JP3949083B2 - ポリウレタン系フォーム用発泡性組成物及びそれを発泡硬化させてなるポリウレタン系フォーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低粘度で、かつ粘度の経時変化が小さく、特に発泡体の原料として、現場発泡や注入発泡に適した自触媒能を有する高反応性のマンニッヒ系ポリオールに必要に応じてポリオールを加えてポリオール成分とするポリウレタン系フォーム用発泡性組成物及びそれを発泡硬化させてなるポリウレタン系フォームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フェノール類とアルデヒド類と第一級若しくは第二級又はその両方のモノアミン類によるマンニッヒ反応を利用して製造されるマンニッヒ系ポリオールは、分子内の第三級窒素原子に基づく塩基触媒反応促進能を有するため、例えば反応射出成形法、現場発泡法、注入発泡法などによるポリウレタン成形品やポリウレタン系フォーム製造用として、あるいはエポキシ樹脂用硬化剤などとして有用であることが知られている。
【0003】
しかしながら、このマンニッヒ系ポリオールは、高粘度で混合性に劣るため、フォーム用ポリオール原料として用いる場合には、通常アルキル化又はアルコキシル化して粘度を下げている(特許文献1、特許文献2)。
したがって、これをポリウレタン系フォーム製造用とする場合には、余計な処理工程を必要とする上に、このようにして得たマンニッヒ系ポリオール自体は経時的に粘度上昇を起しやすいという欠点を有している。
しかも、その製造に用いる原料、例えばフェノール類の中には、慣用されている代替フロン系発泡剤、例えばHCFC−141b(ジクロロフルオロエタン)との相容性を欠くものがあり、取り扱いにくいという欠点があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−132115号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献2】
特開平3−121113号公報(特許請求の範囲その他)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、低粘度で、かつ粘度の経時変化が少なく、代替フロン系発泡剤HCFC−141bに対する相容性が改善されたマンニッヒ系ポリオールを用いることによりポリウレタン系フォーム用発泡性組成物及びそれを発泡硬化させてなるポリウレタン系フォームを提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、モノアミン類としてアルカノールアミン及びアルキルアミンを特定モル比で混合したものを特定の量で用い、これをフェノール類とアルデヒド類とを反応させることにより、所望のマンニッヒ系ポリオールが効率よく得られること、これを成分とする発泡性組成物がポリウレタン系フォーム用に適することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、マンニッヒ系ポリオールに必要に応じてポリオールを加えたポリオール成分、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤及び必要に応じて用いられる添加成分を混合してなるポリウレタン系フォーム用発泡性組成物であって、前記マンニッヒ系ポリオールが、フェノール類と、アルデヒド類と、モノアミン類とを反応させてなるマンニッヒ系ポリオールであり、前記モノアミン類として、アルカノールアミンとアルキルアミンとをモル比1:0.3ないし1:2.4の割合で併用し、かつその使用量をフェノール類1モル当り1.0〜2.0モルの範囲とすることにより得られたマンニッヒ系ポリオールであることを特徴とするポリウレタン系フォーム用発泡性組成物及びそれを用いて得られる高品質のポリウレタン系フォームを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明組成物は、特定の方法で得られるマンニッヒ系ポリオールに必要に応じて従来常用されているポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、フェノール樹脂などを加えたポリオール成分と、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤及び必要に応じて用いられるその他添加成分とを、例えば高圧衝突混合機などにより混合して液状発泡性組成物として調製される。
次いで、この組成物は、例えば断熱性が要求される建造物の躯体表面へスプレーガンなどで吹付塗工したのち、又は建造物躯体、冷凍・冷蔵庫、ハニカム構造体などの空間部に注入充填したのち、常温で発泡硬化させることにより上記躯体表面又は空間部内にポリウレタン系フォーム層が形成される。
