JP5067017B2 - システム、プリンター、及びプリンターにおいて実行される方法。 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1の方法では、搬送量を変更することができず、制約が多い。
本発明は、制約の少ない状態で搬送量を補正可能にすることを目的とする。
さらに、本発明は、媒体を搬送する搬送ローラーとヘッドとを備えるプリンター、スキャナー、及びコンピューターから構成されるシステムであって、前記ヘッドは、前記搬送ローラーが1回転する間に第1の媒体に複数の測定用パターンを印刷し、前記スキャナーは、前記測定用パターンを読み取って画像データを取得し、前記コンピューターは、前記画像データに基づき、複数の前記測定用パターンの各間隔毎に算出される第1の値を、前記搬送ローラーの1回転分に対応する数を用いて平均化して、前記各間隔のうち1の間隔に対応する第2の値を算出し、前記搬送ローラーは、前記第2の値に基づいて第2の媒体を搬送する、システムであってもよい。
さらに、媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーが1回転する間に第1の媒体に複数の前記測定用パターンを印刷するヘッドとを備え、前記搬送ローラーは、複数の前記測定用パターンの各間隔毎に算出される第1の値を、前記搬送ローラーの1回転分に対応する数を用いて平均化して、前記各間隔のうち1の間隔に対応して算出された第2の値に基づいて第2の媒体を搬送する、プリンターであってもよい。
さらに、前記ヘッドにはインクを吐出するノズルが複数配置され、前記搬送ローラーが回転を開始してから停止するまでの1度の回転動作の間に、前記第2の媒体における前記第2の値が適用される範囲のうち、前記第2の媒体の搬送方向の最も上流側に配置された前記ノズルが、1の前記範囲のみを通過する場合、前記搬送ローラーは、前記最も上流側に配置されたノズルの前記1の範囲に対する通過距離と前記1の範囲との比に応じて調整された前記第2の値に基づいて前記第2の媒体を搬送する、プリンターであってもよい。
さらに、前記ヘッドにはインクを吐出するノズルが複数配置され、前記搬送ローラーが回転を開始してから停止するまでの1度の回転動作の間に、前記第2の媒体における前記第2の値が適用される範囲のうち、前記第2の媒体の搬送方向の最も上流側に配置された前記ノズルが、複数の前記範囲を通過する場合、前記搬送ローラーは、前記最も上流側に配置されたノズルの各前記範囲に対する通過距離と各前記範囲との比に応じて調整された各前記第2の値に基づいて前記第2の媒体を搬送する、プリンターであってもよい。
これにより、より多くの補正値を取得でき、搬送誤差をきめ細かく補正することができる。
このような搬送方法によれば、ヘッドと媒体の相対位置に応じて変化する搬送誤差を、搬送量に応じて的確に補正することができる。
さらに、搬送ローラーとヘッドを備えたプリンターにおいて実行される方法であって、前記搬送ローラーによって媒体を搬送し、前記搬送ローラーが1回転する間に第1の媒体に複数の前記測定用パターンを前記ヘッドによって印刷し、前記搬送ローラーは、複数の前記測定用パターンの各間隔毎に算出される第1の値を、前記搬送ローラーの1回転分に対応する数を用いて平均化して、前記各間隔のうち1の間隔に対応して算出された第2の値に基づいて第2の媒体を搬送する、方法であってもよい。
このような方法によれば、ヘッドと媒体の相対位置に応じて変化する搬送誤差を、搬送量に応じて的確に補正することができる。
<インクジェットプリンタの構成について>
図1は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。以下、プリンタの基本的な構成について説明する。
図3は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを90個備えている。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
<紙の搬送について>
図4は、搬送ユニット20の構成の説明図である。
搬送ユニット20は、コントローラ60からの搬送指令に基づいて、所定の駆動量にて搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。搬送モータ22は、この駆動力を用いて搬送ローラ23を回転させる。つまり、搬送モータ22が所定の駆動量を発生すると、搬送ローラ23は所定の回転量にて回転する。搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、紙は所定の搬送量にて搬送される。
したがって、搬送ローラ23の回転量が検出できれば、紙の搬送量も検出可能である。そこで、搬送ローラ23の回転量を検出するため、ロータリー式エンコーダ52が設けられている。
