JP7357907B2 - シート - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス繊維布とガラス繊維布に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層とを含むシートに関する。
建築基準法及び建築基準法施行令は、建築物の火災時に発生する煙、有毒ガスなどの流動を妨げて、避難及び消火活動が円滑に行えるように、排煙設備を設けることを規定している。従って、オフィスビル、商業施設などの建築物には、排煙設備及び遮煙設備として、防煙垂壁などが設置されることが多い。
防煙垂壁は、火災発生時の煙、有毒ガスなどが廊下や上層階へ流動することを一時的に遮断し、避難に必要な時間を確保することなどを目的として、通常、建築物の天井に取り付けられている。このため、防煙垂壁によって視野が妨げられたり、美観が損なわれたりしないよう、防煙垂壁としては、透明板ガラス、ガラス繊維と樹脂との透明樹脂複合体などが用いられている。ガラス繊維と樹脂との透明樹脂複合体は、透明板ガラスに比して割れにくいという利点を有する。例えば、特許文献1には、ガラス繊維織物と硬化樹脂層とを含む透明不燃性シートが開示されている。
しかしながら、特許文献1の透明不燃性シートは、ガラス繊維織物の質量が大きく、このため透明不燃性シートの透明性が充分でないという問題があった。
また、特許文献2には、臭素を5質量%~20質量%含有し、厚さが100μm~150μmである第1ポリカーボネートシート層と、前記第1ポリカーボネートシート層に積層され、目付が30g/m~80g/mのガラス繊維織物に含浸された、臭素を10質量%~30質量%含有する硬化樹脂組成物を含む硬化樹脂組成物層と、前記硬化樹脂組成物層に積層され、臭素を5質量%~20質量%含有し、厚さが100μm~150μmである第2ポリカーボネートシート層と、を備える積層体からなり、厚さが300μm~400μmである、透明不燃シートが開示されている。また、同文献には、ガラス繊維織物の目付が30g/m~80g/mであること、ガラス繊維織物の目付が少ないと、コーンカロリーメータ試験において透明不燃シートが縮む等の変形が生じて不燃性能を満足しないおそれがあること、目付が多いと、透明不燃シートの透明性に問題が生じるおそれがあることが開示されている。
特開2005-319746号公報 特許第6330810号公報
建築基準法で求められる要件として、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験(コーンカロリーメータ試験)において、加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと、が挙げられる。そして、ガラス繊維布を含む不燃材料の場合、当該試験後のガラス繊維布の変形が大きいと上記要件を満足しないとされる場合がある。
そして、特許文献2に開示されているように、ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物が含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層とを含むシートにおいて、透明性を向上すべく、ガラス繊維織物の質量を例えば30g/m以下と小さいものとすれば、コーンカロリーメータ試験において、樹脂成分が燃焼した後に残るガラス繊維織物の変形が生じやすくなり、上記要件を満足しない、とされる場合があった。
そこで、本発明は、上記問題を解決し、ガラス繊維布の質量を30g/m以下と小さいものとした場合に、コーンカロリーメータ試験においてガラス繊維布が変形することを抑制することができる、シートに関する技術の提供を主な課題とする。
本発明者等が上記課題を解決すべく検討したところ、コーンカロリーメータ試験におけるガラス繊維布の変形は、ガラス繊維布に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層の厚さと、該硬化性樹脂層に積層される熱可塑性樹脂層の厚さと、に依るところが大きいことが判明した。すなわち、ガラス繊維布に直接触れる硬化性樹脂層の厚さが大きい場合、加熱によって溶融した硬化性樹脂の流動に伴うガラス繊維との摩擦力が大きくなり、また、コーンカロリーメータ試験において硬化性樹脂の燃焼に伴って発生するガス量が多くなり、これらが質量の低いガラス繊維布に影響を与え、加熱開始後20分間においてガラス繊維布が変形しやすくなることを突き止めた。また、本発明者等は、上記知見に基づいて単にシートの硬化性樹脂層の厚さを小さいものとしつつ、硬化性樹脂層に積層される熱可塑性樹脂層の厚さを大きくした場合には、当該熱可塑性樹脂層の加熱に伴う収縮力が大きくなり、当該収縮力が、質量の小さいガラス繊維布及びこれに含浸された状態で含まれる厚さの小さい硬化性樹脂層に影響を与える結果、ガラス繊維布が含浸された状態で硬化性樹脂層が変形してしまい、ガラス繊維布も変形してしまう現象が起こり易くなることを知得した。
そこで、本発明者等が鋭意検討したところ、質量が8~30g/mのガラス繊維布と、前記ガラス繊維布に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、前記硬化性樹脂層に積層された熱可塑性樹脂層と、を含むシートにおいて、ガラス繊維布の質量(g/m)と前記硬化性樹脂層の厚さ(μm)との比(硬化性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)を特定の範囲とし、かつ、ガラス繊維布の質量(g/m)と前記熱可塑性樹脂層の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)を特定の範囲とすることにより、ガラス繊維布の質量を30g/m以下と小さいものとした場合に、コーンカロリーメータ試験においてガラス繊維布が変形することを抑制することができることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.質量が8~30g/mのガラス繊維布と、前記ガラス繊維布に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、前記硬化性樹脂層に積層された熱可塑性樹脂層と、を含むシートであって、前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記硬化性樹脂層の厚さ(μm)との比(硬化性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が2.7以下であり、前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記熱可塑性樹脂層の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が6以下である、シート。
項2.前記硬化性樹脂層の1層あたりの厚さが10~90μmであり、前記熱可塑性樹脂層の1層あたりの厚さが25~180μmである、項1に記載のシート。
項3.前記シートの全光線透過率が85%以上、ヘーズが10%以下である、項1又は2に記載のシート。
本発明のシートによれば、質量が8~30g/mのガラス繊維布と、前記ガラス繊維布に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、前記硬化性樹脂層に積層された熱可塑性樹脂層と、を含むシートであって、前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記硬化性樹脂層の厚さ(μm)との比(硬化性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)とが2.7以下であり、前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記熱可塑性樹脂層の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が6以下であることから、ガラス繊維布の質量を30g/m以下と小さいものとした場合に、コーンカロリーメータ試験においてガラス繊維布が変形することを抑制することができる。
本発明のシートの一例を示す略図的断面図である。 本発明のシートの一例を示す略図的断面図である。 本発明のシートの一例を示す略図的断面図である。 本発明の引裂強度の測定方法を説明する略図的平面図である。 一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法を行う際に使用する試験装置の概略を示す図である。 一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法を行う際に使用する試験装置に含まれる試験ホルダー及び押さえ枠の概略図である。図6中に示す数値(寸法)の単位はmmである。
本発明のシートは、質量が8~30g/mのガラス繊維布と、前記ガラス繊維布に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、前記硬化性樹脂層に積層された熱可塑性樹脂層と、を含むシートであって、前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記硬化性樹脂層の厚さ(μm)との比(硬化性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が2.7以下であり、前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記熱可塑性樹脂層の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が6以下であることを特徴とする。
