JP5634591B1 - 透明不燃性シート - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性が高く、さらに、ぼやけ及び色にじみが抑制された透明不燃性シートを提供する。【解決手段】ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。【選択図】なし
Description
本発明は、透明不燃性シートに関する。さらに、本発明は、当該透明不燃性シートを用いた防煙垂壁、防煙シャッター、間仕切壁、防煙カーテン、及びタッチパネルに関する。
建築基準法及び建築基準法施行令は、建築物の火災時に発生する煙、有毒ガスなどの流動を妨げて、避難及び消火活動が円滑に行えるように、排煙設備を設けることを規定している。従って、オフィスビル、商業施設などの建築物には、排煙設備及び遮煙設備として、防煙垂壁などが設置されることが多い。
防煙垂壁は、火災発生時の煙、有毒ガスなどが廊下や上層階へ流動することを一時的に遮断し、避難に必要な時間を確保することなどを目的として、通常、建築物の天井に取り付けられている。このため、防煙垂壁によって視野が妨げられたり、美観が損なわれないよう、防煙垂壁としては、透明板ガラス、ガラス繊維と樹脂との透明樹脂複合体などが用いられている。ガラス繊維と樹脂との透明樹脂複合体は、透明板ガラスに比して割れにくいという利点を有する。例えば、特許文献1には、ガラス繊維織物と硬化樹脂層とを含む透明不燃性シートからなる防煙垂壁が開示されている。
また、工場、倉庫などの出入口には、用時に昇降するシートシャッターが設置されることがある。このようなシートシャッターでは、シートシャッターが降りている時にも向こう側が目視できるように、透明樹脂製シートと骨組みによって構成されることがある(例えば、特許文献2を参照)。このようなシートシャッターに防煙性を付与することにより、火災発生時に煙などの流動を抑制することが期待できる。そこで、特許文献1に開示されたようなシートシャッターを防煙シャッターとして用いることが考えられる。
しかしながら、例えば、特許文献1に開示されたような透明不燃性シートでは、透明性は高め得るものの、透明不燃性シートを通して見た景色がぼやけやすく、また、蛍光灯の光によって色にじみが生じやすい。このため、このようなシートを防煙垂壁などとして使用すると、視野が妨げられたり、美観が損なわれやすくなるという問題がある。また、特許文献2に開示されたシートシャッターにおいては、透明樹脂製シートが透明塩化ビニルにより構成されているため、防煙性は発揮し得るものの、不燃性に劣るという問題がある。
このような状況下、本発明は、透明性が高く、さらに、ぼやけ及び色にじみが抑制された透明不燃性シートを提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該透明不燃性シートを用いた防煙垂壁、防煙シャッター、間仕切壁、防煙カーテン、及びタッチパネルを提供することも目的とする。なお、本発明において、「透明性が高い」とは、全光線透過率が80%以上であり、かつ、ヘーズが30%以下であることをいう。また、本発明において、「ぼやけ」とは、透明不燃性シートを通して向こう側を見たときに、景色がぼやけて見えることをいい、「色にじみ」とは、透明不燃性シートを通して蛍光灯の光を見たときに、赤や青などの色がにじんで見えることをいう。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特許文献1に開示された透明不燃性シートでは、製造直後はぼやけがないものの、時間が経過するにつれて(例えば、一週間程度の経過)、全光線透過率やヘーズの値(すなわち、高い透明性)は維持されるものの、ガラス繊維の織目が目立つようになり、シートを通して向う側を見たときにぼやけて見えることが明らかとなった。また、特許文献1に開示されている透明不燃性シートにおいては、製造から時間が経過するにつれて、色にじみが目立つようになることも明らかとなった。例えば、特許文献1に開示されている透明不燃性シートを防煙垂壁として用いた場合、防煙垂壁は天井から50cm程度に垂下して設置されるため、天井に設置される蛍光灯の光によって色にじみが目立ちやすく、美観を損ねるという問題が生じた。特許文献1に開示された透明不燃性シートにおいてぼやけ及び色にじみが目立つ原因として、本発明者は、次のように考えた。すなわち、特許文献1に開示された透明不燃性シートでは、ガラス組成物と樹脂組成物の屈折率の差を特定の範囲にすることによって透明性を高め、ガラス組成物と樹脂組成物のアッベ数の差を特定の範囲にすることによって可視光領域の散乱を低減させている。しかしながら、一般に、屈折率は特定の波長において測定されるものであり、アッベ数は特定の波長3点の光の屈折率を測定し、計算式から算出されるものである。従って、屈折率の差及びアッベ数の差が特定の範囲を満足しても可視光領域の全ての波長におけるガラス組成物と樹脂組成物の屈折率を合わせることは、そもそも困難な上、樹脂組成物の経時的な収縮が、ガラス組成物と樹脂組成物との界面で起こりやすく、ぼやけ及び色にじみが発生するのではないかと考えた。そして、本発明者がさらに鋭意検討した結果、ガラス繊維布帛と、ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、透明不燃性シートのヘーズが30%以下である透明不燃性シートは、透明不燃性シートの透明性が高いだけでなく、ぼやけ及び色にじみが抑制されることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。
項2. 前記2官能(メタ)アクリレートが、炭素数が1〜6のアルキレンジオールのジ(メタ)アクリレートである、項1に記載の透明不燃性シート。
項3. 前記2官能(メタ)アクリレートの分子量が250以下である、項1または2に記載の透明不燃性シート。
項4. 前記2官能(メタ)アクリレートの分子量が、150以上である、項3に記載の透明不燃性シート。
項5. 前記樹脂組成物が、スチレンモノマーを含む、項1〜4のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項6. 前記樹脂組成物が、光硬化性である、項1〜5のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項7. 前記樹脂組成物が、40〜80質量%の前記硬化性樹脂と、10〜40質量%の前記2官能(メタ)アクリレートとを含む、項1〜6のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項8. 前記樹脂組成物が、60〜80質量%の前記硬化性樹脂と、10〜20質量%の前記2官能(メタ)アクリレートとを含む、項1〜6のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項9. 前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜50質量%である、項1〜8のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項10. 前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%である、項1〜8のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項11. 前記硬化樹脂組成物層の上にフィルム層をさらに有する、項1〜10のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項12. 前記硬化樹脂組成物層と前記フィルム層との間に、ガラス繊維網体からなる網体層をさらに有する、項11に記載の透明不燃性シート。
