JP5628599B2 - アイドルストップ車の車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アイドルストップ機能を備えた車両に搭載される車両制御装置であり、特に自動始動する際の制御に特徴を有するものに関する。
近年、省エネルギーや環境問題の観点から、車両における燃費向上やエネルギー効率の改善が望まれている。かかる観点から、下記特許文献1に開示されているような無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)を搭載した車両が提供されている。また更なる燃費向上を図るべく、下記特許文献2に開示されているように、信号等において走行を停止した際に所定の条件を満足することを条件としてエンジンの運転を自動的に停止し、発進時にエンジンを自動的に再始動させるアイドルストップ機能を備えた車両が提供されている。
また、下記特許文献3には、油圧により締結要素を作動させる自動変速機の油圧制御装置において、油圧回路中にエアーが混入している場合に、車両停止条件を満足した際に、瞬間的な時間t1の間はギア位置を1速ギヤ位置G1から2速〜4速ギヤ位置G2とし、その後一定時間t2おきにこれを連続的に繰り返すチャージ制御を行なう油圧制御装置が開示されている。この油圧制御装置によれば、油圧回路中にエアーが混入していることを原因とする締結要素作動ラグや油圧値不安定性や油圧応答性低下等を解消し、安定した変速品質を確保することができる。
特開2001−47892号公報 特開2003−175747号公報 特開平10−169764号公報
上記特許文献2に開示されているようなアイドルストップ機能を備えた車両では、長期間(例えば一晩)に亘って始動させなかった場合、その後車両を始動してからしばらくの間はベルト式無段変速機の各部にオイルが十分行き渡っておらず、ライン圧の立ち上がりが遅くなる可能性がある。また、ライン圧の立ち上がりが遅れると、その分だけクラッチ圧の立ち上がりも遅れる。従って、長期に亘って始動させなかった車両では、ベルト式無段変速機の各部にオイルが充満するまでの間にアイドルストップ機能が作用すると、自動始動による発進時にタイムラグが生じる可能性がある。
また、上記特許文献1に開示されているような無段変速機を搭載した車両においては、エンジンと前記無段変速装置との間に設けられた前後進切替装置への油圧の供給が切替弁(マニュアルバルブ)によって行われる。よって、無段変速機を搭載した車両では、上記特許文献3に開示されているように、非作動締結要素に対してチャージ制御することにより油圧回路中へのエアー混入を原因とする自動始動時のタイムラグの発生を防止することができない。
そこで、本発明は、アイドルストップ機能を備え、ベルト式無段変速機を搭載した車両を長期に亘って始動させなかった場合であっても、タイムラグが生じることなく車両を発進させることを可能とする車両制御装置の提供を目的とした。
上述した課題を解決すべく提供される本発明の車両制御装置は、エンジンと、前記エンジンによって駆動されるオイルポンプと、イグニッションスイッチと、エンジン動力を駆動輪に伝達するベルト式無段変速装置と、前記エンジンと前記無段変速装置との間に設けられた前後進切替装置と、前記無段変速装置及び前記前後進切替装置に対して油圧を供給可能な油圧供給回路と、前記オイルポンプが発生する油圧に基づき前記無段変速装置及び前記前後進切替装置に油圧を供給する油圧制御装置と、を備え、所定のエンジン停止一般条件を満足したときに前記エンジンを自動停止し、所定のエンジン再始動条件を満足したときに前記エンジンを再始動させるアイドルストップ機能を備えた車両に用いられる。本発明の車両制御装置では、少なくとも以下の(条件1)及び(条件2)がエンジン停止初期条件として規定されており、前記イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられ、前記エンジンが自立回転可能な回転数に到達したことを条件として始動開始と判断され、前記エンジンが始動開始と判断された後、前記アイドルストップ機能による自動停止の履歴がない場合において、前記エンジン停止初期条件のうち(条件1)を満足していない状態であったとしても、(条件2)を満足し、さらに前記エンジン停止一般条件を満足した状態であることを条件として前記アイドルストップ機能による自動停止が許可されることを特徴としている。
(条件1)油圧供給回路における油温が所定の許可油温以上であること。
(条件2)始動開始後に、所定以上の車速で所定時間以上車両が走行したこと、あるいは車両が所定距離以上走行したこと。
本発明の車両制御装置においてエンジン停止初期条件として規定されている(条件1)は、車両Aが長期間に亘って停止状態であったか否かを判断するための指標となる条件である。すなわち、車両Aが動作停止状態であった期間の長短により油温が相違し、動作停止期間が短い場合は長い場合よりも油温が高くなる傾向にある。本発明において(条件1)のように油圧供給回路における油温が所定の許可油温以上である場合は、車両Aが停止状態であった期間が短く、油圧供給回路にオイルが充満しており、タイムラグが生じることなく車両を発進させることが可能であると想定される。
