JP5633519B2 - ポリアミドの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明はジカルボン酸成分とジアミン成分を、溶媒の非存在下に重縮合してなるポリアミドの製造方法に関する。更に詳しくは、分縮器を備えた回分式反応槽を用い、パラキシリレンジアミンを含むジアミン成分とジカルボン酸成分を用いて重縮合を行う際に、効率的、且つ均質なポリアミドを製造する方法に関する。
一般的なポリアミドの製造方法は、ナイロン塩またはその水溶液を供給原料とし、回分式では一つの反応槽でナイロン塩水溶液を加圧下に加熱し、ジアミン成分の留出を抑えながら均一相で重合を進め、ジアミン成分を固定化した後、系内の水蒸気を徐々に放圧し、最終的に常圧もしくは減圧とし重合を完結させる。このとき、供給原料として約50wt%のナイロン塩の水溶液を用いるのが一般的であるが、溶媒である多量の水と縮合水を除去しなければならず、このとき発泡、水の蒸発潜熱によるポリマーの固化、および反応中の大きな液面変動に伴い反応槽壁面にポリアミドが付着し、熱劣化を起こす等様々な不都合を回避する為の対策が必要である。また、大量の水を除去する為に多くの熱エネルギーを必要とし、更に1回の反応で得られるポリアミド収量が少ない等、技術的にも経済的にも課題が多い。一方、ナイロン塩を供給原料とする場合(特許文献1、特許文献2)、これらの欠点はかなり改善されるが、ナイロン塩の単離、精製工程が必要であり、効率の良い方法とは言い難い。
特許文献3には、ナイロン塩およびナイロン塩の水溶液を供給原料としない重合方法として、ジカルボン酸成分に少量の水を含んだジアミン成分を常圧下220℃以下の温度で滴下して反応を行う方法が開示されている。特許文献4、特許文献5には、ジカルボン酸成分にジアミン成分を常圧下滴下し反応させる方法が開示されている。これらの方法は技術的にも経済的にも有利であるが、ジカルボン酸成分にジアミン成分を常圧下添加することに伴う問題点がある。
溶融状態にあるジカルボン酸成分には昇華性があり、重合装置の天井部にジカルボン酸成分の昇華物が付着する。また重合装置上部に接続された各種配管の内壁、例えば添加剤の投入口、ジアミン成分の添加口、および重合反応によって発生する縮合水を主体とする蒸気を反応槽から分縮器に導く配管の内壁、および分縮器の内部にも、ジカルボン酸成分の昇華物が付着する。付着したジカルボン酸成分の昇華物は、重合反応過程においてはその反応で発生する縮合水の蒸気によってその殆どが溶解洗浄される。ジカルボン酸成分の昇華物は、溶融ジカルボン酸成分が重合装置に単独で存在する時に発生するだけでなく、ジカルボン酸成分の固定化が不十分なジアミン成分の添加工程でも発生する。
重合装置内に付着したジカルボン酸成分の昇華物は重縮合反応によって発生する縮合水の蒸気によって同伴されるジアミン成分と反応し、ナイロン塩もしくはオリゴマーを生成する。メタキシリレンジアミンとジカルボン酸からなる塩に比べパラキシリレンジアミンとジカルボン酸成分からなる塩は水への溶解度が低い為、ジアミン成分中のパラキシリレンジアミン含有率が増加するにつれて、縮合水で溶解されないものが増加する。バッチ数を重ねる毎にアミド化反応が進行しオリゴマーとなり、さらに水に対する溶解度は低下する。これらの付着物は長時間熱履歴を受けている為、反応中に剥落しポリマーに混入すると、フィルム、ボトル、モノフィラメント等の最終製品に成形したとき、ゲル等の品質不良を招く危険性がある。重合反応によって発生する縮合水を主体とする蒸気を反応槽から分縮器に導く配管および分縮器は重合装置の部位の中で最も多くナイロン塩もしくはオリゴマーが付着堆積する為、堆積し続けるとこれらの配管および分縮器を閉塞させ、連続した回分式生産が実施できなくなる。また、ジアミン成分とジカルボン酸成分から合成させるポリアミドにおいて、所望の重合度を達成する為にモルバランスの制御が非常に重要であるが、反応槽内の堆積量もバッチ毎に変動する為、高度なモルバランスの制御は難しくなり、ジカルボン酸成分にジアミン成分を常圧下添加する方法では均質で良好な製品を得るには多くの不都合が残されている。
特許文献6には、ジカルボン酸成分にジアミン成分全量を非常に短い時間で添加し加圧下で反応させる方法が開示されている。この方法ではジアミン成分全量を非常に短い時間で添加する為に種々の不都合を伴う。この方法では短時間に多量に発生する縮合水に伴う発泡、液面変動、水の蒸発潜熱によるポリマーの固化、およびモノマーの留出等を回避する為の対策が必要である。特に圧力に関しては高い圧力が必要となり、重合を進めるべく圧力を低下させる工程では発泡を抑えつつ圧力を低下させる為に長時間要し、その間、ポリアミドが高温に曝されることとなりポリアミド分子の酸化劣化が促進され黄変しやすい。また、短時間に多量に発生する縮合水を除去し、反応系全体が流動状態を保持し得る温度を維持する為、短時間に多くの熱エネルギーを必要であり、生産量に対して過大な加熱手段を設置する等、技術的にも経済的にも課題が多い。
また、特許文献6には、ジカルボン酸成分とジアミン成分を加圧下で重縮合してなるポリアミドの製造方法で、重合を進めるべく圧力を低下させる工程に関して、加圧下における重縮合が終了した後に圧力を低下させる方法が開示されている。この方法では圧力を低下させる間、ポリアミドが高温に曝されることとなりポリアミド分子の酸化劣化が促進され黄変しやすく、ジカルボン酸成分にジアミン成分を全量添加後は短時間で所望の重合度まで到達させることが望ましい。
加圧下でのジカルボン酸成分とジアミン成分の重縮合では、発泡を抑えつつ圧力を低下させる工程に時間を要することが課題である。ジアミン成分添加終了以降の工程時間を短縮する方法として、ジアミン成分添加終了時における反応系内の圧力を下げておく方法が挙げられるが、一定の圧力下で重縮合することにより、反応系内に付着するナイロン塩ならびにオリゴマーを抑制し、ジアミン成分とジカルボン酸成分との重縮合反応により発生する縮合水によって効果的に洗浄を行い、付着を抑制する為、付着抑制効果を維持する最低圧力、もしくは反応系内の圧力を制御して重縮合する必要がある。特許文献6には、重縮合中、つまりジカルボン酸成分にジアミン成分を添加する工程中に、モノマーの留出を回避しつつ圧力を低下させる方法は開示されていない。
特許文献7には、アジピン酸にメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンを含有するジアミン成分を添加して反応を行うに際し、反応後半にジアミン中のパラキシリレンジアミン濃度を低下させる方法が開示されている。この方法では組成の異なるジアミンを準備する必要がある為に機器点数が増えるばかりか、反応中の添加するジアミンの切り替え操作が必要になり操作が煩雑になる為、効率の良い方法とは言い難い。
従って、パラキシリレンジアミンを含むジアミン成分とジカルボン酸成分を使用して重縮合を行う際に、効率的、且つ均質なポリアミドを製造する方法が望まれていた。
従って、パラキシリレンジアミンを含むジアミン成分とジカルボン酸成分を使用して重縮合を行う際に、効率的、且つ均質なポリアミドを製造する方法が望まれていた。
本発明の目的は、分縮器を備えた回分式反応槽を用い、パラキシリレンジアミンを含むジアミン成分とジカルボン酸成分とを重縮合するポリアミドの回分式製造方法において、経済的に、且つ品質的に有利なポリアミドを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、分縮器を備えた回分式反応槽を用い、ジカルボン酸成分にパラキシリレンジアミンを20モル%以上含むキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分を添加して重縮合させるポリアミドの回分式製造方法に関して、反応系全体が流動状態を維持しつつ加圧下でジアミン成分を添加し、添加を継続しつつ特定のモル比の間に圧力を低下させることにより、経済的に、且つ品質的に有利なポリアミドを製造する方法を見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、分縮器を備えた回分式反応槽を用い、パラキシリレンジアミンを20モル%以上含むキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とジカルボン酸成分とを、溶媒の非存在下に重縮合してなるポリアミドの製造方法であって、以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とするポリアミドの製造方法に関する。
(1)反応槽にジカルボン酸成分を仕込み、次いで反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力まで加圧する工程
