JP5227595B2 - ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム - Google Patents

ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム Download PDF

Info

Publication number
JP5227595B2
JP5227595B2 JP2008009155A JP2008009155A JP5227595B2 JP 5227595 B2 JP5227595 B2 JP 5227595B2 JP 2008009155 A JP2008009155 A JP 2008009155A JP 2008009155 A JP2008009155 A JP 2008009155A JP 5227595 B2 JP5227595 B2 JP 5227595B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane foam
polyol
phenol resin
foamable composition
foaming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008009155A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009167341A (ja
Inventor
晃一 吉村
貴司 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Yukizai Corp
Original Assignee
Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd filed Critical Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd
Priority to JP2008009155A priority Critical patent/JP5227595B2/ja
Publication of JP2009167341A publication Critical patent/JP2009167341A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5227595B2 publication Critical patent/JP5227595B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォームに係り、特に、発泡剤として二酸化炭素を利用して製造されるポリウレタンフォームの断熱性能を改善せしめるための技術に関するものである。
従来より、ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性や接着性を利用して、主に、断熱部材として、建築用内外壁材やパネル等の断熱、金属サイディングや電気冷蔵庫等の断熱、ビル・マンション・冷凍倉庫等の躯体、壁面、天井、屋根等の断熱及び結露防止、輸液パイプ等の断熱に実用されている。かかるポリウレタンフォームは、一般に、ポリオール成分に発泡剤、必要に応じて、触媒や整泡剤、難燃剤等の各種助剤を配合したポリオール配合液(プレミックス液)とイソシアネート成分とを、混合装置により連続的又は断続的に混合してポリウレタンフォーム用発泡性組成物とし、これを、スラブ発泡法、注入発泡法、スプレー発泡法、ラミネート連続発泡法等により発泡、硬化させることにより、製造されている。
そして、かかるポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、成層圏オゾン層の破壊という環境問題から、発泡剤として、オゾン層破壊の少ない又は生じない代替フロンであるハイドロフルオロカーボン系発泡剤(例えば、HFC−245fa,HFC−365mfc等)が使用されている。しかし、近い将来、代替フロンの使用も制限されるとの推測から、近年においては、二酸化炭素(炭酸ガス)を、代替フロン系発泡剤等の既存の発泡剤の一部又は全部の代替として用いて製造されるポリウレタンフォームが検討されている。例えば、特許文献1,2には、ポリイソシアネート成分と水との化学反応で生成する二酸化炭素を発泡剤として利用する、所謂「水発泡法」で製造されるポリウレタンフォームが明らかにされている。また、特許文献3には、発泡剤として、水とポリイソシアネート成分との反応により発生する二酸化炭素と、超臨界状態、亜臨界状態又は液体状態の二酸化炭素とを併用して製造されるポリウレタンフォームが明らかにされている。
ところが、そのような二酸化炭素を発泡剤として用いて製造されるポリウレタンフォームは、基本的に、他の発泡法で製造されるポリウレタンフォームよりも断熱性能が劣っており、また断熱性能が経時的に悪化し、長期安定性に欠けるという問題を内在するものであった。
加えて、二酸化炭素を生成させる発泡剤源としての水や、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素は、何れも、他の溶剤系発泡剤に比べてポリオール配合液の低粘度化への寄与が極めて小さいため、発泡剤として二酸化炭素を採用するに際しては、ポリオール成分自体の低粘度化や、ポリエーテルポリオール等の低粘度のポリオールを組み合わせて用いることにより、低粘度化を図って、ポリオール配合液の粘度を実用に供することができる程度まで低くする必要がある。特に、ポリオール成分として、フォームに耐熱性や難燃性を付与する観点から注目されるフェノール樹脂系ポリオールを用いる場合には、ポリオール成分自体の粘度が高いため、その低粘度化が検討されてきており、例えば、特許文献4〜6には、フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させたフェノール樹脂系ポリオールが提案されている。しかしながら、それらの文献には、発泡剤として二酸化炭素を利用して製造されるポリウレタンフォームにおける上記問題、即ち、断熱性能の低下については、何等の検討も為されてはいない。
特開平4−227645号公報 特開2004−59641号公報 特開2004−107376号公報 特開平5−170851号公報 特開平11−217431号公報 特開昭60−48942号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、発泡剤として二酸化炭素を利用して製造されるポリウレタンフォームの断熱性能とその長期安定性を有利に改善し得るポリウレタンフォーム用発泡性組成物を提供すること、及び、かかるポリウレタンフォーム用発泡性組成物を発泡及び硬化せしめてなる、優れた断熱性能を実現するポリウレタンフォームを提供することにある。