例えば図1~3に示すように、本発明のシート1は、ガラス繊維布2と、ガラス繊維布2に含浸された硬化性樹脂層3と、前記硬化性樹脂層3に積層された熱可塑性樹脂層4と、を含む。シート1において、ガラス繊維布2は、硬化性樹脂層3中に、少なくとも1層含まれていればよく、複数層含まれていてもよい。ここで、本願発明の構成である、「ガラス繊維布の質量(g/m)と前記硬化性樹脂層の厚さ(μm)との比(硬化性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)」、及び「ガラス繊維布の質量(g/m)と前記熱可塑性樹脂層の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)」において、「ガラス繊維布の質量」とは、1層の硬化性樹脂層3に含まれるガラス繊維布2の1枚の質量である。例えば、1層の硬化性樹脂層3中にガラス繊維布2が複数層含まれる場合は、当該複数層のガラス繊維布2のうち、いずれか1枚のガラス繊維布2の質量と、当該複数層のガラス繊維布2が含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3の厚さとの比が2.7以下であればよい。
図1~3において、硬化性樹脂層3は、ガラス繊維布2を構成している複数のガラス繊維の隙間を埋めており、硬化性樹脂層3の一方の表面側部分(硬化性樹脂層3の表面31)と、他方の表面側部分(硬化性樹脂層3の表面32)とは、当該隙間部分を介して通じている。また、本発明のシート1においては、透明性を高める観点から、例えば図1~3に示されるように、ガラス繊維布2の層の少なくとも一方の面上に当該硬化性樹脂層3が形成されていることが好ましく、ガラス繊維布2の層の両面上に当該硬化性樹脂層3が形成されていることがより好ましい。ここで、本願発明の構成である、「硬化性樹脂層の厚さ(μm)」とは、図1~3にL1として示すように、硬化性樹脂層3の一方の表面側部分(硬化性樹脂層3の表面31)と、他方の表面側部分(硬化性樹脂層3の表面32)との最大距離である。また、熱可塑性樹脂層4は、硬化性樹脂層3の少なくとも片面上に含まれていればよく、硬化性樹脂層3の両面上に含まれることがより好ましい。そして、熱可塑性樹脂層4の厚さとは、シート1に含まれる熱可塑性樹脂層4の1枚の厚さであり、当該1枚の熱可塑性樹脂層の厚さと、硬化性樹脂層が含浸されるガラス繊維布2の質量との比が6以下であればよい。
また、図2及び図3に示すように、本発明のシート1は、熱可塑性樹脂層4の少なくとも片面上、好ましくは両面上に、例えば防煙垂壁としての使用時に剥離される、剥離可能なカバー材5を含むことができる。また、図3に例示するように、上記使用時に剥離される剥離可能なカバー材5と熱可塑性樹脂層4との間に、例えば防煙垂壁としての使用時に表面層となるように配置される金属又は金属化合物を含む帯電防止層6を積層してもよい。以下、本発明のシート1を構成する各層の組成について詳述する。
(ガラス繊維布2)
本発明のシート1において、ガラス繊維布2は、複数のガラス繊維により構成されている。ガラス繊維布2において、複数のガラス繊維は、互いに絡み合って1枚の布を形成している。ガラス繊維布2としては、例えば、複数の経糸と複数の緯糸とで構成されるガラス繊維織物(ガラスクロス)が挙げられる。ガラス繊維織物の織組織としては、特に制限されず、例えば、平織、朱子織、綾織、斜子織、畦織などが挙げられる。
ガラス繊維布2を構成するガラス繊維のガラス材料としては、特に制限されず、例えば公知のガラス材料を用いることができる。ガラス材料としては、例えば、無アルカリガラス(Eガラス)、耐酸性の含アルカリガラス(Cガラス)、高強度・高弾性率ガラス(Sガラス、Tガラス等)、耐アルカリ性ガラス(ARガラス)等が挙げられ、好ましくは汎用性の高い無アルカリガラス(Eガラス)が挙げられる。ガラス繊維布2を構成するガラス繊維は、1種類のガラス材料からなるものであってもよいし、異なるガラス材料からなるガラス繊維を2種類以上組み合わせたものであってもよい。また、シート1の透明性をより向上させる観点から、後述する、硬化性樹脂層3の屈折率と近似するガラス材料を選択することが好ましい。
本発明のシート1において、ガラス繊維布2は、1枚あたりの質量が8~30g/mである。このようにガラス繊維布2を質量の低いものとすることにより、シート1の透明性を向上させることができる。上記質量は、シート1の透明性と引裂強度とをより両立させる観点から、10~28g/mが好ましく、10~20g/mがより好ましい。
ガラス繊維布2を構成するガラス繊維の番手は、ガラス繊維布2を形成できれば、特定のものに制限されない。ガラス繊維の番手としては、透明性をより一層向上するという観点から、好ましくは20tex以下が挙げられ、3~6texが好ましく、3~5texがより好ましい。ガラス繊維の番手は、1種類単独であってもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。なお、ガラス繊維のtex番手は、1000m当たりのグラム数に相当している。ガラス繊維布2を構成するガラス繊維としては、ガラス長繊維である単繊維が複数本撚りまとめられたガラスヤーンが好ましい。ガラスヤーンにおける単繊維の本数は、30~400本程度が好ましく、40~120本程度がより好ましい。また、ガラスヤーンにおける単繊維の直径は、シート1の透明性をより一層向上させる観点から3.0~6.0μm程度が好ましく、3.0~5.0μm程度がより好ましい。ガラスヤーンの番手は、シート1の不燃性を向上させつつシート1の透明性をより一層向上させる観点から2~30texが好ましく、2~12texがより好ましく、2~5texがさらに好ましい。ガラス繊維布2の1枚あたりの厚さとしては、シート1の不燃性を向上させつつシート1の透明性をより一層向上させる観点から、例えば8~30μm程度が挙げられ、10~28μmが好ましく挙げられ、10~20μm程度がより好ましく挙げられる。また、ガラス繊維布2をガラス繊維織物とする場合、ガラス繊維織物の織密度としては、例えば、織密度が経緯ともに50~120本/25mmが挙げられ、80~120本/25mmが好ましい。
本発明のシート1は、ガラス繊維布2の質量(g/m)と後述する硬化性樹脂層3の厚さ(μm)との比(硬化性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が2.7以下である。本発明者等は、ガラス繊維布2に直接触れる硬化性樹脂層3の厚さが大きい場合、コーンカロリーメータ試験における加熱によって溶融した硬化性樹脂の流動に伴うガラス繊維との摩擦力が大きくなり、また、コーンカロリーメータ試験において硬化性樹脂の燃焼に伴って発生するガス量が多くなり、これらが質量の低いガラス繊維布に影響を与え、加熱開始後20分間においてガラス繊維布が変形しやすくなることを突き止めた。そこで、本発明のシートにおいては、ガラス繊維布2の質量(g/m)と後述する硬化性樹脂層3の厚さ(μm)との比を2.7以下に設定することにより、上記ガラス繊維布2の変形を抑制することが可能となる。上記比は、コーンカロリーメータ試験における総発熱量をより低いものとする観点から、2以下が好ましい。上記比の下限値としては特に制限されないが、シート1の透明性をより向上させる観点から、0.5以上が好ましく、0.7以上がより好ましい。
本発明のシート1は、ガラス繊維布2の質量(g/m)と後述する熱可塑性樹脂層4の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層4の厚さ/ガラス繊維布2の質量)が6以下である。本発明者等は、単に硬化性樹脂層3の厚さを小さいものとした場合、例えば、硬化性樹脂層3に積層される熱可塑性樹脂層4の厚さが大きい場合には、当該熱可塑性樹脂層4の加熱に伴う収縮力が大きくなり、当該収縮力が、質量の小さいガラス繊維布2及びこれに含浸された状態で含まれる厚さの小さい硬化性樹脂層3に影響を与える結果、ガラス繊維布2が含浸された状態で硬化性樹脂層3が変形してしまい、ガラス繊維布2も変形してしまう現象が起こり易くなることを知得した。そこで、本発明のシート1においては、ガラス繊維布2の質量(g/m)と後述する熱可塑性樹脂層4の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)を6以下に設定することにより、上記ガラス繊維布2の変形を抑制することが可能となる。上記比の下限値としては特に制限されないが、シート1の引裂強度をより優れたものとする観点から、3以上が好ましく、4以上がより好ましい。
シート1の透明性をより向上させる観点から、ガラス繊維布2と後述する硬化性樹脂層3との屈折率の差としては、0.02以下が好ましく、0.01以下がより好ましく、0.005以下がさらに好ましい。ガラス繊維布2の屈折率としては、好ましくは1.45~1.65程度、より好ましくは1.50~1.60程度が挙げられる。なお、上記ガラス繊維布2の屈折率の測定は、JIS K 7142:2008のB法に準じて行う。具体的には、まず、ガラス繊維布を構成するガラス繊維を、光学顕微鏡を用いて倍率400倍で観察したときにベッケ線が観察できる程度に粉砕する。そして、光源としてハロゲンランプにD線用の干渉フィルターを設けたものを用い、光学顕微鏡を用いて、倍率400倍、温度23℃の条件で観察、測定し、試験数3回の平均値を屈折率の値とする。また、硬化性樹脂層3の屈折率の測定は、JIS K 7142:2008のB法に準じて行う。具体的には、硬化性樹脂層3を、光学顕微鏡を用いて倍率400倍で観察したときにベッケ線が観察できる程度に粉砕する。そして、光源としてハロゲンランプにD線用の干渉フィルターを設けたものを用い、光学顕微鏡を用いて、倍率400倍、温度23℃の条件で観察、測定し、試験数3回の平均値を屈折率の値とする。