項13. 厚みが40〜400μmである、項1〜12のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項14. 前記ガラス繊維布帛の厚み方向における中央部が、前記硬化樹脂組成物層の厚み方向における中央部よりも表面側に位置するようにして、前記硬化樹脂組成物層の両表面側にそれぞれ前記ガラス繊維布帛が配置されている、項1〜13のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項15. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備える防煙垂壁。
項16. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備える防煙シャッター。
項17. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備える間仕切壁。
項18. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備える防煙カーテン。
項19. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備えるタッチパネル。
項1. ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。
項2. 前記2官能(メタ)アクリレートが、炭素数が1〜6のアルキレンジオールのジ(メタ)アクリレートである、項1に記載の透明不燃性シート。
項3. 前記2官能(メタ)アクリレートの分子量が250以下である、項1または2に記載の透明不燃性シート。
項4. 前記2官能(メタ)アクリレートの分子量が、150以上である、項3に記載の透明不燃性シート。
項5. 前記樹脂組成物が、スチレンモノマーを含む、項1〜4のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項6. 前記樹脂組成物が、光硬化性である、項1〜5のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項7. 前記樹脂組成物が、40〜80質量%の前記硬化性樹脂と、10〜40質量%の前記2官能(メタ)アクリレートとを含む、項1〜6のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項8. 前記樹脂組成物が、60〜80質量%の前記硬化性樹脂と、10〜20質量%の前記2官能(メタ)アクリレートとを含む、項1〜6のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項9. 前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜50質量%である、項1〜8のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項10. 前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%である、項1〜8のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項11. 前記硬化樹脂組成物層の上にフィルム層をさらに有する、項1〜10のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項12. 前記硬化樹脂組成物層と前記フィルム層との間に、ガラス繊維網体からなる網体層をさらに有する、項11に記載の透明不燃性シート。
項13. 厚みが40〜400μmである、項1〜12のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項14. 前記ガラス繊維布帛の厚み方向における中央部が、前記硬化樹脂組成物層の厚み方向における中央部よりも表面側に位置するようにして、前記硬化樹脂組成物層の両表面側にそれぞれ前記ガラス繊維布帛が配置されている、項1〜13のいずれかに記載の透明不燃性シート。
項15. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備える防煙垂壁。
項16. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備える防煙シャッター。
項17. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備える間仕切壁。
項18. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備える防煙カーテン。
項19. 項1〜14のいずれかに記載の透明不燃性シートを備えるタッチパネル。
本発明の透明不燃性シートによれば、透明性が高く、ぼやけ及び色にじみが抑制された透明不燃性シートを提供することができる。本発明の透明不燃性シートは、透明性が高いだけでなく、ぼやけ及び色にじみが抑制されているため、防煙垂壁、防煙シャッター、間仕切壁、防煙カーテン、タッチパネルなどとして好適に使用することができる。
本発明の透明不燃性シートは、ガラス繊維布帛と、ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、透明不燃性シートのヘーズが30%以下であることを特徴とする。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」または「メタクリレート」を意味する。
例えば図1に示されるように、本発明の透明不燃性シート1は、ガラス繊維布帛2と、ガラス繊維布帛2に含浸された硬化樹脂組成物層3とを含む積層構造を有する。透明不燃性シート1において、ガラス繊維布帛2は、少なくとも1層含まれていればよく、複数層含まれていてもよい。例えば、図4に示すように、本発明の透明不燃性シート1においては、2枚のガラス繊維布帛2が、それぞれ、硬化樹脂組成物層3の両表面側に位置するように配されていてもよい。