そして、本発明者等が、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリオール成分として、遊離フェノール類(未反応フェノール類や調整目的で加えられるフェノール類)を特定の割合において含有するノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られる、水酸基価:100〜450mgKOH/gのフェノール樹脂系ポリオールを用いることによって、得られるポリウレタンフォームの断熱性能が改善され、そして優れた断熱性能が長期に亘って持続せしめられ得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、NCO/OHインデックスが0.9〜2.5の範囲で、ウレタン化触媒の存在下に反応、発泡させることにより得られるポリウレタンフォームの製造に使用される発泡性組成物であって、前記ポリオール成分として、遊離フェノール類を10〜50質量%の割合で含有するノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られる、水酸基価:100〜450mgKOH/gのフェノール樹脂系ポリオールを含有すると共に、発泡剤としての二酸化炭素を前記ポリイソシアネート成分との反応により発生せしめる水を、該フェノール樹脂系ポリオールの100重量部に対して0.3〜10重量部の割合で含有することを特徴とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物を、その要旨とするものである。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の別の好ましい態様の一つによれば、前記アルキレンオキサイドとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はこれらの混合物が採用される。
さらに、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の更に別の好ましい態様の一つによれば、前記エチレンオキサイドが、該エチレンオキサイドと前記プロピレンオキサイドとの総配合量の50〜100質量%となる割合において用いられる。
そして、本発明は、そのようなポリウレタンフォーム用発泡性組成物を発泡、硬化させて得られるポリウレタンフォーム、並びに、発泡剤として二酸化炭素を用いて得られるポリウレタンフォームであって、熱伝導率(初期値)が0.025W/(m・K)以下であることを特徴とするポリウレタンフォームをも、それぞれ、要旨とするものである。
このように、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、二酸化炭素を発泡剤として用いるものの、ポリオール成分として、遊離フェノール類を特定の割合において含有するノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られる、所定の水酸基価のフェノール樹脂系ポリオールが用いられているところから、得られるポリウレタンフォームの熱伝導率(初期値)が、二酸化炭素を発泡剤として用いた従来のポリウレタンフォームの熱伝導率(初期値)よりも低くなり、その断熱性能が効果的に改善され得ることとなる。また、熱伝導率の経時的な上昇も有利に抑制され、以て、優れた断熱性能が長期に亘って持続され得るようになるのである。
また、本発明に従うポリウレタンフォームにあっては、上述せる如きポリウレタンフォーム用発泡性組成物を用いて形成されるところから、上記と同様な効果を享受することができ、断熱性能とその長期安定性が有利に改善され得たものとなっている。
以下、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物、及びこれを用いて得られるポリウレタンフォームについて、詳細に説明することとする。
先ず、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物は、少なくとも、発泡剤として二酸化炭素を用いると共に、ポリオール成分として、後述するフェノール樹脂系ポリオールを含有するものである。
より具体的には、本発明においてポリオール成分として用いられる上記フェノール樹脂系ポリオールは、遊離フェノール類を特定の割合で含有するノボラック型フェノール樹脂に、アルキレンオキサイドを付加させることによって、得られるものである。
ここで、上記フェノール樹脂系ポリオールの調製に使用されるノボラック型フェノール樹脂としては、低粘度化の観点から、遊離フェノール類を10〜50質量%、好ましくは25〜40質量%、より好ましくは25〜35質量%の割合で含有するものが、採用されることとなる。これは、遊離フェノール類の含有割合が10質量%未満では、低粘度化を図ることができず、目的とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物を使用に供することができないおそれがあるからであり、逆に50質量%を超えると、ポリウレタンフォームが柔らかくなりすぎて、成形性の悪化を招く傾向があるからである。
そして、このような遊離フェノール類を所定の割合で含有するノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを、フェノール類の1モルに対して、アルデヒド類を0.3〜1.0モルの割合で配合し、次いで酸触媒を加えて所定の反応条件(温度や時間)で反応させた後、必要に応じて減圧脱水処理を施すことにより、ノボラック型フェノール樹脂の初期縮合物として、有利に製造されることとなる。ここで、初期縮合物とは、分子量が比較的に低いフェノール樹脂であって、1分子中に、2〜10程度のフェノール骨格を有する縮合物や未反応フェノール類の混合物である。なお、かかるノボラック型フェノール樹脂(初期縮合物)の製造方法は、上記方法に何等限定されるものではなく、ノボラック型フェノール樹脂中に含有される遊離フェノール類の割合が上記範囲内に調整される限りにおいて、適宜に反応条件や反応環境(例えば、常圧、減圧、加圧、不活性ガスの共存の有無、段階的又は逐次的反応等)を設定して製造することができる。更には、上記反応終了後の縮合物に対して、別途フェノール類を加えて、遊離フェノール類の含有割合を上記範囲内となるように調整することも可能である。
