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項1.少なくとも1つのガラス繊維布と、前記ガラス繊維布に含浸された状態で含まれ、フッ素樹脂以外の樹脂を含む第1樹脂層と、ガラス繊維布に含浸されない状態で含まれ、フッ素樹脂以外の樹脂を含む第2樹脂層と、フッ素樹脂を含む第3樹脂層と、を含むシートであって、前記第2樹脂層における臭素及びケイ素の合計濃度が30質量%以上であり、前記第3樹脂層が前記シートの少なくとも一方の表面に含まれ、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下である、シート。
項2.厚さが400μm以上である、項1に記載のシート。
項3.前記ガラス繊維布を構成するガラス繊維の屈折率が1.53~1.58である、項1又は2に記載のシート。
項4.前記シート中のガラス繊維布の総質量が150~250g/m2である、項1~3のいずれか1項に記載のシート。
本発明のシート1において、ガラス繊維布2は、後述する第1樹脂層3が含浸された状態で含まれる。本発明のシート1において、ガラス繊維布2は、該シートの不燃性の向上に寄与する。そして、ガラス繊維布2の屈折率は、後述する第1樹脂層3の屈折率と近似するように設定され、これにより、後述する本発明のシート1の全光線透過率80%以上、ヘーズ20%以下という構成にすることができる。換言すれば、上記本発明のシート1の全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下という構成は、少なくとも、ガラス繊維布2の屈折率と後述する第1樹脂層3の屈折率とが十分に近似(例えば、ガラス繊維布2の屈折率と第1樹脂層3の屈折率との差が0.02以下となっていることが挙げられる。)していることを示す。
第1樹脂層3を構成する樹脂を用いて、ガラス繊維布2が含まれていないシートを、ガラス繊維布2を含む場合と同じ条件で同じ厚みとして作製して試験片とする。試験片を幅8mm、長さ20mmとして表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR-2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、下記式(I)に従い、アッベ数を算出する。
アッベ数=(波長589nmの屈折率-1)/分散値 (I)
ガラス繊維を構成するガラス材料を用いて、幅8mm、長さ20mm、厚み5mmのガラスシートを作製し、表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR-2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、上記式(I)に従い、アッベ数を算出する。
A:ガラス繊維布の質量(g/m2)
B:ガラス繊維布を構成するガラス材料の比重(g/m3)
C:ガラス繊維布の厚み(m)
ガラス繊維織物を平面方向からマイクロスコープで観察し、隣接する経糸の間の隙間の間隔を任意に20ヶ所測定する。そして、当該20ヶ所の、隣接する経糸の間の隙間の間隔の平均値を、隣接する経糸の間の隙間の間隔(mm)とする。隣接する緯糸の間の隙間の間隔も同様におこない、得られた平均値を隣接する緯糸の間の隙間の間隔(mm)とする。
本発明のシート1において、第1樹脂層3は、ガラス繊維布2に含浸されており、フッ素樹脂以外の樹脂を含む樹脂組成物が硬化又は固化されて得られるものにより形成されている。また、後述の通り、第2樹脂層4は、ガラス繊維布に含浸されない状態で含まれる。従って、少なくとも、第1樹脂層3と第2樹脂層4とが接面している場合には、第1樹脂層3の表面にはガラス繊維布2が露出しておらず、ガラス繊維布2は第1樹脂層3中に含まれている。前述のように、第1樹脂層3は、ガラス繊維布2の屈折率と近似するように選択、設定され、これによりガラス繊維表面における光の散乱が低減でき、後述する全光線透過率80%以上、ヘーズ20%以下という構成とすることができる。
の臭素及びケイ素の合計濃度としては、例えば、29質量%以下が挙げられ、28質量%以下が好ましく挙げられ、20質量%以下がより好ましく挙げられ、16.7質量%以下がさらに好ましく挙げられる。第1樹脂層3中の臭素濃度の下限としては、0質量%が挙げられる。すなわち、第1樹脂層3には臭素及びケイ素が含まれていなくてもよい。
を除く質量)としては、例えば、20~300g/m2が挙げられ、樹脂重量を大きくした場合に透明性を向上させることと、不燃性がより優れたものとすることとの両立をより一層図る観点から、100~300g/m2が好ましく挙げられ、150~250g/m2がより好ましく挙げられ、170~220g/m2が特に好ましく挙げられる。また、第1樹脂層3の1層あたりの厚さ(ガラス繊維布2を含む状態の厚さ)としては、例えば、50~200μmが挙げられ、樹脂重量を大きくした場合に透明性を向上させることと、不燃性がより優れたものとすることとの両立をより一層図る観点から、80~170μmが好ましく挙げられ、80~135μmがより好ましく挙げられる。
本発明のシート1において、第2樹脂層4は、ガラス繊維布2に含浸されない状態