また、本発明者らが鋭意検討したところ、仮に油温が上述した許可油温よりも低い場合であっても、(a)所定以上の車速で所定時間以上車両を走行させた場合や、(b)所定距離以上に亘って車両を走行させた場合には油圧回路の各所にオイルが十分行き渡った状態になることが判明した。かかる知見に基づき、本発明では、前記(a),(b)のいずれかを満足することがエンジン停止初期条件の(条件2)として規定されている。
本発明は、上述したような知見に基づいてアイドルストップ機能の許可条件が規定されており、エンジンが始動開始と判断された後、前記アイドルストップ機能による自動停止の履歴がない場合において、エンジン停止初期条件のうち(条件1)を満足していなくとも(条件2)を満足し、さらに前記エンジン停止一般条件を満足した状態であることを条件として、前記アイドルストップ機能による自動停止が許可される。従って、本発明の車両制御装置によれば、長期に亘って車両を始動させなかった場合であっても、タイムラグが生じることなく車両を発進させることが可能となる。
本発明の車両制御装置は、上記(条件1)に代えて以下の(条件3)をエンジン停止初期条件とすることが可能である。また、本発明の車両制御装置は、(条件1)及び(条件2)に加えて、(条件3)を条件とすることも可能である。
(条件3)前記イグニッションスイッチがオフ状態とされた後、前記イグニッションスイッチがオン状態とされ、前記エンジンが始動開始と判断される状態になるまでの期間が所定時間未満である。
本発明の車両制御装置においてエンジン停止初期条件として規定されている(条件3)のように車両Aが停止状態であった期間が所定時間未満である場合は、油圧供給回路がオイルによって十分に満たされており、油圧の立ち上がりが遅れることに起因する発進タイムラグが生じにくいものと想定される。本発明では、上記(条件3)がアイドルストップ機能の条件として規定されているため、油圧の立ち上がり遅れに伴い車両の発進にタイムラグが生じるのを防止できる。
また、本発明の車両制御装置では、車両が停止状態である期間、すなわちイグニッションスイッチがオフ状態とされた後、オン状態に切り替わりエンジンが始動開始と判断されるなるまでの期間そのものをアイドルストップ機能の許否を判定するための指標としている。従って、本発明の車両制御装置は、アイドルストップ機能の許否についての判定精度が高く、発進時にタイムラグが生じると想定される状況においてアイドルストップ機能が作用するのを確実に防止できる。
本発明によれば、アイドルストップ機能を備え、ベルト式無段変速機を搭載した車両を長期に亘って始動させなかった場合であっても、タイムラグが生じることなく車両を発進させることを可能とする車両制御装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る無段変速機の展開断面図である。 図1に示す無段変速機のスケルトン図である。 図1に示す無段変速機の油圧回路図である。 ソレノイド圧Pslsに対する、ライン圧PL、クラッチモジュレータ圧Pcm、クラッチ制御圧、及びセカンダリ圧の各特性を示す図である。 アイドルストップ機能による自動始動時におけるエンジン回転数、ライン圧、クラッチ圧、及び車両の加速度を示すタイムチャート図である。 アイドルストップ機能の許否判定制御の一例を示すフローチャートである。 発進時のタイムラグとアイドルストップ機能の許可条件に係る(条件2)との関係を概念的に示したグラフである。
続いて、本発明の一実施形態に係る車両制御装置Cについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、車両制御装置Cの説明に先立って、これを搭載した車両Aの構成、車両Aにおいて採用されている油圧回路、及び車両Aの基本的な動作等について概略を説明する。
≪車両Aの構成について≫
図1及び図2は本発明に係る車両Aの構成の一例を示す。エンジン1の出力軸1aは、無段変速機2を介してドライブシャフト(出力軸)32に接続されている。無段変速機2には、トルクコンバータ3、変速装置4(CVT)、油圧制御装置7及びエンジン1により駆動されるオイルポンプ6などが設けられている。
無段変速機2は、トルクコンバータ3のタービン軸5の回転を正逆切り替えてプライマリ軸10に伝達する前後進切替装置8、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ21及び両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15を有する変速装置4、セカンダリ軸20の動力をドライブシャフト32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。タービン軸5とプライマリ軸10とは同一軸線上に配置され、セカンダリ軸20とドライブシャフト32とがタービン軸5に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機2は全体として3軸構成とされている。ここで用いられるVベルト15は、例えば無端状張力帯とこの張力帯に摺動自在に支持された多数のブロックとで構成された公知の圧縮駆動タイプの金属ベルトである。
