JP5619008B2 - 編地の編成方法、および編地 - Google Patents
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Description
[1] 一方の針床に係止される編地部の隣接する2つの編目のうち、始端側の編目が当該編地部の裏側に配置される伏せ目となるように、これら2つの編目同士を重ね合わせ、その重ね目に続いて、当該編地部の裏側に配置される次の伏せ目となる裏目を新たに形成すること。
[2] 他方の針床に係止される編地部の隣接する2つの編目のうち、始端側の編目が当該編地部の裏側に配置される伏せ目となるように、これら2つの編目同士を重ね合わせ、その重ね目に続いて、当該編地部の裏側に配置される次の伏せ目となる裏目を新たに形成すること。
そして、本発明編地の編成方法は、上記過程において、交互に裏目を形成するときに、先に形成された裏目から給糸口に延びる編糸が、その裏目の表側に交差するように給糸口を移動させてから次の裏目を形成することを特徴とする。
[工程A] 給糸口を編目γよりも始端方向側に配置した状態で、編目γを対向する一方の針床に目移しする。
[工程B] 編目γと編目δとを重ね合わせることで重ね目εを形成する。
[工程C] 重ね目εを通過するように給糸口を往復移動させる間に重ね目εが係止される編針に給糸して、裏目ζを形成する。
[工程D] 裏目ζを他方の針床に目移しする。
[工程E] 給糸口を編目αよりも始端方向側に配置した状態で、編目αを対向する他方の針床に目移しする。
[工程F] 編目αと編目βとを重ね合わることで重ね目ηを形成する。
[工程G] 重ね目ηを通過するように給糸口を往復移動させる間に重ね目ηが係止される編針に給糸して、裏目θを形成する。
[工程H] 裏目θを一方の針床に目移しする。
第1実施形態では、図1のS1に示すように、前針床(以下、FB)に係止される前側編地部20Fと、後針床(以下、BB)に係止される後側編地部20Bとを伏せ目処理により接合する例を説明する。参照する図1の左欄に記載される「大文字アルファベット+数字」は編成工程の番号を、右欄に記載される矢印は給糸口の移動方向、「K」は給糸口の移動に伴いニットを行うことを示す。また、図1において、○は針床に係止される編目を、●は各編成工程において編成される編目を、◎は重ね目を、▼は給糸口を示す。さらに、図1では、紙面左側から伏せ目を形成し始め、右側に向かって順次伏せ目処理が行われていくので、紙面右方向を「伏せ目方向RS」と呼び、紙面左方向を「始端方向LS」と呼ぶ。なお、図1におけるこれらの定義は、後述する図2、図5、図6についても同様である。
第2実施形態では、第1実施形態と伏せ目処理の手順の一部が異なる編地の編成方法と、その編成方法により得られた編地を図5〜7に基づいて説明する。なお、第2実施形態の編成工程と第1実施形態の編成工程は、殆どの部分で共通するので、両者の相違点についてのみ以下に説明する。
第1実施形態では、伏せ目となる裏目を伏せ目方向RSの編成で形成し、第2実施形態では、伏せ目となる裏目を始端方向LSの編成で形成したが、前後の編地部で伏せ目方向RSの編成と始端方向LSの編成を混在させても良い。
FB 前針床 BB 後針床
RS 伏せ目方向 LS 始端方向
20F 前側編地部 20B 後側編地部 20X 伏せ目処理部
α、β,
ε,η 重ね目
ζ,θ 編目(裏目)
Claims (5)
- 少なくとも前後一対の針床を有し、前後の針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、前後の針床に係止される各編地部のウエール方向端部の編目同士を伏せ目処理により繋ぎ合わせる編地の編成方法であって、
針床の長手方向に伏せ目が順次形成されていく方向を伏せ目方向、伏せ目方向とは逆方向で、伏せ目が形成され始める部分に向かう方向を始端方向としたときに、
一方の針床に係止される編地部の隣接する2つの編目のうち、始端側の編目が当該編地部の裏側に配置される伏せ目となるように、これら2つの編目同士を重ね合わせ、その重ね目に続いて、当該編地部の裏側に配置される次の伏せ目となる裏目を新たに形成すること、および、
他方の針床に係止される編地部の隣接する2つの編目のうち、始端側の編目が当該編地部の裏側に配置される伏せ目となるように、これら2つの編目同士を重ね合わせ、その重ね目に続いて、当該編地部の裏側に配置される次の伏せ目となる裏目を新たに形成すること、
を1つの給糸口から給糸される編糸を用いて交互に繰り返す過程を含み、
上記過程において、交互に裏目を形成するときに、先に形成された裏目から給糸口に延びる編糸が、その裏目の表側に交差するように給糸口を移動させてから次の裏目を形成することを特徴とする編地の編成方法。 - 一方の針床に係止される編地部の隣り合う編目のうち、始端方向側の編目を編目α、伏せ目方向側の編目を編目βとし、他方の針床に係止される編地部の隣り合う編目のうち、始端方向側の編目を編目γ、伏せ目方向側の編目を編目δとしたときに、
給糸口を編目γよりも始端方向側に配置した状態で、編目γを対向する一方の針床に目移しする工程Aと、
編目γと編目δとを重ね合わせることで重ね目εを形成する工程Bと、
重ね目εを通過するように給糸口を往復移動させる間に重ね目εが係止される編針に給糸して、裏目ζを形成する工程Cと、
裏目ζを他方の針床に目移しする工程Dと、
給糸口を編目αよりも始端方向側に配置した状態で、編目αを対向する他方の針床に目移しする工程Eと、
編目αと編目βとを重ね合わることで重ね目ηを形成する工程Fと、
重ね目ηを通過するように給糸口を往復移動させる間に重ね目ηが係止される編針に給糸して、裏目θを形成する工程Gと、
裏目θを一方の針床に目移しする工程Hと、を備え、
工程A〜工程Hを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の編地の編成方法。 - 工程Cにおける裏目ζの形成、および工程Gにおける裏目θの形成の少なくとも一方は、給糸口の往復移動のうち、伏せ目方向への往動の際に行うことを特徴とする請求項2に記載の編地の編成方法。
- 工程Cにおける裏目ζの形成、および工程Gにおける裏目θの形成の少なくとも一方は、給糸口の往復移動のうち、始端方向への復動の際に行うことを特徴とする請求項2または3に記載の編地の編成方法。
- 前側編地部と、後側編地部と、これら前後編地部のウエール方向端部の編目同士を伏せ目により繋ぐ伏せ目処理部と、を備える編地であって、
編地を表側から見たときに、前記伏せ目処理部は、
一方の編地部のウエール方向端部の編目に、編地の裏側から重ねられる裏目からなる第1伏せ目と、
他方の編地部のウエール方向端部の編目に、編地の裏側から重ねられる裏目からなる第2伏せ目と、が交互に連続する箇所を有し、
第1伏せ目と第2伏せ目とを繋ぎ、前後の編地部のウエール方向端部の編目間を渡る全ての渡り糸が、第1伏せ目と第2伏せ目よりも編地の表側に配置され、
第1伏せ目と第2伏せ目とが互いに交差することなく編地の裏側に重ねられることで、渡り糸が編地の表側で編目のように見えていることを特徴とする編地。
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