で含まれ、フッ素樹脂以外の樹脂を含む。そして、第2樹脂層4における臭素及びケイ素の合計濃度が30質量%以上である。本発明のシート1においては、ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3と、これとは別にガラス繊維布2に含浸されない状態で含まれる第2樹脂層4とを積層し、該ガラス繊維布2に含浸されない状態で含まれる第2樹脂層4として、臭素及びケイ素の合計濃度の高い樹脂を用いる。これにより、本発明のシート1は、臭素及びケイ素の合計濃度の高い樹脂の持つ低発熱特性を十分に活かすことができる。
本発明のシート1は、フッ素樹脂を含む第3樹脂層5を一方の表面に含む。これにより、シート1に耐候性を付与することができる。
本発明のシート1は、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下である。前述のように、上記本発明のシート1の全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下という構成は、少なくとも、ガラス繊維布2の屈折率と第1樹脂層3の屈折率とが十分に近似(例えば、ガラス繊維布2の屈折率と第1樹脂層3の屈折率との差が0.02以下となっていることが挙げられる。)していることを示す。上記全光線透過率としては、好ましくは90%以上が挙げられる。また、上記ヘーズとしては、10%以下が好ましく挙げられる。シート1の、全光線透過率はJIS K7361-1 1997、ヘーズはJIS K 7136:2000に準じて測定して得られる値である。
(2)試験体の形状及び寸法は、1辺の大きさが99mm±1mmの正方形とする。
[試験装置]
(1)使用する試験装置の概略図を図4に示す。試験装置は、円錐状に形作られた輻射電気ヒーター、点火用プラグ、輻射熱遮蔽板、試験体ホルダー、ガス濃度分析装置及びガス流量の測定のできる排気システム、熱流計等で構成される。
(2)輻射電気ヒーターは、50kW/m2の輻射熱を試験体表面に均一な照射が安定してできるものとする。
(3)輻射熱遮蔽板は、試験開始前の輻射熱から試験体を保護できるものとする。
(4)試験装置に含まれる試験ホルダー及び押さえ枠の概略図を図5に示す。試験体ホルダーは、外寸で1辺106mm±1mmの正方形で、深さが25mm±1mmの大きさで、厚さが2.15mm±0.25mmのステンレス鋼製で、上部には1辺94.0mm±0.5mmの正方形の開口を中央部に設けるものとする。押さえ枠は、内寸で1辺111mm±1mmの正方形で、深さが54mm±1mmのステンレス鋼製とする。
(5)排気システムは、試験温度で有効に機能する遠心式排気ファン、フード、通風口、排気ダクト、オリフィスプレート流量メータ等を備えているものとする。フード下端部と試験体表面との距離は、210mm±50mmとし、その状態での排気システムの排気装置は、標準温度と標準圧力に換算した流量が0.024m3/s以上であることとする。排気流量の測定のために、内径57mm±3mmのオリフィスをフードとダクトの間に設ける。排気ガス採取を目的として、12個の直径2.2mm±0.1mmの穴のあるリングサンプラーをフードから685mm±15mmの位置に、穴が流れと反対の方向に向くように取り付ける。又、排気ガスの温度を、オリフィスから上流100mm±5mmの位置の排気ダクトの中心部で測定する。オリフィスは、流量の測定に影響を及ぼさない位置に設置する。
(6)ガス分析装置は、排気ガス中の酸素、一酸化炭素、二酸化炭素の濃度を連続的に正確に測定できるものとする。
(7)点火用プラグは、10kVの変圧器あるいは誘導式コイルシステム等から電力を供給できるものとする。スパークの電極間距離は、3mm±0.5mmとし、電極の位置を原則として試験体の中心軸上13mm±2mmとする。
(8)熱流計は、100kW/m2±10kW/m2まで測定可能なシュミット・ボルダー型を用いる。熱流計の熱感知部は、直径12.5mmの円形で、表面の輻射率は0.95±0.05であるものとする。
[試験条件]
(1) 試験時間は、試験体表面に輻射熱が照射され、同時に電気スパークが作動してから、20分とする。ただし、明らかに燃焼が持続しなくなった時には、測定を終了することができるものとする。
(2) 試験体は、側面と裏面を厚さ0.025mm以上、0.04mm以下のアルミニウムはくで包んで押さえ枠に入れ、さらに裏面側に無機繊維(公称厚さ13mm、密度65kg/m3)を充填してから、試験体ホルダーに押し込むものとする。
(3) 試験中は、輻射電気ヒーターから試験体の表面に50kW/m2の輻射熱を照射する。
(4) 排気ガス流量を0.024m3/s±0.002m3/sに調節する。
(5) 試験開始までは、輻射熱遮蔽板によって、試験体が輻射熱を受けないようにする。
(6) 輻射熱遮蔽板を移動する前に、点火用プラグを所定の位置に設定する。
[測定]
(1) 酸素、一酸化炭素及び二酸化炭素の濃度を5秒以内の間隔で測定する。
(2) 以下に示す手法で、単位面積当たりの発熱速度(kW/m2)を算出し、更に単位面積当たりの総発熱量(MJ/m2)を加熱開始から終了までの時間の発熱速度を累積することにより算出する。
V298=C(Δp・Te)1/2/350(:25℃におけるダクト内流量)
E=17.2×103kJ/m3
X0 O2:1分間のベースライン測定による酸素濃度の平均値
XO2:酸素濃度の実測値
単位面積当たりの発熱速度(q”)は、
q”=q/As
ここで、
As:試験体の初期の暴露面積(0.0088m2)。
