JP2001329062A - ポリアミドの製造方法 - Google Patents

ポリアミドの製造方法

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JP2001329062A
JP2001329062A JP2000150052A JP2000150052A JP2001329062A JP 2001329062 A JP2001329062 A JP 2001329062A JP 2000150052 A JP2000150052 A JP 2000150052A JP 2000150052 A JP2000150052 A JP 2000150052A JP 2001329062 A JP2001329062 A JP 2001329062A
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Kazumi Tanaka
一實 田中
Takatoshi Shida
隆敏 志田
Hideyuki Kurose
英之 黒瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融状態にあるジカルボン酸成分にジアミン
成分を添加し、溶媒の非存在下に直接反応させるポリア
ミドの回分式製造方法において、反応中のジアミン成分
の留出を防止して、高度なジカルボン酸成分とジアミン
成分のモルバランス制御が可能なポリアミドの製造方法
を提供する。 【解決手段】 ポリアミドの融点より5℃以上高い沸点
を有するジアミンを80モル%以上含むジアミン成分
と、ジカルボン酸成分とを重合してなる当該ポリアミド
の製造方法であって、分縮器を備えた回分式反応槽を用
い、(1)ジカルボン酸成分を溶融する工程、(2)溶
融状態にあるジカルボン酸成分中に、ポリアミドの融点
より5℃以上高い沸点を有するジアミンを80モル%以
上含むジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加す
る工程、及び(3)ジアミン成分を添加終了後、反応槽
内を常圧以上で少なくとも5分間以上保持する工程、を
含むことを特徴とするポリアミドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジカルボン酸成分とジア
ミン成分を、溶媒の非存在下に直接反応させるポリアミ
ドの製造方法に関する。更に詳しくは、溶融状態にある
ジカルボン酸成分にジアミン成分を添加し直接反応させ
るポリアミドの回分式製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアミンとジカルボン酸から合成される
ポリアミドにおいて、所望の重合度を達成するためにこ
れらのモノマーの仕込みのモルバランス(以下単にモル
バランスということがある)の制御が非常に重要であ
る。モルバランスが所定値のポリアミドを得るために
は、当然原料であるジアミン成分およびジカルボン酸成
分の仕込み精度と、反応中のジアミン成分の留出防止に
注意が払われる。
【0003】ポリアミドを製造する際の一般的な供給原
料であるナイロン塩あるいはその水溶液の場合、回分式
では一つの反応槽でナイロン塩水溶液を加圧下に加熱
し、ジアミン成分の留出を抑えながら均一相で重合を進
め、ジアミン成分を固定化したのち系内の水蒸気を徐々
に放圧し、最終的に常圧もしくは減圧とし重合を完結さ
せる。ポリアミド構成成分の仕込み精度はpH調整によ
り保証され、更に反応中のジアミン成分の留出防止に関
しても、重合初期段階において加圧下で反応させるた
め、ジアミンの留出が少なく満足できるモルバランスの
制御が可能となる。
【0004】しかし、ナイロン塩あるいはその水溶液を
供給原料とすることに起因する問題点がある。供給原料
として約50%のナイロン塩の水溶液を用いるのが一般
的であるが、重合初期において溶媒である水の留出を防
ぐため高度の耐圧仕様が求められ、最終的に溶媒である
多量の水と縮合水を除去しなければならず、このとき発
泡、水の蒸発潜熱によるポリマーの固化、および反応中
の大きな液面変動に伴い反応槽壁面にポリアミドが付着
し、熱劣化を起こす等様々な不都合を回避するための対
策が必要である。また、多量の水を除去するため多くの
熱エネルギーを必要とし、更に1回の反応で得られるポ
リアミド収量が少ない等、技術的にも経済的にも課題が
多い。一方、ナイロン塩を供給原料とする場合(特公昭
