JP5616724B2 - ポリウレタンフォーム用発泡性組成物並びにポリウレタンフォーム材 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びそれから得られたポリウレタンフォーム材に係り、特に、発泡剤として二酸化炭素を利用して製造されるポリウレタンフォーム材の寸法安定性や断熱性についての実用的な特性を確保しつつ、有効な防カビ性を付与せしめるための技術に関するものである。
従来から、ポリウレタンフォーム材は、その優れた断熱性や接着性を利用して、主に、断熱部材として、建築用内外壁材やパネル等の断熱、金属サイディングや電気冷蔵庫等の断熱、ビル・マンション・冷凍倉庫等の躯体、壁面、天井、屋根等の断熱及び結露防止、輸液パイプ等の断熱に実用されてきている。また、かかるポリウレタンフォーム材は、一般に、ポリオール化合物に、発泡剤、更に必要に応じて触媒や整泡剤、難燃剤等の各種助剤を配合したポリオール配合液(プレミックス液)をポリオール成分として、これと、ポリイソシアネート化合物を含むポリイソシアネート成分とを、混合装置により連続的に又は断続的に混合してポリウレタンフォーム用発泡性組成物とし、これを、スラブ発泡法、注入発泡法、スプレー発泡法、ラミネート連続発泡法等の方式により発泡、硬化させることにより、製造されている。
そして、そこで用いられるポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、成層圏オゾン層の破壊という環境問題から、発泡剤として、オゾン層破壊の少ない又は生じない代替フロンであるハイドロフルオロカーボン系発泡剤(例えば、HFC−245fa,HFC−365mfc等)が、使用されている。しかし、近い将来、そのような代替フロンの使用も制限されるとの推測から、近年においては、二酸化炭素(炭酸ガス)を、代替フロン系発泡剤等の既存の発泡剤の一部又は全部の代替として用いて製造されるポリウレタンフォーム材が、検討されている。例えば、特許文献1,2には、ポリイソシアネート成分(化合物)と水との化学反応で生成する二酸化炭素を発泡剤として利用する、所謂「水発泡法」で製造されるポリウレタンフォーム材が、明らかにされている。また、特許文献3には、発泡剤として、水とポリイソシアネート成分(化合物)との反応により発生する二酸化炭素と、超臨界状態、亜臨界状態又は液体状態の二酸化炭素とを併用して、製造されるポリウレタンフォーム材が、明らかにされている。
ところで、そのような二酸化炭素を発泡剤として用いて製造される、従来のポリウレタンフォーム材にあっては、それが、スプレー発泡法等によって、冷蔵庫や冷凍・冷蔵室等のような結露し易い部位において形成されるときには、カビの発生を抑制乃至は阻止するために、防カビ性を有するポリウレタンフォーム材として、適用されることが望ましく、そのために、従来から、各種の防カビ性のポリウレタンフォームが提案されている。
例えば、特許文献4においては、機械的強度に優れた、防カビ性を有する靴底用ポリウレタンフォームとして、アルキル又はアルコキシ硫酸第4級アンモニウムを含有せしめてなるものが、明らかにされており、また、特許文献5においては、ヒノキチオールにて代表されるトロポロン類の誘導体を含有せしめたポリウレタンフォームが明らかにされ、更に、特許文献6においては、カルシウム−ホウ素系の天然鉱物であるコレマナイトを含有せしめてなる、防カビ性に優れた軟質ポリウレタンフォームが、明らかにされている。
しかしながら、それら従来の防カビ性のポリウレタンフォームにあっては、その防カビ効果が充分でなく、そのために、用途に制限を受けたり、防カビ剤のポリウレタンフォーム原料への添加、含有によって、形成されるポリウレタンフォームの特性が低下せしめられたりする等の問題を内在するものであった。特に、これまでに知られている防カビ剤を、そのまま、ポリウレタンフォーム原料に添加、含有せしめるだけでは、得られるポリウレタンフォームに対して、有効な防カビ性を付与することは困難であったのである。
特開平4−227645号公報 特開2004−59641号公報 特開2004−107376号公報 特開2003−96293号公報 特開2004−197054号公報 特開2005−154533号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、発泡剤として二酸化炭素を利用して製造されるポリウレタンフォーム材において、その寸法安定性や断熱性における実用的な特性を有利に確保しつつ、有効な防カビ性を効果的に付与せしめ得るポリウレタンフォーム用発泡性組成物を提供することにあり、また、かかるポリウレタンフォーム用発泡性組成物を用いることによって得られる、有用な断熱特性や寸法安定性と共に、優れた防カビ性を具備するポリウレタンフォーム材を提供することにある。
そして、本発明者が、上記課題を解決するために、従来から防カビ剤として知られている各種の化合物について、それぞれのポリウレタンフォームに対する防カビ作用を鋭意検討した結果、防カビ成分として、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトを用い、これを高沸点極性溶媒に溶解させて含有せしめることによって、得られるポリウレタンフォームに、実用的な断熱特性や寸法安定性を有利に付与しつつ、更に、優れた防カビ特性を効果的に付与せしめ得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応せしめると共に、発泡剤として二酸化炭素を用いて発泡させることにより得られるポリウレタンフォームの製造に使用される発泡性組成物であって、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトを高沸点極性溶媒に溶解させて含有せしめたことを特徴とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の好ましい態様の一つによれば、前記二酸化炭素は、水とポリイソシアネート成分との反応により発生する二酸化炭素である。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の好ましい態様の別の一つによれば、前記ポリオール成分が、ノボラック樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られるフェノール樹脂系ポリオールを含むものである。