(2)反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力を維持し、且つ反応系全体が流動状態を維持しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60になるまで、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加する工程
(3)反応系全体が流動状態を維持し、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60〜0.95の間に反応槽内の圧力を、0.2MPaG未満に低下させる工程
(1)反応槽にジカルボン酸成分を仕込み、次いで反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力まで加圧する工程
(2)反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力を維持し、且つ反応系全体が流動状態を維持しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60になるまで、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加する工程
(3)反応系全体が流動状態を維持し、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60〜0.95の間に反応槽内の圧力を、0.2MPaG未満に低下させる工程
本発明のポリアミドの製造方法は以下の効果をもたらす。
(i)溶媒、特に水を使用しないジアミン成分とジカルボン酸成分の重縮合反応で製造される為、容積当たりのポリアミド収量が増え、反応時間の短縮ができる。
(ii)反応系内へのナイロン塩やオリゴマーの付着防止、ならびにジアミン成分の留出を抑えることができる為、高度なモルバランスの制御、つまり重合度の制御が極めて容易となり、均質で良好なポリアミドが得られる。
(iii)分縮器の閉塞、ならびに反応槽内のポリマーの堆積を抑制することができる為、連続した回分式生産が可能になる。
(iv)ポリアミドが高温に曝される時間が短縮される為、ポリアミドの黄変が減少、反応時間の短縮ができる。
(v)高度な耐圧仕様の重合装置、複雑な分縮器設計、ならびに過大な加熱手段を設置する必要がない為、製造装置を安価に建設できる。
(i)溶媒、特に水を使用しないジアミン成分とジカルボン酸成分の重縮合反応で製造される為、容積当たりのポリアミド収量が増え、反応時間の短縮ができる。
(ii)反応系内へのナイロン塩やオリゴマーの付着防止、ならびにジアミン成分の留出を抑えることができる為、高度なモルバランスの制御、つまり重合度の制御が極めて容易となり、均質で良好なポリアミドが得られる。
(iii)分縮器の閉塞、ならびに反応槽内のポリマーの堆積を抑制することができる為、連続した回分式生産が可能になる。
(iv)ポリアミドが高温に曝される時間が短縮される為、ポリアミドの黄変が減少、反応時間の短縮ができる。
(v)高度な耐圧仕様の重合装置、複雑な分縮器設計、ならびに過大な加熱手段を設置する必要がない為、製造装置を安価に建設できる。
本発明の製造方法で用いるジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等を挙げることができ、中でも得られるポリアミドの実用的な物性から考えて、アジピン酸が好ましい。これらは単独使用もしくは併用することができる。また、同様の観点から、ジカルボン酸成分はアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸であることが好ましく、より好ましくは90モル%以上含むジカルボン酸である。
本発明の製造方法で用いるジアミン成分は、得られるポリアミドの実用的な物性から考えて、キシリレンジアミンを70モル%以上、好ましくは90モル%以上含むジアミンである。ここで、キシリレンジアミンは、得られるポリアミドの結晶性から考えて、20モル%以上、好ましくは30モル%以上のパラキシリレンジアミンを含有する。また、キシリレンジアミンは、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの二成分からなることが好ましく、この場合のキシリレンジアミン中のパラキシリレンジアミンは20〜65モル%が好ましく、より好ましくは30〜50モル%である。更に、他のジアミン成分として、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン等の脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン等の芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジアミン類等を全ジアミン中に30モル%以下の範囲で使用することができる。
ジアミン成分、ジカルボン酸成分以外のポリアミド形成成分としては、特に限定されないが、カプロラクタム、バレロラクタム、ラウロラクタム、ウンデカラクタム等のラクタム;11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸等を挙げることができ、これらの一種もしくは二種以上を含むものであってもよい。
溶融重合中における着色の特性の為、ポリアミドに燐化合物を添加することができる。燐化合物としては、次亜燐酸、次亜燐酸塩等の次亜燐酸化合物;亜燐酸、亜燐酸塩、亜燐酸エステル等の亜燐酸化合物;燐酸、燐酸塩、燐酸エステル等の燐酸化合物等を使用できる。次亜燐酸塩としては、次亜燐酸カリウム、次亜燐酸ナトリウム、次亜燐酸カルシウム、次亜燐酸マグネシウム、次亜燐酸マンガン、次亜燐酸ニッケル、次亜燐酸コバルトなどを例示できる。亜燐酸塩としては、亜燐酸カリウム、亜燐酸ナトリウム、亜燐酸カルシウム、亜燐酸マグネシウム、亜燐酸マンガン、亜燐酸ニッケル、亜燐酸コバルトなどを例示でき、亜燐酸エステルとしては、亜燐酸メチルエステル、亜燐酸エチルエステル、亜燐酸イソプロピルエステル、亜燐酸ブチルエステル、亜燐酸ヘキシルエステル、亜燐酸イソデシルエステル、亜燐酸デシルエステル、亜燐酸ステアリルエステル、亜燐酸フェニルエステルなどが例示できる。燐酸塩としては、燐酸カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸マンガン、燐酸ニッケル、燐酸コバルトなどを例示でき、燐酸エステルとしては、燐酸メチルエステル、燐酸エチルエステル、燐酸イソプロピルエステル、燐酸ブチルエステル、燐酸ヘキシルエステル、燐酸イソデシルエステル、燐酸デシルエステル、燐酸ステアリルエステル、燐酸フェニルエステルなどが例示できる。これらの燐化合物は単独、または組み合わせて用いてもよい。これらの燐化合物の添加方法は、ポリアミドの原料であるジアミン成分、もしくはジカルボン酸成分に添加する方法、反応中に添加する方法などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ポリアミドの製造は、経済的に優位な点から、溶媒の非存在下で行われる。本発明において、「溶媒の非存在下」とは、溶媒が全く存在しない場合はもちろん、本発明の効果に影響を及ぼさない程度の少量の溶媒の存在をも排除する趣旨でないことを意味する。
本発明における回分式反応槽は分縮器および必要に応じ攪拌装置を具備し、耐圧設計されたものを使用する。また、ジアミン成分およびジカルボン酸成分の留出を抑制する為に、伝熱面の温度を制御可能である分縮器が具備されていることが望ましい。
本発明では所望のモルバランスを有するポリアミド(ジアミン成分過剰、ジカルボン酸成分過剰および等モルの場合を含む)を得る為、仕込みのモルバランスは任意に選択される。仕込みのモルバランスの調整方法は例えば溶融状態にあるジカルボン酸成分を溶融槽ごと質量計量器で計量し、反応槽に供給した後、貯槽に入ったジアミン成分を質量計量器で計量しつつ、ジアミン成分を反応系に供給する方法が例示できる。本発明においてジアミン成分およびジカルボン酸成分を計量する場合、ロードセル、天秤等の質量計量器が好適に利用可能である。
本発明のポリアミドの製造方法は、以下の工程(1)〜(3)を含む。
<工程(1)>
工程(1)では、反応槽にジカルボン酸成分を仕込み、次いで反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力まで加圧する。反応系内を加圧することで、ジカルボン酸成分の蒸発は抑制される為、重合装置内のジカルボン酸の付着堆積量が低減し、合成中のナイロン塩もしくはオリゴマーの生成を抑制する効果を得ることができる。ポリアミドの酸化着色を避ける目的から反応槽へジカルボン酸成分を仕込むに先立ち、反応槽内を予め窒素等の不活性ガスで十分に置換することが望ましい。さらにジカルボン酸成分を溶融する場合は不活性ガスの雰囲気下で行われることが望ましい。ジカルボン酸成分は反応槽内でその融点以上に加熱されて溶融状態にしても、反応槽とは異なる専用の溶融槽で加熱されて溶融状態にした後に溶融状態で反応槽に仕込まれても、いずれの方法でも構わない。反応槽の利用効率を高める観点から、専用の溶融槽の利用が好ましい。
