JP5630872B2 - 狭指向性マイクロホン - Google Patents

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Description

本発明は、音響管にマイクロホンユニットを装着してなる狭指向性マイクロホンに関し、さらに詳しく言えば、マイクロホンケースに収容された内蔵部品のがたつきが無く、機械強度の高い狭指向性マイクロホンの技術に関する。
狭指向性マイクロホンとして、細長い音響管を用いるものが知られている。これは、音響管の一端部内周側にマイクロホンユニットを装着し、音響管の他端である前端の開口から入ってくる音波をマイクロホンユニットで検出し音声信号に変換するものである。
音響管を用いる従来の狭指向性マイクロホンの例として、図6に示すように金属管からなる音響管50を用い、この音響管50の周壁にスリット状などの開口51を中心軸線方向に沿って設け、合成樹脂薄膜、不織布などからなる音響抵抗体(図示せず)を音響管50の周壁に貼り付けて、前記開口51を前記音響抵抗体で覆ったものがある。
かかる構成の狭指向性マイクロホンは、音響管50の前端開口53から入る音波のうち、周方向から回り込んでくる音波を、前記音響抵抗体を経て音響管50の周壁開口51から導かれる音波と干渉させることにより、狭指向性を実現している。
尚、前記のように細長い音響管を用いる狭指向性マイクロホンについては、特許文献1に開示されている。
特開2010−245994号公報
ところで、音響管50において低い周波数の音波まで検出可能な狭指向性を得るためには、軸長を長く形成する必要がある。
また、狭指向性マイクロホンは、屋外で使用されることが多いため、機械的な強度が求められる。このため、特許文献1にも開示されるように、前記音響管50は、円筒状筐体であるマイクロホンケース(図示せず)に収容されて使用される。
しかしながら、音響管50と前記マイクロホンケースとは、略密着しているものの、音響管50が長いと、手持ち等による使用中に、マイクロホンケースと音響管50との間に軸線方向、或いは径方向に僅かなずれが生じ、ケース内の内蔵部品(音響管、マイクロホンユニット、コネクタ部品等)にがたつきが生じることがあった。
また、内蔵部品のがたつきによって生じた異音がマイクロホンユニットに検出されるという課題があった。
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、音響管にマイクロホンユニットが装着され、前記音響管がマイクロホンケースに収容された狭指向性マイクロホンにおいて、マイクロホンケース内の内蔵部品にがたつきが生じることがなく、機械的強度の高い狭指向性マイクロホンを提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る狭指向性マイクロホンは、マイクロホンユニットと、周壁に軸線方向に沿って開口が形成されると共に、後端に前記マイクロホンユニットが連結された音響管と、前記音響管を収容する円筒状のマイクロホンケースとを具備する狭指向性マイクロホンであって、前記マイクロホンケースに収容された音響管に対し、該音響管の後端側を支点として、該音響管の先端側から軸線方向に応力を与えた状態で該音響管をマイクロホンケース内に固定する固定手段を備え、前記固定手段は、前記音響管の先端側内周面に形成された第一の螺子部と、前記マイクロホンケースの先端に対し、周縁下面が軸線方向に係止可能に形成されると共に、前記第一の螺子部に螺合する第二の螺子部が外周面に形成された先端カバーと、前記マイクロホンケース内において該マイクロホンケースに対し前記音響管の後端側を固定可能な後端側固定手段とを有し、前記音響管がマイクロホンケースに収容され、前記音響管の後端側が前記後端側固定手段により固定された状態で、前記先端カバーの第二の螺子部が前記音響管の先端側内周面に形成された前記第一の螺子部に螺入され、該先端カバーの周縁下面が前記マイクロホンケースの先端に対し軸線方向に係止すると共に、該先端カバーが周方向に回転されることによって、前記音響管は、前記マイクロホンケース内において、その後端側が支点となり、先端側から軸線方向に牽引された状態で固定されることに特徴を有する。
尚、前記マイクロホンケースと前記音響管の後端側側面には、径方向に螺子孔が穿設され、前記螺子孔に螺子が螺入されることにより、前記音響管の後端側は、前記マイクロホンケースに対し固定されることが望ましい。
