図1から図6には、CNC装置(コンピュータ数値制御装置)によってNC制御され、ガラス板加工運転を行う本ガラス板加工装置1が示されている。
本ガラス板加工装置1は、図1から図6に示されるように、右側から素板ガラス板5に切線を入れる切断部2、次に、切線に沿って折割を行い、所要形状の切断ガラス板5を得る折割部4、次に、切断ガラス板5の切断端面の研削を行う研削加工部3、そして背後に上記ガラス板5を搬送するガラス板搬送装置6が配置されている。
なお、上記切断部2、折割部4、研削加工部3は、等間隔をもって配置されている。
さらに、切断部2の右側にはガラス板5の入込み台7が、研削加工部3の左側には取出しコンベア8が配置されている。
本ガラス板加工装置1は、図1、図5に示すように、正面において、左右方向がX軸、このX軸に直交したY軸方向は図2、図3に示されている。上記切断部2には、カッターホイールを備えた切断ヘッド9とガラス板5の載置を受け、このガラス板5を水平に支持する切断テーブル12とを備えている。一方、研削加工部3は、研削ホイール58を備えた研削ヘッド10と上面にガラス板5の載置を受け、このガラス板5を水平に吸着固定する研削テーブル13とを備える。
切断ヘッド9と研削ヘッド10とは一体としてX軸移動を行う。
切断テーブル12と研削テーブル13とは、同期制御されてY軸移動を行う。
上記ガラス板搬送装置6は、図2、図4、図5、図6に示すように入込み台7の上方、切断部2の切断テーブル12の上方、折割部4のベルトコンベア70の上方、研削加工部3の研削テーブル13の上方及び取出しコンベア8の上方を貫いて設けられている。且つこのガラス板搬送装置6は上記X軸に平行して配置され、ガラス板5をX軸に平行して直線搬送する。
さて、本ガラス板加工装置1は、図1から図6に示されるように、研削加工部3においてレーザー測定器95が配置されている。
このレーザー測定器95は、切断部2から折割部4へ、さらに折割部4から研削加工部3に搬送され、研削テーブル13に載置され吸着固定された切断ガラス板5の搬送方向96(X軸方向)の一辺97の位置が測定され得るように、またこの研削加工部3において切断端面が研削加工され、上記研削テーブル13に吸着固定された研削加工ガラス板5の搬送方向96(X軸方向)の一辺の位置がレーザー光線により測定され得るように設置されている。
レーザー測定器95は、レーザー光を投光する投光ヘッド98と、受光する受光ヘッド99と、コントローラとから構成され、投光ヘッド98と受光ヘッド99とは、上下方向からガラス板5の搬送方向96の一辺97を挟んで対向配置されている。
そして、レーザー光105によってガラス板5の搬送方向96の一辺97の位置が測定される。
即ち、後端辺である一辺97のエッヂの位置が搬送方向(またX軸方向)において測定される。
投光ヘッド98と受光ヘッド99とは、X方向位置調整台100からブラケット103を介して、ガラス板5を上下から挟んで突接した上アーム101と下アーム102のそれぞれに、取付けられ、且つ上下から対向して取付られている。
X方向位置調整台100は、X軸方向96において、上記投光ヘッド98と受光ヘッド99との位置を、ガラス板5のサイズに合わせて移動、調整するものである。
このX方向位置調整台100は、ブラケット台104を介して機台14から支持されている。切断部2の切断ヘッド9と研削加工部3の研削ヘッド10とは、共通の移動台11に装置されており、この移動台11は、X軸方向の直動(図1に矢印で示すように正面からみて左右方向)を行う。
よって、切断ヘッド9延いてはカッターホイール46と研削ヘッド10、延いては、研削ホイール58とはX軸を共用し、一体となってX軸方向の移動を行う。
切断テーブル12及び研削テーブル13の前方上方には、X軸方向に沿った架台16が架設されている。
架台16は機台14の前後端において立設された門型の枠台15、15に架設されている。
この架台16の正面32に2組のスライドレール装置17及び17が、X軸方向に沿って、平行に設けられている。
このスライドレール装置17及び17は、架台16に敷設されたレール本体18と、このレール本体18上を移動する複数のスライド19とからなりこれらのスライド19に上記共通の移動台11が固定されている。