C(オリフィス係数)は、規定の排気流速の下で、本測定で発熱速度がqb=5kW±0.5kWに相当する流量のメタンを燃焼させた際の酸素濃度(XO2)及び差圧(△p)から次の式で計算する。
C=qb/(△hc/ro×1.10)(Te/△p)1/2(1.105-1.5XO2)/(0.2095-XO2)
ここで、
qb:供給されるメタンの発熱速度
△hc/ro:メタンの場合は12.54×103kJ/kg
Te:排気ダクト内のガス温度(2方向ピトー管の付近で計測した値)
本発明のシート1の製造方法としては、特に制限されないが、例えば、ガラス繊維
布2に第1樹脂層3が含浸された状態で含まれる中間体1を調製する第1工程、前記中間体1に第2樹脂層4を積層して中間体2を調製する第2工程、前記中間体2に第3樹脂層5を積層する第3工程、を含むものとすることができる。以下、図1に示
す積層構造とする場合の一例について説明する。
本発明のシート1は、透明性及び不燃性に優れているため、建築物の屋根材、膜材料、膜天井、照明カバー等に好適に用いることができる。
(ガラス繊維布の準備)
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「ECE225 1/0 1Z」(平均フィラメント径7.0μm、平均フィラメント本数200本、撚り数1.0Z、番手22.5tex)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が60本/25mm、緯糸密度が57本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラス繊維織物の張力を経方向が100N/mとしながら拡幅処理を施し、ガラス繊維布2とするガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、経糸密度60本/25mm、緯糸密度57本/25mm、厚さ90μm、質量105g/m2、屈折率1.561であった。ガラス繊維織物中の隣接する経糸の間の隙間及びガラス繊維織物中の隣接する緯糸の間の隙間は0.5mm以下であった。当該ガラス繊維織物は2枚準備した。
工程フィルムとして使用されるPETフィルムの一方の面上に、第1樹脂層3とする表1に記載のアクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、第1樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を1枚載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記のアクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、工程フィルムとして使用されるPETフィルムをもう1枚該アクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物の上に載せ、該PETフィルムの上からローラで第1樹脂層3の質量が105g/m2となるように加圧した。その後、工程PETフィルムを透して第1樹脂層3とするアクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm2)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、第1樹脂層3を形成し、その後上記積層していた工程PETフィルムを剥離して、中間体1を得た。得られた中間体1において、ガラス繊維布2のガラス繊維間の隙間には、アクリルシラップからなる第1樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)がガラス繊維が露出することなく含侵されていた。当該中間体1は2枚準備した。
上記得られた中間体1のうち1枚の一方の面に、ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4とする表1に記載の臭素化ビニルエステル樹脂組成物を塗布した。次に、当該臭素化ビニルエステル樹脂組成物の上に、上記得られた中間体1のうち、もう一方を載せ、当該もう一方の中間体1の上からローラで臭素化ビニルエステル樹脂組成物からなる第2樹脂層4の質量が184g/m2となるように加圧した。その後、上記もう一方の中間体1を透して第2樹脂層4とする臭素化ビニルエステル樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm2)して該臭素化ビニルエステル樹脂組成物を硬化させて第2樹脂層4を形成し、ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3、の積層構造である、中間体2を得た。
次に、得られた中間体2を前述のPVDFとアクリル樹脂とを含むシート2枚で、該シート2枚とも中間体2と接着する面がシートB側(すなわち、アクリル樹脂リッチ面)となるよう挟み、加熱プレス機で、温度160℃、プレス圧10kgf/cm2、時間5分の条件でプレスし、中間体2と、PVDFとアクリル樹脂とを含むシートと、を接着させることにより、第3樹脂層5/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/第3樹脂層5の積層構造である、本発明のシートを得た。
(ガラス繊維布の準備)
実施例1で準備したガラス繊維織物と同一のガラス繊維織物を2枚準備した。
