半導体素子及び当該半導体素子が取り付けられるダイパッドなどの半導体素子取り付け部を樹脂封止してなる樹脂封止型半導体装置(例えば、非特許文献1参照。)は、各種電子機器に広く用いられている。
図11は、非特許文献1に開示されている樹脂封止型半導体装置900の外観構成を示す斜視図である。なお、図11は外観構成を示す図であるので、内部に存在する半導体素子などは図示されていない。また、図11に示す樹脂封止型半導体装置900(従来の樹脂封止型半導体装置900という。)は、シングルインライン型ブリッジダイオードであるとする。
従来の樹脂封止型半導体装置900は、図11に示すように、樹脂封止型半導体装置本体910と、外部への接続端子となる複数(4本)のアウターリード(第1アウターリード821,822及び第2アウターリード823,824という。)を有する。なお、図11における符号Hは、樹脂封止型半導体装置本体910の背面側(図1において紙面の裏側)に図示しない放熱フィンを取り付ける際のネジ通し孔である。また、図11における符号831は、図1では図示されていないタイバーの残存部であり、これについては後述する。
なお、第1アウターリード821,822及び第2アウターリード823,824の全体をひとまとめとして説明する場合には、アウターリード821〜824と表記する場合もある。
図12は、従来の樹脂封止型半導体装置900に用いられているリードフレーム800(従来のリードフレーム800という。)の構成を示す斜視図である。従来のリードフレーム800は、概略的には、第1ダイパッド811及び第2ダイパッド812などからなる半導体素子取り付け部810と、外部への接続端子となるアウターリード821〜824と、アウターリード821〜824の間を連結するように設けられ、樹脂封止工程においては樹脂の流出を防止する樹脂封止部となるタイバー830と、アウターリード821〜824の各先端部を連結するように設けられ、リードフレーム800の剛性を保持するための補助バー840とを有する。なお、タイバー830及び補助バー840は最終的にはアウターリード821〜824から切り離される。
従来の樹脂封止型半導体装置900は、以下に示すような工程によって製造することができる。なお、以下に示す工程は概略的な工程である。
まず、図12に示すリードフレーム800を準備するリードフレーム準備工程を行う。次に、半導体素子(図示せず。)をリードフレーム800の半導体素子取り付け部810(第1ダイパッド811及び第2ダイパッド812)に取り付ける半導体素子取り付け工程を行ったのち、樹脂封止工程を行う。樹脂封止工程は、半導体素子及び半導体素子取り付け部810などを樹脂封止用金型で覆ったのちに、当該樹脂封止用金型の内部に樹脂を封入して樹脂封止型半導体装置本体910(図11参照。)を形成する。そして、アウターリード821〜824からタイバー830及び補助バー840を切り離すタイバー切り離し工程を行うことによって、図11に示すような樹脂封止型半導体装置900を製造することができる。
図13は、従来の樹脂封止型半導体装置900を製造する際のタイバー切り離し工程を説明するために主要部(アウターリード821〜824及びタイバー830の部分)を拡大して示す図である。なお、図13はパンチ金型Pとタイバー830及びアウターリード821〜824との位置関係を示すものであり、樹脂封止型半導体装置本体910の内部の構成などは図示が省略されている。また、図13において図11及び図12と同一構成要素には同一符号が付されている。
なお、図13において、灰色で示す部分は樹脂封止を行った際に、タイバー830によりせき止められた樹脂が硬化したものであり、ダムバリとも呼ばれている。すなわち、従来の樹脂封止型半導体装置900においては、図13に示すように、樹脂封止型半導体装置本体910の下端面911とタイバー830の上端辺830aとの間には上下方向(矢印y−y’方向)に所定の幅wを有する空間部が存在し、この空間部にダムバリ(DBの符号を付す。)が生じる。
そして、アウターリード821〜824からタイバー830を切り離す際は、図13に示すように、一点鎖線で示すパンチ金型Pを用いて、タイバー830を切断する。なお、図13においては、第1アウターリード821とタイバー830との連結部における図示の右側部のみにおいてタイバー830を切り離す場合が図示されているが、他の部分においても同様にタイバー830の切り離しを行う。このような切り離し工程を行うことによって、図11に示すような樹脂封止型半導体装置900を製造することができる。なお、タイバー830の切断は、複数のパンチ金型を用いて複数個所を同時に行うようにすることも可能である。
ところで、図13に示すようなタイバー切り離し工程によって、タイバー830を切り離す際には、ダムバリDBもパンチ金型Pによって一部が切断されるが、パンチ金型Pでは切断されなかったダムバリDBが残存する。
また、タイバー切り離し工程を行う際、パンチ金型Pを図13に示すような位置に設定してタイバー830を切断すると、タイバー830の残存部831(タイバー残存部831という。)が生じる。このタイバー残存部831は、従来の樹脂封止型半導体装置900においては、パンチ金型Pと個々のアウターリード及びタイバー830との位置合わせ上の制約などによって生じてしまうものである。