前後進切替装置8は、遊星歯車機構80と逆転ブレーキB1と直結クラッチC1とで構成されている。逆転ブレーキB1は、前進時に発進クラッチとして機能し、直結クラッチC1は、後進時に発進クラッチとして機能する。逆転ブレーキB1と直結クラッチC1は、それぞれ湿式多板式のブレーキ及びクラッチである。遊星歯車機構80のサンギヤ81が入力部材であるタービン軸5に連結され、リングギヤ82が出力部材であるプライマリ軸10に連結されている。遊星歯車機構80はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキB1はピニオンギヤ83を支えるキャリア84とトランスミッションケースとの間に設けられ、直結クラッチC1はキャリア84とサンギヤ81との間に設けられている。直結クラッチC1を解放して逆転ブレーキB1を締結すると、前進走行状態となり、逆に、逆転ブレーキB1を解放して直結クラッチC1を締結すると、後進走行状態となる。
プライマリプーリ11は、プライマリ軸10上に一体に形成された固定シーブ11aと、プライマリ軸10上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bとを備えている。可動シーブ11bの背後には、プライマリ軸10に固定されたシリンダ12が設けられ、可動シーブ11bとシリンダ12との間に油室13が形成されている。油室13へ供給される作動油を、後述するレシオ制御弁76,77で流量制御することにより、変速制御が実施される。
セカンダリプーリ21は、セカンダリ軸20上に一体に形成された固定シーブ21aと、セカンダリ軸20上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bとを備えている。可動シーブ21bの背後には、セカンダリ軸20に固定されたピストン22が設けられ、可動シーブ21bとピストン22との間に油室23が形成されている。この油室23への供給油圧(セカンダリ圧)を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト挟圧力が与えられる。なお、油室23には初期挟圧力を与えるバイアススプリングを配置してもよい。セカンダリプーリ21の油室23の近傍の供給油路中には、後述するように油室23の供給油圧を検出する油圧センサ108が設けられている。
セカンダリ軸20の一方の端部はエンジン側に向かって延びており、この端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びるドライブシャフト32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
エンジン1及び無段変速機2は、電子制御装置100によって制御される。電子制御装置100には、イグニッションスイッチIG、エンジン回転数センサ101、車速センサ102(又はセカンダリプーリ回転数センサ)、スロットル開度センサ103(又はアクセル開度センサ)、シフトポジションセンサ104、プライマリプーリ回転数センサ105、ブレーキセンサ106、CVT油温センサ107及びセカンダリ圧を検出する油圧センサ108からそれぞれ検出信号が入力されている。入力信号として、その他の信号を入力してもよいことは勿論である。プライマリプーリ回転数センサ105によって、発進クラッチ(例えばB1)の後の回転数を検出できる。プライマリプーリ回転数センサ105及び車速センサ102の検出信号により、プーリ比を計算できる。本実施形態では説明を簡単にするため、単一の電子制御装置100によってエンジン1と無段変速機2の両方を制御する例を示したが、実際には個別の電子制御装置によって制御され、両電子制御装置は通信用バスによって相互に連携している。
電子制御装置100は、車両停止など所定のアイドルストップ条件(エンジン停止一般条件)が成立したときにエンジン1を自動停止(アイドルストップ)させ、所定のアイドルストップ復帰条件(エンジン再始動条件)が成立したときにエンジン1を再始動させるアイドルストップ制御を実施する。アイドルストップ条件としては、例えば車両停止、ブレーキオン状態(ブレーキペダルの踏み込み)などがある。但し、エンジン水温が低いときや、電気負荷が大きいとき、アクセルペダルが踏まれているときには、アイドルストップを許可しない。また、車両Aが長期間(例えば一晩)に亘って停止状態であった場合は、上述したエンジン停止一般条件だけでなく、後に詳述する所定のエンジン停止初期条件を満足しない限りアイドルストップ機能によるエンジン1の自動停止は許可されない。一方、アイドルストップ機能により自動停止した車両Aを再始動させるための条件(復帰条件)としては、例えばブレーキオフ状態、アクセルペダル踏み込み、車速信号の入力などがある。エンジン停止一般条件及び復帰条件は公知であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
電子制御装置100は、油圧制御装置7に内蔵されたソレノイド弁を制御している。油圧制御装置7は、オイルポンプ6、プライマリ油室13、セカンダリ油室23、逆転ブレーキB1、直結クラッチC1とそれぞれ配管を介して接続されている。電子制御装置100は、車速とスロットル開度とに応じて予め設定された変速マップに従って目標プーリ比又はプライマリ回転数を決定し、油圧制御装置7内のソレノイド弁DS1、DS2を制御することによって、無段変速機2のプライマリ油室13への供給油量を調整し、プーリ比又はプライマリ回転数を目標値へとフィードバック制御している。