加えて、本発明の他の望ましい態様の一つによれば、ポリオール成分は、芳香族ジアミンにアルキレンオキサイドを付加させて得られる芳香族ジアミン系ポリオールを含んでいる。
さらに、本発明の別の望ましい態様の一つによれば、ポリオール成分は、更に、有機珪素化合物を含むものである。
加えて、本発明の更に別の望ましい態様の一つによれば、前記高沸点極性溶媒は、ポリエチレングリコールである。
そして、本発明は、そのようなポリウレタンフォーム用発泡性組成物を発泡、硬化させて得られるポリウレタンフォーム材をも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、発泡剤として二酸化炭素を用いて形成される発泡体中に、特定の防カビ性化合物、即ち、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトが、所定の高沸点極性溶媒に溶解されて含有せしめられていることによって、得られるポリウレタンフォームに対して、防カビ特性が効果的に付与され得ることとなるのであり、以て、その優れた防カビ特性により、冷蔵庫や冷凍・冷蔵室等の結露し易い部位における断熱材として、有利に用いられ得ることとなるのである。しかも、そのようにして得られたポリウレタンフォームは、有用な断熱特性を有すると共に、寸法安定性にも実用上満足し得るものであって、これにより、各種の用途に有利に適用され得るものとなったのである。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム材にあっては、上述せる如きポリウレタンフォーム用発泡性組成物を用いて形成されるものであるところから、上記と同様な効果を享受することが出来、以て、有効な断熱特性及び寸法安定性を備え、そして防カビ特性がより一層有利に改善され得たものとなっているのである。
以下、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物、及びこれを用いて得られるポリウレタンフォーム材について、詳細に説明することとする。
先ず、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、少なくとも、発泡剤として二酸化炭素が用いられると共に、ポリオール化合物を含むポリオール成分と、ポリイソシアネート化合物を含むポリイソシアネート成分とが用いられ、これに加えて、防カビ・抗菌成分としての特定の2種の化合物が組み合わせて、用いられることとなるのである。
そこにおいて、ポリオール成分を構成するポリオール化合物の一つとして、フェノール樹脂系ポリオール、即ちノボラック樹脂、換言すればノボラック型のフェノール樹脂に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド又はそれらの混合物等のアルキレンオキサイドを付加、反応させることによって、得られるものが、有利に用いられるのである。そして、そのようなフェノール樹脂系ポリオールの調製に使用されるノボラック型フェノール樹脂(ノボラック樹脂)としては、低粘度化の観点から、有利には、遊離フェノール類を5〜50質量%、好ましくは10〜35質量%程度の割合で含有するものが、採用されることとなる。これは、遊離フェノール類の含有割合が5質量%未満では、有効な低粘度化を図ることが困難であって、目的とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物として使用に供することが出来なくなる恐れがあるからであり、逆に50質量%を超えるようになると、ポリウレタンフォームが柔らかくなり過ぎて、成形性の悪化を招く傾向があるからである。
そして、このようなノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを、フェノール類の1モルに対して、アルデヒド類を0.3〜1.0モルの割合で配合し、更に酸触媒を加えて、所定の反応条件(温度や時間)で反応させた後、必要に応じて減圧脱水処理を施すことにより、ノボラック型フェノール樹脂の初期縮合物として、有利に製造されることとなる。ここで、初期縮合物とは、分子量が比較的に低いフェノール樹脂であって、1分子中に、2〜10程度のフェノール骨格を有する縮合物や未反応フェノール類の混合物である。なお、かかるノボラック型フェノール樹脂(初期縮合物)の製造方法は、上記の方法に何等限定されるものではなく、生成するノボラック型フェノール樹脂中に上記の遊離フェノール類の所定割合が存在するようにして、適宜に反応条件や反応環境(例えば、常圧、減圧、加圧、不活性ガスの共存の有無、段階的又は逐次的反応等)を設定して、製造することが出来る。更には、上記反応終了後の縮合物に対して、必要に応じて、別途フェノール類を加える等して、遊離フェノール類の含有割合を、上記のように調整することも可能である。
なお、上記ノボラック型フェノール樹脂の製造に際して用いられるフェノール類としては、特に限定されるものではなく、一般に、フェノールが採用されるが、必要に応じて、例えば、クレゾール、エチルフェノール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキルフェノールのうちの1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることも、又はそのようなアルキルフェノールのうちの1種以上とフェノールとを併用することも出来る。更には、m−クロロフェノール、o−ブロモフェノール等のハロゲン化フェノール;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、フロログルシノール等の多価フェノール;ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]、ビスフェノールF(4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン)等のビスフェノール;レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール系化合物の精製残渣;α−ナフトール、β−ナフトール、β−ヒドロキシアントラセン等のヒドロキシル基含有多核化合物のうちの1種を単独で、或いはそれらの2種以上を混合して用いることも、又はそれらのうちの1種以上と、フェノールやアルキルフェノールとを併用することも出来る。
