JP5627189B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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Description
また、吐出領域の幅を広げるため、または高速で吐出するために、千鳥配置で配列された複数の液体吐出ヘッドで吐出領域が分担される液体吐出装置(以下、二例目の液体吐出装置と呼称する。)も存在する(例えば、特許文献2参照。)。
前記第1の搬送ローラの偏心に応じて設定された前記液体吐出ヘッドの吐出周期の第1の補正値と、前記第2の搬送ローラの偏心に応じて設定された前記液体吐出ヘッドの吐出周期の第2の補正値とを記憶する記憶手段と、前記第1の補正値または前記第2の補正値の何れかを選択する選択手段と、搬送中の前記吐出対象物の搬送位置を特定する搬送位置特定手段と、前記選択手段で選択された補正値に応じて前記液体吐出ヘッドの吐出時期を調整する調整手段とを備え、
前記選択手段は、前記搬送位置特定手段で特定された前記吐出対象物の先頭が前記第1の搬送ローラに到達してから前記第2の搬送ローラに到達するまで前記第1の補正値を選択し、前記吐出対象物の先端が前記第2の搬送ローラに到達してから、前記吐出対象物の終端が前記第2の搬送ローラに到達するまで前記第2の補正値を選択するものであり、
前記第1の補正値は、前記第1の搬送ローラの外周基準位置を基準にして外周を所定数に分割して得られた複数の外周区間の各々と対応付けられた複数の補正値を含み、前記第2の補正値は、前記第2の搬送ローラの外周基準位置を基準にして外周を所定数に分割して得られた複数の外周区間の各々と対応付けられた複数の補正値を含み、
前記第1の搬送ローラの複数の外周区間の中から、稼動中の前記第1の搬送ローラにおいて前記吐出対象物を送り出す外周区間を特定する第1の外周区間特定手段と、前記第2の搬送ローラの複数の外周区間の中から、稼動中の前記第2の搬送ローラにおいて前記吐出対象物を送り出す外周区間を特定する第2の外周区間特定手段とを備え、
前記選択手段は、前記第1の補正値の中で前記第1の外周区間特定手段により特定された外周区間に対応する補正値を選択し、前記第2の補正値の中で前記第2の外周特定手段により特定された外周区間に対応する補正値を選択することを特徴とする。
以下、本発明に係わる実施の形態について説明する。
<概要>
本実施の形態における液体吐出装置は、下記に示す特徴を備える。
ここでは、一例として、図1に示すように、液体吐出装置100は、インクジェット方式で水性インクを用紙に吐出する印刷装置である。給紙台101に積層されている1枚以上の用紙50を1枚ずつ給紙機構102で印刷機構103に供給する。印刷機構103に供給された用紙50にラスターイメージを印刷する。ラスターイメージが印刷された用紙50を、排紙機構104を介して紙受け台105に排紙する。
<印刷機構103>
図2に示すように、印刷機構103は、給紙側から順に、第1の搬送ローラ部110、第2の搬送ローラ部120、および第3の搬送ローラ部130が印刷機構103のフレーム106に設置される。搬送ガイド部140の上方に複数のライン型インクジェットヘッド150が設置される。給紙側から排紙側に搬送される用紙に、1つのラスターイメージを、複数のライン型インクジェットヘッド150で分担して印刷する。
第1の搬送ローラ部110は、第1の駆動ローラ111と、第1の駆動ローラ111と対をなす第1の従動ローラ112とからなる。第1の駆動ローラ111は、搬送中の用紙の裏面側に配置され、能動的に、用紙搬送方向に用紙を送り出す方向に回転するものである。第1の従動ローラ112は、搬送中の用紙の表面側に配置され、第1の駆動ローラ111の回転に追随して、受動的に、用紙搬送方向に用紙を送り出す方向に回転するものである。
第2の搬送ローラ部120は、第2の駆動ローラ121と、第2の駆動ローラ121と対をなす第2の従動ローラ122とからなる。第2の駆動ローラ121は、搬送中の用紙の裏面側に配置され、能動的に、用紙搬送方向に用紙を送り出す方向に回転するものである。第2の従動ローラ122は、搬送中の用紙の表面側に配置され、第2の駆動ローラ121の回転に追随して、受動的に、用紙搬送方向に用紙を送り出す方向に回転するものである。