(硬化性樹脂層3)
本発明のシート1は、ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3を含む。本発明のシート1において、硬化性樹脂層3は、ガラス繊維布2に含浸されており、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成されている。具体的には、硬化性樹脂層3は、硬化性樹脂を含む樹脂組成物に対して、光、熱などのエネルギーを与えることによって樹脂組成物が硬化した硬化物により形成されている。
硬化性樹脂層を形成する硬化性樹脂としては、シート1の透明性をより一層向上させる観点から、硬化性樹脂3と前述したガラス繊維布2の屈折率とを近似させることができるものが好ましい。好ましい硬化性樹脂としては光硬化性となるものが好ましく、例えば、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フルオレンアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、熱可塑性樹脂層4との接着性をより向上させるという観点から、アクリルシラップを含む樹脂組成物を硬化したものが特に好ましい。本発明において、アクリルシラップとは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの(メタ)アクリル酸エステルポリマーをメタクリル酸メチルなどのアクリル単量体に溶解した重合性液状混合物をいう。上記アクリルシラップの中でも、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体、及びメタクリル酸メチル/アクリル酸ノルマルブチル共重合体からなる群より選ばれる1種以上のアクリル酸エステルポリマーをメタクリル酸メチル単量体に溶解したアクリルシラップが特に好ましい。このように、硬化性樹脂層3を、アクリルシラップを含む樹脂組成物を硬化したものとする場合、熱可塑性樹脂層4との密着性がより向上するため、シート1の高温多湿環境下使用前後の透明性がより一層向上するので好ましい。なお、硬化性樹脂層3は、熱可塑性を有していないものとすることが好ましい。
また、硬化性樹脂層3は、コーンカロリーメータ試験において、加熱開始20分間に最高発熱速度が10秒以上継続して200kw/mをより越えないものとしつつ、加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がより一層発生しにくくする観点から、テトラブロモビスフェノールAを含有することがより好ましい。具体的に、ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3にリンを含有させた場合、上記試験において硬化性樹脂層3の膨れが生じる場合があり、これに伴いガラス繊維布2が変形しやすくなる場合がある。一方、硬化性樹脂層3にテトラブロモビスフェノールAを含有させた場合は、上記膨れの発生が抑制され、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がより一層発生しにくくなる。
硬化性樹脂層3をテトラブロモビスフェノールAを含有するものとした場合の、硬化性樹脂層3の臭素濃度としては、本発明のシート1の上記膨れの発生をより抑制しつつ、透明性をより優れたものとする観点から、5~30質量%が好ましく、5~26質量%がより好ましく、8~20質量%がさらに好ましく、10~16.7質量%がより一層好ましい。本発明において、上記臭素濃度は、EDS分析により測定されるものである。具体的には、図1~図3に例示するような、シート1の厚さ方向の切断面を測定面とし、試料厚さ(すなわち、シート1の縦方向または横方向の長さ)が1cmとなるようにしたものを測定試料とし、装置として日本電子株式会社製商品名JSM-6390Aにて、測定する層の厚さ方向の中心付近にて任意に1点測定し、その値を各層の臭素濃度とする。
また、硬化性樹脂層3を構成する樹脂組成物は、硬化促進剤、紫外線吸収剤、充填剤、光重合開始剤などの添加物をさらに含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどが挙げられる。光重合開始剤としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2,4,6,-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。中でも、硬化性樹脂層3を形成する硬化性樹脂として硬化性アクリル樹脂を用いる場合は、透明性向上の観点から、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンが好ましい。これらの添加剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のシート1において、硬化性樹脂層3の1層あたりの質量(ガラス繊維織物2を除く質量)としては、例えば、10~90g/mが挙げられる。また、硬化性樹脂層3の1層あたりの厚さとしては、例えば、10~90μmが挙げられる。本発明のシート1において、硬化性樹脂層3の屈折率としては、好ましくは1.50~1.58程度、より好ましくは1.53~1.57程度が挙げられる。
(熱可塑性樹脂層4)
本発明のシート1において、熱可塑性樹脂層4は、硬化性樹脂層3に積層されて含まれ、シート1の引裂強度をより向上させる役割を果たす。熱可塑性樹脂層4は、第1の硬化性樹脂層3よりも外側に1層ずつ含まれていることが好ましい。
熱可塑性樹脂層4を構成する素材としては、特に制限されないが、ポリ塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。ポリ塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、可塑剤の量が少なくてもフィルム化が可能なものが挙げられ、ポリ塩化ビニル樹脂以外の非晶性の熱可塑性樹脂を含む2軸延伸フィルムが好ましく挙げられる。ポリ塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィンフィルム及びポリアミド樹脂が挙げられ、これらを少なくとも1種以上含むものとすることもできる。また、熱可塑性樹脂層4は、ポリ塩化ビニル樹脂を含まないものとすることもできる。中でも、シート1を、コーンカロリーメータ試験において、加熱開始20分間に最高発熱速度が10秒以上継続して200kw/mをより越えないものとしつつ、総発熱量をより低いものとする観点から、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂又はポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂がより好ましい。また、シート1の透明性をより向上させる観点から、熱可塑性樹脂層4は、臭素濃度が5質量%未満、より好ましくは4.4質量%以下とすることができる。
熱可塑性樹脂層4の1層あたりの厚さとしては、25~180μmが好ましく、40~120μmがより好ましい。また、熱可塑性樹脂層4の1層あたりの質量としては、30~210g/mが好ましく、50~144g/mがより好ましい。
(その他の層)
本発明のシート1は、ガラス繊維布2、硬化性樹脂層3及び熱可塑性樹脂層4以外の他の層を含むことができる。当該他の層としては、防煙垂壁としての使用時に剥離される、剥離可能なカバー材5や、防煙垂壁としての使用時に表面層となるように配置される金属又は金属化合物を含む帯電防止層6が挙げられる。
(シート1の物性、性能)
本発明のシート1(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を備える場合は剥離後のシート)の厚さとしては、例えば、100~300μm、好ましくは200~280μmが挙げられる。また、本発明のシート1(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を備える場合は剥離後のシート)の質量として、例えば、100~400g/mが挙げられ、200~350g/mが好ましく挙げられる。また、本発明のシート1において、硬化性樹脂層3の合計質量と熱可塑性樹脂層4の合計質量との合計が150~350g/m、より好ましくは200~320g/mであると、コーンカロリーメータ試験において、加熱開始20分間に最高発熱速度が10秒以上継続して200kw/mをより越えないものとしつつ、総発熱量をより低いものしやすくなるので好ましい。また、硬化性樹脂層3の1層あたりの厚さと、熱可塑性樹脂層4の1層あたりの厚さとの比(熱可塑性樹脂層4の厚さ/硬化性樹脂層3の厚さ)としては、ガラス繊維布の質量を30g/m以下と小さいものとした場合に、コーンカロリーメータ試験においてガラス繊維布が変形することを抑制することと、コーンカロリーメータ試験において、加熱開始20分間に最高発熱速度が10秒以上継続して200kw/mをより越えないものとしつつ、総発熱量をより低いものしやすくすることと、をより両立させる観点から、1.5~8.0が好ましく、3.0~8.0がより好ましい。