また、電子制御装置100は、エンジントルクと変速比とからベルト伝達トルクを求め、ベルト滑りを発生させない最低限のベルト挟圧力となるように、油圧制御装置7内のソレノイド弁SLSを制御することによって、セカンダリ油室23への供給油圧(セカンダリ圧)を目標値へとフィードバック制御している。この際、油圧センサ108で実際のセカンダリ圧が検出される。さらに、油圧制御装置7内のソレノイド弁SLSは、逆転ブレーキB1及び直結クラッチC1への供給油圧(過渡圧)を制御する機能を備えている。
≪油圧回路について≫
図3は、油圧制御装置7が備える油圧回路の一例を示したものである。図3において、71はレギュレータ弁、72はクラッチモジュレータ弁、73はソレノイドモジュレータ弁、74はガレージシフト弁、75はマニュアル弁、76はアップシフト用レシオ制御弁、77はダウンシフト用レシオ制御弁、78はレシオチェック弁、79は挟圧コントロール弁である。また、SLSはライン圧の調圧制御、逆転ブレーキB1及び直結クラッチC1の過渡制御、及びセカンダリプーリ21の油室23の調圧制御を行うためのソレノイド圧Pslsを出力するリニアソレノイド弁、DS1はアップシフト用信号圧Pds1を調圧制御するアップシフト用ソレノイド弁、DS2はダウンシフト用信号圧Pds2を調圧制御するダウンシフト用ソレノイド弁である。本実施形態では、ソレノイド弁SLSは常開型のリニアソレノイド弁、ソレノイド弁DS1,DS2は共に常閉型のデューティソレノイド弁を使用している。油圧制御装置7の油圧源は、エンジン1によって駆動されるオイルポンプ6のみであり、電動ポンプなどの格別のオイルポンプは備えていない。
レギュレータ弁71は、オイルポンプ6の吐出圧を所定のライン圧PLに調圧する弁であり、信号ポート71aにリニアソレノイド弁SLSからが入力されている。そのため、ライン圧はソレノイド圧Pslsに比例した油圧に調圧される。クラッチモジュレータ弁72は、直結クラッチC1および逆転ブレーキB1への供給圧(PC1,PB1)の元圧となるクラッチモジュレータ圧Pcmを出力する弁である。ソレノイドモジュレータ弁73は、クラッチモジュレータ圧Pcmを調圧して、一定のソレノイドモジュレータ圧Psmを発生する弁である。
ガレージシフト弁74は、シフトレバーをNからD又はNからRへ切り替えた時(ガレージシフト時)に、直結クラッチC1及び逆転ブレーキB1への供給圧を過渡制御できるように油路を切り替えるための切替弁である。図3において、ガレージシフト弁74の中心線より左側が過渡状態を示し、右側が保持状態を示す。ガレージシフト弁74は、スプリング74aによって一方向に付勢されたスプール74bを備えており、スプリング荷重と同方向には信号ポート74c,74dが形成されており、アップシフト用信号圧Pds1とダウンシフト用信号圧Pds2とが入力されている。ガレージシフト弁74のカウンタポート74hには、スプリング荷重と対向方向にソレノイドモジュレータ圧Psmが入力されている。また、ポート74eにはリニアソレノイド弁SLSからソレノイド圧Pslsが入力されている。
ガレージシフト時にはソレノイド弁DS1,DS2は共にオン状態となるので、上述した信号ポート74c,74dに入力される信号圧Pds1,Pds2も共にオン状態になる。また、スプール74bはソレノイドモジュレータ圧Psmに抗して下方へ移動する。これにより、モジュレータ弁74は、図3において中心線より左側に示した過渡状態になる。そのため、ポート74eに入力されたソレノイド圧Pslsが出力ポート74fから出力され、マニュアル弁75を介して直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1へ供給される。このソレノイド圧Pslsにより、直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1を係合制御することができる。
また、信号圧Pds1,Pds2の少なくとも一方がオフ状態になると、スプール74bがソレノイドモジュレータ圧Psmによって上方へ移動し、モジュレータ弁74が図3において中心線より右側に示した保持状態になる。そのため、ポート74gに入力されたクラッチモジュレータ圧Pcmが出力ポート74fから出力され、マニュアル弁75を介して直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1へ供給される。つまり、信号圧Pds1,Pds2の少なくとも一方がオフ状態になると、直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1が締結状態となる。そのため、リニアソレノイド弁SLSの作動如何にかかわらず直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1の締結状態を保持できる。