第3の搬送ローラ部130は、第3の駆動ローラ131と、第3の駆動ローラ131と対をなす第3の従動ローラ132とからなる。第3の駆動ローラ131は、搬送中の用紙の裏面側に配置され、能動的に、用紙搬送方向に用紙を送り出す方向に回転するものである。第3の従動ローラ132は、搬送中の用紙の表面側に配置され、第3の駆動ローラ131の回転に追随して、受動的に、用紙搬送方向に用紙を送り出す方向に回転するものである。
搬送ガイド部140は、給紙側から供給された用紙を排紙側まで案内するものである。印刷機構103のフレーム106に設置され、印刷中は、各ライン型インクジェットヘッド150の下方に配置され、用紙搬送方向に搬送される用紙を支える。
また、印刷機構103は、第1の搬送ローラ部110と第2の搬送ローラ部120との間の部分(以下、前段部分と呼称する。)に3個のライン型インクジェットヘッド150が設置される。第2の搬送ローラ部120と第3の搬送ローラ部130との間の部分(以下、後段部分と呼称する。)に3個のライン型インクジェットヘッド150が設置される。計6個のライン型インクジェットヘッド150で印刷可能最大範囲が分担されて印刷される。
また、図4に示すように、印刷機構103は、給紙側上方に用紙先端検出センサ170が設置される。第1の駆動ローラ111の近傍に第1の外周基準位置検出センサ171が設置される。第2の駆動ローラ121の近傍に第2の外周基準位置検出センサ172が設置される。第3の駆動ローラ131の近傍に第3の外周基準位置検出センサ173が設置される。
用紙先端検出センサ170は、搬送中の用紙の先端を検出するセンサである。ここでは、一例として、発光素子170aと受光素子170bとからなる反射型フォトセンサである。給紙機構102から供給される用紙の表面に面するように発光素子170aと受光素子170bとが配置される。発光素子170aから光を発する。発光素子170aと受光素子170bとの下方に設置された反射板(不図示)で反射される。反射板(不図示)で反射された光を受光素子170bで受ける。給紙機構102から用紙が供給されて、発光素子170aと反射板(不図示)との間を用紙の先端が通過すると、発光素子170aから発した光が用紙の先端で散乱される。用紙の先端で散乱されて受光素子170bで光を受けなくなると、用紙の先端を検出したことを示す検出信号を制御部180に出力する。
第1の外周基準位置検出センサ171は、回転中の第1の駆動ローラ111の外周基準位置を検出するセンサである。ここでは、一例として、発光素子171aと、受光素子171bと、反射板171cとからなる反射型フォトセンサである。第1の駆動ローラ111の一端に取り付けられた従動ギア113の側面に外周基準位置(図中における黒塗り三角印)に合わせて反射板171cが付けられる。反射板171cが付けられた従動ギア113の側面下部(6時方向の側面部分)に面するように発光素子171aと受光素子171bとが配置される。発光素子171aから回転中の従動ギア113の側面に光を発する。従動ギア113と一緒に回転している反射板171cが6時方向に位置すると、発光素子171aから発した光が反射板171cで反射される。反射板171cで反射された光を受光素子171bで受けると、外周基準位置を検出したことを示す検出信号を制御部180に出力する。
第2の外周基準位置検出センサ172は、回転中の第2の駆動ローラ121の外周基準位置を検出するセンサである。ここでは、一例として、発光素子172aと、受光素子172bと、反射板172cとからなる反射型フォトセンサである。第2の駆動ローラ121の一端に取り付けられた従動ギア123の側面に外周基準位置(図中における黒塗り三角印)に合わせて反射板172cが付けられる。反射板172cが付けられた従動ギア123の側面下部(6時方向の側面部分)に面するように発光素子172aと受光素子172bとが配置される。発光素子172aから回転中の従動ギア123の側面に光を発する。従動ギア123と一緒に回転している反射板172cが6時方向に位置すると、発光素子172aから発した光が反射板172cで反射される。反射板172cで反射された光を受光素子172bで受けると、外周基準位置を検出したことを示す検出信号を制御部180に出力する。