すなわち、図13に示すように、例えば、第1アウターリード821とタイバー830との連結部における図示の右側の切断を行う場合、パンチ金型Pの左側の側端辺Pdが第1アウターリード821の側端辺に沿った線L0(図中において破線で示す。)に一致するようにパンチ金型Pを配置すれば、タイバー残存部831が生じることなく、タイバー830を切り離すことができる。しかし、アウターリード821〜824の個々のアウターリードの幅の寸法などに公差があるため、アウターリード821〜824すべてにおいて正確に側端辺に沿った線L0で切断することは難しいといった問題がある。このため、従来では、図13に示すような位置で切断している。
ところで、上記のように製造された樹脂封止型半導体装置900は、電子機器の基板(図示せず。)に実装する際においては、基板に設けられている取り付け孔にアウターリード821〜824を挿し込んだのちに、半田付けなどによって固定するのが一般的である。このとき、近年の電子機器の小型化に伴い、樹脂封止型半導体装置においても、基板に実装したときの基板から樹脂封止型半導体装置本体910の上端面までの高さ(実装高さという。)をより低くすることが要求されている。
しかしながら、従来の樹脂封止型半導体装置900においては、アウターリード821〜824を基板に設けられている取り付け孔に挿し込んだとき、タイバー残存部831がストッパーの役目をしてしまうため、アウターリード821〜824の挿し込み量が規制されて、樹脂封止型半導体装置900の実装高さが高くなってしまうといった課題がある。
これを解決するための一つの方法としては、タイバー830の位置をできるだけアウターリード821〜824の上部(樹脂封止型半導体装置本体910に近い側)に設けるようにすることが考えられる。すなわち、樹脂封止型半導体装置本体910の下端面911とタイバー830の上端辺830aとの間に生じる空間部の幅w(図13参照。)をより小さくするようにタイバー830を設けるようにすれば、タイバー残存部831も樹脂封止型半導体装置本体910により近づくため、樹脂封止型半導体装置900を基板に実装したときに、樹脂封止型半導体装置900の実装高さを低くすることができる。
しかしながら、タイバー830の位置を樹脂封止型半導体装置本体910により近い側に設けると、アウターリード821〜824からタイバー830を切り離す際、パンチ金型Pを高精度に配置したとしても、切断対象となる個々の樹脂封止型半導体装置900の寸法に公差があるため、パンチ金型Pの上端辺Pa(図13参照。)が樹脂封止型半導体装置本体910に接触して樹脂封止型半導体装置本体910の一部を削ってしまうおそれがある。これを防止するために、パンチ金型Pの上端辺Paが樹脂封止型半導体装置本体910に接触しないようにパンチ金型Pの位置を下方向(図13におけるy’方向)に下げ過ぎると、今度は、タイバー830の上端辺830a付近に切り残しが生じて、アウターリード821〜824からタイバー830を切り離すことができないといった課題が生じてくる。
そこで本発明は、樹脂封止型半導体装置を基板に実装する際の実装高さを従来の樹脂封止型半導体装置に比べて低くすることが可能で、かつ、タイバーの切り離しを行う際に、タイバーを適切に切断することができる樹脂封止型半導体装置の製造方法、樹脂封止型半導体装置及び樹脂封止型半導体装置用のリードフレームを提供することを目的とする。
[1]本発明の樹脂封止型半導体装置の製造方法は、半導体素子を取り付ける半導体素子取り付け部と、外部への接続端子となる複数のアウターリードと、当該複数のアウターリードとの間を連結するように設けられ、樹脂封止工程においては樹脂の流出を防止する樹脂封止部となるタイバーとを有するリードフレームを準備するリードフレーム準備工程と、前記半導体素子を半導体素子取り付け部に取り付ける半導体素子取り付け工程と、前記半導体素子と前記半導体素子取り付け部とを樹脂封止用金型で覆ったのち、当該樹脂封止用金型の内部に樹脂を封入して樹脂封止型半導体装置本体を形成する樹脂封止工程と、前記複数のアウターリードを前記タイバーから切り離すタイバー切り離し工程とを備える樹脂封止型半導体装置の製造方法であって、前記リードフレーム準備工程においては、前記複数のアウターリードと前記タイバーとの各連結部における各コーナー部のうち前記樹脂封止型半導体装置本体の側に位置する各コーナー部に、当該各コーナー部における前記アウターリードの幅を当該アウターリードの他の部分の幅に比べて狭くするとともに当該コーナーにおける前記タイバーの幅を当該タイバーの他の部分の幅に比べて狭くするような切り欠き部が設けられているリードフレームを準備し、前記タイバー切り離し工程においては、一方の側端辺が前記アウターリードの内側でかつ前記切り欠き部に存在するように位置し、他方の側端辺が前記アウターリードの外側に位置し、前記樹脂封止型半導体装置本体の側の端辺となる上端辺が前記切り欠き部に存在するように位置し、前記上端辺とは反対側の下端辺が前記タイバーの下端辺よりも下側に位置するように構成されたパンチ金型を用いて前記タイバーの切り離しを行うことを特徴とする。
本発明の樹脂封止型半導体装置の製造方法によれば、アウターリードからタイバーを切り離した状態としたときに、タイバーの残存部が生じないため、アウターリードを基板の取り付け孔に挿し込むことによって樹脂封止型半導体装置を実装する際に、アウターリードの挿し込み量がタイバーの残存部によって規制されることがなくなる。これにより、樹脂封止型半導体装置の実装高さを従来の樹脂封止型半導体装置に比べて低くすることができる。また、リードフレームに上記したような切り欠き部が存在することによって、切り欠き部に対応する部分に空間部が形成されるため、タイバーを切り離すための切断パンチ金型の配置に余裕を持たせることができる。これにより、タイバーの切り離しを行う際に、タイバーを適切に切断することができる。なお、この明細書において、タイバーの上端辺又は側端辺が「切り欠き部に存在する」というのは、タイバーの上端辺又は側端辺の一部が切り欠き部にかかっている状態であることを意味している。