アイドルストップ機能により自動停止した車両Aが自動始動するときには、ガレージシフト弁74が過渡位置に保持される。これにより、リニアソレノイド弁SLSによって制御されたソレノイド圧Pslsが逆転ブレーキB1又は直結クラッチC1に直接供給される。従って、ソレノイド圧Pslsを制御することにより、アイドルストップ復帰時において、発進クラッチB1のクラッチ伝達トルクがベルト伝達トルク容量を上回らないように、発進クラッチB1の目標クラッチ圧を制御すれば、アイドルストップ復帰時のベルト滑りを防止できる。
マニュアル弁75は、シフトレバーと機械的に連結された手動操作弁であり、P、R、N、D、S、Bの各レンジに切り換えられ、ガレージシフト弁74から供給される油圧を直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1に選択的に導く。アップシフト用レシオ制御弁76及びダウンシフト用レシオ制御弁77は、アップシフト用信号圧Pds1とダウンシフト用イ言号圧Pds2との相対関係によってプライマリ油室13に給排される作動油量を調整する流量制御弁である。レシオチェック弁78は、閉じ込み制御のために、プライマリ油室13を流量制御から油圧制御に切り替えて、プライマリ油室13の油圧とセカンダリ油室23の油圧との比率を予め設定された関係に保持するための弁である。
挟圧コントロール弁79は、セカンダリ油室23の油圧を制御するための圧力制御弁であり、スプリングによって一方向に付勢されたスプールを備えている。スプリング荷重と対向する一端側の信号ポート79aには、ソレノイドモジュレータ弁73から一定圧Psmが供給され、入力ポート79bにはライン圧PLが供給される。出力ポート79cはセカンダリ油室23と接続されており、その出力圧はポート79dにフィードバックされている。
挟圧コントロール弁79においてスプリングが収容された他端側の信号ポート79eには、リニアソレノイド弁SLSからソレノイド圧Pslsが供給されている。そのため、信号ポート79eに入力されたソレノイド圧Pslsを所定の増幅度で増幅した油圧をセカンダリ油室23に供給することができる。セカンダリ油室23の油圧(セカンダリ圧)は油圧センサ108によって検出され、検出された油圧に基づいてベルト伝達トルクを計算で求めることができる。ベルト伝達トルクの計算方法としては、例えば油圧センサ108によってセカンダリ油圧を検出し、そのセカンダリ油圧と受圧面積とからベルト挟圧を計算し、さらにベルト挟圧、ベルトとプーリとの摩擦係数、ベルト巻き掛け径などからベルト伝達トルクを計算することができる。
ソレノイド圧Pslsに対する、ライン圧PL、クラッチモジュレータ圧Pcm、クラッチ制御圧、及びセカンダリ圧の各特性は、図4の通りである。具体的には、ライン圧PLは、ソレノイド圧Pslsにほぼ比例した油圧に調圧される。クラッチモジュレータ圧Pcmは、ソレノイド圧Pslsが所定値に達するまではライン圧PLと同圧であり、所定値を超えると一定圧に制御される。また、逆転ブレーキB1又は直結クラッチC1には過渡状態においてソレノイド圧Pslsが直接供給されるので、クラッチ制御圧はソレノイド圧Pslsそのものとなる。セカンダリ圧はソレノイド圧Pslsに比例し、油圧ライン圧PLより僅かに低い油圧に調圧される。図4に示したように、ライン圧、クラッチ制御圧、セカンダリ圧は共にリニアソレノイド弁SLSによって制御されるが、常にセカンダリ圧がクラッチ制御圧を上回るように設定されている。セカンダリ圧は、油圧センサ108によって検出される。
≪アイドルストップ機能による自動始動時の動作及び制御について≫
続いて、アイドルストップ機能によって自動停止した車両Aが、自動始動する際の動作及び発進クラッチB1の係合制御について、図5を参照しつつ説明する。図5は、車両Aが自動始動する際のエンジン回転数、ベルト挟圧、クラッチ油圧及び車両Aの加速度についてのタイムチャートである。
先ず、時刻t1においてアイドルストップ機能により自動停止していた車両Aが自動始動を開始すると、クランキングによってエンジン回転数が上昇し始める。続いて、油圧センサ108によって検出されたセカンダリ圧に基づいてベルト伝達トルクが計算され、このベルト伝達トルクに応じた目標クラッチ圧を設定したベルト滑り防止制御が実施される。目標クラッチ圧は、クラッチ伝達トルクが計算されたベルト伝達トルクを上回らないように設定される。具体的には、ベルト伝達トルクより一定量又は一定比率だけ低いクラッチ伝達トルクを発生する油圧に設定される。そして、発進クラッチの油圧が目標クラッチ圧となるように、リニアソレノイド弁SLSに指示電流が出力され、実クラッチ圧が制御される。そのため、発進クラッチの伝達トルクがベルト伝達トルクを上回ることがなく、ベルト滑りが発生しない。
クランキング期間が終了すると、エンジンが完爆し、エンジン回転数が急上昇する。時刻t 5においてベルト挟圧(あるいはセカンダリ圧)が所定値R1を超えると、ベルト滑り防止制御が終了され、目標クラッチ圧を初期圧よりも高い圧まで段階的に増圧する増圧制御が一定時間At(t5〜t6)に亘って実施される。この増圧目標値は、初期圧より一定値又は一定割合だけ高く、最終締結圧より低い圧である。増圧期間Δtは適宜設定することが可能であり、例えば100〜200msと規定する他、アクセル開度や油温により可変とすることが可能である。このような増圧制御を実施することにより、実クラッチ圧が初期圧まで上昇するタイミングが早くなり、発進時のタイムラグを短縮することが可能となる。時刻t6において増圧期間が終了すると、時刻t3まで初期圧制御が開始される。