一方、上記フェノール類と反応せしめられるアルデヒド類としては、特に限定されるものではなく、一般にホルマリン、パラホルムアルデヒドのうちの何れか一方若しくは両方が用いられるが、必要に応じて、その他のホルムアルデヒド類(例えば、トリオキサン、テトラオキサン、ポリオキシメチレン等)、グリオキサール等を、単独で、或いは併用することが出来る。
また、ノボラック型フェノール樹脂の製造に使用される酸触媒としては、シュウ酸が好適であるが、その他にも、有機スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸等)、有機カルボン酸(例えば、酢酸等)の二価金属(例えば、マグネシウム、亜鉛、鉛等)の塩、かかる二価金属の塩化物、それら二価金属の酸化物、無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)等を、単独で用いてもよく、勿論、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、ポリオール化合物の一つとして用いられるフェノール樹脂系ポリオールは、上述のようにして製造されたノボラック型フェノール樹脂に、塩基性触媒の存在下で、所定のアルキレンオキサイドを付加反応させることによって、得られるものであり、これによって、有利には、遊離フェノール類を含む、ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基の部位に、上記所定のアルキレンオキサイドが付加されて、フェノール性水酸基がアルコール性水酸基へ変換されたフェノール樹脂系ポリオールとなる。このように、所定のアルキレンオキサイドの付加によって、フェノール樹脂が改質され、ポリオール化合物の親水性が更に向上されることとなり、その結果として、上記フェノール樹脂系ポリオールは、特に、二酸化炭素を発泡剤とする発泡法において用いられるポリオール化合物として好適であるのみならず、後述するポリイソシアネート化合物との混合性にも優れたものとなるのである。
なお、上記フェノール樹脂系ポリオールは、アルキレンオキサイドの配合量等を適宜に選定することにより、その水酸基価が、有利には、100〜600mgKOH/gとなるように、好ましくは150〜450mgKOH/gとなるように、より好ましくは200〜400mgKOH/gとなるように構成される。この水酸基価が低くなり過ぎると、それを用いて得られるフォームが柔らかくなり過ぎて、成形性が悪くなり、目的とするポリウレタンフォームが得られない傾向があるからであり、逆に、水酸基価が高くなり過ぎると、粘度が充分に低くならず、ポリイソシアネート化合物との混合性が悪くなる傾向があるからである。また、この水酸基価に対応して、フェノール樹脂系ポリオールの粘度も変動することとなるが、本発明において用いられるフェノール樹脂系ポリオールの粘度は、500〜60000mPa・s/25℃の範囲とされる。
ここで、上記のフェノール樹脂系ポリオールの製造に用いられるアルキレンオキサイドとしては、一般に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド又はそれらの混合物等であり、得られるフォームの特性に応じて、適宜に選定されることとなる。また、そのようなアルキレンオキサイドの配合量としては、一般に、ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基に対して、1〜20倍当量となる範囲において、適宜に選択されることとなる。
そして、上記フェノール樹脂系ポリオールの製造に用いられる、換言すれば上記ノボラック型フェノール樹脂と所定のアルキレンオキサイドとの付加反応に用いられる、塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ性触媒を好適に採用することが出来、これらのうちの少なくとも1種が適宜に選択されて、用いられることとなるが、勿論、これらに限定されるものではないことは、言うまでもないところである。
なお、かかるフェノール樹脂系ポリオールの使用量としては、全ポリオール化合物の100質量部中に、一般に、20質量部以上、好ましくは30質量部以上の割合で含まれるように、適宜に決定されることとなる。このフェノール樹脂系ポリオールの使用量が20質量部未満となると、形成されるポリウレタンフォームの特性の向上を充分に図り難くなる等の問題を惹起する。
また、本発明にあっては、ポリオール化合物として、上記したフェノール樹脂系ポリオールに加えて、又はそれに代えて、公知の他の各種のポリオール化合物が、必要に応じて用いられ得、その中でも、得られるポリウレタンフォームの寸法安定性等の特性をより向上せしめる上において、芳香族ジアミン系ポリオールや他のポリオールが、単独で若しくは組み合わされて、有利に用いられ得るが、特に、芳香族ジアミン系ポリオールが、フェノール樹脂系ポリオールと共に、ポリオール化合物として有利に用いられることとなる。
そして、そのようなフェノール樹脂系ポリオールと共に、ポリオール化合物の更に他の一つとして有利に用いられる芳香族ジアミン系ポリオールは、芳香族ジアミンに対して、公知の手法に従って、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等の所定のアルキレンオキサイドを付加させることによって、得られるものである。換言すれば、かかる芳香族ジアミン系ポリオールは、芳香族ジアミンを開始剤として、これに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド又はそれらの混合物等のアルキレンオキサイドを開環付加せしめてなる、末端水酸基の多官能ポリエーテルポリオール化合物である。
なお、そのような芳香族ジアミン系ポリオールを与える、開始剤としての芳香族ジアミンには、公知の各種の芳香族ジアミン化合物を用いることが出来、具体的には、トリレンジアミンと総称される、フェニレンジアミンの各種のメチル置換体の他、そのアミノ基に対して、メチル、エチル、アセチル、ベンゾイル等の置換基が導入されてなる誘導体や、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン等を、例示することが出来る。また、それらの中でも、得られるポリウレタンフォームの特性を高める上において、トリレンジアミンが好ましく用いられることとなる。