図1において、硬化樹脂組成物層3は、ガラス繊維布帛2を構成している複数のガラス繊維の隙間を埋めており、硬化樹脂組成物層3の一方の表面側部分31と、他方の表面側部分と32とは、当該隙間部分を介して通じている。また、本発明の透明不燃性シート1においては、透明性を高め、ぼやけ及び色にじみを抑制する観点から、例えば図1〜4に示されるように、ガラス繊維布帛2の層の少なくとも一方の面上に当該硬化樹脂組成物層3が形成されていることが好ましく、ガラス繊維布帛2の層の面上に当該硬化樹脂組成物層3が形成されていることがより好ましい。
本発明の透明不燃性シート1において、硬化樹脂組成物層3の上には、例えば図2及び図3に示されるように、透明不燃性シート1の不燃性を高めたり、機械的強度(硬さ)を高めることなどを目的として、必要に応じて、フィルム層4が積層されていてもよい。また、図3に示されるように、硬化樹脂組成物層3とフィルム層4との間には、透明不燃性シート1の機械的強度(硬さ)を高めることなどを目的として、必要に応じて、ガラス繊維からなる網体層5が積層されていてもよい。フィルム層4及び網体層5は、それぞれ、ガラス繊維布帛2の層の一方面側に積層されていてもよいし、図2及び図3のように両面側に積層されていてもよい。以下、本発明の透明不燃性シート1を構成する各層の組成について詳述する。
本発明の透明不燃性シート1において、硬化樹脂組成物層3は、後述のガラス繊維布帛2に含浸されており、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されている。硬化性樹脂としては、2官能(メタ)アクリレートによって架橋され得るものが好ましく、例えば、ビニル基、(メタ)アクリレート基等の不飽和基を有する硬化性樹脂が挙げられる。不飽和基を有する硬化性樹脂の具体例としては、例えば、ビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹脂)、ウレタンアクリレート樹脂、フルオレンアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フルオレンアクリレート樹脂などは、架橋点となる不飽和基を分子鎖の末端に有する硬化性樹脂であり、架橋による硬化収縮が低減される結果、後述のガラス繊維と硬化樹脂組成物との界面の高い連続性が維持されると推測され、ぼやけ及び色にじみが抑制されやすくなる点で特に好ましい。
硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物における硬化性樹脂の割合としては、特に制限されず、例えば40〜80質量%程度が好ましく、ぼやけ抑制の観点から、60〜80質量%程度がより好ましい。なお、樹脂組成物が硬化性樹脂以外の樹脂を含む場合、樹脂組成物中における硬化性樹脂以外の樹脂の割合は、20質量%以下であることが好ましい。
本発明において上記の樹脂組成物に含まれる2官能(メタ)アクリレートは、分子内に2つの(メタ)アクリレート基を有し、紫外線などの光や、熱などのエネルギーを与えると、当該(メタ)アクリレート基によって硬化性樹脂を架橋し、硬化樹脂組成物層3を形成する。
本発明においては、硬化樹脂組成物層3が、硬化性樹脂と2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されていることにより、後述のガラス繊維布帛2に含浸させた際に、透明性が高いだけでなく、ぼやけ及び色にじみが抑制された透明不燃性シートとすることができる。一方、硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物において、2官能(メタ)アクリレートを用いない場合、透明性は高めることができるものの、ぼやけ及び色にじみが大きくなる場合がある。本発明の構成において、2官能(メタ)アクリレートを用いることにより、透明性が高いだけでなく、ぼやけ及び色にじみが抑制された透明不燃性シートとすることができることの機序の詳細は明らかではないが、例えば、次のように考えることができる。すなわち、本発明の透明不燃性シート1においては、硬化樹脂組成物層3が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されているため、2官能(メタ)アクリレートによって硬化性樹脂の経時的な収縮が抑制され、後述のガラス繊維と硬化樹脂組成物との界面の高い連続性が維持され、結果として、このような界面における連続性が低下することに起因するぼやけ及び色にじみが抑制されるものと考えられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、好ましくは炭素数が1〜6のアルキレンジオールのジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これにより、本発明の透明不燃性シート1の透明性を高め、ぼやけ及び色にじみをより効果的に抑制することが可能となる。この理由の詳細は必ずしも明らかではないが、炭素数が1〜6のアルキレンジオールのジ(メタ)アクリレートでは、分子中におけるアルキレンジオール成分の分子鎖が短いことから、ガラス繊維と硬化樹脂組成物との界面において硬化性樹脂をより密に架橋できることに起因すると考えられる。
さらに、2官能(メタ)アクリレートとしては、炭素数が1〜6のアルキレンジオールのジ(メタ)アクリレートであり、かつ、当該アルキレンジオールの炭素鎖が分枝構造を有するものが特に好ましい。これにより、本発明の透明不燃性シート1の透明性を高め、ぼやけ及び色にじみをより効果的に抑制することが可能となる。この理由の詳細は必ずしも明らかではないが、アルキレンジオール成分の分子鎖がより短くなること、及び硬化性樹脂との反応性がより高まることが相俟って、後述のガラス繊維と硬化樹脂組成物との界面の高い連続性が特に効果的に維持されることに起因すると考えられる。
また、同様の観点から、2官能(メタ)アクリレートの分子量は、250以下であることが好ましい。また、2官能(メタ)アクリレートの分子量は、150以上が好ましく、200以上がより好ましい。