第3の外周基準位置検出センサ173は、回転中の第3の駆動ローラ131の外周基準位置を検出するセンサである。ここでは、一例として、発光素子173aと、受光素子173bと、反射板173cとからなる反射型フォトセンサである。第3の駆動ローラ131の一端に取り付けられた従動ギア133の側面に外周基準位置(図中における黒塗り三角印)に合わせて反射板173cが付けられる。反射板173cが付けられた従動ギア133の側面下部(6時方向の側面部分)に面するように発光素子173aと受光素子173bとが配置される。発光素子173aから回転中の従動ギア133の側面に光を発する。従動ギア133と一緒に回転している反射板173cが6時方向に位置すると、発光素子173aから発した光が反射板173cで反射される。反射板173cで反射された光を受光素子173bで受けると、外周基準位置を検出したことを示す検出信号を制御部180に出力する。
次に、印刷機構103を制御する制御部180について説明する。
図5に示すように、制御部180は、画像記憶部181と、補正値記憶部182と、吐出調整部183とを備える。
画像記憶部181は、第1の部分画像記憶部181aと、第2の部分画像記憶部181bとを備える。
第1の部分画像記憶部181aは、1つのラスターイメージにおいて、第1のヘッド列151が印刷を担当する奇数領域(図3における部分印刷領域1、部分印刷領域3、部分印刷領域5など。)のイメージデータを記憶する。
第2の部分画像記憶部181bは、1つのラスターイメージにおいて、第2のヘッド列152が印刷を担当する偶数領域(図3における部分印刷領域2、部分印刷領域4、部分印刷領域6など。)のイメージデータを記憶する。
補正値記憶部182は、第1の補正テーブル記憶部182aと、第2の補正テーブル記憶部182bと、第3の補正テーブル記憶部182cとを備える。
第1の補正テーブル記憶部182aは、第1の補正テーブルを記憶する。第1の補正テーブルは、第1の駆動ローラ111の外周区間と対応付けられて、ライン型インクジェットヘッド150の吐出周期を補正する補正値が登録されたテーブルである。ここで、第1の駆動ローラ111の外周区間は、第1の駆動ローラ111の外周を、外周基準位置を基準にして、所定数分割して得られた区間である。
第2の補正テーブル記憶部182bは、第2の補正テーブルを記憶する。第2の補正テーブルは、第2の駆動ローラ121の外周区間と対応付けられて、ライン型インクジェットヘッド150の吐出周期を補正する補正値が登録されたテーブルである。ここで、第2の駆動ローラ121の外周区間は、第2の駆動ローラ121の外周を、外周基準位置を基準にして、所定数分割して得られた区間である。
第3の補正テーブル記憶部182cは、第3の補正テーブルを記憶する。第3の補正テーブルは、第3の駆動ローラ131の外周区間と対応付けられて、ライン型インクジェットヘッド150の吐出周期を補正する補正値が登録されたテーブルである。ここで、第3の駆動ローラ131の外周区間は、第3の駆動ローラ131の外周を、外周基準位置を基準にして、所定数分割して得られた区間である。
吐出調整部183は、第1の外周区間特定部183aと、第2の外周区間特定部183bと、第3の外周区間特定部183cと、第1の補正値検索部183dと、第2の補正値検索部183eと、第3の補正値検索部183fと、搬送位置特定部183gと、第1の補正値選択部183hと、第2の補正値選択部183iと、第1のヘッド列調整部183jと、第2のヘッド列調整部183kとを備える。
第1の外周区間特定部183aは、逐次、第1の駆動ローラ111における複数の外周区間において、用紙の裏面と接触して用紙を送り出すことに寄与する外周区間を特定する。具体的には、駆動ギア114を介して第1の駆動ローラ111を駆動するステッピングモータ115(例えば、図4など参照。)に供給されるパルス信号と、第1の外周基準位置検出センサ171から出力される検出信号とから、12時方向に位置する外周位置を算出する。算出した外周位置が属する外周区間を特定する。特定した外周区間に割り当てられた識別コードを第1の補正値検索部183dに出力する。