そして、例えば搬送量1インチで紙を搬送する場合、搬送ローラ23が1回転したことをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、コントローラ60が搬送モータ22を駆動する。このように、コントローラ60は、目標とする搬送量(目標搬送量)に応じた回転量になることをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、搬送モータ22を駆動して、紙を目標搬送量にて搬送する。
ところで、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には搬送ローラ23の回転量を検出するのであって、厳密にいえば、紙Sの搬送量を検出していない。このため、搬送ローラ23の回転量と紙Sの搬送量が一致しない場合、ロータリー式エンコーダ52は紙Sの搬送量を正確に検出することができず、搬送誤差(検出誤差)が生じる。搬送誤差としては、DC成分の搬送誤差及びAC成分の搬送誤差の2種類がある。
搬送ローラ23が基準位置から1/4回転すると、δ_90の搬送誤差が生じ、紙は1/4インチ+δ_90にて搬送される。但し、搬送ローラ23が更に1/4回転すると、-δ_90の搬送誤差が生じ、紙は1/4インチ−δ_90にて搬送される。
まず第1に、搬送ローラの形状による影響が考えられる。例えば、搬送ローラが楕円形状や卵型である場合、搬送ローラの周面の場所に応じて、回転中心までの距離が異なっている。そして、回転中心までの距離が長い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が多くなる。一方、回転中心までの距離が短い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が少なくなる。
図6は、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)の大きさの紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。グラフの横軸は、紙の総搬送量を示している。グラフの縦軸は、搬送誤差を示している。図中の点線は、DC成分の搬送誤差のグラフである。図中の実線の値(トータルの搬送誤差)から図中の点線の値(DC成分の搬送誤差)を引けば、AC成分の搬送誤差が求められる。AC成分の搬送誤差は、紙の総搬送量に関わらず、ほぼサインカーブになる。一方、点線で示されるDC成分の搬送誤差は、紙の摩擦等の影響によって、紙の総搬送量に応じて異なる値になる。
そこで、以下に示す本実施形態の搬送量の補正では、DC成分の搬送誤差を補正することにしている。
図7は、搬送量を補正するための補正値を決定するまでのフロー図である。図8A〜図8Cは、補正値を決定するまでの様子の説明図である。これらの処理は、プリンタ製造工場の検査工程において行われる。この処理に先立って、検査者は、組み立て完了後のプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150も接続されており、プリンタドライバ、スキャナドライバ及び補正値取得プログラムが予めインストールされている。
なお、補正値を記憶したプリンタは、梱包されてユーザの下に届けられる。ユーザがプリンタで画像を印刷する際に、プリンタは、補正値に基づいて紙を搬送し、紙に画像を印刷する。
まず、測定用パターンの印刷について説明する。通常の印刷と同様に、プリンタ1は、移動中のノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、紙を搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、測定用パターンを紙に印刷する。なお、以下の説明では、ドット形成処理のことを「パス」と呼び、n回目のドット形成処理のことを「パスn」と呼ぶ。
識別コードは、個々のプリンタ1をそれぞれ識別するための個体識別用の記号である。この識別コードは、S102において測定用パターンが読み取られるときに一緒に読み取られ、OCRによる文字認識によって、コンピュータ110に識別される。
各ラインは、いずれも移動方向に沿って形成されている。NIPラインよりも上端側には、多数のラインが形成される。NIPラインよりも上端側のラインについて、上端側から順にi番目のラインのことを「Li」と呼ぶ。また、NIPラインよりも下端側には、2つのラインが形成される。NIPラインよりも下端側の2つのラインのうち、上端側のラインをLb1と呼び、下端側のライン(一番下のライン)をLb2と呼ぶ。特定のラインは、他のラインよりも長く形成されている。例えば、ラインL1、ラインL13及びラインLb2は、他のラインと比べて、長く形成されている。これらのラインは、以下のようにして形成される。
<スキャナの構成>
まず、測定用パターンの読み取りに用いられるスキャナ150の構成について説明する。