この共通の移動台11には、前述したように前記切断ヘッド9及び研削ヘッド10が装置されている。X軸方向への移動台11の駆動は、2組のスライドレール装置17の間に設けられた送りねじ20と、この送りねじ20に接続されたX軸制御モータ21とによって行われる。
前記切断テーブル12は、Y軸方向に沿って機台14に配設されたスライド装置23上に載設されている。
これらスライド装置23はガイドレール24とこのガイドレール24に組付けたスライドブロックを備え、上記切断テーブル12は、これらスライドブロックに取付けられている。
切断テーブル12のY軸方向移動は上記ガイドレール24、24に沿って設けられた送りねじ25と送りねじ25に連結したY軸制御モータ26とによって行われる。
一方、研削テーブル13は、上面にガラス板5を水平にして吸着固定する複数個の吸盤22とこれらの吸盤22を保持する本台31とからなる。
そして、この研削テーブル13は、上記本台31において、Y軸方向に沿って配設されたスライド装置27のスライドブロック35上に取付されている。
もちろん、スライドブロック35はY軸方向に沿った配設された2本のガイドレール28のそれぞれに組付けられている。
研削テーブル13のY軸方向移動は、上記ガイドレール28、28に沿って配設された送りねじ29とこの送りねじ29に連結されたY軸制御モータ30とにより行なわれる。
切断部2の切断テーブル12と研削加工部3の研削テーブル13とは、同期してY軸移動されるように、個々独立して配されたY軸制御モータ26とY軸制御モータ30とはCNC装置によって同期制御される。
次に、図1、図2、図3に示すように、X軸方向に移動する移動台11の正面32には、前記切断テーブル12に対応して軸受装置33が研削テーブル13に対応して軸受装置34が、それぞれ取付られている。
軸受装置33には、ベアリング(図示されていない)により保持された回転軸36を備える。
また軸受装置34には、ベアリング(図示されていない)により保持された回転軸38を備える。
上記の回転軸36と38は回転軸心がX−Y平面座標線系、つまりガラス板5の上面に対して直交した状態に組込まれ、ガラス板5の上面に直交して角度制回動する。
切断部2における回転軸36は、その下端部にはブラケット39を介して切断ヘッド9が取付けられている。
さらに、この回転軸36の上端部には、角度制御モータ40が平歯車41、41を介して連結されている。
他方、回転軸38は、この下端部において、ブラケット42を介して研削ヘッド10が取付けられている。
同じく、この回転軸38の上端部には、角度制御モータ43が平歯車44、44を介して連結されている。
また、上記角度制御モータ40及び43のそれぞれは、共に、移動台11の正面32から立設されたブラケット45、45に保持されており、もちろん移動台11と一体となってX軸方向を移動する。
従って、回転軸36及び回転軸38のそれぞれは、角度制御モーター40及び43により角度制御回動の駆動を受けて、それぞれの下端部に取付けた切断ヘッド9及び研削ヘッド10をガラス板5の上面に直交する軸の回りで角度制御回動させる。
且つ、角度制御モーター40と角度制御モーター43とは同期制御駆動させ、切断ヘッド9と研削ヘッド10との角度制御回動を同期して行わせる。
切断ヘッド9は、カッターホイール46を備えたカッターヘッド本体47と、このカッターヘッド本体47を保持し、このカッターヘッド本体47の位置をガラス板5の面に平行な面内で直交する2方向(X軸方向、Y軸方向)に調整するところのX方向スライドユニット48とY方向スライドユニット49とを備える。
上記X方向スライドユニット48はXスライド台50とこのXスライド台50に組付られたXスライド51とからなり、Xスライド台50においてブラケット39を介して前記回転軸36に固定取付けされている。
一方、Y方向スライドユニット49は、Yスライド台53とYスライド台53にY軸方向にスライド移動自在に組付けられたYスライド54と、Yスライド台53に組込まれYスライド54を移動される送りねじ55とからなる。
