容器に充填し、密封する。このとき、例えば、複数の凝固卵と液部とを混合した混合物を容器に充填してもよい。これにより、凝固卵のサイズが小さい場合でも、凝固卵と液部とが容器に充填されやすくなる。あるいは、複数の凝固卵を容器に充填した後に、液部を添加してもよい。
<冷凍処理工程>
最後に、容器詰めされた複数の凝固卵及び液部を冷凍処理することで、冷凍凝固卵加工品が得られる。
本工程の冷凍処理は、例えば、複数の凝固卵及び液部を含む容器を、−15℃〜−40℃以下の冷凍庫や冷凍室で凍結させることにより行われる。冷凍処理に要する時間は特に限定されない。冷凍処理後の冷凍凝固卵加工品は、例えば−30℃以下の冷凍庫や冷凍室で保存される。
以下、本発明について、実施例及び比較例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定されない。
配合の異なる複数種類のスラリーと、配合の異なる複数種類の液部と、をそれぞれ用いて、膜状の冷凍凝固卵加工品を製造し、結着抑制効果について評価した。
(スラリーの調製)
まず、表1に示す質量割合で原料をそれぞれ攪拌しながら混合し、スラリーA、スラリーB、スラリーC、スラリーD及びスラリーEを製した。各スラリーの配合、及び各スラリー中の増粘多糖類の合計の質量割合(以下、「S」と称する)を、表1に示す。
Figure 0006836681
(液部の調製)
続いて、表2に示す質量割合で原料をそれぞれ攪拌しながら混合し、70℃まで加熱することで、液部a、液部b、液部c、液部d、液部e及び液部fを製した。各液部の配合、並びに、増粘多糖類以外の糖類の合計の質量割合、増粘多糖類の合計の質量割合、及び増粘多糖類を含む糖類の合計の質量割合(以下、「L」と称する)を、表2に示す。
Figure 0006836681
(実施例1)
得られたスラリーを90℃に加熱した清水に徐々に注加することにより凝固卵を調製した。各凝固卵は、厚さ約1mmの膜状であり、面積が約5〜300mmであった。
表3に示すように、形成された複数の凝固卵100質量部に対して、液部aの比率が100質量部になるように混合し、混合物を樹脂製の軟質な容器に充填した。その後、約−30℃の冷凍庫で凍結させ、実施例1の冷凍凝固卵加工品を製した。
表3に示すように、液部aの糖類(増粘多糖類を含む)の合計の質量割合から、スラリーAの増粘多糖類の合計の質量割合を減じた差分(L−S)は、3.8%であった。
(実施例2〜9)
スラリーとして表3に示すスラリーA〜Cを用い、液部として表3に示す液部a〜eを用い、凝固卵100質量部に対する液部の比率を表3に示す比率とした以外は、実施例1と同様に冷凍凝固卵加工品を製した。上記差分(L−S)は、表3に示すように、いずれも1.5%以上であった。
(比較例1)
スラリーとして表3に示すスラリーAを用い、液部として水を用いた以外は、実施例1と同様に冷凍凝固卵加工品を製した。上記差分(L−S)は、表3に示すように、液部が糖類(増粘多糖類を含む)を含んでいないため、−5.4%であった。
(比較例2)
スラリーとして表3に示すスラリーDを用い、液部として液部fを用いた以外は、実施例1と同様に冷凍凝固卵加工品を製した。上記差分(L−S)は、表3に示すように、0.9%であった。
Figure 0006836681
(結着抑制の評価)
実施例1〜9と、比較例1〜3の各冷凍凝固卵加工品を、流水によって解凍し、容器内の複数の凝固卵が結着しているか否か評価した。結果を、表3に示す。評価には、以下の基準を用いた。
[評価基準]
A:凝固卵同士が結着していなかった
B:凝固卵同士がわずかに結着していたが、分離は可能な程度であった
C:凝固卵同士が結着しており、分離は難しかった
(結着抑制の結果)
100質量部の凝固卵に対する液部の質量比が100質量部であり、上記差分(L−S)がそれぞれ−5.4%、0.9%の比較例1及び2は、評価はいずれもCであり、凝固卵同士が結着して塊となってしまった。一方で、100質量部の凝固卵に対する液部の質量比が同様の100質量部であって、上記差分(L−S)が1.5%以上20%以下の実施例1〜4は、評価はいずれもA又はBであり、結着が全く見られないか、あるいはほとんど見られなかった。
この結果から、上記差分(L−S)を1.5%以上20%以下とすることで、凝固卵同士の結着を抑制できることがわかった。
また、上記差分(L−S)が1.9%の実施例2と、上記差分(L−S)が3.8%の実施例1とを比較すると、実施例1の方がより結着が抑制されていた。この結果から、上記差分(L−S)を2%以上、特に3%以上とすることで、結着抑制効果がより確実に得られることがわかった。
また、上記差分(L−S)が1.5%以上(3%以上)であって、100質量部の凝固卵に対する液部の質量比が40質量部以上250質量部以下の実施例5〜8も、実施例1と同様に、十分な結着抑制効果が得られた。
一方で、上記差分(L−S)が3.8%であって、100質量部の凝固卵に対する液部の質量比が11質量部である実施例9については、凝固卵同士がわずかに結着しており、実施例1,3〜8よりもやや劣る結果となった。
この結果から、100質量部の凝固卵に対する液部の質量比を10質量部以上とすることで、結着抑制効果は得られるものの、100質量部の凝固卵に対する液部の質量比を40質量部以上250質量部以下とすることで、より良好な結着抑制効果が得られることが確認された。
なお、結果は記載していないが、100質量部の凝固卵に対する液部の質量比が10質量部未満の冷凍凝固卵加工品の場合は、複数の凝固卵の間に十分に液部が行きわたらなかったため、結着抑制効果が十分に得られないことは明らかであった。
(総括)
以上の結果より、スラリーにおける増粘多糖類が0%より多く10%以下であって、100質量部の凝固卵に対して液部が10質量部以上であり、上記差分(L−S)が1.5%以上20%以下の冷凍凝固卵加工品によれば、解凍後の結着が抑制されることがわかった。

Claims (2)

  1. 卵を含む調理品に用いられ容器内に収容された複数の凝固卵と、前記容器内における前記複数の凝固卵の周囲に収容された液部と、を含む冷凍凝固卵加工品であって、
    前記複数の凝固卵は、液卵と、0%より多く10%以下の増粘多糖類と、を含有するスラリーの加熱凝固物であり、
    前記液部は、100質量部の前記複数の凝固卵に対して10質量部以上であり、
    前記液部における糖類(増粘多糖類を含む)の含有割合から、前記スラリーにおける増粘多糖類の含有割合を減じた差分が、1.5%以上20%以下である
    冷凍凝固卵加工品。
  2. 前記複数の凝固卵各々が、膜状である
    請求項1に記載の冷凍凝固卵加工品。
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