第2の外周区間特定部183bは、逐次、第2の駆動ローラ121における複数の外周区間において、用紙の裏面と接触して用紙を送り出すことに寄与する外周区間を特定する。具体的には、駆動ギア124を介して第2の駆動ローラ121を駆動するステッピングモータ125(例えば、図4など参照。)に供給されるパルス信号と、第2の外周基準位置検出センサ172から出力される検出信号とから、12時方向に位置する外周位置を算出する。算出した外周位置が属する外周区間を特定する。特定した外周区間に割り当てられた識別コードを第2の補正値検索部183eに出力する。
第3の外周区間特定部183cは、逐次、第3の駆動ローラ131における複数の外周区間において、用紙の裏面と接触して用紙を送り出すことに寄与する外周区間を特定する。具体的には、駆動ギア134を介して第3の駆動ローラ131を駆動するステッピングモータ135(例えば、図4など参照。)に供給されるパルス信号と、第3の外周基準位置検出センサ173から出力される検出信号とから、12時方向に位置する外周位置を算出する。算出した外周位置が属する外周区間を特定する。特定した外周区間に割り当てられた識別コードを第3の補正値検索部183fに出力する。
第1の補正値検索部183dは、逐次、第1の補正テーブルに登録されている複数の補正値の中から、第1の外周区間特定部183aから出力された識別コード(外周区間)と対応付けられた補正値を選択する。選択した補正値を第1の補正値選択部183hに出力する。
第2の補正値検索部183eは、逐次、第2の補正テーブルに登録されている複数の補正値の中から、第2の外周区間特定部183bから出力された識別コード(外周区間)と対応付けられた補正値を選択する。選択した補正値を第1の補正値選択部183hと第2の補正値選択部183iとに出力する。
第3の補正値検索部183fは、逐次、第3の補正テーブルに登録されている複数の補正値の中から、第3の外周区間特定部183cから出力された識別コード(外周区間)と対応付けられた補正値を選択する。選択した補正値を第2の補正値選択部183iに出力する。
搬送位置特定部183gは、逐次、搬送中の用紙の先端位置と終端位置とを特定する。具体的には、各駆動ローラを駆動するステッピングモータに供給されるパルス信号と、用紙先端検出センサ170から出力された検出信号とから、用紙の先端が検出されてから移動した用紙の先端位置を算出する。算出した先端位置と、用紙のサイズとから、用紙の終端位置を算出する。算出した用紙の先端位置と終端位置とを第1の補正値選択部183hと第2の補正値選択部183iとに出力する。
第1の補正値選択部183hは、逐次、搬送位置特定部183gから出力された先端位置と終端位置とに基づいて、第1の駆動ローラ111に用紙の先端が到達したか否かを判定する。また、第2の駆動ローラ121に用紙の先端が到達したか否かも判定する。さらに、第2の駆動ローラ121に用紙の終端が到達したか否かを判定する。
第2の補正値選択部183iは、逐次、搬送位置特定部183gから出力された先端位置と終端位置とに基づいて、第2の駆動ローラ121に用紙の先端が到達したか否かを判定する。また、第3の駆動ローラ131に用紙の先端が到達したか否かを判定する。さらに、第3の駆動ローラ131に用紙の終端が到達したか否かを判定する。
第1のヘッド列調整部183jは、第1の部分画像記憶部181aに記憶されている第1の部分画像に応じて、第1のヘッド列151に関するインクの吐出時期・吐出量・吐出時間などを調整する。さらに、インクの吐出時期については、逐次、第1の補正値選択部183hから出力された補正値で補正されたものが使用される。
第2のヘッド列調整部183kは、第2の部分画像記憶部181bに記憶されている第2の部分画像に応じて、第2のヘッド列152に関するインクの吐出時期・吐出量・吐出時間などを調整する。さらに、インクの吐出時期については、逐次、第2の補正値選択部183iから出力された補正値で補正されたものが使用される。