2官能(メタ)アクリレートの具体例としては、好ましくは1,3−ブチレングリコールジアクリレート(分子量198)、1,4−ブタンジオールジアクリレート(分子量198)、1,5−ペンタンジオールジアクリレート(分子量212)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(分子量226)、ジエチレングリコールジアクリレート(分子量214)、ジプロピレングリコールジアクリレート(分子量242)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(分子量212)、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(分子量226)、1,4−ブタンジオールジメタクリレート(分子量226)、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート(分子量240)、ジエチレングリコールジメタクリレート(分子量242)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(分子量240)などが挙げられる。これらの中で、アルキレンジオールの炭素鎖が分枝構造を有するものとしては、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートなどが好ましい。2官能(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
2官能(メタ)アクリレートは、硬化性樹脂の存在下において、光、熱などのエネルギーを与えることにより、硬化性樹脂を硬化させる硬化剤として機能する。2官能(メタ)アクリレートは、紫外線などの光が照射されると硬化性樹脂を硬化させる、光硬化剤であることが好ましい。この場合、硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物は、光硬化性である。
樹脂組成物における2官能(メタ)アクリレートの割合としては、特に制限されず、例えば10〜40質量%程度が挙げられ、ぼやけ抑制の観点から10〜20質量%程度が好ましい。
硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物は、屈折率の調整等の観点からスチレンモノマーを含むことができる。スチレンモノマーを含むことにより、樹脂組成物の粘度を調整しやすくなる。樹脂組成物におけるスチレンモノマーの割合としては、特に制限されず、例えば0〜40質量%、好ましくは10〜40質量%程度、より好ましくは15〜30質量%程度が挙げられる。
硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物は、難燃剤、紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤などの添加物をさらに含んでいてもよい。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、トリクロロエチルホスフェート、トリアリルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステルなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどが挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、界面活性剤などが挙げられる。これらの添加剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、透明不燃性シート1を防煙垂壁や防煙シートなどとして使用した際に、視野の妨げとなったり、美観を損ねることを抑制するために、後述のガラス繊維布帛2と硬化樹脂組成物3の屈折率とは、近似するように設定される。このような観点から、硬化樹脂組成物3の屈折率としては、好ましくは1.45〜1.65程度、より好ましくは1.50〜1.60程度が挙げられる。
本発明の透明不燃性シート1において、ガラス繊維布帛2は、複数のガラス繊維により構成されている。ガラス繊維布帛2において、複数のガラス繊維は、互いに絡み合って1枚の布帛を形成している。ガラス繊維布帛2としては、例えば、複数の経糸と複数の緯糸とで構成されるガラス繊維織物(ガラスクロス)が挙げられる。ガラス繊維織物の織組織としては、特に制限されず、例えば、平織、朱子織、綾織、斜子織、畦織などが挙げられる。ガラス繊維織物の織密度は、特に制限されないが、例えば織密度が60本/25mm以上であると、透明不燃性シート1の硬化樹脂組成物が燃焼してしまった場合にも、ガラス繊維布帛2には大きな貫通孔が形成されず、優れた不燃性能が保持されるため好ましい。
ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維のガラス材料としては、特に制限されず、例えば公知のガラス材料を用いることができる。ガラス材料としては、例えば、無アルカリガラス (Eガラス)、耐酸性の含アルカリガラス (Cガラス)、高強度・高弾性率ガラス (Sガラス、Tガラス等)、耐アルカリ性ガラス (ARガラス)等が挙げられ、好ましくは汎用性の高い無アルカリガラス (Eガラス)が挙げられる。ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維は、1種類のガラス材料からなるものであってもよいし、異なるガラス材料からなるガラス繊維を2種類以上組み合わせたものであってもよい。
ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維の番手は、ガラス繊維布帛2を形成できれば、特定のものに制限されない。ガラス繊維の番手としては、織密度を高くする観点から、好ましくは20tex以下が挙げられる。ガラス繊維の番手は、1種類単独であってもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。なお、ガラス繊維のtex番手は、1000m当たりのグラム数に相当している。
ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維としては、ガラス長繊維である単繊維が複数本撚りまとめられたガラスヤーンが好ましい。ガラスヤーンにおける単繊維の本数は、30〜400本程度が好ましく、40〜120本程度がより好ましい。また、ガラスヤーンにおける単繊維の直径は、透明不燃性シート1の色にじみの抑制の観点から3.0〜6.0μm程度が好ましく、3.0〜5.0μm程度がより好ましい。ガラスヤーンの番手は、色にじみの抑制の観点から3〜30texが好ましく、3〜12texがより好ましく、3〜5texがさらに好ましい。ガラス繊維布帛2を構成するガラスヤーンにおける単繊維の直径及びガラスヤーンの番手が上記の範囲内にあることにより、透明不燃性シート1の色にじみが抑制される機序の詳細は明らかではないが、このような条件を充足することにより、ガラスヤーンと硬化樹脂組成物層3との界面における収縮がより効果的に抑制され、結果として、透明不燃性シート1の色にじみが抑制されるものと考えられる。
ガラス繊維布帛2との硬化樹脂組成物層3との接着性を高め、本発明の透明不燃性シート1の耐久性を高める観点からは、ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維の表面は、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。
