JP5620680B2 - スケジューラ、基板処理装置、及び基板処理装置の運転方法 - Google Patents

スケジューラ、基板処理装置、及び基板処理装置の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の処理部と複数の基板搬送機を備え、基板搬送機により投入される基板を複数の処理部に順次搬送して処理を行う基板処理装置の制御部に内蔵されるスケジューラ、該スケジューラを使用する基板処理装置、及び基板処理装置の運転方法に関するものである。
上記基板処理装置には種々の構成のものがあるが、一般に、複数枚の基板が、基板収納容器から装置内に順次投入され、複数の搬送機により複数の処理機器(処理部)間を搬送されて並列的に処理され、全処理を終えた基板を基板収納容器に回収するように構成したものが多く使用されている。更に、基板収納容器を複数個装着可能・交換可能としたものもあり、このような基板処理装置では、適宜未処理の基板が装填された基板収納容器に交換することによって、連続的に基板処理装置の運転を行うことができるようになっている。
上記基板処理装置、例えば、バンプ形成、TSV形成、再配線めっきを行う基板めっき処理装置等では、厳しいプロセス制約条件(プロセスが終了してから次のプロセスを開始するまでの所定のプロセス時間間隔)を満たしながら、高い生産量(故障から復旧時間を含めた単位時間当たりの基板処理量)を実現することが求められる事がある。この厳しい要求を満たすため、基板めっき処理装置の基板搬送制御には最適な基板の搬送計画を立てる様々なスケジューリング(以下「SCH」と略記すこともある)手法が考えられてきた。このなかでも線形計画法を利用したスケジューラは、厳しいプロセス制約条件を満たしながら最大スループットを発揮する優れたスケジューリング法である。この手法は、プロセス制約条件や搬送休止の非負条件を予め定式化して、投入した複数枚の基板が最早にプロセス終了するように線形計画法により基板搬送スケジュールを作成することが求められる。そのため、故障無く基板を搬送する規則的な搬送性能を最大に発揮することが条件となる。
特開2001−319842号公報 特許第3995478号公報
しかしながら、従来の線形計画法を利用したスケジューラでは、故障の発生時等の非定常的なイベントが発生した場合には、線形計画法での定式化が複雑になり困難であるため、一旦装置内の基板を全て基板収納容器内に回収し、基板の搬送処理を開始する必要がある。当然、この基板回収中には、新規の基板を投入することができないため生産量が大きく低下する。例えば、バンプ形成めっき処理装置等、装置内に多くの基板が同時に存在するめっき処理装置では、基板回収に長時間(例えば、2時間)を要する。
また、上記めっき処理装置において、基板プロセス中にめっき処理部内で整流器異常等が発生したとき、当該基板を救済するためにはそのプロセスを中断して直ちに他の同種別めっき処理部に移してプロセスを継続するか、或いは基板回収容器へ回収する必要がある。しかしながら、現状のスケジューラではそのためのスケジューリング手段を備えていないため、不良基板を発生させないためには、一旦後続の新規基板の処理開始を停止して不良基板及び処理中の基板を装置制御コントローラの制御によって基板収納容器へ回収し、装置内に基板が無くなった状態から後続の新規基板を投入する必要がある。従って生産量が大きく低下する。
また、基板のプロセス中にめっき処理部に故障が発生して、当該めっき処理部がそれ以降使用できなくなったとき、現状のスケジューラではめっき処理部の使用・不使用設定を動的に変更して後続基板を継続して処理することができない。その結果、当該めっき処理部の設定を変更するために、装置への新規基板の投入を一旦止めて装置を停止する必要があり、生産量(基板のめっき処理量)が大きく低下する。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、新たに投入する基板に対して通常処理の基板搬送スケジュールを作成するだけでなく、故障が発生した場合にも容易に、且つ高い生産量を維持できる基板の搬送スケジュールを作成できるスケジューラ、スケジューラを用いた基板処理装置、及び基板処理装置の運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板の処理を行う複数の基板処理部と、基板を搬送する搬送部と、搬送部での基板の搬送と前記基板処理部での基板処理を制御する制御部を備えた基板処理装置の制御部に内蔵され、基板搬送スケジュールを計算するスケジューラであって、新たに投入する基板に対する基板搬送スケジュールをシミュレーション法で順次計算し、更に装置内に故障が発生した際、その状態を初期状態として基板搬送スケジュールを再計算する機能を備え、基板搬送スケジュールは、新たに基板を投入又は正常に処理中の基板の搬送を優先するか故障が起きた基板処理部の基板を取り出して搬送することを優先するかを判断する機能を備え、新たに基板を投入又は正常に処理中の基板の搬送を優先すると判断した場合は、新たに基板を投入又は正常に処理中の基板の搬送をするときに所定のプロセス制約条件を満たし、且つ目標スループット以上で予め基板ごとに設定された条件で処理プロセスを実行しながら、故障が起きた基板処理部の基板を取り出して、他の正常で且つ使用可能な基板処理部に搬送して処理を継続するか、或いは水洗及び乾燥後に基板収納容器へ回収することを特徴とする。
また、本発明は、上記スケジューラにおいて、搬送シミュレーション法は、前回の搬送スケジューリングで作成済の基板の搬送スケジュールに従った投入スケジューリング済(以下、本明細書では「投入済」と記す)基板搬送に対する新規投入基板の搬送スケジュールの優先順位、及び投入済基板の搬送が新規投入基板搬送の割り込みにより影響を受け搬送遅延が発生する場合の遅延許容時間をパラメータとして、それらのパラメータに対して装置の設計時点で最適化しておいた設定値を使用することにより、目標スループットに達する搬送スケジュールを作成することを特徴とする。
また、本発明は、上記スケジューラにおいて、基板搬送スケジュールは、故障が起きた基板、又は機器故障により装置が停止して基板処理部に残留した基板を回収しながら新たな基板の投入を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記スケジューラにおいて、基板搬送スケジュールは、故障が起きた基板処理部の基板を取り出して、他の正常で且つ使用可能な基板処理部に搬送して処理を継続すると共に、並行して新たな基板を処理投入することを特徴とする。
また、本発明は、上記スケジューラにおいて、新たに投入する基板に対する全ての処理プロセス、回収する基板の回収開始処理部より下流側の処理プロセス、及び前回以前の基板投入スケジューリングにより基板搬送スケジュールを作成済の基板に対する全ての処理プロセスについて、処理プロセス制約条件を満たすように基板搬送スケジュールのスケジューリングをすることを特徴とする。
また、本発明は、基板処理を行う複数の基板処理部と、基板を搬送する搬送部と、搬送部での基板搬送と基板処理部での基板処理を制御する制御部を具備する基板処理装置の運転方法において、新規投入基板の基板搬送スケジュールを順次計算して、故障が起きた際に制御部にてその状態を初期状態とし基板搬送スケジュールを再計算することを特徴とする。
また、本発明は、基板を搬送する搬送部と、基板処理を行う複数の基板処理部と、搬送部での基板搬送と基板処理部での基板処理を制御する制御部を具備する基板処理装置において、制御部に内蔵するスケジューラとして、上記いずれかの発明に係るスケジューラを用いたことを特徴とする。
本発明は、基板搬送スケジュールの計算方法に、シミュレーション法を採用することにより、新たに投入する基板に対して通常処理の基板搬送スケジュールを作成するだけでなく、故障が発生した場合にも容易に基板搬送スケジュールを作成することが可能になる。
本発明は、故障の復旧後に、装置内に残留した基板を回収しながら、新規の基板を投入できるような基板の搬送スケジューリングを行うことにより、基板回収に要する時間を削減して生産量を向上させることができる。
基板処理中の基板処理部で機器の故障が発生して、当該基板処理部をそれ以降使用できなくなった場合、当該基板処理部を自動的に使用不可に設定して後続基板を継続して処理することを可能にする基板の搬送スケジューリングを行うことにより、装置を停止させて基板を回収する時間を削減して生産量を向上させることができる。
処理プロセス不良が発生した場合、装置内にある他の基板の処理プロセス制約条件(処理プロセスが終了してから次の処理プロセスを開始するまでのプロセス時間間隔の許容値等)を満たしながら、当該基板を優先的に処理プロセスの継続が可能な他の同種別基板処理部へ移動させるか、或いは基板収納容器へ回収するためのスケジューリングを行うことにより、当該基板の処理プロセスのダメージを可能な限り少なくして不良発生基板の発生を抑制することができると共に、生産量の向上も図ることができる。
図1は本発明の実施例1に係るめっき装置の構成例を示す模式図である。 図2はめっき装置の制御部のハードウエア構成の一例を示す図である。 図3はプロセス制約条件の定義を説明するための図である。 図4は生産量の定義を説明するための図である。 図5はスケジューラのアーキテクチャを示す図である。 図6は基板搬送スケジューラのモジュール構成を示す図である。 図7は本発明に係るスケジューラのスケジューリングプロセスのメイン処理のフローを示す図である。 図8は新規基板投入処理(図7のST21)のフローを示す図である。 図9は装置停止からの生産再開処理(図7のST22)のフローを示す図である。 図10はユニット使用不可設定変更処理(図7のST23)のフローを示す図である。 図11はプロセスNG基板回収処理(図7のST24)のフローを示す図である。 図12は新規基板投入搬送シミュレーション処理(図8のST21−3、ST21−6、図10のST23−9)のフローを示す図である。 図13は生産再開基板回収搬送シミュレーション処理(図9のST22−6)のフローを示す図である。 図14はプロセスNG基板継続搬送シミュレーション処理(図11のST24−3)のフローを示す図である。 図15はプロセスNG基板回収搬送シミュレーション処理のフロー(図10のST23−5、図11のST24−5)を示す図である。 図16は搬送シミュレーション初期化処理(図12のST101)のフローを示す図である。 図17は生産再開残留基板回収、搬送シミュレーション初期化処理(図13のST201、図15のST401)のフローを示す図である。 図18はプロセスNG基板継続搬送シミュレーション初期化処理(図14のST301)のフローを示す図である。 図19は搬送シミュレーション時刻計時処理(図12のST102、図13のST202、図14のST302、図15のST402)のフローを示す図である。 図20はロードポート新規投入基板又は投入済基板投入開始処理(図12のST103)のフローを示す図である。 図21はユニットステータス更新処理(図12のST104、図13のST203、図14のST303、図15のST403)のフローを示す図である。 図22は搬送機ステータス更新処理(図12のST105、図13のST204、図14のST304)のフローを示す図である。 図23は新規投入基板搬送開始判定処理(図12のST106)のフローを示す図である。 