また、該マンニッヒ系ポリオールの高反応性及び自触媒能を利用し、従来のポリオールに配合してその硬化性を改善することができる。具体的には、まず、従来常用されているポリオール、マンニッヒ系ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤及び必要に応じて用いられる他の添加成分を、例えば高速撹拌混合機などにより混合して液状発泡性組成物が調製される。次いで、この組成物は、例えば上下二段のエンドレスコンベア装置により連続搬送される面材(例えばポリエチレンシート、クラフト紙、ケイ酸カルシウム板、賦形加工金属薄板など)の上に、又は横型枠内、ガラス繊維やロックウール繊維マット上に供給されたのち、常温又は加熱下に発泡硬化させる連続発泡法や含浸発泡法などにより、ポリウレタン系フォームの単一体又は複合体が製造される。
【0009】
上記マンニッヒ系ポリオールは、フェノール類と、アルデヒド類と、フェノール類1モル当り1.0〜2.0モルのモノアミン類すなわちアルカノールアミンとアルキルアミンの混合アミンであって、かつアルカノールアミンとアルキルアミンとのモル比が1:0.3ないし1:2.4であるモノアミン類とを反応させることによって得られる。
【0010】
この反応においては、原料としてフェノール類、アルデヒド類及びアルカノールアミンとアルキルアミンとの組合せから成るモノアミン類が用いられる。前記フェノール類としては、芳香族環の炭素原子に結合した少なくとも1個のフェノール性水酸基と該水酸基に対するオルト位又はパラ位の少なくとも1か所に反応性水素原子を有し、かつオルト位、メタ位又はパラ位に置換基を有しない又は例えばアルキル基、アリール基、ハロゲン原子などの非反応性置換基を有するフェノール性化合物が好ましく用いられる。このようなフェノール性化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、キシレノール、p‐ターシャリーブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、p‐フェニルフェノール、m‐クロロフェノール、o‐ブロモフェノール、レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、フロログリシノール、ビスフェノールA[2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン]、ビスフェノールF(4,4′‐ジヒドロキシジフェニルメタン)、α‐ナフトール、β‐ナフトール、β‐ヒドロキシアントラセン及びレゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのフェノール性化合物精製残渣並びにこれらの混合物などが挙げられるが、一般的にはフェノール、アルキルフェノール及びこれらの混合物が使用される。
【0011】
またアルデヒド類としては、例えばホルマリン、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、トリオキサン、テトラオキサンなどのホルムアルデヒド類、グリオキザール及びこれらの混合物などが好適であるが、特にホルマリン、パラホルムアルデヒド及びこれらの混合物が一般に使用される。
【0012】
前記のモノアミン類として用いられるアルカノールアミン及びアルキルアミンは、窒素原子に結合した1個又は2個のアルカノール基やアルキル基を有する脂肪族第一級又は第二級のモノアミン類である。このようなアルカノールアミンとしては、例えばモノエタノールアミン、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、エチルイソプロパノールアミン、メチル‐2‐ヒドロキシブチルアミンなどのモノアルカノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノール‐2‐ヒドロキシブチルアミン、イソプロパノール‐2‐ヒドロキシブチルアミンなどのジアルカノールアミン及びこれらの混合物などが挙げられる。なかでも特にジアルカノールアミン、とりわけジエタノールアミンはマンニッヒ系ポリオールに高度の反応性を付与する効果が大きい点で好ましい。
【0013】
一方、アルキルアミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミンなどのモノアルキルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミンなどのジアルキルアミン及びこれらの混合物などが挙げられる。なかでも特にジアルキルアミン、とりわけジエチルアミンはマンニッヒ系ポリオールの粘度低減化効果の点で好ましい。
【0014】