透明不燃性シート1において、ガラス繊維布帛2の割合(質量%)は、色にじみの抑制の観点から、ガラス繊維布帛2と後述の硬化樹脂組成物層3との合計量中、20〜50質量%が好ましく、20〜28質量%がより好ましい。また、ガラス繊維布帛2の1枚の質量(g/m2)は、10〜120(g/m2)が好ましく、10〜60(g/m2)がより好ましく、10〜40(g/m2)がさらに好ましい。
前述のように、ガラス繊維布帛2は、少なくとも1層含まれていればよく、複数層含まれていてもよい。ここで、ガラス繊維布帛2を複数層含む場合、例えば図4に示されるように、ガラス繊維布帛2の厚み方向における中央部Nが、硬化樹脂組成物層3の厚み方向における中央部Mよりも表面側に位置するようにして、硬化樹脂組成物層3の両表面側(図4の31側及び32側)にそれぞれガラス繊維布帛2が配置されていることが好ましい。このように、2枚のガラス繊維布帛2が、それぞれ、硬化樹脂組成物層3の両表面側(図4の31側及び32側)に位置するように配されていることにより、硬化樹脂組成物層3の中央部分のみにガラス繊維布帛2が配置されている透明不燃性シートに比して、機械的強度(硬さ)をより高めることができ、さらに熱による反りもより効果的に抑制することができる。より具体的には、硬化樹脂組成物層3の表面からガラス繊維布帛2の中央部Nまでの最短距離L1と、硬化樹脂組成物層3の厚みL0とが、以下の式(I)の関係を充足することが好ましい。
0%<L1/L0×100<30% (I)
0%<L1/L0×100<30% (I)
また、ガラス繊維布帛2は、式(I)の関係を充足するように、硬化樹脂組成物層3の両表面側にそれぞれ1枚ずつ含まれることが特に好ましい。さらに、上記L1と上記L0とは、10(%)<L1/L0×100<20(%)を満たすことがより好ましい。
また、ガラス繊維布帛2の厚み方向における中央部Nが、硬化樹脂組成物層3の厚み方向における中央部Mよりも表面側に位置するようにして、硬化樹脂組成物層3の両表面側にそれぞれガラス繊維布帛2が配置されている場合であって、さらに、透明不燃性シート1におけるガラス繊維布帛2の割合を20〜28(質量%)とし、かつ、後述のように、ガラス繊維布帛2の1枚の質量を10〜40(g/m2)とした場合は、透明不燃シート1の変形による色にじみが特に抑制されやすくなることも相俟って、色にじみ抑制効果が特に優れたものとなる。
ガラス繊維布帛2と後述の硬化樹脂組成物3の屈折率の差としては、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.02以下が挙げられる。ガラス繊維布帛2の屈折率としては、好ましくは1.45〜1.65程度、より好ましくは1.50〜1.60程度が挙げられる。
なお、上記ガラス繊維布帛2の屈折率の測定は、JIS K 7142:2008のB法に準じて行う。具体的には、ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維について、浸液としてヨウ化メチレン(nD 231.747)、フタル酸ブチル(nD 231.491)及び炭酸ジメチル(nD 231.366)を用い、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2Tを用い、光源として波長589nmのナトリウムD線を用いて温度23℃で測定を行い、試験数5回の平均値を屈折率の値とする。また、硬化樹脂組成物3の屈折率の測定は、JIS K 7142:2008のB法に準じて行う。具体的には、硬化させた硬化樹脂組成物を粉体化し、浸液としてヨウ化メチレン(nD 231.747)、フタル酸ブチル(nD 231.491)及び炭酸ジメチル(nD 231.366)を用い、顕微鏡として小型測定顕微鏡STM5−311(オリンパス社製、観察倍率400倍)を用い、光源として波長589nmのナトリウムD線を用いて温度23℃で測定を行い、試験数5回の平均値を屈折率の値とする。
ガラス繊維布帛2の厚みとしては、例えば10〜100μm程度が挙げられ、色にじみの抑制の観点から、10〜55μmが好ましく、10〜35μm程度がより好ましい。ガラス繊維布帛2の厚みを10〜35μmとする場合、ガラス繊維布帛2は、下記式(II)にて算出されるガラス体積率が38%以上であることが特に好ましい。10〜35μmの厚みであって、ガラス体積率が38%以上であるガラス繊維布帛2は、例えば、ガラス繊維に開繊処理を施すことにより得られる。
ガラス体積(%)=(A/(B×C))×100 (II)
A:ガラス繊維布帛の質量(g/m2)
B:ガラス繊維布帛を構成するガラス材料の比重(g/m3)
C:ガラス繊維布帛の厚み(m)
A:ガラス繊維布帛の質量(g/m2)
B:ガラス繊維布帛を構成するガラス材料の比重(g/m3)
C:ガラス繊維布帛の厚み(m)
本発明の透明不燃性シート1は、不燃性を高めたり、機械的強度を高めることなどを目的として、必要に応じて、硬化樹脂組成物層3の上にフィルム層4をさらに有していてもよい。フィルム層4を構成する樹脂(樹脂フィルム)としては、特に制限されず、好ましくは塩化ビニル樹脂などの難燃性の合成樹脂などが挙げられる。なお、フィルム層4を構成する樹脂は、樹脂自体が難燃性を有していてもよいし、難燃剤などを配合することにより難燃性を有するものであってもよい。本発明においては、フィルム層4を設けることにより、透明不燃性シート1の耐候性を高めたり、他の物体との接触による損傷を防止したりすることができるので、フィルム層4は、保護層としても機能し得る。本発明の透明不燃性シート1は、両面側にフィルム層4を有することが好ましい。
本発明の透明不燃性シート1がフィルム層4を有する場合、フィルム層4の厚みは、特に制限されず、例えば50〜200μm程度、好ましくは80〜150μm程度が挙げられる。
本発明の透明不燃性シート1は、不燃性を高めたり、機械的強度を高めることなどを目的として、必要に応じて、硬化樹脂組成物層3とフィルム層4との間に、ガラス繊維網体からなる網体層5をさらに有していてもよい。網体層5を構成するガラス繊維網体としては、特に制限されず、例えばガラス繊維布帛2で例示したガラス繊維と同じガラス繊維の網体が例示できる。また、ガラス繊維網体の形状及び構造は、特に限定されず、ガラス繊維網体としては、例えば経糸2本の間に緯糸を挟み込んで樹脂で固定したガラス繊維直交積層ネットなどが挙げられる。網体層5においては、ガラス繊維間の開口幅を好ましくは3〜20mmに設定することにより、透明不燃性シート1の高い透明性を確保することができ、さらに、ガラス繊維間の開口を介して良好に採光でき、透明不燃性シート1全体の強度を高め得る。本発明の透明不燃性シート1は、不燃性を高めたり、機械的強度を高める観点から、両面側に網体層5を有することが好ましい。
本発明の透明不燃性シート1が網体層5を有する場合、網体層5の厚みは、特に制限されず、例えば50〜300μm程度、好ましくは100〜200μm程度が挙げられる。