[2]本発明の樹脂封止型半導体装置の製造方法においては、前記リードフレームは、前記タイバーの上端辺が前記樹脂封止型半導体装置本体の下端面に近接した位置となるように前記タイバーが設けられていることが好ましい。
これによって、樹脂封止型半導体装置本体とタイバーとの間に空間部が殆ど存在しない状態となるため、ダムバリの発生を抑制することができる。なお、樹脂封止型半導体装置本体の下端面に近接した位置というのは、樹脂封止型半導体装置本体とタイバーとの間に空間部が全く存在しない状態であってもよいが、樹脂封止用金型の精度などを考慮して、0.05mm〜0.10mm程度の幅を有する空間部が存在していてもよい。
[3]本発明の樹脂封止型半導体装置の製造方法においては、前記パンチ金型の上端辺は、前記タイバーの上端辺よりも下側かつ前記切り欠き部に存在するように位置することが好ましい。
これにより、樹脂封止型半導体装置本体とタイバーとの間に空間部が殆ど存在しない状態であっても、パンチ金型によってアウターリードからタイバーの切り離しを行ったときに、パンチ金型が樹脂封止型半導体装置本体に接触することがなくなり、パンチ金型によって樹脂封止型半導体装置本体が削られてしまったり、タイバーに切り残しが生じたりすることを防止できる。
[4]本発明の樹脂封止型半導体装置の製造方法においては、前記切り欠き部は、前記アウターリードの側を当該切り欠き部の始点とし、前記タイバーの側を切り欠き部の終点としたとき、当該切り欠き部の始点から終点までが曲線を描くように形成されていることが好ましい。
切り欠き部をこのように形成することによって、前記コーナーにおけるアウターリードの幅を当該アウターリードの他の部分の幅に比べて狭くするとともに前記コーナーにおける前記タイバーの幅を当該タイバーの他の部分の幅に比べて狭くするような切り欠き部を形成することができる。
[5]本発明の樹脂封止型半導体装置の製造方法においては、前記曲線は、円弧であることが好ましい。
切り欠き部を円弧とすることにより、容易かつ適切に切り欠き部を設けることができる。
[6]本発明の樹脂封止型半導体装置の製造方法においては、前記切り欠き部は、前記アウターリードの側を当該切り欠き部の始点とし、前記タイバーの側を切り欠き部の終点としたとき、前記切り欠き部の始点から切り欠き部の終点までが複数の角部を有する直線を描くように形成されていることもまた好ましい。
切り欠き部をこのような形状とすることによっても、前記コーナーにおける前記アウターリードの幅を当該アウターリードの他の部分の幅に比べて狭くするとともに前記コーナーにおける前記タイバーの幅を当該タイバーの他の部分の幅に比べて狭くするような切り欠き部を形成することができる。
[7]本発明の樹脂封止型半導体装置の製造方法においては、前記切り欠き部の始点は、前記タイバーの上端辺よりも前記樹脂封止型半導体装置本体側に設定されていることが好ましい。
切り欠き部の始点をこのように設定することにより、アウターリードからタイバーを切り離した状態としたときに前記コーナーにおけるアウターリードの幅を当該アウターリードの他の部分の幅に比べて狭くすることができる。このため、アウターリードを基板の取り付け孔に挿し込んだとき、アウターリードの付け根部までアウターリードを挿し込むことができ、それによって、樹脂封止型半導体装置の実装高さを従来の樹脂封止型半導体装置に比べて低くすることができる。
[8]本発明の樹脂封止型半導体装置は、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂封止型半導体装置の製造方法により製造された樹脂封止型半導体装置であって、前記樹脂封止型半導体装置本体は、当該樹脂封止型半導体装置本体を正面側又は背面側の少なくとも一方の側から見たとき、当該樹脂封止型半導体装置本体における前記下端面が、前記複数のアウターリードの各付け根部の側から当該下端面の縁部に向かって昇り傾斜となるような傾斜面となっていることを特徴とする。
本発明の樹脂封止型半導体装置によれば、複数のアウターリードを基板に挿し込むことによって樹脂封止型半導体装置を実装した状態としたときに、複数のアウターリードの各付け根部が外部から目視できるようになる。これによって、樹脂封止型半導体装置の外観検査すなわち複数のアウターリードが基板に対して適切に差し込まれた状態となっているか否かの検査がし易くなる。なお、複数のアウターリードが基板に対して適切に差し込まれた状態となっているか否かの検査を「実装状態の検査」という。
[9]本発明の樹脂封止型半導体装置においては、前記樹脂封止型半導体装置本体の前記傾斜面における前記複数のアウターリードの各付け根部には、前記樹脂封止型半導体装置を基板に実装した状態としたときに、前記複数のアウターリードの各付け根部が目視可能となるような外観検査用の切り欠き部が前記樹脂封止型半導体装置本体に形成されていることが好ましい。
このように、樹脂封止型半導体装置本体は、下端面が傾斜面となっていることに加えて、当該傾斜面におけるアウターリードの各付け根部に外観検査用の切り欠き部が形成されていることにより、実装状態の検査をより確実に行うことができる。