<工程(1)>
工程(1)では、反応槽にジカルボン酸成分を仕込み、次いで反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力まで加圧する。反応系内を加圧することで、ジカルボン酸成分の蒸発は抑制される為、重合装置内のジカルボン酸の付着堆積量が低減し、合成中のナイロン塩もしくはオリゴマーの生成を抑制する効果を得ることができる。ポリアミドの酸化着色を避ける目的から反応槽へジカルボン酸成分を仕込むに先立ち、反応槽内を予め窒素等の不活性ガスで十分に置換することが望ましい。さらにジカルボン酸成分を溶融する場合は不活性ガスの雰囲気下で行われることが望ましい。ジカルボン酸成分は反応槽内でその融点以上に加熱されて溶融状態にしても、反応槽とは異なる専用の溶融槽で加熱されて溶融状態にした後に溶融状態で反応槽に仕込まれても、いずれの方法でも構わない。反応槽の利用効率を高める観点から、専用の溶融槽の利用が好ましい。
反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力迄加圧する工程は、反応槽内のジカルボン酸成分へのジアミン成分の添加を開始するまでに完了していればよい。ジカルボン酸成分の蒸発を低減させる為に、反応槽にジカルボン酸成分の仕込みが終了次第、速やかに0.2MPaG以上の圧力迄加圧することが望ましい。反応槽内の加圧は窒素等の不活性ガスや水蒸気により行うことができる。反応槽内の圧力は、使用するジアミン成分およびジカルボン酸成分によって異なるが、前記観点から、0.2〜0.4MPaGの範囲から選定することが好ましい。
<工程(2)>
工程(2)では、反応槽内の圧力を0.2MPaG以上、好ましくは0.2〜0.4MPaGの範囲内の圧力を維持し、且つ反応系全体が流動状態を維持しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60になるまで、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加する。工程(1)で加圧した後は前記0.2MPaG以上の圧力を維持するが、系外へのジアミン成分の多量の留出を抑制する点から、上記圧力範囲内の圧力で、工程(1)で到達した所定の圧力を運転・品質上不都合がない範囲で制御することが望ましく、上記圧力範囲内の圧力で、工程(1)で到達した所定の圧力を一定に維持しても構わない。本発明においては、工程(1)で反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力迄加圧した後、後述の工程(3)で圧力を低下させるまでの間、運転・品質上不都合がない範囲で制御することが好ましく、圧力を一定に制御しても構わない。ここで「圧力を一定に」とは、本発明の効果を奏する限りにおいて、完全に一定である必要はなく、ある程度の変動を伴うものも包含する趣旨である。
工程(2)では、反応槽内の圧力を0.2MPaG以上、好ましくは0.2〜0.4MPaGの範囲内の圧力を維持し、且つ反応系全体が流動状態を維持しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60になるまで、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加する。工程(1)で加圧した後は前記0.2MPaG以上の圧力を維持するが、系外へのジアミン成分の多量の留出を抑制する点から、上記圧力範囲内の圧力で、工程(1)で到達した所定の圧力を運転・品質上不都合がない範囲で制御することが望ましく、上記圧力範囲内の圧力で、工程(1)で到達した所定の圧力を一定に維持しても構わない。本発明においては、工程(1)で反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力迄加圧した後、後述の工程(3)で圧力を低下させるまでの間、運転・品質上不都合がない範囲で制御することが好ましく、圧力を一定に制御しても構わない。ここで「圧力を一定に」とは、本発明の効果を奏する限りにおいて、完全に一定である必要はなく、ある程度の変動を伴うものも包含する趣旨である。
反応系内を加圧にすることにより気相部のジアミン成分やジカルボン酸成分のモル分率が下がり、これに伴いジアミン成分やジカルボン酸成分の蒸発量は減少する為、反応系内のナイロン塩もしくはオリゴマーの付着堆積量は抑制される。さらに気相部のガス温度、ならびにジアミン成分を主体とする内部還流液温度が上がり、オリゴマーが融解する為、内部還流液によって効果的に洗浄を行い、オリゴマーの付着堆積量は抑制される。加えて、飽和水蒸気圧が上昇することで水の露点温度が上がり、これに伴いナイロン塩の水への溶解度は上昇する。本発明では、反応中に反応系内に付着するナイロン塩ならびにオリゴマーを抑制し、ジアミン成分とジカルボン酸成分との重縮合反応により発生する縮合水によって効果的に洗浄を行い、付着を抑制することができる。
ジカルボン酸成分へジアミン成分を添加する際、ジカルボン酸はアミド化反応が進行する温度である150℃以上の温度に昇温されることが好ましく、且つ中間体として生成するオリゴマーおよび/または低分子量ポリアミドが溶融状態になって反応系全体が流動状態を維持していることが好ましい。上記添加は、通常180〜340℃から選択される温度にて行われることがより好ましい。
昇温速度はアミド化反応熱,縮合水の蒸発潜熱,供給熱等に依存するため、ジアミン成分の添加速度が適時調整され、添加終了時点で反応混合物の温度はポリアミドの融点以上、且つ(融点+35℃)未満が好ましく、より好ましくは(融点+15℃)未満、更に望ましくは(融点+5℃)以上、且つ(融点+10℃)未満に調整される。本発明でいう融点とは示差走査熱量計(DSC)の測定等で観測される結晶融解熱に起因する吸熱ピーク温度を指し、反応系の融点は適宜DSC等で測定することにより確認できる。
本発明における具体的なジアミン成分の添加操作は、反応槽中で溶融状態にあるジカルボン酸成分を撹拌し、ジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加し、且つ好ましくは反応混合物の温度を逐次前記温度に昇温させ、反応系全体が流動状態を維持することによって行われる。
ジアミン成分を連続的に添加する場合は、本発明におけるジアミン成分の添加速度は、重縮合反応で発生する縮合水に伴う発泡を抑制し得る速度が適時選定され、ジアミン成分の添加に要する時間が30分以上、且つ4時間以内であることが好ましく、より好ましくは60分以上、且つ2時間以内である。非常に短い時間で添加した場合、経済的には有利であるが、短時間に多量に発生する縮合水に伴う発泡により液面が上昇し反応槽側面や撹拌翼等にポリマーが付着する。これらは次バッチ以降で融解されず、バッチ数を重ねる毎に付着量は増加し熱履歴を受け、これらの付着堆積物が欠落した場合、ポリマーに混入すると品質不良を招くほか、撹拌翼を破損する等の問題点があり好ましくない。また、ジアミン成分の添加に要する時間が非常に長い場合、熱履歴の増加および生産性の低下等の不都合を招くことがある。従って、添加時間は一般的には4時間以内が望ましい。また、ジアミン成分を間欠的に添加する場合においても、その総添加時間が、上記連続添加における添加時間と同様であるように添加することが好ましい。
反応の進行と共に生成する縮合水は、分縮器、さらに冷却器を通して反応系外に留去される。ここで、分縮器内部でのアミド化反応を抑制する点から、分縮器の蒸気側出口温度は155℃以下に制御されていることが好ましい。分縮器の蒸気側出口温度は、後述する工程(3)や工程(3)以降の反応工程においても155℃以下に制御されていることが好ましく、155℃以下、且つ水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御されていることがより好ましい。縮合水と共に蒸気として反応系外に留出するジアミン成分、蒸発により留出するジカルボン酸成分等は、分縮器で水蒸気と分離され、反応槽に再度戻される。分縮器の蒸気側出口温度が155℃を超えて行われる連続した生産は、分縮器内部で還流液(縮合水やジアミン成分)に溶解されないナイロン塩もしくはオリゴマーのアミド化反応が進行してポリマー化する為、一層、還流液に溶解しにくくなる。バッチ数を重ねる毎に分縮器内部のポリマー量は増加し、分縮器内部の閉塞を引き起こし連続した回分式生産を困難にさせる。反応の進行と共に生成する縮合水を効率良く反応系外に留去する為には、工程(2)や工程(3)、さらに工程(3)以降の反応工程において、分縮器の蒸気側出口温度を155℃以下とし、且つ水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御することが望ましい。分縮器の蒸気側出口温度が水の露点温度より非常に高い場合には、分縮器の還流液量が減少する為、分縮器に付着したナイロン塩もしくはオリゴマーの洗浄効果が期待できないことがある。さらにジアミン成分の反応系外への大量の留出が避けがたく、モルバランスの制御が難しくなることがある。好適な分縮器の蒸気側出口温度を達成する為に分縮器の運転条件を適宜選定することが望ましい。例えば反応槽内の圧力が0.3MPaGの場合、分縮器の蒸気側出口温度は143℃〜148℃に調整される。