本発明においては、透明不燃性シート1を防煙垂壁、防煙シート、間仕切壁、防煙カーテン(例えば工場などで使用されるもの)、タッチパネルなどとして使用した際に、視野の妨げとなったり、美観を損ねることを抑制するために、高い透明性を有する。高い透明性を担保する観点から、本発明の透明不燃性シート1の全光線透過率は、80%以上であり、好ましくは85%以上である。また、本発明の透明不燃性シート1のヘーズは、30%以下であり、20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。透明不燃性シート1の全光線透過率及びヘーズは、それぞれ、JIS K7375 2008「プラスチック−全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定して得られた値である。
本発明の透明不燃性シート1においては、硬化樹脂組成物のアッベ数とガラス繊維のアッベ数の差が40以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましい。アッベ数を40以下とするには、ガラス繊維布帛2と硬化樹脂組成物層3の屈折率の差を0.02以下とすることにより容易となる。なお、硬化樹脂組成物、ガラス繊維のアッベ数は、次のように測定する。
(硬化樹脂組成物のアッベ数)
ガラス繊維布帛が含まれていない硬化樹脂組成物のシートを、ガラス繊維布帛を含む場合と同じ条件で同じ厚みとして作製し、試験片を幅8mm、長さ20mmとして表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、下記式(III)に従い、アッベ数を算出する。
アッベ数=(波長589nmの屈折率−1)/分散値 (III)
ガラス繊維布帛が含まれていない硬化樹脂組成物のシートを、ガラス繊維布帛を含む場合と同じ条件で同じ厚みとして作製し、試験片を幅8mm、長さ20mmとして表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、下記式(III)に従い、アッベ数を算出する。
アッベ数=(波長589nmの屈折率−1)/分散値 (III)
(ガラス繊維のアッベ数)
ガラス繊維を構成するガラス材料を用いて、幅8mm、長さ20mm、厚み5mmのガラス板を作製し、表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、上記式(III)に従い、アッベ数を算出する。
ガラス繊維を構成するガラス材料を用いて、幅8mm、長さ20mm、厚み5mmのガラス板を作製し、表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、上記式(III)に従い、アッベ数を算出する。
本発明の透明不燃性シート1は、高い透明性及び高い不燃性を有し、かつ、視野の妨げとなったり、美観を損ねることが効果的に抑制されているため、防煙垂壁、防煙シート、間仕切壁、防煙カーテン、タッチパネルなどとして好適に使用することができる。なお、本発明の透明不燃性シート1の不燃性とは、透明不燃性シート1の表面に、輻射電気ヒータで50kw/m2の輻射熱を照射し、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、加熱開始後20分間に最高発熱速度が10秒以上継続して200kw/m2を超えない程度の不燃性をいう。
本発明の透明不燃性シート1の製造方法としては、特に制限されず、例えば次のような製造方法が挙げられる。まず、上記のガラス繊維布帛2と、硬化樹脂組成物層3を構成する上記の樹脂組成物を準備する。次に、ガラス繊維布帛2に上記の樹脂組成物を塗布して含浸させた後、絞りローラー等を用いて樹脂組成物の厚さと含有率とを調整する。次に、樹脂組成物を加熱等により硬化させて、ガラス繊維布帛2に硬化樹脂組成物層3が含浸された透明不燃性シート1が得られる。また、上記の樹脂組成物を塗布したポリエチレンテレフタレート等のフィルムを準備し、ガラス繊維布帛2の両面から当該フィルムを圧着してガラス繊維布帛2の両面側から樹脂組成物を含浸させ、樹脂組成物を硬化させたのち、フィルムを剥離することにより、ガラス繊維布帛2に硬化樹脂組成物層3が含浸された透明不燃性シート1が得られる。
熱エネルギーの付与によって樹脂組成物を硬化させる場合、加熱温度は、特に制限されず、例えば50〜200℃程度とすることができる。また、光エネルギーの付与によって樹脂組成物を硬化させる場合には、樹脂組成物に光を照射して硬化させる。光照射の条件としては、例えば積算光量100〜500mJ/cm2とすることができる。
本発明の透明不燃性シート1がフィルム層4を有する場合、上記で得られた硬化樹脂組成物層3の上に、フィルム層4を構成する上記の樹脂フィルムを配置した後、プレス機などを用いて加熱加圧することによって、硬化樹脂組成物層3の上にフィルム層4を形成することができる。また、硬化樹脂組成物層3とフィルム層4との間に、ガラス繊維網体からなる網体層6をさらに有する場合には、硬化樹脂組成物層3の上に、例えばウレタン系樹脂などからなる接着剤を塗布した後、この上から網体層6を構成する上記のガラス繊維網体を配置し、さらにガラス繊維網体の上にフィルム層4を構成する上記の樹脂フィルムを配置した後、プレス機などを用いて加熱加圧することによって、硬化樹脂組成物層3の上に、網体層5及びフィルム層4を形成することができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
<実施例1〜10及び比較例1>
ガラス繊維布帛として、表1に記載の市販のガラス繊維布帛(ガラス材料:Eガラス、比重2.54g/cm3)を200mm×200mmに裁断して用いた。なお、表1において、「E03R SK」、「E06C SK」、「E10T」は、それぞれ、ユニチカ株式会社製のEガラス繊維織物の商品名である。Eガラス繊維織物には、有機物を除去するための熱処理と、シランカップリング剤による表面処理が施されている。なお、実施例1〜3で使用したガラス材料は、上記のガラス体積率が39.4%であった。
ガラス繊維布帛として、表1に記載の市販のガラス繊維布帛(ガラス材料:Eガラス、比重2.54g/cm3)を200mm×200mmに裁断して用いた。なお、表1において、「E03R SK」、「E06C SK」、「E10T」は、それぞれ、ユニチカ株式会社製のEガラス繊維織物の商品名である。Eガラス繊維織物には、有機物を除去するための熱処理と、シランカップリング剤による表面処理が施されている。なお、実施例1〜3で使用したガラス材料は、上記のガラス体積率が39.4%であった。