図24は新規回収指定基板搬送開始処理(図13のST205、図15のST405)のフローを示す図である。 図25は新規継続指定基板搬送開始判定処理(図14のST305)のフローを示す図である。 図26は投入済基板搬送開始判定処理(図12のST107)のフローを示す図である。 図27は回収SCH済基板搬送開始判定処理(図13のステップST206)のフローを示す図である。 図28は投入済基板搬送開始判定処理(図14のST306、図15のST406)のフローを示す図である。 図29は投入済基板搬送開始判定処理(図12のステップST108、図13のST207、図14のST307、図15のST407)のフローを示す図である。 図30は新規投入基板搬送エラー処理(図12のステップST109)フローを示す図である。 図31は新規回収指定基板搬送エラー処理(図13のST208、図15のST408)のフローを示す図である。 図32は新規継続指定基板搬送エラー処理(図14のST308)のフローを示す図である。 図33は搬送シミュレーション状態を指定領域へコピーする処理(図12のST110)のフローを示す図である。 図34は搬送シミュレーション終了処理(図12のST112、図13のST210、図14のST310、図15のST410)のフローを示す図である。 図35は装置停止状態からの生産再開を説明するための概念図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本実施の形態では、基板処理装置として半導体基板にめっき処理を行うめっき装置を例に説明するが、本発明に係る基板処理装置はこれに限らず、例えば、ガラス基板に対してLCD製造用の処理を行う基板処理装置等各種の基板処理装置に適用できる。
図1は本発明の実施例に係るめっき装置の構成例を示す模式図である。本めっき処理装置10はロードポート11を備え、内部にロードロボット12、基板位置決め台13、洗浄乾燥機14、締付ステージ15a、15b、複数のストッカ16を備えた基板ホルダー貯留領域25、前水洗槽17、前処理槽18、水洗槽19、粗乾燥槽(ブロー槽)20、水洗槽21、複数のめっき槽22を備えためっき領域26、2台の搬送機23、24が配置された構成である。図1において、矢印Aは基板のロード移送行程を、矢印Bは基板のアンロードの移送行程を示す。ロードポート11には複数枚の未処理基板を収納した基板収納容器、複数枚の処理済基板を収納する基板収納容器が載置されるようになっている。
上記構成のめっき処理装置10において、ロードロボット12はロードポート11に載置された基板収納容器から未処理の基板を取り出し、基板位置決め台13に載置し、ノッチ、オリフラ等を基準に基板の位置決めを行う。次にロードロボット12は基板を締付ステージ15a、15bに移送し、該締付ステージ15a、15bで基板ホルダー貯留領域25のストッカ16から取り出した基板ホルダーに基板を装着する。ここでは2台の締付ステージ15a、15bでそれぞれの基板ホルダーに基板を装着し、2つの基板ホルダーを1組として搬送するようになっている。基板ホルダーに装着された基板は搬送機23により、前水洗槽17に移送され該前水洗槽17で前水洗処理された後、前処理槽18に移送され、該前処理槽18で前処理された後、更に水洗槽19に移送され、該水洗槽19で水洗処理される。
水洗槽19で水洗処理された基板は搬送機24でめっき領域26のいずれかのめっき槽22に移送され、めっき液に浸漬される。ここでめっき処理が施され基板に金属膜が形成される。該金属膜が形成された基板は搬送機24により水洗槽21に移送され、該水洗槽21で水洗処理された基板は粗乾燥槽(ブロー槽)20に移送され、該粗乾燥槽20で粗乾燥処理を施された後、搬送機23により締付ステージ15a、15bに移送され、ここで基板は基板ホルダーから外される。基板ホルダーから外された基板は、ロードロボット12で洗浄乾燥機14に移送され、洗浄・乾燥処理を施された後、ロードポート11に載置されている所定基板収納容器の所定位置(上記未処理基板を取り出した基板収納容器の未処理基板を取り出した位置又は別途載置された処理終了後の基板(処理済基板)を収納する基板収納容器の所定位置)に収納される。
上記ロードロボット12、搬送機23、及び搬送機24による矢印Aに示す基板のロード移送行程の搬送制御、及び矢印Bに示す基板のアンロードの移送行程の搬送制御は、後述する制御部の制御により行う。図2は制御部のハードウエア構成の一例を示す図である。図示するように、制御部30は、中央処理装置(CPU)31、キーボード、マウス等のポインティングデバイスや他のコンピュータ内に格納されたデータを読み込むための通信装置等の入力装置32、及び共有記憶装置33を備えている。共有記憶装置33はROM33−1、メモリ33−2、ハードディスク33−3を備えている。また、制御部30は入出力インターフェース34を介して装置制御用コントローラ35に接続されている。CPU31からの制御信号は入出力インターフェース34を介して装置制御用コントローラ35に送られることにより、装置制御用コントローラ35を介してロードロボット12、搬送機23、及び搬送機24が制御される。
上記構成のめっき装置において、「新規基板投入」、「搬送機器/プロセス機器異常」、「基板ホルダー不良」、及び「めっき槽整流器異常」のイベントが発生した場合、それぞれ下記のように、「新規基板投入搬送シミュレーション処理」、「搬送機器/プロセス機器異常処理」、「基板ホルダー不良処理」、「めっき槽整流器異常処理」を行う。
〔新規基板投入の搬送シミュレーション〕
新規基板投入の搬送シミュレーションは、下記1)〜4)の手法により搬送シミュレーションを行い、基板搬送スケジュール(基板搬送実行時刻テーブル)を再作成する。
1)新規基板を1枚又は複数枚1組(本実施例では2枚1組)ずつ投入するための搬送シミュレーションを行う。
2)搬送シミュレーションは、仮想的な装置モデルを制御部30内に生成し、投入済基板は前回の新規基板投入スケジューリングで作成済の基板搬送スケジュールに従って搬送を行い、また新規投入基板はユニット処理終了条件及び搬送条件を満たした搬送シミュレーションを行って、新たな基板搬送スケジュール(基板搬送実行時刻テーブル)を作成する。
3)搬送シミュレーションでは、新規投入基板が基板収納容器から投入されてプロセス終了後に指定した基板収納容器へ戻ってくることを前提とする。
4)搬送シミュレーションでは、各々の投入基板に対して予め制御部30側で設定されたプロセスレシピ条件に従って搬送処理を行う。また、レシピ時間設定が0のユニットを飛び越す処理も含む。
〔搬送機器/プロセス機器(モータ、ポンプ、恒温器、センサー他)異常〕
搬送機器/プロセス機器異常が発生した場合は、装置は新たな基板の投入を中止して、装置内で処理中の基板を限界まで処理を続行した後に停止する。その後、作業者によって操作パネルの生産再開ボタンが押されたときに、めっき領域26のめっき槽22に滞留している基板を回収しながら新たな基板の投入を行い、通常生産を行うための基板搬送スケジュールを搬送シミュレーションにより作成する。(以下「装置停止からの生産再開処理」と記載する)。但し、全ての回収基板に対して、残留めっき槽22から下流のプロセスにおいてプロセス制約条件を満たすように計算する。
〔基板ホルダー不良〕
めっき通電不良が頻発し、基板ホルダー不良と判定された場合、該不良と判定された基板ホルダーを使用不可として基板ホルダー貯留領域25のストッカ16へ戻し、その後は装置停止するまで使用を禁止する。それに伴い、使用不可とされた基板ホルダーを使用予定していた投入済基板及び未処理基板が使用する基板ホルダーを他の使用可能な基板ホルダーへ変更して、基板搬送スケジュールを再作成する。(以下、「ユニット(基板処理部)使用不可設定変更処理」と記載する)。その後に装置の制御部30から新たな基板を投入する要求があったときには、搬送シミュレーションによってそのための基板搬送スケジュール(基板搬送実行時刻テーブル)を作成する。
〔めっき槽整流器異常〕
めっき槽整流器異常が発生した場合は、めっき通電処理を中断して、その故障が発生しためっき槽22の基板を別の正常なめっき槽22に移して通電めっき処理するか、或いは該基板を水洗槽21、粗乾燥槽20、洗浄乾燥機14により、水洗及び乾燥処理の後に基板収納容器11へ回収するための基板搬送スケジュールを作成する。(以下、「プロセスNG基板回収処理」と記載する)。但し、他の正常な処理中基板の基板搬送スケジュールを乱さず、プロセス制約条件を満たすように計算する。また、故障が発生しためっき槽22の1列を「使用不可」設定に切り替えて後続の基板が投入されるのを禁止する。それに伴い、使用不可とされためっき槽22を使用予定していた投入済基板及び未処理基板の使用処理槽を他の使用可能なめっき槽22へ変更して、基板搬送スケジュールを再作成、即ちユニット(基板処理部)使用不可設定変更処理をする。その後に制御部30から新たな基板を投入する要求があったときには、搬送シミュレーションによってそのための基板搬送スケジュールを作成する。(以下、「新規基板投入処理」と記載する。)
本実施例では、線形計画法の代わりに搬送シミュレーション法を採用し、厳しいプロセス制約条件を満たしながら、高い生産量を実現するため、以下(1)乃至(3)に示す解決策を実行した。ここで、厳しいプロセス制約条件とは、プロセスが終了してから次のプロセスを開始するまでのプロセス時間間隔のことであり、図3に示すように、Lユニットレシピ処理からMユニットレシピ処理に移るプロセス時間間隔TPは、
P=後処理時間T1+取出待ち時間T2+搬送時間T3+前処理時間T4
である。通常、めっき処理では、後処理時間T1及び前処理時間T4は0(T1=0,T4=0)、搬送時間T3はめっき槽22のどの列から取り出すかにより異なる。そこで、プロセス時間間隔TPを超えないように取出待ち時間T2を調整してスケジューリングする。
また、生産量とは、狭義的には、通常搬送時に単位時間当たりに処理できる基板の枚数のことであり、スループットと呼ぶが、ここでは、図4に示すように、故障発生から復旧時間(故障原因究明時間+故障修理時間+基板回収時間)を含めた広義の単位時間当たりの基板処理量である。
(1)故障の復旧後に、めっき処理装置内に残留した基板を回収しながら、新規の基板を投入できるような搬送スケジュールを行うことで、基板回収に要する時間を削減して基板の生産量を向上させる。
(2)基板のめっき処理中に故障が発生して、当該基板のめっき処理中の処理ユニット(めっき槽22)がそれ以降使用できなくなった場合に、当該処理ユニットを動的に使用不可に設定し、後続基板を継続してめっき処理することを可能にする搬送スケジューリングを行う。これにより、めっき処理装置を停止させて基板を回収する時間を削減して基板の生産量を向上させる。
(3)めっき処理プロセス不良が発生した場合、めっき処理装置内にある他の基板のめっき処理プロセス制約条件を満たしながら、該当基板を優先的にプロセスの継続が可能な他の同種別処理ユニットへ移動させるか、或いは基板収納容器へ回収するための搬送スケジュールを行うことにより、該当基板のプロセス的なダメージを可能な限り少なくして不良の発生を抑制する。
制御部30は、後に詳述するように、「新規基板投入処理」、「装置停止からの生産再開処理」、「ユニット(基板処理部)使用不可設定変更処理」、「プロセスNG基板回収処理」を行う機能を有し、それぞれの基板搬送シミュレーションを行い基板の搬送スケジュールを作成する。
