JP5628999B2 - 搬送ベルトおよびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は軽量なシート状の物品あるいは軽量な錠剤あるいは粒状の物品を搬送する搬送ベルトに関する。一般に、種々の1枚毎のシート状の用紙あるいは種々の薬の錠剤などの個別の小物品を搬送ベルトによって高速で搬送するとき、自体軽量である用紙や小物品が搬送中に搬送ベルトから浮き上がって正しい姿勢で送れなくなる恐れがある。そこで、本発明は電子写真装置であるコピー機の用紙やあるいは薬の錠剤などの小物品の軽量な個々の物品を搬送ベルトで高速搬送する場合に、これらの用紙や錠剤などの小物品の軽量な個々の物品を搬送中に搬送ベルトから浮き上がらなくして、正しい姿勢で搬送できる構造とした搬送ベルトに関し、特にベルトの素材が繊維から形成の編物からなる搬送ベルトに関する。
従来、物品を搬送する搬送ベルトは、コンベアベルトとも呼ばれて、一般的には、大量生産を行う工場などで最も普通に使用されている。そのベルトは素材がゴム、織物、金網や鋼板などで造られたベルトである。これらのベルトは、両端部に設けたベルト車すなわちプーリーにベルトを環状に掛け渡し、そのベルト上に載せた搬送する物品をベルトの移動によって搬送する。ところで、この物品搬送用の搬送ベルトは、上記のような大量生産の工場などで使用されるのみでなく、個々の物品を加工したり処理したりする加工装置や処理装置中に組み込まれ、それらの装置の中で加工物や処理物の搬送に用いられている。例えば、これらの処理装置としては、例えば、薬の錠剤等の小物品を搬送する搬送ベルトや電子写真装置の複写用の用紙を装置内で搬送する搬送ベルトなどがある。
従来、これらの搬送ベルトとして、種々の物品の搬送用の搬送ベルトに形成したものが知られている。これらの種々の構造に開発された搬送ベルトについて、以下に順次に記載する。
第1は、合成繊維からなる糸で織られたメッシュベルトからなる搬送ベルトで、このメッシュベルトの両側端部を補強用の合成繊維の布帛で被覆して融着して形成した搬送ベルトが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
第2は、伸縮性編布の片面にゴム弾性体層を積層して形成したベルトが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
第3の搬送ベルトは、ガラス繊維を網状に織ってベルト芯体とした搬送ベルトで、搬送方向に複数本の樹脂もしくは柔軟性材で形成されたシール帯が一体に列設されて内外表面に突出して形成され、さらにベルト側端部にはベルト芯体を挟んで布材などの補強材で補強されたベルトが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
第4の搬送ベルトは、フィルターメッシュベルトで、長手方向に形成された両サイド部分の間に形成されるメッシュ部分と、メッシュ部分を横断して配置されている複数の補強部分から形成されており、これらのサイド部分および補強部分はメッシュ部分に比べて密に織りこまれてメッシュ部分よりも剛性を備えたものとされている。さらにサイド部分および補強部分はホットメルト繊維を織り込んで加熱処理することで一体に成型し、この一体成形したベルトが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
第5は、メッシュベルトの搬送方向に平行な経糸が1mm〜2mmからなり、この経糸と直交する緯糸が0.1mm〜0.5mmからなり、メッシュの開口率が15%〜40%であるメッシュベルトにシリコンゴムを塗布もしくは含侵して形成したベルトが提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
第6は、ソリッドベルトからなり、このソリッドベルトに通気孔が形成されており、ベルトの搬送方向に平行な凹凸の溝形状を有し、凹凸の溝形状が高さ0.1mm以上で、凹凸形状の周期が1mm以上の繰り返しからなり、吸着手段によって搬送物である用紙の波打ち高さを減少させるものとしたベルトが提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
第7は、メッシュベルトからなる空気透過性の輸送ベルトが輸送方向に延びる縦方向の撚り糸である繊維ストランドからなる糸と、輸送方向に横断的に延びて縦方向の繊維ストランドからなる糸と交差する交差糸とから形成され、縦方向の繊維ストランドからなる糸間の間隙が横方向の交差糸間の間隙よりも大きい輸送ベルトが提案されている(例えば、特許文献7参照。)。
第8は、平織の布から形成されたメッシュであり、メッシュのピッチが100μm〜170μmの間に設定され、縒り線よりも単線を利用するものとし、繊維交差部分である経糸と緯糸の高低差が20μm〜100μmに設定されているベルトが提案されている(例えば、特許文献8参照。)。
第9は、網目構造のベルトの表面にゴム弾性のある滑り防止機能を付与した搬送ベルトが提案されている(例えば、特許文献9参照。)。