上記のガラス繊維布帛に含浸させる樹脂組成物としては、表1の組成となるようにして、ビニルエステル樹脂(日本ユピカ株式会社製)、スチレンモノマー(日本ユピカ株式会社製)、2官能(メタ)アクリレート、光重合開始剤の混合物を使用した。なお、硬化剤である2官能(メタ)アクリレートとしては、表1に記載のNPGDA(ネオペンチルグリコールジアクリレート、分子量212、(日本ユピカ株式会社製))、分子量が約300のPEGDA(ポリエチレングリコールジアクリレート、(日本ユピカ株式会社製))、分子量が約700のPEGDA(ポリエチレングリコールジアクリレート、(日本ユピカ株式会社製))を用いた。また、光重合開始剤の量は、ビニルエステル樹脂とスチレンモノマーと2官能(メタ)アクリレートの合計100質量部に対して2質量部とした。
まず、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、表1に記載の量(g/m2)の樹脂組成物を塗布した。次に、樹脂組成物の上に、表1に記載の量(g/m2)のガラス繊維布帛を載せ、1分間静置してガラス繊維布帛の隙間に上記の樹脂を含浸させた。次いで、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層を形成した。次に、PETフィルムを除去して、表1に記載の厚みを有する透明不燃性シートを得た。得られた透明不燃性シートにおいて、ガラス繊維布帛のガラス繊維間の隙間には、硬化樹脂組成物層(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布帛の層の両面上には硬化樹脂組成物層が形成されていた。なお、実施例8〜10における2枚のガラス繊維布帛は、前述の式(I)に従って算出される、硬化樹脂組成物層の両表面側のそれぞれの位置に配置した。例えば、表1の実施例8においては、硬化樹脂組成物層の両表面側に2枚のガラス繊維布帛が配置されており、それぞれのガラス繊維布帛において、硬化樹脂組成物層の表面からガラス繊維布帛の中央部Nまでの最短距離L1と、硬化樹脂組成物層の厚みL0とが、共にL1/L0×100=18%であることを示している。
なお、実施例及び比較例において、ガラス繊維織物の織密度は、JIS R 3420 2013 7.9に従い、測定及び算出した。また、ガラス繊維織物の厚みは、JIS R 3420 2013 7.10.1A法に従い、測定及び算出した。ガラス繊維織物の質量は、JIS R 3420 2013 7.2に従い、測定及び算出した。硬化樹脂組成物及びガラス繊維織物の屈折率は、上記の方法で測定及び算出した。以下の評価は、透明不燃性シートの製造後、1週間室内で放置してから行った。
(ガラス繊維布帛の位置)
実施例1〜10及び比較例1で得られた各透明不燃性シートを走査型電子顕微鏡で観察し、前述の式(I)に従って、ガラス繊維布帛の位置(%)を算出した。
実施例1〜10及び比較例1で得られた各透明不燃性シートを走査型電子顕微鏡で観察し、前述の式(I)に従って、ガラス繊維布帛の位置(%)を算出した。
(不燃性の評価)
実施例1〜10及び比較例1で得られた各透明不燃性シートの表面に、輻射電気ヒータで50kw/m2の輻射熱を照射し、加熱開始後20分間の総発熱量と、加熱開始後20分間に発熱量が200kw/m2を超えた時間を測定した。加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、加熱開始後20分間に最高発熱速度が10秒以上継続して200kw/m2を超えない場合に、不燃性に優れる(◎)と評価とした。
実施例1〜10及び比較例1で得られた各透明不燃性シートの表面に、輻射電気ヒータで50kw/m2の輻射熱を照射し、加熱開始後20分間の総発熱量と、加熱開始後20分間に発熱量が200kw/m2を超えた時間を測定した。加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、加熱開始後20分間に最高発熱速度が10秒以上継続して200kw/m2を超えない場合に、不燃性に優れる(◎)と評価とした。
(ぼやけの評価)
千円札を机の上に設置し、千円札から約50cm上方に透明不燃性シートを設置して、透明不燃性シートから10cm上方から、透明不燃性シートを透して千円札を観察し、「千円」、「日本銀行券」、及び通し番号の文字が明瞭に読めるか否かで評価した。評価基準は、以下の通りである。実用性の観点から、本発明においては、2以上を合格とした。結果を表1に示す。
5…「千円」、「日本銀行券」、及び通し番号の文字がいずれも明瞭に読めた。
4…「千円」、「日本銀行券」の文字のみ明瞭に読めた。
3…「千円」の文字のみ明瞭に読めた。
2…「千円」の文字のみ判読可能だが、明瞭には読めなかった。
1…いずれの文字も判読できず、明瞭に読めなかった。
千円札を机の上に設置し、千円札から約50cm上方に透明不燃性シートを設置して、透明不燃性シートから10cm上方から、透明不燃性シートを透して千円札を観察し、「千円」、「日本銀行券」、及び通し番号の文字が明瞭に読めるか否かで評価した。評価基準は、以下の通りである。実用性の観点から、本発明においては、2以上を合格とした。結果を表1に示す。
5…「千円」、「日本銀行券」、及び通し番号の文字がいずれも明瞭に読めた。
4…「千円」、「日本銀行券」の文字のみ明瞭に読めた。
3…「千円」の文字のみ明瞭に読めた。
2…「千円」の文字のみ判読可能だが、明瞭には読めなかった。
1…いずれの文字も判読できず、明瞭に読めなかった。
(色にじみの評価)
各透明不燃性シートを透かして蛍光灯を見て、蛍光灯の周囲の色にじみが目立つか否かで評価した。評価基準は、以下の通りである。実用性の観点から、本発明においては、3以上を合格とした。結果を表1に示す。
5…蛍光灯の周囲の色にじみはほとんど目立たなかった。
4…蛍光灯の周囲の色にじみは薄く見えるが、目立ちにくかった。
3…蛍光灯の周囲の色にじみが見られ、ある程度目立った。
2…蛍光灯の周囲の色にじみがよく目立った。
1…蛍光灯の周囲の色にじみが非常によく目立ち、透明感を損なっていた。
各透明不燃性シートを透かして蛍光灯を見て、蛍光灯の周囲の色にじみが目立つか否かで評価した。評価基準は、以下の通りである。実用性の観点から、本発明においては、3以上を合格とした。結果を表1に示す。
5…蛍光灯の周囲の色にじみはほとんど目立たなかった。
4…蛍光灯の周囲の色にじみは薄く見えるが、目立ちにくかった。
3…蛍光灯の周囲の色にじみが見られ、ある程度目立った。
2…蛍光灯の周囲の色にじみがよく目立った。
1…蛍光灯の周囲の色にじみが非常によく目立ち、透明感を損なっていた。
(全光線透過率及びヘーズ)
各透明不燃性シートの全光線透過率及びヘーズは、JIS K7375 2008「プラスチック−全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定した。
各透明不燃性シートの全光線透過率及びヘーズは、JIS K7375 2008「プラスチック−全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定した。
(透明不燃性シートの硬さ)
5人のパネラーにより、硬さについて官能評価を行った。透明不燃性シートに手で外力を加え、硬いと感じたものから順に5段階評価とし、5人の平均点により評価した。2点以上を合格とした。