このY方向スライドユニット49はYスライド台53において上記Xスライドユニット48のXスライド51に取付けられ保持されている。そしてY方向スライドユニット49のYスライド54に上記カッターヘッド本体47が取付けされている。
このY方向スライドユニット49の送りねじの調整によりカッターホイール46の位置を調整でき、カッターホイール46の移動軌道を調整できる。
なお、カッターヘッド本体47の上部には、上記カッターホイール46を上下動し、ガラス板5に切線を形成するときカッターホイール46に切り圧を与えるエアシリンダ装置56を備える。
研削ヘッド10は、図7に示されるように研削ホイール58を備えたスピンドルモータ59と、このスピンドルモータ59延いては研削ホイール58を、ガラス板5の上面に平行してX軸方向及びY軸方向に微調整移動するX方向スライド装置60とY方向スライド装置61とを備える。そして上記X方向スライド装置60は、Xスライド台62とこのXスライド台62にX方向にスライド移動自在(送りねじにより)に組付けられたXスライド63とからなり、Xスライド台62において、前記回転軸38の下部位にブラケット42を介して固定取付けされている。
一方、Y方向スライド装置61は、Yスライド台65とこのYスライド台65にY軸方向にスライド移動自在に組付けされたYスライド66とYスライド台65に組込まれ、Yスライド66を移動させる送りねじ67とYスライド台65に取付けられ送りねじ67に連結させた切込みモータ68とよりなる。
このY方向スライド装置61は、上記Yスライド台65において上記X方向スライド装置60のXスライド63に取付けられ、保持されている。そしてこのY方向スライド装置61のYスライド66に上記スピンドルモータ59か取付けされている。従ってスピンドルモータ59、延いては研削ホイール58は、Y方向スライド装置61、即ち切込みモータ68によって自動切込みされる。切込みモータ68は後述するがCNC装置からの指令数値によって制御駆動される。
即ち、切断ガラス板5に対する研削ホイール58の切込み量の設定はこの切込みモータ68をして数値制御手段からの指令装置によって行われる。つまり、研削ホイール58の研削作用面の移動装置が修正される。
切断ヘッド9のカッターホイール46と研削ヘッド10の研削ホイールは同時、平行して同一の運動軌跡を描いて移動する。
この時、同時に切断ヘッド9が備える角度制御モータ40と研削ヘッド10が備える角度制御モータ43が同期運転され切断ヘッド9と研削ヘッド10は同一回転角度の制御が同期平行して行われる。このとき、切断ヘッド9にあっては、刻々向きが変る切線入れラインにカッターホイール46の向きを合せながら移動し、研削ヘッド10にあっては研削ホイール58をその押圧方向が常にガラス板5の側端面の法線方向を向くように首振りしながら移動する。
即ち、切断部2と研削加工部3は同一輪郭運動軌跡と同一角度制御運動を同時並行して行ない、ガラス板5への切線入れ(切断)とガラス板5の周縁研削を同時に行う。
折割部4には、搬送されてきた切線入りのガラス板5を置く水平のベルトコンベア70と、このベルトコンベア70上に置かれたガラス板5を折割りする2基の折割装置71及び71とを備える。
各折割装置71および71は、端切りカッター装置72とプレス装置73と、端切りカッター装置72及びプレス装置73を保持し、これら端切りカッター装置72及びプレス装置73を、ガラス板5上を、ガラス板5の面に沿って移動させる移動手段74とよりなる。
移動手段74は、端切りカッター装置72及びプレス装置73を保持し、この端切りカッター装置72及びプレス装置73をY方向に数値制御移動させるY方向移動装置75と、このY方向移動装置75をX方向に数値制御移動をさせるX方向移動装置76を備え、このX方向移動装置76が架台16及び架台77にブラケットを介して取付けられている。
ベルトコンベア70は、コンベアベルトを内側から平面に支える支持板兼フレーム78とベルトコンベア70を回走させる駆動装置79とを有しており、支持板兼フレーム78においてブラケットを介して機台14から支持されている。