工程フィルムとして使用されるPETフィルムの一方の面上に、第1樹脂層3とする表1に記載のアクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、第1樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を2枚載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記のアクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、工程フィルムとして使用されるPETフィルムをもう1枚該アクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物の上に載せ、該PETフィルムの上からローラで第1樹脂層3の質量が180g/m2となるように加圧した。その後、工程PETフィルムを透して第1樹脂層3とするアクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm2)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、第1樹脂層3を形成し、その後上記積層していた工程PETフィルムを剥離して、中間体1を得た。得られた中間体1において、ガラス繊維布2のガラス繊維間の隙間には、アクリルシラップからなる第1樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)がガラス繊維が露出することなく含侵されていた。
前述のシリコーン樹脂粘着材の離形フィルムを両面剥離し、上記得られた中間体12枚で挟み、プレス機でプレス厚10kgf/cm2、時間1分の条件でプレスし、ガラス繊維布2に含浸されない状態で含まれる第2樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4、の積層構造である、中間体2を得た。
次に、得られた中間体2を前述のPVDFとアクリル樹脂とを含むシート2枚で、該シート2枚とも中間体2と接着する面がシートB側(すなわち、アクリル樹脂リッチ面)となるよう挟み、加熱プレス機で、温度160℃、プレス圧10kgf/cm2、時間5分の条件でプレスし、中間体2と、PVDFとアクリル樹脂とを含むシートと、を接着させることにより、第3樹脂層5/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4/第3樹脂層5、の積層構造である、本発明のシートを得た。
経糸及び緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製商品名「D450 1/0 1Z」(平均フィラメント径5.0μm、平均フィラメント本数200本、撚り数1Z)を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が59本/25mm、緯糸密度が47本/25mmの平織のガラス繊維織物を得た。ついで、得られたガラス繊維織物に付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S-350:N-ビニルベンジル-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を15g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングし、ガラス繊維2とするガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊維織物は、厚さ60μm、質量50g/m2、屈折率1.561であった。ガラス繊維織物中の隣接する経糸の間の隙間及びガラス繊維織物中の隣接する緯糸の間の隙間は0.5mm以下であった。当該ガラス繊維織物は4枚準備した。
工程フィルムとして使用されるPETフィルムの一方の面上に、第1樹脂層3とする表1に記載のアクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、第1樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を2枚載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記のアクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、工程フィルムとして使用されるPETフィルムをもう1枚該アクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物の上に載せ、該PETフィルムの上からローラで第1樹脂層3の質量が120g/m2となるように加圧した。その後、工程PETフィルムを透して第1樹脂層3とするアクリルシラップからなる硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm2)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、第1樹脂層3を形成し、その後上記積層していた工程PETフィルムを剥離して、中間体1を得た。得られた中間体1において、ガラス繊維布2のガラス繊維間の隙間には、アクリルシラップからなる第1樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)がガラス繊維が露出することなく含侵されていた。当該中間体1は2枚準備した。