なお、上記ノボラック型フェノール樹脂の製造に際して用いられるフェノール類としては、特に限定されるものではなく、一般にフェノールが採用されるが、必要に応じて、例えば、クレゾール、エチルフェノール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキルフェノールのうちの1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることも、又はそのようなアルキルフェノールのうちの1種以上とフェノールとを併用することもできる。更には、m−クロロフェノール、o−ブロモフェノール等のハロゲン化フェノール、レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、フロログリシノール等の多価フェノール、ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]、ビスフェノールF(4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン)等のビスフェノール、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール系化合物の精製残渣、α−ナフトール、β−ナフトール、β−ヒドロキシアントラセンのうちの1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることも、又はそれらのうちの1種以上と、フェノールやアルキルフェノールとを併用することもできる。
一方、上記フェノール類と反応せしめられるアルデヒド類としては、特に限定されるものではなく、一般にホルマリン、パラホルムアルデヒドのうちの何れか一方若しくは両方が用いられるが、必要に応じて、その他のホルムアルデヒド類(例えば、トリオキサン、テトラオキサン、ポリオキシメチレン等)、グリオキサール等を単独で、或いは併用することができる。
また、ノボラック型フェノール樹脂の製造に使用される酸触媒としては、蓚酸が好適であるが、その他にも、有機スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸等)、有機カルボン酸(例えば、酢酸等)の二価金属(例えば、マグネシウム、亜鉛、鉛等)塩、二価金属の塩化物、二価金属の酸化物、無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)等を単独で用いてもよく、勿論、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
そして、本発明においてポリオール成分として用いられるフェノール樹脂系ポリオールは、上述のようにして製造されたノボラック型フェノール樹脂に、塩基性触媒の存在下で、アルキレンオキサイドを付加反応させることによって得られるのであり、これによって、遊離フェノール類を含むノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基の部位にアルキレンオキサイドが付加されて、フェノール性水酸基がアルコール性水酸基へ変換されたフェノール樹脂系ポリオールとなる。このようにアルキレンオキサイドの付加によって、フェノール樹脂が改質され、ポリオール成分の親水性が更に向上されることとなり、その結果として、上記フェノール樹脂系ポリオールは、二酸化炭素を発泡剤とする発泡法において用いられるポリオールとして好適であるのみならず、後述するポリイソシアネート成分との混合性にも優れたものとなる。
なお、上記フェノール樹脂系ポリオールは、アルキレンオキサイドの配合量等を適宜に設定することにより、その水酸基価が、100〜450mgKOH/g、好ましくは200〜450mgKOH/g、より好ましくは250〜350mgKOH/gとされる。これは、水酸基価が100mgKOH/g未満であると、これを用いて得られるフォームが柔らかくなりすぎて、成形性が悪くなり、目的とするポリウレタンフォームが得られない傾向があるからであり、逆に、水酸基価が450gKOH/gを超えると、粘度が十分に低くならず、ポリイソシアネート成分との混合性が悪くなる傾向があるからである。また、この水酸基価に対応して、フェノール樹脂系ポリオールの粘度も変動することとなるが、本発明において用いられるフェノール樹脂系ポリオールの粘度は、25℃において、500〜5000の範囲とされる。
ここで、上記フェノール樹脂系ポリオールの製造に用いられるアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を例示することができる。これらの中でも、フェノール樹脂系ポリオールの親水性の観点から、特にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びこれらの組み合わせが好適に採用されるのであり、その中でも、フォームの断熱性能の更なる向上の観点から、エチレンオキサイドの配合量が、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの総配合量に対して、50〜100質量%、好ましくは75〜100質量%、とりわけ100質量%(エチレンオキサイド単独)であるものが、特に好適に採用される。また、かかるアルキレンオキサイドの配合割合は、一般にノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基に対して、1〜20倍当量となる範囲で適宜に選択される。
また、上記フェノール樹脂系ポリオールの製造に用いられる、換言すれば上記ノボラック型フェノール樹脂とアルキレンオキサイドとの付加反応に用いられる塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ性触媒を好適に採用することができ、これらのうちの少なくとも1種が適宜に選択されて用いられることとなるが、これらに限定されるものではない。
而して、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、少なくとも、上述の如きフェノール樹脂系ポリオールがポリオール成分として含有せしめられると共に、発泡剤として、二酸化炭素が含有されるのである。
ここで、上記二酸化炭素は、(1)発泡剤源である水を添加せしめることによって、或いは、(2)亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素を添加せしめることによって、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物中に含有せしめられるが、上記(1),(2)の何れか一方であっても、或いは、両方を組み合わせてもよい。なお、亜臨界状態の二酸化炭素とは、圧力が臨界圧力以上で、温度が臨界温度未満である液体状態の二酸化炭素、圧力が臨界圧力未満で温度が臨界温度以上である液体状態の二酸化炭素、或いは温度及び圧力が臨界点未満であるがこれに近い状態の二酸化炭素をいい、また、超臨界状態の二酸化炭素とは、圧力、温度が共に臨界圧力、臨界温度以上の臨界点を超えた流体状態の二酸化炭素をいう。