<工程(3)>
工程(3)では、反応系全体が流動状態を維持し、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60〜0.95の間に反応槽内の圧力を0.2MPaG未満、好ましくは0.1MPaG以下に低下させる。その際、分縮器の凝縮能力を上回らない圧力低下速度を選択することが好ましい。分縮器の凝縮能力を上回る圧力低下速度で圧力を低下させた場合、分縮器の分離効率が低下し、ジアミン成分の反応系外への大量の留出が避けがたく、モルバランスの制御が難しくなることがある。反応槽の規模や圧力にもよるが、モル比(B/A)が0.60〜0.95の間に反応槽内の圧力を低下させることが好ましい。モル比(B/A)が0.60より低いときに圧力低下を開始すると、反応系内では未反応のジアミン成分やジカルボン酸成分が多く存在し、圧力を低下することにより気相部のジアミン成分やジカルボン酸成分のモル分率が上がり、これに伴いジアミン成分やジカルボン酸成分の蒸発量は増加し、反応系内のナイロン塩もしくはオリゴマーの付着堆積量は増加する為、好ましくない。またモル比(B/A)が0.95より高いときに圧力低下を開始すると、溶融ポリマーは増粘している為に発泡に伴い液面が大きく上昇し、反応槽側面や撹拌翼等にポリマーが付着する。これらは次バッチ以降で融解されずに反応槽内に残存する為、バッチ数を重ねる毎に付着量は増加し熱履歴を受け、これらの付着堆積物が欠落した場合、ポリマーに混入すると品質不良を招くほか、撹拌翼を破損する等の問題点があり好ましくない。系内の圧力低下に伴い、水の露点温度が低下する為、分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度に制御することがより好ましい。
工程(3)では、反応系全体が流動状態を維持し、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60〜0.95の間に反応槽内の圧力を0.2MPaG未満、好ましくは0.1MPaG以下に低下させる。その際、分縮器の凝縮能力を上回らない圧力低下速度を選択することが好ましい。分縮器の凝縮能力を上回る圧力低下速度で圧力を低下させた場合、分縮器の分離効率が低下し、ジアミン成分の反応系外への大量の留出が避けがたく、モルバランスの制御が難しくなることがある。反応槽の規模や圧力にもよるが、モル比(B/A)が0.60〜0.95の間に反応槽内の圧力を低下させることが好ましい。モル比(B/A)が0.60より低いときに圧力低下を開始すると、反応系内では未反応のジアミン成分やジカルボン酸成分が多く存在し、圧力を低下することにより気相部のジアミン成分やジカルボン酸成分のモル分率が上がり、これに伴いジアミン成分やジカルボン酸成分の蒸発量は増加し、反応系内のナイロン塩もしくはオリゴマーの付着堆積量は増加する為、好ましくない。またモル比(B/A)が0.95より高いときに圧力低下を開始すると、溶融ポリマーは増粘している為に発泡に伴い液面が大きく上昇し、反応槽側面や撹拌翼等にポリマーが付着する。これらは次バッチ以降で融解されずに反応槽内に残存する為、バッチ数を重ねる毎に付着量は増加し熱履歴を受け、これらの付着堆積物が欠落した場合、ポリマーに混入すると品質不良を招くほか、撹拌翼を破損する等の問題点があり好ましくない。系内の圧力低下に伴い、水の露点温度が低下する為、分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度に制御することがより好ましい。
本発明では、ジアミン成分を添加終了後、反応系全体が流動状態を維持しつつ、ジアミン成分の添加終了時の圧力で5分間以上3時間以下保持することが好ましく、10分間以上1時間以下保持することがより好ましい。ジアミン成分の添加初期には、ジアミン成分に対しカルボキシル基が相当過剰に存在し、ジアミン成分の反応速度つまり固定化速度は極めて速い。しかし、添加終了時にはカルボキシル基が相当量消費されており、添加初期と比較しジアミン成分の固定化速度は極めて遅くなる。また、重合度の増加により、反応混合物の撹拌効率が低下しジアミン成分の固定化に一層不利となる。固定化されなかったジアミン成分は、反応混合物中もしくは反応系内の気相部分に存在し、あるいは分縮器で凝縮されたものは、再度反応混合物に添加される。ジアミン成分の添加を終了した後に、ジアミン成分の添加終了時の圧力で少なくとも5分間以上保持することで、この様なジアミン成分は固定化され、仕込みのモルバランスが精度良くポリアミドのモルバランスに再現される。また、圧力を保持する時間の上限は、ジアミン成分の固定化の状況に依存するため一概にはいえない。しかし、ジアミン成分の固定化が終了した後の必要以上の保持は意味がなく、熱履歴の増加および生産性の低下等の不都合を招くことがある。従って、保持時間は一般的には3時間以内が望ましい。
ジアミン成分を添加終了時の圧力を所定時間保持した後、反応槽内の圧力を0.1〜1.0MPa/時の圧力低下速度で大気圧以下まで低下させる。その際、減圧状態、好ましくは80kPa以下まで低下させ、気相部分に存在する水蒸気を反応系外に留去し、アミド化平衡を利用し重合度を更に高めることが好ましい。圧力低下中は反応系全体が流動状態を維持する。反応槽内の圧力を低下させる過程で、生成したポリアミドの発泡が抑制される圧力低下速度が選択される。反応槽の規模や圧力にもよるが、0.1〜1.0MPa/時の範囲で圧力を低下させることが好ましい。1.0MPa/時より速く圧力を低下させると、発泡により液面が上昇し、反応槽側面や撹拌翼等にポリマーが付着する。これらは次バッチ以降で融解されずに反応槽内に残存する為、バッチ数を重ねる毎に付着量は増加し熱履歴を受け、これらの付着堆積物が欠落した場合、ポリマーに混入すると品質不良を招くほか、撹拌翼を破損する等の問題点があり好ましくない。また、0.1MPa/時より遅く圧力を低下させると、ポリアミドの熱履歴増加に伴う黄変および生産性の低下等の不都合を招き好ましくない。上記観点から、上記圧力低下速度は、0.3〜0.6MPa/時の範囲であることが好ましく、0.4〜0.5MPa/時の範囲であることがより好ましい。
前記圧力低下後、得られたポリアミドを反応槽から排出する際には通常、反応槽を加圧して行う。この場合、窒素等の不活性ガスを用いることが好ましい。本発明によれば、排出後の反応槽内にはナイロン塩やオリゴマーの付着が少ないため、引き続き次バッチの反応ができるので、連続した回分式生産が可能である。本発明によって得られたポリアミドを原料に用いて固相重合を行い、さらに重合を進めて、より高分子量のポリアミドを製造することができる。また、本発明によって得られたポリアミドを溶融状態で連続式重合機に供給して、重合をさらに進めて、より高分子量のポリアミドを製造することができる。
本発明によって得られたポリアミドには、目的を損なわない範囲で、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6,66、ポリエステル、オレフィン等の他樹脂をブレンドでき、また、ガラス繊維、炭素繊維などの無機充填剤;ガラスフレーク、タルク、カオリン、マイカ、モンモリロナイト、有機化クレイなどの板状無機充填剤、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材、結晶核剤;脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系化合物等の滑剤;銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、リン系化合物等の酸化防止剤;熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤、酸素捕捉能を付与する化合物であるコバルト金属を含む化合物やポリアミド樹脂のゲル化防止を目的としたアルカリ化合物等の添加剤を添加することができる。