時刻t3以後、初期圧から時間が経過するに連れて一定の勾配でベルト挟圧(ライン圧)及びクラッチ油圧が上昇するように昇圧制御(スイープ制御)が実施される。その後、時刻t4において発進クラッチB1が係合をほぼ完了した状態になると、発進クラッチに対して最大油圧が供給されて発進クラッチB1が完全に係合した状態になり、昇圧制御(スイープ制御)が完了する。これにより、アイドルストップ機能によって停止状態になっていた車両Aの自動始動が完了する。
≪アイドルストップ機能の許否判定制御について≫
本実施形態の車両Aは、上述したようにしてアイドルストップ機能による自動停止、及び自動始動を行うことが可能である。また、車両Aでは、上述した増圧制御を実施することにより、実クラッチ圧の応答性やベルト挟圧の応答性を向上させることにより、エンジントルクが過大な場合でもベルト滑りを抑制するようにしている。
その一方で、車両Aが長期間(例えば一晩)に亘って停止状態であった場合、すなわちイグニッションスイッチIGがオフ状態からオン状態に切り替わるまでの期間が長期間であった場合は、油圧回路内の各所にオイルが充満していないことに起因して、始動時にタイムラグが生じる可能性がある。具体的には、図5に二点鎖線によって示すように、油圧回路の各所にオイルが充満していない状態では、ライン圧の立ち上がりが遅れることによりVベルト15に作用する挟圧の立ち上がりや、クラッチ圧の立ち上がりが遅れる。このような現象が生じると、挟圧やクラッチ圧の立ち上がりが遅れる時間に相当する分だけ車両Aが発進可能になるまでのタイムラグが生じてしまう。そこで、かかる現象が発生することを想定し、車両Aでは、イグニッションスイッチIGがオフ状態からオン状態に切り替わった後、最初にアイドルストップ機能による自動停止を作用させる際には、上述したエンジン水温、電源の充電状態、路面勾配の範囲、あるいはブレーキペダルの踏み込み等の一般的なエンジン停止条件(以下、「エンジン停止一般条件」とも称す)を満足しているか否かの条件を満足するか否かの判定だけではなく、以下に示す(条件1)及び(条件2)に係る条件(以下、「エンジン停止初期条件」とも称す)についての判定も実施され、この結果をも加味した上でアイドルストップ機能の許否が判断される。以下、車両Aにおいて実施されるアイドルストップ機能の許否判定制御について説明する。
車両Aは、イグニッションスイッチIGがオフ状態からオン状態に切り替わった後、初期段階(最初にアイドルストップ機能による自動停止が行われるまで)においては、以下の(条件1)及び(条件2)に係るエンジン停止初期条件のうち、(条件1)を満足していなくとも、(条件2)を満足しており、さらに上述したエンジン停止一般条件(エンジン水温、電源の充電状態、路面勾配の範囲、あるいはブレーキペダルの踏み込み等)を満足した状態になっていることを条件としてアイドルストップ機能による自動停止が許可される。
(条件1)油圧供給回路における油温が所定の許可油温Pt以上であること。
(条件2)始動開始後に、所定以上の車速で所定時間以上車両が走行したこと、あるいは車両が所定距離以上走行したこと。
さらに詳細に説明すると、上記(条件1)は、上述した油圧回路内における油温についての条件(油温条件)であり、車両Aが長期間に亘って停止状態であったか否かを判断するための指標となる条件である。油温が少なくとも外気温以上であれば車両Aが動作停止状態であった期間が短いものと想定されることから、本実施形態では許可油温Ptが外気温以上の値に設定されている。上述した(条件1)を満足する場合は、車両Aが動作停止状態であった期間が短く、油圧回路に十分オイルが充満しているため、アイドルストップ機能を作動させても自動始動時にタイムラグが生じにくいものと考えられる。
また、上記(条件2)は、油圧回路内の各所にオイルが充満した状態になったか否かを判断するための指標となる条件である。具体的には、車両AのイグニッションスイッチIGがオン状態になって始動を開始した後、(a)所定以上の車速で所定時間以上車両が走行した場合や、(b)車両が所定距離以上走行した場合には油圧回路の各所にオイルが十分行き渡った状態になっており、アイドルストップ機能を作動させても自動始動時にタイムラグが生じにくい、すなわちタイムラグの長さが目標長さ以下になるものと考えられる(図7参照)。
一方、上述した(条件1)及び(条件2)の双方を満足していない場合は、車両Aが長期間に亘って停止状態であって、未だ油圧回路内の各所にオイルが行き渡っていない可能性がある。そこで、車両Aは、イグニッションスイッチIGがオフ状態からオン状態に切り替わった後、初期段階においては、以下の(条件1)を満足していない場合においては、(条件2)を満足し、さらにエンジン停止一般条件(エンジン水温、電源の充電状態、路面勾配の範囲、あるいはブレーキペダルの踏み込み等)を満足した状態にならない限りアイドルストップ機能による自動停止が許可されない。