[10]本発明の樹脂封止型半導体装置においては、前記外観検査用の切り欠き部は、当該外観検査用の切り欠き部の内部上端面が、前記各付け根部の側から前記外観検査用の切り欠き部の開口部に向かって昇り傾斜となるような傾斜面となっていることが好ましい。
外観検査用の切り欠き部がこのような構成となっていることにより、検査者は、実装後の樹脂封止型半導体装置を斜め上方から見るだけで、実装状態の検査を適切に行うことができ、実装状態の検査の効率化を図ることができる。検査者は実装後の樹脂封止型半導体装置を斜め上方から見るだけで、実装状態の検査を行うことができ、実装状態の検査の効率化を図ることができる。
[11]本発明のリードフレームは、半導体素子を取り付ける半導体素子取り付け部と、外部への接続端子となる複数のアウターリードと当該複数のアウターリードとの間を連結するように設けられ、樹脂封止工程においては樹脂の流出を防止する樹脂封止部となるタイバーとを有する樹脂封止型半導体装置用のリードフレームであって、前記複数のアウターリードと前記タイバーとの各連結部における各コーナー部のうち前記樹脂封止型半導体装置本体の側に位置する各コーナー部に、当該各コーナーにおける前記アウターリードの幅を当該アウターリードの他の部分の幅に比べて狭くするとともに当該コーナーにおける前記タイバーの幅を当該タイバーの他の部分の幅に比べて狭くするような切り欠き部が設けられていることを特徴とする。
このようなリードフレームを用いて、前記[1]〜[7]のいずれかの樹脂封止型半導体装置の製造方法によって樹脂封止型半導体装置を製造することにより、前記[1]〜[7]のいずれかの樹脂封止型半導体装置の製造方法において述べた効果と同様の効果を得ることができる。なお、本発明のリードフレームにおいても、前記[2]、[4]〜[7]と同様の特徴を有することが好ましい。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、実施形態に係る樹脂封止型半導体装置は、シングルインライン型ブリッジダイオードを例に説明を行う。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るリードフレーム100の構成を説明するために示す図である。なお、図1に示すリードフレーム100は、1個の樹脂封止型半導体装置に対応するリードフレームである。
実施形態1に係るリードフレーム100は、図1に示すように、半導体素子取り付け部110と、外部への接続端子となる複数(4本)のアウターリード(第1アウターリード121,122及び第2アウターリード123,124という。)と、当該第1アウターリード121,122及び第2アウターリード123,124の各リード間を連結するように設けられ、樹脂封止工程においては樹脂の流出を防止する樹脂封止部となるタイバー130と、第1アウターリード121,122及び第2アウターリード123,124の各先端部を連結するように設けられ、リードフレーム100の剛性を保持するための補助バー140とを有する。なお、タイバー130及び補助バー140は最終的にはアウターリード(第1アウターリード121,122及び第2アウターリード123,124)から切り離される。
なお、実施形態1及び後述する実施形態2の説明においても、第1アウターリード121,122及び第2アウターリード123,124の全体をひとまとめとして説明する場合には、アウターリード121〜124と表記する場合もある。
半導体素子取り付け部110は、第1ダイパッド111と第2ダイパッド112とを有する。第1ダイパッド111は、各々が1つの半導体素子(図1においては図示せず。)を載置する2つの半導体素子載置面111a,111b及びこれら半導体素子載置面111a,111bを連結する第1連結部111cを有する。第2ダイパッド112は、各々が1つの半導体素子(図1においては図示せず。)を載置する2つの半導体素子載置面112a,112b及びこれら半導体素子載置面112a,112bを連結する第2連結部112cを有する。
また、第1アウターリード121,122のうちの第1アウターリード121は、第1ダイパッド111と一体に形成され、先端部が矢印y’方向に延在するように設けられている。また、第1アウターリード121,122のうちの第1アウターリード122は第2ダイパッド112と一体に形成され、先端部が図示の矢印y’方向に延在するように設けられる。
一方、第2アウターリード123,124のうちの第2アウターリード123は、第2ダイパッド112とは離隔して配置されるとともに後端側に接続部123aを有し、先端側が矢印y’方向に延在するように配置される。また、第2アウターリード123,124のうちの第2アウターリード124は、第1ダイパッド111とは離隔して配置されるとともに後端側に接続部124aを有し、先端側が矢印y’方向に延在するように配置される。
また、タイバー130は、第1アウターリード121,122及び第2アウターリード123,124に直交する方向に設けられ、第1アウターリード121,122及び第2アウターリード123,124と一体に形成されている。そして、タイバー130と第1アウターリード121,122及び第2アウターリード123,124のそれぞれの連結部における矢印y方向側(半導体素子取り付け部110側)の各コーナーには切り欠き部Cがそれぞれ形成されている。図1における破線円A内に第1アウターリード121とタイバー130との連結部の拡大図が示されている。なお、他の連結部も同様の構成となっている。