ところで、かくの如き芳香族ジアミンにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等の所定のアルキレンオキサイドを付加させて得られる芳香族ジアミン系ポリオールとしては、各種のものが市販されており、例えば、トリレンジアミン系ポリオールとして、サンニックスHA−501、同HM−550、同HM−551(以上、何れも、三洋化成工業株式会社製品)等の商品を例示することが出来、本発明にあっては、それら市販品の中から、適宜に選定して用いられることとなる。なお、この芳香族ジアミン系ポリオールの水酸基価は、有利には200〜600mgKOH/g、また粘度は、有利には500〜30000mPa・s/25℃の範囲内とされる。
このように、本発明にあっては、かくの如き芳香族ジアミン系ポリオールが、前記したフェノール樹脂系ポリオールと共に、ポリオール化合物として、有利に用いられることとなるのであるが、そのような芳香族ジアミン系ポリオールは、ポリオール化合物全体の20質量%以上、好ましくは30質量%以上の割合において用いられることが、本発明の目的をより良く達成する上において望ましいのである。また、その中で、フェノール樹脂系ポリオールと芳香族ジアミン系ポリオールとは、質量比にて、3/7〜7/3の割合において用いられることが望ましい。更に、それらフェノール樹脂系ポリオールと芳香族ジアミン系ポリオールの配合比率において、フェノール樹脂系ポリオールの割合が多くなり過ぎると、寸法安定性の向上効果が低下するようになり、また芳香族ジアミン系ポリオールの割合が多くなり過ぎると、断熱特性等の向上効果が低下するようになるので、望ましくない。
なお、本発明にあっては、ポリオール化合物として、前記したフェノール樹脂系ポリオールに加えて、有利には、上述した芳香族ジアミン系ポリオールが、用いられることとなるのであるが、かかるポリオール化合物としてのフェノール樹脂系ポリオールの使用による特徴に悪影響をもたらさない限りにおいて、芳香族ジアミン系ポリオールと共に、又はそれに代えて、他の公知のポリオール化合物を同時に用いることも可能である。例えば、そのような他の公知のポリオール化合物としては、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂肪族アミン系ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエーテルポリオール等の、公知のポリエーテルポリオール、又は、多価アルコールと、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ダイマー酸等のポリカルボン酸とを反応させて得られるポリカルボン酸系ポリエステルポリオール、ラクトン等を開環重合させて得られるラクトン系ポリエステルポリオール等の、公知のポリエステルポリオールを挙げることが出来る。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、有利には、上述の如きフェノール樹脂系ポリオール、或いは、それと上述の如き芳香族ジアミン系ポリオールとが、少なくともポリオール化合物として用いられると共に、更に、従来から公知の各種の有機珪素化合物が添加、含有せしめられ、それによって、得られるフォームの断熱性能等の特性の向上に寄与せしめられることとなる。そして、そのような有機珪素化合物の中でも、特に、下記一般式(I)及び(II)で表される特定の有機珪素化合物が、好適に用いられ、これによって、断熱性能の向上、更にはその長期安定性の向上が、より一層有利に実現され、特に熱伝導率の経時変化、例えば、その初期値と2ヵ月後のものとの差が、0.0030W/(m・K)以下、好ましくは0.0025W/(m・K)以下となるような特性を、有利に実現せしめ得るのである。
Figure 0005616724
Figure 0005616724
[但し、式中、R1 〜R12は炭素数1〜3のアルキル基を表し、同一であっても、異なっていても良い。また、nは0〜50である。]
なお、そのような好ましい特性を実現する一般式(I)で表される有機珪素化合物は、モノアルコキシトリアルキルシランであって、その置換アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が存在するが、特に好適には、東レ・ダウコーニング(株)より製造販売されている商品:SS2010(トリメチルメトキシシラン)が用いられる。また、前記一般式(II)で表される有機珪素化合物は、基本構造単位のn数が0〜50、好ましくは0〜10であるポリアルキルポリシロキサンであって、それぞれのアルキル置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基があるが、特に好適なものとしては、アルキル基が全てメチル基であるものであり、例えば、東レ・ダウコーニング(株)より製造販売されている商品:SH200 0.6cst(n=0)、SH200 1cst(n=1)、SH200 1.5cst(n=2.4)、SH200 2cst(n=3.4)、SH200 3cst(n=5.2)、SH200 5cst(n=8.2)等を例示することが出来るが、より好ましくはSH200 0.6cst(n=0)〜SH200 2cst(n=3.4)である。なお、前記一般式(I)及び(II)で表される有機珪素化合物中の置換基R1 〜R12は、同一のものであっても、異なるものであっても、何等差し支えない。
また、上記の特定の有機珪素化合物は、それぞれを単独で用いても良く、また両者を組み合わせて用いても良い。勿論、同属の化合物を2種以上併用しても、何等差し支えないのである。また、かかる特定の有機珪素化合物の配合量は、種類、硬化様式、フォーム物性、発泡形態等により、一義的に決めることは困難であるが、一般的には、ポリオール化合物の100質量部当たり、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部の範囲で選ばれることとなる。この有機珪素化合物の配合量が少なくなり過ぎると、その使用による効果を充分に奏し得なくなるからであり、また、その配合量が多くなり過ぎると、断熱性能の長期安定性の向上効果が頭打ちとなり、コスト高となるため、経済的ではない。
ところで、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、また、発泡剤として、二酸化炭素及び/又はその形成源が、導入せしめられることとなる。