本発明によって得られたポリアミドには、目的を損なわない範囲で、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6,66、ポリエステル、オレフィン等の他樹脂をブレンドでき、また、ガラス繊維、炭素繊維などの無機充填剤;ガラスフレーク、タルク、カオリン、マイカ、モンモリロナイト、有機化クレイなどの板状無機充填剤、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材、結晶核剤;脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系化合物等の滑剤;銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、リン系化合物等の酸化防止剤;熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤、酸素捕捉能を付与する化合物であるコバルト金属を含む化合物やポリアミド樹脂のゲル化防止を目的としたアルカリ化合物等の添加剤を添加することができる。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例および比較例によって何ら限定されるものではない。なお、各分析方法は以下の通りである。
(1)末端アミノ基濃度
ポリアミド樹脂0.3〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール=4/1容量溶液30ccに20〜30℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、撹拌しつつN/100塩酸水溶液で中和滴定して求めた。
(2)末端カルボキシル基濃度
ポリアミド樹脂0.3〜0.5gを精秤し、ベンジルアルコール30ccに窒素気流下160〜180℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、窒素気流下80℃以下まで冷却し、撹拌しつつメタノールを10cc加え、N/100水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して求めた。
(3)数平均分子量
末端アミノ基および末端カルボキシル基の滴定定量値から次式により求めた。
数平均分子量=2 /(〔NH2〕+〔COOH〕)
(〔NH2〕は末端アミノ基濃度(μeq/g)、〔COOH〕は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)を表す。)
(4)黄色度(YI)
色差計(日本電色工業(株)製、Σ80型)を用い、試料の反射によるXYZ表色系の三刺激値X、Y、ZをJIS-K7103に従い測定し、次式から求めた。
YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
(5)混合キシリレンジアミン留去量
ガスクロマトグラフィー(島津製作所(株)製、GC−2010)を用い、製造中に反応系外に留去した縮合水中の混合キシリレンジアミン濃度を測定し、縮合水の重量より混合キシリレンジアミン留出量を算出した。
(1)末端アミノ基濃度
ポリアミド樹脂0.3〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール=4/1容量溶液30ccに20〜30℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、撹拌しつつN/100塩酸水溶液で中和滴定して求めた。
(2)末端カルボキシル基濃度
ポリアミド樹脂0.3〜0.5gを精秤し、ベンジルアルコール30ccに窒素気流下160〜180℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、窒素気流下80℃以下まで冷却し、撹拌しつつメタノールを10cc加え、N/100水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して求めた。
(3)数平均分子量
末端アミノ基および末端カルボキシル基の滴定定量値から次式により求めた。
数平均分子量=2 /(〔NH2〕+〔COOH〕)
(〔NH2〕は末端アミノ基濃度(μeq/g)、〔COOH〕は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)を表す。)
(4)黄色度(YI)
色差計(日本電色工業(株)製、Σ80型)を用い、試料の反射によるXYZ表色系の三刺激値X、Y、ZをJIS-K7103に従い測定し、次式から求めた。
YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
(5)混合キシリレンジアミン留去量
ガスクロマトグラフィー(島津製作所(株)製、GC−2010)を用い、製造中に反応系外に留去した縮合水中の混合キシリレンジアミン濃度を測定し、縮合水の重量より混合キシリレンジアミン留出量を算出した。
<実施例1>
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。300℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.30MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン70モル%とパラキシリレンジアミン30モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)10.998kgを1時間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.788に到達した。この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン2.896kgを50分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.829〜0.911の間に20分間かけて0.72MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.06MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.06MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.06MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,500であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、10gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間21分であった。
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。300℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.30MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン70モル%とパラキシリレンジアミン30モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)10.998kgを1時間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.788に到達した。この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン2.896kgを50分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.829〜0.911の間に20分間かけて0.72MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.06MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.06MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.06MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,500であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、10gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間21分であった。