図5は上記基板の搬送スケジュールを作成するスケジューラのアーキテクチャを示す図である。図示するように、本スケジューラ40はコントロールプロセス41、初期化プロセス42、スケジューリングプロセス43、インターフェースプロセス44を備える。コントロールプロセス41はスケジューリングプロセス43とインターフェースプロセス44を起動し、スケジューリングプロセス43とインターフェースプロセス44との間のデータ送受信(データ読み込み/書き込み)をハンドシェークで行う。初期化プロセス42は共有記憶装置33を初期化する。インターフェースプロセス44は装置制御用コントローラを備えた装置制御部50との通信、及びスケジューリングプロセス43へのイベント通知、基板の搬送スケジュールの送受信を行う。スケジューリングプロセス43はインターフェースプロセス44からのイベント受信、搬送スケジュール計算、及び計算して作成した搬送スケジュールの送信を行う。共有記憶装置33はインターフェースプロセス44、及びスケジューリングプロセス43で、パラメータ設定やレシピ設定、基板の搬送スケジュール等の各種データを受け渡す。
図6は基板搬送スケジューラのモジュール構成を示す図である。基板搬送スケジューラは、装置内のイベントに応じて基板搬送シミュレーションを行い、下記a)〜d)の機能を実現する。
a)新規基板投入スケジューリング機能(新規基板のプロセスレシピ条件に対応した基板搬送スケジュールを作成する機能)
b)生産再開スケジューリング機能(装置が故障停止した後、装置内に残留した全ての基板を回収するための基板搬送スケジュールを作成する機能)
c)ユニット使用・不使用動的切替機能(ユニット(基板処理部)設定切替と同時に、設定変更されたユニットを使用予定していた投入済基板、及び未処理基板の使用ユニットを変更する基板搬送スケジュールを作成する機能)
d)プロセスNG基板の回収スケジューリング機能((めっき)プロセス不良と判定された基板に関して、他の正常な基板のプロセスを継続しながら、迅速に他のプロセス継続が可能な同種別ユニットへ移動させるか、或いは水洗乾燥後基板収納容器へ回収する基板搬送スケジュール作成機能))
図7はスケジュールリングプロセスのメイン処理のフローを示す図である。ステップST1で装置制御部50の装置制御用コントローラ(図5参照)からスケジューラコマンドを受信し、ステップST2に移行する。該ステップST2では、装置始動開始要求有りかを判断し、有り(Y)の場合はステップST3に移行し、無し(N)の場合は上記ステップST1に戻る。ステップST3では、装置始動処理を行い、ステップST4に移行する。該ステップST4では、装置制御部50の装置制御用コントローラからスケジューラコマンドを受信し、ステップST5に移行する。
ステップST5では、装置コマンドの種類を判断し、装置コマンドが「新規基板投入」、「装置生産再開」、「ユニット使用不可動的切替」、「プロセスNG発生」かにより、それぞれステップST21の「新規基板投入処理」、ステップST22の「装置停止からの生産再開処理」、ステップST23の「ユニット使用不可設定変更処理」、ステップST24の「プロセスNG基板回収処理」を行い、ステップST30に移行する。また、ステップST5で装置コマンドが無い場合、ステップST30に移行する。
ステップST30では、装置内に処理中基板が有りか又は処理予定基板が有るかを判断し、有る(Y)の場合は、ステップST31に移行し、無い(N)の場合はステップST32に移行する。ステップST31では、装置制御部50の装置制御用コントローラに基板搬送スケジュール変更を送信し、ステップST32に移行する。ステップST32では、装置始動要求があるかを判断し、有る(Y)の場合はステップST33に移行し、スケジューラ40のスケジューリングプロセス43のスケジューラ演算部停止処理を行う。また、装置始動要求が無い(N)の場合は、上記ステップST4に戻る。以下、上記「新規基板投入処理」、「装置停止からの生産再開処理」、「ユニット使用不可設定変更処理」、「プロセスNG基板回収処理」について詳細に説明する。
図8は新規基板投入処理(図7のステップST21)のフローを示す図である。先ずステップST21−1は、装置内に先行処理中基板が有るかを調べ、無い(N)場合はステップST21−2に移行し、有り(Y)の場合はステップST21−4に移行する。ステップST21−2で搬送シミュレーションデータ初期化を行い、ステップST21−3に移行する。該ステップST21−3では先頭新規基板投入搬送シミュレーションを行い、ステップST21−4に移行する。
ステップST21−4では、後続基板同一レシピ投入かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST21−5に移行し、ノー(N)の場合はステップST21−6に移行する。ステップST21−5では、スループット検証を行い、最大スループットパラメータを選択し、ステップST21−6に移行する。該ステップST21−6では後続新規基板投入搬送シミュレーションを行い、ステップST21−7に移行する。該ステップST21−7では基板搬送スケジュール更新を行う。
図9は装置停止からの生産再開処理(図7のステップST22)のフローを示す図である。装置停止からの生産再開処理では、先ずステップST22−1で装置制御用コントローラの装置内残留基板位置データを読み込み、ステップST22−2に移行する。該ステップST22−2では搬送シミュレーションデータ初期化を行いステップST22−3に移行する。該ステップST22−3では装置最下流側未回収残留基板の検索を行いステップST22−4に移行する。該ステップST22−4では未回収残留基板が有るかを判断し有り(Y)の場合はステップST22−5に移行し、ノー(N)の場合はステップST22−7に移行する。ステップST22−5では新規回収対象基板を指定し、ステップST22−6に移行する。該ステップST22−6では回収指定残留基板回収搬送シミュレーションを行い、ステップST22−3に戻る。ステップST22−7では、基板搬送スケジュール更新を行う。
図10はユニット使用不可設定変更処理(ユニット使用不可設定動的切替処理)(図7のステップST23)のフローを示す図である。ユニット使用不可設定変更処理では、先ずステップST23−1で対象ユニットの使用・不使用設定切替を行い、ステップST23−2に移行する。該ステップST23−2では、当該ユニット変更後設定が使用か不使用かを判断し、不使用の場合はステップST23−3に移行する。該ステップST23−3では当該ユニット使用予定基板上流側検索を行い、使用予定基板有りの場合はステップST23−4に移行し、使用予定基板無しの場合はステップST23−7に移行する。ステップST23−4では同種別使用可能代替ユニットを検索し、無の場合はステップST23−5に移行し、有の場合はステップST23−6に移行する。
ステップST23−5では、プロセスNG基板回収搬送シミュレーションを行いステップST23−7に移行する。また、ステップST23−6では、当該ユニット使用予定上流基板の基板搬送スケジュールを代替ユニット使用へ変更し、ステップST23−7に移行する。ステップST23−7では、当該ユニット使用予定基板処理開始前検索を行い、処理開始前基板有りの場合はステップST23−8に移行し、処理開始前基板無しの場合はステップST23−10に移行する。ステップST23−8では処理開始前基板の基板搬送スケジュールを削除し、ステップST23−9に移行する。該ステップST23−9では処理開始前基板再投入シミュレーションを行いステップST23−10に移行する。該ステップST23−10では、基板搬送スケジュールの更新を行う。
図11はプロセスNG基板回収処理(図7のステップST24)のフローを示す図である。プロセスNG基板回収処理では、先ずステップST24−1でNG対象基板の基板搬送スケジュールを削除し、ステップST24−2に移行する。該ステップST24−2では、同種別の使用可能代替ユニットを検索し、同種別の使用可能代替ユニットが有ったらステップST24−3に移行し、無かったらステップST24−5に移行する。このプロセス異常発生ユニットと同種別で代替ユニットが存在するかどうかの判定は、上流側又は基板収納容器に代替ユニットを使用する予定の正常基板が存在しないこと、或いは存在した場合には代替ユニットを使用予定の基板がそこへ到着する前にプロセスNG基板の代替ユニットでのプロセスが終了するタイミングであれば「有」と看做す。
ステップST24−3では、プロセスNG基板代替ユニットプロセス継続搬送シミュレーションを行い、ステップST24−4に移行する。プロセスNG基板をプロセス制約時間内に異常ユニットから代替ユニットへ搬送してプロセス継続を行い、他の正常基板のプロセス制約条件を守りながら、プロセスNG基板を含め全ての基板を正常に基板収納容器へ戻すための搬送シミュレーションを行う。ここで搬送シミュレーションの方法の詳細は生産再開における「残留回収シミュレーション」と同様である。
ステップST24−4では、プロセス継続搬送シミュレーションが成功したか否かを判定し、イエス(Y)であったらステップST24−6に移行し、ノー(N)であったらステップST24−5に移行する。本判定では、上記搬送シミュレーションでプロセスNG基板を含め全ての基板がプロセス制約条件を守って正常にロードポートへ戻ったかどうかを判定する。
ステップST24−5ではプロセスNG基板回収搬送シミュレーションを行い、ステップST24−6に移行する。プロセスNG基板を異常発生ユニットから取り出して水洗、乾燥処理を経由してロードポートへ戻すための搬送シミュレーションを行う。他の正常基板はプロセス継続を行う。ここで搬送シミュレーションの方法の詳細は生産再開における「残留回収シミュレーション」と同様である。ステップST24−6では、基板搬送スケジュール更新を行う。
以下、上記各処理について説明する。図12は新規基板投入搬送シミュレーション処理(図8のST21−3、ST21−6、図10のST23−9)のフローを示す図である。図12において、Nは基板収納容器(ロードポート11)数、UNIT_NUMはユニット(めっき槽22を含む全ての処理槽、ロードユニットの合計)総数、TRF_NUMは搬送機台数を示す。先ずステップST101では、搬送シミュレーションの始めに、ユニット(めっき槽22)情報や搬送機(ロードロボット12、搬送機23、24)情報、投入済基板搬送スケジュールを参照するポインタを初期化し、搬送シミュレーション初期化を行い、ステップST102の搬送シミュレーション時刻計時処理に移行する。ステップST102の搬送シミュレーション時刻計時処理では、搬送機やユニット処理の次のステータス移行イベントまでの最小残り時間を検索し計時処理を行い、ステップST103、104に移行する。
ステップST103では、基板収納容器での新規投入基板又は投入済基板の投入開始処理を行い、ステップST104では、全プロセスユニットにおいて処理ステータスの更新処理を行い、ステップST105に移行する。該ステップST105では、全ての搬送機において、搬送ステータスの更新処理を行いステップST106に移行する。該ステップST106では、プロセスユニット又は搬送機に存在する新規投入基板に関して、搬送開始のための判定処理を行い、ステップST107に移行する。該ステップST107では、基板搬送スケジュールの参照ポインタが参照する投入済基板に関して、次の搬送開始のための判定処理を行い、ステップST108に移行する。