第10は、メリヤス靴下の製造方法において、熱を加えることで熱接着性の糸条は溶着するが、熱収縮性の糸条は溶融しない範囲の熱を加えて編地を収縮させると共に熱接着性の糸条にて接着せしめて編み目がほつれないようにする技術が提案されている(例えば、特許文献10参照。)。
第11は、衣服用布帛として、ポリエステル糸、綿糸、これらの混紡糸およびアクリル糸等からなる地糸でゴム編みした編地に、比較的細い塑性変形を有するポリオレフィン糸をアクリル糸の地糸の添え糸として全面に編みこむ添え糸編みをすることで、ポリオレフィン糸である添え糸が表側に出ないようにして形成した保形性の良い布帛が提案されている(例えば、特許文献11参照。)。
ところで、上記の提案のメッシュベルトからなる搬送ベルトでは、ベルト側端部の糸のほつれの問題があり、この問題に対処するために、上記の特許文献1、特許文献2あるいは特許文献3では、ベルト側端部に処理を施している。また、特許文献5では強度および耐久性の向上として、緯糸よりも経糸を太くし、緯糸の径を0.1mm〜0.5mmとして経糸の径を1mm〜2mmとしたメッシュベルトである。しかし、このメッシュベルトは、メッシュの経糸を1mm〜2mmと太くしているので、搬送ベルトとしての柔軟性に欠ける。また、さらに特許文献8の従来技術に見られるように、平織りで構成されるメッシュでは、搬送ベルトの側端部のほつれや横ズレ防止あるいは強度の強化などの対策を必要とし、例えば、ほつれ防止には、2次加工および補強部材を必要とするのでコストの上昇する結果となっている。
実開昭61−200811号公報 実開昭63−139248号公報 実開平3−118917号公報 実開平5−19377号公報 特開2000−155404号公報 特開2000−191175号公報 特開2002−235251号公報 特開2009−184793号公報 特開2009−149440号公報 特開昭59−53701号公報 特開2007−308819号公報
ところで、織物で構成される搬送ベルトにより搬送物を搬送する際、搬送ベルトに通気性のメッシュの部分を設けてメッシュベルトとし、このメッシュの部分からエアー吸引することで、メッシュの部分に載置した搬送物を高速で安定して搬送することができる。しかし、このメッシュベルトである搬送ベルトでは、搬送ベルトの側端部でメッシュのフィラメントのほつれが生じる。このため、側端部のほつれによる搬送ベルトの弱化あるいは搬送ベルトの横ズレによる蛇行などに対する対策が必要となる。すなわち、このメッシュベルトである搬送ベルトの側端部のほつれの防止には、この側端部の部分に何らかの2次加工をするか、あるいは補強部材で補強する必要があり、このためにコストが上昇する。ところで、メッシュの部分の強度および耐久性を良好とするために、特許文献5に見られる発明のように、経糸の径を1mm〜2mmと太くして搬送ベルトを形成しているが、この結果として柔軟性に欠ける搬送ベルトとなっている。一方、編物からベルトを形成して搬送ベルトに使用しようとすると、編物は柔軟過ぎてこのままでは搬送ベルトに適用できないので、ゴム弾性体を編物からなるベルトに積層して柔軟性を緩和して搬送ベルトとする必要がある。
このようにメッシュベルトには以下に記載する問題がある。織物からなるメッシュベルトでは、1)メッシュ構造部分でのベルトの側端部の糸のほつれの問題があり、2)ベルトの横ズレあるいは蛇行の防止のために、ベルトの側端部にガイド部材を設ける必要があるが、側端部にガイド部材となる段部がないので、2次加工によりガイド部材を設けるとコストが上昇し、3)全面がメッシュ構造からなるメッシュベルトでは強度不足があり、強度を上げるためには極端に太い糸を用いてメッシュベルトとする必要があり、4)編物を搬送ベルトとした際には、編物の柔軟性を緩和するためにゴムで積層して、さらに孔加工する必要があり、5)織物や編物とゴム弾性体とからなる積層ベルトは積層するためにコスト上昇して高価であり、さらに6)編物は伸縮性が大きいので、通常に編んだ編物をその状態で搬送ベルトとすることは不可能であった。
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題を解決して、実用度の高い編物からなる搬送ベルトを提供することであり、この編物からなる搬送ベルトを用いた装置を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、第1の手段では、エアー吸引による通気性により高速で用紙およびシート状の物もしくは物体を搬送する際に適用する搬送ベルトで、緯編の編物からなり、搬送ベルトを形成する編糸が合成繊維の長繊維よりなるフィラメントであり、編糸のフィラメントどうしが絡み合いを有し、搬送方向となるゲージ方向の編目のループのピッチよりも幅方向となるステッチ方向の編目のループのピッチが短い編組織であり、互いに接する編目のループを変形せしめ、ループのフィラメントが絡んだ状態を維持し、かつ、フィラメントどうしの絡み合いにより搬送方向への強度を向上させ、搬送ベルトの搬送時におけるベルトの側端部における編糸のフィラメントのほつれを防止して強度を向上させた、編物からなる搬送ベルトである。