また、本発明のシート1は、ガラス繊維布2の屈折率と、硬化性樹脂層3の屈折率とが近似したものとする等おこなうことにより、透明性により優れたものとすることができる。本発明のシート1(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を備える場合は剥離後のシート)が備えるより好ましい透明性の指標として、全光線透過率が85%以上が挙げられ、90%以上がより好ましく挙げられる。また、本発明のシート1(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を備える場合は剥離後のシート)が備えるより好ましい透明性の指標として、ヘーズが10%以下が挙げられ、5%以下が挙げられる。なお、本発明において、上記全光線透過率及びヘーズは、JIS K 7105:1981に準じて測定される。
本発明のシート1においては、熱可塑性樹脂層4を設けていることから、引裂強度を高いものとし得る。高い引裂強度を担保する観点から、シート1(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を備える場合は剥離後のシート)の引裂強度は、30~100(N)が好ましく、40~100(N)がより好ましく、50~100(N)が特に好ましい。本発明において、引裂強度は、次のように測定、算出される。
(試験方法)
JIS R 3420:2013の7.16のC法(トラペゾイド法)に準じ、シートから75mm×150mmの試験片をたて方向、よこ方向にそれぞれ採取し、直角を含む2つの台形部(図4に例示する台形A部に相当)それぞれに裏表両面に滑り止めのためのテープ(積水化学株式会社製商品名600S)を貼付し、切れ目は入れずに、定速荷重型引張試験機(株式会社オリエンテック製商品名RTC-1310A)を用いておこない、最大荷重を測定し、たて方向最大荷重及びよこ方向最大荷重の平均値(=(たて方向最大荷重(N)+よこ方向最大荷重(N))/2)を引裂強度(N)とする。
本発明のシート1は、シート1(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を備える場合は剥離後のシート)が、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における「4.10.2 発熱性試験・評価方法」に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、総発熱量が8MJ/m以下であることが好ましい。さらに、本発明のシート1は、シート1(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を備える場合は剥離後のシート)が、上記発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えないことが好ましい。
なお、本発明において、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における「4.10.2 発熱性試験・評価方法」に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験における、総発熱量(MJ/m)及び加熱開始後の最大発熱速度が200kW/mを超える時間(S)は、具体的には、以下に示す試験体、試験装置及び試験条件に記載の内容に従って行われる。
[試験体]
(1)試験体(シート)の個数は3個とする。
(2)試験体の形状及び寸法は、1辺の大きさが99mm±1mmの正方形とする。
[試験装置]
(1)使用する試験装置の概略図を図7に示す。試験装置は、円錐状に形作られた輻射電気ヒーター、点火用プラグ、輻射熱遮蔽板、試験体ホルダー、ガス濃度分析装置及びガス流量の測定のできる排気システム、熱流計等で構成される。
(2)輻射電気ヒーターは、50kW/mの輻射熱を試験体表面に均一な照射が安定してできるものとする。
(3)輻射熱遮蔽板は、試験開始前の輻射熱から試験体を保護できるものとする。
(4)試験装置に含まれる試験ホルダー及び押さえ枠の概略図を図8に示す。試験体ホルダーは、外寸で1辺106mm±1mmの正方形で、深さが25mm±1mmの大きさで、厚さが2.15mm±0.25mmのステンレス鋼製で、上部には1辺94.0mm±0.5mmの正方形の開口を中央部に設けるものとする。押さえ枠は、内寸で1辺111mm±1mmの正方形で、深さが54mm±1mmのステンレス鋼製とする。
(5)排気システムは、試験温度で有効に機能する遠心式排気ファン、フード、通風口、排気ダクト、オリフィスプレート流量メータ等を備えているものとする。フード下端部と試験体表面との距離は、210mm±50mmとし、その状態での排気システムの排気装置は、標準温度と標準圧力に換算した流量が0.024m/s以上であることとする。排気流量の測定のために、内径57mm±3mmのオリフィスをフードとダクトの間に設ける。排気ガス採取を目的として、12個の直径2.2mm±0.1mmの穴のあるリングサンプラーをフードから685mm±15mmの位置に、穴が流れと反対の方向に向くように取り付ける。又、排気ガスの温度を、オリフィスから上流100mm±5mmの位置の排気ダクトの中心部で測定する。オリフィスは、流量の測定に影響を及ぼさない位置に設置する。
(6)ガス分析装置は、排気ガス中の酸素、一酸化炭素、二酸化炭素の濃度を連続的に正確に測定できるものとする。
(7)点火用プラグは、10kVの変圧器あるいは誘導式コイルシステム等から電力を供給できるものとする。スパークの電極間距離は、3mm±0.5mmとし、電極の位置を原則として試験体の中心軸上13mm±2mmとする。
(8)熱流計は、100kW/m±10kW/mまで測定可能なシュミット・ボルダー型を用いる。熱流計の熱感知部は、直径12.5mmの円形で、表面の輻射率は0.95±0.05であるものとする。
[試験条件]
(1) 試験時間は、試験体表面に輻射熱が照射され、同時に電気スパークが作動してから、20分とする。ただし、明らかに燃焼が持続しなくなった時には、測定を終了することができるものとする。
(2) 試験体は、側面と裏面を厚さ0.025mm以上、0.04mm以下のアルミニウムはくで包んで押さえ枠に入れ、さらに裏面側に無機繊維(公称厚さ13mm、密度65kg/m)を充填してから、試験体ホルダーに押し込むものとする。
(3) 試験中は、輻射電気ヒーターから試験体の表面に50kW/mの輻射熱を照射する。
(4) 排気ガス流量を0.024m/s±0.002m/sに調節する。
(5) 試験開始までは、輻射熱遮蔽板によって、試験体が輻射熱を受けないようにする。
(6) 輻射熱遮蔽板を移動する前に、点火用プラグを所定の位置に設定する。
[測定]
(1) 酸素、一酸化炭素及び二酸化炭素の濃度を5秒以内の間隔で測定する。
(2) 以下に示す手法で、単位面積当たりの発熱速度(kW/m)を算出し、更に単位面積当たりの総発熱量(MJ/m)を加熱開始から終了までの時間の発熱速度を累積することにより算出する。
発熱速度(q)は、次の式に従って算出する。
ここで、
298=C(Δp・Te)1/2/350(:25℃におけるダクト内流量)
E=17.2×10kJ/m
O2:1分間のベースライン測定による酸素濃度の平均値
O2:酸素濃度の実測値
単位面積当たりの発熱速度(q”)は、
q”=q/As
ここで、
As:試験体の初期の暴露面積(0.0088m)。
C(オリフィス係数)は、規定の排気流速の下で、本測定で発熱速度がq=5kW±0.5kWに相当する流量のメタンを燃焼させた際の酸素濃度(XO2)及び差圧(△p)から次の式で計算する。
C=q/(△hc/ro×1.10)(Te/△p)1/2(1.105-1.5XO2)/(0.2095-XO2
ここで、
:供給されるメタンの発熱速度
△hc/ro:メタンの場合は12.54×10kJ/kg
Te:排気ダクト内のガス温度(2方向ピトー管の付近で計測した値)
(本発明のシートの製造方法)
本発明のシート1の製造方法としては、特に制限されず、例えば次のような製造方法が挙げられる。まず、上記のガラス繊維布2と、硬化性樹脂層3を構成する上記の未硬化の硬化性樹脂組成物を準備する。該硬化性樹脂組成物を熱可塑性樹脂層4とするフィルム(例えばポリエステルフィルム等)に塗布し、該硬化性樹脂組成物の上にガラス繊維布2を載せてガラス繊維布2に硬化性樹脂組成物を含浸させ、さらに、熱可塑性樹脂層4とするフィルムをもう1枚ガラス繊維布2に載せ、当該2枚のフィルムそれぞれの表面から圧力を加え、ガラス繊維布2に硬化性樹脂組成物をさらに含浸させ、硬化性樹脂組成物を加熱や光照射により硬化させて、ガラス繊維布2に硬化性樹脂層3が含浸され、該硬化性樹脂層3に熱可塑性樹脂層4が積層された、シート1(熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3/熱可塑性樹脂層4の順で積層されたシート1)が得られる。
熱エネルギーの付与によって樹脂組成物を硬化させる場合、加熱温度は、特に制限されず、例えば50~200℃程度とすることができる。また、光エネルギーの付与によって樹脂組成物を硬化させる場合には、樹脂組成物に光を照射して硬化させる。光照射の条件としては、例えば積算光量100~500mJ/cmとすることができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