図10Aは、スキャナ150の縦断面図である。図10Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
後述するように、本実施形態ではスキャナ150は、テストシートTSの測定用パターンと基準シートの基準パターンとを、720dpi(主走査方向)×720dpi(副走査方向)の解像度で読み取る。このため、以下の説明では、720×720dpiの解像度で画像を読み取ることを前提にして説明を行う。
図12Aは、基準シートSSの説明図である。図12Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。
基準シートSSの大きさは10mm×300mmであり、基準シートSSは長細い形をしている。基準シートSSには、基準パターンとして36dpi間隔にて多数のラインが形成されている。基準シートSSは繰り返し使用されるため、紙ではなく、PETフィルムから構成される。また、基準パターンは、レーザー加工により、高精度に形成されている。
補正値の算出の説明の前に、スキャナ150から取得した画像データについて説明する。画像データは、複数の画素データから構成されている。各画素データは、対応する画素の階調値を示している。スキャナの読み取り誤差を無視すれば、各画素は1/720インチ×1/720インチの大きさに相当する。このような画素を最小構成単位として画像(ディジタル画像)が構成されており、画像データは、このような画像を示すデータになっている。
図13は、S103における補正値算出処理のフロー図である。コンピュータ110は、補正値取得プログラムに従って、各処理を実行する。つまり、補正値取得プログラムは、各処理をコンピュータ110に実行させるためのコードを有する。
まず、コンピュータ110は、スキャナ150から取得した画像データの示す画像を2つに分割する(S131)。
図14は、画像の分割(S131)の説明図である。図中の左側には、スキャナから取得した画像データの示す画像が描かれている。図中の右側には、分割された画像が描かれている。以下の説明において、図中の左右方向(水平方向)をx方向と呼び、図中の上下方向(垂直方向)をy方向と呼ぶ。基準パターンの画像における各ラインはx方向にほぼ平行であり、測定用パターンの画像における各ラインもx方向にほぼ平行である。
次に、コンピュータ110は、画像の傾きを検出する(S132)。
図15Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX2番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。同様に、コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX3番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。なお、取り出される画素の中にラインL1を示す画素が含まれるように、パラメータKX2、KX3、KY1及びJYが設定されている。
図15Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。横軸は、画素の位置(Y座標)を示している。縦軸は、画素の階調値を示している。コンピュータ110は、取り出されたJY個の画素の画素データに基づいて、重心位置KY2、KY3をそれぞれ求める。
そして、コンピュータ110は、次式によりラインL1の傾きθを算出する。
θ=tan−1{(KY2−KY3)/(KX2−KX3)}
なお、コンピュータ110は、測定用パターンの画像の傾きだけでなく、基準パターンの画像の傾きも検出する。基準パターンの画像の傾きの検出方法は、上記の方法とほぼ同様であるので、説明を省略する。
次に、コンピュータ110は、S132において検出した傾きθに基づいて、画像を回転処理し、画像の傾きを補正する(S133)。測定用パターンの画像は、測定用パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正され、基準パターンの画像は、基準パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正される。
画像の回転処理のアルゴリズムには、バイリニア法が用いられる。このアルゴリズムは良く知られているので、説明は省略する。
次に、コンピュータ110は、測定用パターンの印刷時の傾き(スキュー)を検出する(S134)。測定用パターンを印刷するときにテストシートの下端が搬送ローラを通過すると、テストシートの下端がヘッド41に接触し、テストシートが動くことがある。このようなことが起こると、その測定用パターンにより算出された補正値が不適切なものになる。そこで、測定用パターンの印刷時の傾きを検出することにより、テストシートの下端がヘッド41に接触したか否かを検出し、接触した場合にはエラーとする。