また、タイバー130は、半導体素子取り付け部110側に可能な限り近い位置に設けられる。具体的には、後述する樹脂封止工程によって樹脂封止型半導体装置本体210(図3(d)参照。)が形成されたときに、樹脂封止型半導体装置本体210の下端面に近接した位置にタイバー130が設けられる。これについては詳細を後述する。
切り欠き部Cは、第1アウターリード121とタイバー130との連結部を例にとって説明すると、破線円A内に示すように、切り欠き部Cにおけるタイバー130の幅が当該タイバー130の他の部分の幅aに比べて狭くなるようにタイバー130を切り欠くことによって形成されるとともに、切り欠き部Cにおける第1アウターリード121の幅が当該第1アウターリード121の他の部分の幅bに比べて狭くなるように第1アウターリード121を切り欠くことによって形成されている。このような切り欠き部Cは、他の連結部においても同様に形成されている。
すなわち、切り欠き部Cは、同じく第1アウターリード121とタイバー130との連結部を例にとって説明すると、第1アウターリード121の側を当該切り欠き部Cの始点Psとし、タイバー130の側を切り欠き部Cの終点Peとしたとき、当該切り欠き部Cの始点Psから終点Peまでが曲線(円弧とする。)を描くように切り欠くことによって形成されている。これは、他の連結部においける切り欠き部Cにおいても同様である。
図2は、切り欠き部Cの寸法を説明するために示す図である。図2においても、第1アウターリード121とタイバー130との連結部における切り欠き部Cについて説明する。なお、実施形態1に係るリードフレーム100においては、タイバーの幅aは、0.8mm、アウターリード121〜124(図2においては第1アウターリード121)の幅bは、それぞれ1.0mmとしている。
このような幅を有する第1アウターリード121及びタイバー130において、切り欠き部Cにおけるタイバー130の上端辺の延長線L1から切り欠き部Cの最深部までの深さcは0.2mmとし、第1アウターリード121の側端辺の延長線L0から切り欠き部Cの最深部までの深さdも0.2mmとしている。なお、このような各部の寸法(a=0.8mm、b=1.0mm、c=d−0.2mm)は、一例であって、これに限定されるものではない。
図2においては、第1アウターリード121とタイバー130との連結部における切り欠き部Cの寸法について説明したが、他の連結部における切り欠き部Cも同様の寸法を有する。なお、このような切り欠き部Cを設けることにより得られる効果などについては後述する。
図3は、実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。なお、図3においては樹脂封止工程までが示されている。
図3(a)はリードフレームを準備するリードフレーム準備工程であり、ここで準備されるリードフレームは、図1に示すリードフレーム100である。なお、図2においては、図面を簡素化するために一部の符号が省略されている。
図3(b)及び図3(c)は半導体素子を取り付ける半導体素子取り付け工程を示す図である。半導体素子取り付け工程は、図3(b)に示すように、第1ダイパッド111の半導体素子載置面111a,111bに、半導体素子(ダイオード)151,152を載置した状態で固定するとともに第2ダイパッド112の半導体素子載置面112a,112bに、半導体素子(ダイオード)153,154を載置して固定する。
続いて、図3(c)に示すように、第1連結接続子161の一方端を半導体素子152,153に接続するとともに他方端を第2アウターリード124の接続部124aに接続して、半導体素子152,153と第2アウターリード124とを電気接続する。また、第2連結接続子162の一方端を半導体素子151,154に接続するとともに他方端を第2アウターリード123の接続部123aに接続して、半導体素子151,154と第2アウターリード123とを電気接続する。
次に、樹脂封止工程を行う。樹脂封止工程は、図3(d)に示すように、第1ダイパッド111及び第2ダイパッド112、各半導体素子151〜154、第1連結接続子161及び第2連結接続子162などを樹脂封止用金型M(図4参照。)で覆ったのち、型Mの内部に樹脂を封入して封入した樹脂を硬化させる。なお、図3(d)における符号210は、樹脂が硬化することによって形成された樹脂封止型半導体装置本体を示しており、また、符号Hは、樹脂封止型半導体装置本体210の背面側に図示しない放熱フィンを取り付ける際の放熱フィン取り付け用ネジを通すためのネジ通し孔を示している。
ところで、上記したように、実施形態1に係るリードフレーム100においては、タイバー130は、樹脂封止型半導体装置本体210の下端面に近接した位置に存在するように設けられている。このため、樹脂封止型半導体装置本体210の下端面211(図5参照。)とタイバー130の上端辺130a(図5参照。)との間には空間部が殆ど形成されない。これにより、実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置の製造方法においては、樹脂封止工程を行った際にダムバリDBは殆ど生じない。