上記のガラス繊維布2に含浸させる、硬化性樹脂層3を構成する樹脂組成物としては、表1の組成となるようにして、アクリルシラップ(株式会社菱晃製商品名「アクリシラップXY1087」(屈折率1.520)、「アクリシラップXY1088」(屈折率1.540)、テトラブロモビスフェノールA(TBBA、東ソー株式会社製商品名「フレームカット120G」及び光重合開始剤(IGM社製Omnirad 184)の混合物(質量比(アクリシラップXY1087:アクリシラップXY1088:TBBA:光重合開始剤)=34:42:24:3)を使用した。熱可塑性樹脂層4としては、二軸延伸ポリカーボネートフィルム(三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000、厚さ100μm、125μm、150μmの3種)を使用した。使用時に剥離される剥離可能なカバー材としては、ポリプロピレンフィルム(厚さ40μm、質量36g/m)の一方の面上に熱可塑性樹脂層4に対し剥離可能に接着させるアクリル酸エステル系粘着剤を塗布したものを使用した。
(実施例1)
(ガラス繊維布2の製造)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECBC2250 1/0 0.5Z」(平均フィラメント径4.1μm、平均フィラメント本数68本、撚り数0.5Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が96本/25mm、緯糸密度が96本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を2回施し、ガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度96本/25mm、緯糸密度96本/25mm、厚さ15μm、質量17g/m、屈折率1.561であった。
(熱可塑性樹脂層への剥離可能なカバー材の積層)
前述した、熱可塑性樹脂層4とする三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000(質量120g/m、厚さ100μm)の上に、前述した使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とするポリプロピレンフィルムの一方の面上にアクリル酸エステル系粘着剤を付与したものを、当該粘着剤が熱可塑性樹脂層4側となるように積層し、乾燥させて、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/アクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4である積層体Aを得た。該積層体Aは2枚用意した。
(シートの製造)
上記得られた積層体A1枚の熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)に、硬化性樹脂層3とする表1に記載の硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、硬化性樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、上記得られた積層体Aのうち、もう一方を、該積層体Aの熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)が硬化性樹脂層3側となるように載せ、当該積層体Aの上からローラで硬化性樹脂層3の質量が27g/mとなるように加圧した。その後、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を積層したまま、硬化性樹脂層3とする硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化性樹脂層3を形成し、図2に例示する積層構造(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹層3/熱可塑性樹脂層4//カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/使用時に剥離される剥離可能なカバー材5)であるシートを得た。得られたシートにおいて、ガラス繊維布のガラス繊維間の隙間には、硬化性樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布の層の両面上には硬化性樹脂層3が形成されていた。
(実施例2)
(ガラス繊維布2の製造)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECBC2250 1/0 0.5Z」(平均フィラメント径4.1μm、平均フィラメント本数68本、撚り数0.5Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が96本/25mm、緯糸密度が96本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を2回施し、ガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度96本/25mm、緯糸密度96本/25mm、厚さ15μm、質量17g/m、屈折率1.561であった。
(熱可塑性樹脂層への剥離可能なカバー材の積層)
前述した、熱可塑性樹脂層4とする三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000(質量120g/m、厚さ100μm)の上に、前述した使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とするポリプロピレンフィルムの一方の面上にアクリル酸エステル系粘着剤を付与したものを、当該粘着剤が熱可塑性樹脂層4側となるように積層し、乾燥させて、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/アクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4である積層体Aを得た。該積層体Aは2枚用意した。
(シートの製造)
上記得られた積層体A1枚の熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)に、硬化性樹脂層3とする表1に記載の硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、硬化性樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、上記得られた積層体Aのうち、もう一方を、該積層体Aの熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)が硬化性樹脂層3側となるように載せ、当該積層体Aの上からローラで硬化性樹脂層3の質量が38g/mとなるように加圧した。その後、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を積層したまま、硬化性樹脂層3とする硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化性樹脂層3を形成し、図2に例示する積層構造(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹層3/熱可塑性樹脂層4//カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/使用時に剥離される剥離可能なカバー材5)であるシートを得た。得られたシートにおいて、ガラス繊維布のガラス繊維間の隙間には、硬化性樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布の層の両面上には硬化性樹脂層3が形成されていた。
(実施例3)
(ガラス繊維布2の製造)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECBC2250 1/0 0.5Z」(平均フィラメント径4.1μm、平均フィラメント本数68本、撚り数0.5Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が96本/25mm、緯糸密度が96本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を2回施し、ガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度96本/25mm、緯糸密度96本/25mm、厚さ15μm、質量17g/m、屈折率1.561であった。
(熱可塑性樹脂層への剥離可能なカバー材の積層)
前述した、熱可塑性樹脂層4とする三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000(質量120g/m、厚さ100μm)の上に、前述した使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とするポリプロピレンフィルムの一方の面上にアクリル酸エステル系粘着剤を付与したものを、当該粘着剤が熱可塑性樹脂層4側となるように積層し、乾燥させて、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/アクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4である積層体Aを得た。該積層体Aは2枚用意した。