特に、上記(1)の水発泡の場合には、発泡剤源である水が、後述するポリイソシアネート成分との反応により、フォームの形成に利用される炭酸ガスを生成する役割を果たすと共に、フェノール樹脂系ポリオールの粘度低下にも僅かながら寄与する。かかる水発泡の水の配合量は、所望のフォーム密度となるように適宜に設定され得るが、通常、フェノール樹脂系ポリオールの100質量部に対して、0.3〜10質量部、好ましくは2〜8質量部、より好ましくは4〜6質量部の範囲で適宜に設定され得る。なお、水の配合量が、フェノール樹脂系ポリオールの100質量部に対して、0.3質量部未満では、炭酸ガスの発生量が十分ではなく、逆に10質量部を超えると、密度の極端な低下によるフォームの脆弱化が惹起されるおそれがある。
一方、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素を混合せしめる場合にも、その添加量は、所望のフォーム密度となるように適宜に設定され得るのであり、通常、フェノール樹脂系ポリオールの100質量部に対して、0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部の範囲で適宜に設定され得る。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、フェノール樹脂系ポリオールと反応してポリウレタンを生成するポリイソシアネート成分が添加される。かかるポリイソシアネート成分は、分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有する有機系イソシアネート化合物であり、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリトリレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートの他、分子末端にイソシナネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を挙げることができる。これらのポリイソシアネート成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。一般的には、反応性や経済性、取扱性等の観点から、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)が好適に用いられる。
かかるポリイソシアネート成分と、上記フェノール樹脂系ポリオールとの配合割合は、フォームの種類(例えば、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート)によって変更されることとなるが、一般に、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基(NCO)とフェノール樹脂系ポリオールの水酸基(OH)との比率を示すNCO/OHインデックス(当量比)が、0.9〜2.5程度の範囲となるように適宜に設定される。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、通常、フェノール樹脂系ポリオールや二酸化炭素(水発泡法の場合には、発泡剤源である水)、ポリイソシアネート成分以外にも、通常、触媒や整泡剤が配合されることとなる。
具体的には、水を発泡剤源として用いる際に、ポリイソシアネート成分と水との反応によって生成する炭酸ガスを早期に発生せしめることが要求される場合には、ポリイソシアネート成分と水との反応を促進する作用を有するアミン系泡化触媒が、有利に用いられる。そのようなアミン系泡化触媒としては、例えば、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン等を挙げることができ、これらは、単独で用いてもよく、或いは2種以上を併用することもできる。また、その配合量としては、通常、フェノール樹脂系ポリオールの100質量部に対して、1〜30質量部程度が好適である。
また一方、ポリイソシアネート成分とフェノール樹脂系ポリオールとの反応を促進させるためには、樹脂化触媒が有利に用いられる。この樹脂化触媒は、フォームの種類に応じて適宜に選択されて用いられ、例えば、ウレタン化触媒が用いられるそして、ウレタン化触媒としては、例えば、第三級アミン、ジブチル錫ジラウレート、エチルモルホリン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、オクチル酸ビスマス(2−エチルヘキシル酸ビスマス)、ネオデカン酸ビスマス、ネオドデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の脂肪酸ビスマス塩、ナフテン酸鉛等を挙げることができる。この樹脂化触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、樹脂化触媒の配合量は、一般に、フェノール樹脂系ポリオールの100質量部に対して、0.1〜15質量部程度が望ましい。
また、上記整泡剤は、ポリウレタンフォームのセル構造を均一に整えるために用いられるものであって、ここでは、非イオン系界面活性剤が好適に採用される。具体例として、ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、ポリシロキサンオキシアルキレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ヒマシ油エチレンオキシド付加物、ラウリル脂肪酸エチレンオキシド付加物等を挙げることができ、これらのうちの1種が単独で或いは2種以上が組み合わされて用いられる。なお、整泡剤の配合量は、所期のフォーム特性や、使用する整泡剤の種類等に応じて適宜決定され得るが、好ましくは、フェノール樹脂系ポリオールの100質量部に対して、0.1〜10質量部程度の割合とされる。
加えて、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、更に必要に応じて、難燃剤や起泡剤の他、例えば、尿素、メラミン等のホルムアルデヒド捕捉剤、トリメチルメトキシシラン等の気泡微細化剤、可塑剤、補強基材等の各種助剤を、適宜に選択して配合することもできる。
なお、上記難燃剤としては、環境への負荷が少なく、発泡性組成物の減粘剤としても機能するトリスクロロエチルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリエチルフォスフェート等の燐酸エステルが有利に用いられる。この燐酸エステルを配合する場合、その配合量は、所期のフォーム特性や難燃剤の種類等に応じて適宜決定され得るが、好ましくは、フェノール樹脂系ポリオールの100質量部に対して、10〜60質量部の範囲で選択され、その範囲の中でも特に、10〜40質量部程度が好適である。また、上記リン酸エステル以外にも、難燃剤として水酸化アルミニウム等が好適に使用され得る。