次に、各搬送ローラ部の偏心の対策について説明する。ここでは、駆動ローラについてのみ説明し、従動ローラについては説明を省略する。これは、駆動ローラの偏心で着弾位置がずれても、従動ローラの偏心で着弾位置がずれることが殆どないからである。補足すれば、従動ローラは、駆動ローラの回転に追随して、受動的に回転する。すなわち、従動ローラが、用紙の搬送において、用紙を押さえているだけであり、積極的に、搬送に寄与している訳ではない。このため、着弾位置のずれが、駆動ローラの偏心に影響されても、従動ローラの偏心に殆ど影響されない。
次に、各駆動ローラの振れに応じた補正値を算出するときに使用される治具について説明する。
測定基準ローラ191は、回転軸方向から見て、回転軸から外周までの距離が全周に亘って略一定であり、回転軸が上下に移動可能な状態でテンションバネ193に吊り下げられた従動ローラである。
次に、測定治具190を使用した補正値の算出手順について説明する。ここでは、ステッピングモータ194に供給されたパルス信号から、測定対象ローラ195の各外周区間が特定されるとする。
ここで、係数とは、1パルスにおける測定対象ローラの搬送量に対して、吐出時期を遅らせたり早めたりして調整する時間であり、値が正であれば、吐出時期を遅らせる時間であり、値が負であれば、吐出時期を早める時間である。カウント値とは、測定基準ローラ191が測定対象ローラの外周区間と接触している間にパルスカウンタなどの測定装置(不図示)でカウントして得られた値である。基準値とは、基準となる吐出時期に対応するパルス数であり、例えば、偏心していない場合における基準半径の駆動ローラを等間隔で所定数分割して得られた外周区間に対するパルス数である。
ここでは、一例として、図8に示すように、測定対象ローラ195は、外周基準位置(図中における黒塗りの三角印)を基準(0度)にして、回転角度が等間隔で四分割されているとする。外周基準位置を、外周に亘って駆動ローラ回転軸から外周までの距離が最大となる外周位置とする。四分割されて得られた外周区間を、回転軸方向から見て、反時計回りに、外周区間A、外周区間B、外周区間C、外周区間Dとする。さらに、基準値を2000として、係数を0.5とする。
なお、第2の駆動ローラ121と第3の駆動ローラ131とについても、第1の駆動ローラ111と同様に、補正値が設定される。
次に、各駆動ローラの設置条件について説明する。
図11に示すように、第1の駆動ローラ111の外周基準位置に目印(図中における黒塗り三角印)が付けられる。印刷機構103の手前から見て、印刷機構103のフレーム106において第1の駆動ローラ111が設置される箇所の6時方向に目印(図中における白塗り三角印)が付けられる。第1の駆動ローラ111に付けられた目印を印刷機構103のフレーム106に付けられた目印に合わせて、回転可能な状態で、印刷機構103のフレーム106に第1の駆動ローラ111が設置される。
次に、吐出時期の調整例について説明する。
例えば、用紙の先端が、第1の駆動ローラ111から送り出されて、第2の駆動ローラ121に到達するまでに、各外周区間によって用紙が送り出されるとする。この場合において、下記の(式2)に基づいて、用紙が外周区間と接触している間は、第1のヘッド列151の吐出周期が算出される。
ここで、基準吐出周期が86.8[μs]であるとする。この場合において、図10に示す第1の補正テーブルから、用紙が外周区間Aと接触している間においては、第1のヘッド列151の吐出周期が84.8[μs]である。用紙が外周区間Bと接触している間においては、第1のヘッド列151の吐出周期が88.8[μs]である。用紙が外周区間Cと接触している間においては、第1のヘッド列151の吐出周期が88.8[μs]である。用紙が外周区間Dと接触している間においては、第1のヘッド列151の吐出周期が84.8[μs]である。
以上、本実施の形態によれば、各駆動ローラの振れに応じて設定された補正値を使用して、ライン型インクジェットヘッドの吐出時期を調整することができる。これによって、各部分印刷領域に対して略一定のピッチで印刷されて、印刷面において隣接する部分印刷領域同士の内容が自然に繋がった印刷結果を得ることができる。
