JP2009143136A - 液体吐出装置、及び、補正用パターン形成方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、補正用パターン形成方法 Download PDF

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龍也 中野
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昌彦 吉田
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Takeshi Yoshida
剛 吉田
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Abstract

【課題】補正用パターンを適切に形成することにある。
【解決手段】液体を吐出する吐出部41と、搬送方向において上流側に位置する上流側搬送ローラ23、及び、下流側に位置する下流側搬送ローラ25であって、前記搬送方向において前記上流側搬送ローラ23と前記下流側搬送ローラ25の間に設けられ、前記媒体を支持する支持部材246,247,248であって、前記吐出部から吐出された液体を受ける凹部242,243と、前記媒体を支持する非凹部と、を有する支持部材と、前記媒体の前記搬送方向の上流側の端が、前記上流側搬送ローラ23を通過した後に、前記媒体が前記下流側搬送ローラ25によって搬送される際の前記目標搬送量を補正するための補正用パターンを、前記媒体に形成する制御部であって、前記媒体の前記端が前記非凹部上に位置するときに、前記補正用パターンを形成する制御部とを備えることを特徴とする液体吐出装置。
【選択図】図33

Description

本発明は、液体吐出装置、及び、補正用パターン形成方法に関する。
液体吐出装置の一つとして、紙や布、フィルムなどの各種媒体に液体(インク)を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このプリンタは、媒体に液体を吐出する吐出部と、媒体の搬送方向において前記吐出部よりも上流側に位置する一対の上流側搬送ローラと、前記吐出部よりも下流側に位置する一対の下流側搬送ローラと、搬送方向において上流側搬送ローラと下流側搬送ローラの間に設けられ媒体を支持する支持部材と、を備えている。そして、二つのローラによる目標搬送量に応じた媒体の搬送と、支持部材に支持された媒体への吐出部からの液体の吐出と、を交互に繰り返すことによって、印刷が行われる。
このようなプリンタでは、媒体を目標搬送量に応じて搬送する際に搬送誤差が生じると、媒体上の正しい位置に液体が吐出されなくなる。特に、インクジェットプリンタでは、媒体上の正しい位置に液体が吐出されないと、印刷された画像に白スジや黒スジが生じ、画質が劣化する恐れがある。そこで、媒体に補正用パターンを形成して、目標搬送量を補正する方法が提案されている。
特開平5−96796号公報
また、上記のプリンタの中には、媒体の縁部に余白なく液体を吐出して印刷画像を形成する縁無し印刷が可能なものがある。このようなプリンタは、媒体よりも広い範囲に液体を吐出して、縁無し印刷を実現する。この縁無し印刷の際に、媒体から外れた液体が支持部材に着弾すると、媒体の裏面が汚れることがある。このような問題の解消等のために、支持部材には、吐出部から吐出された液体を受ける凹部が設けられている。
ところで、媒体の搬送方向の上流側の端(以下、後端とも呼ぶ)が、上流側搬送ローラを通過した後は、前記媒体は下流側搬送ローラのみによって搬送される。そして、上述した補正用パターンの形成の際に、上流側搬送ローラを通過した前記後端が前記凹部上に位置する状態で、前記媒体に液体が吐出されると、液体の媒体に対する着弾位置が所望の位置からずれる恐れがある。これは、前記後端が凹部内に入り込むことによって、媒体と吐出部の間の距離が変わるために、液体が所望の位置からずれた位置に着弾するためである。
そして、液体の媒体に対する着弾位置がずれると、補正用パターンの形成位置もずれてしまい、この結果、目標搬送量の補正も不適切なものとなる。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、目的とするところは、補正用パターンを適切に形成することにある。
前記課題を解決するために、主たる本発明は、
(a)液体を吐出する吐出部と、
(b)搬送方向において前記吐出部よりも上流側に位置する上流側搬送ローラ、及び、前記吐出部よりも下流側に位置する下流側搬送ローラであって、
目標となる目標搬送量に応じて、協働して媒体を搬送する上流側搬送ローラ及び下流側搬送ローラと、
(c)前記搬送方向において前記上流側搬送ローラと前記下流側搬送ローラの間に設けられ、前記媒体を支持する支持部材であって、
前記吐出部から吐出された液体を受ける凹部と、前記媒体を支持する非凹部と、を有する支持部材と、
(d)前記媒体の前記搬送方向の上流側の端が、前記上流側搬送ローラを通過した後に、前記媒体が前記下流側搬送ローラによって搬送される際の前記目標搬送量を補正するための補正用パターンを、
前記媒体に形成する制御部であって、
前記媒体の前記端が前記非凹部上に位置するときに、前記補正用パターンを形成する制御部と、
(e)を備えることを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
(a)液体を吐出する吐出部と、
(b)搬送方向において前記吐出部よりも上流側に位置する上流側搬送ローラ、及び、前記吐出部よりも下流側に位置する下流側搬送ローラであって、
目標となる目標搬送量に応じて、協働して媒体を搬送する上流側搬送ローラ及び下流側搬送ローラと、
(c)前記搬送方向において前記上流側搬送ローラと前記下流側搬送ローラの間に設けられ、前記媒体を支持する支持部材であって、
前記吐出部から吐出された液体を受ける凹部と、前記媒体を支持する非凹部と、を有する支持部材と、
(d)前記媒体の前記搬送方向の上流側の端が、前記上流側搬送ローラを通過した後に、前記媒体が前記下流側搬送ローラによって搬送される際の前記目標搬送量を補正するための補正用パターンを、
前記媒体に形成する制御部であって、
前記媒体の前記端が前記非凹部上に位置するときに、前記補正用パターンを形成する制御部と、
(e)を備えることを特徴とする液体吐出装置。このような液体吐出装置によれば、補正用パターンを適切に形成することが可能となる。
また、かかる液体吐出装置であって、
前記補正用パターンは、前記搬送方向に交差する方向に所定間隔で引かれた罫線である第一補正用パターン及び第二補正用パターンであり、
前記制御部は、前記媒体の前記端が前記非凹部上に位置するときに前記第一補正用パターンを形成した後に、前記端が前記非凹部上に位置するときに前記第二補正用パターンを形成することが望ましい。かかる場合には、2つの補正用パターンを適切に形成することが可能となる。
また、かかる液体吐出装置であって、
前記吐出部は、前記液体を吐出するノズルが前記搬送方向に沿って並んだノズル群を有し、前記搬送方向に交差する交差方向に移動する際に前記液体を吐出し、
前記制御部は、前記第一補正用パターンと前記第二補正用パターンを、それぞれ、前記ノズル群のうちの一つのノズルに前記液体を吐出させて形成し、
前記ノズル群のうちの、前記第一補正用パターンを形成する際に前記液体を吐出する第一ノズルは、前記第二補正用パターンを形成する際に前記液体を吐出する第二ノズルよりも、前記搬送方向の上流側に位置するノズルであることが望ましい。かかる場合には、2つの補正用パターンの形成に必要な媒体上のスペースを小さくすることが可能となる。
また、かかる液体吐出装置であって、
前記支持部材は、
前記第一ノズルに対向し、前記第一ノズルから吐出された液体を受ける第一凹部と、
前記第二ノズルに対向し、前記第二ノズルから吐出された液体を受ける第二凹部と、
前記搬送方向において前記第一凹部よりも上流側に位置し、前記媒体を支持する第一非凹部と、
前記搬送方向において前記第一凹部と前記第二凹部との間に位置し、前記媒体を支持する第二非凹部と、
を有し、
前記制御部は、前記媒体の前記端が前記第一非凹部上に位置するときに前記第一補正用パターンを形成した後に、前記端が前記第二非凹部上に位置するときに前記第二補正用パターンを形成することが望ましい。かかる場合には、効果的に、2つの補正用パターンを適切に形成することが可能となる。
また、かかる液体吐出装置であって、
前記第一補正用パターンの形成から前記第二補正用パターンの形成までに前記下流側搬送ローラを回転させる回転量は、前記下流側搬送ローラの一回転の回転量と同じ大きさであることが望ましい。かかる場合には、2つの補正用パターンに基づく補正が、AC成分の搬送誤差(後述)の影響を受けないで、DC成分の搬送誤差(後述)を適切に補正するものとなる。
また、(a)媒体の搬送方向の上流側の端が、液体を吐出する吐出部よりも前記搬送方向の上流側に位置する上流側搬送ローラを通過した後に、前記吐出部よりも下流側に位置する下流側搬送ローラによって前記媒体が搬送される際の目標搬送量を補正するための補正用パターンを、
前記媒体に形成する補正用パターン形成方法であって、
(b)前記搬送方向において前記上流側搬送ローラと前記下流側搬送ローラの間に設けられ前記媒体を支持する支持部材が備える、前記吐出部から吐出された液体を受ける凹部と、前記媒体を支持する非凹部と、のうちの前記非凹部上に、前記媒体の前記端が位置するときに、
前記補正用パターンを形成することを特徴とする補正用パターン形成方法。このような補正用パターン形成方法によれば、補正用パターンを適切に形成することが可能となる。
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図1は、液体吐出装置の一例であるプリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。以下、プリンタの基本的な構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、上流側搬送ローラ23と、支持部材の一例としてのプラテン24と、下流側搬送ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。上流側搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送する一対のローラである。この上流側搬送ローラ23は、紙送りローラ23a及び従動ローラ23bにより構成され、紙Sの搬送方向においてプラテン24よりも上流側に位置している。紙送りローラ23aは、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。下流側搬送ローラ25は、紙Sをプリンタの外部に排出する一対のローラである。この下流側搬送ローラ25は、排紙ローラ25a及び従動ローラ25bにより構成され、搬送方向においてプラテン24よりも下流側に位置している。排紙ローラ25aは、紙送りローラ23aと同期して回転する。
キャリッジユニット30は、吐出部の一例であるヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、液体の一例であるインクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、紙送りローラ23aの回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙の先端(搬送方向下流側の端であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端であり、下端ともいう)も検出できる。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<ノズルについて>