また、上記起泡剤は、水を発泡剤源として用いる際に、炭酸ガスが発生するまでの発泡と硬化の時間的なずれを、起泡剤の有する石鹸機能による泡立ち(高起泡性と泡安定性)で補うために用いられるものであって、特に、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物を吹き付け方式の発泡法(吹き付け発泡法)で発泡・硬化させる場合に有用である。かかる起泡剤としては、石鹸の成分として知られる脂肪酸アルカリ金属塩、特に、炭素数が12〜18であるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸のナトリウム塩又はカリウム塩を例示することができる。これらの中でも、水発泡法においては、脂肪酸カリウム塩が特に好適に用いられる。
さらに、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、上述のように、オゾン層の保全の観点から、二酸化炭素が発泡剤として採用されるのであるが、かかる二酸化炭素を主たる発泡剤として採用する限りにおいて、必要に応じて、過酸化水素水や、ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、テトラフルオロエタン(HFC-134a)等に代表されるハイドロフルオロカーボンや、ペンタン、シクロペンタン等に代表される低沸点脂肪族炭化水素、ジクロロメタン、イソプロピルクロライド等に代表されるハロゲン系炭化水素を、二酸化炭素による発泡作用を補助するための発泡助剤として、添加することも可能である。
そして、上述せる如きフェノール樹脂系ポリオールや発泡剤等を用いて、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物を製造するに際しては、従来のポリウレタンフォーム用発泡性組成物と同様な製造手法が採用され得る。
例えば、水発泡法を採用する場合、即ち、発泡剤として水とポリイソシアネートとの反応により発生する二酸化炭素を用いる場合には、先ず、ポリオール成分としての前記フェノール樹脂系ポリオールに対して、発泡剤源としての水、必要に応じて、泡化触媒、樹脂化触媒、整泡剤、難燃剤、起泡剤、その他各種助剤が配合されて、ポリオール配合液(プレミックス液)が調製される。次いで、この調製されたポリオール配合液とポリイソシアネート成分とが、低圧高速撹拌混合機を用いて高速撹拌混合されることにより、或いは、高圧衝突混合機(例えば、現場スプレー発泡機)を用いて高圧衝突混合されることにより、液状のポリウレタンフォーム用発泡性組成物が製造され得る。なお、本発明においては、水発泡法に適した低粘性を有する上記フェノール樹脂系ポリオールが用いられているところから、ポリイソシアネート成分との混合が有利に実施され、均質な発泡性組成物が製造され得るのである。
一方、発泡剤として、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素を用いる場合には、先ず、ポリオール成分としての前記フェノール樹脂系ポリオールに対して、必要に応じて、泡化触媒、樹脂化触媒、整泡剤、難燃剤、起泡剤、その他各種助剤が配合されて、ポリオール配合液(プレミックス液)が調製される。そして、この調製されたポリオール配合液がポリイソシアネート成分と混合せしめられる直前に、好ましくはポリオール配合液に対して、所定の圧力と温度の下、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素が添加、混合された後、ポリイソシアネート成分が更に添加混合されることにより、液状のポリウレタンフォーム用発泡性組成物が製造され得るのである。
そして、このようにして製造されたポリウレタンフォーム用発泡性組成物は、例えば、面材上に塗布して板状に発泡、硬化を行うラミネート連続発泡法、電気冷蔵庫等の断熱性能が要求される空間部内や軽量・高強度ボードのハニカム構造内に注入充填して発泡、硬化を行う注入発泡法、現場発泡機のスプレーガンヘッドから被着体へ吹き付けて発泡、硬化させるスプレー発泡法によって、発泡、硬化せしめられ、目的とするポリウレタンフォームが形成されることとなる。
このように、上記ポリウレタンフォーム用発泡性組成物を用いて得られる本発明に従うポリウレタンにあっては、ポリオール成分として、上述の如き特別なフェノール樹脂系ポリオールが用いられているところから、発泡剤として二酸化炭素を用いているにも拘わらず、良好なる断熱性能が実現されるのである。より詳細には、熱伝導率(初期値)が、従来の水発泡法で得られるポリウレタンフォームの熱伝導率(初期値)よりも低くなって、0.025W/(m・K)以下、好ましくは0.023W/(m・K)以下とされると共に、熱伝導率が経時的に上昇するようなことも有利に抑制され、以て優れた断熱性能が長期に亘って持続され得るのである。なお、本発明において「熱伝導率」とは、JIS A 1412に準拠して測定された熱伝導率をいい、中でも「熱伝導率(初期値)」は、ポリウレタンフォームの製造後、初期の段階(16時間〜2日の間)に測定された熱伝導率を意味する。かかるポリウレタンフォームの熱伝導率が大きくなると、同一の断熱性能を確保するために、フォーム厚みを厚くしなければならないので、熱伝導率を小さくすることは、省スペース化やポリウレタンフォーム製品の低廉化に大きく貢献するのである。また、本発明に従って製造されるポリウレタンフォームは、その密度が20〜100kg/m3 程度となる。
さらに、本発明に従うポリウレタンフォームは、ポリオール成分として、ポリエーテル系のポリオールではなく、フェノール樹脂系のポリオールが用いられているところから、難燃性や耐熱性も付与されたものとなっている。加えて、本発明に従うポリウレタンフォームは、代替フロン系の発泡剤を用いた場合と遜色のない柔軟性を実現するため、後工程において、不要な部分を容易に切断することができ、加工性も良好なものとなっている。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下に示す「%」及び「部」は、何れも質量基準である。
先ず、ノボラック型フェノール樹脂を調製し、得られたノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて、フェノール樹脂系ポリオールを準備した。なお、ノボラック型フェノール樹脂の粘度、数平均分子量及び未反応フェノール(遊離フェノール)量、並びにフェノール樹脂系ポリオールの粘度及び水酸基価は、以下の測定手法で測定した。