ステップST108では、新規投入基板又は投入済基板に関して搬送開始判定処理により搬送開始を要求された基板の搬送開始処理を行い、ステップST109に移行する。ステップST109では、上記ステップST104の処理ステータス更新処理又はステップST105の搬送機ステータス更新処理においてプロセス制約条件を逸脱したエラーが発生した場合には、搬送シミュレーションデータを初期状態に復元してロード開始時刻を遅延する搬送エラー処理を行い、ステップST110に移行する。該ステップST110では、ロードポート11において処理開始要求をONにした後に搬送シミュレーションのロード前状態記憶要求が発生したときには、現在の搬送シミュレーションデータをロード前状態の記憶領域へコピーする処理を行い、ステップST111に移行する。
ステップST111では、搬送シミュレーション装置内にプロセス中の新規投入又は投入済の基板が存在するかを検索し、有り(Y)の場合はステップST102に戻り、無し(N)の場合、即ち新規基板及び投入済基板の搬送が全てプロセス制約を満たして正常に処理終了して指定基板収納容器へ戻ったことを確認したら、ステップST112に移行し、搬送シミュレーション終了処理を行う。この搬送シミュレーション終了処理では、新規に作成された基板搬送スケジュールを投入済基板搬送スケジュール変数領域に上書きコピーする。
図13は図9のステップST22−6の生産再開基板回収搬送シミュレーション処理フローを示す図である。先ずステップST201では、搬送シミュレーション初期化し、ステップST202に移行する。ステップST202では搬送シミュレーション時刻計時を行い、ステップST203に移行する。ステップST203ではプロセスユニットステータス更新処理を行い、ステップST204に移行する。ステップST204では搬送機ステータス更新処理を行い、ステップST205に移行する。ステップST205では、装置内残留新規回収指定基板搬送開始判定処理を行い、ステップST206に移行する。ステップST206では、装置内残留回収SCH済基板搬送開始判定処理を行い、ステップST207に移行する。
ステップST207では、新規回収指定基板、又は回収SCH済基板搬送機開始処理を行い、ステップST208に移行する。ステップST208では、残留基板回収シミュレーション搬送エラー処理を行い、ステップST209に移行する。ステップST209では搬送シミュレーション装置内に回収中基板が有るかを判断し、イエス(Y)の場合は前記ステップST202に移行し、上記処理を行い、ノー(N)の場合はステップST210に移行する。ここでの回収中基板検索では、回収スケジューリング(SCH)をまだ行っていない装置内残留基板を除外する。ステップST210では、搬送シミュレーション終了処理を行う。
図14は図11のステップST24−3のプロセスNG基板継続搬送シミュレーションフローを示す図である。先ずステップST301で搬送シミュレーション初期化を行い、ステップST302に移行する。ステップST302では、搬送シミュレーション時刻計時を行い、ステップST303に移行する。ステップST303では、プロセスユニットステータス更新処理を行いステップST304に移行する。ステップST304では、搬送機ステータス更新処理を行いステップST305に移行する。ステップST305では、プロセスNG新規継続指定基板搬送開始判定処理を行いステップST306に移行する。
ステップST306では、投入済基板搬送開始判定処理を行いステップST307に移行する。ステップST307では、プロセスNG継続指定基板、又は投入済基板搬送機開始処理を行いステップST308に移行する。ここでの「投入済基板」は、新規投入基板又は回収指定基板としてスケジューリング済の全ての基板を指す。ステップST308では、プロセスNG基板継続シミュレーション搬送エラー処理を行いステップST309に移行する。ステップST309では、搬送シミュレーション装置内に搬送処理中基板があるかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST302に移行し、ノー(N)の場合はステップST310に移行し、搬送シミュレーション終了処理を行う。
図15は図10のステップST23−5、図11のステップST24−5のプロセスNG基板回収搬送シミュレーションフローを示す図である。先ずステップST401では、搬送シミュレーション初期化を行いステップST402に移行する。ステップST402では搬送シミュレーション時刻計時を行いステップST403に移行する。ステップST403では、プロセスユニットステータス更新処理を行いステップST404に移行する。ステップST404では、搬送機ステータス更新処理を行いステップST405に移行する。ステップST405では、プロセスNG新規回収指定基板搬送開始判定処理を行いステップST406に移行する。
ステップST406では、投入済基板搬送開始判定処理を行いステップST407に移行する。ステップST407では、新規回収指定基板、又は投入済基板搬送機開始処理を行いステップST408に移行する。ここでの「投入済基板」は、新規投入基板又は回収指定基板としてスケジューリング済の全ての基板を指す。ステップST408では、プロセスNG基板回収シミュレーション搬送エラー処理を行いステップST409に移行する。ステップST409では、搬送シミュレーション装置内に処理中の基板が有るかを判断し、イエス(Y)の場合は、ステップST402に移行し、ノー(N)の場合は、ステップST410に移行し、搬送シミュレーション終了処理を行う。
図16は図12のステップST101の搬送シミュレーション初期化フローを示す図である。先ずステップST101−1では、搬送シミュレーション状態を前回投入済基板のロード前状態へ初期化し、ステップST101−2に移行する。ここで搬送シミュレーション状態には、全てのユニット情報データ、搬送機情報データ、その他搬送シミュレーションに必要なデータを含む。初期化は、前回投入基板の搬送シミュレーション開始時に記憶領域にコピー(ステップST101−7)しておいたデータセットを搬送シミュレーション変数領域へ上書きコピーする。ステップST101−2では、投入済基板搬送スケジュールの参照ポインタを新規投入基板ロード前状態へ初期化し、ステップST101−3に移行する。ここで参照ポインタは、投入済基板の搬送開始を既存基板搬送スケジュールの順序に従って行うために、既存基板搬送スケジュールを順次参照するのに用いる。
ステップST101−3では、新規投入基板の前回投入済基板に対するロード待機時間を計算し、ステップST101−4に移行する。ロード待機時間下限をデフォルト値又はスループット検証結果値とする。ある複数のユニットから成る種別において全てのユニットが使用中の場合、最早に空になるユニットを検索して、そのユニットにスムーズに該当新規投入基板が収納されるロード待機時間を算出する。その計算された時間は上記下限値以上とする。ステップST101−4では、新規投入基板のロード開始時刻を前回投入済基板の開始時刻にロード待機時間を加算して設定し、ステップST101−5に移行する。
ステップST101−5では、装置現在時刻が新規投入基板ロード開始時刻を超えた(装置現在時刻>新規投入基板ロード開始時刻)かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST101−6に移行し、ノー(N)の場合はステップST101−7に移行する。ステップST101−6では、新規投入基板ロード開始時刻を装置現在時刻にマージン時間を加算して再設定し、ステップST101−7に移行する。ここでのマージン時間は、装置現在時刻にスケジューリングを開始して終了するまでの余裕をみた所要時間として予め定数設定しておいたものを用いる。なお、装置現在時刻は、装置制御用コントローラ50より読み込むものとする。ステップST101−7では搬送シミュレーション状態変数データを全てロード前の記憶領域へコピーする。
図17は図13のステップST201、図15のステップST401の生産再開残留基板回収、プロセスNG基板回収搬送シミュレーション初期化フローを示す図である。先ずステップST201−1では、搬送シミュレーション状態を新規回収指定基板の回収開始前状態に初期化しステップST201−2に移行する。ステップST201−2では、投入済基板搬送スケジュールの参照ポインタを前回投入SCH済基板のロード開始前状態へ初期化し、ステップST201−3に移行する。ステップST201−3では、前回投入SCH済基板のロード開始前における時刻を現在シミュレーション時刻に設定し、ステップST201−4に移行する。ステップST201−4では、新規回収指定基板の回収搬送順序及びプロセス条件を作成し、ステップST201−5に移行し、該ステップST201−5で搬送シミュレーション状態変数データを全て回収開始前の記憶領域にコピーする。
図18は図14のステップST301のプロセスNG基板継続搬送シミュレーション初期化フローを示す図である。先ずステップST301−1では、搬送シミュレーション状態を新規継続指定基板の搬送開始前状態へ初期化し、ステップST301−2に移行する。ここで搬送シミュレーション状態には、全てのユニット情報データ、搬送機情報データ、その他搬送機シミュレーションに必要なデータを含む。また、初期化は、前回回収SCH済基板の搬送シミュレーション開始時に記憶領域にコピー(図17のステップST201−5)しておいたデータセットを搬送シミュレーション変数領域へ上書きコピーする。ステップST301−2では、投入済基板搬送スケジュールの参照ポインタを前回投入SCH済基板のロード開始前状態へ初期化し、ステップST301−3に移行する。ここで参照ポインタは、投入済基板の搬送開始を既存基板搬送スケジュールの順序に従って行うために、既存基板搬送スケジュールを順次参照するのに用いる。
前記ステップST301−3では、前回投入SCH済基板のロード開始前における時刻を現在シミュレーション時刻に設定し、ステップST301−4に移行する。ここでプロセスNG基板継続搬送シミュレーションでは、新規継続指定基板の搬送順序及びプロセス条件は既に存在するので作成する必要は無い。前記ステップST301−4では、搬送シミュレーション状態変数データを全て継続開始前の記憶領域へコピーする。
図19は図12のステップST102、図13のステップST202、図14のステップST302、図15のステップST402の搬送シミュレーション時刻計時フローを示す図である。先ずステップST102−1では、ユニット次ステータス移行までの残り時間最小値を検索し、インターバル時間に設定し、ステップST102−2に移行する。ステップST102−2では新規投入基板搬送開始時刻までの残り時間がインターバル時間を超えない(新規投入基板搬送開始時刻までの残り時間<インターバル時間)かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST102−3に移行し、ノー(N)はステップST102−4に移行する。ステップST102−3では、新規投入基板搬送開始時刻までの残り時間をインターバル時間に設定し、ステップST102−4に移行し、該ステップST102−4では、搬送機の次ステータス移行までの残り時間最小値を検索し、ステップST102−5に移行する。