図4は、樹脂封止工程において用いる樹脂封止用金型Mの内部における樹脂封止型半導体装置本体210とタイバー130との位置関係を模式的に示す断面図である。なお、図4は、樹脂封止用金型Mの内部における樹脂封止型半導体装置本体210とタイバー130との位置関係を模式的に示す図であるので、樹脂封止型半導体装置本体210内に存在する半導体素子及びアウターリード121〜124などの構成要素は図示を省略してある。また、図4において、ハッチングを施した部分は型であり、上型M2と下型M1とを有している。このような樹脂封止用金型Mを用いて樹脂封止工程を行う。なお、樹脂封止工程の各工程については図示及び詳細な説明は省略するが、概略的には、半導体素子の取り付けが終了したリードフレーム100(図3(c)参照。)を下型M1に収納したのち、上型M2を下型M1に合致させた状態として、下型M1と上型M2と間に形成される空間部に樹脂を封入して、封入した樹脂を硬化させる。
図4において、灰色(網掛け)で示す部分は樹脂封止型半導体装置本体210及びタイバー130である。図4に示すように、タイバー130は樹脂封止型半導体装置本体210の下端面211に近接した位置となるため、樹脂封止型半導体装置本体210の下端面211とタイバー130の上端辺130aとの間には空間部が殆ど形成されず、ダムバリは殆ど生じない。
なお、図4の例では、樹脂封止型半導体装置本体210とタイバー130との間は空間部が全く存在しない状態が示されている。このように、樹脂封止型半導体装置本体210とタイバー130との間は空間部が全く存在しないことが好ましいが、実際には、樹脂封止用金型Mの精度、リードフレーム100の加工精度、樹脂封止用金型M内に配置されるアウターリード121〜124の配置精度などを考慮して、わずか(0.05mm〜0.10mm程度)の幅w(図13参照。)を有する空間部が形成されるようにしている。
そして、図3(d)に示した樹脂封止工程が終了すると、次に、タイバー130の切り離しを行うタイバー切り離し工程を行う。なお、タイバー切り離し工程には、タイバー130をアウターリード121〜124から切り離すとともに、補助バー140をアウターリード121〜124から切り離す工程が含まれている。
図5は、タイバー切り離し工程を説明するために示す図である。なお、図5においては、アウターリード121〜124とタイバー130との複数の連結部のうちの1つの連結部(第1アウターリード121とタイバー130との連結部とする。)を拡大して示す図である。図5(a)は第1アウターリード121からタイバー130を切り離す前の状態を示す図であり、図5(b)は第1アウターリード121からタイバー130を切り離した後の状態を示す図である。また、図5においては、切り欠き部Cを図示の左側から順に切り欠き部C1,C2として説明する。
タイバー切り離し工程は、図示の一点鎖線で示す矩形状のパンチ金型Pを図5(a)に示す位置に設定して切断を行う。このとき、切り欠き部C1においては、パンチ金型Pの上端辺Paがタイバー130の上端辺130aの延長線L1よりも下側(矢印y’方向側)で、かつ切り欠き部C1に存在するように位置し、パンチ金型Pの下端辺Pbがタイバー130の下端辺130bよりも下側に位置し、パンチ金型Pの一方の側端辺Pcが第1アウターリード121の内側で、かつ切り欠き部C1に存在するように位置し、他方の側端辺Pdが第1リー121の外側に位置するようにパンチ金型Pを配置させた状態で切断を行う。
また、切り欠き部C2側においては、パンチ金型Pの上端辺Paがタイバー130の上端辺130aの延長線L1よりも下側で、かつ切り欠き部C2に存在するように位置し、パンチ金型Pの下端辺Pbがタイバー130の下端辺130bよりも下側に位置し、パンチ金型Pの一方の側端辺Pcがアウターリード121の外側に位置するようにパンチ金型Pを配置し、他方の側端辺Pdが第1アウターリード121の内側で、かつ切り欠き部C2に存在するように位置するようにパンチ金型Pを配置させた状態で切断を行う。
図5(b)は図5(a)に示すようにパンチ金型を配置してタイバー130を切断したあとの状態を示す図である。なお、タイバー130の切断は、1つのパンチ金型Pを用いて切り欠き部C1,C2を順番に行うことも可能であり、また、それぞれの切断位置に対応して用意された複数のパンチ金型を用いて同時に行うことも可能である。図5においては、第1アウターリード121とタイバー130との連結部におけるタイバー130の切り離しについて説明したが、他の連結部においても同様にタイバーの切り離しを行うことができる。
リードフレーム100に上記したような切り欠き部Cを形成することによって、図5に示すようなタイバー130の切り離しを行う際は、切り欠き部Cに対応する部分が空間部となることにより、パンチ金型Pの配置に余裕を持たせることができる。このため、パンチ金型Pが樹脂封止型半導体装置本体210を削ってしまったり、タイバー130の上端辺付近に切り残しが生じてしまったりするといった問題を解決することができる。
ところで、実施形態1に係るリードフレーム100においては、タイバー130は樹脂封止型半導体装置本体210の下端面211に近接した位置に存在するように設けられている。このため、樹脂封止工程を行ったときに、樹脂封止型半導体装置本体210とタイバー130との間には、ダムバリは殆ど生じないが、切り欠き部Cに対応する空間部にダムバリが生じる可能性がある。
しかし、切り欠き部Cに対応する空間部は、ごくわずかな空間部であるので、ダムバリの量もごくわずかであり、また、パンチ金型Pによるタイバー130の切り離しを行う際に、切り欠き部Cに対応する空間部に生じたダムバリの殆どが同時に切断される。仮に、切り離しを行った後においてダムバリが多少残存したとしても、残存するダムバリはごくわずかであるので容易に除去することができる。