5人のパネラーにより、硬さについて官能評価を行った。透明不燃性シートに手で外力を加え、硬いと感じたものから順に5段階評価とし、5人の平均点により評価した。2点以上を合格とした。
(透明不燃性シートの反り)
透明不燃シートを、乾燥機で100℃、3分の条件で熱処理した後、反りを観察し、下記基準により評価した。
◎・・・全く反りが発生しなかった。
○・・・わずかに反りが発生したが、実用上問題ないレベルであった。
△・・・やや反りが大きく、実用上やや問題のあるレベルであった。
×・・・かなり反りが大きく、実用上問題があるレベルであった。
結果を表1に示す。
透明不燃シートを、乾燥機で100℃、3分の条件で熱処理した後、反りを観察し、下記基準により評価した。
◎・・・全く反りが発生しなかった。
○・・・わずかに反りが発生したが、実用上問題ないレベルであった。
△・・・やや反りが大きく、実用上やや問題のあるレベルであった。
×・・・かなり反りが大きく、実用上問題があるレベルであった。
結果を表1に示す。
表1に示されているように、樹脂組成物に2官能(メタ)アクリレートを用いた実施例1〜10では、ぼやけ及び色にじみが抑制され、防煙垂壁などとして好適に使用できることが明らかとなった。特に、2官能(メタ)アクリレートの分子量が250以下である実施例1〜4では、ぼやけの抑制効果が特に優れていた。さらに、2官能(メタ)アクリレートの分子量が250以下であり、かつ、その含有量を20質量%とし、硬化性樹脂の割合を60質量%とした実施例2では、実施例1と比較してぼやけの抑制効果が特に優れていた。また、実施例1及び2と実施例3とを比較すると、繊維径がより小さく、ガラス繊維の質量比率が20〜28質量%の範囲内にある実施例1及び2では、実施例3よりもより色にじみが優れていた。一方、実施例4では、ガラス繊維の繊維径が大きいため、色にじみの抑制効果がやや低かった。また、2官能(メタ)アクリレートの分子量が250よりも大きい実施例5及び6では、ぼやけの抑制効果がやや劣っていた。実施例8では、硬化樹脂組成物層の両表面部分において、上記式(I)を満たす位置にガラス繊維布帛をそれぞれ1枚ずつ含むことから、ぼやけ、色にじみの抑制効果が特に優れ、硬く、反りの発生が全くなかった。一方、2官能(メタ)アクリレートを用いなかった比較例1の透明不燃性シートでは、全光線透過率は優れていたが、ぼやけ及び色にじみが非常に大きく、防煙垂壁などとしては適さないことが明らかとなった。比較例1では、特許文献1の実施例に対応する方法で透明不燃性シートを作製したが、ぼやけ及び色にじみが非常に大きく、防煙垂壁などとしては適さないことが明らかとなった。
1…透明不燃性シート
2…ガラス繊維布帛
3…硬化樹脂組成物層
4…フィルム層
5…網体層
2…ガラス繊維布帛
3…硬化樹脂組成物層
4…フィルム層
5…網体層
Claims (8)
- ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記樹脂組成物が、光硬化性であり、
前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%であり、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。 - ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記樹脂組成物が、40〜80質量%の前記硬化性樹脂と、10〜40質量%の前記2官能(メタ)アクリレートとを含み、
前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%であり、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。 - ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記樹脂組成物が、60〜80質量%の前記硬化性樹脂と、10〜20質量%の前記2官能(メタ)アクリレートとを含み、
前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%であり、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。 - ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%であり、
前記硬化樹脂組成物層の上にフィルム層をさらに有し、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。 - ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%であり、
前記硬化樹脂組成物層の上にフィルム層をさらに有し、
前記硬化樹脂組成物層と前記フィルム層との間に、ガラス繊維網体からなる網体層をさらに有し、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。 - ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%であり、
厚みが40〜400μmであり、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。 - ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記ガラス繊維布帛の厚み方向における中央部が、前記硬化樹脂組成物層の厚み方向における中央部よりも表面側に位置するようにして、前記硬化樹脂組成物層の両表面側にそれぞれ前記ガラス繊維布帛が配置されており、
前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%であり、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シート。 - ガラス繊維布帛と、前記ガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明不燃性シートであって、
前記硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂及び2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、
前記透明不燃性シートにおいて、前記ガラス繊維布帛と前記硬化樹脂組成物層との合計量中の前記ガラス繊維布帛の割合が、20〜28質量%であり、
前記透明不燃性シートの全光線透過率が80%以上であり、
前記透明不燃性シートのヘーズが30%以下である、透明不燃性シートを備えるタッチパネル。
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