第2の手段では、緯編の編物からなる搬送ベルトは、編物による空隙を有し、編物に用いる編糸がモノフィラメントからなる編糸であり、この編糸のモノフィラメントどうしが交差して絡む編目のループの位置で、モノフィラメントの編糸が曲げ応力および熱により塑性変形して、もしくは編物に用いる編糸が複数のフィラメントからなる編糸であり、この編糸の複数のフィラメントどうしが交差して絡む編目のループの位置で、熱により塑性変形を生じるフィラメントを複数のフィラメント中に含む編糸が曲げ応力および熱により塑性変形して、絡んだ状態を維持している、第1の手段の編物からなる搬送ベルトである。
第3の手段では、編糸が曲げ応力および熱により塑性変形して絡んだ状態を維持しているベルトは、編糸により表面と裏面とも同じ摩擦係数を有する搬送ベルトであるかもしくは編糸により表面と裏面が異なる摩擦係数を有する、第2の手段の編物からなる搬送ベルトである。
第4の手段では、編糸により表面と裏面が異なる摩擦係数を有する搬送ベルトは、ベルトの摩擦係数を向上させるために、編糸が複数のフィラメントからなる糸で、複数のフィラメントからなる糸の中に低融点の弾性フィラメントを含んで撚りを掛けた編糸から編まれ、もしくは、低融点の弾性フィラメントとモノフィラメントを用いて添え糸編み技法により編まれ、編み上げ時の曲げ応力により上記の低融点の弾性フィラメント以外のフィラメントが塑性変形を生じ、かつ、熱セットによりこの低融点の弾性フィラメントが融着して交差し絡む状態を安定化せしめ、撚った糸もしくはカバーリング糸を用いた場合はベルトの表裏の摩擦係数を向上させ、添え糸編技法を用いた場合は、表面と裏面のうち必要な面の摩擦係数を向上させた、第3の手段の編物からなる搬送ベルトである。
第5の手段では、編糸は、伸縮率の低い挿入糸を含有する編糸であり、この編糸をベルトの幅方向の任意の位置に編み込むことにより、搬送方向に対する伸縮率を抑制して搬送ベルトの蛇行を規制している、第2または第3の手段の編物からなる搬送ベルトである。
第6の手段では、第1〜5のいずれか1項の手段の編物からなる搬送ベルトをエアー吸引による通気性を必要とする搬送手段を有する装置に適用した、編物からなる搬送ベルトを用いた搬送装置である。
上記の本発明の第1の手段により、搬送ベルトの側端部は糸のほつれのない構造となっている。第2の手段により、搬送ベルトを形成する編物の編糸は所定の熱で塑性変形するフィラメントを複数のフィラメント中に含んでいるので、この編糸からなる編目のループは曲げ応力および所定の熱により塑性変形して絡んだ状態を維持してループの曲率が大きくなり伸縮の変化が小さくなる。さらに、第3の手段により、編物のループは、摩擦係数が大きなフィラメントから形成されているので搬送ベルトの搬送物のグリップ力が高く搬送物を安定して搬送できる。第4の手段により、摩擦係数が大きなフィラメントは複数のフィラメントの中に低融点の弾性フィラメントを含有しているので、熱融着あるいは熱セットにより、搬送ベルトの搬送物のグリップ力が一層に高まり、搬送物をより安定して搬送できる。第5の手段により、搬送ベルトの搬送方向への伸びが抑制されることで搬送ベルトの蛇行が抑えられる。第6の手段により、搬送装置の装置内の搬送ベルトに第1の手段ないし第5の手段のベルトを適用したことで、この搬送装置において、装置内でのベルトの走行がスムーズに蛇行することなく安定して搬送物を搬送できる。
式(1)に基づきフィラメント径φを0.11mmとし、ステッチ方向のピッチを変化させた時の編目構造を示す図である。 フィラメント径0.11mm径である編物の平面図で、(a)はループを変形させない条件の編物の平面図、(b)はステッチ方向のピッチを狭くしてループを変形させた条件の編物の平面図である。 フィラメント径0.15mm径である編物の平面図で、(a)はループを変形させない条件の編物の平面図、(b)はステッチ方向のピッチを狭くしてループを変形させた条件の編物の平面図である。 本発明の編物からなる搬送ベルトを示し、搬送ベルトの平面図である。 本発明の挿入糸を含有する編物からなる搬送ベルトを示し、搬送ベルトの平面図である。 フィラメント径におけるステッチ数を横軸に、引張強さを縦軸にとった各フィラメント径における関係を示すグラフである。 本発明の搬送ベルトをエアー吸引を有する搬送装置に装着した平面図および側面図を示す。 本発明の実施例の搬送ベルトと比較例の搬送ベルトにおいて得る圧縮量と耐荷重の関係を示すグラフである。 表1の実施例6のフィラメント材質のカバーリング糸の構成を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態について、表および図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態は請求項1に係る発明の実施の形態であり、緯編の編物4からなる搬送ベルト1であり、搬送ベルト1の下方からエアー吸引すなわちバキュームを利用してシート状の物品や小物の物品からなる搬送物を搬送ベルト1に載置して搬送する、図4に示す搬送ベルト1である。この搬送ベルト1は、その走行時におけるベルト2の側端部3の編糸6のフィラメント7の劣化によるほつれが防止されており、さらに側端部3の編糸6のフィラメント7の強度が十分に保持されている。