前記方法における前記各原料の使用割合については、アルカノールアミンとアルキルアミンは、モル比1:0.3ないし1:2.4の割合で用いられる。アルキルアミンの使用量が上記範囲より少ない場合は、得られるマンニッヒ系ポリオールの低粘度化効果及び粘度の経時変化抑制効果が十分に発揮されないおそれがあるし、上記範囲より多いとポリウレタン系フォームの製造に用いた場合にフォーム特性が悪くなるので好ましくない。マンニッヒ系ポリオールの低粘度化効果や粘度の経時変化抑制効果及びフォーム特性などを考慮すると、アルカノールアミンとアルキルアミンの特に好ましい使用割合は、モル比で1:0.5ないし1:1.5の範囲である。
【0015】
また、このモノアミン混合物の使用量は、フェノール類1モル当り1.0〜2.0モルの範囲である。このモノアミン混合物の使用量が1.0モル未満では、ポリイソシアネートと反応させた場合、得られるフォームがもろくなるし、また2.0モルを超えるとポリイソシアネートとの均一混合性が悪くなり良質のフォームが得られない。一方、アルデヒド類の使用量は、残存アルデヒド類に起因する複雑な反応による粘度の上昇及び粘度の経時変化を防止するために、モノアミン混合物に対し、実質上化学量論量が有利である。
【0016】
前記方法における反応形式については特に制限はないが、次に示す反応形式を用いるのが有利である。
まず、所要量のフェノール類とアルカノールアミンとを混合し、かきまぜながら、これにアルデヒド類を発熱の制御を行いながら、好ましくは40℃以下の温度で添加する。この際の添加方法としては、連続滴下又は分割投入が有利である。アルデヒド類の添加終了後、原料の種類や使用割合により異なるが、一般的には40〜100℃、好ましくは50〜80℃の範囲の温度において、0.5〜5時間程度反応を続行したのち、25〜35℃程度に冷却する。次いで、反応液をかきまぜながら、これに所要量のアルキルアミンを添加したのち、前記と同様にして、残りのアルデヒド類を添加し、反応を行う。反応終了後、反応混合物を、その水分含有量が好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下になるまで、減圧下に好ましくは130℃以下の温度で加熱濃縮することにより、所望のマンニッヒ系ポリオールが得られる。なお、上記方法において、アルカノールアミンとアルキルアミンの添加順序を逆にしてもかまわない。
【0017】
また、他の方法として、例えばフェノール類、アルカノールアミン及びアルキルアミンの混合物に、アルデヒド類を前記方法で添加して反応させる方法、フェノール類、アルデヒド類、アルカノールアミン及びアルキルアミンを同時に仕込んで反応させる方法、アルカノールアミン及びアルキルアミンとアルデヒド類とを予め反応させたのち、フェノール類を反応させる方法などが挙げられる。
【0018】
このようにして得られたマンニッヒ系ポリオールは、粘度が低く、かつ粘度の経時変化が少ない上、イソシアネートとの反応性が良く、しかも塩基触媒反応促進能(自触媒能)、例えばエポキシ樹脂などの開環反応やポリオールとポリイソシアネートの付加反応を促進する性質を有する。したがって、反応射出成形法、現場発泡法、注入発泡法などによるポリウレタン系成形品やポリウレタン系フォームの製造のためのポリオールとして、あるいはエポキシ樹脂用硬化剤などとして極めて有用である。
【0019】
このマンニッヒ系ポリオール又はこれに必要に応じて従来常用されているポリオールを加えたものは、低粘度に基づく優れた混合性及び高反応性かつ自触媒能に基づく優れた施工成形性を有することから、このような性質が重視される現場発泡法や注入発泡法によるポリウレタン系フォームのポリオール成分として好適に使用される。
【0020】
前記の従来常用されているポリオールのうちのポリエーテルポリオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、庶糖などの多価アルコール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、アニリン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミンなどのアミン類など2個以上の活性水素含有化合物にアルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなど)を反応させて得られるポリエーテルポリオールなどが挙げられる。また、ポリエステルポリオールの例としては、多価アルコールと例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ダイマー酸などのポリカルボン酸を反応させて得られるポリエステルポリオール、ラクトン類を開環重合させて得られるラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0021】