ステップST102−5では、搬送機の次ステータスまでの残り時間最小値がインターバル時間を超えない(残り時間最小値<インターバル時間)かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST102−6に移行し、ノー(N)のステップST102−7に移行する。ステップST102−6では、搬送機の次ステータスまでの残り時間最小値をインターバル時間に設定し、ステップST102−7に移行し、該ステップST102−7で投入済基搬送開始時刻までの残り時間最小値を検索し、ステップST102−8に移行する。ステップST102−8では、投入済基板搬送開始時刻までの残り時間最小値がインターバル時間を超えない(投入済基板搬送開始時刻までの残り時間最小値<インターバル時間)かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST102−9に移行し、ノー(N)の場合はステップST102−10に移行する。
ステップST102−9では、投入済基板搬送開始時刻までの残り時間最小値をインターバル時間に設定し、ステップST102−10に移行し、該ステップST102−10では搬送詰まりエラー監視し、ステップST102−11に移行する。搬送詰まりエラー監視は、インターバル時間が一定回数以上にわたりゼロとなる状況を監視する。もしこのような状況が発生した場合には搬送エラーとして、新規基板投入遅延時間を定数値に設定する。ステップST102−11では、搬送シミュレーション時間にインターバル時間を加算する。
図20は図12のステップST103のロードポート新規投入基板又は投入済基板投入開始処理のフローを示す図である。先ずステップST103−1では、スケジューリング投入済の処理前基板の順に次ロード基板を検索指定していき、最後尾で新規投入基板を次ロード指定とし、ステップST103−2に移行する。該ステップST103−2では、現在シミュレーション時刻が次のロード指定投入基板のロード開始時刻を経過したかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST103−3に移行し、ノー(N)の場合はステップST103−11に移行する。ステップST103−3でロードポートユニット情報にロード指定投入基板データを登録し、ステップST103−4に移行する。ステップST103−4では、新規投入基板であるかor投入済基板であるかを判断し、新規投入である場合はステップST103−5に移行し、投入済である場合はステップST103−12に移行する。
ステップST103−5では、基板収納容器からの基板投入開始から基板収納容器に戻るまでの全てのプロセスに対して、使用可能な空きユニットを検索し、ステップST103−6に移行する。該ステップST103−6では、新規投入基板に対して全てのプロセスで使用可能な空きユニットの検索が成功したかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST103−7に移行し、ノー(N)の場合はステップST103−13に移行する。ステップST103−7では、ロードポートユニットの搬送開始要求信号をONとして、ステップST103−8に移行する。該ステップST103−8では、搬送シミュレーション情報ロード前状態記憶要求をONとする。これにより搬送シミュレーションループ後方で図12のステップST110の搬送シミュレーション情報の指定記憶領域へのコピーが行われる。
また、ステップST103−11では、ロード開始時刻までの残り時間を設定する。この時は、ステップST102(図12参照)の搬送シミュレーション時刻計時における最小時間検索に使われる。また、ステップST103−12では、ロードポートユニット搬送開始要求をONとする。また、ステップST103−13では、プロセス対象種別のユニットが複数あり全て使用中の場合には、ロード開始時刻を開始可能時刻まで遅延し、ステップST103−14に移行し、該ステップST103−14でロード開始時刻までの残り時間を設定する。
図21は図12のステップST104、図13のステップST203、図14のステップST303、図15のステップST403のユニットステータス更新処理フローを示す図である。先ずステップST104−1では、ユニット処理経過時間に搬送シミュレーションインターバル時間を加算し、ステップST104−2に移行する。ステップST104−2では、ユニット処理経過時間≧次ステータス移動時間かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST104−3に移行し、ノー(N)の場合はステップST104−40に移行する。ステップST104−3では、ユニット処理ステータスを判断し、該ユニット処理ステータスが「処理中」、「処理終了」、「リセット」の場合はそれぞれステップST104−11、ステップST104−21、ステップST104−31に移行する。
ステップST104−11では、ユニット処理ステータスを「処理終了」へ変更し、ステップST104−12に移行し、基板搬送要求信号をONとする。また、ステップST104−21では、ユニット処理ステータス「リセット」移行要求ONかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST104−22に移行し、ユニット情報基板データを削除してステップST104−23に移行する。該ステップST104−23でユニット処理ステータスを「リセット」へ変更し、ステップST104−24に移行する。該ステップST104−24では次ステータス移行時間にリセット時間を加算し、ステップST104−25に移行する。該ステップST104−25では次ステータス移行時間までの残り時間を設定する。また、ステップST104−31では、ユニット処理ステータスを「処理停止」へ変更し、ステップST104−32に移行する、該ステップST104−32では、ユニット情報データを全て消去する。また、前記ステップST104−40では、次ステータス移行時間までの残り時間を設定する。
図22は図12のステップST105、図13のステップST204、図14のステップST304の搬送機ステータス更新処理フローを示す図である。先ずステップST105−1では、搬送機搬送処理経過時間に搬送シミュレーションインターバル時間を加算し、ステップST105−2に移行する。ステップST105−2では、搬送処理経過時間≧次ステータス移動時間を経過した(搬送処理経過時間≧次ステータス移動時間)かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST105−3に移行し、ノー(N)の場合はステップST105−50に移行する。ステップST105−3では搬送ステータスを判断し、該搬送ステータスが「移動中」、「取出中」、「収納中」、「退避中」により、それぞれステップST105−11、ステップST105−21、ステップST105−31、ステップST105−41に移行する。
ステップST105−11では、搬送機非干渉条件成立かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST105−12に移行し、ノー(N)の場合はステップST105−16に移行する。ステップST105−12では、搬送機搬送種別を判断し、「取出」の場合はステップST105−13に移行して搬送ステータスを「取出中」へ変更し、「収納」の場合はステップST105−14に移行し、搬送ステータスを「収納中」へ変更する。また、ステップST105−16では次ステータス移行時間を遅延更新する。
ステップST105−21では、ユニット内基板搬送要求がONかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST105−22に移行し、ノー(N)の場合はステップST105−25に移行する。ステップST105−22では、ユニット処理ステータスを「リセット」移行要求し、ステップST105−23に移行し、搬送ステータスを「停止中」へ変更(搬送終了)し、ステップST105−24に移行し、該ステップST105−24でプロセス後放置時間上下限搬送エラーを監視する。また、ステップST105−25では、次ステータス移動時間にユニット処理残り時間分を遅延加算する。
ステップST105−31では、搬送基板データをユニット情報へコピーし、ステップST105−32に移行する。ステップST105−32では、収納ユニットをステータス「処理中」へ移行プロセスを起動し、ステップST105−33に移行する。ステップST105−33では、搬送機位置が干渉領域外かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST105−34に移行し、ノー(N)の場合はステップST105−36に移行する。ステップST105−34では搬送ステータスを「停止中」へ変更(搬送終了)し、ステップST105−35に移行する。該ステップST105−35では搬送機時情報データを全て消去し、ステップST105−37に移行する。ステップST105−37では、プロセス時間間隔上下限搬送エラー監視し、ステップST105−38に移行する。該ステップST105−38では、搬送機保持時間上限搬送エラー監視する。また、ステップST105−36では搬送ステータスを「退避中」へ変更する。
ステップST105−41では、搬送機現在位置データを待機位置へ変更し、ステップST105−42に移行する。ステップST105−42では、搬送ステータスを「停止中」へ変更(搬送終了)し、該ステップST105−43で搬送機情報データを全て消去する。また、前記ステップST105−50では、次ステータス移行時間までの残り時間を設定する。
図23は図12のステップST106の新規投入基板搬送開始判定処理フローを示す図である。新規投入基板搬送開始判定処理は、指定搬送機が休止している場合に行うため、先ずステップST106−1では、指定搬送機停止中&搬送開始要求がOFFか判断し、イエス(Y)であったらステップST106−2に移行する。ステップST106−2では、現在シミュレーション時刻が搬送開始時刻を経過した(現在シミュレーション時刻≧搬送開始時刻)かを判断し、イエス(Y)であればステップST106−3に移行し、ノー(N)であればステップST106−9に移行する。ここで搬送開始時刻は、取出の場合はユニット情報に対してプロセスレシピ設定時間から搬送機到達の所要時間を差し引いて設定された時間を指す。また収納の場合は現在シミュレーション時刻そのものとする。ステップST106−3では搬送機非干渉条件判定処理を行い、ステップST106−4に移行する。本判定では、指定搬送機が隣接搬送機との干渉領域に入る場合、隣接搬送機が干渉領域内へアクセスしているかどうか、又はアクセスする予定の場合には指定搬送機を予約しているかを判定する。
ステップST106−4では、搬送機条件判定、取出元・収納先ユニット条件判定を行いステップST106−5に移行する。本判定では、搬送機条件として基板取出の場合には搬送機ハンドに基板を持っていないか、収納する場合に搬送機ハンドが基板を持っているかを判定する。また取出元・収納先ユニット条件として、取出元に基板が存在して収納先別に別の基板が無いかを判定する。ステップST106−5では、上記搬送機非干渉条件&搬送機条件&取出元・収納先ユニット条件の全てが成立しているかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST106−6に移行する。ステップST106−6では、新規投入基板搬送開始優先判定を行いST106−7に移行する。本判定では、その搬送をすぐ開始すると投入済基板搬送の開始時刻遅れ時間が設定許容値を越える場合、新規基板搬送を投入済基板に対して優先するかを優先順位パラメータで判定する。