次に、コンピュータ110は、余白量を算出する(S135)。
図17は、余白量Xの説明図である。図中の実線の四角形(外側の四角形)は、S133の回転補正後の画像を示している。図中の点線の四角形(内側の斜めの四角形)は、回転補正前の画像を示している。回転補正後の画像を長方形状にするため、S133の回転補正処理が行われる際に、回転後の画像の四隅に直角三角形状の余白が付加される。
X=(w cosθ−W´/2)×tanθ
次に、コンピュータ110は、スキャナ座標系での基準パターンのラインの位置及び測定用パターンのラインの位置をそれぞれ算出する(S136)。
スキャナ座標系とは、1画素の大きさを1/720×1/720インチとしたときの座標系である。スキャナ150には読み取り位置の誤差があり、読み取り位置の誤差を考慮すると、各画素データの対応する実際の領域は厳密には1/720インチ×1/720インチにはならないが、スキャナ座標系では、各画素データの対応する領域(画素)の大きさを1/720×1/720インチとする。また、各画像における左上の画素の位置を、スキャナ座標系の原点とする。
コンピュータ110は、階調値のピーク値の位置を求め、この位置を中心とする所定の範囲を演算範囲とする。そして、この演算範囲の画素の画素データに基づいて、階調値の重心位置を算出し、この重心位置をラインの位置とする。
次に、コンピュータ110は、測定用パターンのラインの絶対位置をそれぞれ算出する(S137)。
図20は、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。ここでは、測定用パターンのi番目のラインは、基準パターンのj−1番目のラインと、基準パターンのj番目のラインとの間に位置する。以下の説明では、測定用パターンのi番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「S(i)」と呼び、基準パターンのj番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「K(j)」と呼ぶ。また、基準パターンのj−1番目のラインとj番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L」と呼び、基準パターンのj−1番目のラインと測定用パターンのi番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L(i)」と呼ぶ。
H=L(i)/L
={S(i)−K(j−1)}/{K(j)−K(j−1)}
R(i)={J(j)−J(j−1)}×H+J(j−1)
次に、コンピュータ110は、測定用パターンを形成する際に行われた複数回の搬送動作に対応する補正値をそれぞれ算出する(S138)。各補正値は、理論上のライン間隔と実際のライン間隔との差に基づいて、算出される。
但し、NIPラインよりも下(搬送方向上流側)にあるラインLb1及びLb2を用いて補正値を算出する場合、ラインLb1とラインLb2の理論上の間隔は「0.847mm」(=3/90インチ)として計算する。コンピュータ110は、このようにして、非NIP状態での補正値Cbを算出する。
ところで、本実施形態のロータリー式エンコーダ52は原点センサを備えていないので、コントローラ60は、搬送ローラ23の回転量は検出できるが、搬送ローラ23の回転位置までは検出していない。このため、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置をプリンタ1は保証することがでない。つまり、印刷する度に、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なるおそれがある。一方、測定用パターンにおける隣接する2つの罫線の間隔は、1/4インチにて搬送するときのDC成分の搬送誤差の影響だけではなく、AC成分の搬送誤差の影響も受けている。
Ca(i)={C(i−1)+C(i)+C(i+1)+C(i+2)}/4
前述した通り、パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「6.35mm」(1/4インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。そうすると、補正値Caを算出するための上式は、次式のような意味になる。
Ca(i)=[25.4mm−{R(i+3)−R(i−1)}]/4
ゆえに、4個の補正値Cを平均化して算出される補正値Ca(i)は、AC成分の搬送誤差の影響を受けず、DC成分の搬送誤差を反映した値になる。
次に、コンピュータ110は、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S104)。