折割部4の動作は、まず、切断部2で切線を入れられたガラス板5が切断部2に対応の吸盤昇降装置83の吸盤86によりベルトコンベア70上に置かれる。すると、この吸盤昇降装置83は切断部2へ復帰し、代りにこの折割部4に復帰した折割部4に対応の吸盤昇降装置83の吸盤86が降下して、ベルトコンベア70上に置かれたガラス板5を押えて固定状態とする。
すると、先ず折割装置71の端切りカッター装置72が必要箇所へ順次移動してゆき、ガラス板5に端切り線を入れてゆく。次に、プレス装置73が必要箇所に順次移動してプレスを施し、不要部を折割り、切離してゆく。
不要部を折割り、切離されたガラス板5は折割部4に対応の吸盤昇降装置84の吸盤86により吸着、持上げられ、この状態で次に研削加工部3への搬送を待つ。
このとき、ベルトコンベア70が作動し、折割カレットは外部へ排出される。
ガラス板搬送装置6は、入込み台7の上方、切断部2の切断テーブル12の上方、折割部4のベルトコンベア70の上方、研削加工部3の研削テーブル13の上方、取出しコンベア8の上方において、直線にして、且つ前述したX軸に平行して設けられている。
前述したように、このガラス板搬送装置6には、NC制御され、且つX軸に平行して往復移動を行う往復動台80を備える。
この往復動台80は、上記入込み台7の上方、切断テーブル12の上方、折割部4のベルトコンベア70の上方、研削テーブル13の上方及び取出しコンベア8の上方において、前述したX軸に平行した直線往復移動を行う。
往復動台80は、後述のスライド装置90を介して架台77に取付けされ、直動の上記往復移動をする。また、この往復動台80には、4基の吸盤昇降装置82、83、84、85が等間隔をもって、直線状に配設されている。吸盤昇降装置82、83、84、85のそれぞれは、入込み台7、切断部2の切断テーブル12、折割部4のベルトコンベア70、研削加工部3の研削テーブル13、取出しコンベア8に対応している。
それゆえ、上記吸盤昇降装置82、83、84、85のそれぞれの間隔距離は、当然に、切断部2の切断テーブル12、折割部4のベルトコンベア70、研削加工部3の研削テーブル13同士の間隔距離と同一となっている。
上記吸盤昇降装置82、83、84、85のそれぞれは、下端にガラス板を吸着し、また吸着解放する吸盤86と、この吸盤86を上下方向に昇降させる昇降装置87とを備え、昇降装置87においてブラケット81を介して上記往復動台80に取付けされている。そして、上記吸盤86は昇降装置87の下部の上下動部に取付けられている。
一方、往復動台80を架台77に、X軸に平行の直動スライド自在に取付けているスライド装置90は、平行に設置したガイドレール91、91とこのガイドレール91、91に組付けたスライド92とからなり、このスライド92に上記往復動台80が取付けられている。往復動台80の往復運動は、上記ガイドレール91、91間に設けた送りねじ93とこの送りねじ93に連結した制御モータ94とにより、NC制御されて駆動される。
なお上記架台77は前記架台16の後方において、架台16と平行にして、機台14の前後端に立設の枠台15、15に架設されている。
上記ガラス板搬送装置6は、往復動台80が往動のとき、各吸盤昇降装置82、83、84、85において持上げ、保持し、共に往復動してガラス板を搬送し、復動のとき空で復動端に復帰する。
ガラス板5は、往復動台80が、NC制御された往復移動の繰返しにおいてその往動の度に上記間隔距離づつ搬送される。そして、特に、ガラス板5は切断テーブル12、ベルトコンベア70、研削テーブル13を通して一直線に搬送されてゆく。上記往復動台80の往復移動の方向が前述したガラス板5の搬送方向であり、X軸方向でもある。
上記のようになる本ガラス板加工装置1の運転、即ち加工運転の動作について説明する。
加工運転の直前、切断部2の切断ヘッド9及び切断テーブル12、折割部4の折割装置71、71、研削加工部3の研削ヘッド10及び研削テーブル13は全て原点位置に待期している。そして、ガラス板搬送装置6は往復動台80が復動端に位置している。
このときが、ガラス板5を受取る位置である。そして、ガラス板搬送装置6の吸盤昇降装置82は入込み台7の真上に、吸盤昇降装置83は切断部2のガラス板支持台の真上に、ガラス板持上げ装置84のベルトコンベア70の真上に、吸盤昇降装置85は研削加工部3のガラス板支持台の真上にそれぞれ位置する。