このように本発明の搬送ベルト1を形成する編物は緯編地が好ましく、それは緯丸編地、横編地のいずれでもよい。このうち丸編地は端部が存在せず、編地自体の強度に優れ、編地の有する空隙が一様なパターンからなる連続組織が得られるため、ベルト2の面上でのエアー吸引力にムラを生じにくい点で好ましい。また緯編地の編組織としては、平編(天竺編みともいう。)やゴム編み(リブ編ともいう。)やパール編(リンクス編ともいう。)の中から選択することができる。また、前記編組織の変化組織を採用し、伸縮を規制する方向やファイバー密度をコントロールしたものも適用できる。このような緯編地の例として、あぜ編、スムース、かの子、テレコ、メッシュのような緯編地が挙げられる。さらに、これらにニット、タック、ミス(ウエルト)、目移し、インレイ(挿入)等の各操作を適宜組み合わせて緯編地の各種組織の実現に利用できる。
さらに、この搬送ベルト1は、用紙などのシート状物体もしくは薬の錠剤などの小物品などの搬送物をベルト2に載置してエアー吸引しながら高速で搬送するために通気性を必要とするベルト2から形成されている。このベルト2は緯編の編物4から形成されており、この緯編の編物4である編組織5を形成する編糸6は合成繊維の長繊維であるフィラメント7からなっている。この編糸6のフィラメント7が隣接のフィラメント7と絡み合う編物4よりなるベルト2である。このベルト2では、搬送方向8であるゲージ方向の編目のループのピッチPgよりも幅方向9であるステッチ方向の編目のループのピッチPsが短い編組織5からなっている。そして、互いに接するループ10およびフィラメント7を変形させて、ループ10のフィラメント7どうしが絡み合った状態とし、さらに、この状態を維持することで、搬送方向8へのベルト2の強度を向上させ、搬送ベルト1の走行時におけるベルト2の側端部3における編糸6すなわちフィラメント7のほつれを防止し、編物4からなる搬送ベルト1の強度を十分に向上させている。
発明者らは、図1に示すように、搬送方向8であるゲージ方向の編目のループのピッチPgと、搬送方向8に直角な方向の幅方向9であるステッチ方向の編目のループ10のピッチPsとフィラメント径φとの関係が下記の式(1)として表されることを見出した。
Ps2+(Pg/2)2=(Pg/2+2φ)2…(1)
すなわち、Ps2=2φ・Pg+4φ2…(1)
なお、この式において
Ps:ステッチ方向のピッチ
Pg:ゲージ方向のピッチ
φ:フィラメント径
である。
さらに、上記のPsにおいて、
Ps0:ループどうしが接し、ループの変形なし
Ps1:ループどうしが接し、ループの変形あり
をそれぞれ示す。
この式(1)に基いて、ステッチ方向のループのピッチPsをループ10が変形するピッチPs1となるように編み上げることで、ループ10のフィラメント7が隣接のループ10のフィラメント7と絡み合う位置で、これらのループ10が変形して絡んだ状態を維持する。そして、これらのループ10の変形に伴って、このフィラメント7どうしの絡み合う位置における編糸6の撚りが厳しい状態の編物4に構成される。本願の請求項1に係る発明の手段の搬送ベルト1はこのような構成の編物4からなっている。
さらに、第2の実施の形態は請求項2に係る発明の実施の形態であり、緯編からなる編物4のループ10がモノフィラメントからなる編糸6から形成されている。この編物4の隣接する編目のループ10のモノフィラメントどうしが交差して絡み合うループ10の位置において、編糸6は撚りが厳しく、したがって編糸6に曲げ応力が掛かった状態であり、モノフィラメントからなる編糸6がこの曲げ応力および所定の熱により塑性変形して絡んだ状態を維持して編物4に構成されている。あるいは、編物4の編糸6は複数のフィラメントから形成され、この編糸6の複数のフィラメントどうしが交差して絡み合うループ10の位置において、所定の熱で塑性変形するフィラメント7を複数のフィラメント中に含んで編糸6が構成されているので、この編糸6の複数のフィラメントが曲げ応力および所定の熱により塑性変形してループ10の複数のフィラメントどうしの絡んだ状態を維持して編物4に構成されている。本発明の第2の手段の搬送ベルト1はこのような構成の編物4からなっている。前記のように複数のフィラメントが絡み合った状態で加熱処理による熱により塑性変形をループ10に付与できる。この場合、前記の塑性変形を与える熱処理の方法については限定されないが、乾熱セット、湿熱セットなどが適用できる。乾熱セットを行う場合は、例えば編地をピンテンターの様なセット機を使用し、熱風により熱固定する方法で行うものとする。この場合、セット温度は100〜220℃が好ましい。また、湿熱セットを行う場合は、例えば緯編地を型板に被せた状態で水蒸気により熱固定する方法や、熱水に投入することにより熱固定する方法が例示できる。これらの場合のセット温度は70〜130℃が好ましい。
さらに、本発明の搬送ベルト1は、上記のような編物4の構成に加えて、ステッチ方向のループのピッチPsを狭くしたことで、単位幅当りのステッチの数が増加して、搬送方向の強度を向上させている。さらに搬送ベルト1は、ループ10を変形させるステッチ方向のループのピッチPsを、ループ10どうしの接触によりループ10が変形している状態のPs1にすることで、ゲージ方向のループ10どうしの弛みを小さくして、搬送方向への編物4の伸縮を減少している。