(シートの製造)
上記得られた積層体A1枚の熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)に、硬化性樹脂層3とする表1に記載の硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、硬化性樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、上記得られた積層体Aのうち、もう一方を、該積層体Aの熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)が硬化性樹脂層3側となるように載せ、当該積層体Aの上からローラで硬化性樹脂層3の質量が50g/mとなるように加圧した。その後、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を積層したまま、硬化性樹脂層3とする硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化性樹脂層3を形成し、図2に例示する積層構造(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹層3/熱可塑性樹脂層4//カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/使用時に剥離される剥離可能なカバー材5)であるシートを得た。得られたシートにおいて、ガラス繊維布のガラス繊維間の隙間には、硬化性樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布の層の両面上には硬化性樹脂層3が形成されていた。
(実施例4)
(ガラス繊維布2の製造)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECC1200 1/0 1Z」(平均フィラメント径4.5μm、平均フィラメント本数100本、撚り数1.0Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が90本/25mm、緯糸密度が90本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を2回施し、ガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度90本/25mm、緯糸密度90本/25mm、厚さ27μm、質量24g/m、屈折率1.561であった。
(熱可塑性樹脂層への剥離可能なカバー材の積層)
前述した、熱可塑性樹脂層4とする三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000(質量120g/m、厚さ100μm)の上に、前述した使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とするポリプロピレンフィルムの一方の面上にアクリル酸エステル系粘着剤を付与したものを、当該粘着剤が熱可塑性樹脂層4側となるように積層し、乾燥させて、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/アクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4である積層体Aを得た。該積層体Aは2枚用意した。
(シートの製造)
上記得られた積層体A1枚の熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)に、硬化性樹脂層3とする表1に記載の硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、硬化性樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、上記得られた積層体Aのうち、もう一方を、該積層体Aの熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)が硬化性樹脂層3側となるように載せ、当該積層体Aの上からローラで硬化性樹脂層3の質量が47g/mとなるように加圧した。その後、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を積層したまま、硬化性樹脂層3とする硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化性樹脂層3を形成し、図2に例示する積層構造(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹層3/熱可塑性樹脂層4//カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/使用時に剥離される剥離可能なカバー材5)であるシートを得た。得られたシートにおいて、ガラス繊維布のガラス繊維間の隙間には、硬化性樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布の層の両面上には硬化性樹脂層3が形成されていた。
(実施例5)
(ガラス繊維布2の製造)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECC1200 1/0 1Z」(平均フィラメント径4.5μm、平均フィラメント本数100本、撚り数1.0Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が90本/25mm、緯糸密度が90本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を2回施し、ガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度90本/25mm、緯糸密度90本/25mm、厚さ27μm、質量24g/m、屈折率1.561であった。
(熱可塑性樹脂層への剥離可能なカバー材の積層)
前述した、熱可塑性樹脂層4とする三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000(質量120g/m、厚さ100μm)の上に、前述した使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とするポリプロピレンフィルムの一方の面上にアクリル酸エステル系粘着剤を付与したものを、当該粘着剤が熱可塑性樹脂層4側となるように積層し、乾燥させて、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/アクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4である積層体Aを得た。該積層体Aは2枚用意した。
(シートの製造)
上記得られた積層体A1枚の熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)に、硬化性樹脂層3とする表1に記載の硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、硬化性樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、上記得られた積層体Aのうち、もう一方を、該積層体Aの熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)が硬化性樹脂層3側となるように載せ、当該積層体Aの上からローラで硬化性樹脂層3の質量が70g/mとなるように加圧した。その後、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を積層したまま、硬化性樹脂層3とする硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化性樹脂層3を形成し、図2に例示する積層構造(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹層3/熱可塑性樹脂層4//カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/使用時に剥離される剥離可能なカバー材5)であるシートを得た。得られたシートにおいて、ガラス繊維布のガラス繊維間の隙間には、硬化性樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布の層の両面上には硬化性樹脂層3が形成されていた。
(実施例6)
(ガラス繊維布2の製造)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECBC2250 1/0 0.5Z」(平均フィラメント径4.1μm、平均フィラメント本数68本、撚り数0.5Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が96本/25mm、緯糸密度が96本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を2回施し、ガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度96本/25mm、緯糸密度96本/25mm、厚さ15μm、質量17g/m、屈折率1.561であった。