図3は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを90個備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが90dpi(1/90インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=8である。
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯90)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯90よりも搬送方向の下流側に位置している。なお、前述の光学センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯90とほぼ同じ位置にある。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
<紙の搬送態様について>
前述した上流側搬送ローラ23及び下流側搬送ローラ25は、ともに、紙Sを挟持しながら回転することにより、紙Sを搬送方向に搬送する。このように二つのローラによって搬送される紙Sの搬送態様について、説明する。
給紙ローラ21によりプリンタ内に給紙された紙は、先ず、紙送りローラ23aと従動ローラ23bの間に挟まれ、上流側搬送ローラ23のみにより搬送方向下流側に搬送される。紙Sが上流側搬送ローラ23に挟持された状態を維持したまま搬送方向に搬送されると、やがて紙Sの先端が排紙ローラ25aと従動ローラ25bの間に挟まれる。すなわち、紙Sが上流側搬送ローラ23及び下流側搬送ローラ25の双方により挟持される。その後、当該双方の協働により、紙Sが更に下流側に搬送される。紙Sが前記双方により挟持された状態で搬送され続けると、やがて、紙Sの後端が上流側搬送ローラ25から離れる。すなわち、紙Sが前記双方のうちの下流側搬送ローラ25のみにより挟持されるようになる。その後、紙Sは下流側搬送ローラ25のみにより下流側へ搬送され続け、最終的にプリンタ外へ排出される。
===搬送誤差===
<紙の搬送量と紙送りローラ23aの回転量の関係について>
図4は、搬送ユニット20の構成の模式図である。
搬送ユニット20は、コントローラ60からの搬送指令に基づいて、上流側搬送ローラ23と下流側搬送ローラ25のうちの少なくとも上流側搬送ローラ23に搬送動作を実行させるために、所定の駆動量にて搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。搬送モータ22は、この駆動力を用いて上流側搬送ローラ23(紙送りローラ23a)を回転させる。つまり、搬送モータ22が所定の駆動量を発生すると、紙送りローラ23aは所定の回転量にて回転する。紙送りローラ23aが所定の回転量にて回転すると、紙は所定の搬送量にて搬送される。
紙の搬送量は、紙送りローラ23aの回転量に応じて定まる。本実施形態では、紙送りローラ23aが1回転すると、紙が1インチ搬送されるものとする(つまり、紙送りローラ23aの周長は、1インチである)。このため、紙送りローラ23aが1/4回転すると、紙が1/4インチ搬送される。したがって、紙送りローラ23aの回転量が検出できれば、紙の搬送量も検出可能である。そこで、紙送りローラ23aの回転量を検出するため、ロータリー式エンコーダ52が設けられている。
ロータリー式エンコーダ52は、スケール521と検出部522とを有する。スケール521は、所定の間隔毎に設けられた多数のスリットを有する。このスケール521は、紙送りローラ23aに設けられている。つまり、スケール521は、紙送りローラ23aが回転すると、一緒に回転する。そして、紙送りローラ23aが回転すると、スケール521の各スリットが検出部522を順次通過する。検出部522は、スケール521と対向して設けられており、プリンタ本体側に固定されている。ロータリー式エンコーダ52は、スケール521に設けられたスリットが検出部522を通過する毎に、パルス信号を出力する。紙送りローラ23aの回転量に応じてスケール521に設けられたスリットが順次検出部522を通過するので、ロータリー式エンコーダ52の出力に基づいて、紙送りローラ23aの回転量が検出される。
そして、例えば搬送量1インチで紙を搬送する場合、紙送りローラ23aが1回転したことをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、コントローラ60が搬送モータ22を駆動する。このように、コントローラ60は、目標とする搬送量(目標搬送量)に応じた回転量になることをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、搬送モータ22を駆動して、紙を目標搬送量にて搬送する。なお、排紙ローラ25aの周長は、紙送りローラ23aと同じ1インチであり、排紙ローラ25aが1回転すると、紙が1インチ搬送される。
ところで、上流側搬送ローラ23と下流側搬送ローラ25のうちの下流側搬送ローラ25のみに搬送動作を実行させる場合には、ロータリー式エンコーダ52を介して、紙送りローラ23aと同期して回転する排紙ローラ25aの回転量を検出する。そして、コントローラ60は、当該回転量が目標搬送量に応じた回転量になるまで、排紙ローラ25aを回転させる。
<搬送誤差について>
ところで、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には紙送りローラ23aの回転量を検出するのであって、厳密にいえば、紙Sの搬送量を検出していない。このため、紙送りローラ23aの回転量と紙Sの搬送量が一致しない場合、ロータリー式エンコーダ52は紙Sの搬送量を正確に検出することができず、搬送誤差(検出誤差)が生じる。搬送誤差としては、DC成分の搬送誤差及びAC成分の搬送誤差がある。
DC成分の搬送誤差とは、紙送りローラ23aが1回転したときに生じる所定量の搬送誤差のことである。このDC成分の搬送誤差は、製造誤差等によって紙送りローラ23aの周長が個々のプリンタ毎に異なることが原因と考えられる。つまり、DC成分の搬送誤差は、設計上の紙送りローラ23aの周長と実際の紙送りローラ23aの周長が異なるために生じる搬送誤差である。このDC成分の搬送誤差は、紙送りローラ23aが1回転するときの開始位置に関わらず、一定になる。但し、実際のDC成分の搬送誤差は、紙の摩擦等の影響によって、紙の総搬送量に応じて異なる値になる(後述)。言い換えると、実際のDC成分の搬送誤差は、紙Sと紙送りローラ23a(又は紙Sとヘッド41)との相対位置関係に応じて異なる値になる。
AC成分の搬送誤差とは、搬送時に用いられる紙送りローラ23aの周面の場所に応じた搬送誤差のことである。AC成分の搬送誤差は、搬送時に用いられる紙送りローラ23aの周面の場所に応じて、異なる量になる。つまり、AC成分の搬送誤差は、搬送開始時の紙送りローラ23aの回転位置と搬送量に応じて、異なる量になる。
図5は、AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。横軸は、基準となる回転位置からの紙送りローラ23aの回転量である。縦軸は、搬送誤差を示す。このグラフを微分すれば、その回転位置で紙送りローラ23aが搬送しているときに生じる搬送誤差が導き出される。ここでは、基準位置における累積搬送誤差をゼロとし、DC成分の搬送誤差もゼロとしている。紙送りローラ23aが基準位置から1/4回転すると、δ_90の搬送誤差が生じ、紙は1/4インチ+δ_90にて搬送される。但し、紙送りローラ23aが更に1/4回転すると、-δ_90の搬送誤差が生じ、紙は1/4インチ−δ_90にて搬送される。
AC成分の搬送誤差が生じる原因としては、例えば、以下の3つが考えられる。
まず第1に、紙送りローラ23aの形状による影響が考えられる。例えば、紙送りローラ23aが楕円形状や卵型である場合、紙送りローラ23aの周面の場所に応じて、回転中心までの距離が異なっている。そして、回転中心までの距離が長い部分で媒体を搬送する場合、紙送りローラ23aの回転量に対する搬送量が多くなる。一方、回転中心までの距離が短い部分で媒体を搬送する場合、紙送りローラ23aの回転量に対する搬送量が少なくなる。
第2に、紙送りローラ23aの回転軸の偏心が考えられる。この場合も、紙送りローラ23aの周面の場所に応じて、回転中心までの長さが異なっている。このため、たとえ紙送りローラ23aの回転量が同じであっても、紙送りローラ23aの周面の場所に応じて、搬送量が異なることになる。
第3に、紙送りローラ23aの回転軸と、ロータリー式エンコーダ52のスケール521の中心との不一致が考えられる。この場合、スケール521が偏心して回転することになる。この結果、検出部522が検出するスケール521の場所に応じて、検出されたパルス信号に対する紙送りローラ23aの回転量が異なることになる。例えば、検出されるスケール521の場所が紙送りローラ23aの回転軸から離れている場合、検出されたパルス信号に対する紙送りローラ23aの回転量が少なくなるため、搬送量が少なくなる。一方、検出されるスケール521の場所が紙送りローラ23aの回転軸から近い場合、検出されたパルス信号に対する紙送りローラ23aの回転量が多くなるため、搬送量が多くなる。
上記の原因のため、AC成分の搬送誤差は、図5に示す通り、ほぼサインカーブになる。
上記においては、紙送りローラ23a(上流側搬送ローラ23)が紙を搬送する際のAC成分の搬送誤差及びDC成分の搬送誤差について説明したが、紙の後端が上流側搬送ローラ23の挟持部を通過した後に排紙ローラ25a(下流側搬送ローラ25)が紙を搬送する際にも、AC成分の搬送誤差及びDC成分の搬送誤差が生じ得る。
さらに、搬送誤差としては、上述したDC成分の搬送誤差及びAC成分の搬送誤差以外に、紙Sの後端のローラ抜けの搬送誤差がある。ローラ抜けの搬送誤差とは、紙Sの後端が上流側搬送ローラ23の挟持部(紙送りローラ23aと従動ローラ23bが接触する部分)を抜ける瞬間に生じる搬送誤差である。
紙Sが上流側搬送ローラ23及び下流側搬送ローラ25の双方に挟持された状態で搬送される際には、紙Sの姿勢が安定している。これに対して、前記双方に挟持されていた紙Sの後端が上流側搬送ローラ23の挟持部を抜ける際には、前記紙Sが下流側搬送ローラ25のみに挟持されるため、紙Sの姿勢が急変する。ここで、紙Sの姿勢が急変する態様として、例えば、挟持部から抜けた紙Sの後端側が一時的に回転中の紙送りローラ23aに巻き付いてしまうことがある(理想的な搬送状態では、前記後端部がローラに巻き付かない)。その後、当該紙Sの後端側は下流側搬送ローラ23によって搬送されて紙送りローラ23aから離れるが、紙Sの後端側が紙送りローラ23aに巻き付いたことによって紙Sの搬送量が小さくなるために、搬送誤差が生じることとなる。このように、紙Sの後端が上流側搬送ローラ23の挟持部を抜ける際に、紙Sの姿勢が急変することに起因して、ローラ抜けの搬送誤差が生じる。そして、ローラ抜けの搬送誤差は、瞬間的に大きく発生する搬送誤差である。
<本実施形態で補正する搬送誤差>
図6は、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)の大きさの紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。グラフの横軸は、紙の総搬送量を示している。グラフの縦軸は、搬送誤差を示している。図中の点線は、DC成分の搬送誤差のグラフである。図中の実線の値(トータルの搬送誤差)から図中の点線の値(DC成分の搬送誤差)を引けば、AC成分の搬送誤差が求められる。AC成分の搬送誤差は、紙の総搬送量に関わらず、ほぼサインカーブになる。一方、点線で示されるDC成分の搬送誤差は、紙の摩擦等の影響によって、紙の総搬送量に応じて異なる値になる。