33−15700号公報、特公昭43−22874号公
報)、これらの欠点はかなり解決されるが、ナイロン塩
の単離、精製工程が必要であり、生産効率の良い方法と
は言い難い。
【0005】ナイロン塩およびナイロン塩の水溶液を原
料としない場合、ポリアミド構成成分の仕込みのモルバ
ランスを制御するため、容量計量器もしくは質量計量器
の利用が考えられる。所望の重合度を達成するために
は、計量誤差として1/1000以下望ましくは5/1
0000以下が必要とされ、容量計量器は満足できる精
度を与えないため、質量計量器の利用が望ましい。質量
計を用いる場合、工業的にはロードセル等を用いてジア
ミン成分およびジカルボン酸成分の質量を別々に計量
後、反応系に供給する方法が上げられる。
【0006】ナイロン塩およびナイロン塩の水溶液を供
給原料としない重合方法として、ジアミンとジカルボン
酸とを直接混合し、加圧下に反応を行う方法(米国特許
第2240347)がある。この方法では、反応槽の
利用は困難であり高価な横型攪拌反応機の利用か強いら
れる。また、少量の水を含んだジアミンを常圧下220
℃以下の温度で滴下して反応を行う方法(特開昭48−
12390号公報)、溶融状態にあるジカルボン酸にジ
アミンを常圧下滴下し直接反応させる方法(特開昭57
−200420号公報、特開昭58−111829号公
報等)もある。これらの方法は技術的にも経済的にも有
利であるが、常圧反応であるため反応中のジアミン成分
の留出防止に関しては、満足できるものとは言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
状態にあるジカルボン酸成分にジアミン成分を添加し、
溶媒の非存在下に直接反応させるポリアミドの回分式製
造方法において、反応中のジアミン成分の留出を防止し
て、高度なジカルボン酸成分とジアミン成分のモルバラ
ンス制御が可能なポリアミドの製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、溶融状態にあるジカルボン酸成分にジアミン成
分を添加し、溶媒の非存在下に直接反応させるポリアミ
ドの回分式製造方法において、ジアミン成分を添加後、
特定の圧力下で特定時間維持することにより、ジアミン
成分の留出が防止でき、充分なジカルボン酸成分とジア
ミン成分のモルバランス制御が可能となることを見出
し、本発明を完成させた。
【0009】すなわち本発明は、ポリアミド(以下、本
発明の製造方法に係るポリアミドを単にポリアミドとい
う)の融点より5℃以上高い沸点を有するジアミンを8
0モル%以上含むジアミン成分と、ジカルボン酸成分と
を重合してなる当該ポリアミドの製造方法であって、分
縮器を備えた回分式反応槽を用い、 (1)ジカルボン酸成分を溶融する工程 (2)溶融状態にあるジカルボン酸成分中に、ポリアミ
ドの融点より5℃以上高い沸点を有するジアミンを80
モル%以上含むジアミン成分を連続的にもしくは間欠的
に添加する工程 (3)ジアミン成分を添加終了後、反応槽内を常圧以上
で少なくとも5分間以上保持する工程 を含むことを特徴とするポリアミドの製造方法に関する
発明である。
【0010】本発明で用いるポリアミド構成成分は、8
0モル%以上がポリアミドの融点より5℃以上高い沸点
を有するジアミンであるジアミン成分とジカルボン酸成
分である。モルバランスを制御する上でジアミン成分の
固定化が大きな課題であり、気相より液相状態のジアミ
ンの方が固定化する上で効率のよいことは明らかであ
り、更に、ポリアミドの融点より沸点が高いジアミン成
分の使用により、ジアミンの固定化を目的に高度な加圧
条件を選択する必要がなく、常圧付近での反応が可能な
ため設備的にも有利となる。
【0011】このため、溶融状態にあるポリアミドとの
共存状態において、ジアミン成分が液相で存在しうる沸
点を有することが必要であり、ジアミン成分の沸点はポ
リアミドの融点より5℃(常圧下で)以上、更に望まし
くは10℃以上高い沸点を有するジアミンの使用が好ま
しい。ジアミン成分の沸点の上限については特に制限は
されないが、通常ボリアミドの製造に商業的に使用され
る可能性のあるジアミンの沸点は、350℃(常圧下)
以下である。ジアミン成分が混合物の場合、ジアミン成
分の中で最も沸点が低い成分が、得られる共重合ポリア
ミドの融点より5℃以上高い関係を維持するものであ
り、その混合比は上記関係を維持する限り任意に選択さ
れる。本発明でいうポリアミドの融点とは、DSC測定
