JP6764664B2 - (ポリオキシアルキレン)ポリオールの製造方法および硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、アルカリ触媒が芳香族アミンに溶解しないため、反応時の撹拌状態によっては、最終製品の粘度が高くなり、ポリウレタンフォーム製造時の成形性が低下するという問題があった。
(I)芳香族アミン(a)にアルキレンオキサイドを付加させる(ポリオキシアルキレン)ポリオールの製造方法において、芳香族アミン(a)の活性水素1当量に対して無触媒でアルキレンオキサイド(b)を0.01〜0.25当量付加させたアルキレンオキサイド付加物にアルカリ触媒を溶解させて、さらにアルキレンオキサイド(c)を付加させる工程を含む(ポリオキシアルキレン)ポリオール(A)の製造方法。
(II)上記の製造方法により得られたポリオール(A)と、官能基数が2〜8で水酸基価が200〜900である(A)以外のポリオール(B)を含有するポリオール成分(P)とポリイソシアネート(I)とを、ウレタン化触媒(C)、整泡剤(D)および発泡剤(E)の存在下で反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
第1工程のアルキレンオキサイド(b)の当量が0.95を超えると、最終的に得られる(ポリオキシアルキレン)ポリオール(A)の粘度が高くなる。
(a)のうち、ポリウレタンフォームに使用した場合のフォームの成形性の観点から、芳香族ジアミンが好ましく、トリレンジアミンがさらに好ましい。
これらのうち好ましいのは、POおよびEOであり、アルキレンオキサイド(b)としてさらに好ましくはEOである。
アルカリ触媒の溶解は、混合物のアルカリ価を測定し、計算値と合致していることで、確認することができる。
第2工程のアルキレンオキサイド付加は、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物などのアルカリ触媒の存在下、100〜160℃で、アルキレンオキサイド(c)を付加した後、酸(酢酸、リン酸等)で中和して製造するのが好ましい。
上記アルカリ触媒として、好ましくはアルカリ金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化セシウム等)であり、さらに好ましくは水酸化カリウムである。
本発明における水酸基価は、JIS K1557:1970による。
ポリオール(B)としては、2〜8個の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、ポリカルボン酸、リン酸、アミン等)にアルキレンオキサイドが付加されたポリエーテルポリオール等が挙げられる。
本発明において、ポリエーテルポリオールの官能基数は、その出発物質である活性水素を含有する化合物と同一であると見なす。
これらの活性水素含有化合物は2種以上を併用してもよい。
これらの中で好ましくは多価アルコールおよびアミンであり、さらに好ましくは多価アルコールであり、とくに好ましくはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール及びショ糖である。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
3級アミンとしては、例えばトリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7(カルボン酸塩)及びビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(カルボン酸塩)並びにこれらの2種以上の併用が挙げられる。
熱伝導性の観点から、トリエチレンジアミン及び/又はビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテルが好ましい。
これら発泡剤(E)の使用量は、成形性の観点から、ポリオール成分(P)の重量に基づいて、0.1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜25重量%、特に好ましくは0.5〜23重量%である。
これらの他の添加剤(F)の使用量は、熱伝導性の観点から、(P)の重量に基づいて、それぞれが30重量%以下であることが好ましい。また、(F)の合計使用量は、成形性の観点から、(P)の重量に基づいて、25重量%以下であることが好ましい。
上記面材とは、硬質ポリウレタンフォームと一体成形されるものであり、例えば、クラフト紙、ポリエチレンコーティングされたクラフト紙、ポリエチレンシート、鋼板(亜鉛鋼板等)が挙げられる。
これらの中では、ボード成形が好ましい。
のではない。
以下、特に記載のない場合、部は重量部を意味する。尚、実施例3は参考例である。
温度計、加熱冷却装置、撹拌機、滴下ボンベ及びストリッピング装置を備えた1.5LのSUS製耐圧反応容器に、トルエンジアミン〔東ソー(株)製〕(a)219.78部(1.0モル部)を投入し、窒素ガスで置換後、常圧〔0.0MPa(ゲージ圧。以下の実施例及び比較例でも圧力はゲージ圧の意味である。)〕で145〜155℃に昇温した。次いで水酸化カリウムを投入する前にEO(b−1)7.93部(0.1モル部)を圧力が0.5MPaを超えないように調整しながら、145〜155℃の範囲で滴下した。滴下終了後、145〜155℃の範囲で1時間熟成し、水酸化カリウム〔東亜合成(株)製〕1.74部を投入し、窒素ガスで置換後、常圧で1時間撹拌した後、サンプリングしてアルカリ価をJIS K2501測定法で測定し、水酸化カリウムが溶解していることを確認した後、窒素ガスで置換後、常圧でEO(c−1)208.43部(2.6モル部)を圧力が0.5MPaを超えないように調整しながら、145〜155℃の範囲で滴下した。ついで、PO(c−2)562.06部(5.4モル部)を圧力が0.5MPaを超えないように調整しながら、145〜155℃の範囲で滴下した。滴下終了後、145〜155℃の範囲で1時間熟成し、80〜90℃に冷却後、90重量%酢酸水溶液を3.33部投入した。次いで、100℃〜130℃で減圧下(−0.097MPa)で脱水後、ポリオール(A−1)を得た。