既に説明したように、AC成分の搬送誤差は、紙送りローラ23aの周面の場所に応じて異なる。このため、たとえ同じ紙を搬送する場合であっても、搬送開始時の紙送りローラ23aの回転位置が異なれば、AC成分の搬送誤差が異なるため、トータルの搬送誤差(グラフの実線で示す搬送誤差)は異なることになる。これに対し、DC成分の搬送誤差はAC成分の搬送誤差とは異なり紙送りローラ23aの周面の場所とは無関係なので、たとえ搬送開始時の紙送りローラ23aの回転位置が異なっていても、紙送りローラ23aが1回転したときに生じる搬送誤差(DC成分の搬送誤差)は同じになる。
また、AC成分の搬送誤差を補正しようとする場合、コントローラ60は、紙送りローラ23aの回転位置を検出する必要がある。しかし、紙送りローラ23aの回転位置を検出するためには、ロータリー式エンコーダ52に原点センサを更に用意する必要があり、コストアップとなる。そこで、以下に示す本実施形態の搬送量の補正では、DC成分の搬送誤差を補正することにしている。
一方、DC成分の搬送誤差は、紙の総搬送量(言い換えると、紙Sと紙送りローラ23aとの相対位置関係)に応じて異なる値になる(図6の点線参照)。このため、より多くの補正値を搬送方向の位置に応じて用意できれば、きめ細かく搬送誤差を補正することができる。そこで、本実施形態では、紙送りローラ23aの1回転分に相当する1インチの範囲ごとではなく、1/8インチの範囲ごとに、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値を用意している。
さらに、本実施形態においては、ローラ抜けの搬送誤差を補正するための補正値も用意している。これは、前述したようにローラ抜けの搬送誤差は瞬間的に大きく発生する搬送誤差であることに起因して、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値によっては、ローラ抜けの搬送誤差を適切に補正できないためである。
===概略説明===
図7は、搬送量を補正するための補正値を決定するまでのフロー図である。図8A〜図8Cは、補正値を決定するまでの様子の説明図である。これらの処理は、プリンタ製造工場の検査工程において行われる。この処理に先立って、検査者は、組み立て完了後のプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150も接続されており、プリンタドライバ、スキャナドライバ及び補正値取得プログラムが予めインストールされている。
まず、プリンタドライバが印刷データをプリンタ1に送信し、プリンタ1が媒体であるテストシートTSに測定用パターンを印刷する(S101、図8A)。次に、検査者はテストシートTSをスキャナ150にセットし、スキャナドライバがスキャナ150に測定用パターンを読み取らせ、画像データを取得する(S102、図8B)。なお、スキャナ150にはテストシートTSとともに基準シートがセットされており、基準シートに描画されている基準パターンも一緒に読み取られる。
そして、補正値取得プログラムは、取得した画像データを解析し、補正値を算出する(S103)。そして、補正値取得プログラムは、補正データをプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ63に補正値を記憶させる(図8C)。プリンタに記憶される補正値は、個々のプリンタの搬送特性を反映したものになる。
補正値を記憶したプリンタは、梱包されてユーザの下に届けられる。ユーザがプリンタで画像を印刷する際に、プリンタは、補正値に基づいて紙を搬送し、紙に画像を印刷する。
===測定用パターンの印刷(S101)===
まず、測定用パターンの印刷について説明する。通常の印刷と同様に、プリンタ1は、移動中のノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、紙を搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、測定用パターンを紙に印刷する。なお、以下の説明では、ドット形成処理のことを「パス」と呼び、n回目のドット形成処理のことを「パスn」と呼ぶ。
図9は、測定用パターンの印刷の様子の説明図である。測定用パターンの印刷されるテストシートTSの大きさは、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)である。
図中の右側には、テストシートTSに印刷される測定用パターンが示されている。図中の左側の長方形は、各パスにおけるヘッド41の位置(テストシートTSに対する相対位置)が示されている。説明の都合上、ヘッド41がテストシートTSに対して移動しているように描かれているが、同図はヘッドとテストシートTSとの相対的な位置関係を示すものであって、実際にはテストシートTSが搬送方向に間欠的に搬送されている。
テストシートTSが搬送され続けると、テストシートTSの下端が上流側搬送ローラ23(紙送りローラ23aと従動ローラ23b)を通過する。テストシートTSの下端が上流側搬送ローラ23(具体的には、上流側搬送ローラ23の挟持部)を通過する時に最上流ノズル♯90と対向するテストシートTSの位置が、「NIPライン」として図中に点線で示されている。つまり、図中においてヘッド41がNIPラインよりも上にあるパスでは、紙送りローラ23aと従動ローラ23bの間でテストシートTSが挟まれた状態(「NIP状態」とも言う)で、印刷が行われる。また、図中において、ヘッド41がNIPラインよりも下にあるパスでは、紙送りローラ23aと従動ローラ23bの間にテストシートTSがない状態(排紙ローラ25aと従動ローラ25bだけでテストシートTSを搬送する状態であり「非NIP状態」とも言う)で、印刷が行われる。
測定用パターンは、識別コードと、複数のラインとから構成される。
識別コードは、個々のプリンタ1をそれぞれ識別するための個体識別用の記号である。この識別コードは、S102において測定用パターンが読み取られるときに一緒に読み取られ、OCRによる文字認識によって、コンピュータ110に識別される。
各ラインは、いずれも移動方向に沿って形成された罫線である。NIPラインよりも上端側には、多数のラインが形成される。NIPラインよりも上端側の複数のラインについて、上端側から順にi番目のラインのことを「Li」と呼び、最もNIPラインに近いライン(NIPラインよりも上端側の複数のラインのうちの最も下端側に位置するライン)のことをLa1と呼ぶ。また、NIPラインよりも下端側には、2つのラインが形成される。NIPラインよりも下端側の2つのラインのうち、上端側のラインをLb1と呼び、下端側のライン(一番下のライン)をLb2と呼ぶ。特定のラインは、他のラインよりも長く形成されている。例えば、ラインL1、ラインL30及びラインLb2は、他のラインと比べて、長く形成されている。これらのラインは、以下のようにして形成される。
まず、テストシートTSが所定の印刷開始位置まで搬送された後、パス1において、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインL1が形成される。パス1の後、コントローラ60は、紙送りローラ23aを1/8回転させて、テストシートTSを約1/8インチだけ搬送する。搬送後、パス2において、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインL2が形成される。以下、同様の動作が繰り返し行われ、約1/8インチ間隔でラインL1〜ラインL38が形成される。このように、NIPラインよりも上端側にあるラインL1〜ラインL38は、ノズル♯1〜ノズル♯90のうちの最上流ノズル♯90により形成される。これにより、NIP状態で、できる限り多くのラインをテストシートTSに形成することができる。なお、ラインL1〜ラインL38はノズル♯90のみによって形成されるが、識別コードを印刷するパスでは、識別コードを印刷する際に、ノズル♯90以外のノズルも用いられる。
また、テストシートTSの下端が上流側搬送ローラ23(紙送りローラ23aと従動ローラ23b)を通過する直前に、パスn−1において、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインLa1が形成される。なお、本実施例においては、ラインLa1が、テストシートTSの後端部(テストシートTSの搬送方向上流側の端部)が上流側搬送ローラ23の挟持部に挟持されているときに形成されるように、設定されている。なお、後端部とは、テストシートTSの後端とその周辺部を含む部分を指す。
パスn−1の後、コントローラ60は、排紙ローラ25aを1/6回転させて(後述するように、当該回転の途中でNIP状態から非NIP状態への移行が行われるため、当該途中で上流側搬送ローラ23及び下流側搬送ローラ25のうちの下流側搬送ローラ25のみによる紙搬送となる)、テストシートTSを約1/6インチだけ搬送する。そして、テストシートTSの後端部が上流側搬送ローラ23を通過した後、パスnにおいて、前記後端部が上流側搬送ローラ23の挟持部に挟持されていないテストシートTSに対して、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインLb1が形成される。つまり、パスn−1では、NIP状態で印刷が行われてラインLa1が形成され、パスnでは、非NIP状態で印刷が行われてラインLb1が形成される。そして、こうなるように、パスn−1とパスnのドット形成処理タイミングが設定されている。
さらに、パスnにおいて、搬送方向上流側のノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインLb1が形成された後、コントローラ60は、排紙ローラ25aを1回転させて、テストシートTSを約1インチだけ搬送する。搬送後、パスn+1では、パスnとは異なり、搬送方向下流側のノズル#3のみからインク滴が吐出され、ラインLb2が形成される。仮にノズル♯1が用いられると、ラインLb1とラインLb2との間隔が非常に狭くなり(約1/90インチ)、後でラインLb1とラインLb2との間隔を測定する際に、測定しにくくなる。このため、本実施形態では、ノズル♯1よりも搬送方向上流側にあるノズル♯3を用いてラインLb2を形成することにより、ラインLb1とラインLb2との間隔を広げて、測定し易くしている。
ところで、テストシートTSの搬送が理想的に行われた場合、ラインL1〜ラインL38におけるライン同士の間隔は、ちょうど1/8インチになるはずである。しかし、搬送誤差があると、ライン間隔は1/8インチにならない。仮に理想的な搬送量よりも多くテストシートTSが搬送されると、ライン間隔は広がる。逆に、理想的な搬送量よりも少なくテストシートTSが搬送されると、ライン間隔が狭まる。つまり、ある2つのラインの間隔は、一方のラインが形成されるパスと他方のラインが形成されるパスとの間に行われる搬送処理での搬送誤差を反映している。このため、2つのラインの間隔を測定すれば、一方のラインが形成されるパスと他方のラインが形成されるパスとの間に行われる搬送処理での搬送誤差を測定することが可能になる。
同様に、ラインLa1とラインLb1との間隔は、テストシートTSの搬送が理想的に行われた場合、ちょうど1/6インチになるはずである。しかし、搬送誤差があると、ライン間隔は1/6インチにならない。このため、ラインLa1とラインLb1の間隔は、NIP状態から非NIP状態へ移行するときの搬送処理での搬送誤差を反映していると考えられる。そのため、ラインLa1とラインLb1との間隔を測定すれば、NIP状態から非NIP状態へ移行するときの搬送処理での搬送誤差を測定することが可能になる。
また、ラインLb1とラインLb2との間隔は、テストシートTSの搬送が理想的に行われた場合(正確には、更にノズル♯90とノズル♯3のインクの吐出が同じである場合)、ちょうど3/90インチになるはずである。しかし、搬送誤差があると、ライン間隔は3/90インチにならない。このため、ラインLb1とラインLb2の間隔は、非NIP状態における搬送処理での搬送誤差を反映していると考えられる。このため、ラインLb1とラインLb2との間隔を測定すれば、非NIP状態における搬送処理での搬送誤差を測定することが可能になる。