(熱可塑性樹脂層への剥離可能なカバー材の積層)
前述した、熱可塑性樹脂層4とする三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000(質量120g/m、厚さ100μm)の上に、前述した使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とするポリプロピレンフィルムの一方の面上にアクリル酸エステル系粘着剤を付与したものを、当該粘着剤が熱可塑性樹脂層4側となるように積層し、乾燥させて、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/アクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4である積層体Aを得た。該積層体Aは2枚用意した。
(シートの製造)
上記得られた積層体A1枚の熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)に、硬化性樹脂層3とする表1に記載の硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、硬化性樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、上記得られた積層体Aのうち、もう一方を、該積層体Aの熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)が硬化性樹脂層3側となるように載せ、当該積層体Aの上からローラで硬化性樹脂層3の質量が15g/mとなるように加圧した。その後、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を積層したまま、硬化性樹脂層3とする硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化性樹脂層3を形成し、図2に例示する積層構造(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹層3/熱可塑性樹脂層4//カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/使用時に剥離される剥離可能なカバー材5)であるシートを得た。得られたシートにおいて、ガラス繊維布のガラス繊維間の隙間には、硬化性樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布の層の両面上には硬化性樹脂層3が形成されていた。
(比較例1)
(ガラス繊維布2の製造)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECBC2250 1/0 0.5Z」(平均フィラメント径4.1μm、平均フィラメント本数68本、撚り数0.5Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が96本/25mm、緯糸密度が96本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を2回施し、ガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度96本/25mm、緯糸密度96本/25mm、厚さ15μm、質量17g/m、屈折率1.561であった。
(熱可塑性樹脂層への剥離可能なカバー材の積層)
前述した、熱可塑性樹脂層4とする三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000(質量120g/m、厚さ100μm)の上に、前述した使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とするポリプロピレンフィルムの一方の面上にアクリル酸エステル系粘着剤を付与したものを、当該粘着剤が熱可塑性樹脂層4側となるように積層し、乾燥させて、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/アクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4である積層体Aを得た。該積層体Aは2枚用意した。
(シートの製造)
上記得られた積層体A1枚の熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)に、硬化性樹脂層3とする表1に記載の硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、硬化性樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、上記得られた積層体Aのうち、もう一方を、該積層体Aの熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)が硬化性樹脂層3側となるように載せ、当該積層体Aの上からローラで硬化性樹脂層3の質量が61g/mとなるように加圧した。その後、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を積層したまま、硬化性樹脂層3とする硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化性樹脂層3を形成し、図2に例示する積層構造(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹層3/熱可塑性樹脂層4//カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/使用時に剥離される剥離可能なカバー材5)であるシートを得た。得られたシートにおいて、ガラス繊維布のガラス繊維間の隙間には、硬化性樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布の層の両面上には硬化性樹脂層3が形成されていた。
(比較例2)
(ガラス繊維布2の製造)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECBC2250 1/0 0.5Z」(平均フィラメント径4.1μm、平均フィラメント本数68本、撚り数0.5Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が96本/25mm、緯糸密度が96本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を2回施し、ガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度96本/25mm、緯糸密度96本/25mm、厚さ15μm、質量17g/m、屈折率1.561であった。
(熱可塑性樹脂層への剥離可能なカバー材の積層)
前述した、熱可塑性樹脂層4とする三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000(質量150g/m、厚さ125μm)の上に、前述した使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とするポリプロピレンフィルムの一方の面上にアクリル酸エステル系粘着剤を付与したものを、当該粘着剤が熱可塑性樹脂層4側となるように積層し、乾燥させて、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/アクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4である積層体Aを得た。該積層体Aは2枚用意した。
(シートの製造)
上記得られた積層体A1枚の熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)に、硬化性樹脂層3とする表1に記載の硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、硬化性樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、上記得られた積層体Aのうち、もう一方を、該積層体Aの熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)が硬化性樹脂層3側となるように載せ、当該積層体Aの上からローラで硬化性樹脂層3の質量が15g/mとなるように加圧した。その後、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を積層したまま、硬化性樹脂層3とする硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化性樹脂層3を形成し、図2に例示する積層構造(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹層3/熱可塑性樹脂層4//カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/使用時に剥離される剥離可能なカバー材5)であるシートを得た。得られたシートにおいて、ガラス繊維布のガラス繊維間の隙間には、硬化性樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布の層の両面上には硬化性樹脂層3が形成されていた。