また、フェノール樹脂としては、ベンジルエーテル型フェノール樹脂、該樹脂にアルキレンオキシド、環状炭酸エステル(例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、エポキシ樹脂などのエポキシ系化合物、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂などの含窒素系化合物、キシレン樹脂などの任意の変性用化合物を反応又は混合させて得られる変性ベンジルエーテル型フェノール樹脂が好適である。また、場合によっては、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂中にメチロール基やジメチレンエーテル基を導入したフェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂及びこれらの樹脂に前記変性処理を施して得られる変性フェノール樹脂を単独で又は前記ベンジルエーテル型フェノール樹脂と組み合わせたものも使用することができる。
【0022】
前記方法により得られるマンニッヒ系ポリオールと反応させる前記ポリイソシアネートは、分子中にイソシアネート基を2個以上有する有機系イソシアネート化合物であって、例えばジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(通称、クルードMDI)、トリレンジイソシアネート(通称、TDI)、混合TDI、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、これらの芳香族ポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られるウレタン変性ポリイソシアネートプレポリマーなどが挙げられる。また、必要に応じてイソホロンジイソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性、ビュレット変性、カルボジイミド変性ポリイソシアネートなどの変性ポリイソシアネートなどが使用される。これらのポリイソシアネートの使用量はフォームの種類(ウレタン型、ウレタンヌレート型、ヌレート型)、物性及び用途などにより異なるが、一般的にはポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO基)とポリオールの水酸基(OH基)の当量比(NCO基/OH基、以下、NCO指数という)で0.5〜5.0の範囲で選ばれる。
【0023】
また、フォームを形成するために必要な発泡剤としては、通常、ジクロロフルオロエタン(代替フロンHCFC−141b)、ジクロロペンタフルオロプロパン(代替フロンHCFC−225)、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロプロパン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロペンタン、メチレンクロリドなどのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類及びポリイソシアネートと過酸化水素及び水の反応を利用した反応型発泡剤、アミン類の二酸化炭素付加物などの分解型発泡剤及びこれらの組み合わせが用いられるが、必要に応じてジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等の脂肪族エーテル類、パラトルエンスルホニルヒドラジッド、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド、アゾビスイソブチロニトリルなどの熱分解型発泡剤、空気、窒素、二酸化炭素、ブタン等のガス体なども使用される。発泡剤の使用量はフォーム密度、発泡剤の種類などにより異なるが、一般的にはポリオール100重量部当り0.5〜50重量部の範囲で選ばれる。
【0024】
次に、整泡剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく用いられるが、場合によってはアニオン性界面活性剤のような他の界面活性剤を単独で又は非イオン性界面活性剤と組み合わせて使用される。該非イオン性界面活性剤の例としては、ポリシロキサンオキシアルキレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ヒマシ油エチレンオキシド付加物、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、ラウリル脂肪酸エチレンオキシド付加物、ラウリルアルコールエチレンオキシド付加物及びこれらの混合物などが挙げられる。この整泡剤の使用量は、通常ポリオール100重量部当り0.3〜10重量部の範囲で選ばれる。
【0025】