===パターンの読み取り(S102)===
<スキャナの構成>
まず、測定用パターンの読み取りに用いられるスキャナ150の構成について説明する。
図10Aは、スキャナ150の縦断面図である。図10Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
スキャナ150は、上蓋151と、原稿5が置かれる原稿台ガラス152と、この原稿台ガラス152を介して原稿5と対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ153と、読取キャリッジ153を副走査方向に案内する案内部154と、読取キャリッジ153を移動させるための移動機構155と、スキャナ150内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。読取キャリッジ153には、原稿5に光を照射する露光ランプ157と、主走査方向(図10Aにおいて紙面に垂直な方向)のラインの像を検出するラインセンサ158と、原稿5からの反射光をラインセンサ158へ導くための光学系159とが設けられている。図中の読取キャリッジ153の内部の破線は、光の軌跡を示している。
原稿5の画像を読み取るとき、操作者は、上蓋151を開いて原稿5を原稿台ガラス152に置き、上蓋151を閉じる。そして、スキャナコントローラが、露光ランプ157を発光させた状態で読取キャリッジ153を副走査方向に沿って移動させ、ラインセンサ158により原稿5の表面の画像を読み取る。スキャナコントローラは、読み取った画像データをコンピュータ110のスキャナドライバへ送信し、これにより、コンピュータ110は、原稿5の画像データを取得する。
<読み取り位置精度>
後述するように、本実施形態ではスキャナ150は、テストシートTSの測定用パターンと基準シートの基準パターンとを、720dpi(主走査方向)×720dpi(副走査方向)の解像度で読み取る。このため、以下の説明では、720×720dpiの解像度で画像を読み取ることを前提にして説明を行う。
図11は、スキャナの読み取り位置の誤差のグラフである。グラフの横軸は、読み取り位置(理論値)を示している(すなわち、グラフの横軸は、読取キャリッジ153の位置(理論値)を示している)。グラフの縦軸は、読み取り位置の誤差(読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置との差)を示している。例えば、読取キャリッジ153を1インチ(=25.4mm)移動させると、約60μmの誤差が生じることになる。
仮に、読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置が一致していれば、基準位置(読み取り位置がゼロの位置)を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、基準位置からちょうど1インチ離れた位置の画像を示すはずである。しかし、グラフに示すような読み取り位置の誤差が生じた場合、基準位置を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、基準位置から1インチ離れた位置よりも60μmだけ更に離れた位置の画像を示すことになる。
また、仮に、グラフの傾きがゼロであれば、1/720インチ毎に等間隔に、画像が読み取られるはずである。しかし、グラフの傾きがプラスの位置では、1/720インチよりも長い間隔で画像が読み取られることになる。また、グラフの傾きがマイナスの位置では、1/720インチよりも短い間隔で画像が読み取られることになる。
この結果、仮に測定用パターンのラインが等間隔に形成されたとしても、読み取り位置の誤差がある状態では、画像データ上のラインの画像が等間隔にならない。このように、読み取り位置の誤差がある状態では、測定用パターンを単に読み取っただけでは、ラインの位置を正確に計測することができない。
そこで、本実施形態では、テストシートTSをセットして測定用パターンをスキャナに読み取らせる際に、基準シートをセットして基準パターンも読み取らせている。
<測定用パターンと基準パターンの読み取り>
図12Aは、基準シートSSの説明図である。図12Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。
基準シートSSの大きさは10mm×300mmであり、基準シートSSは長細い形をしている。基準シートSSには、基準パターンとして36dpi間隔にて多数のラインが形成されている。基準シートSSは繰り返し使用されるため、紙ではなく、PETフィルムから構成される。また、基準パターンは、レーザー加工により、高精度に形成されている。
不図示の治具を用いることによって、テストシートTS及び基準シートSSは、原稿台ガラス152上の所定の位置にセットされる。基準シートSSは、長辺がスキャナ150の副走査方向に平行になるように、すなわち基準シートSSの各ラインがスキャナ150の主走査方向に平行になるように、原稿台ガラス152上にセットされる。この基準シートSSの横に、テストシートTSがセットされる。テストシートTSは、長辺がスキャナ150の副走査方向に平行になるように、すなわち測定用パターンの各ラインが主走査方向に平行になるように、原稿台ガラス152上にセットされる。
このようにテストシートTSと基準シートSSをセットした状態で、スキャナ150は、測定用パターンと基準パターンを読み取る。このとき、読み取り位置の誤差の影響のため、読取結果における測定用パターンの画像は実際の測定用パターンと比べて歪んだ画像になる。同様に、基準パターンの画像も実際の基準パターンと比べて歪んだ画像になる。
なお、読取結果における測定用パターンの画像は、読み取り位置の誤差の影響だけではなく、プリンタ1の搬送誤差の影響も受けている。一方、基準パターンはプリンタの搬送誤差とは何も関わりなく等間隔にて形成されているので、基準パターンの画像は、スキャナ150の読み取り位置の誤差の影響を受けているが、プリンタ1の搬送誤差の影響は受けていない。
そこで、補正値取得プログラムは、測定用パターンの画像に基づいて補正値を算出する際に、基準パターンの画像に基づいて、測定用パターンの画像における読み取り位置の誤差の影響をキャンセルさせる。
===補正値の算出(S103)===
補正値の算出の説明の前に、スキャナ150から取得した画像データについて説明する。画像データは、複数の画素データから構成されている。各画素データは、対応する画素の階調値を示している。スキャナの読み取り誤差を無視すれば、各画素は1/720インチ×1/720インチの大きさに相当する。このような画素を最小構成単位として画像(ディジタル画像)が構成されており、画像データは、このような画像を示すデータになっている。
図13は、S103における補正値算出処理のフロー図である。コンピュータ110は、補正値取得プログラムに従って、各処理を実行する。つまり、補正値取得プログラムは、各処理をコンピュータ110に実行させるためのコードを有する。
<画像の分割(S131)>
まず、コンピュータ110は、スキャナ150から取得した画像データの示す画像を2つに分割する(S131)。
図14は、画像の分割(S131)の説明図である。図中の左側には、スキャナから取得した画像データの示す画像が描かれている。図中の右側には、分割された画像が描かれている。以下の説明において、図中の左右方向(水平方向)をx方向と呼び、図中の上下方向(垂直方向)をy方向と呼ぶ。基準パターンの画像における各ラインはx方向にほぼ平行であり、測定用パターンの画像における各ラインもx方向にほぼ平行である。
コンピュータ110は、読取結果の画像から所定の範囲の画像を取り出すことによって、画像を2つに分割する。読取結果の画像が2つに分割されることにより、一方の画像が基準パターンの画像を示し、他方の画像が測定用パターンの画像を示すことになる。このように分割する理由は、基準シートSSとテストシートTSがそれぞれ別々に傾いてスキャナ150にセットされるおそれがあるので、それぞれ別々に傾き補正(S133)をするためである。
<各画像の傾きの検出(S132)>
次に、コンピュータ110は、画像の傾きを検出する(S132)。
図15Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX2番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。同様に、コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX3番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。なお、取り出される画素の中にラインL1を示す画素が含まれるように、パラメータKX2、KX3、KY1及びJYが設定されている。
図15Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。横軸は、画素の位置(Y座標)を示している。縦軸は、画素の階調値を示している。コンピュータ110は、取り出されたJY個の画素の画素データに基づいて、重心位置KY2、KY3をそれぞれ求める。
そして、コンピュータ110は、次式によりラインL1の傾きθを算出する。
θ=tan−1{(KY2−KY3)/(KX2−KX3)}
なお、コンピュータ110は、測定用パターンの画像の傾きだけでなく、基準パターンの画像の傾きも検出する。基準パターンの画像の傾きの検出方法は、上記の方法とほぼ同様であるので、説明を省略する。
<各画像の傾きの補正(S133)>
次に、コンピュータ110は、S132において検出した傾きθに基づいて、画像を回転処理し、画像の傾きを補正する(S133)。測定用パターンの画像は、測定用パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正され、基準パターンの画像は、基準パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正される。
画像の回転処理のアルゴリズムには、バイリニア法が用いられる。このアルゴリズムは良く知られているので、説明は省略する。
<印刷時の傾きの検出(S134)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンの印刷時の傾き(スキュー)を検出する(S134)。測定用パターンを印刷するときにテストシートの下端が上流側搬送ローラ23を通過すると、テストシートの下端がヘッド41に接触し、テストシートが動くことがある。このようなことが起こると、その測定用パターンにより算出された補正値が不適切なものになる。そこで、測定用パターンの印刷時の傾きを検出することにより、テストシートの下端がヘッド41に接触したか否かを検出し、接触した場合にはエラーとする。
図16は、測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。まず、コンピュータ110は、ラインL1(一番上のライン)とラインLb2(一番下のライン、下端が搬送ローラを通過した後に形成されるライン)における左側の間隔YLと、右側の間隔YRとを検出する。そして、コンピュータ110は、間隔YLと間隔YRの差を算出し、この差が所定範囲内であれば次の処理(S135)へ進み、この差が所定範囲外であればエラーとする。
<余白量の算出(S135)>
次に、コンピュータ110は、余白量を算出する(S135)。