このような構成によれば、マイクロホンケースに収容された音響管に対し、その後端側を支点として、先端側から軸線方向に牽引力(伸長方向の応力)を与え、その状態のままマイクロホンケース内に固定することができる。
これにより、マイクロホンケースの内蔵部品である音響管のがたつきを防止し、機械的強度の高い狭指向性マイクロホンを得ることができる。
本発明によれば、音響管にマイクロホンユニットが装着され、前記音響管がマイクロホンケースに収容された狭指向性マイクロホンにおいて、マイクロホンケース内の内蔵部品にがたつきが生じることがなく、機械的強度の高い狭指向性マイクロホンを提供することができる。
図1は、本発明に係る狭指向性マイクロホンの第一の実施形態の構成を示す断面図である。 図2は、図1の狭指向性マイクロホンを構成する各部品の断面図である。 図3は、図1の狭指向性マイクロホンを構成する各部品の一部拡大断面図である。 図4は、本発明に係る狭指向性マイクロホンの第二の実施形態の構成を示す断面図である。 図5は、図4の狭指向性マイクロホンを構成する各部品の断面図である。 図6は、狭指向性マイクロホンの外観を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は本発明に係る狭指向性マイクロホンの第一の実施形態を示す断面図である。
図1に示す狭指向性マイクロホン1は、マイクロホンユニット2と、このマイクロホンユニット2が後端側に装着される音響管3と、マイクロホンユニット2及び音響管3を収容するマイクロホンケース4とを具備する。また、音響管3の外周面全体は、音響抵抗材5によって覆われている。
マイクロホンユニット2は、音響管3の後端(図1において下端)に連結される取付部20と、音声信号出力回路基板21と、コネクタ部22とを有する。また、音声信号出力回路基板21は、例えばアルミからなる円筒状のカバー23により覆われている。
前記取付部20は、図2(a)に示すように、その周縁に、環状の係止突起20a(係止手段、固定手段)が形成されている。一方、音響管3の後端周縁には、前記係止突起20aが係止可能な段差部3a(係止手段、固定手段)が形成されており、音響管3とマイクロホンユニット2とが連結されると、図1のように前記係止部20aが前記段差部3aに係止するようになっている。
また、音響管3は、主にアルミや鉄などの主に金属からなる細長い長方形状の板を素材としており、この素材が短辺方向に丸められて、図2(a)に示すように細長い円筒状に形成されている。前記音響管3の両端は開放されており、前記のように後端(図1において下端部)にマイクロホンユニット2が配置されている。また、図1、図2(a)に示すように音響管3の周壁には、軸線方向に沿ってスリット状の開口6が複数形成されている。
また、図2(b)に示すように円筒状のマイクロホンケース4の周壁には、前記音響管3の開口6の位置に対応して複数の開口7が形成されている。また、このマイクロホンケース4の両端は開放されており、その先端(図1において上端)には、多数の孔が形成されたメッシュカバー8aを有する先端カバー8が装着されている。
また、図3(b)に示すようにマイクロホンケース4の先端側内周面には螺子溝4a(第一の螺子部、固定手段)が形成されている。一方、先端カバー8の外周面には前記螺子溝4aに対応する螺子山8bが形成されており、先端カバー8は、マイクロホンケース4の先端に螺合により装着されている。
また、図2(a)に示すように、マイクロホンユニット2の側面には、径方向に沿って複数の螺子孔2aが穿設され、図2(b)に示すようにマイクロホンケース4の側面には、前記螺子孔2aに対応する螺子孔4bが設けられている。
マイクロホンケース4に収容されたマイクロホンユニット2は、複数の螺子孔2aに対し、マイクロホンケース4の外側面(螺子孔4b)から螺子留めされている。これにより、マイクロホンケース4内においてマイクロホンユニット2が固定されている。
また、マイクロホンケース4に収容された音響管3は、図3(a)に示すように内側に環状フランジ9aを有するフランジリング9と、外周面に螺子山10a(第二の螺子部)が形成された環状螺子10(固定手段)とによりマイクロホンケース4内で固定されている。尚、前記環状螺子10の螺子山10aは、マイクロホンケース4の先端側内周面に形成された前記螺子溝4aに螺合可能に形成されている。