以上のような工程を経ることによって実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置200を製造することができる。
図6は、実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置200の外観構成を示す図である。また、図7は、実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置200を基板600に実装した場合の実装高さを従来の樹脂封止型半導体装置900と比較するために示す図である。実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置200の外観構成は、図6に示すように、樹脂封止型半導体装置本体210と、アウターリード121〜124とを有する。
実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置200は、パンチ金型Pによってタイバー130の切り離し工程を行ったあとにおいて、アウターリード121〜124とタイバー130との連結部には、従来のようなタイバー残存部831(図11参照。)が存在せず、しかも、当該連結部は個々のアウターリード121〜124の他の部分よりも狭くなっている(図6参照。)。
このため、実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置200を基板600に実装した場合、図7に示すように、樹脂封止型半導体装置200の下端面211が基板600に接する状態となるまでアウターリード121〜124を基板600に挿し込むことができる。それによって、実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置200は、従来の樹脂封止型半導体装置900に比べて、タイバー残存部831が存在しない分(この例においてはΔh)だけ実装高さを低くすることができる。
ところで、以上は1つの樹脂封止型半導体装置200を製造する場合についての説明であったため、リードフレーム100も1つの樹脂封止型半導体装置200に対応するリードフレームを例示したが、実際には、リードフレームは複数のリードフレームが連なった状態となっている。
図8は、複数のリードフレームが連なった状態を示す図である。図8においては、4個分のリードフレーム(リードフレーム100A,100B,100C,100Dとする。)が存在する場合を例示している。
このように、複数のリードフレームが連なった状態となっている場合、対向する位置に存在するリードフレーム(図8においては、リードフレーム100Aとリードフレーム100B、リードフレーム100Cとリードフレーム100D)は、自身のタイバーが対向するリードフレームにおいては図1に示した補助バー140の役目をなしている。すなわち、リードフレーム100Bのタイバー130は、リードフレーム100Aの補助バー140(図1参照。)の役目をなし、リードフレーム100Bのタイバー130はリードフレーム100Aの補助バー(図1参照。)の役目をなしている。これは、リードフレーム100C及びリードフレーム100Dにおいても同様の構成となっている。
なお、各リードフレーム100A,100B,100C,100Dにおいても、アウターリード121〜124とタイバー130との各連結部には、切り欠き部Cがそれぞれに形成されている。そして、各リードフレーム100A,100B,100C,100Dにおいて、図3(a)〜(d)に示すような工程を行ったあと、各リードフレーム100A,100B,100C,100Dにおいて、図5で説明したタイバー切り離し工程を行うことによって、複数の樹脂封止型半導体装置を製造することができる。
[実施形態2]
図9は、実施形態2に係る樹脂封止型半導体装置202の構成を示す図である。図9(a)は実施形態2に係る樹脂封止型半導体装置202を基板600に実装した状態とした場合の正面図であり、図9(b)は実施形態2に係る樹脂封止型半導体装置202を基板600に実装した状態とした場合の側面図である。なお、図9(b)は一部が断面として示されている。また、図9(b)においては、図示における左側を正面側とし、図示の右側を背面側とする。
また、実施形態2に係る樹脂封止型半導体装置202は、樹脂封止型半導体装置本体210の外観形状が異なる以外は実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置200と同様の構成となっており、また、実施形態1に係る樹脂封止型半導体装置の製造方法と同様の工程で製造することができる。
実施形態2に係る樹脂封止型半導体装置202は、図9に示すように、樹脂封止型半導体装置本体210の下端面211、上端面212及び各々の側端面213,214は、傾斜面となっている。この傾斜面は、樹脂封止工程において、ここでは図示しない型に樹脂を封入して樹脂封止型半導体装置本体210を形成した後に、樹脂封止型半導体装置本体210から上型及び下型を取り外せるような傾斜面となっている。なお、実施形態2に係る樹脂封止型半導体装置202においては、特に、下端面211が傾斜面となっていることが重要であるので、下端面211について説明する。
下端面211は、樹脂封止型半導体装置本体210におけるアウターリード121〜124の各付け根部の付近を境として、正面側の縁部に向かって上昇するような傾斜面と背面側の縁部に向かって上昇するような傾斜面とを有している。なお、正面側の縁部に向かって上昇するような傾斜面を正面側傾斜面211aとし、背面側の縁部に向かって上下方向の位置が徐々に高くなるよう傾斜面を背面側傾斜面211bとする。