図17は、余白量Xの説明図である。図中の実線の四角形(外側の四角形)は、S133の回転補正後の画像を示している。図中の点線の四角形(内側の斜めの四角形)は、回転補正前の画像を示している。回転補正後の画像を長方形状にするため、S133の回転補正処理が行われる際に、回転後の画像の四隅に直角三角形状の余白が付加される。
仮に基準シートSSの傾きとテストシートTSの傾きとが異なると、付加される余白量が異なることになり、回転補正(S133)の前後において、基準パターンに対する測定用パターンのラインの位置が相対的にずれることになる。そこで、コンピュータ110は、次式により余白量Xを求め、S136において算出されるライン位置から余白量Xを差し引くことによって、基準パターンに対する測定用パターンのラインの位置のずれを防止する。
X=(w cosθ−W´/2)×tanθ
<スキャナ座標系でのライン位置の算出(S136)>
次に、コンピュータ110は、スキャナ座標系での基準パターンのラインの位置及び測定用パターンのラインの位置をそれぞれ算出する(S136)。
スキャナ座標系とは、1画素の大きさを1/720×1/720インチとしたときの座標系である。スキャナ150には読み取り位置の誤差があり、読み取り位置の誤差を考慮すると、各画素データの対応する実際の領域は厳密には1/720インチ×1/720インチにはならないが、スキャナ座標系では、各画素データの対応する領域(画素)の大きさを1/720×1/720インチとする。また、各画像における左上の画素の位置を、スキャナ座標系の原点とする。
図18Aは、ラインの位置を算出する際に用いられる画像の範囲の説明図である。図中の点線で示す範囲の画像の画像データが、ラインの位置を算出する際に用いられる。図18Bは、ラインの位置の算出の説明図である。横軸は、画素のy方向の位置(スキャナ座標系)を示している。縦軸は、画素の階調値(x方向に並ぶ画素の階調値の平均値)を示している。
コンピュータ110は、階調値のピーク値の位置を求め、この位置を中心とする所定の範囲を演算範囲とする。そして、この演算範囲の画素の画素データに基づいて、階調値の重心位置を算出し、この重心位置をラインの位置とする。
図19は、算出されたラインの位置の説明図である(なお、図中に示す位置は、所定の演算が施されて無次元化されている)。基準パターンは等間隔のラインから構成されているにもかかわらず、基準パターンの各ラインの重心位置に注目すると、算出された各ラインの位置は、等間隔にはなっていない。これは、スキャナ150の読み取り位置の誤差の影響と考えられる。
<測定用パターンの各ラインの絶対位置の算出(S137)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンのラインの絶対位置をそれぞれ算出する(S137)。
図20は、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。ここでは、測定用パターンのi番目のラインは、基準パターンのj−1番目のラインと、基準パターンのj番目のラインとの間に位置する。以下の説明では、測定用パターンのi番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「S(i)」と呼び、基準パターンのj番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「K(j)」と呼ぶ。また、基準パターンのj−1番目のラインとj番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L」と呼び、基準パターンのj−1番目のラインと測定用パターンのi番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L(i)」と呼ぶ。
まず、コンピュータ110は、次式に基づいて、間隔Lに対する間隔L(i)の比率Hを算出する。
H=L(i)/L
={S(i)−K(j−1)}/{K(j)−K(j−1)}
ところで、実際の基準シートSS上の基準パターンは等間隔であるので、基準パターンの1番目のラインの絶対位置をゼロとすれば、基準パターンの任意のラインの位置を算出できる。例えば、基準パターンの2番目のラインの絶対位置は1/36インチである。そこで、基準パターンのj番目のラインの絶対位置を「J(j)」とし、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置を「R(i)」とすると、次式のようにしてR(i)を算出できる。
R(i)={J(j)−J(j−1)}×H+J(j−1)
ここで、図19における測定用パターンの1番目のラインの絶対位置の算出の具体的な手順について説明する。まず、コンピュータ110は、S(1)の値(373.768667)に基づいて、測定用パターンの1番目のラインが、基準パターンの2番目のラインと3番目のラインの間に位置していることを検出する。次に、コンピュータ110は、比率Hが0.40143008(=(373.7686667-309.613250)/(469.430413-309.613250))であることを算出する。次に、コンピュータ110は、測定用パターンの1番目のラインの絶対位置R(1)が0.98878678ミリ(=0.038928613インチ={1/36インチ}×0.40143008+1/36インチ)であることを算出する。
このようにして、コンピュータ110は、測定用パターンの各ラインの絶対位置を算出する。
<補正値の算出(S138)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンを形成する際に行われた複数回の搬送動作に対応する補正値をそれぞれ算出する(S138)。各補正値は、理論上のライン間隔と実際のライン間隔との差に基づいて、算出される。
パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「3.175mm」(1/8インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。例えば、パス1とパス2との間で行われた搬送動作の補正値C(1)は、3.175mm−{R(2)−R(1)}となる。コンピュータ110は、このようにして補正値C(1)〜補正値C(37)を算出する。
また、パスn−1とパスnとの間で行われた搬送動作の補正値Cb1は、「4.23mm」(1/6インチ、すなわちラインLa1とラインLb1との理論上の間隔)からラインLb1の絶対位置とラインLa1の実際の間隔を引いた値になる。コンピュータ110は、このようにして補正値Cb1を算出する。
また、パスnとパスn+1との間で行われた搬送動作の補正値Cb2は、「0.847mm」(3/90インチ、すなわちラインLb1とラインLb2との理論上の間隔)からラインLb2の絶対位置とラインLb1の実際の間隔を引いた値になる。コンピュータ110は、このようにして補正値Cb2を算出する。
図21は、補正値C(i)等の対応する範囲の説明図である。もし仮に、測定用パターンを印刷するときのパス1とパス2との間の搬送動作の際に、当初の目標搬送量から補正値C(1)を引いた値を目標にすれば、実際の搬送量がちょうど1/8インチ(=3.175mm)になったはずである。同様に、もし仮に、測定用パターンを印刷するときのパスn−1とパスnとの間の搬送動作の際に、当初の目標搬送量から補正値Cb1を引いた値を目標にすれば、実際の搬送量がちょうど1/6インチになったはずである。また、もし仮に、測定用パターンを印刷するときのパスnとパスn+1との間の搬送動作の際に、当初の目標搬送量から補正値Cb2を引いた値を目標にすれば、実際の搬送量がちょうど1インチになったはずである。
<補正値の平均化(S139)>
ところで、本実施形態のロータリー式エンコーダ52は原点センサを備えていないので、コントローラ60は、紙送りローラ23aの回転量は検出できるが、紙送りローラ23aの回転位置までは検出していない。このため、搬送開始時の紙送りローラ23aの回転位置をプリンタ1は保証することができない。つまり、印刷する度に、搬送開始時の紙送りローラ23aの回転位置が異なるおそれがある。一方、測定用パターンにおける隣接する2つの罫線の間隔は、1/8インチにて搬送するときのDC成分の搬送誤差の影響だけではなく、AC成分の搬送誤差の影響も受けている。
従って、目標搬送量を補正する際に、測定用パターンにおける隣接する2つの罫線の間隔に基づいて算出された補正値をそのまま適用してしまうと、AC成分の搬送誤差の影響のため、搬送量が正しく補正されないおそれがある。例えば、測定用パターンの印刷時と同じようにパス1とパス2との間で1/8インチの搬送量の搬送動作を行う場合であっても、搬送開始時の紙送りローラ23aの回転位置が測定用パターンの印刷時と異なるのであれば、目標搬送量を補正値C(1)で補正しても、搬送量は正しく補正されない。もし、搬送開始時の紙送りローラ23aの回転位置が測定用パターンの印刷時と比べて180度異なっていると、AC成分の搬送誤差の影響のため、搬送量は正しく補正されないどころか、むしろ搬送誤差が悪化することもあり得る。
そこで、本実施形態では、DC成分の搬送誤差だけを補正するようにするため、次式のように8個の補正値C(i)を平均化することによって、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値Ca(i)を算出している。
Ca(i)={C(i−3)+C(i−2)+C(i−1)+C(i)+C(i+1)+C(i+2)+C(i+3)+C(i+4)}/8
ここで、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値Ca(i)を上式によって算出できる理由を説明する。
前述した通り、パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「3.175mm」(1/8インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。そうすると、補正値Ca(i)を算出するための上式は、次式のような意味になる。
Ca(i)=[25.4mm−{R(i+5)−R(i−3)}]/8
つまり、補正値Ca(i)は、理論上1インチ離れるべき2つのライン(ラインLi+5とラインLi−3)の間隔と1インチ(紙送りローラ23aの1回転分の搬送量)との差を8で割った値である。このため、補正値Ca(i)は、紙Sを1インチ(紙送りローラ23aの1回転分の搬送量)にて搬送したときに生じる搬送誤差の1/8を補正する値になる。そして、紙Sを1インチにて搬送したときに生じる搬送誤差は、DC成分の搬送誤差であり、この搬送誤差の中にはAC成分の搬送誤差は含まれない。
ゆえに、8個の補正値Cを平均化して算出される補正値Ca(i)は、AC成分の搬送誤差の影響を受けず、DC成分の搬送誤差を反映した値になる。
図22は、測定用パターンのラインL1〜L38と補正値Ca(i)との関係の説明図である。図に示すように、補正値Ca(i)は、ラインLi+5とラインLi−3の間隔に応じた値になる。例えば、補正値Ca(4)は、ラインL9とラインL1の間隔に応じた値になる。また、測定用パターンのラインは、ほぼ1/8インチ毎に形成されているため、補正値Ca(i)は、1/8インチ毎に算出することができる。このため、各補正値Ca(i)は、理論上1インチ離れるべき2つのラインの間隔に応じた値になるにも関わらず、各補正値Ca(i)の適用範囲を1/8インチにすることができる。つまり、本実施形態では、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値を、紙送りローラ23aの1回転分に相当する1インチの範囲毎ではなく、1/8インチの範囲毎に設定することができる。これにより、総搬送量に応じて変化するDC成分の搬送誤差(図6の点線を参照)を、きめ細かく補正することができる。