(1)粘度(mPa・s)は、B型粘度計を用いて、JIS K 7117−1に準じて測定した。
(2)水酸基価(mgKOH/g)は、JIS K 1557に準じて測定した。
(3)数平均分子量及び未反応フェノール量は、東ソー株式会社製ゲル濾過クロマトグラフ8020シリーズビルドアップシステム(カラム:G1000HXL+G2000HXL、検出器:UV254nm、キャリア:テトラヒドロフラン1mL/min、カラム温度:38℃)を用いて測定した。なお、数平均分子量は標準ポリスチレン換算値であり、また、未反応フェノール量は、ピーク高さを測定して、フェノール検量線から求めた。
<ノボラック型フェノール樹脂の調製>
撹拌装置を備えた反応容器内に、下記表1に示されるように、フェノール9400g、92%パラホルムアルデヒド1630g、酸触媒としてシュウ酸19gを仕込んだ後、撹拌混合しながら100℃で、それぞれ、下記表1に示される時間、反応させた。その後、減圧下で水分を溜去することにより、未反応フェノール量が異なる6種類のノボラック型フェノール樹脂(A〜D,F)を、それぞれ、調製した。また、ノボラック型フェノール樹脂(E)については、減圧下で水分を溜去した後、引き続き所定の温度になるまで減圧下で未反応フェノールを溜去することにより、調製した。なお、下記表1には、得られたノボラック型フェノール樹脂(A〜F)の未反応フェノール量、数平均分子量及び60℃における粘度を示した。
Figure 0005227595
<フェノール樹脂系ポリオールの調製>
撹拌装置を備えた耐圧反応容器内に、下記表2に示されるように、上記ノボラック型フェノール樹脂(A〜F)のうちの何れかを4kg、アルカリ触媒として水酸化カリウム200gを仕込んだ後、撹拌混合しながら150℃の温度で、エチレンオキサイド(EO)及びプロピレンオキサイド(PO)のうちの何れか一方若しくは両方を下記表2に示される配合量となるように加えて、ノボラック型フェノール樹脂に付加させた。なお、EO及びPOの両方を付加させる場合には、先ず、エチレンオキサイドを付加させた後、プロピレンオキサイドを順番に付加させた。その後、水酸化カリウムを酢酸で中和して、13種類のフェノール樹脂系ポリオール(a−1〜a−8,b〜f)を調製した。得られたフェノール樹脂系ポリオールについて、水酸基価及び25℃における粘度を測定し、結果を下記表2に示した。
Figure 0005227595
(実施例1)
先ず、ポリオール成分として上記で得られたフェノール樹脂系ポリオールa−1を用い、下記表3に示される配合割合となるように、このフェノール樹脂系ポリオールa−1の100部に対し、整泡剤(商品名:SH−193、東レ・ダウコーニングシリコーン社製)10部、樹脂化触媒(商品名:カオライザーNo.25、花王株式会社製)1部、アミン系泡化触媒(商品名:カオライザーNo.26、花王株式会社製)1部、発泡剤源としての水3部、難燃剤(トリスクロロプロピルフォスフェート)20部及び起泡剤(リシノール酸カリウム)1部を混合して、ポリオール配合液を調製した。
次いで、得られたポリオール配合液と、ポリイソシアネート成分としてのクルードMDI(商品名:M−11S、BASF INOAC ポリウレタン社製)とを、それぞれ、10℃に温度調整した後、NCO/OH当量比が1.05になるように、ポリオール配合液にクルードMDIを加え、直ちにホモディスパーを用いて高速撹拌混合して、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物を調製した。なお、この調製の際、ポリオール配合液とポリイソシアネート成分との「混合性」を目視で観察し、混合不良が生じた場合を×、混合不良が生じなかった場合を○と評価して、結果を下記表3に示した。
次いで、得られたポリウレタンフォーム用発泡性組成物を、直ちに、四角形の金型内に投入した後、更に鉄板を載置して開口部を覆蓋し、常温下で放置して、金型内のポリウレタンフォーム用発泡性組成物を発泡、硬化せしめることにより、板状のポリウレタンフォーム(縦150mm、横150mm、厚み50mm)を作製した。
そして、得られたポリウレタンフォームを用いて、その密度と熱伝導率を測定すると共に、ポリウレタンフォームの加工性を評価し、得られた結果を下記表3に併せ示した。具体的には、「密度」の測定は、JIS K 7222に準拠して行った。また、「熱伝導率(W/m・K)」の測定は、作製後、常温(室温)下で、24時間(初期値)、1週間、1ヶ月及び2ヶ月放置したポリウレタンフォームを、アナコンTCA POINT2熱伝導率測定装置(MADDERLAKE SCIENTIFIC GROUP COMPANY製)を用いて、JIS A 1412−2付属書A(規定)平板比較法のA6.測定方法に準拠して測定することにより行った。また、ポリウレタンフォームの「加工性」は、ポリウレタンフォームの端部をカッターナイフで切断した際の触感により評価し、柔らかすぎて切断の際に大きな力を要した場合を×、切断の際に多少の力を要した場合を△、容易に切断できた場合を○とした。
(実施例2〜7,実施例9,10)
使用するフェノール樹脂系ポリオールの種類をa−1から、下記表3に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリオール配合液を調製した。そして、得られたポリオール配合液を用いて、実施例1と同様に、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物を調製し、板状のポリウレタンフォームを得た。また、実施例1と同様にして、混合性及び加工性の評価、密度及び熱伝導率の測定を行い、得られた結果を下記表3に示した。
(実施例8)
使用するフェノール樹脂系ポリオールの種類をa−1からb代えると共に、発泡剤源としての水の添加量を5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリオール配合液を調製した。そして、得られたポリオール配合液を用いて、実施例1と同様に、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物を調製し、板状のポリウレタンフォームを得た。また、実施例1と同様にして、混合性及び加工性の評価、密度及び熱伝導率の測定を行い、得られた結果を下記表3に示した。
(比較例1,4)
使用するフェノール樹脂系ポリオールの種類をa−1から、下記表3に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリオール配合液を調製した。そして、得られたポリオール配合液に、実施例1と同様にして、ポリイソシアネート成分としてのクルードMDIを加えて高速撹拌混合したところ、混合性が極めて悪く、均質なポリウレタンフォーム用発泡性組成物を調製することができなかった。