さらに、第3の実施の形態は請求項3に係る発明の実施の形態であり、緯編からなる編物4のループ10は、摩擦係数が大きな値である0.5以上であるフィラメント7から形成されているかもしくは摩擦係数の向上作用のある弾性フィラメントを含有する摩擦係数が大きな値である0.5以上であるフィラメント7から形成されて、編物4からなる搬送ベルト1とされている。
ところで、搬送ベルト1を走行させ搬送物を搬送する搬送装置11では、2種類のタイプの装置がある。第1のタイプは、ベルト車である駆動ローラ12および従動ローラ13の位置が固定されているタイプの装置である。第2タイプは、ベルト2に荷重によるテンションを加えるものタイプの装置である。
この第1のタイプのベルト車である駆動ローラ12および従動ローラ13の位置が固定されているタイプの装置では、ベルト2に伸縮力による張力を持たせ、このベルト2の張力と駆動する駆動ローラ12および従動ローラ13との摩擦により、これらローラとのグリップ力を得てベルト2を駆動させる。したがって、このタイプに必要なベルト2としては、伸縮性による張力があり、張力変化の少ないすなわち歪の少ないベルト2である。これに加えて、摩擦によるグリップ力をもたせるためには、ベルト面の摩擦係数が高いベルトが望ましく駆動ローラとして樹脂ローラもしくは金属ローラを用いることができ、このために請求項3に係る発明では、搬送ベルト1は、摩擦係数が0.5以上が良い。また、内面の摩擦係数が低いベルトを用いた場合は、駆動ローラはゴムローラなどのローラ表面の摩擦係数の高いローラと組み合わせることで使用することができる。さらに、このタイプのベルト2の走行時の蛇行防止にはベルト車である駆動ローラ12および従動ローラ13の形状をアーチ型のクラウン形状にすることでベルトの蛇行を防止することができる。
第2のタイプのベルト2に荷重によるテンションを加えるタイプの装置では、基本的にはベルト2が伸縮し難いものを使用することである。この理由は、ベルト2の走行時の変動速度を少なくするためである。ところで、このタイプの装置では、ベルト2の張力を、任意に装置の方でローラ間の距離を調整することで、変えるので、長寿命の装置となる。したがって、この装置に用いるベルト2に必要な特性としては、ベルト2が伸縮性を有さないか、または伸縮率の低いベルト2で、かつベルト2の内面の摩擦係数は駆動ローラ表面の摩擦係数に合わせたものが必要になる。なお、ベルトとローラのグリップ力が高すぎると、ベルトがローラからの分離時に異音が発生するためローラ材質に合わせた組合せが必要となる。
さらに、第4の実施の形態は請求項4に係る発明の実施の形態であり、本発明の搬送ベルト1は、ベルト2の編物4の編組織5の幅方向9の中央部に融点の異なるフィラメント7からなる編糸6を挿入糸6aとして、図5に示すように、搬送方向8に挿通して加えた編物4とするか、もしくは融点の異なるフィラメント7からなる編糸6を用いて添え糸編みで編まれた素材のナイロンからなる編物4を、115℃で熱セットすることで、フィラメント7の絡み位置におけるフィラメント7の塑性変形を十分に行わせた状態として形状を安定化すると共に、フィラメント7が熱により塑性変形して熱融着するものとすることで、ベルト2の側端部3のほつれの防止をした搬送ベルト1である。
さらに、編物4の編組織5の幅方向9の中央部に低融点の素材である弾性フィラメントからなる挿入糸6aを挿通し、熱融着と同時にベルト2のグリップ性である摩擦係数の向上を図った搬送ベルト1である。
また、第5の実施の形態は請求項5に係る発明の実施の形態であり、搬送ベルト1の蛇行防止として、ベルト2の幅方向9の中央部に低伸縮性の挿入糸を搬送方向に挿入し、ベルト2の側端部3の搬送方向8への伸びよりも幅方向9の中央部の搬送方向8への伸びを小さくして蛇行防止を図った搬送ベルト1である。これらの挿入糸6aを有するベルト2の手段の搬送ベルト1である。
さらに、第6の実施の形態は請求項6に係る発明の実施の形態であり、上記の請求項1〜5に係る請求項のいずれかに記載の発明に関する。これらの搬送方向への編物4の伸縮性を少なくした搬送ベルト1は、塑性変形を十分にすることにより、あるいは熱融着によりベルト2の側端部3における編糸6のフィラメント7のほつれを防止した搬送ベルト1や、幅方向9であるステッチ方向の中央部に低伸縮率の挿入糸を搬送方向に挿入して搬送方向8への伸びを小さくしてベルト2の蛇行防止を図った搬送ベルト1など通気性を必要とする搬送手段を有する装置である送装置11に適用した、編物4からなる搬送ベルト1を用いた搬送装置11である。