マイクロホンケース4内へ音響管3を固定する際の手順について具体的に説明すると、先ず、マイクロホンケース4の後部側にマイクロホンユニット2を収容し、複数の螺子孔2aを利用して螺子留めする。
次にマイクロホンケース4の先端側から音響管3を挿入し、その後端に形成された段差部3aをマイクロホンユニット2の係止突起20aに係止する。
また、音響管3の先端にフランジリング9を被せ、環状フランジ9aを前記音響管3の先端に係止する。
次いで、図3(c)に示すように、前記螺子溝4aに対し環状螺子10を螺入する。
ここで、音響管3の後端側は、マイクロホンユニット2側に係止しているため支点となり、音響管3は、その先端側から前記環状螺子10によりフランジリング9を介して押圧される。即ち、前記環状螺子10が螺入されるに従い、音響管3は、マイクロホンケース4内において軸線方向に徐々に圧縮され、固定されることとなる。
尚、前記のように音響管3が固定されると、図3(c)に示すように先端カバー8がマイクロホンケース4の先端に螺合され、装着される。
以上のように、本発明にかかる第一の実施の形態によれば、マイクロホンケース4に収容された音響管3に対し、その後端側を支点として、先端側から軸線方向に押圧力が与えられ、その状態のままマイクロホンケース4内に固定される。
また、マイクロホンケース4に収容されたマイクロホンユニット2は、マイクロホンケース4の外側面から螺子留めされ、マイクロホンケース4内に固定される。
これにより、マイクロホンケース4の内蔵部品である音響管3とマイクロホンユニット2のがたつきを防止し、機械的強度の高い狭指向性マイクロホンを得ることができる。
尚、前記実施の形態においては、マイクロホンケース4内に固定されたマイクロホンユニット2に対し、音響管3の後端側が係止することにより、その後端側に支点が形成されるものとしたが、前記支点を形成する手段は、前記構成に限定されるものではない。
例えば、マイクロホンケース4に収容された音響管3の後端側と、マイクロホンケース4とを螺子留めにより固定し、音響管3の後端側に支点を形成するようにしてもよい。
続いて、図4,図5を用いて本発明にかかる第二の実施形態について説明する。
尚、この第二の実施形態において、先に図1乃至図3を用いて説明した第一の実施形態と実質的に同じ機能を有する構成要素については同一の符号で示し、その詳細な説明は省略する。
図4に示す狭指向性マイクロホン1は、マイクロホンユニット2と、このマイクロホンユニット2が後端に装着される音響管3と、音響管3を収容するマイクロホンケース40とを具備する。また、音響管3の外周面全体は、音響抵抗材5によって覆われている。
マイクロホンユニット2において、音響管3と連結する取付部20は、前記第一の実施形態と異なり、図5(a)に示すように音響管3の後端側(図において下端側)に挿入可能な筒状の挿入部20bと、挿入部20bの側面に設けられた螺子孔20cとを有している。また、前記マイクロホンユニット2の螺子孔20cに対応して、図5(a)に示すように音響管3の後端側側面(図において下端部側側面)には螺子孔3b(後端側固定手段、固定手段)が設けられ、図5(b)に示すようにマイクロホンケース40の後端側側面(図において下端部側側面)には螺子孔40a(後端側固定手段、固定手段)が形成されている。
したがって、図4に示すようにマイクロホンユニット2の取付部20(挿入部20a)を音響管3の後端部に挿入し、更に音響管3をマイクロホンケース40に収容すると、前記螺子孔20c、3b、40aが一致し、そこに螺子11(後端側固定手段、固定手段)が螺合されることによって、音響管3とマイクロホンケース4の後端部、及びマイクロホンユニット2の先端部が互いに連結固定されるようになっている。
また、図5(a)に示すように音響管3の先端側内周面には、螺子溝3c(第三の螺子部、固定手段)が設けられている。
一方、先端カバー8(固定手段)の外周面には前記螺子溝3cに対応する螺子山8c(第四の螺子部)が形成されており、先端カバー8は、音響管3の先端に螺合により装着されている。
ここで、前記のようにマイクロホンケース40に対し後端側が螺子11により固定された音響管3は、前記先端カバー8が装着されることによってマイクロホンケース40に対し固定される。