<実施例2>
実施例1と同様に混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)10.998kgを1時間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.788に到達した。この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン2.896kgを50分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.866〜0.949の間に20分間かけて0.72MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.06MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.06MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.06MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,500であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、10gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間21分であった。
実施例1と同様に混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)10.998kgを1時間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.788に到達した。この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン2.896kgを50分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.866〜0.949の間に20分間かけて0.72MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.06MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.06MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.06MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,500であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、10gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間21分であった。
<実施例3>
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。300℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.30MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン70モル%とパラキシリレンジアミン30モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)8.422kgを47分間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.603に到達した。この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン5.474kgを63分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.603〜0.728の間に20分間かけて0.54MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.12MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.12MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.12MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,600であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、11gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間27分であった。
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。300℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.30MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン70モル%とパラキシリレンジアミン30モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)8.422kgを47分間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.603に到達した。この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン5.474kgを63分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.603〜0.728の間に20分間かけて0.54MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.12MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.12MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.12MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,600であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、11gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間27分であった。
<実施例4>
実施例3と同様に混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)8.422kgを47分間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.603に到達した。この間、この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン5.474kgを63分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.603〜0.945の間に55分間かけて0.22MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.10MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.10MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.10MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,700であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、9gであった。ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間25分であった。