ステップST106−7では、ステップST106−6の判定で、新規投入基板の搬送遅延時間が0に等しい(=0)か或いは正数値(>0)かを判断し、0の場合はステップST106−8に移行し、搬送機に対して搬送開始要求をONにする。また、正数値の場合はステップST106−10に移行し、搬送開始時間に遅延時間を加算して残り時間を設定する。この残り時間は、搬送シミュレーション時刻計時用のインターバル時間計算に用いる。
図24は図13のステップST205、図15のステップST405の新規回収指定基板搬送開始判定処理フローを示す図である。投入済基板の搬送開始判定処理は、指定搬送機が休止している場合に行うので、先ずステップST205−1では、指定搬送機停止中で搬送開始要求がOFFであるかを判断し、イエス(Y)であればステップST205−2に移行する。該ステップST205−2では、現在シミュレーション時刻が搬送開始予定時刻を経過した(現在シミュレーション時刻≧搬送開始予定時刻)かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST205−3に移行し、ノー(N)の場合はステップST205−11に移行する。ここで搬送開始予定時刻は、取出の場合はユニット情報に対してプロセスレシピ設定時間から搬送到達の所定時間を差し引いて設定された時刻を指す。また、収納の場合は現在シミュレーション時刻そのものとする。
ステップST205−3では、搬送機非干渉条件判定を行い、ステップST205−4に移行する。本判定では、搬送機が隣接搬送機との干渉領域に入る場合、隣接搬送機が干渉領域内へアクセスしていないかどうか、又はアクセスする予定の場合は指定搬送機が干渉領域を予約しているかを判定する。ステップST205−4では、搬送機条件判定、取出元・収納先ユニット条件判定を行いステップST205−5に移行する。本判定では、搬送機条件として取出す場合には搬送機ハンドが基板を持っていないか、収納する場合には基板を持っているかを判定する。また取出元・収納先ユニット条件として、取出元に基板が存在して収納先に別の基板が無いかを判定する。
ステップST205−5では、上記搬送機非干渉条件&搬送機条件&取出元・収納先ユニット条件の全てが成立するかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST205−6に移行する。ステップST205−6では新規回収指定基板搬送開始優先判定を行いステップST205−7に移行する。本判定で、その搬送をすぐ開始すると回収SCH済基板搬送の開始時刻遅れ時間が設定許容値を越える場合、新規回収指定基板搬送を回収SCH済基板に対して優先するかを優先順位パラメータで判定する。ステップST205−7では、新規回収指定基板搬送開始遅延時間が0である(=0)か、正数値(>0)かを判断し、0に等しい場合はステップST205−8に移行し、正数値の場合はステップST205−12に移行する。ステップST205−8では、搬送機に対して搬送開始要求をONとする。ここで残り時間は、搬送シミュレーション時刻計時用のインターバル時間計算に用いる。また、ステップST205−12では、搬送開始予定時刻に遅延時間を加算して残り時間を設定する。また、ステップST205−11では搬送開始時刻までの予定時刻を設定する。
図25は図14のステップST305の新規継続指定基板搬送開始判定処理フローを示す図である。先ずステップST305−1で指定搬送機停止中&搬送開始要求OFFかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST305−2に移行する。該ステップST305−2では、現在シミュレーション時刻が搬送開始時刻を経過した(現在シミュレーション時刻≧搬送開始時刻)かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST305−3に移行し、ノー(N)の場合はステップST305−11に移行し、搬送開始時間までの残り時間を設定する。ここでの搬送開始時間は、取出の場合はユニット情報に対してプロセスレシピ設定時間から搬送機到達の所要時間を差し引いて設定された時間を指す。また収納の場合は現在シミュレーション時間そのものとする。
ステップST305−3では、搬送機非干渉条件を判定しステップST305−4に移行する。本判定では、指定搬送機が隣接搬送機との干渉領域に入る場合、隣接搬送機が干渉領域にアクセスしていないかどうか、又はアクセスする予定の場合には指定搬送機が干渉領域を予約しているかを判定する。ステップST305−4では、搬送機条件判定、取出元・収納先ユニット条件判定を行いステップST305−5に移行する。本判定では、搬送機条件として取出する場合には搬送機ハンドが基板をもっていないか、収納する場合には基板を持っているかを判定する。また取出元・収納先ユニット条件として、取出元に基板が存在して収納先に別の基板が無いかを判定する。
ステップST305−5では、搬送機非干渉条件&搬送機条件&取出元・収納先ユニット条件の全てが成立するかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST305−6に移行する。該ステップST305−6では新規継続指定基板搬送開始優先判定を行い、ステップST305−7に移行する。本判定では、その搬送をすぐ開始すると回収SCH済基板搬送の開始時刻遅れ時間が設定許容値を越える場合、新規回収指定基板搬送を回収SCH済基板に対して優先するかを優先順位パラメータで判定する。ステップST305−7では、継続指定基板搬送開始遅延時間が0である(=0)又は正数値である(>0)かを判断し、0の場合はステップST305−8に移行し、搬送機に対して搬送開始要求をONとし、正数値の場合はステップST305−12に移行し、搬送開始時間に遅延時間を加算して残り時間を設定する。ここで、残り時間は、搬送シミュレーション時刻計時用のインターバル時間計算に用いる。
図26は図12のステップST107の投入済基板搬送開始判定処理フローを示す図である。先ずステップST107−1では、指定搬送機停止中&搬送開始要求OFFかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST107−2に移行する。ステップST107−2では、現在シミュレーション時刻が搬送実行時刻テーブル搬送開始予定時刻を経過した(現在シミュレーション時刻≧搬送実行時刻テーブル搬送開始予定時刻)かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST107−3に移行し、ノー(N)の場合はステップST107−11に移行する。ここでの搬送開始予定時刻は、基板搬送スケジュールのポインタが参照する行における時刻を指す。
前記ステップST107−3では、搬送機非干渉条件を判定し、ステップST107−4に移行する。本判定では、指定搬送機が隣接搬送機との干渉領域に入る場合、隣接搬送機が干渉領域内へアクセスしていないかどうか、又はアクセスする予定の場合には指定搬送機が干渉領域を予約しているかを判定する。ステップST107−4では、搬送機条件判定、取出元・収納先ユニット条件判定を行い、ステップST107−5に移行する。本判定では、搬送機条件として取出しの場合には搬送機ハンドが基板を持っていないか、収納する場合には基板を持っているかを判定する。また取出元・収納先ユニット条件として、取出元に基板が存在して収納先に別の基板が無いかを判定する。また、ステップST107−11では、搬送開始予定時刻までの残り時間を設定する。
ステップST107−5では、搬送機非干渉条件&搬送機条件&取出元・収納先ユニット条件の全てが成立しているかを判定し、イエス(Y)の場合は、ステップST107−6に移行し、該ステップST107−6では投入済基板搬送開始優先判定し、ステップST107−7に移行する。本判定では、その搬送をすぐに開始すると搬送予定時刻を過ぎて遅れ時間が設定許容値を超える場合、新規基板搬送を投入済基板に対して優先するかを優先順位パラメータで判定する。
ステップST107−7では、投入済み基板搬送開始遅延時間が0である(=0)か又は正数値である(>0)を判定し、0の場合はステップST107−8に移行し、搬送機に対して搬送開始要求をONとする。また正数値の場合はステップST107−12に移行し、搬送開始予定時刻に遅延時間を加算して残り時間を設定する。ここで残り時間は、搬送シミュレーション時刻計時用のインターバル時間計算に用いる。
図27は図13のステップST206の回収SCH済基板搬送開始判定処理フローを示す図である。先ずステップST206−1では、指定搬送機停止中&搬送開始要求OFFかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST206−2に移行する。ステップST206−2では、現在シミュレーション時刻が搬送実行時刻テーブル搬送開始予定時刻を経過した(現在シミュレーション時刻≧搬送実行時刻テーブル搬送開始予定時刻)かを判定し、イエス(Y)の場合はステップST206−3に移行し、ノー(N)の場合はステップST206−11に移行する。ここでの搬送開始予定時刻は、投入済基板搬送スケジュールのポインタが参照する行における時刻を指す。
ステップST206−3では、搬送機非干渉条件判定を行い、ステップST206−4に移行する。本判定では、指定搬送機が隣接搬送機との干渉領域に入る場合、隣接搬送機搬送機が干渉領域内へアクセスしていないかどうか、又はアクセスする予定の場合には指定搬送機が干渉領域を予約しているかを判定する。ステップST206−4では、搬送機条件判定、取出元・収納先ユニット条件判定し、ステップST206−5に移行する。本判定では、搬送機条件として取出しする場合には搬送機ハンドが基板を持っていないか、収納する場合には基板を持っているかを判定する。また、取出元・収納先ユニット条件として、取出元に基板が存在して収納先に別の基板が無いかを判定する。また、ステップST206−11では、搬送開始予定時刻までの残り時間を設定する。
前記ステップST206−5では、搬送機非干渉条件&搬送機条件&取出元・収納先ユニット条件の全てが成立するかを判断し、イエスの場合はステップST206−6に移行し、回収SCH済基板搬送開始優先判定を行い、ステップST206−7に移行する。本判定では、その搬送をすぐに開始すると新規回収指定基板の搬送予定時刻を過ぎて遅れ時間が設定許容値を超える場合、回収SCH済基板搬送を新規回収指定基板に対して優先するかを優先順位パラメータで判定する。
ステップST206−7はでは、回収SCH済基板搬送時間開始遅延時間が0である(=0)か又は正数値(>0)であるかを判定し、0ではステップST206−8に移行し、搬送機に対して搬送開始要求をONとする。また、正数値の場合は、搬送開始予定時刻に遅延時間を加算して残り時間を設定する。この残り時間は、搬送シミュレーション時刻計時用のインターバル時間計算に用いる。