加工運転開始指令と共に、各吸盤昇降装置82、83、84、85、はいっせいに吸盤86を降下してガラス板5を吸着して持上げると同時して往復動台80は往動スタートする。各吸盤昇降装置82、83、84、85は吸盤86がガラス板5を吸着しおり、一体として往動しガラス板の搬送移動が行なわれる。往復動台80が往動端に達すると、上記吸盤昇降装置82は切断部2の切断テーブル12の真上に、吸盤昇降装置83は折割台4のベルトコンベア70の真上に、吸盤昇降装置84は研削加工部3の研削テーブル13の真上に、ガラス板持上げ装置85は取出しコンベア上方に、それぞれ位置する。すると同時して、各吸盤昇降装置82、83、84、85はいっせいに、ガラス板吸着の吸盤86を降下させ、吸着開放をして、それぞれにガラス板5を渡す。と同時に、空になった吸盤86を持上げる。すると上記往復動台80は空になった吸盤86と共に一体となって復動に入り復動端へ帰る。
次に、一枚のガラス板5について、入込みから各加工部への順送り搬送、搬送された各加工部での加工について説明する。
本ガラス板加工装置1の運転開始と共に、ガラス板搬送装置6が動作する。即ち、入込み台7において吸盤86が降下し、入込み台7上の素板ガラス5を吸着、持上げると共に、往復動台80が往動(NC制御されて)する。この素板ガラス板5を吸着した吸盤86が切断部の切断テーブル12に達すると吸盤86が降下し吸着開放し、素板ガラス板5を切断テーブル12上に載置する。すると空になった吸盤86は上昇すると共に往復動台80が復動し、空の吸盤86は再び入込み台7上に復帰する。なお、代わってこの切断部2には、この切断部2に対応の吸盤86が復帰する。と同時に、この切断部2では、切断ヘッド9と素板ガラス板載置の切断テーブル12とがNC制御移動し、カッターホイールが素板ガラス板に切線を形成する。この切線形成が終了すると、切断テーブル12は原点に復帰する。すると、復帰してきた吸盤86が降下し、この切線入り素板ガラス板5を吸着持上げし、往復動台80の往動(NC制御されての)で折割部4へ向って搬送される。
折割部4に達すると、吸盤86は降下し、吸着開放し切線入りガラス板5をベルトコンベア70に載置する。すると、この吸盤86は切断部2に向って復帰する。代わって、この折割部4にはこの折割部4対応の吸盤86が復帰して来、直ぐさま降下し、ベルトコンベア70上に載置されている上記切線入りガラス板5を吸着のうえ、動かないようにベルトコンベア70に押付けする。
この状態で折割部4が動作する。即ち、折割装置71,71の動作によって、端切りカッター装置72,プレス装置73がその切線入りガラス板5上方を移動し、必要位置に端切りを、次にプレス動作を行い切線に沿って折割外しし、切断ガラス5を得る。
すると吸着を続けている吸盤86はそのまま上昇し、切断ガラス板5を持上げる。そして吸盤86は切断ガラス板5を吸着持上げたまま往動スタートを待つ。なお、この折割部4での折割動作中、両隣りの切断部2及び研削加工部3においては、NC制御されて次のガラス板への切線入れを、また先の切断ガラス板5の研削加工が行われている。この切断部2及び研削加工部3それぞれでの切線入れ、研削加工が終了すると共にガラス板搬送装置が動作し、往復動台80が往動(NC制御されて)する。これによって折割部4において、切断ガラス板5を吸着持上げ待期中であった吸盤86は次の研削加工部3へ往動する。
研削加工部3の研削テーブル13の直上に達すると吸盤86は降下し、吸着開放し、切断ガラス板5を研削テーブル13に載置する。すると、空になった折割部4に対応の吸盤86は上昇すると共に往復動台80の復動によって折割部4に復帰する。
上面に切断ガラス板5の載置を受けた研削テーブル13は、この切断ガラス板を水平に吸着固定する。すると、この研削テーブル13と研削ヘッド10とがNC制御されて移動し、研削ヘッド10の研削ホイール58によって切断ガラス板の周縁の端面が研削加工される。研削加工が終了すると、研削テーブル13は原点復帰する。同時にこの研削加工部3対応の吸盤86が降下し、研削加工済みガラス板5を吸着持上げする。再び往復動台80と共に吸盤86の往動によって、研削加工済みガラス板5は取出しコンベア8上に達し、吸盤86の降下、吸着開放によってこの取出しコンベア8上に置かれる。そして研削加工まで仕上がったガラス板5が取出しされる。