等で観測される結晶融解熱に起因する吸熱ピーク温度を
指し、この融点以上の温度にポリアミドを加熱すること
により均一な攪拌混合が達成される。また、明確な結晶
融解を示さない難晶性もしくは非晶性ポリアミドの場合
は、均一な攪拌混合が可能となる温度つまり流動開始温
度を指す。
【0012】本発明で好適に利用されるポリアミドの融
点より5℃以上高い沸点を有するジアミン成分として
は、キシリレンジアミンとビスアミノシクロヘキサンが
例示できる。更にキシリレンジアミンはメタ、パラおよ
びオルソキシリレンジアミンが例示でき、ビスアミノシ
クロヘキサンは1,2−、1,3−、1,4―ビスアミ
ノシクロヘキサンが例示できる。得られるポリアミドの
実用的な物性から考えて、ジアミンがキシリレンジアミ
ンの場合、メタキシリレンジアミンを50モル%以上含
むジアミンの使用が望ましく、より好ましくは70モル
%以上である。また、ジアミンがビスアミノシクロヘキ
サンの場合、1,3−ビスアミノシクロヘキサンを50
モル%以上含むジアミンの使用が望ましく、より好まし
くは70モル%以上である。その他のジアミン成分とし
てはテトラメチレンジアミン,ペンタメチレンジアミ
ン,ヘキサメチレンジアミン,オクタメチレンジアミ
ン,ノナメチレンジアミン,パラフェニレンジアミン等
が上げられ、ポリアミドの融点より5℃以上高い沸点を
有しないジアミン成分であっても、ジアミン成分の20
モル%未満の範囲で、更に固定化が困難とならない範囲
で適時選択される。
【0013】ジカルボン酸成分としては、アジピン酸、
琥珀酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げ
られる。これらのジカルボン酸は単独でも2種以上混合
しても使用可能である。得られるポリアミドの実用的な
物性から考えて、特に50モル%以上がアジピン酸であ
るジカルボン酸成分が好適に使用できる。また、ジアミ
ンおよびジカルボン酸以外のポリアミド構成成分は、カ
プロラクタム、バレロラクタム、ラウロラクタム、ウン
デカラクタム等のラクタム、11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸を例
示することができる。
【0014】本発明では所望のモルバランスを有するポ
リアミド(ジアミン成分過剰、ジカルボン酸成分過剰お
よび等モルの場合を含む)を得るため、仕込みのモルバ
ランスは任意に選択される。仕込みのモルバランスの調
整方法は、例えば溶融状態にあるジカルボン酸を溶融槽
ごと質量計量器で計量し、反応槽に供給した後、ジアミ
ン貯槽を質量計量器で計量しつつ、ジアミンを反応系に
供給する方法が例示できる。本発明においてジアミン成
分およびジカルボン酸成分の質量を計量する場合、ロー
ドセル、天秤等の質量計量器が好適に利用可能である。
【0015】ジカルボン酸の溶融工程は、酸化着色を避
ける目的から窒素等の不活性ガス雰囲気で行われること
が望ましい。ジカルボン酸の溶融は反応槽もしくは専用
の溶融槽で実施可能であるが、反応槽の利用効率を高め
る目的から、専用の溶融槽の利用が望ましい。
【0016】溶融ジカルボン酸にジアミン成分を添加す
る際、実質的にアミド化反応が進行する温度である16
0℃以上の温度に溶融ジカルボン酸が昇温されることが
望ましく、かつ中間体として生成するオリゴマーおよび
/または低分子量ポリアミドが溶融状態となって反応系
全体が均一な流動状態を保持しうる温度に設定されてい
ることが望ましい。具体的なジアミン成分の添加操作
は、反応槽中で溶融ジカルボン酸を攪拌し、ジアミン成
分を連続的にもしくは間欠的に添加し、添加の間に反応
混合物の温度を逐次昇温させ、所定の温度に保持するこ
とによって行われる。
【0017】昇温速度はアミド化反応熱,縮合水の蒸発
潜熱,供給熱等に依存するため、ジアミン成分の添加速
度が適時調整され、添加終了時点で反応混合物の温度は
ポリアミドの融点以上35℃未満、望ましくは15℃未
満、更に望まししくは5℃未満に調整される。ジアミン
成分の添加中、圧力は特に限定されないがジアミン成分
を固定化する上で常圧以上が望ましい。しかし、ポリア
ミドの融点より5℃以上高い沸点を有するジアミンを8
0モル%以上含むジアミン成分を添加するため、極度の
加圧は不要であり、また設備的にも高価となるため望ま
しくない。
【0018】反応の進行と共に生成する縮合水は、10
0〜120℃の温度に制御されている分縮器と冷却器を
通して反応系外に留去される。縮合水と共に蒸気として
