JP6436532B2 - 狭指向性マイクロホン - Google Patents
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Description
音響管はその前端部が開放され、側壁には例えばスリット状の音波導入口が形成されて、音波導入口には音響抵抗材が張り付けられている。これにより音響管の前端部方向以外からの音波は、音響管の前端から入るものと、音響管の側壁の音波導入口から入るものとが時間差を持つことで互いに干渉して打ち消し合う。
このようなマイクロホンはガンマイクロホンとも呼ばれ、音響管の前端部方向からの音波に対して高い感度を持つ狭指向性のマイクロホンである。
図4Aに示すようにマイクロホンユニット1は、ユニットケース2内の前端部に振動板3と、この振動板3の背面に対峙するようにして固定極4を備えている。また固定極4の背面には電極引き出し部品5が配置される。この電極引き出し部品5と前記固定極4との間に、前記振動板3の背面に連通する空気室6が形成されている。
前記電極引き出し部品5には、空気室6に連通する音孔5aが軸方向に貫通して形成される。電極引き出し部品5の背面にはドーナツ状に形成された音響抵抗体7が配置され、前記音孔5aを塞いでいる。
なお図には示されていないが、中継部材12の後端部に取り付けられた本体ケース11内には、前記引き出しロッド14を介して供給されるマイクロホンユニット1からの信号をインピーダンス変換するインピーダンス変換回路等を搭載した回路基板が配置されている。また本体ケース11の後端部には、前記回路基板において信号処理されたマイクロホン出力が導出される出力コネクタが配置されている。
したがって、音響管21に形成された音導通孔21aは、マイクロホンユニット1の後部側の音響取り込み口として機能する。これにより前記マイクロホンユニット1は、単一指向性コンデンサマイクロホンを構成している。
なお図4Bに示すマイクロホンユニット1の構成は、図4Aに示したものと同一であり、したがって図4Bにおいてはマイクロホンユニット1を構成する各部の符号は記載を省略して示している。
そして、前記第2弾性部材の周縁面は、前記ボルトの締め付けによって外周方向へ変形して前記音響管の内壁に当接するように構成される。
そして、前記座金は、前記ボルトを締め付けることによって前記第1弾性部材を軸方向に後退させ、前記第1弾性部材の突出は、前記環状の段部を支持点として前記環状凹部を軸方向後方に引っ張って押圧することで前記音響管を保持するように構成される。
そして、好ましい形態においては、前記音響管の後端部が前記環状の段部と当接することで前記支持点が構成される。
さらに、前記第1弾性部材または第2弾性部材もしくは両者は導電性を備えていることが望ましい。
図1A,図1B,図1Cに示すように、中継部材12の前端部側における外径が縮小された部分には、ドーナツ状の座金15が装着されている。そして、固定部材としての絶縁座13の裏面側から挿入されたボルト16の先端部が、前記座金15にねじ込まれている。なおこの例においては、図に示されたボルト16を含めて3本のボルトが周方向に等間隔に配置されている。
一方、前記第2弾性部材18の周縁面18cは、図2Cに断面図で示されているように、凹面状に成形されている。すなわち、第2弾性部材18の周縁面18cは、半径方向中心に向かって凹んだ状態(厚さ方向の中央部が凹んだ状態)に成形されている。これは、第2弾性部材18を成形するにあたり、板状のゴム素材が厚さ方向に圧縮した状態で加工されることで成形される。すなわち、周縁面18cのカット、中央孔18aおよびボルト挿通孔18bの打ち抜きが同時に行われることで、図2Cに示すように半径方向中心に向かって凹んだ状態の第2弾性部材が成形される。
そして、この実施の形態において、前記第1弾性部材17と第2弾性部材18とには、略同一の厚さに成形された板状のゴム素材が用いられる。
また図1Bは、前記ボルト16を若干締め付けた状態を示している。これによると前記座金15は固定部材13側に若干移動して、第1と第2弾性部材17,18を軸方向に圧縮する。したがって第1弾性部材17は弾性変形を受けて、周縁面17cは外周方向に若干突出する。一方、第2弾性部材18は弾性変形を受けて、周縁面18cの凹みの程度は緩やかになる。