続いて、電子制御装置100によって実施されるアイドルストップ機能の許可判定の実施方法について、図6に示すフローチャートに則って説明する。詳細の説明に先立って大略について説明すると、図6に示すフローチャートにおいては、ステップ1においてイグニッションスイッチIGがオフ状態からオン状態になった後、アイドルストップ機能による自動停止を行った履歴があるか否かが確認される。自動停止を行った履歴がある場合は、ステップ5〜ステップ6に係るエンジン停止一般条件についての判定がなされ、この判定結果に応じてアイドルストップ機能による自動停止が行われる。一方、自動停止を行った履歴がない場合は、エンジン停止一般条件についての判定に加え、ステップ2〜ステップ3においてエンジン停止初期条件についての判定がなされる。
図6に示すフローチャートについてさらに詳細に説明すると、先ずステップ1においてイグニッションスイッチIGをオフ状態からオン状態に切り替えることによりエンジン1が始動し、車両Aが走行している状態であるか否かが確認される。ここで、エンジン1の始動がイグニッションスイッチIGの操作によるものではない場合(ステップ1においてNOの場合)とは、アイドルストップ機能によりエンジン1が自動始動した場合である。言い換えれば、ステップ1においてNOの場合とは、イグニッションスイッチIGがオフ状態からオン状態に切り替わった後、既にアイドルストップ機能による自動停止を行った履歴がある状態である。この場合は、車両Aが動作停止状態であった期間が極めて短く、油圧回路に十分オイルが充満している状態であると想定される。
そこで、ステップ1においてNOの場合は、制御フローがステップ5に進められ、上述したエンジン停止一般条件(エンジン水温、電源の充電状態、路面勾配の範囲、あるいはブレーキペダルの踏み込み等)を満足した状態にあるか否かが確認される。ここで、エンジン停止一般条件を満足している場合は、制御フローがステップ6に進められ、アイドルストップ機能によるエンジン1の自動停止が許可される。一方、ステップ5においてエンジン停止一般条件を満足していない場合は、制御フローがステップ1に戻される。
また、ステップ1においてイグニッションスイッチIGをオフ状態からオン状態に切り替えることによりエンジン1が始動し、車両Aが走行している状態であると判断された場合(ステップ1においてYESの場合)、すなわちイグニッションスイッチIGがオフ状態からオン状態に切り替わった後、未だアイドルストップ機能による自動停止を行った履歴がない状態である場合は、制御フローがステップ2に進められる。ステップ2では、CVT油温センサ107から発信される信号に基づき、油温が許可油温Pt以上であるか否かが確認される。
ここで、油温が許可油温Pt以上である場合は、イグニッションスイッチIGがオン状態になる前に、車両Aが停止状態であった期間が短く、油圧回路の各所にオイルが充満しているものと考えられる。この場合は、エンジン1を自動停止させた後、再始動させたとしても車両Aの発進タイムラグが殆ど生じないものと想定される。そこで、ステップ1において油温が許可油温Pt以上であることが確認された場合は、制御フローがステップ5に進められる。ステップ5に進むと、上述と同様にエンジン停止一般条件を満足した状態にあるか否かが確認される。エンジン停止一般条件を満足している場合は、ステップ6においてアイドルストップ機能によるエンジン1の自動停止が許可され、エンジン停止一般条件を満足していない場合は、制御フローがステップ1に戻される。
一方、ステップ2において油温が許可油温Pt未満である場合は、イグニッションスイッチIGがオン状態になる前に、車両Aが長期間に亘って停止状態であったものと想定される。この場合には、制御フローがステップ3に進められ、上述した(条件2)に係る条件を満足しているか否かが確認される。具体的には、イグニッションスイッチIGがオン状態になった後、(a)所定以上の車速で所定時間以上車両が走行した場合、あるいは(b)車両が所定距離以上走行した場合には、オイルが油圧回路の各所に充満しているものと判断される。この場合は、制御フローがステップ5に進められる。ステップ5では、上述同様にエンジン停止一般条件についての判定がなされる。エンジン停止一般条件を満足している場合は、アイドルストップ機能によるエンジン1の自動停止が許可され(ステップ6)、エンジン停止一般条件を満足していない場合は、制御フローがステップ1に戻される。
これに対し、ステップ3において上記(a),(b)を満足していないと判断された場合は、上述した(条件1)及び(条件2)のいずれも満足していない状態である。この状態では、油圧回路の各所にオイルが十分行き渡っていない可能性があり、アイドルストップ機能を作動させると自動始動時にタイムラグが生じる可能性がある。そこで、この場合は、制御フローがステップ4に進められ、アイドルストップ機能が禁止された状態になる。この場合は、エンジン停止初期条件を満足した状態になるまで制御フローがステップ3に戻されることになり、仮にエンジン停止一般条件を満足していたとしてもアイドルストップ機能による自動停止は行われない。
本実施形態では、イグニッションスイッチIGがオフ状態からオン状態に切り替わった後、最初に行われるアイドルストップ機能による自動停止を許容するか否かの判断が、一般的なエンジン停止条件(エンジン水温、電源の充電状態、路面勾配の範囲、ブレーキペダルの踏み込み等)だけではなく、上述した許否判定制御の結果も加味した上で行われる例を示したが、許否判定制御における判定条件は上記(条件1)及び(条件2)に限定されるものではなく、更に他の許可条件を設けて良いことは言うまでもない。具体的には、(条件1)及び(条件2)の一部を他の条件に置換することも可能である。さらに具体的には、上記(条件1)に代えて、あるいは(条件1)及び(条件2)に加えて、以下の(条件3)を許可条件として規定し、これらの許可条件のいずれかを満足した状態になることを条件としてアイドルストップ機能を許可することとしてもよい。