図28は図14のステップST306、図15のステップ406の投入済基板搬送開始判定処理フローを示す図である。先ずステップST306−1では、指定搬送機停止中&搬送開始要求OFFかを判定し、イエス(Y)の場合はステップST306−2に移行する。ステップST306−2では、現在シミュレーション時刻が搬送実行時刻テーブル搬送開始予定時刻を経過した(現在シミュレーション時刻≧搬送実行時刻テーブル搬送開始予定時刻)かを判定し、イエス(Y)の場合はステップST306−3に移行し、ノー(N)の場合はステップST306−11に移行する。ここで搬送開始予定時刻は、投入基板搬送スケジュールのポインタが参照する行における時刻を指す。
ステップST306−3では、搬送機非干渉条件を判定し、ステップST306−4に移行する。本判定では、指定搬送機が隣接搬送機との干渉領域に入る場合、隣接搬送機が干渉領域内へアクセスしていないかどうか、又はアクセスする予定の場合には指定搬送機が干渉領域を予約しているかを判定する。ステップST306−4では、搬送機条件判定、取出元・収納先ユニット条件判定を行い、ステップST306−5に移行する。本判定では、搬送機条件として取出する場合には搬送機ハンドが基板を持っていないか、収納する場合には基板を持っているかを判定する。また、取出元・収納先ユニット条件として、取出に基板が存在して収納先に別の基板が無いことを判定する。また、ステップST306−11では、搬送開始予定時刻までの残り時間を設定する。
ステップST306−5では、搬送機非干渉条件&搬送機条件&取出元・収納先ユニット条件の全てが成立したかを判定し、イエス(Y)の場合は、ステップST306−6に移行する。ステップST306−6では、投入済基板搬送開始優先を判定し、ステップST306−7に移行する。本判定では、その搬送をすぐに開始すると新規継続又は回収指定基板の搬送予定時刻を過ぎて遅れ時間が設定許容値を超える場合、投入済基板を新規継続又は回収指定基板に対して優先するかを優先順位パラメータで判定する。
ステップST306−7では投入済基板搬送開始遅延時間が0であるか(=0)又は正数値である(>0)かを判断し、0の場合は搬送機に対して搬送開始要求をONとし、正数値の場合は搬送開始予定時刻に遅延時間を加算して残り時間を設定する。残り時間は、搬送シミュレーション時刻計時用のインターバル時間計算に用いる。
図29は図12のステップST108、図13のステップST207、図14のステップST307、図15のSTステップ407の投入済基板搬送開始判定処理フローを示す図である。先ずステップST108−1では、指定搬送機停止中&搬送開始要求ONかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST108−2に移行する。ステップST108−2では搬送機情報データへ搬送基板データ、搬送動作を設定し、ステップST108−3へ移行する。ステップST108−3では、搬送ステータスを「移動中」へ設定し、ステップST108−4に移行する。ここで搬送ステータスは搬送機情報データにプロパティとして含まれる。
前記ステップST108−4では、搬送機次ステータス移行までの残り時間に移動時間を設定し、ステップST108−5に移行する。ステップST108−5では、基板搬送スケジュールへ該当搬送データを登録し、ステップST108−6に移行する。ステップST108−6では、新規投入基板or投入済基板かを判断し、投入済基板の場合はステップST108−7に移行し新規投入基板の場合はステップST108−8に移行する。ステップST108−7では、投入済基板搬送スケジュール参照ポインタを更新し、ステップST108−8に移行する。ステップST108−8では、搬送機搬送開始要求をOFFとする。
図30は図12のステップST109の新規投入基板搬送エラー処理のフローを示す図である。搬送シミュレーションでは、不良発生ユニットに存在するプロセス不良基板、及び装置停止時においてユニットに残留する基板を除く全ての投入済基板について、プロセス制約条件を満足していない搬送、又は搬送が詰まった状態を搬送エラーとしてステップST105の(図12参照)搬送ステータス更新処理で検知する。ステップST105の搬送ステータス更新処理で搬送エラーを検知した場合には、新規基板の装置内へのプロセス投入開始時刻を遅延させるための新規投入遅延時間を設定する。このプロセス制約条件には、全てのユニットを対象として、下記(a)〜(c)に対する上限及び下限時間を含む。
(a)プロセス終了時点から基板を搬送機ハンドが掴むまでの時間
(b)プロセス終了から次のユニットでのプロセス開始時点までのプロセス時間間隔
(c)搬送機が基板を取出終了してから次のユニットへの収納開始するまでの搬送機保持時間
図30において、ステップST109−1では、新規基板投入遅延時間が正数値であるかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST109−2に移行する。該ステップST109−2では、搬送シミュレーションの状態を新規投入基板ロード前の初期状態に復元し、続くステップST109−3では、投入済基板搬送スケジュールの参照ポインタを新規投入基板ロード前の状態に復元し、ステップST109−4に移行する。該ステップST109−4では、新規投入基板のロード開始時刻を遅延時間だけ延期させて、搬送シミュレーションを再試行する。
図31は図13のステップST208、図15のステップST408の新規回収指定基板搬送エラー処理のフローを示す図である。先ずステップST208−1では、新規回収指定基板回収開始遅延時間>0かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST208−2に移行し、ノー(N)の場合はステップST208−4に移行する。ステップST208−2では搬送シミュレーション状態を新規回復指定基板回収開始前の初期状態に復元し、ステップST208−3に移行する。搬送シミュレーション状態の復元は、前回回収指定基板の搬送シミュレーション開始時に記憶領域にコピー(図17のステップST201−5)しておいたデータセットを搬送シミュレーション変数領域へ上書きコピーする。
前記ステップST208−3では、投入済基板搬送スケジュールの参照ポインタを新規回収指定基板回収開始前の状態へ復元し、ステップST208−4に移行し、該ステップST208−4で新規回収指定基板の回収開始時刻を遅延時間だけ延期させる。
図32は図14のステップST308の新規継続指定基板搬送エラー処理のフローを示す図である。先ずステップST308−1では、新規継続指定基板継続開始遅延時間が正数値(>0)かを判断し、イエス(Y)の場合はステップST308−2に移行し、ノー(N)の場合はステップST308−4に移行する。搬送シミュレーション状態の復元は、新規継続指定基板の搬送シミュレーション開始時に記憶領域へ上書きコピーする(図18のステップST301−4)。ステップST308−2では、搬送シミュレーション状態を新規継続指定基板継続開始前の初期状態へ復元し、ステップST308−3に移行する。ステップST308−3では、投入済基板搬送スケジュールの参照ポインタを新規継続指定基板継続開始前の状態に復元し、ステップST308−4に移行する。ステップST308−4では、新規継続指定基板の継続開始時刻を遅延時間だけ延期させる。
図33は図12のステップST110の搬送シミュレーション状態を指定領域へコピーするフローを示す図である。先ずステップST110−1では、搬送シミュレーション情報記憶要求をONとし、ステップST110−2に移行する。ステップST110−2では、搬送シミュレーション情報を指定状態を記憶領域へコピーし、ステップST110−3に移行する。ステップST110−3では、搬送シミュレーション情報記憶要求OFFとする。
図34は図12のステップST112、図13のステップST210、図14のステップST310、図15のステップST410の搬送シミュレーション終了処理フローを示す図である。ステップST112−1では、作成された基板搬送スケジュールを投入済基板搬送スケジュール変数領域へ上書きコピーする。
〔スループット検証〕
図8のステップST21−5のスループット検証処理は下記のように行う。
1)同一プロセスレシピ条件の新規基板を複数枚同時に投入する場合、装置内に基板が存在しない状態からの先頭新規基板投入の搬送シミュレーション(図8のステップST21−3)後、及び後続新規基板投入の搬送シミュレーション(図8のステップST21−6)の前に最大スループットになる搬送制御パラメータ設定を選択する検証(図8のステップST21−5)を行う。ここで先頭新規基板投入の搬送シミュレーション(図8のステップST21−3)は、スループット検証処理(図8のステップST21−5)に時間を要する場合に先頭基板を先にプロセス投入するための処置である。
2)前記1)のスループット検証機能(図8のステップST21−5)では、最適と想定される複数のパラメータ設定を用意して、それらの各々に対してスループット評価対象枚数分の新規基板投入搬送シミュレーションを行い、スループットの評価値を計測する。その中から最大スループット値となるパラメータを選択して、それを残り複数枚の新規基板等投入搬送シミュレーションに使用する。
3)前記2)のパラメータ設定には新規投入基板、及び投入済基板の搬送開始遅れ許容時間、優先順位パラメータ、及び基板投入時間下限間隔を含む。
4)前記2)の最適と想定される複数のパラメータ設定は、予め設計時点において考えられるプロセスレシピ条件に対してスループット値が最大となるようなパラメータ設定を検索することにより準備しておく。
5)前記2)で計測するスループット評価値は、先頭新規基板が基板収納容器から投入されてから最後尾基板が基板収納容器に戻るまでの下記するロットインデックス値、或いは先頭新規基板が基板収納容器に戻ってから最後尾基板が基板収納容器に戻るまでのタクトベース値の何れかを選択使用する。何れを使用するかは装置毎に異なる。
ロットインデックス値WPHlot index
=基板処理枚数N/基板総処理所要時間TN
タクトベース値WPHtakt base
=(基板処理枚数N−1)/(総処理所要時間TN−先頭基板処理所要時間T1
〔生産再開機能〕
装置の故障停止後において、人手によるメンテナンス後に装置制御部から生産再開の要求を受けたとき、装置内に残留する基板を指定された基板収納容器に回収しながら、同時に新規基板を装置内に投入するスケジューリングを、下記1)〜3)のように行う。
1)生産再開スケジューリングには搬送シミュレーション方式を用いる。
2)装置内に残留した基板は、プロセス制約条件を満たしながら指定された基板収納容器へ回収する。
3)装置内に残留した基板を回収するスケジューリングを行い、続いて後続の新規の基板を投入するためのスケジューリングを行う。
図35は装置停止状態からの生産再開を説明するための概念図であり、図35(a)は従来例を、図35(b)は本実施例を示す。図示するように、従来例では図35(a)に示すように、装置内に残留している基板1〜4を回収し、その後に生産再開準備を行い、該生産再開準備の終了後に新規基板5〜8の投入を行っていた。これに対して本実施例では、図35(b)に示すように、装置内に残留している基板1〜4の回収と並行して、新規基板5〜8の投入を行っている。これにより生産量が向上する。
〔装置内に残留している基板の回収スケジューリング〕
装置内に残留している基板の回収スケジューリングの概要は、下記1)〜4)となる。
1)装置内に残留した基板を1枚又は複数枚1組ずつ指定(本実施例では2枚1組指定)して基板収納容器への回収をするための搬送シミュレーションを行う。