ここで、そのような二酸化炭素又はその形成源は、(1)発泡剤源である水を添加せしめることによって、或いは、(2)亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素を添加せしめることによって、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物中に導入せしめられるのであるが、かかる(1),(2)のうちの何れか一方であっても、或いは、それらの両方を組み合わせてもよい。なお、亜臨界状態の二酸化炭素とは、圧力が臨界圧力以上で、温度が臨界温度未満である液体状態の二酸化炭素、圧力が臨界圧力未満で温度が臨界温度以上である液体状態の二酸化炭素、或いは温度及び圧力が臨界点未満であるが、これに近い状態の二酸化炭素を指し、また、超臨界状態の二酸化炭素とは、圧力、温度が共に臨界圧力、臨界温度以上の、臨界点を超えた流体状態の二酸化炭素を意味する。
特に、上記(1)の水発泡の場合には、発泡剤源である水が、後述するポリイソシアネート化合物との反応により、フォームの形成に利用される炭酸ガスを生成する役割を果たすと共に、用いられるポリオール化合物の粘度低下にも僅かながら寄与することとなる。かかる水発泡のための水の配合量は、所望のフォーム密度となるように適宜に設定され得るが、通常、ポリオール化合物の100質量部に対して、0.5〜12質量部、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜8質量部の範囲で、適宜に設定され得る。なお、水の配合量が、ポリオール化合物の100質量部に対して、0.5質量部未満では、炭酸ガスの発生量が充分ではなく、逆に12質量部を超えるようになると、密度の極端な低下によるフォームの脆弱化が惹起される恐れがある。
一方、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素を混合せしめる場合にも、その添加量は、所望のフォーム密度となるように適宜に設定され得るものであり、通常、フェノール樹脂系ポリオールを少なくとも含むポリオール化合物の100質量部に対して、0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部の範囲で、適宜に設定され得る。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、ポリオール化合物と反応して、ポリウレタンを生成するポリイソシアネート化合物が用いられて、ポリイソシアネート成分が、構成されることとなる。このポリイソシアネート化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有する有機系イソシアネート化合物であり、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリトリレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートの他、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を挙げることが出来る。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。一般的には、反応性や経済性、取扱性等の観点から、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)が好適に用いられる。
かかるポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との配合割合は、フォームの種類(例えば、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート)によって変更されることとなるが、一般に、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)とポリオール化合物(各ポリオールの合計)の水酸基(OH)との比率を示すNCO/OHインデックス(当量比)が、0.9〜2.5程度の範囲となるように、適宜に設定される。
そして、本発明にあっては、本発明の目的を達成するために、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物に配合せしめられる防カビ成分として、特定の化合物、即ち、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトが用いられ、この特定の化合物の含有によって、初めて、優れた防カビ性が、生じるポリウレタンフォームに効果的に付与せしめられ得るのである。
このような防カビ成分たる3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトは、目的とする良好な防カビ性能の程度に応じて、ポリウレタンフォーム中において、適宜の含有量となるように、用いられることとなるが、一般に、0.1〜10質量%程度の含有量となる割合において、用いられることとなる。ポリウレタンフォーム中の濃度が、余りにも少なくなると、充分な防カビ性能が発揮され難くなるからであり、また、その含有量が多くなり過ぎると、フォーム物性等に悪影響をもたらす恐れが生じるからである。
また、かかる防カビ成分たる3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトは、生成するポリウレタンフォーム中への有効な導入のために、所定の高沸点極性溶媒に溶解されて、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物に含有せしめられることとなる。なお、ここで用いられる高沸点極性溶媒としては、一般に、150℃以上の沸点を有する有機の極性溶媒が、好ましく用いられ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げることが出来る。特に、本発明においては、それら高沸点極性溶媒の中でも、ポリエチレングリコールが好適に用いられ、また、ポリエチレングリコールの中でも、平均分子量が200〜600のものが、有利に用いられることとなる。