(条件3)前記イグニッションスイッチがオフ状態とされた後、前記イグニッションスイッチがオン状態とされ、前記エンジンが始動開始と判断される状態になるまでの期間が所定時間未満である。
さらに詳細には、上述した(条件3)は、車両Aが停止状態であった期間を直接的に把握する条件である。そのため、(条件3)を(条件1)及び(条件2)に加えて規定する他、油温に基づいて車両Aが停止状態であった期間を間接的に把握する条件である(条件1)に代えて(条件3)を採用することが可能である。このようにしてアイドルストップ機能の許否を判定することとしても、本実施形態の場合と同様に発進時にタイムラグが生じるような状況下においてアイドルストップ機能が作用するのを防止することが可能となる。なお、条件として(条件3)を設ける場合は、車両Aが停止状態であった期間を計測するための計時手段を設ける他、車両Aを停止させた日時tsを不揮発性メモリなどに記憶させておき、イグニッションスイッチIGがオン状態になった時点の時刻tnと前記した日時tsを比較する等の方策により車両Aが停止状態であった期間を直接的に把握する。
本実施形態では、(条件1)において判断基準となる許可油温Ptを一定の温度としても良いし、本発明はこれに限定される訳ではなく、気温などの雰囲気温度等に応じて適宜変動する構成としてもよい。かかる構成とすることにより、車両Aの使用環境や、温暖化等による気候変動等があっても車両Aが停止状態であった期間の長短を適切に判断することが可能となり、発進タイムラグが生じる状況下においてアイドルストップ機能が作用するのを防止しうる。
本実施形態では、実クラッチ圧やベルト挟圧の応答性向上によるベルト滑りの抑制を図るべく、アイドルストップ機能による自動始動時に上述した増圧制御を実施する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、増圧制御を実施しないものであってもよい。
1 エンジン
4 変速装置(CVT)
6 オイルポンプ
7 油圧制御装置
8 前後進切替装置
100 電子制御装置(車両制御装置)
107 CVT油温センサ
110 油圧供給回路
Pt 許可油温
IG イグニッションスイッチ

Claims (2)

  1. エンジンと、
    前記エンジンによって駆動されるオイルポンプと、
    イグニッションスイッチと、
    エンジン動力を駆動輪に伝達するベルト式無段変速装置と、
    前記エンジンと前記無段変速装置との間に設けられた前後進切替装置と、
    前記無段変速装置及び前記前後進切替装置に対して油圧を供給可能な油圧供給回路と、
    前記オイルポンプが発生する油圧に基づき前記無段変速装置及び前記前後進切替装置に油圧を供給する油圧制御装置と、を備え、
    所定のエンジン停止一般条件を満足したときに前記エンジンを自動停止し、所定のエンジン再始動条件を満足したときに前記エンジンを再始動させるアイドルストップ機能を備えた車両に用いられる車両制御装置であって、
    少なくとも以下の(条件1)及び(条件2)がエンジン停止初期条件として規定されており、
    前記イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられ、前記エンジンが自立回転可能な回転数に到達したことを条件として始動開始と判断され、
    前記エンジンが始動開始と判断された後、前記アイドルストップ機能による自動停止の履歴がない場合において、前記エンジン停止初期条件のうち(条件1)を満足していない状態であったとしても、(条件2)を満足し、さらに前記エンジン停止一般条件を満足した状態であることを条件として前記アイドルストップ機能による自動停止が許可されることを特徴とする車両制御装置。
    (条件1)油圧供給回路における油温が所定の許可油温以上であること。
    (条件2)始動開始後に、所定以上の車速で所定時間以上車両が走行したこと、あるいは車両が所定距離以上走行したこと。
  2. 上記(条件1)に代えて、あるいは(条件1)に加えて以下の(条件3)がエンジン停止初期条件として規定されており、
    前記エンジンが始動開始と判断された後、前記アイドルストップ機能による自動停止の履歴がない場合において、(条件3)を満足していない状態であったとしても、(条件2)を満足し、さらに前記エンジン停止一般条件を満足した状態であることを条件として前記アイドルストップ機能による自動停止が許可されることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
    (条件3)前記イグニッションスイッチがオフ状態とされた後、前記イグニッションスイッチがオン状態とされ、前記エンジンが始動開始と判断される状態になるまでの期間が所定時間未満である。
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