反応系外に留出するジアミン成分、昇華により留出する
ジカルボン酸等は、分縮器で水蒸気と分離され、反応槽
に再度戻される。本発明において、公知のナイロン塩水
溶液を原料とする加圧法の場合と同様に、反応原料、特
にジアミン成分の反応系外への留出は避けがたく、反応
槽は分縮器を備えていることが必要である。分縮器を備
えることにより、ジアミン成分が留出することを効果的
に防止できる。
【0019】本発明ではジアミン成分を添加終了後、反
応槽内を常圧以上で、少なくとも5分間以上3時間以下
に保持する。更に望ましくは少なくとも10分間以上保
持する。ジアミン成分の添加初期には、ジアミン成分に
対しカルボキシル基が相当過剰に存在し、ジアミン成分
の反応速度つまり固定化速度は極めて速い。しかし、添
加終了時にはカルボキシル基が相当量消費されており、
添加初期と比較しジアミン成分の固定化速度は極めて遅
くなる。また、重合度の増加により、反応混合物の攪拌
効率が低下しジアミン成分の固定化に一層不利となる。
固定化されなかったジアミン成分は、反応混合物中もし
くは反応槽内の気相部分に存在し、あるいは分縮器で凝
縮されたものは、再度反応混合物に添加される。ジアミ
ン成分の添加を終了した後に、常圧以上で少なくとも5
分間以上保持することで、この様なジアミン成分が固定
化され、仕込みのモルバランスが精度良くポリアミドの
モルバランスに再現される。又、常圧以上で保持する時
間の上限は、ジアミン成分の固定化の状況に依存するた
め一概にはいえない。しかし、ジアミン成分が固定化が
終了した後の必要以上の保持は、意味がなく、熱履歴の
増加及び生産性の低下等の不都合を招き好ましくない。
従って、保持時間は一般的には3時間以内が望ましい。
【0020】反応槽内を常圧以上で少なくとも5分間以
上保持した後は、反応槽内を減圧状態とし気相部分に存
在する水蒸気を反応系外に留去し、アミド化平衡を利用
し重合度を更に高めることができる。あるいは、不活性
ガスを反応槽の気相に流通させたり、反応混合物中に曝
気して、水蒸気を留去することで重合度を高めることも
可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明に係るポリアミドの製造方法によ
って以下の効果が得られる。 (イ)高度な耐圧仕様の反応機を使用する必要が無いた
め、安価に設備が建設できる。 (ロ)仕込みのモルバランスが精度良くポリアミドのモ
ルバランスに再現されるため、モルバランスの制御、つ
まり重合度の制御が極めて容易となる。
【0022】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明を
具体的に説明する。なお本発明における評価のための測
定は、冷却後のポリアミドについて以下の方法によっ
た。 (イ)末端アミノ基濃度 ポリアミドを精秤し、フェノール/エタノールの容量比
が4/1である溶液に20〜30℃で攪拌溶解した。完
全に溶解した後、攪拌しつつ0.01モル/L塩酸水溶
液で中和滴定して求めた。
【0023】(ロ)末端カルボキシル基濃度 ポリアミドを精秤し、ベンジルアルコールに窒素気流下
160〜180℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、
窒素気流下80℃以下まで冷却し、攪拌しつつメタノー
ルを10cc加え、0.01モル/L水酸化ナトリウム
水溶液で中和滴定して求めた。 (ハ)数平均分子量 末端アミノ基濃度および末端カルボキシル基濃度から次
式により求めた。 数平均分子量=2×106 /(〔NH2 〕+〔COO
H〕) (〔NH2 〕は末端アミノ基濃度(μeq/g)、〔CO
OH〕は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)を表
す。) (ニ)ポリアミドの融点 マック・サイエンス製DSC(3100型)を用い、昇
温速度10℃/分で窒素気流下で測定した。
【0024】実施例1〜2、比較例1 攪拌機、分縮器、全縮器、窒素ガス導入管および滴下ロ
ートを備えた2リットルのステンレス製の容器にアジピ
ン酸(純度:99.85質量%、含有する水分:0.1
5質量%)585.44g(4モル)を仕込み、窒素置
換し、更に少量の窒素を流通させながら、マントルヒー
ターで加熱し、攪拌しつつ190℃に昇温した。次いで
溶融したアジピン酸を攪拌しながら、滴下ロートからメ
タキシリレンジアミン(沸点:274℃、純度:99.