ところで、上記した式(1)に基づき、フィラメント径φを0.11mmとし、幅方向9であるステッチ方向のループのピッチPsの大きさを変化させた時を図2に示す。この図2の(a)に示す左側のループ10が変形しない条件で編み上げた編物4と、図2の(b)に示す右側のループ10が変形する条件で編み上げた編物4を比較すると、単位長さでは、ステッチ方向のループのピッチPsを、図2の(a)のPs0の0.59mmから図2の(b)に示すように狭くして、ループ10を変形させた場合のピッチPs1の大きさは0.4mmである。このように、図2の(a)に示すように、幅方向9であるステッチ方向のループ10のピッチPsを狭くしない、つまりループ10を変形させない場合のループ10の未変形状態下のフィラメントの絡み合いの距離L0は大きさは0.594mmである。一方、図2の(b)に示すように、ループの変形状態下のフィラメントどうしの絡み合いの距離L1は0.436mmである。このように幅方向9であるステッチ方向のループ10のピッチPsを短くすることで、ステッチ方向である幅方向9のループ10のピッチPgの密度が高くなり、搬送方向8への強度が向上する。また、上記のように、ループの変形状態下でのフィラメントの絡み合いの距離L1の大きさが0.436mmと短くなる場合では、フィラメント7の塑性変形が起こり易くなる。その結果、搬送ベルト1の使用時のベルト2の側端部3のフィラメント7のほつれが防止でき、強度が向上する。加えてループ10の変形に伴ってループ10の曲率が大きくなり、伸縮の変化の度合いが小さくなる。
次いで、図3は、フィラメント径φを0.15mmとして図2のフィラメント径φの0.11mmよりも太くし、幅方向9であるステッチ方向のループのピッチPsの大きさを変化させた時の図である。このフィラメント径φを0.15mmのものでも、図2のフィラメント径φが0.11mmのものと同様に、単位長さでは、幅方向9であるステッチ方向のループ10のピッチPsを、図3の(a)のPs0の0.686mmから図3の(b)に示すように狭くして、ループ10を変形させた場合のピッチPs1の大きさは0.4mmである。このように、図3の(a)に示すように、幅方向9であるステッチ方向のループ10のピッチPsを狭くしない、つまりループ10を変形させない場合のループ10の未変形状態下のフィラメントの絡み合いの距離L0は大きさは0.578mmである。一方、図3の(b)に示すように、ループの変形状態下のフィラメントどうしの絡み合いの距離L1は0.425mmである。このように幅方向9であるステッチ方向のループ10のピッチPsを短くすることで、ステッチ方向である幅方向9のループ10のピッチPgの密度が高くなり、搬送方向8への強度が向上する。また、上記のように、ループの変形状態下でのフィラメントの絡み合いの距離L1の大きさが0.425mmと短くなる場合では、フィラメント7の塑性変形が起こり易くなる。その結果、搬送ベルト1の使用時のベルト2の側端部3のフィラメント7のほつれが防止でき、強度が向上する。さらにループ10の変形に伴ってループ10の曲率が大きくなり、伸縮の変化の度合いが小さくなる。ところで、これらの傾向は、図2に示すフィラメント径φが0.11mmのものよりも一層に顕著である。
図4は、本発明の緯編により形成した搬送ベルト1である無端のベルト2の平面図を示し、緯編の編物4の編組織5の編み方向が搬送方向8であるゲージ方向となっている。この緯編の編物4の編組織5を構成する編糸6はフィラメント7から形成されている。
図5は、挿入糸6aを緯編からなる搬送ベルト1の幅方向9の中央部に搬送方向へ向けて挿入して形成した、挿入糸6aを有する搬送ベルト1である無端のベルト2の平面図およびその側面図を示し、緯編の編組織5の編み方向がゲージ方向である搬送方向8となっている。
図6は、ポリアミド繊維である商標名ナイロンからなるフィラメント7を用いて、各フィラメント径φを11μm、25μm、50μm、100μmおよび199μmの5種類としたものについて、1つのループ10を1個のステッチから形成するとして、ベルト2を形成する幅方向9のステッチ数を変化させた時の、ステッチ数と引張り強さとの関係について計算した結果を示すグラフである。図6に示すように、長繊維のフィラメント径φとして使用可能な径としては50μm以上、より好ましいのは100μm以上がフィラメント径φであることがわかる。
図7に、本発明の搬送ベルトを有する搬送装置の例の側面図および平面図に示す。搬送ベルト1の下面にエアー吸引用のエアーファン14を有し、搬送ベルト1の上に載置して搬送する搬送物を吸引できるように構成している。
本発明の搬送ベルト1の実施例1〜6と、織物である平織のメッシュを有する搬送ベルトの比較例を対比して表1に示す。これらの搬送ベルト1は、表1に示すように、温度115℃で湿熱で熱セットしたものである。フィラメントの材質は、実施例1〜4および実施例6のポリアミド繊維である商標名ナイロン(以下、「ナイロン」という。)で、ナイロンの繊維の太さは、例えば、実施例1では220(D/F)である。なお(D/F)のDはデシテックスを示し、Fは繊維の数の単位のファイバーを示している。これらのフィラメント7の材質には、緯編である搬送ベルト1としての搬送方向8に対するナイロンの摩擦係数を向上させるために、実施例1〜4では、搬送ベルト1の全面にわたって、低融点の弾性繊維であるウレタン繊維からなる編糸を添え糸編みでナイロンの編物4の中に組み入れ、搬送ベルト1の表面側に現出させている。また、実施例6では、編糸6はシングルカバーリング糸で形成されている。