特に、このように、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトを、高沸点極性溶媒に溶解させてなる防カビ剤溶液を、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物に含有せしめるようにすることによって、良好な防カビ性が効果的に発揮せしめられ得ることとなるのであるが、中でも、ポリオール成分として、前記したフェノール樹脂系ポリオールを用いて得られるポリウレタンフォームにあっては、隠蔽性が高く、フォーム表面に防カビ剤がブリードし難くなるところから、本発明に従って、所定の高沸点極性溶媒に溶解せしめてなる形態において、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトを、ポリウレタンフォーム中に導入せしめることにより、そのブリード性を有利に向上せしめ得て、優れた防カビ性が効果的に発揮され得ることとなるのである。
さらに、かかる防カビ成分たる3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトを、高沸点極性溶媒に溶解せしめるに際しては、それら3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイト(B)と高沸点極性溶媒(S)とは、質量基準において、一般に、B/S=0.5/9.5〜5/5程度の割合において、好ましくは、1/9〜3/7程度の割合において、組み合わされて、防カビ剤溶液として、調製されることとなる。なお、そこで、高沸点極性溶媒の使用割合が少ないと、本発明の目的を充分に達成し難くなるからであり、また、その使用割合が多くなり過ぎると、得られるポリウレタンフォームの物性にも悪影響をもたらすようになるからである。
なお、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、上述の如きポリオール成分やポリイソシアネート成分、二酸化炭素(水発泡法の場合には、発泡剤源である水)からなる発泡剤、更には、防カビ成分としての特定の化合物(3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイト)以外にも、従来からポリウレタンフォームの製造に際して用いられている触媒や整泡剤等の各種の助剤が、配合せしめられることとなる。
具体的には、触媒に関しては、例えば、水を発泡剤源として用いる際に、ポリイソシアネート化合物と水との反応によって生成する炭酸ガスを早期に発生せしめることが要求される場合には、それらポリイソシアネート化合物と水との反応を促進する作用を有するアミン系泡化触媒が、有利に用いられる。そのようなアミン系泡化触媒としては、例えば、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン等を挙げることが出来、これらは、単独で用いてもよく、或いは2種以上を併用することも出来る。また、その配合量としては、通常、ポリオール化合物の100質量部に対して、1〜30質量部程度が、好適に採用される。
また一方、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応を促進させるためには、樹脂化触媒が有利に用いられる。この樹脂化触媒は、フォームの種類に応じて適宜に選択されて用いられるものであり、例えば、ウレタン化触媒、イソシアヌレート化触媒が単独で用いられたり、或いは、これらが併用される。ウレタン化触媒としては、例えば、第三級アミン、ジブチル錫ジラウレート、エチルモルホリン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、オクチル酸ビスマス(2−エチルヘキシル酸ビスマス)、ネオデカン酸ビスマス、ネオドデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の脂肪酸ビスマス塩、ナフテン酸鉛等を挙げることが出来る一方、イソシアヌレート化触媒としては、例えば、ヒドロキシアルキル第四級アンモニウム塩、オクチル酸カリウム、酢酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン等を挙げることが出来る。これらの樹脂化触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、樹脂化触媒の配合量は、一般に、ポリオール化合物の100質量部に対して、0.1〜15質量部程度が、望ましい。
また、上記の整泡剤は、ポリウレタンフォームのセル構造を均一に整えるために用いられるものであって、ここでは、シリコーンや非イオン系界面活性剤が好適に採用される。具体例として、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、ポリシロキサンオキシアルキレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ヒマシ油エチレンオキシド付加物、ラウリル脂肪酸エチレンオキシド付加物等を挙げることが出来、これらのうちの1種が単独で或いは2種以上が組み合わされて用いられる。なお、この整泡剤の配合量は、所期のフォーム特性や、使用する整泡剤の種類等に応じて適宜に決定され得るが、好ましくは、ポリオール化合物の100質量部に対して、0.1〜10質量部程度の割合とされる。
加えて、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、更に必要に応じて、公知の難燃剤や起泡剤の他、例えば、尿素、メラミン等のホルムアルデヒド捕捉剤や、気泡微細化剤、可塑剤、補強基材等の、従来から知られている各種添加剤を、適宜に選択して配合することも出来る。
なお、前記難燃剤としては、環境への負荷が少なく、発泡性組成物の減粘剤としても機能するトリスクロロエチルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリエチルフォスフェート等のリン酸エステルが有利に用いられる。このリン酸エステルを配合する場合、その配合量は、所期のフォーム特性や難燃剤の種類等に応じて適宜決定され得るものであるが、好ましくは、ポリオール化合物の100質量部に対して、10〜60質量部の範囲で選択され、その範囲の中でも、特に、10〜40質量部程度が好適に採用される。また、上記リン酸エステル以外にも、難燃剤として、水酸化アルミニウム等が好適に使用され得る。