70質量%)546.44g(4モル)を常圧下に連続
的に2時間かけて滴下した。この間内温を250℃まで
連続的に昇温した。
【0025】メタキシリレンジアミンの滴下とともに留
出する水は分縮器および全縮器を通して反応系外に除い
た。このとき分縮器塔頂の最高温度は101℃であっ
た。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、引き続き攪
拌しながら0.2℃/分の昇温速度で昇温しながら常圧
下に所定時間保持し、更に5分間かけて80kPaまで
圧力を低下させ、80kPaで5分間保持した。その後
常圧とし加熱を中止し、反応器を放冷しポリアミドが冷
却固化後、末端基濃度および融点を測定した。結果を表
1に示す。
【0026】 表1実施例、比較例番号 実施例1 実施例2 比較例1 保持時間(分) 5 20 0 ポリアミドの融点(℃) 243 243 243 〔NH2 〕(μeq/g) 77 63 57 〔COOH〕(μeq/g) 119 83 142 モルバランス* 0.9948 0.9975 0.9896数平均分子量 10190 13640 10050 *:滴定によって求めたアミノ基とカルボキシル基から算出されるジアミン成分 とジカルボン酸成分のモル比(ジアミン成分/ジカルボン酸成分)
【0027】表1から明らかな様にメタキシリレンジア
ミン添加終了後、常圧下に保持しないで速やかに80k
Paで保持した場合、ポリアミドのモルバランスは仕込
みのモルバランスから大きなずれを示した。一方、常圧
下に30分間保持した場合、ポリアミドのモルバランス
は仕込みのモルバランスをほぼ再現した。また、常圧下
に僅か5分間保持するだけであっても、ポリアミドは実
用的な重合度達成され得るモルバランスを有していた。
【0028】実施例3,比較例2 攪拌機、分縮器、全縮器、窒素ガス導入管および滴下ロ
ートを備えた2リットルのステンレス製の容器にアジピ
ン酸(純度:99.85質量%、含有水分:0.15質
量%)585.44g(4モル)を仕込み、窒素置換
し、更に少量の窒素を流通させながら、マントルヒータ
ーで加熱し、攪拌しつつ170℃に昇温した。次いで溶
融したアジピン酸を攪拌しながら、滴下ロートから1,
3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(沸点:244
℃,純度:99.95質量%)569.00g(4モ
ル)を常圧下に連続的に3.5時間かけて滴下した。
【0029】この間内温を245℃まで連続的に昇温し
た。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水
は分縮器および全縮器を通して反応系外に除いた。この
とき分縮器塔頂の最高温度は101℃であった。1,3
−ビスアミノメチルシクロヘキサンの滴下終了後、引き
続き攪拌しながら0.3℃/分の昇温速度で昇温しなが
ら常圧下に所定時間保持し、更に5分間かけて80kP
aまで圧力を低下させ、80kPaで20分間保持し
た。その後常圧とし加熱を中止し、反応器を放冷しポリ
アミドが冷却固化後、末端基濃度および融点を測定し
た。結果を表1に示す。
【0030】 表2実施例、比較例番号 実施例3 比較例2 保持時間(分) 25 0 ポリアミドの融点(℃) 232 232 〔NH2 〕(μeq/g) 51 35 〔COOH〕(μeq/g) 68 116 モルバランス* 0.9979 0.9901数平均分子量 16810 13250 *:滴定によって求めたアミノ基とカルボキシル基から算出されるジアミン成分 とジカルボン酸成分のモル比(ジアミン成分/ジカルボン酸成分)
【0031】ポリアミドの融点より12℃高い沸点を有
する1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを用いた
場合であっても、ジアミン添加終了後に常圧下に25分
間保持したとき、ポリアミドのモルバランスは仕込みの
モルバランスをほぼ再現した。一方ジアミン添加終了
後、常圧下に保持しないで速やかに80kPaで保持し
た場合、ポリアミドのモルバランスは仕込みのモルバラ
ンスから大きなずれを示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J001 DA01 EA05 EA06 EA07 EA08 EA16 EA17 EB04 EB06 EB08 EB09 EB36 EB37 EB46 EC14 EC47 EC48 GA12 GC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドの融点より5℃以上高い沸点
    を有するジアミンを80モル%以上含むジアミン成分
    と、ジカルボン酸成分とを重合してなる当該ポリアミド
    の製造方法であって、分縮器を備えた回分式反応槽を用
    い、 (1)ジカルボン酸成分を溶融する工程 (2)溶融状態にあるジカルボン酸成分中に、ポリアミ
    ドの融点より5℃以上高い沸点を有するジアミンを80
    モル%以上含むジアミン成分を連続的にもしくは間欠的
    に添加する工程 (3)ジアミン成分を添加終了後、反応槽内を常圧以上
    で少なくとも5分間以上保持する工程 を含むことを特徴とするポリアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリアミドの融点より5℃以上高い沸点
    を有するジアミン成分がキシリレンジアミンであること
    を特徴とする請求項1に記載のポリアミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 キシリレンジアミンの50モル%以上が
    メタキシリレンジアミンであることを特徴とする請求項
    2に記載のポリアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリアミドの融点より5℃以上高い沸点
    を有するジアミン成分がビスアミノシクロヘキサンであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のポリアミドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 ビスアミノシクロヘキサンの50モル%
    以上が1,3−ビスアミノシクロヘキサンであることを
    特徴とする請求項4に記載のポリアミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 ジカルボン酸の50モル%以上がアジピ
    ン酸であることを特徴とする請求項1ないし記載のポリ
    アミドの製造方法。
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