(比較例2)
ポリオール成分として、フェノール樹脂系ポリオールa−1の100部に代えて、半固形状のフェノール樹脂系ポリオールeの50部を、低粘度のポリエーテルポリオール(商品名:EXCENOL420、旭硝子社製)50部で溶解したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリオール配合液を調製した。そして、得られたポリオール配合液を用いて、実施例1と同様に、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物を調製し、板状のポリウレタンフォームを得た。また、実施例1と同様にして、混合性及び加工性の評価、密度及び熱伝導率の測定を行い、得られた結果を下記表3に示した。
(比較例3,5)
使用するフェノール樹脂系ポリオールの種類をa−1から、下記表3に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリオール配合液を調製した。そして、得られたポリオール配合液を用いて、実施例1と同様に、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物を調製し、板状のポリウレタンフォームを得た。また、実施例1と同様にして、混合性及び加工性の評価を行ったところ、混合性は良好であったが、フォームが柔らかくなりすぎて成形性が悪かった。
Figure 0005227595
かかる表3の結果からも明らかなように、実施例1〜10に係るポリウレタンフォームにあっては、発泡剤源として水を用いているにも拘わらず、即ち、発泡剤として二酸化炭素を用いているにも拘わらず、熱伝導率の初期値が、0.023W/(m・K)以下となっている。また、長期経過後(2ヶ月経過後)であっても、熱伝導率が、0.030W/(m・K)未満となっており、断熱材として顕著な有用性を有していることがわかる。また、特に、アルキレンオキサイドとして、エチレンオキサイドの比率が高いほど(実施例3,4)、熱伝導率が低いことがわかる。
一方、遊離フェノール類が10質量%未満のノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させたフェノール樹脂系ポリオールeを用いた比較例1や、水酸基価が450mgKOH/gを超えるフェノール樹脂系ポリオールa−8を用いた比較例4にあっては、ポリイソシアネート成分との混合を良好に行うことができず、均質なポリウレタンフォーム用発泡性組成物を製造することができなかった。また、水酸基価が100mgKOH/g未満のフェノール樹脂系ポリオールa−7を用いた比較例3や、50質量%を超える遊離フェノール類を含有するノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させたフェノール樹脂系ポリオールfを用いた比較例5にあっては、ポリウレタンフォームが柔らかくなりすぎて、加工性が悪く、実用に供し得なかった。また、比較例1で用いられたフェノール樹脂系ポリオールeを、低粘度のポリエーテルポリオールと混合して用いた比較例2にあっては、熱伝導率の初期値が、0.026W/(m・K)となり、また、1週間後の熱伝導率が、0.030W/(m・K)を超えていることがわかる。

Claims (5)

  1. ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、NCO/OHインデックスが0.9〜2.5の範囲で、ウレタン化触媒の存在下に反応、発泡させることにより得られるポリウレタンフォームの製造に使用される発泡性組成物であって、
    記ポリオール成分として、遊離フェノール類を10〜50質量%の割合で含有するノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られる、水酸基価:100〜450mgKOH/gのフェノール樹脂系ポリオールを含有すると共に、発泡剤としての二酸化炭素を前記ポリイソシアネート成分との反応により発生せしめる水を、該フェノール樹脂系ポリオールの100重量部に対して0.3〜10重量部の割合で含有することを特徴とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  2. 前記アルキレンオキサイドが、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はこれらの混合物である請求項1に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  3. 前記エチレンオキサイドが、該エチレンオキサイドと前記プロピレンオキサイドとの総配合量の50〜100質量%となる割合において用いられる請求項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  4. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物を発泡、硬化させて得られるポリウレタンフォーム。
  5. 請求項4に記載のポリウレタンフォームであって、熱伝導率(初期値)が0.025W/(m・K)以下であることを特徴とするポリウレタンフォーム。
JP2008009155A 2008-01-18 2008-01-18 ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム Active JP5227595B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008009155A JP5227595B2 (ja) 2008-01-18 2008-01-18 ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008009155A JP5227595B2 (ja) 2008-01-18 2008-01-18 ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009167341A JP2009167341A (ja) 2009-07-30
JP5227595B2 true JP5227595B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=40968898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008009155A Active JP5227595B2 (ja) 2008-01-18 2008-01-18 ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5227595B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5684576B2 (ja) * 2008-12-24 2015-03-11 旭有機材工業株式会社 ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