また、上記起泡剤は、水を発泡剤源として用いる際に、炭酸ガスが発生するまでの発泡と硬化の時間的なずれを、起泡剤の有する石鹸機能による泡立ち(高起泡性と泡安定性)で補うために用いられるものであって、特に、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物を吹き付け方式の発泡法(吹き付け発泡法)で発泡・硬化させる場合に有用である。かかる起泡剤としては、石鹸の成分として知られる脂肪酸アルカリ金属塩、特に、炭素数が12〜18であるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸のナトリウム塩又はカリウム塩を例示することができる。これらの中でも、水発泡法においては、脂肪酸カリウム塩が、特に好適に用いられる。
さらに、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、上述の如く、オゾン層の保全の観点から、二酸化炭素が、発泡剤として採用されるのであるが、このように、二酸化炭素を主たる発泡剤として採用する場合においては、必要に応じて、過酸化水素水や、ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、テトラフルオロエタン(HFC-134a)等に代表されるハイドロフルオロカーボンや、ジクロロメタン、イソプロピルクロライド等に代表されるハロゲン系炭化水素を、二酸化炭素による発泡作用を補助するための発泡助剤として、添加することも可能である。
そして、上述せる如きポリオール成分並びに二酸化炭素又はその形成源、ポリイソシアネート化合物、更には、防カビ成分としての特定の化合物とそれを溶解する高沸点極性溶媒等を用いて、目的とする本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物を製造するに際しては、従来のポリウレタンフォーム用発泡性組成物と同様な製造手法が、採用され得る。
例えば、水発泡法を採用する場合、即ち、発泡剤として水とポリイソシアネートとの反応により発生する二酸化炭素を用いる場合には、先ず、ポリオール化合物に対して、発泡剤源としての水、更には防カビ成分としての特定の化合物を所定の高沸点極性溶媒に溶解せしめてなるもの、そして必要に応じて、泡化触媒、樹脂化触媒、整泡剤、難燃剤、起泡剤、その他各種助剤が配合されて、ポリオール配合液(プレミックス液)が調製される。次いで、この調製されたポリオール配合液とポリイソシアネート化合物(成分)とが、低圧高速撹拌混合機を用いて高速撹拌混合されることにより、或いは、高圧衝突混合機(例えば、現場スプレー発泡機)を用いて高圧衝突混合されることにより、液状のポリウレタンフォーム用発泡性組成物が製造せしめられるのである。なお、本発明において、水発泡法に適した低粘性を有する芳香族ジアミン系ポリオールを、ポリオール化合物として、本発明に従うフェノール樹脂系ポリオールと共に用いるようにすることによって、ポリイソシアネート化合物との混合が有利に実施され、均質な発泡性組成物が製造され得る特徴がある。
一方、発泡剤として、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素を用いる場合には、先ず、ポリオール化合物に対して、必要に応じて、泡化触媒、樹脂化触媒、整泡剤、難燃剤、起泡剤、その他各種助剤が配合されて、ポリオール配合液(プレミックス液)が調製される。そして、この調製されたポリオール配合液がポリイソシアネート化合物と混合せしめられる直前に、好ましくはポリオール配合液に対して、所定の圧力と温度の下、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素が添加、混合された後、ポリイソシアネート化合物が更に添加混合されることにより、液状のポリウレタンフォーム用発泡性組成物が製造され得るのである。
そして、このようにして製造されたポリウレタンフォーム用発泡性組成物は、例えば、面材上に塗布して板状に発泡、硬化を行なうラミネート連続発泡法、電気冷蔵庫等の断熱性能が要求される空間部内や軽量・高強度ボードのハニカム構造内に注入充填して発泡、硬化を行なう注入発泡法、現場発泡機のスプレーガンヘッドから被着体へ吹き付けて発泡、硬化させるスプレー発泡法によって、発泡、硬化せしめられ、目的とするポリウレタンフォームが形成されることとなる。
かくして、上記したポリウレタンフォーム用発泡性組成物を用いて得られるポリウレタンフォームからなる材料乃至は部材にあっては、防カビ成分としての3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトが、高沸点極性溶媒に溶解されて導入せしめられていることによって、優れた防カビ特性が有利に付与されたものとなり、しかも、その断熱特性や寸法安定性においても、有用な特性が付与されたものとなるのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下に示す「%」及び「部」は、何れも質量基準である。
以下の如くして、先ず、ノボラック型フェノール樹脂を調製し、次いでその得られたノボラック型フェノール樹脂に、アルキレンオキサイドとして、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加させることによって、目的とするフェノール樹脂系ポリオールを準備した。
<ノボラック型フェノール樹脂の調製>
撹拌装置を備えた反応容器内に、フェノールの9400部、92%パラホルムアルデヒドの1630部、酸触媒としてのシュウ酸の19部を仕込んだ後、撹拌混合しながら、100℃の温度で、5時間、反応させた。その後、減圧下で水分を溜去することにより、目的とするノボラック型フェノール樹脂を得た。その遊離フェノールの含有量は、30質量%であった。
<フェノール樹脂系ポリオールの調製>
撹拌装置を備えた耐圧反応容器内に、上記で得たノボラック型フェノール樹脂の4000部を、アルカリ触媒としての水酸化カリウムの200部と共に、仕込んだ後、撹拌混合しながら、150℃の温度で、エチレンオキサイドの1700部を加えて、ノボラック型フェノール樹脂に付加させ、その後、更にプロピレンオキサイドの2200部を加えて、付加させた。次いで、水酸化カリウム(触媒)を酢酸で中和して、目的とするフェノール樹脂系ポリオールを得た。この得られたフェノール樹脂系ポリオールについて、その水酸基価を、JIS K 1557−1に準拠して測定したところ、300mgKOH/gであり、また、その25℃における粘度を、B型粘度計を用いて、JIS K 7117−1に準拠して測定したところ、20000mPa・sであった。
実施例1〜5及び比較例1〜4