なお、パス4とパス5との間で行われる搬送動作の補正値Ca(4)は、補正値C(1)〜C(8)の総和を8で割った値(補正値C(1)〜C(8)の平均値)として算出される。言い換えると、補正値Ca(4)は、パス1で形成されるラインL1と、ラインL1を形成してから1インチ搬送した後のパス9で形成されるラインL9との間隔に応じた値になる。
なお、補正値Ca(1)〜補正値Ca(3)については、補正値Ca(i)の算出式においてC(i−3)の値が存在しないため、Ca(4)と同じ値が用いられる。また、同様に、補正値Ca(34)、Ca(35)、Ca(36)、及び、Ca(37)については、補正値Ca(i)の算出式においてC(i+1)、C(i+2)、C(i+3)、及び、C(i+4)の全てが存在しないため、Ca(33)と同じ値が用いられる。
コンピュータ110は、このようにして補正値Ca(1)〜補正値Ca(37)を算出する。これにより、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値が、1/8インチの範囲ごとに求められる。
ところで、上記においては、パスiとパスi+1(i=1〜37)との間の搬送動作の補正値Ca(i)(平均化により導出されたもの)と、パスn−1とパスnとの間の搬送動作の補正値Cb1と、パスnとパスn+1との間の搬送動作の補正値Cb2と、については説明したが、パス38(i=37のときのパスi+1)とパスn−1との間の搬送動作の補正値については、言及しなかった。ここで、当該補正値について説明する。
当該パス38とパスn−1との間の搬送動作の補正値(当該補正値を補正値Ccとする)については、Ca(37)と同じ値が用いられる。但し、ライン37とライン38との理論上の間隔(前述したとおり、1/8インチ)とライン38とラインLa1との理論上の間隔(pインチとする)は異なるので、このことを考慮して、Ccは次式により算出される。
Cc=Ca(37)×(p/(1/8))
===補正値の記憶(S104)===
次に、コンピュータ110は、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S104)。
図23は、補正値Ca(i)、Cc、Cb1、Cb2の対応する範囲の説明図である。図24は、メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。
本実施の形態において、メモリ63に記憶される補正値は、NIP状態における補正値Ca(1)〜Ca(37)、補正値Ccと、NIP状態から非NIP状態への移行における補正値Cb1と、非NIP状態における補正値Cb2である。また、各補正値を適用する範囲を示すための境界位置情報も、各補正値に関連付けられてメモリ63に記憶される。
補正値Ca(i)に関連付けられる境界位置情報は、本実施の形態においては、測定用パターンのラインLi+1に相当する位置(理論上の位置)を示す情報であり、この境界位置情報は、補正値Ca(i)を適用する範囲の下端側の境界を示している。なお、上端側の境界は、補正値Ca(i−1)に関連付けられる境界位置情報から求めることができる。従って、例えば補正値Ca(4)の適用範囲は、紙Sに対してラインL4の位置とラインL5の位置の間(にノズル♯90が位置する)の範囲となる。
同様に、補正値Ccに関連付けられる境界位置情報は、本実施の形態においては、測定用パターンのラインLa1に相当する位置(理論上の位置)を示す情報であり、この境界位置情報は、補正値Ccを適用する範囲の下端側の境界を示している。なお、上端側の境界は、補正値Ca(37)に関連付けられる境界位置情報から求めることができる。従って、補正値Ccの適用範囲は、紙Sに対してラインL38の位置とラインLa1の位置の間(にノズル♯90が位置する)の範囲となる。
また、補正値Cb1に関連付けられる境界位置情報は、本実施の形態においては、測定用パターンのラインLb1に相当する位置(理論上の位置)を示す情報であり、この境界位置情報は、補正値Cb1を適用する範囲の下端側の境界を示している。なお、上端側の境界は、補正値Ccに関連付けられる境界位置情報から求めることができる。従って、補正値Cb1の適用範囲は、紙Sに対してラインLa1の位置とラインLb1の位置の間(にノズル♯90が位置する)の範囲となる。
なお、ラインLb1よりも下端側にノズル♯90が位置する場合には、必ず、補正値Cb2が適用されることとなるため、補正値Cb2には境界位置情報(下端側の境界)を関連付けなくても良い。
プリンタ製造工場では、製造されるプリンタ毎に、各プリンタの個体の特徴を反映したテーブルがメモリ63に記憶される。そして、このテーブルを記憶したプリンタは、梱包されて出荷される。
===ユーザの下での印刷時の搬送動作===
プリンタを購入したユーザの下で印刷が行われる際に、コントローラ60は、メモリ63からテーブルを読み出し、目標搬送量を補正値に基づいて補正し、補正された目標搬送量に基づいて搬送動作を行う。以下、ユーザの下での印刷時の搬送動作の様子について説明する。
図25は、第1のケースでの補正値の説明図である。図25の上図に示すように、第1のケースでは、搬送動作前のノズル♯90の位置(紙に対する相対位置)が補正値Ca(i)の適用範囲の上端側の境界位置と一致し、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Ca(i)の適用範囲の下端側の境界位置と一致している。このような場合、コントローラ60は、補正値をCa(i)とし、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙を搬送する。
また、補正値Cb1、Cb2、Ccにも同様の考え方が適用できる。例えば、図25の下図に示すように、搬送動作前のノズル♯90の位置(紙に対する相対位置)が補正値Cb1の適用範囲の上端側の境界位置と一致し、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Cb1の適用範囲の下端側の境界位置と一致している場合には、コントローラ60は、補正値をCb1とし、当初の目標搬送量Fから補正値Cb1を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙を搬送する。
図26は、第2のケースでの補正値の説明図である。図26の上図に示すように、第2のケースでは、搬送動作前後のノズル♯90の位置が、ともに補正値Ca(i)の適用範囲内にある。このような場合、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fと適用範囲の搬送方向長さLとの比F/LをCa(i)で掛けた値を補正値にする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)×(F/L)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙を搬送する。
また、補正値Cb1、Cb2、Ccにも同様の考え方が適用できる。例えば、図26の下図に示すように、搬送動作前後のノズル♯90の位置が、ともに補正値Cb1の適用範囲内にある場合には、コントローラ60は、補正値をCb1×(F/L2)とし、当初の目標搬送量Fから補正値Cb1×(F/L2)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙を搬送する。
図27は、第3のケースでの補正値の説明図である。図27の上図に示すように、第3のケースでは、搬送動作前のノズル♯90の位置が補正値Ca(i)の適用範囲内にあり、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Ca(i+1)の適用範囲内にある。ここで、目標搬送量Fのうちの補正値Ca(i)の適用範囲内での搬送量をF1とし、補正値Ca(i+1)の適用範囲内での搬送量をF2とする。このような場合、コントローラ60は、Ca(i)をF1/Lで掛けた値と、Ca(i+1)をF2/Lで掛けた値との和を補正値とする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)×(F1/L)+Ca(i+1)×(F2/L)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙を搬送する。
また、補正値Cb1、Cb2、Ccにも同様の考え方が適用できる。例えば、図27の中央図に示すように、搬送動作前のノズル♯90の位置が補正値Ccの適用範囲内にあり、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Cb1の適用範囲内にある場合には、コントローラ60は、補正値をCc×(F1/L3)+Cb1×(F2/L2)とし、当初の目標搬送量Fから補正値Cc×(F1/L3)+Cb1×(F2/L2)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙を搬送する。
また、図27の下図に示すように、搬送動作前のノズル♯90の位置が補正値Cb1の適用範囲内にあり、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Cb2の適用範囲内にある場合には、コントローラ60は、補正値をCb1×(F1/L2)+Cb2×(F2/L4)とし、当初の目標搬送量Fから補正値Cb1×(F1/L2)+Cb2×(F2/L4)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙を搬送する。なお、L4は、パスnとパスn+1との間で行われた搬送動作の際の理論上の搬送量、すなわち、1インチに設定される。
図28は、第4のケースでの補正値の説明図である。図28の上図に示すように、第4のケースでは、補正値Ca(i+1)の適用範囲を通過するように紙が搬送される。このような場合、コントローラ60は、Ca(i)をF1/Lで掛けた値と、Ca(i+1)と、Ca(i+2)をF2/Lで掛けた値との和を補正値にする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)×(F1/L)+Ca(i+1)+Ca(i+2)×(F2/L)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙を搬送する。
また、補正値Cb1、Cb2、Ccにも同様の考え方が適用できる。例えば、図28の下図に示すように、搬送動作前のノズル♯90の位置が補正値Ccの適用範囲内にあり、補正値Cb1の適用範囲を通過するように紙が搬送される場合には、コントローラ60は、補正値をCc×(F1/L3)+Cb1+Cb2×(F2/L4)とし、当初の目標搬送量Fから補正値Cc×(F1/L3)+Cb1+Cb2×(F2/L4)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙を搬送する。なお、L4は、パスnとパスn+1との間で行われた搬送動作の際の理論上の搬送量、すなわち、1インチに設定される。
このように、コントローラ60が当初の目標搬送量Fを補正して、補正後の目標搬送量に基づいて搬送ユニット20を制御すると、実際の搬送量が当初の目標搬送量Fになるように補正され、搬送誤差が補正される。
===縁無し印刷とプラテンの詳細形状===
プリンタ1は、媒体の縁部に余白なくインクを吐出して印刷画像を形成する縁無し印刷が可能である。プリンタ1は、媒体(テストシートTS等)よりも広い範囲にインクを吐出して、縁無し印刷を実現する。この縁無し印刷の際に、媒体から外れたインクがプラテン24に着弾すると、プラテン24に支持される媒体の裏面が汚れることがある。このような問題を解消するために、プラテン24には、媒体から外れたインクを受ける溝が設けられている。
以下においては、インク受け用の溝が設けられたプラテン24の詳細形状について、図29、図30A、及び、図30Bを用いて説明する。図29は、ヘッド41からプラテン24を見た際の、プラテン24の上面図である。図30Aは、図29のA−A断面図であり、図30Bは、図29のB−B断面図である。