また、本発明の発泡性組成物においては、必要に応じてそのほかの添加成分を用いることができるが、このような添加成分としては、例えば第三級アミン、ジブチルスズジラウレート、エチルモルホリン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ヒドロキシアルキル第四級アンモニウム塩、ナフテン酸鉛、オクチル酸カリウム、酢酸ナトリウム、ヘキサヒドロトリアジンなどの硬化触媒、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、レゾルシンなどの硬化促進剤、尿素、メラミンなどのホルムアルデヒド捕捉剤、トリメチルメトキシシランなどの気泡微細化剤、メラミン系化合物、含リン系化合物、含ハロゲン系化合物、水酸化アルミニウムなどの難燃剤、さらには可塑剤、酸化防止剤、防カビ剤、着色剤、充填剤、補強基材などが挙げられる。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0027】
実施例1
温度計、かきまぜ機及び還流冷却器を備えた反応容器にフェノール1222g及びジエタノールアミン819gを仕込み、かきまぜ下に47重量%ホルマリン498gを40℃を越えないように発熱を制御しつつ滴下した。滴下終了後、60℃に昇温し、同温度で1時間反応させてから30℃に冷却した。引続き、ジエチルアミン380gを加え、前記と同様の操作で47重量%ホルマリン332gを滴下したのち、60℃で1時間反応させてから40℃に冷却した。次いで、かきまぜ下に反応系内を20〜60mmHg程度の減圧にするとともに、100℃まで加熱濃縮してマンニッヒ系ポリオールAを調製した。
得られたマンニッヒ系ポリオールAは、水分含有量(カールフィシャー法)が0.4重量%、水酸基価(JIS K0070)が500mgKOH/g、コーンプレート粘度計CV−1S(商品名、東亜工業社製、粘度はコーン型回転子No.5を94rpmで回転開始30秒後の表示値に8を乗じて算出した数値である)で測定した初期粘度が44.5ポイズ/30℃、45℃で3日間放置後の粘度が46.0ポイズ/30℃であり、粘度の経時変化は僅少であった。また、マンニッヒ系ポリオールに対する代替フロン系発泡剤HCFC141bの最大溶解量(重量基準)は44%であった。
【0028】
このようにして得たマンニッヒ系ポリオールA100重量部に整泡剤としてシリコーン系非イオン性界面活性剤2重量部、発泡剤として代替フロンHCFC−141b40重量部及びリン系難燃剤10重量部の割合で混合して、粘度4.4ポイズ/20℃のポリオール組成物を調製した。
このポリオール組成物33.1gとポリイソシアネートとして20℃に温度調節したクルードMDI(三井東圧化学社製、商品名:コスモネートM100、NCO含有量31重量%)26.9gを紙コップ(容量500cc)内に秤取後、ホモディスパー(商品名、特殊機化工業社製)で高速撹拌混合して発泡性組成物を調製し、発泡硬化させて密度24.7kg/m3(JIS A9511)のポリウレタン系フォームを製造した。
ポリイソシアネートとポリオール組成物の混合はNCO指数1.05で実施し、両成分の混合性は得られたフォームの状態から混合性の良否を判断したところ、混合性は良好であった。また、発泡性組成物の反応性はクリームタイム(CT)2秒、ゲルタイム(GT)4秒、タックフリータイム(TFT)6秒、ライズタイム(RT)23秒であった。
【0029】
ここで、CTとはポリイソシアネートとポリオール組成物の混合開始から発泡が始まるまでの時間、GTとは前記成分の混合開始からフォームの表面が糸引き可能な粘着性を示すまでの時間、TFTとは前記成分の混合開始からフォームの表面粘着性がなくなるまでの時間、RTとは前記成分の混合開始から発泡が終了するまでの時間である。また、フォームの表面硬度(JIS K6911、バコール硬度計934−1型使用)は前記成分の混合開始から30秒後で15及び60秒後で25であった。また、フォームの脆性の有無については手触りで確認した。また、フォームの収縮についてはカップ内で発泡硬化させて作製したフォームを環境温度25℃で24時間放置したのち、カップの上縁部で輪切りにしてカップ周縁部からのフォーム収縮の有無を目視で確認した。これらの結果を表1に示す。
【0030】
比較例1
実施例1に記載同様の反応容器にフェノール1000g及びジエタノールアミン1117gを仕込み、かきまぜ下に47重量%ホルマリン679gを40℃を越えないように発熱を制御しつつ滴下した。滴下終了後60℃に昇温し同温度で1時間反応させてから40℃に冷却した。次いで、かきまぜ下に反応系内を20〜60mmHg程度の減圧にするとともに、90℃まで加熱濃縮してマンニッヒ系ポリオールBを調製した。
得られたマンニッヒ系ポリオールBは、水分含有量が0.5重量%、水酸基価が800mgKOH/g、初期粘度が112ポイズ/30℃、45℃で3日間放置後の粘度が375ポイズ/30℃であり、粘度の経時変化は大きいものであった。また、発泡剤HCFC141bの最大溶解量(重量基準)は5%以下であった。