(比較例3)
(ガラス繊維布2の製造)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECBC2250 1/0 0.5Z」(平均フィラメント径4.1μm、平均フィラメント本数68本、撚り数0.5Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が96本/25mm、緯糸密度が96本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を2回施し、ガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度96本/25mm、緯糸密度96本/25mm、厚さ15μm、質量17g/m、屈折率1.561であった。
(熱可塑性樹脂層への剥離可能なカバー材の積層)
前述した、熱可塑性樹脂層4とする三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン・フィルムFE-2000(質量180g/m、厚さ150μm)の上に、前述した使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とするポリプロピレンフィルムの一方の面上にアクリル酸エステル系粘着剤を付与したものを、当該粘着剤が熱可塑性樹脂層4側となるように積層し、乾燥させて、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/アクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4である積層体Aを得た。該積層体Aは2枚用意した。
(シートの製造)
上記得られた積層体A1枚の熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)に、硬化性樹脂層3とする表1に記載の硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、硬化性樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、上記得られた積層体Aのうち、もう一方を、該積層体Aの熱可塑性樹脂層4側(すなわち、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5とは反対面側)が硬化性樹脂層3側となるように載せ、当該積層体Aの上からローラで硬化性樹脂層3の質量が21g/mとなるように加圧した。その後、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を積層したまま、硬化性樹脂層3とする硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化性樹脂層3を形成し、図2に例示する積層構造(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5/カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/熱可塑性樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる硬化性樹層3/熱可塑性樹脂層4//カバー材5とともに剥離可能なアクリル酸エステル系粘着剤/使用時に剥離される剥離可能なカバー材5)であるシートを得た。得られたシートにおいて、ガラス繊維布のガラス繊維間の隙間には、硬化性樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布の層の両面上には硬化性樹脂層3が形成されていた。
なお、実施例及び比較例において、シート1の評価は、シート製造後1週間室内で放置してから行った。ガラス繊維織物の織密度は、JIS R 3420 2013 7.9に従い、測定及び算出した。また、ガラス繊維織物の厚みは、JIS R 3420 2013 7.10.1A法に従い、測定及び算出した。ガラス繊維織物の質量は、JIS R 3420 2013 7.2に従い、測定及び算出した。硬化性樹脂層及びガラス繊維織物の屈折率は、前述の方法で測定及び算出した。
シート1(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を剥離後のシート)の全光線透過率及びヘーズは、JIS K 7105:1981に準じて測定した。シート1(使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を剥離後のシート)の、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における「4.10.2 発熱性試験・評価方法」に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験における、総発熱量(MJ/m)及び加熱開始後の最大発熱速度が200kW/mを超える時間(S)は、前述の方法にて測定、算出した。
シート1の、コーンカロリーメータ試験におけるガラス繊維布の変形の有無について、使用時に剥離される剥離可能なカバー材5を剥離後のシートを試験サンプルとし、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における「4.10.2 発熱性試験・評価方法」に従って加熱開始後20分間後のシートについて判定した。
各評価結果を表1に示す。
Figure 0007357907000002

表1に示すように、実施例1~6のシートは、質量が8~30g/mのガラス繊維布と、前記ガラス繊維布に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、前記硬化性樹脂層に積層された熱可塑性樹脂層と、を含むシートであって、前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記硬化性樹脂層の厚さ(μm)との比(硬化性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が2.7以下であり、前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記熱可塑性樹脂層の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が6以下であることから、ガラス繊維布の質量を30g/m以下と小さいものとした場合に、コーンカロリーメータ試験においてガラス繊維布が変形することを抑制することができるものであった。また、実施例1~6のシートの引裂強度は、30(N)を越えるものであった。
一方、比較例1は、ガラス繊維布の質量(g/m)と前記硬化性樹脂層の厚さ(μm)との比(硬化性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が2.7を越えるものであったことから、ガラス繊維布の質量を30g/m以下と小さいものとした場合に、コーンカロリーメータ試験においてガラス繊維布が変形することを抑制することができなかった。また、比較例2及び3は、ガラス繊維布の質量(g/m)と前記熱可塑性樹脂層の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が6を越えるものであったことから、ガラス繊維布の質量を30g/m以下と小さいものとした場合に、コーンカロリーメータ試験においてガラス繊維布が変形することを抑制することができなかった。

Claims (4)

  1. 質量が8~30g/mのガラス繊維布と、前記ガラス繊維布に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層(ただし、芳香環濃度が3000~5700等量/tである飽和ポリエステル樹脂を含むものを除く)と、前記硬化性樹脂層に積層された熱可塑性樹脂層と、を含むシートであって、
    前記熱可塑性樹脂層がポリ塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂を含み、
    前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記硬化性樹脂層の厚さ(μm)との比(硬化性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が2.7以下であり、
    前記ガラス繊維布の質量(g/m)と前記熱可塑性樹脂層の厚さ(μm)との比(熱可塑性樹脂層の厚さ/ガラス繊維布の質量)が6以下である、シート。
  2. 前記ポリ塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂及びポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載のシート。
  3. 前記硬化性樹脂層の厚さが10~90μmであり、前記熱可塑性樹脂層の厚さが25~180μmである、請求項1又は2に記載のシート。
  4. 前記シートの全光線透過率が85%以上、ヘーズが10%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のシート。
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