図9に示すように、このカバーリング糸には芯であるフィラメントに長繊維のフィラメントを巻き付けて形成したシングルカバーリング糸SCYとダブルカバーリング糸DCYがある。本発明の芯となるフィラメントはナイロンのフィラメント7aであり、その上に巻回した長繊維のフィラメントはウレタンのフィラメント7bからなっている。この構成からなるフィラメント材質とした結果、表1に見られるように、搬送ベルト1の表面の静摩擦係数は1.0前後の値となっている。なお、実施例6のカバーリング糸からなるフィラメント材質では、表裏でウレタンの割合が格別に異なるものではないので、裏面の静摩擦係数は0.839であり、表面の摩擦係数の0.919に近い値で、共に1.0に近い高い値となっている。一方、実施例5は、低融点の弾性繊維であくるウレタン繊維を有しないもので、ナイロンのみのフィラメントからなる編物6から形成の搬送ベルト1で、静摩擦係数がベルトの表が0.28、裏が0.23で共に低い値になっている。比較例としては、一般的な経糸および緯糸が1インチ当たり60本で構成されている平織のメッシュを有する織物からなる搬送ベルトである。
Figure 0005628999
表1において、先ず、本発明の実施例1〜6のナイロンを主体とする構成の編物からなる搬送ベルトと、比較例の平織のメッシュを有する搬送ベルトとの通気性である通気抵抗値を対比する。この通気抵抗値の測定は、通気性抵抗器(カトーテック株式会社製の通気抵抗測定器KES−F8−AP1)を用いて、排気3秒、吸気3秒のスタンダード測定により、通気押さえ板2πcm2で、測定感度はハイレベルの200Psのレンジの条件にて、測定回数5回でその平均を出した。本発明の実施例1の通気抵抗値は0.0047KPa・s/m、比較例の平織のメッシュを有する搬送ベルトの通気抵抗値は0.0045KPa・s/mであり、両者はほぼ同等の通気抵値を有する。ところで、本願の実施例2の通気抵抗値は0.0114KPa・s/m、実施例3の通気抵抗値は0.0030KPa・s/m、実施例4の通気抵抗値は0.0069KPa・s/m、実施例5の通気抵抗値は0.0027KPa・s/m、実施例6の通気抵抗値は0.0091KPa・s/mである。したがって、本発明の編物からなる搬送ベルトの通気抵抗値は、実施例5の0.0027KPa・s/m〜実施例2の0.0114KPa・s/mのように幅のある任意の通気抵抗値に調整できることがわかる。
さらに、静摩擦係数については、その測定をJIS K 7125に準拠して静・動摩擦測定器(株式会社トリニティーラボ製のトリラボ静・動摩擦測定器Tl201Ts)を用いて、荷重200g、環境温度20℃±4℃、環境湿度65%±4%、サンプルの大きさ130mm×63mm、滑走面アルミニウム、速度10mm/sとして行った。この結果、静摩擦係数は、低融点のウレタン繊維の添え糸編みをした例である実施例1〜4において、実施例1は表で1.27、裏で0.22、実施例2は表で1.0、裏で0.51、実施例3は表で0.98、裏で0.19、実施例4は表で0.98、裏で0.22である。すなわち、低融点の弾性繊維であるウレタン繊維をナイロン繊維へ混入させて編む方法の添え糸編みをすることで、これらの実施例では1.0前後の静摩擦係数を得ることが可能で、搬送物を滑ることなく本発明の編物4からなる搬送ベルト1で搬送できる。さらにウレタン繊維の添え糸編みの無い実施例5では、ウレタン繊維の添え糸がないので、表で0.28、裏で0.23と低い値となっている。また実施例6のシングルカバーリング糸のフィラメント材質からなるものの静摩擦係数は、表および裏ともにフィラメント材質が同じシングルカバーリング糸からなっているので、表が0.919、裏が0.839と巻き付けたウレタン繊維のズレなどにより値に多少の違いがあるが、いずれも1.0に近い高い値になっている。一方、比較例の静摩擦係数は表面コートされているので、表で1.08、裏で0.21となって、本発明の実施例と同等である。しかし、表面コートが無ければ、本発明の実施例1〜4および実施例6に比して小さい。したがって、この場合は、表面コートの無い織物からなる搬送ベルト1では、搬送時には搬送ベルト1の例えば平織のメッシュの部分からエアー吸引して搬送物をメッシュの部分に吸引をしなければ、搬送物は搬送ベルト1から滑りやすく的確に搬送できない。
さらに、搬送ベルト1の側端部3のほつれについては、搬送ベルト1の側端部3の表面をNo.120番のサンドペーパーで擦った結果、比較例の平織の搬送ベルトは1〜2回の擦れで、ほつれが確認された。これを表1では不良を意味する×で示した。これに対して本発明の搬送ベルト1の側端部3は、いずれの実施例においても、10回以上の擦れでほつれの現象は見られず、良好な結果となっている。これを表1では良好を意味する○で示している。