【0031】
このようにして得たマンニッヒ系ポリオールB100重量部に対して実施例1で用いたシリコーン系非イオン性界面活性剤を2重量部及びリン系難燃剤を10重量部、発泡剤HCFC−141bを40重量部の割合で添加混合したが、白濁状態を示すとともに静置すると相分離を生じるなど均一なポリオール組成物を得ることができず、ポリウレタンフォームを製造できなかった。これらの結果を表2に示す。
【0032】
実施例2〜4、比較例2〜4
実施例1において、47重量%ホルマリン量、ジエタノールアミン量及びジエチルアミン量を表1及び表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてマンニッヒ系ポリオール(A1〜A3及びB1〜B3)を製造した。実施例1に記載の方法に従ってマンニッヒ系ポリオールの水酸基価、水分含有量、粘度(初期、経時後)、発泡剤HCFC141bの最大溶解量、ポリオール組成物の粘度、ポリオール組成物とポリイソシアネートとの混合性、発泡性組成物の反応性及びこれを用いて得たポリウレタンフォームの特性(密度、表面硬度、脆性、収縮)を測定し、評価した。これらの結果を表1又は表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
実施例5
実施例2で得たマンニッヒ系ポリオールA1を60重量部とフタル酸系ポリエステルポリオールを60重量部と実施例1で用いたシリコーン系非イオン界面活性剤を1重量部、リン系難燃剤を20重量部及び発泡剤HCFC−141bを45重量部とアミン系硬化触媒を3重量部の割合で混合して、粘度1.8ポイズ/30℃のポリオール組成物を調製した。
このポリオール組成物30gと実施例1で用いた20℃に調節したクルードMDI30gを紙コップ(容量500cc)に秤取後、ホモディスパーで高速撹拌混合して発泡性組成物を調製し、これを発泡硬化させて密度24.8kg/m3のポリウレタン系フォームを製造した。
ポリイソシアネートとポリオール組成物の混合はNCO指数1.60で実施したところ、両成分の混合性は良好であった。また、実施例1に記載の方法で測定した発泡性組成物の反応性はCT2秒、GT3秒、TFT4秒、RT15秒であり、フォームの表面硬度は30秒後で22、60秒後で38であった。さらに、フォームの収縮については環境温度25℃及び5℃で実施したところ、いずれの温度でも収縮は認められなかった。また、フォームの脆性も認められなかった。これらの結果を表3に示す。
【0036】
実施例6、比較例5
実施例5において、マンニッヒ系ポリオールA1と他のポリオールの組み合わせ及びその配合割合並びにアミン系硬化触媒量を表3に示すように変更した以外は、実施例5と同様にして発泡性組成物を調製し、発泡硬化させて密度24.1kg/m3のポリウレタン系フォームを製造した。また、ポリオール組成物とポリイソシアネートとの混合性、発泡性組成物の反応性及びフォーム特性[表面硬度、脆性、収縮(25℃及び5℃)]を実施例1記載の方法で測定、評価を行った。これらの結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、アルカノールアミンとアルキルアミンの併用により得られる、低粘度で粘度の経時変化が小さいマンニッヒ系ポリオールや発泡剤HCFC141bとの相容性が改善されたマンニッヒ系ポリオールが、低粘度で、かつ高反応性及び自触媒能を有するため、発泡性組成物のポリオール成分として、施工成形性が最も重視される現場発泡、注入発泡などの発泡成形法に好適に適用することができ、しかも収縮、特に低温での収縮がなく、かつ脆性もないポリウレタン系フォームを提供することができる。
Claims (3)
- マンニッヒ系ポリオールに必要に応じてポリオールを加えたポリオール成分、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤及び必要に応じて用いられる添加成分を混合してなるポリウレタン系フォーム用発泡性組成物であって、前記マンニッヒ系ポリオールが、フェノール類と、アルデヒド類と、モノアミン類とを反応させてなるマンニッヒ系ポリオールであり、前記モノアミン類として、アルカノールアミンとアルキルアミンとをモル比1:0.3ないし1:2.4の割合で併用し、かつその使用量をフェノール類1モル当り1.0〜2.0モルの範囲とすることにより得られたマンニッヒ系ポリオールであることを特徴とするポリウレタン系フォーム用発泡性組成物。
- アルカノールアミンがジエタノールアミンであり、かつアルキルアミンがジエチルアミンである請求項1記載の発泡性組成物。
- 請求項1又は2記載の発泡性組成物を発泡硬化させてなるポリウレタン系フォーム。
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