実施例3と同様に混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)8.422kgを47分間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.603に到達した。この間、この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン5.474kgを63分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.603〜0.945の間に55分間かけて0.22MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.10MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.10MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.10MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,700であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、9gであった。ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間25分であった。
<実施例5>
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。300℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.30MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン70モル%とパラキシリレンジアミン30モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)10.998kgを30分間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.788に到達した。この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン2.896kgを50分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.788〜0.949の間に39分間かけて0.46MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから大気圧へ低下させ、滴下終了まで圧力を大気圧で保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を大気圧で保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−7の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.993、数平均分子量は15,100であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、13gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は1時間45分であった。
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。300℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.30MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン70モル%とパラキシリレンジアミン30モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)10.998kgを30分間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.788に到達した。この間、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン2.896kgを50分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.788〜0.949の間に39分間かけて0.46MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから大気圧へ低下させ、滴下終了まで圧力を大気圧で保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を大気圧で保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−7の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.993、数平均分子量は15,100であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、13gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は1時間45分であった。
<実施例6>
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。320℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.40MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン50モル%とパラキシリレンジアミン50モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)10.998kgを1時間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.788に到達した。この間、反応槽の圧力を0.40MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を151〜155℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン2.896kgを50分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.788〜0.949の間に39分間かけて0.51MPa/時の速度で圧力を0.40MPaGから0.07MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.07MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が285℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.07MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで5分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−3の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,500であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、9gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間19分であった。
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。320℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.40MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン50モル%とパラキシリレンジアミン50モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)10.998kgを1時間かけて連続的に滴下し、モル比(B/A)は0.788に到達した。この間、反応槽の圧力を0.40MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を151〜155℃に制御した。その後、混合キシリレンジアミン2.896kgを50分間かけて連続的に滴下しつつ、モル比(B/A)が0.788〜0.949の間に39分間かけて0.51MPa/時の速度で圧力を0.40MPaGから0.07MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.07MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が285℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.07MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで5分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−3の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,500であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、9gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間19分であった。