また、図3A,図3B,図3Cにおける音響管取り付けユニット31の後部には、図4A,図4Bに示した例と同様に、本体ケース11が取り付けられる。しかし、図3A,図3B,図3Cは、その記載を省略して示している。
そして図3Aに示す状態において、音響管取り付けユニット31を構成する前記した第1弾性部材17と第2弾性部材18は、弾性変形を受けずに原形の状態を保っている。したがって、音響管21は音響管取り付けユニット31を外側から覆うようにして抵抗なく本体ケース11に装着できる。
さらに前記ボルト16を締め付けることで、第1および第2弾性部材17,18は、軸方向に圧縮を受けて、固定部材13側に移動(後退)する。このとき、外周方向に突出した第1弾性部材17の周縁面17cは、環状凹部21cに入り込んだ状態で固定部材13側に移動(後退)する。また、第2弾性部材18の周縁面18cは音響管の内壁に一定の摩擦力を持って当接する。
また、第2弾性部材18の周縁面18cは音響管21の内壁に一定の摩擦力を持って当接する。したがって、第2弾性部材18の周縁面18cの摩擦力は、第1弾性部材17の周縁面17cと環状凹部21cによる保持力を補助するように働き、音響管の保持力を高める。
2 ユニットケース
2a 音導通孔
3 振動板
4 固定極
5 電極引き出し部品
5a 音孔
6 空気室
7 音響抵抗体
8 アジャストリング
9 封止部材
10 ベース部材
11 本体ケース
12 中継部材
12a 環状段部
13 絶縁座(固定部材)
14 引き出しロッド
15 座金
16 ボルト
17 第1弾性部材
17a 中央孔
17b ボルト挿通孔
17c 周縁面
18 第2弾性部材
18a 中央孔
18b ボルト挿通孔
18c 周縁面
21 音響管
21a 音導通孔
21c 環状凹部
31 音響管取り付けユニット
Claims (9)
- 音響管内にマイクロホンユニットが配置されるように音響管を着脱可能にする音響管取り付けユニットを備えた狭指向性マイクロホンであって、
前記音響管取り付けユニットには、固定部材と座金との間に介在する第1弾性部材および前記固定部材と座金とを軸方向に締め付けるボルトとが備えられ、
前記第1弾性部材の周縁面は直線状に成形され、
前記固定部材と座金は前記ボルトの締め付けによって前記第1弾性部材を変形させ、前記音響管の内壁に前記第1弾性部材を当接させて前記音響管を保持し、
前記音響管の内壁には環状の凹部が形成され、
前記第1弾性部材の周縁面は、前記ボルトの締め付けによって外周方向へ変形して突出し、
前記第1弾性部材の突出は前記環状の凹部に当接すること、
を特徴とする狭指向性マイクロホン。 - 前記音響管取り付けユニットは周縁面が凹面状に成形された第2弾性部材をさらに備え、前記第2弾性部材は、前記第1弾性部材と共に前記固定部材と座金との間に配置されていること、
を特徴とする請求項1に記載の狭指向性マイクロホン。 - 前記第2弾性部材の周縁面は、前記ボルトの締め付けによって外周方向へ変形して前記音響管の内壁に当接すること、
を特徴とする請求項2に記載の狭指向性マイクロホン。 - 前記音響管取り付けユニットは環状の段部を備えたこと、
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに1項に記載の狭指向性マイクロホン。 - 前記座金は、前記ボルトを締め付けることによって前記第1弾性部材を軸方向に後退させ、
前記第1弾性部材の突出は、前記環状の段部を支持点として前記環状の凹部を軸方向後方に引っ張って押圧することで前記音響管を保持すること、
を特徴とする請求項4に記載の狭指向性マイクロホン。 - 前記音響管の後端部が前記環状の段部と当接することで前記支持点を構成する、
請求項5に記載の狭指向性マイクロホン。 - 前記ボルトは前記座金と前記第1弾性部材と前記第2弾性部材と前記固定部材を貫通するように複数備えられ、
前記複数のボルトはそれぞれ周方向において等間隔に配置されていること、
を特徴とする請求項2に記載の狭指向性マイクロホン。 - 前記第1弾性部材は導電性を備えていること、
を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の狭指向性マイクロホン。 - 前記第2弾性部材は導電性を備えていること、
を特徴とする請求項2又は3に記載の狭指向性マイクロホン。
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