図23は、メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。メモリ63に記憶される補正値は、NIP状態における補正値Ca(1)〜Ca(19)と、非NIP状態における補正値Cbである。また、各補正値を適用する範囲を示すための境界位置情報も、各補正値に関連付けられてメモリ63に記憶される。
プリンタを購入したユーザの下で印刷が行われる際に、コントローラ60は、メモリ63からテーブルを読み出し、目標搬送量を補正値に基づいて補正し、補正された目標搬送量に基づいて搬送動作を行う。以下、ユーザの下での印刷時の搬送動作の様子について説明する。
前述の実施形態では、ヘッドがキャリッジに設けられており、ヘッドが移動方向に移動可能な構成である。そして、前述の実施形態では、ヘッドが移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。しかし、ヘッドの構成は、このような構成に限られるものではない。また、ドットラインの形成方法も、これに限られるものではない。以下、別の実施形態について説明する。
図25Aは、別の実施形態のプリンタの断面図である。図25Bは、別の実施形態のプリンタの搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。前述の実施形態と同じ構成要素については、説明を省略する。
ヘッドユニット140は、紙Sにインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット140は、搬送中の紙Sに対してインクを吐出することによって、紙Sにドットを形成し、画像を紙Sに印刷する。
搬送量を補正するための補正値を決定するまでの処理は、前述の実施形態とほぼ同様である(図7参照)。ここでは、本実施形態における測定用パターンの印刷について説明する。通常の印刷や、前述の実施形態での測定用パターンの印刷と同様に、プリンタは、ノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、紙を搬送方向に搬送する搬送処理と、を繰り返すことによって、印刷を行う。
プリンタを購入したユーザの下で印刷が行われる際に、プリンタは、ノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、紙を搬送方向に搬送する搬送処理と、を繰り返すことによって、印刷を行う。但し、本実施形態では、搬送処理と搬送処理との間に、ヘッドの各ノズルから同時にインクを吐出することによって、前述の実施形態において移動中のヘッドがインクを吐出できる範囲に、ドットを形成することが可能である。
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、搬送方法、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
前述の実施形態では、図23に示すテーブルがメモリ63に記憶される。そして、ユーザの下で印刷が行われる際に、メモリ63からテーブルが読み出され、図24A〜図24Dに示すように目標搬送量に対する補正値が算出され、目標搬送量が補正される。しかし、このような実施形態に限られるものではない。
紙種(普通紙/光沢紙)や印刷画質(印刷解像度)に応じて印刷モードが選択されることが通常行われる。そして、印刷モードによっては、画質にこだわらないものがある。例えば、紙種が普通紙であれば、光沢紙の場合と比べて画質のよくない印刷モードが選択される(代わりに印刷速度の速い印刷モードが選択される)。また、ユーザが印刷画質よりも印刷速度を優先する場合にも、画質のよくない印刷モードが選択される。このように、画質のよくない印刷モードが選択される場合、前述の実施形態のような目標搬送量の補正が行われても、画質があまり向上しないと考えられる。
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
(1)前述の実施形態のプリンタは、ヘッド41と、搬送ユニット20と、メモリ63と、コントローラ60とを備えている。搬送ユニット20は、目標搬送量に応じて、ヘッド41に対して紙Sを搬送方向に搬送するものである。
ところで、コントローラは目標搬送量に基づいて搬送ユニット20を制御するが、搬送誤差がある場合、目標搬送量と実際の搬送量とが一致しない。そこで、コントローラ60は、目標搬送量を補正し補正後の目標搬送量に基づいて搬送ユニットを制御することによって、目標搬送量と実際の搬送量とを一致するように搬送誤差を補正している。
ここで、DC成分の搬送誤差は、紙の摩擦等の影響によって、紙の総搬送量に応じて異なる値になる(図6の点線を参照)。言い換えると、DC成分の搬送誤差は、紙Sとヘッド41との相対位置関係に応じて異なる値になる。
これにより、紙Sとヘッド41との相対位置に応じて変化するDC成分の搬送誤差を、搬送量に応じて的確に補正することができる。