<比較例1>
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。300℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.30MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン70モル%とパラキシリレンジアミン30モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)13.896kgを110分間かけて滴下した。この間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.3MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,600であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、10gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間45分であった。
温度調整されたオイルが流通する分縮器、全縮器、撹拌機、窒素ガス導入管およびジアミンの滴下口を備えたジャケット付き50リットルのステンレス製の反応槽に精秤したアジピン酸(純度:99.85wt%)15.000kgを仕込み、十分窒素置換した。300℃の熱媒をジャケットに流して昇温を開始し、撹拌しつつアジピン酸を溶解させ流動状態にした。その間、反応槽内に窒素の供給を開始し、反応槽内の圧力を0.30MPaGまで加圧した。190℃まで加熱したところで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン70モル%とパラキシリレンジアミン30モル%含有する混合キシリレンジアミン(純度:99.95wt%)13.896kgを110分間かけて滴下した。この間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、反応槽の圧力を0.30MPaGで制御し、分縮器の出口側蒸気温度を144〜147℃に制御し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.3MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.994、数平均分子量は15,600であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、10gであった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、ナイロン塩もしくはオリゴマー等の付着物は認められなかった。混合キシリレンジアミンの滴下を開始してからポリマーの排出開始前までの全工程時間は2時間45分であった。
<比較例2>
実施例1と同様な条件で混合キシリレンジアミンを滴下しつつ、モル比(B/A)が0.328〜0.949の間に74分間かけて0.21MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.04MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.04MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.04MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.990、数平均分子量は14,100であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、61gであり、反応系外へのジアミン成分の留去量は多くなった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、反応槽の気相部へのナイロン塩もしくはオリゴマーが多量付着し、分縮器内部で白色固形物が認められた。
実施例1と同様な条件で混合キシリレンジアミンを滴下しつつ、モル比(B/A)が0.328〜0.949の間に74分間かけて0.21MPa/時の速度で圧力を0.30MPaGから0.04MPaGへ低下させ、滴下終了まで圧力を0.04MPaGで保持した。圧力低下に伴い分縮器の蒸気側出口温度を水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度で制御した。混合キシリレンジアミンを連続的に滴下している間、連続的に昇温して混合キシリレンジアミンの滴下終了時の液温が265℃になるように加熱を調節し、留出する蒸気は冷却器を通して凝縮させ、反応系外に除いた。混合キシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き撹拌しながら0.2℃/分の昇温速度を昇温し、15分間反応槽の圧力を0.04MPaGで保持した。更に80kPaAまで0.6MPa/時の速度で圧力を低下させ、80kPaAで8分間保持した。その後、加熱を中止し、窒素で加圧して反応槽下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、YIが−6の非晶状態にあるポリアミドを得た。得られたポリアミドの末端基濃度の定量を行った。結果、ポリアミドのモル比(B/A)は0.990、数平均分子量は14,100であった。反応系外に留去した混合キシリレンジアミン量を測定した結果、61gであり、反応系外へのジアミン成分の留去量は多くなった。反応槽内および分縮器内部の状況を観察したところ、反応槽の気相部へのナイロン塩もしくはオリゴマーが多量付着し、分縮器内部で白色固形物が認められた。
Claims (7)
- 分縮器を備えた回分式反応槽を用い、パラキシリレンジアミンを20モル%以上含むキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とジカルボン酸成分とを、溶媒の非存在下に重縮合してなるポリアミドの製造方法であって、以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とするポリアミドの製造方法。
(1)反応槽にジカルボン酸成分を仕込み、次いで反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力まで加圧する工程
(2)反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力を維持し、且つ反応系全体が流動状態を維持しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60になるまで、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加する工程
(3)反応系全体が流動状態を維持し、ジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加しつつ、仕込みのジカルボン酸成分(A)に対するジアミン成分(B)のモル比(B/A)が0.60〜0.95の間に反応槽内の圧力を、0.2MPaG未満に低下させる工程 - 工程(2)および工程(3)における分縮器の蒸気側出口温度を155℃以下、且つ水の露点温度から該温度+5℃以下の範囲の温度に制御する請求項1に記載のポリアミドの製造方法。
- 工程(2)における反応槽内の圧力を0.2〜0.4MPaGの範囲に制御する請求項1に記載のポリアミドの製造方法。
- 工程(3)における反応槽内の圧力を0.1MPaG以下まで低下させる請求項1に記載のポリアミドの製造方法。
- 工程(1)における反応槽内の圧力を0.2MPaG以上の圧力迄加圧してから、工程(3)で圧力を低下させるまでの間、圧力を一定に制御する請求項1に記載のポリアミドの製造方法。
- ジカルボン酸成分が70モル%以上のアジピン酸を含有する請求項1に記載のポリアミドの製造方法。
- キシリレンジアミンがメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの二成分からなる請求項1に記載のポリアミドの製造方法。
Priority Applications (1)
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