本ガラス板加工装置1は、ガラス板搬送装置6の往復動台80の繰返し往復動によって、入込み部7から切断部2、折割部4,研削加工部3,取出しコンベア8を、ガラス板5を置換えしながら順送りする。
切断部2、折割部4、研削加工部3において、同時してそれぞれの加工を行い最後に周囲を研削加工されたガラス板5が次々取出しされる。
次に、本ガラス板加工装置1における加工寸法の自動測定及び自動修正の方法を2例説明する。
加工寸法の自動測定及び自動修正は下記の各段階を経て行われる。
本ガラス板加工装置1を運転し、切断部2から折割部4を経て、研削加工部3の研削テーブル13上に切断ガラス板5を搬送し載置する段階1、研削加工部3に設置のレーザー測定器95により上記切断ガラス板5の搬送方向の一辺97の位置を測定し測定値を得る段階2、上記レーザー測定器95による測定値とCNC装置に予め設定されている設定値とを比較し、異なるときその誤差値を算出する段階3、CNC装置に設定されたガラス板搬送装置6の熱変位量値に基づいて、上記誤差値がガラス板搬送装置6の熱変位によるか、切断部2における切断誤差によるかを判定する段階4、上記熱変位量値として0以外の値が設定されているときは、上記誤差値はガラス板搬送装置6の熱変位によるとして、上記誤差値に基づいてCNC装置に既設定の熱変位量値を修正し、または、上記熱変位量値としての0の値の設定また空のときは上記誤差値は切断誤差によるとし、切断部2を制御するCNC装置に上記誤差値をオフセット値として設定する段階5、上記段階1から段階5を経て自動修正されたガラス板加工装置1を再び運転し、切断部2から折割部4を経て切断ガラス板5を研削加工部3の研削テーブル13に搬送し載置固定し、その切断ガラス板5の搬送方向の一辺97の位置を再び上記レーザー測定器95により測定し、その測定値を得る段階6、上記ガラス板加工装置をさらに運転し、切断ガラス板5を研削加工し、研削加工終了後にその研削加工ガラス板5について、再び搬送方向96の一辺97の位置を上記レーザー測定器95によって測定し、測定値を取る段階7、研削加工後の上記測定値と、研削加工前の切断ガラス板5の上記測定値に既設定の研削ホイール58の切込み量値を加味して算出した研削目標値とを比較して研削ホイール58の研削負荷による逃げの存否を判定する段階8、研削加工後の上記測定値が上記研削目標値に対して大きいとき、その誤差値に基づいて研削ホイール58の上記既設定の切込み量値を数値制御される切込みモータ68によって修正設定する段階9、以上の上記段階1から段階9を経ることによって、上記ガラス板加工装置1における加工寸法の自動測定及び自動修正が行われ得る。
また、本ガラス板加工装置1を運転し、切断部2から折割部4を経て、研削加工部3の研削テーブル13上に切断ガラス板5を搬送し載置する段階1、研削加工部3に設置のレーザー測定器95により上記切断ガラス板5の搬送報告の一辺97の位置を測定し測定値を得る段階2、上記ガラス板加工装置1を運転し、上記切断ガラス板5を研削加工し、研削加工終了後に、この研削加工ガラス板5について、再び搬送方向96の一辺97の位置を上記レーザー測定器95によって測定し、測定値を取る段階3、研削加工後の上記測定値と、研削加工前の切断ガラス板5の上記測定値に既設定の研削ホイール58の切込み量値を加味して算出した研削目標値とを比較して研削ホイール58の研削負荷による逃げの存否を判定する段階4、研削加工後の上記測定値が上記研削目標値に対して大きいとき、その誤差値に基づいて研削ホイール58の上記既設定の切込み量値を数値制御される切込みモータ68によって修正設定する段階5、以上の上記段階1から段階5を経ることによって、上記ガラス板加工装置1における加工寸法の自動測定及び自動修正が行われ得る。
なお、連続運転中にドレッシングが行われた場合は、研削負荷減少による加工寸法が小さくなり過ぎるのを防ぐために、上記切込み量値の修正設定をもとに戻す。