プラテン24は、搬送方向において上流側搬送ローラ23と下流側搬送ローラ25の間に、ヘッド41に対向するように設けられている。そして、プラテン24は、2つの搬送ローラで搬送される媒体を支持する。
プラテン24には、当該プラテン24の平坦部240よりも凹んだ溝として、上流側溝242、下流側溝243、及び、中間溝244が、設けられている。
上流側溝242は、搬送方向の上流側に設けられ、ヘッド41の上流側のノズル(例えば、ノズル#90)に対向している。下流側溝243は、搬送方向の下流側に設けられ、ヘッド41の下流側のノズル(例えば、ノズル#3)に対向している。中間溝244は、搬送方向において上流側溝242と下流側溝243との間に位置し、上流側溝242と下流側溝243に繋がっている。
そして、上流側溝242と下流側溝243は、媒体の先端や後端の縁無し印刷をする際にヘッド41から吐出されたインクを受ける。中間溝244は、媒体の左端や右端の縁無し印刷をする際に吐出されたインクを受ける。
また、プラテン24には、平坦部240からヘッド41側へ向かって突出したリブ(突起)として、上流側リブ246、中間リブ247、及び、下流側リブ248が設けられている。
上流側リブ246は、搬送方向において上流側溝242よりも上流側に位置し、媒体の裏面に接触して当該媒体を支持する。中間リブ247は、搬送方向において上流側溝242と下流側溝243との間に位置し、媒体の裏面に接触して当該媒体を支持する。下流側リブ248は、搬送方向において下流側溝243よりも下流側に位置し、媒体の裏面に接触して当該媒体を支持する。
そして、図29に示すように、上流側リブ246、中間リブ247、及び、下流側リブ248は、それぞれ複数のリブから構成されている。そして、複数のリブが媒体の裏面に接触することにより、媒体が安定した姿勢で支持されることとなる。
なお、本実施例においては、上流側溝242が第一凹部に、下流側溝243が第二凹部に、上流側リブ246が第一非凹部に、中間リブ247が第二非凹部に、それぞれ該当する。
===測定用パターン形成時のテストシートTSとプラテン24の関係===
測定用パターン形成時のテストシートTSとプラテン24の関係について、図31A、図31B、図32を用いて、説明する。図31Aは、ラインL1〜ラインL38が形成される際の、テストシートTSの状態を示した図である。図31Bは、比較例として、ラインLb1が形成される際の、テストシートTSの状態を示した図である。図32は、ラインLb1の形成位置がずれた状態を示した図である。
前述した測定用パターン(ラインL1〜L38、ラインLa1、Lb1、Lb2)の形成時も、上流側搬送ローラ23と下流側搬送ローラ25によって搬送されるテストシートTSが、プラテン24に支持される。
ラインL1〜L38が形成される際には、テストシートTSは、上流側搬送ローラ23と下流側搬送ローラ25の双方に挟持される。そして、テストシートTSの、搬送方向において上流側搬送ローラ23と下流側搬送ローラ25の間の部分(具体的には、ヘッド41に対向する部分、以下、対向部分とも呼ぶ)に向かって、インクが吐出される。ここで、図31Aに示すように、テストシートTSは、2つの搬送ローラに挟持され、かつ、プラテン24に支持されている。このため、テストシートTSの前記対向部分が、撓まず(曲がっておらず)、前記対向部分とヘッド41との間の距離が一定に保たれやすい。従って、インクのテストシートTSに対する着弾位置も精度良いものとなり、この結果、ラインL1〜L38が精度良く形成される。
また、ラインLa1が形成される際にも、テストシートTSは、上流側搬送ローラ23と下流側搬送ローラ25の双方に挟持されている。このため、ラインLa1も、ラインL1〜L38と同様に、精度良く形成される。
ラインLa1の形成後のテストシートTSの搬送によって、テストシートTSの後端が上流側搬送ローラ23を通過した後は、テストシートTSは下流側搬送ローラ25のみに挟持された状態で搬送される。そして、テストシートTSの後端側がプラテン24上に位置した状態で、テストシートTSにインクが吐出されて、ラインLb1とラインLb2の形成が行われる。なお、本実施例においては、ラインLb1が第一補正用パターンに、ラインLb2が第二補正用パターンに該当する。
ここで、仮に、図31Bに示すように、テストシートTSの後端がプラテン24の溝(上流側溝242)上に位置する状態で、テストシートTSにインクが吐出されると、図32に示すようにインクのテストシートTSに対する着弾位置が所望の位置からずれる。これは、前記後端が前記溝内に入り込むことによって、テストシートTSのノズル対向部分とヘッド41との間の距離が変わるために、インクが所望の位置からずれた位置に着弾するためである。この結果、図32に示すように、搬送方向において前記後端の近傍に形成されるラインLb1の形成位置(図32で実線で示す位置)も、所望の位置(図32にて点線で示す位置)からずれることとなる。
同様に、テストシートTSの後端が下流側溝243上に位置するときに、インクが吐出されると、インクの着弾位置がずれてしまい、搬送方向において前記後端の近傍に形成されるラインLb2の形成位置も所望の位置からずれることとなる。
このように、ラインLb1、Lb2の形成位置がずれると、ラインLb1とラインLb2に基づく補正値が不適切な値となり、この結果、目標搬送量の補正も不適切なものとなる。
===ラインLb1、Lb2を適切に形成するための方策について===
ラインLb1、Lb2の形成が不適切に行われることを防止するために、本実施の形態のプリンタ1は、以下のような方策を講じている。すなわち、プリンタ1は、テストシートTSの後端が、プラテン24の凹部(上流側溝242と下流側溝243)と非凹部(上流側リブ246や中間リブ247)のうちの前記非凹部上に位置するときに、ラインLb1とラインLb2を形成している。
以下においては、本実施形態に係るラインLb1とラインLb2を形成する際の、テストシートTSの後端とプラテン24との位置関係について、図33A〜図33Cを用いて説明する。図33Aは、ラインLa1を形成する際のテストシートTSの状態を、図33Bは、ラインLb1を形成する際のテストシートTSの状態を、図33Cは、ラインLb2を形成する際のテストシートTSの状態を、示した図である。
ここでは、パスn−1においてラインLa1が形成された直後の状態(図33A)から、説明する。
ラインLa1の形成後に、上流側搬送ローラ23と下流側搬送ローラ25を1/6インチ回転させて、テストシートTSを約1/6インチ搬送させる。この搬送の際に、テストシートTSの後端が、上流側搬送ローラ23を通過する。そして、搬送後のテストシートTSは、図33Bに示すように、下流側搬送ローラ25に挟持されている。また、テストシートTSの後端が、上流側リブ246上に位置し、かつ、上流側リブ246に支持された状態となっている。
そして、パスnにおいて、ヘッド41のノズル#90からインクが吐出されて、ラインLb1が形成される。
ここで、上流側リブ246に支持されたテストシートTSの後端は、テストシートTSのノズル#90に対向する部分(以下、ノズル#90対向部分とも呼ぶ)よりも搬送方向上流側に位置する。また、テストシートTSの、ノズル#90対向部分よりも下流側の部分は、中間リブ247に支持されている。このように、ノズル#90からのインクの吐出の際に、搬送方向においてノズル#90対向部分の上流側及び下流側の部分が、それぞれリブに支持されているので、ノズル#90対向部分は、撓み難い(曲がり難い)状態となっている。
このため、ラインLb1の形成の際に、テストシートTSのノズル#90対向部分と、ヘッド41との距離も適切に維持される。この結果、ノズル#90から吐出されたインクが、テストシートTSの所望の位置に着弾することとなる。
ラインLb1の形成後に、下流側搬送ローラ25を1回転させて、テストシートTSを約1インチ搬送させる。すなわち、下流側搬送ローラ25の回転量は、下流側搬送ローラ25の一回転の回転量(1インチ)と同じ大きさである。搬送後のテストシートTSは、図33Cに示すように、下流側搬送ローラ25に挟持されている。また、テストシートTSの後端が、中間リブ247上に位置し、かつ、中間リブ247に支持された状態となっている。
そして、パスn+1において、ヘッド41のノズル#3からインクが吐出されて、ラインLb2が形成される。
ここで、中間リブ247に支持されたテストシートTSの後端は、テストシートTSのノズル#3に対向する部分(以下、ノズル#3対向部分とも呼ぶ)よりも搬送方向上流側に位置する。また、テストシートTSの、ノズル#3対向部分よりも下流側の部分は、下流側リブ248に支持されている。このように、ノズル#3からのインクの吐出の際に、搬送方向においてノズル#3対向部分の上流側及び下流側の部分が、それぞれリブに支持されているので、ノズル#3の対向部分は、撓み難い(曲がり難い)状態となっている。
このため、ラインLb2の形成の際に、テストシートTSのノズル#3対向部分と、ヘッド41との距離も適切に維持される。この結果、ノズル#3から吐出されたインクが、テストシートTSの所望の位置に着弾することとなる。
ラインLb2の形成後に、下流側搬送ローラ25を回転させて、テストシートTSを排紙する。これにより、ラインLb1、Lb2の形成が完了することとなる。
なお、上記においては、テストシートTSの後端が上流側搬送ローラ25を通過した後に形成されるラインの数は、ラインLb1、Lb2の2つであることとしたが、これに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上でも良い。また、テストシートTSの後端が上流側搬送ローラ25を通過した後に形成されるラインの数が2つ以上である場合に、少なくとも1つのラインが、テストシートTSの後端が非凹部上に位置される際に、形成されることとしてもよい。
更に、ラインLb1の形成のときに、テストシートTSの後端が中間リブ247に支持されていることとしたが、テストシートTSが下流側搬送ローラ25に挟持されていれば、前記後端が中間リブ247に支持されていないこととしてもよい。同様に、ラインLb2の形成のときに、テストシートTSの後端が下流側リブ248に支持されていることとしたが、テストシートTSが下流側搬送ローラ25に挟持されていれば、前記後端が下流側リブ248に支持されていないこととしてもよい。
<<<本方策の有効性について>>>
上述した方策のように、テストシートTSの後端が非凹部(ここでは、上流側リブ246と中間リブ247のうちの上流側リブ246を例に挙げて、説明する)上に位置するときに、補正用パターン(ここでは、ラインLb1、Lb2のうちのラインLb1を例に挙げて、説明する)を形成する場合には、ラインLb1の形成時に前記後端が上流側リブ246に支持されるので、前記後端が上流側溝242に入り込むことを防止できる。
このため、テストシートTSのノズル対向部分とヘッド41(ノズル#90)との間の距離変動を抑制でき(別言すれば、距離が適切に維持され)、ラインLb1を形成するインクが、テストシートTS上の適切な位置に着弾することとなる(図33B参照)。
従って、本方策によれば、補正用パターンをテストシートTSに適切に形成することが可能となる。
さらに、前記補正用パターンは、図9に示すように前記搬送方向に交差する方向(移動方向)に所定間隔で引かれた罫線であるラインLb1(第一補正用パターン)及びラインLb2(第二補正用パターン)であることとした。そして、図33Bと図33Cに示すように、コントローラ60は、テストシートTSの後端が前記非凹部上に位置するときにラインLb1を形成した後に、前記後端が前記非凹部上に位置するときにラインLb2を形成することとした。