先ず、ポリオール化合物として、上記で準備したフェノール樹脂系ポリオールを用い、更にトリレンジアミン系ポリオール(商品名:サンニックスHM−551、三洋化成工業株式会社製、水酸基価:400mgKOH/g)、グリセリン系ポリオール(商品名:EXCENOL−430、旭硝子株式会社製)を用い、また、シリコーン整泡剤(商品名:SH−193、東レ・ダウコーニング社製)、難燃剤(トリスクロロプロピルホスフェート)、触媒A(商品名:TOYOCAT−TT、東ソー株式会社製)、触媒B(商品名:カオライザーNo.31、花王株式会社製)、起泡剤(リシノール酸カリウム)及び発泡剤源としての水を用い、更に、各種防カビ剤溶液(A〜F)を用いて、下記表1に示される配合割合において、それぞれの成分を混合せしめて、各種のポリオール配合液を調製した。なお、防カビ剤溶液A〜Fは、以下の表2に示される防カビ成分と溶媒とを、2/8の比率において、混合せしめて得られる溶液である。そこで、PEG400は、平均分子量が400であるポリエチレングリコールを示している。
次いで、かかる得られた各種のポリオール配合液と、ポリイソシアネート成分としてのクルードMDI(商品名:ルプラネートM−11S、BASF INOAC ポリウレタン社製)とを、体積比1:1で用い、現場スプレー発泡機(商品名:FF−1600、ガスマー社製)により攪拌混合せしめて、発泡原液とし、これを、雰囲気温度:15℃の条件下において、被着体である無機フレキシブルボードの表面に吹き付けて、発泡、硬化させることにより、実施例1〜5及び比較例1〜4に係る各種の硬質ポリウレタンフォームをそれぞれ作製した。
そして、かくして得られた各種のポリウレタンフォームを用いて、それぞれ、以下のようにして、防カビ性を評価するハロー試験を実施し、また、寸法安定性及び熱伝導率を測定して、その得られた結果を、それぞれ、下記表1に示した。
<ハロー試験(防カビ性の評価)>
滅菌シャーレに、カビ用寒天培地を、約15mL分注して、固化せしめた後、JIS Z−2911「カビ抵抗性試験」にて規定される、合成樹脂指定カビである、アスペルギルス・ニゲルと、ペニシリウム・シトリヌムと、クラドスポリウム・クラドスポリオイデスと、ケトミウム・グロボスムとを混合したカビの菌液を含む寒天培地を、約5mL重層し、次いで、各ポリウレタンフォーム試料を培地中央に垂直に埋め込み、蓋をして、28℃で1週間培養せしめ、そして、各試料の周りにおけるカビの発育を観察して、試料周りにおけるカビの発育阻止幅のmm数にて、防カビ効力の有無を評価した。
<寸法安定性の評価>
得られたポリウレタンフォームを150mm×150mm×30mmの形状に切り出して、50℃の雰囲気下で、24時間静置し、その厚みの変化を測定して、寸法変化率[=(切出後の寸法−静置後の寸法)×100/切出後の寸法]を求め、評価した。その評価結果は、寸法変化率が1%未満の場合を○とし、1〜3%の場合を△とし、3%を超えるものを×とした。
<熱伝導率の測定>
得られたポリウレタンフォームについて、熱伝導率測定装置(MADDERLAKE SCIENTIFIC GROUP COMPANY 製、アナコンTCA POINT2)を用いて、JIS A 1412−2付属書A(規定)における平板比較法のA6.測定方法に準拠して、熱伝導率[W/(m・K)]の測定を行なった。
Figure 0005616724
Figure 0005616724
かかる表1の結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜5において得られたポリウレタンフォームにあっては、何れも、有用な断熱特性と寸法安定性とを保持しつつ、防カビ性において、著しく向上せしめられていることを認めることが出来るのである。特に、実施例1〜4において得られるポリウレタンフォームは、断熱特性や寸法安定性においても、優れていることが認められる。また、このような結果は、かかる実施例1〜5において用いたポリオール配合液に、更に、有機珪素化合物(商品名:SH−200 0.6cst、東レ・ダウコーニング社製)の2部を、添加、配合せしめた場合にあっても、同様に得ることが出来ることが認められた。
これに対して、市販の防カビ剤や他の溶媒を用いた比較例1〜4の場合にあっては、得られるポリウレタンフォームの防カビ性能が全く発揮され得ず、カビの発生する部位乃至は場所への適用が困難であることが明らかとなったのである。

Claims (7)

  1. ポリオール成分とポリイソシアネート成分としてのクルードMDIとを反応せしめると共に、発泡剤として二酸化炭素を用いて発泡させることにより得られる硬質ポリウレタンフォームの製造に使用される、ポリビニルクロライドを含有することのない発泡性組成物であって、
    防カビ成分として3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイトを単独にて用い、これを、沸点が150℃以上である高沸点極性溶媒に溶解させて含有せしめると共に、かかる高沸点極性溶媒の使用量が、前記ポリオール成分の100質量部に対して3.2質量部以下とされていることを特徴とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  2. 前記二酸化炭素が、水とポリイソシアネート成分との反応により発生する二酸化炭素である請求項1に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  3. 前記ポリオール成分が、ノボラック樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られるフェノール樹脂系ポリオールを含む請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  4. 前記ポリオール成分が、芳香族ジアミンにアルキレンオキサイドを付加させて得られる芳香族ジアミン系ポリオールを含む請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  5. 前記ポリオール成分が、更に、有機珪素化合物を含んでいる請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  6. 前記高沸点極性溶媒が、ポリエチレングリコールである請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物を発泡、硬化させて得られるポリウレタンフォーム材。
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