JP5422280B2 (ja) * 2009-07-13 2014-02-19 旭有機材工業株式会社 ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
JP5270520B2 (ja) * 2009-11-25 2013-08-21 旭有機材工業株式会社 ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
JP5684482B2 (ja) * 2010-02-18 2015-03-11 旭有機材工業株式会社 ポリウレタンフォーム用発泡性組成物並びにポリウレタンフォーム
JP5412018B2 (ja) * 2010-07-12 2014-02-12 旭有機材工業株式会社 ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム並びにポリウレタンフォームの製造方法
US20170306077A1 (en) * 2014-10-21 2017-10-26 Momentive Performance Materials Inc. Rigid polyurethane foams comprising modified phenolic resins additives

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52135396A (en) * 1976-03-02 1977-11-12 Mitsui Toatsu Chem Inc Preparation of urethane/modified isocyanurate foam
US4046721A (en) * 1976-07-30 1977-09-06 Texaco Development Corporation Low friability polyisocyanurate foams
JPH0764910B2 (ja) * 1989-10-18 1995-07-12 東ソー株式会社 フェノール系ウレタンフォームの製造法
JP3103640B2 (ja) * 1991-12-26 2000-10-30 三井化学株式会社 フェノール樹脂ポリオール
JP3962145B2 (ja) * 1998-02-09 2007-08-22 昭和高分子株式会社 フェノール変性ポリウレタンフォーム
JP2002293871A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Mitsui Chemicals Inc 硬質ポリウレタンフォームおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009167341A (ja) 2009-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5473935B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
JP5684576B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
EP1984415B1 (en) Compatibilizing surfactants for polyurethane polyols and resins
JP5227595B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
JP5504877B2 (ja) 連続気泡硬質発泡合成樹脂の製造方法
EP2444444A1 (en) Process for producing polyether polyol and process for producing rigid foamed synthetic resin using same
JPWO2013058341A1 (ja) 硬質発泡合成樹脂の製造方法
JP5796926B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
JPWO2019088035A1 (ja) 硬質発泡合成樹脂の製造方法
JP5270520B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
JP3463910B2 (ja) マンニッヒ系ポリオールの製造方法
JP5684482B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物並びにポリウレタンフォーム
JP5412018B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム並びにポリウレタンフォームの製造方法
JP2012107214A (ja) 硬質発泡合成樹脂の製造方法
JP5586180B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
JP5699563B2 (ja) 硬質発泡合成樹脂の製造方法
JP4273815B2 (ja) 硬質発泡合成樹脂の製造方法
JP5422280B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
JP5616724B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物並びにポリウレタンフォーム材
JP4677709B2 (ja) 硬質発泡合成樹脂の製造方法
JP3949083B2 (ja) ポリウレタン系フォーム用発泡性組成物及びそれを発泡硬化させてなるポリウレタン系フォーム
JP2013185114A (ja) ポリウレタンフォームの製造方法、ポリイソシアネート系組成物及びポリウレタンフォーム用発泡性組成物
JP2013185115A (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びそれを用いたポリウレタンフォームの製造方法
JP2017008280A (ja) ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5227595

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250