マイクロホンケース40内へ音響管3を固定する際の手順について具体的に説明すると、先ず、マイクロホンユニット2の取付部20(挿入部20b)が音響管3の後端側に挿入され、更に音響管3にマイクロホンケース40が被せられる。
次いで、螺子孔20c、3b、40aに螺子11が螺合され、音響管3とマイクロホンケース4の後端部、及びマイクロホンユニット2の先端部が互いに連結固定される(音響管3の後端側が固定される)。
そして、マイクロホンケース40に収容された音響管3の先端部に先端カバー8が螺入される。
螺入が進むと、先端カバー8は、その周縁下面8dがマイクロホンケース40の先端面40bに対し軸線方向に係止した状態で、螺入方向(周方向)に回転される。
これにより、音響管3の後端側が支点となり、音響管3は、その先端側から軸線方向(図において上側)に沿って牽引される。即ち、前記先端カバー8が螺入方向に回転されるに従い、音響管3は、マイクロホンケース4内において軸線方向に徐々に牽引され、固定されることとなる。
このように第二の実施形態によれば、マイクロホンケース4に収容された音響管3に対し、その後端側を支点として、先端側から軸線方向に牽引力(伸長方向の応力)が与えられ、その状態のままマイクロホンケース4内に固定される。
これにより、マイクロホンケース4の内蔵部品である音響管3のがたつきを防止し、機械的強度の高い狭指向性マイクロホンを得ることができる。
尚、前記第一、第二の実施形態においては、第一、第三の螺子部は螺子溝とし、第二、第四の螺子部は螺子山としたが、その形状は限定されるものではなく、例えば、第一、第三の螺子部は螺子山とし、第二、第四の螺子部は螺子溝としてもよい。即ち、第一(第三)の螺子部と第二(第四)の螺子部とが互いに螺合可能な形状であればよい。
1 狭指向性マイクロホン
2 マイクロホンユニット
3 音響管
3a 段差部(係止手段、固定手段)
3b 螺子孔(後端側固定手段、固定手段)
3c 螺子溝(第三の螺子部、固定手段)
4 マイクロホンケース
4a 螺子溝(第一の螺子部、固定手段)
6 開口
8 先端カバー
8c 螺子山(第四の螺子部)
9 フランジリング
10 環状螺子(固定手段)
10a 螺子山(第二の螺子部)
11 螺子(後端側固定手段、固定手段)
20a 係止突起(係止手段、固定手段)
20c 螺子穴
40 マイクロホンケース
40a 螺子孔(後端側固定手段、固定手段)

Claims (2)

  1. マイクロホンユニットと、周壁に軸線方向に沿って開口が形成されると共に、後端に前記マイクロホンユニットが連結された音響管と、前記音響管を収容する円筒状のマイクロホンケースとを具備する狭指向性マイクロホンであって、
    前記マイクロホンケースに収容された音響管に対し、該音響管の後端側を支点として、
    該音響管の先端側から軸線方向に応力を与えた状態で該音響管をマイクロホンケース内に固定する固定手段を備え、
    前記固定手段は、
    前記音響管の先端側内周面に形成された第一の螺子部と、前記マイクロホンケースの先端に対し、周縁下面が軸線方向に係止可能に形成されると共に、前記第一の螺子部に螺合する第二の螺子部が外周面に形成された先端カバーと、前記マイクロホンケース内において該マイクロホンケースに対し前記音響管の後端側を固定可能な後端側固定手段とを有し、
    前記音響管がマイクロホンケースに収容され、前記音響管の後端側が前記後端側固定手段により固定された状態で、前記先端カバーの第二の螺子部が前記音響管の先端側内周面に形成された前記第一の螺子部に螺入され、該先端カバーの周縁下面が前記マイクロホンケースの先端に対し軸線方向に係止すると共に、該先端カバーが周方向に回転されることによって、
    前記音響管は、前記マイクロホンケース内において、その後端側が支点となり、先端側から軸線方向に牽引された状態で固定されることを特徴とする狭指向性マイクロホン。
  2. 前記マイクロホンケースと前記音響管の後端側側面には、径方向に螺子孔が穿設され、
    前記螺子孔に螺子が螺入されることにより、前記音響管の後端側は、前記マイクロホンケースに対し固定されることを特徴とする請求項1に記載された狭指向性マイクロホン。
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