(1)なお、駆動ローラの振れ・回転速度に加えて、駆動ローラの一端に取り付けられる従動ギアの振れ・回転速度も考慮して、補正値を決定するとしてもよい。
(2)なお、第1の駆動ローラ111の外周基準位置を、外周に亘って第1の駆動ローラ111の回転軸から外周までの距離が最小となる外周位置としてもよい。第2の駆動ローラ121の外周基準位置を、外周に亘って第2の駆動ローラ121の回転軸から外周までの距離が最小となる外周位置としてもよい。第3の駆動ローラ131の外周基準位置を、外周に亘って第3の駆動ローラ131の回転軸から外周までの距離が最小となる外周位置としてもよい。
(5)なお、液体吐出装置100は、吐出可能な材料であれば、インク以外に、他の液体を吐出するとしてもよい。例えば、他の液体として、物質の状態が液相であればよく、(a)粘性の高いまたは低い液体、(b)液晶、(c)ゾル、(d)ゲル水、(e)無機溶剤、(f)有機溶剤、(g)溶液、(h)液状樹脂、(i)溶融金属などが挙げられる。また、(j)顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料が溶媒に溶解されたもの、(k)顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料が溶媒に分散されたもの、(l)顔料や金属粒子などの固形物からなる二種類以上の機能材料が溶媒に混合されたものなども挙げられる。
(7)なお、液体吐出装置100は、インクジェット方式の印刷装置以外に、例えば、(a)捺染装置、(b)マイクロディスペンサなどであるとしてもよい。また、(c)液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタなどの製造に使用される電極材や色材などの材料を分散または溶解させたものを含む液体を吐出する装置であるとしてもよい。また、(d)バイオチップの製造に使用される生体有機物を吐出する装置であるとしてもよい。また、(e)精密ピペットとして使用される試料となる液体を吐出する装置であるとしてもよい。また、(f)時計やカメラなどの精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置であるとしてもよい。また、(g)光通信素子などに使用される微小半球状光学レンズなどを形成するために、紫外線硬化樹脂などの透明樹脂液を基板上に吐出する装置であるとしてもよい。また、(h)基板などをエッチングするために、酸またはアルカリなどのエッチング液を吐出する装置であるとしてもよい。
(9)なお、画像記憶部181は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などのような揮発性メモリに割り当てられた記憶領域としてもよい。また、補正値記憶部182は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などのような不揮発性メモリに割り当てられた記憶領域としてもよい。
100 液体吐出装置
101 給紙台
102 給紙機構
103 印刷機構
104 排紙機構
105 紙受け台
106 フレーム
110 第1の搬送ローラ部
111 第1の駆動ローラ
112 第1の従動ローラ
113 従動ギア
114 駆動ギア
115 ステッピングモータ
120 第2の搬送ローラ部
121 第2の駆動ローラ
122 第2の従動ローラ
123 従動ギア
124 駆動ギア
125 ステッピングモータ
130 第3の搬送ローラ部
131 第3の駆動ローラ
132 第3の従動ローラ
133 従動ギア
134 駆動ギア
135 ステッピングモータ
140 搬送ガイド部
150 ライン型インクジェットヘッド
151 第1のヘッド列
152 第2のヘッド列
170 用紙先端検出センサ
170a 発光素子
170b 受光素子
171 第1の外周基準位置検出センサ
171a 発光素子
171b 受光素子
171c 反射板
172 第2の外周基準位置検出センサ
172a 発光素子
172b 受光素子
172c 反射板
173 第3の外周基準位置検出センサ
173a 発光素子
173b 受光素子