2)搬送シミュレーションは、仮想的な装置モデルを制御部内に生成し(図5参照)、回収スケジューリング済基板は前回の残留基板回収シミュレーションで作成済の基板搬送スケジュールに従って搬送を行い、また新規回収指定基板はユニット処理終了条件及び搬送条件を満たした搬送シミュレーションを行って、新たな基板搬送スケジュールを作成する。
3)搬送シミュレーションでは、新規回収指定基板がプロセス終了後に指定された基板収納容器へ戻ることを前提とする。
4)搬送シミュレーションでは、各々の回収基板に対して予め装置制御部側で設定されたプロセスレシピ条件に従って搬送処理を行う。また、レシピ時間設定が0のユニットを飛び越す処理を含む。
〔残留基板回収搬送シミュレーションの流れ〕
残留基板回収搬送シミュレーションの流れは、図13の生産再開基板回収搬送シミュレーション処理(図9のST22)フローと同じであるので、その図示と説明は省略する。
〔残留基板回収シミュレーション〕
ここで新規回収指定基板の搬送開始判定処理フローは、図24の新規回収指定基板搬送開始処理(図13のST205、図15のST405)フローと同じであるので、その図示と説明は省略する。
また、回収スケジューリング済基板の搬送開始判定処理は、図27の回収SCH済基板搬送開始判定処理(図13のST206)フローと同じであるので、その図示と説明は省略する。
〔搬送エラー処理〕
搬送エラー処理フローは、図31の新規回収指定搬送エラー処理(図13のST208、図15のST408)フローと同じであるので、その図示と説明は省略する。
〔ユニット使用・不使用の動的切替機能〕
基板を処理中に故障が発生して、当該基板を処理中のユニットがそれ以上使用できなくなった場合(図7のステップST5において、装置コマンドがユニット使用不可動的切替であった場合のステップST8のユニット使用不可設定変更処理)、当該処理ユニットを動的に使用不可に設定して後続基板を継続して処理することを可能にするスケジューリングには上記搬送シミュレーション方式を用いる。
上記ユニット使用不可設定時のスケジューリングは、図10のユニット使用不可設定変更処理フローに基づいて、前記段落0053〜0054に記載するように行う。要約すると下記1)〜17)となる。
1)処理開始基板が「不使用」へ設定変更されたユニットを使用する予定であってその上流行程でプロセス中の場合、当該ユニットと同一種別の他の基板プロセスに影響を与えない使用可能な別ユニットを探す。
2)前記1)で別の使用可能なユニットが見つかった場合には、基板搬送スケジュールをその別の処理ユニットを使用するように書き換える。
3)前記1)で別の使用可能なユニットが見つからなかった場合には、その基板を現在プロセス中のユニット処理終了時点から基板収納容器へ回収するスケジューリングを行うか、或いは予定通り当該ユニットを使用してプロセスを続行するためスケジューリングを行わない。
4)前記3)で当該基板を回収する場合のスケジューリングは、当該ユニット直前のユニットに存在する基板をプロセス不良基板に見立てて、後述の回収スケジューリングを行う。
5)前記3)におけるプロセス続行の判断は、設計時点で予め設定しておいたパラメータにより行う。このパラメータ設定は装置毎に異なる。
6)上記機能は、処理開始前基板の中に「不使用」へ設定変更されたユニットを使用する予定の基板が含まれている場合には、その基板以降の全ての処理開始前基板の搬送を投入済基板の基板搬送スケジュールから一旦削除し、それらの処理開始前基板を再投入するための搬送シミュレーションを上記新規基板投入の場合と同様に行う。
7)上記機能は、処理開始前基板の中に「使用」へ設定変更されたユニットを含む種別のプロセスを行う予定の基板が含まれる場合には、その基板以降の全ての処理開始前基板の搬送を投入済基板の基板搬送スケジュールから一旦削除し、それらの処理開始前基板を再投入するための搬送シミュレーションを上記新規基板の投入と同様に行う。
〔プロセス不良基板の回収機能〕
処理ユニットにおいてプロセス異常が発生した基板に関して、他の正常な基板のプロセスを継続しながら、迅速に他のプロセス継続が可能な同種別ユニットへ移動させてプロセスを継続するか、或いは水洗乾燥処理後基板収容容器へ回収するためのスケジューリングを下記1)〜5)のように行う。
1)プロセス継続、又は基板回収スケジューリングには上記搬送シミュレーション方式を用いる。
2)搬送シミュレーションは、制御部に仮想的な装置モデルを生成し、投入済基板は前回の新規投入スケジューリングで作成済の基板搬送スケジュールに従って搬送を行い、また回収指定基板はユニット処理終了条件及び搬送条件を満たした搬送シミュレーションを行って、新たな基板搬送スケジュールを作成する。
3)搬送シミュレーションでは、回収指定基板がプロセス終了後に指定した基板収容容器へ戻ってくることを前提とする。
4)搬送シミュレーションでは、各々の回収基板に対して予め装置制御部側で設定されたプロセスレシピ条件に従って搬送処理を行う。また、レシピ時間設定が0のユニットを飛び越す処理も含む。
5)搬送シミュレーションの流れは上記「残留基板回収搬送シミュレーション」と同様である。
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。上記実施例ではめっき槽22で半導体基板にバンプ電極等の金属膜を形成するめっき処理装置を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、より厳格な基板搬送スケジュールの管理が必要な装置に好適である。例えば、電解めっきでは電解電流を供給する電源を遮断することにより、めっきの進行を止めることができるから、無電解めっき装置ほど厳しい制約条件での基板搬送スケジューリングを必要としないが、無電解めっき装置では、必然的にめっき処理が進行するため、より厳格な基板搬送スケジュールの管理が必要となるから、本願発明が好適である。
本発明は、基板の搬送スケジュールの計算方法に、シミュレーション法を採用することにより、新たに投入する基板に対して通常処理の基板搬送スケジュールを作成するだけでなく、故障が発生し、故障の復旧後に、装置内に残留した基板を回収しながら、新規の基板を投入できるような基板の搬送スケジューリングを行うことにより、基板回収に要する時間を削減して生産量を向上させることができるスケジューラ、該スケジューラを用いた基板処理装置、及び基板処理装置の運転方法をとして利用できる。
10 めっき処理装置
11 ロードポート
12 ロードロボット
13 基板位置決め台
14 洗浄乾燥機
15 締付ステージ
16 ストッカ
17 前水洗槽
18 前処理槽
19 水洗槽
20 粗乾燥槽(ブロー槽)
21 水洗槽
22 めっき槽
23 搬送機
24 搬送機
25 基板ホルダー貯留領域
26 めっき領域
30 制御部
31 中央処理装置(CPU)
32 入力装置
33 共有記憶装置
34 入出力インターフェース
40 スケジューラ
41 コントロールプロセス
42 初期化プロセス
43 スケジューリングプロセス
44 インターフェースプロセス
50 装置制御部

Claims (7)

  1. 基板の処理を行う複数の基板処理部と、前記基板を搬送する搬送部と、前記搬送部での前記基板の搬送と前記基板処理部での基板処理を制御する制御部を備えた基板処理装置の前記制御部に内蔵され、基板搬送スケジュールを計算するスケジューラであって、
    新たに投入する基板に対する基板搬送スケジュールをシミュレーション法で順次計算し、更に装置内に故障が発生した際、その状態を初期状態として基板搬送スケジュールを再計算する機能を備え、
    前記基板搬送スケジュールは、前記新たに基板を投入又は正常に処理中の基板の搬送を優先するか故障が起きた基板処理部の基板を取り出して搬送することを優先するかを判断する機能を備え、前記新たに基板を投入又は前記正常に処理中の基板の搬送を優先すると判断した場合は、前記新たに基板を投入又は正常に処理中の基板の搬送をするときに所定のプロセス制約条件を満たし、且つ目標スループット以上で予め基板ごとに設定された条件で処理プロセスを実行しながら、前記故障が起きた基板処理部の基板を取り出して、他の正常で且つ使用可能な基板処理部に搬送して処理を継続するか、或いは水洗及び乾燥後に基板収納容器へ回収することを特徴とするスケジューラ。
  2. 請求項に記載のスケジューラにおいて、
    前記搬送シミュレーション法は、前回の搬送スケジューリングで作成済の基板の搬送スケジュールに従った投入済基板搬送に対する新規投入基板の搬送スケジュールの優先順位、及び投入済基板の搬送が新規投入基板搬送の割り込みにより影響を受け搬送遅延が発生する場合の遅延許容時間をパラメータとして、それらのパラメータに対して装置の設計時点で最適化しておいた設定値を使用することにより、目標スループットに達する搬送スケジュールを作成することを特徴とするスケジューラ。
  3. 請求項1又は2に記載のスケジューラにおいて、
    前記基板搬送スケジュールは、故障が起きた基板、又は機器故障により装置が停止して前記基板処理部に残留した基板を回収しながら新たな基板の投入を行うことを特徴とするスケジューラ。
  4. 請求項に記載のスケジューラにおいて、
    前記基板搬送スケジュールは、前記故障が起きた基板処理部の基板を取り出して、他の正常で且つ使用可能な基板処理部に搬送して処理を継続すると共に、並行して新たな基板を処理投入することを特徴とするスケジューラ。
  5. 請求項又はに記載のスケジューラにおいて、
    新たに投入する基板に対する全ての処理プロセス、回収する基板の回収開始処理部より下流側の処理プロセス、及び前回以前の基板投入スケジューリングにより基板搬送スケジュールを作成済の基板に対する全ての処理プロセスについて、処理プロセス制約条件を満たすように基板搬送スケジュールのスケジューリングをすることを特徴とするスケジューラ。
  6. 基板処理を行う複数の基板処理部と、基板を搬送する搬送部と、前記搬送部での基板搬送と前記基板処理部での基板処理を制御する制御部を具備する基板処理装置の運転方法において、
    新規投入基板の基板搬送スケジュールをシミュレーション法で順次計算して、故障が起きた際に前記制御部にてその状態を初期状態とし基板搬送スケジュールを再計算し、
    前記基板搬送スケジュールは、前記新たに基板を投入又は正常に処理中の基板の搬送を優先するか故障が起きた基板処理部の基板を取り出して搬送することを優先するかを判断し、前記新たに基板を投入又は前記正常に処理中の基板の搬送を優先すると判断した場合は、前記新たに基板を投入又は正常に処理中の基板の搬送をするときに所定のプロセス制約条件を満たし、且つ目標スループット以上で予め基板ごとに設定された条件で処理プロセスを実行しながら、前記故障が起きた基板処理部の基板を取り出して、他の正常で且つ使用可能な基板処理部に搬送して処理を継続するか、或いは水洗及び乾燥後に基板収納容器へ回収することを特徴とする基板処理装置の運転方法。
  7. 基板を搬送する搬送部と、基板処理を行う複数の基板処理部と、前記搬送部での基板搬送と前記基板処理部での基板処理を制御する制御部を具備する基板処理装置において、
    前記制御部に内蔵するスケジューラとして、請求項1乃至のいずれか1項に記載のスケジューラを用いたことを特徴とする基板処理装置。
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