さらに、搬送ベルトの座屈強度については、フィラメント径φが125μmのフィラメントの編糸6から製造された搬送ベルト1の編物4のゲージ方向を上下にして円筒状にして立て、上部より荷重を加えて搬送ベルトの座屈強度について、すなわち、ゲージ方向の搬送ベルト1の座屈強度について、実施例1の編物のベルトと比較例の織物のベルトをベルト車に巻回した同一の内周径と同一の幅からなる無端のベルトで形成し、これらについて試験を行ない、その結果を表1に示した。さらに図8に表1の実施例1と比較例の荷重と圧縮量の関係をグラフで示している。この図8に示すように、通気抵抗値がほぼ同じである本発明の実施例1と比較例の座屈強度を比較すると、本発明の実施例1の方が比較例よりも座屈強度は高く、表1に示すように、比較例の座屈荷重は例えば490g重すなわち4.8Nであるが、本発明の編物からなる搬送ベルト1の座屈荷重は550g重すなわち5.4Nであり、本発明の編物からなる搬送ベルト1は強度が高い搬送ベルト1となっている。
さらに、本発明の編物からなるベルト2の伸縮率(%)は、表1に示すように、幅15mmの本発明の編物からなるベルト2に10Nの荷重が掛かったとき、実施例1が6.7、実施例2が6.8、実施例3が40.7、実施例4で32.1、実施例6が7.5である。一方、実施例2からウレタン糸による添え糸編みを無くした実施例5は12.1である。一方、比較例の表面コートを有す得る織物は10.8である。
従来より、伸縮性および軸方向への強度などの点において、編物からなる搬送ベルトは使用が困難とされていたが、本発明の実施の形態に示すように、編物からなるベルト2が搬送ベルト1として織物からなるベルトに劣ることなく使用できることが判明した。
1 搬送ベルト
2 ベルト
3 側端部
4 編物
5 編組織
6 編糸
6a 挿入糸
7 フィラメント
7a ナイロンのモノフィラメント
7b ウレタンのモノフィラメント
8 搬送方向(ゲージ方向)
9 幅方向(ステッチ方向)
10ループ
11 搬送装置
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
14 エアーファン
Pg ゲージ方向のループのピッチ
Ps ステッチ方向のループのピッチ
φ フィラメント径
0 ループの未変形下でのフィラメントの絡み合いの距離
1 ループの変形下でのフィラメントの絡み合いの距離

Claims (6)

  1. エアー吸引による通気性により用紙およびシート状の物もしくは物体を搬送する際に適用する搬送ベルトで、緯編の編物からなり、搬送ベルトを形成する編糸が合成繊維の長繊維よりなるフィラメントであり、編糸のフィラメントどうしが絡み合いを有し、搬送方向となるゲージ方向の編目のループのピッチよりも幅方向となるステッチ方向の編目のループのピッチが短い編組織であり、互いに接する編目のループを変形せしめ、ループのフィラメントが絡んだ状態を維持しかつフィラメントどうしの絡み合いにより搬送方向への強度を向上させ、搬送ベルトの搬送時におけるベルトの側端部における編糸のフィラメントのほつれを防止して強度を向上させたことを特徴とする編物からなる搬送ベルト。
  2. 緯編の編物からなる搬送ベルトは、編物による空隙を有し、編物に用いる編糸がモノフィラメントからなる編糸であり、この編糸のモノフィラメントどうしが交差して絡む編目のループの位置で、モノフィラメントの編糸が曲げ応力および熱により塑性変形して、もしくは編物に用いる編糸が複数のフィラメントからなる編糸であり、この編糸の複数のフィラメントどうしが交差して絡む編目のループの位置で、所定の熱により塑性変形を生じるフィラメントを複数のフィラメント中に含む編糸が曲げ応力および所定の熱により塑性変形して、絡んだ状態を維持していることを特徴とする請求項1に記載の編物からなる搬送ベルト。
  3. 編糸が曲げ応力および熱により塑性変形して絡んだ状態を維持しているベルトは、編糸により表面と裏面とも同じ摩擦係数を有する搬送ベルトであるかもしくは編糸により表面と裏面が異なる摩擦係数を有する搬送ベルトであることを特徴とする請求項2に記載の編物からなる搬送ベルト。
  4. 編糸により表面と裏面が異なる摩擦係数を有する搬送ベルトは、ベルトの摩擦係数を向上させるために、複数のフィラメントからなる糸の中に低融点の弾性フィラメントを含んで撚りをかけた編糸から編まれ、もしくは、低融点の弾性フィラメントとモノフィラメントを用いて添え糸編み技法により編まれ、編み上げ時の曲げ応力により該低融点の弾性フィラメント以外のフィラメントが塑性変形を生じ、かつ、熱セットにより該低融点の弾性フィラメントが融着して交差し絡む状態を安定化せしめ、撚った糸もしくはカバーリング糸を用いた場合はベルトの表裏の摩擦係数を向上させ、添え糸編技法を用いた場合は、表面と裏面のうち必要な面の摩擦係数を向上させたことを特徴とする請求項3に記載の編物からなる搬送ベルト。
  5. 編糸は伸縮率の低い挿入糸を含有する編糸であり、該編糸をベルトの幅方向の任意の位置に編み込むことにより、搬送方向に対する伸縮率を抑制して搬送ベルトの蛇行を規制していることを特徴とする請求項2または3に記載の編物からなる搬送ベルト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の編物からなる搬送ベルトをエアー吸引による通気性を必要とする搬送手段を有する装置に適用したことを特徴とする編物からなる搬送ベルトを用いた搬送装置。
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