上記得られた中間体1のうち1枚の一方の面に、ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4とする表1に記載の臭素化ビニルエステル樹脂組成物を塗布した。次に、当該臭素化ビニルエステル樹脂組成物の上に、上記得られた中間体1のうち、もう一方を載せ、当該もう一方の中間体1の上からローラで臭素化ビニルエステル樹脂組成物からなる第2樹脂層4の質量が136g/m2となるように加圧した。その後、上記もう一方の中間体1を透して第2樹脂層4とする臭素化ビニルエステル樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm2)して該臭素化ビニルエステル樹脂組成物を硬化させて第2樹脂層4を形成し、ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3、の積層構造である、中間体2を得た。
次に、得られた中間体2を前述のPVDFとアクリル樹脂とを含むシート2枚で、該シート2枚とも中間体2と接着する面がシートB側(すなわち、アクリル樹脂リッチ面)となるよう挟み、加熱プレス機で、温度160℃、プレス圧10kgf/cm2、時間5分の条件でプレスし、中間体2と、PVDFとアクリル樹脂とを含むシートと、を接着させることにより、第3樹脂層5/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/第3樹脂層5の積層構造である、本発明のシートを得た。
(ガラス繊維布の準備)
実施例1で準備したガラス繊維織物と同一のガラス繊維織物を2枚準備した。
工程フィルムとして使用されるPETフィルムの一方の面上に、第1樹脂層3とする表1に記載の臭素化ビニルエステルからなる硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、第1樹脂層3とする該硬化性樹脂組成物の上に、上記得られたガラス繊維布2を2枚載せ、1分間静置してガラス繊維布2の隙間に上記の臭素化ビニルエステルからなる硬化性樹脂組成物を含浸させた。次いで、工程フィルムとして使用されるPETフィルムをもう1枚該臭素化ビニルエステルからなる硬化性樹脂組成物の上に載せ、該PETフィルムの上からローラで第1樹脂層3の質量が200g/m2となるように加圧した。その後、工程PETフィルムを透して第1樹脂層3とする臭素化ビニルエステルからなる硬化性樹脂組成物にブラックライト蛍光ランプ(株式会社東芝製商品名FL15BLB)を用いて光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm2)して該硬化性樹脂組成物を硬化させ、第1樹脂層3を形成し、その後上記積層していた工程PETフィルムを剥離して、中間体1を得た。得られた中間体1において、ガラス繊維布2のガラス繊維間の隙間には、臭素化ビニルエステルからなる第1樹脂層3(樹脂組成物の硬化物)がガラス繊維が露出することなく含侵されていた。
前述のシリコーン樹脂粘着材の離形フィルムを両面剥離し、上記得られた中間体12枚で挟み、プレス機でプレス厚10kgf/cm2、時間1分の条件でプレスし、ガラス繊維布2に含浸されない状態で含まれる第2樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4、の積層構造である、中間体2を得た。
次に、得られた中間体2をPVDFとアクリル樹脂とを含むシート2枚で、該シート2枚とも中間体2と接着する面がシートB側(すなわち、アクリル樹脂リッチ面)となるよう挟み、加熱プレス機で、温度160℃、プレス圧10kgf/cm2、時間5分の条件でプレスし、中間体2と、PVDFとアクリル樹脂とを含むシートと、を接着させることにより、第3樹脂層5/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4/ガラス繊維布2に含浸された状態で含まれる第1樹脂層3/ガラス繊維布2に含侵されない状態で含まれる第2樹脂層4/第3樹脂層5、の積層構造である、本発明のシートを得た。
Claims (4)
- 少なくとも1つのガラス繊維布と、
前記ガラス繊維布に含浸された状態で含まれ、フッ素樹脂以外の樹脂を含む第1樹脂層と、
ガラス繊維布に含浸されない状態で含まれ、フッ素樹脂以外の樹脂を含む第2樹脂層と、
フッ素樹脂を含む第3樹脂層と、を含むシートであって、
前記第2樹脂層における臭素及びケイ素の合計濃度が30質量%以上であり、
前記第1樹脂層の臭素及びケイ素の合計濃度が前記第2樹脂層の臭素及びケイ素の合計濃度より低く、
前記第3樹脂層が前記シートの少なくとも一方の表面に含まれ、
全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下である、
シート。 - 厚さが400μm以上である、請求項1に記載のシート。
- 前記ガラス繊維布を構成するガラス繊維の屈折率が1.53~1.58である、請求項1又は2に記載のシート。
- 前記シート中のガラス繊維布の総質量が150~250g/m2である、請求項1~3のいずれか1項に記載のシート。
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