これにより、ラインLb1及びラインLb2の形成の際に、テストシートTSの後端が上流側溝242や下流側溝243に入り込むことを防止できるため、ラインLb1とラインLb2を適切に形成できる。
さらに、ヘッド41は、インクを吐出するノズルが搬送方向に沿って並んだノズル群を有し、移動方向に移動する際にインクを吐出することとした。また、図33Bと図33Cに示すように、コントローラ60は、ラインLb1とラインLb2を、それぞれ、前記ノズル群のうちの一つのノズルにインクを吐出させて形成することとした。そして、前記ノズル群のうちの、ラインLb1を形成する際にインクを吐出するノズル#90(第一ノズル)は、ラインLb2を形成する際にインクを吐出するノズル#3(第二ノズル)よりも、前記搬送方向の上流側に位置するノズルであることとした。
これにより、同じノズル(例えば、ノズル#90)でラインLb1及びラインLb2を形成するときに比べて、ラインLb1とラインLb2の間隔を小さくできるため、2つのラインの形成に必要なテストシートTS上のスペースを小さくできる。
さらに、プラテン24は、ノズル#90に対向し、ノズル#90から吐出されたインクを受ける上流側溝242(第一凹部)と、ノズル#3に対向し、ノズル#3から吐出されたインクを受ける下流側溝243(第二凹部)と、前記搬送方向において上流側溝242よりも上流側に位置し、テストシートTSを支持する上流側リブ246(第一非凹部)と、前記搬送方向において上流側溝242と下流側溝243との間に位置し、テストシートTSを支持する中間リブ247(第二非凹部)と、を有することとした。そして、図33Bと図33Cに示すように、コントローラ60は、テストシートTSの後端が上流側リブ246上に位置するときにラインLb1を形成した後に、前記後端が中間リブ247上に位置するときにラインLb2を形成することとした。
これにより、ラインLb1とラインLb2がそれぞれ異なるノズルから吐出されたインクで形成される場合でも、テストシートTSの後端が上流側リブ246と中間リブ247に支持されることによって、ラインLb1及びラインLb2を適切に形成することが可能となる。
さらに、図33Bと図33Cに示すように、ラインLb1の形成からラインLb2の形成までに下流側搬送ローラ25を回転させる回転量(1インチ)は、下流側搬送ローラの25一回転の回転量(1インチ)と同じ大きさであることとした。
これにより、ラインLb1とラインLb2に基づいて取得された補正値Cb2が、AC成分の搬送誤差の影響を受けないで、DC成分の搬送誤差を適切に補正するものとなる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体吐出装置、搬送方法、印刷方法、記録方法、液体吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
また、ピエゾ素子を利用するものに限られず、例えばサーマルプリンタなどにも適用できる。
プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。 ノズルの配列を示す説明図である。 搬送ユニット20の構成の説明図である。 AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。 紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。 搬送量を補正するための補正値を決定するまでのフロー図である。 図8A〜図8Cは、補正値を決定するまでの様子の説明図である。 測定用パターンの印刷の様子の説明図である。 図10Aは、スキャナ150の縦断面図である。図10Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。 スキャナの読み取り位置の誤差のグラフである。 図12Aは、基準シートSSの説明図である。図12Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。 S103における補正値算出処理のフロー図である。 画像の分割(S131)の説明図である。 図15Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。図15Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。 測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。 余白量Xの説明図である。 図18Aは、ラインの位置を算出する際に用いられる画像の範囲の説明図である。図18Bは、ラインの位置の算出の説明図である。 算出されたラインの位置の説明図である。 測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。 補正値C(i)等の対応する範囲の説明図である。 測定用パターンのラインと補正値Ca(i)との関係の説明図である。 補正値Ca(i)、Cc、Cb1、Cb2の対応する範囲の説明図である。 メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。 第1のケースでの補正値の説明図である。 第2のケースでの補正値の説明図である。 第3のケースでの補正値の説明図である。 第4のケースでの補正値の説明図である。 ヘッド41からプラテン24を見た際の、プラテン24の上面図である。 図30Aは、図29のA−A断面図である。図30Bは、図29のB−B断面図である。 図31Aは、ラインL1〜ラインL38が形成される際の、テストシートTSの状態を示した図である。図31Bは、比較例として、ラインLb1が形成される際の、テストシートTSの状態を示した図である。 ラインLb1の形成位置がずれた状態を示した図である。 図33Aは、ラインLa1を形成する際のテストシートTSの状態を、図33Bは、ラインLb1を形成する際のテストシートTSの状態を、図33Cは、ラインLb2を形成する際のテストシートTSの状態を、示した図である。
符号の説明
1 プリンタ、110 コンピュータ、20 搬送ユニット、
21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 上流側搬送ローラ、
23a 紙送りローラ、23b 従動ローラ、24 プラテン、
25 下流側搬送ローラ、25a 排紙ローラ、25b 従動ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、50 検出器群、
51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
521 スケール、522 検出部、53 紙検出センサ、
54 光学センサ、60 コントローラ、61 インターフェース部、
62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、
150 スキャナ、151 上蓋、152 原稿台ガラス、
153 読取キャリッジ、154 案内部、155 移動機構、
157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学系、
240 平坦部、242 上流側溝、243 下流側溝、244 中間溝、
246 上流側リブ、247 中間リブ、248下流側リブ、
TS テストシート、SS 基準シート

Claims (6)

  1. (a)液体を吐出する吐出部と、
    (b)搬送方向において前記吐出部よりも上流側に位置する上流側搬送ローラ、及び、前記吐出部よりも下流側に位置する下流側搬送ローラであって、
    目標となる目標搬送量に応じて、協働して媒体を搬送する上流側搬送ローラ及び下流側搬送ローラと、
    (c)前記搬送方向において前記上流側搬送ローラと前記下流側搬送ローラの間に設けられ、前記媒体を支持する支持部材であって、
    前記吐出部から吐出された液体を受ける凹部と、前記媒体を支持する非凹部と、を有する支持部材と、
    (d)前記媒体の前記搬送方向の上流側の端が、前記上流側搬送ローラを通過した後に、前記媒体が前記下流側搬送ローラによって搬送される際の前記目標搬送量を補正するための補正用パターンを、
    前記媒体に形成する制御部であって、
    前記媒体の前記端が前記非凹部上に位置するときに、前記補正用パターンを形成する制御部と、
    (e)を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記補正用パターンは、前記搬送方向に交差する方向に所定間隔で引かれた罫線である第一補正用パターン及び第二補正用パターンであり、
    前記制御部は、前記媒体の前記端が前記非凹部上に位置するときに前記第一補正用パターンを形成した後に、前記端が前記非凹部上に位置するときに前記第二補正用パターンを形成することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記吐出部は、前記液体を吐出するノズルが前記搬送方向に沿って並んだノズル群を有し、前記搬送方向に交差する交差方向に移動する際に前記液体を吐出し、
    前記制御部は、前記第一補正用パターンと前記第二補正用パターンを、それぞれ、前記ノズル群のうちの一つのノズルに前記液体を吐出させて形成し、
    前記ノズル群のうちの、前記第一補正用パターンを形成する際に前記液体を吐出する第一ノズルは、前記第二補正用パターンを形成する際に前記液体を吐出する第二ノズルよりも、前記搬送方向の上流側に位置するノズルであることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置であって、
    前記支持部材は、
    前記第一ノズルに対向し、前記第一ノズルから吐出された液体を受ける第一凹部と、
    前記第二ノズルに対向し、前記第二ノズルから吐出された液体を受ける第二凹部と、
    前記搬送方向において前記第一凹部よりも上流側に位置し、前記媒体を支持する第一非凹部と、
    前記搬送方向において前記第一凹部と前記第二凹部との間に位置し、前記媒体を支持する第二非凹部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記媒体の前記端が前記第一非凹部上に位置するときに前記第一補正用パターンを形成した後に、前記端が前記第二非凹部上に位置するときに前記第二補正用パターンを形成することを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記第一補正用パターンの形成から前記第二補正用パターンの形成までに前記下流側搬送ローラを回転させる回転量は、前記下流側搬送ローラの一回転の回転量と同じ大きさであることを特徴とする液体吐出装置。
  6. (a)媒体の搬送方向の上流側の端が、液体を吐出する吐出部よりも前記搬送方向の上流側に位置する上流側搬送ローラを通過した後に、前記吐出部よりも下流側に位置する下流側搬送ローラによって前記媒体が搬送される際の目標搬送量を補正するための補正用パターンを、
    前記媒体に形成する補正用パターン形成方法であって、
    (b)前記搬送方向において前記上流側搬送ローラと前記下流側搬送ローラの間に設けられ前記媒体を支持する支持部材が備える、前記吐出部から吐出された液体を受ける凹部と、前記媒体を支持する非凹部と、のうちの前記非凹部上に、前記媒体の前記端が位置するときに、
    前記補正用パターンを形成することを特徴とする補正用パターン形成方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011154301A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Fujifilm Corp プリンタ及びプリント方法

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