そして、搬送前の相対位置に対応する補正値の適用範囲を超えて搬送が行われる場合、コントローラ60は、搬送前の相対位置に対応する補正値と、搬送後の相対位置に対応する補正値とに基づいて、目標搬送量を補正する。例えば、図24Cに示すように、搬送前の相対位置に対応する補正値Ca(i)の適用範囲を超えて搬送が行われる場合、コントローラは、補正前の相対位置に対応する補正値Ca(i)と、補正後の相対位置に対応する補正値Ca(i+1)とに基づいて、目標搬送量を補正する。
これにより、紙Sとヘッド41との相対位置に応じて変化するDC成分の搬送誤差を、搬送量に応じて的確に補正することができる。
これにより、紙Sとヘッド41との相対位置に応じて変化するDC成分の搬送誤差を、搬送量に応じて的確に補正することができる。
また、測定用パターンをライン状のパターンではなく、複数のノズルを用いてブロック状のパターンに形成しても良い。要するに、1インチの搬送前に形成したパターンと、1インチの搬送後に形成したパターンとの間隔を検出できれば良い。
そこで、前述の実施形態では、測定用パターンのラインL1〜L20は、同じノズル(ノズル♯90)で形成している。
但し、各ノズルの特性差を無視できるのであれば、異なるノズルで2つのラインを形成しても良い。
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
26 従動ローラ、27 従動ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、521 スケール、522 検出部、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、
62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、
150 スキャナ、151 上蓋、152 原稿台ガラス、
153 読取キャリッジ、154 案内部、155 移動機構、
157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学系、
TS テストシート、SS 基準シート
Claims (5)
- 媒体を搬送する搬送ローラーとヘッドとを備えるプリンター、スキャナー、及びコンピューターから構成されるシステムであって、
前記ヘッドは、
前記搬送ローラーが1回転する間に第1の媒体に複数の測定用パターンを印刷し、
前記スキャナーは、
前記測定用パターンを読み取って画像データを取得し、
前記コンピューターは、
前記画像データに基づき、複数の前記測定用パターンの各間隔毎に算出される第1の値を、前記搬送ローラーの1回転分に対応する数を用いて平均化して、前記各間隔のうち1の間隔に対応する第2の値を算出し、
前記搬送ローラーは、
前記第2の値に基づいて第2の媒体を搬送する、
システム。 - 媒体を搬送する搬送ローラーと、
前記搬送ローラーが1回転する間に第1の媒体に複数の前記測定用パターンを印刷するヘッドとを備え、
前記搬送ローラーは、複数の前記測定用パターンの各間隔毎に算出される第1の値を、前記搬送ローラーの1回転分に対応する数を用いて平均化して、前記各間隔のうち1の間隔に対応して算出された第2の値に基づいて第2の媒体を搬送する、
プリンター。 - 請求項2に記載のプリンターであって、
前記ヘッドにはインクを吐出するノズルが複数配置され、
前記搬送ローラーが回転を開始してから停止するまでの1度の回転動作の間に、前記第2の媒体における前記第2の値が適用される範囲のうち、前記第2の媒体の搬送方向の最も上流側に配置された前記ノズルが、1の前記範囲のみを通過する場合、
前記搬送ローラーは、前記最も上流側に配置されたノズルの前記1の範囲に対する通過距離と前記1の範囲との比に応じて調整された前記第2の値に基づいて前記第2の媒体を搬送する、
プリンター。 - 請求項2又は3のいずれか1項に記載のプリンターであって、
前記ヘッドにはインクを吐出するノズルが複数配置され、
前記搬送ローラーが回転を開始してから停止するまでの1度の回転動作の間に、前記第2の媒体における前記第2の値が適用される範囲のうち、前記第2の媒体の搬送方向の最も上流側に配置された前記ノズルが、複数の前記範囲を通過する場合、
前記搬送ローラーは、前記最も上流側に配置されたノズルの各前記範囲に対する通過距離と各前記範囲との比に応じて調整された各前記第2の値に基づいて前記第2の媒体を搬送する、
プリンター。 - 搬送ローラーとヘッドを備えたプリンターにおいて実行される方法であって、
前記搬送ローラーによって媒体を搬送し、
前記搬送ローラーが1回転する間に第1の媒体に複数の前記測定用パターンを前記ヘッドによって印刷し、
前記搬送ローラーは、複数の前記測定用パターンの各間隔毎に算出される第1の値を、前記搬送ローラーの1回転分に対応する数を用いて平均化して、前記各間隔のうち1の間隔に対応して算出された第2の値に基づいて第2の媒体を搬送する、
方法。
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