EO(b−1)7.93部(0.1モル部)の代わりにEO(b−1)79.26部(1.0モル部)を用い、EO(c−1)208.43部(2.6モル部)の代わりにEO(c−1)137.09部(1.7モル部)を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリオール(A−2)を得た。
EO(b−1)7.93部(0.1モル部)の代わりにEO(b−1)198.16部(2.5モル部)を用い、EO(c−1)208.43部(2.6モル部)の代わりにEO(c−1)18.19部(0.2モル部)を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリオール(A−3)を得た。
EO(b−1)7.93部(0.1モル部)の代わりにEO(b−1)216.36部(2.7モル部)、ついでPO(b−2)132.75部(1.3モル部)を用い、EO(c−1)208.43部(2.6モル部)を用いずに、PO(c−2)562.06部(5.4モル部)の代わりにPO(c−2)429.31部(4.1モル部)を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリオール(A’−1)を得た。
EO(b−1)7.93部(0.1モル部)を用いずに、EO(c−1)208.43部(2.6モル部)の代わりにEO(c−1)216.36部(2.7モル部)を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリオール(A’−2)を得た。
<1>ポリオール(A)の水酸基価
JIS K1557:1970に準拠した。
<2>ポリオール(A)の全アミン価
JIS K1557:1970に準拠した。
<3>ポリオール(A)の粘度(mPa・s)
ガラス瓶に入れて密閉して25℃、24時間温調後、B型粘度計でローターNo3又は4を使用してで測定を行った。
ポリオール(B−1):ショ糖1.0モル部に水酸化カリウムを触媒として、130℃でPO12.5モル部付加し得られたポリエーテルポリオール。水酸基価=420。
ポリオール(B−2):ペンタエリスリトール1.0モル部に水酸化カリウムを触媒として、130℃でPO7.3モル部付加し、常法により水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価=400。
ポリオール(B−3):エチレンジアミン1.0モル部に無触媒で、150℃でPO4.0モル部付加し得られたポリオール。水酸基価=748。
ウレタン化触媒(C−2):ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(エアプロダクツ社製「DABCO BL−19」)
ウレタン化触媒(C−3):1,2−ジメチルイミダゾールの70重量%エチレングリコール溶液(東ソー(株)社製「TOYOCAT DM70」)
整泡剤(D−1):整泡剤(モメンティブ・マテリアルズ・パフォーマンス製「Niax Silicone L−6988」)
発泡剤(E−1):水
発泡剤(E−2):シクロペンタン(日本ゼオン(株)製「ゼオンソルブHP」)
難燃剤(F−1):トリクロロプロピルホスフェート(第八化学(株)社製「TMCPP」)
ポリイソシアネート(I−1):粗製MDI:NCO%=31.5(日本ポリウレタン工業(株)製「ミリオネートMR−200」)
まず、表2に記載した配合処方(重量部)にて、ポリイソシアネート(I)以外を所定量配合したポリオールプレミックスを混合した。この混合物に25±5℃に温調したポリイソシアネート(I)を加えて、攪拌機[ホモディスパー:特殊機化(株)社製]にて8000rpm×5秒間急速混合し、混合液をすみやかに65℃の300×300×50mmの金型に流し入れ、5分後に取り出した。
物性測定条件は、下記のとおりである。
<4>コア密度(kg/m3)
JIS A9511にしたがい、モールド発泡で得られた300(縦)×300(横)×50(厚み)mmの硬質ポリウレタンフォームを、100(縦)×100(横)×35(厚み)mmのサイズに切り出した後、試験片の重量と体積からコア密度を求めた。
<5>成形性
フォームをカットした際のフォーム内部の状態の確認およびフォーム表面の状態を確認した。○は良好、×は不良を意味する。
上記効果を奏することから、本発明の製造方法により得られたポリウレタンフォームは硬質フォーム用として有用であり、建築用、冷蔵庫用等の断熱材、特に建築用断熱材として著しい有用性を発揮する。
Claims (5)
- 芳香族アミン(a)にアルキレンオキサイドを付加させる(ポリオキシアルキレン)ポリオールの製造方法において、芳香族アミン(a)の活性水素1当量に対して無触媒でアルキレンオキサイド(b)を0.01〜0.25当量付加させたアルキレンオキサイド付加物にアルカリ触媒を溶解させて、さらにアルキレンオキサイド(c)を付加させる工程を含む(ポリオキシアルキレン)ポリオール(A)の製造方法。
- ポリオール(A)の水酸基価が200〜800である請求項1に記載の製造方法。
- アルキレンオキサイド(b)がエチレンオキサイドを含む請求項1又は2に記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか記載の製造方法により得られたポリオール(A)と、官能基数が2〜8で水酸基価が200〜900である(A)以外のポリオール(B)を含有するポリオール成分(P)とポリイソシアネート(I)とを、ウレタン化触媒(C)、整泡剤(D)および発泡剤(E)の存在下で反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
- スラブ成形、モールド式成形、内外筒間式パイプ断熱材成形、ボード成形、オープン式パネル成形および面材式パイプ断熱材成形から選ばれる成形法を用いて断熱材を製造する請求項4に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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