173c 反射板
180 制御部
181 画像記憶部
181a 第1の部分画像記憶部
181b 第2の部分画像記憶部
182 補正値記憶部
182a 第1の補正テーブル記憶部
182b 第2の補正テーブル記憶部
182c 第3の補正テーブル記憶部
183 吐出調整部
183a 第1の外周区間特定部
183b 第2の外周区間特定部
183c 第3の外周区間特定部
183d 第1の補正値検索部
183e 第2の補正値検索部
183f 第3の補正値検索部
183g 搬送位置特定部
183h 第1の補正値選択部
183i 第2の補正値選択部
183j 第1のヘッド列調整部
183k 第2のヘッド列調整部
184a−184c グラフ
185a,185b グラフ
190 測定治具
191 測定基準ローラ
192 ロータリエンコーダ
192a スリット円板
192b フォトインタラプタ
193 テンションバネ
194 ステッピングモータ
195 測定対象ローラ
Claims (3)
- 液体を吐出する複数のノズルが配列された液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドの上流側に配置された第1の搬送ローラと、前記液体吐出ヘッドの下流側に配置された第2の搬送ローラとを有して、前記第1の搬送ローラから前記第2の搬送ローラまで搬送される吐出対象物に液体を吐出する液体吐出装置であって、
前記第1の搬送ローラの偏心に応じて設定された前記液体吐出ヘッドの吐出周期の第1の補正値と、前記第2の搬送ローラの偏心に応じて設定された前記液体吐出ヘッドの吐出周期の第2の補正値とを記憶する記憶手段と、
前記第1の補正値または前記第2の補正値の何れかを選択する選択手段と、
搬送中の前記吐出対象物の搬送位置を特定する搬送位置特定手段と、
前記選択手段で選択された補正値に応じて前記液体吐出ヘッドの吐出時期を調整する調整手段とを備え、
前記選択手段は、前記搬送位置特定手段で特定された前記吐出対象物の先頭が前記第1の搬送ローラに到達してから前記第2の搬送ローラに到達するまで前記第1の補正値を選択し、
前記吐出対象物の先端が前記第2の搬送ローラに到達してから、前記吐出対象物の終端が前記第2の搬送ローラに到達するまで前記第2の補正値を選択するものであり、
前記第1の補正値は、前記第1の搬送ローラの外周基準位置を基準にして外周を所定数に分割して得られた複数の外周区間の各々と対応付けられた複数の補正値を含み、前記第2の補正値は、前記第2の搬送ローラの外周基準位置を基準にして外周を所定数に分割して得られた複数の外周区間の各々と対応付けられた複数の補正値を含み、
前記第1の搬送ローラの複数の外周区間の中から、稼動中の前記第1の搬送ローラにおいて前記吐出対象物を送り出す外周区間を特定する第1の外周区間特定手段と、前記第2の搬送ローラの複数の外周区間の中から、稼動中の前記第2の搬送ローラにおいて前記吐出対象物を送り出す外周区間を特定する第2の外周区間特定手段とを備え、
前記選択手段は、前記第1の補正値の中で前記第1の外周区間特定手段により特定された外周区間に対応する補正値を選択し、前記第2の補正値の中で前記第2の外周特定手段により特定された外周区間に対応する補正値を選択することを特徴とする液体吐出装置。 - 前記第2の搬送ローラと対向して配置された複数の従動ローラを有し、前記複数の従動ローラは、前記吐出対象物のうち前記液体吐出ヘッドから液体が吐出された領域以外の領域と接触するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記第1の搬送ローラの外周長の整数倍の距離だけ前記第1の搬送ローラから前記第2の搬送ローラが離れており、
前記第1の搬送ローラの偏心に関する変動周期の位相と、前記第2の搬送ローラの偏心に関する変動周期の位相とを合わせるように、前記第1の搬送ローラの外周基準位置と前記第2の搬送ローラの外周基準位置とが調整されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
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