また、下端面211における一方の傾斜面(正面側傾斜面211aとする。)のアウターリード121〜124の各付け根部には、外観検査用の切り欠き部221〜224が形成されている。この外観検査用の切り欠き部221〜224は、アウターリード121〜124を基板600に挿し込むことによって樹脂封止型半導体装置202を基板600に実装した状態としたときに、アウターリード121〜124の各付け根部を容易に目視できるようにするためのものである。また、外観検査用の切り欠き部221〜224は、当該外観検査用の切り欠き部221〜224の各上端面221a〜224aが、当該外観検査用の切り欠き部221〜224の開口部側からアウターリード121〜124の各付け根部に向かって下降するような傾斜面となっている。
このように、樹脂封止型半導体装置本体210の下端面211が傾斜面となっていることによって、樹脂封止型半導体装置202を実装した状態としたときに、アウターリード121〜124の各付け根部を外部から目視することができるようになる。これによって、実施形態2に係る樹脂封止型半導体装置202は、外観検査すなわち複数のアウターリードが基板に対して適切に差し込まれた状態となっているか否かの検査(実装状態の検査)がし易くなる。
また、樹脂封止型半導体装置本体210の下端面211が傾斜面となっていることに加えて、アウターリード121〜124の各付け根部に外観検査用の切り欠き部221〜224が形成されていることにより、実装状態の検査をより確実に行うことができる。
しかも、外観検査用の切り欠き部221〜224の各上端面221a〜224aが、開口部側からアウターリード121〜124の各付け根部に向かって下降するような傾斜面となっているため、樹脂封止型半導体装置202を基板に実装した状態において実装状態を検査する際に、検査者は、実装後の樹脂封止型半導体装置202を斜め上方から見るだけで、実装状態の検査を適切に行うことができ、実装状態の検査の効率化を図ることができる。
特に、本発明の樹脂封止型半導体装置のように、タイバー130が樹脂封止型半導体装置本体210に近接した状態で設けられている場合においては、樹脂封止型半導体装置を基板に実装した状態としたときのアウターリード121〜124の基板に対する実装状態を容易に確認することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記(1)〜(5)に示すような変形実施も可能である。
(1)上記した各実施形態では、切り欠き部Cは、切り欠き部Cの始点Psから切り欠き部Cの終点Peまでが円弧を描くように形成されたものとしたが、円弧ではなく、楕円などの曲線を描くものであってもよく、また、切り欠き部Cの始点Psから切り欠き部Cの終点Peまでが複数の角部を有する直線で形成されたものであってもよい。
図10は、切り欠き部Cの変形例を説明するために示す図である。図10に示す切り欠き部Cは、ある一つの連結部(第1アウターリード121とタイバー130との連結部とする。)に設けられる切り欠き部Cを示す図である。図10に示すように、切り欠き部Cの始点Psから切り欠き部Cの終点Peまでが90度の角部を3個有する直線で形成されたものである。図10に示すような切り欠き部Cを形成した場合、パンチ金型Pを図10における一点鎖線で示すように配置して、タイバー130を切断することにより、タイバー130を切り離すことができる。切り欠き部Cを図10に示すような形状とすることによっても、上記した各実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)上記した各実施形態においては、樹脂封止型半導体装置としてシングルインライン型ブリッジダイオードを例にとって説明したが、シングルインライン型ブリッジダイオードに限られるものではなく、例えば、パワーMOSFET、IGBT、サイリスターなどの3端子の樹脂封止型半導体装置にも本発明を適用することができる。
(3)上記した各実施形態においては、連結接続子として、板状の金属部材から作製し連結接続子161,162を用いたが、これに限定されるものではなく、連結接続子として、ワイヤー状の連結接続子を用いてもよい。この場合、半導体素子151,154と第2アウターリード123との接続及び半導体素子152,153と第2アウターリード124との接続をそれぞれワイヤーボンディングの手法で接続することができる。
(4)上記した実施形態2においては、樹脂封止型半導体装置本体の下端面211、上端面212及び各々の側端面213,214をそれぞれ傾斜面としたが、傾斜面とするのは下端面211だけであってもよく、しかも、下端面211において外観検査を行う際に検査者の視線方向に対向する側のみを傾斜面とすればよい。例えば、樹脂封止型半導体装置本体210を正面側から見て外観検査を行う場合には、図9の例においては、正面側傾斜面211aのみを形成して、当該正面側傾斜面211aに外観検査用の切り欠き部221〜224を形成すればよい。また、樹脂封止型半導体装置本体210を背面側から見て外観検査を行う場合には、背面側傾斜面211bのみを形成して、当該背面側傾斜面211bに外観検査用の切り欠き部221〜224を形成すればよい。
(5)本発明のリードフレームは、上記各実施形態において説明した構成のリードフレーム100に限られるものではなく、タイバーを有するリードフレームであれば種々の構成のリードフレームであってもよい。