JP2002293871A - 硬質ポリウレタンフォームおよびその製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームおよびその製造方法

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JP2002293871A
JP2002293871A JP2001099720A JP2001099720A JP2002293871A JP 2002293871 A JP2002293871 A JP 2002293871A JP 2001099720 A JP2001099720 A JP 2001099720A JP 2001099720 A JP2001099720 A JP 2001099720A JP 2002293871 A JP2002293871 A JP 2002293871A
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polyurethane foam
rigid polyurethane
polyol
foam
mass
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JP2001099720A
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Kenichi Sugiura
浦 賢 一 杉
Seiji Ezaki
崎 整 二 江
Masaaki Shibata
田 雅 昭 柴
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係る軟質ポリウレタンフォーム
は、独立気泡率が80%以下であり、発泡体の成形密度
が20kg/m3以上45kg/m3以下であり、熱伝導率が2
3.0乃至35.0mW/m・Kであり、湿熱寸法変化
率が−3%乃至3%の範囲内にあることを特徴としてい
る。 【効果】 本発明に係る硬質ポリウレタンフォームは、
優れた断熱性を有するとともに、独立気泡率が低く、密
度が小さく軽量であるにもかかわらず、寸法安定性に優
れている。また、セル成形性にも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、硬質ポリウレタンフォー
ム、その用途およびその製造方法に関する。さらに詳し
くは、冷蔵庫、冷凍庫、断熱パネル、船舶、車両等の断
熱材、断熱構造材等として広範囲に用いられる硬質ポリ
ウレタンフォームおよびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】硬質ポリウレタンフォームは断熱
性等に優れるので、建物、冷蔵庫などの断熱材や構造材
として広く用いられている。その製造方法も、ポリオー
ルと有機ポリイソシアネートを発泡剤、必要に応じて触
媒、整泡剤、その他の助剤等により簡便に製造すること
ができる。特に必要に応じて製造工場内で成形したり、
施工現場において成形することができることから、その
適用範囲も大変広い。
【0003】しかし、従来硬質ポリウレタンフォームの
発泡剤としては、主としてフロンを発泡剤として用いら
れており、近年の環境問題への取り組みから化合物によ
って既に全廃されたもの、また現在は使用が許可されて
いるものでも将来の使用規制が決定又は検討されるよう
になっている。フロン代替化合物としてシクロペンタ
ン、nーペンタン等の炭化水素化合物を発泡剤として使
用する技術も提案されているが、これらの発泡剤は燃焼
性を有しており、硬質ポリウレタンフォーム製造時に、
厳重な防爆対策を行う必要があり、作業が煩雑となり更
にコストアップとなるという問題点があった。
【0004】一方、従来副発泡剤として用いられていた
水を単独使用すると、厳重な防爆対策を要しないが、寸
法変化率、特に高温高湿寸法変化率を維持するため硬質
ポリウレタンフォーム成形時の仕上がり密度(成型密
度)を大きくする必要があり、一定容積中の重量が大き
くなるという問題点があった。このため、収縮防止剤と
してポリエチレン微粉末、ポリブタジエン等を添加する
ことにより軽量化を図る方法が試みられている。一方、
軽量化のため独立気泡率を小さくして低密度の硬質ポリ
ウレタンフォームを形成すると、寸法安定性が悪化する
という問題点があった。
【0005】また、硬質ポリウレタンフォームは、発泡
に寄与したフロン、二酸化炭素等が、フォーム形成後セ
ルから徐々に放出されるため、断熱性能がフォーム形成
時以降経時的に低下し、一定期間経過後に定常状態に達
することが知られている。このような定常状態に至るま
でには、通常フォーム形成後、6カ月〜1年程度を要す
るが、定常状態に至る期間が短縮できれば、硬質ポリウ
レタンフォームの製造から使用(出荷)に至るまでの生
産性を向上させることができる。硬質ポリウレタンフォ
ームの構造を半連泡型にすることにより定常状態に至ら
しめる期間を短縮できるが、独立気泡率を下げて半連泡
型にすると、上述の通り寸法安定性が悪化するという問
題点があった。
【0006】このため、断熱性に優れるとともに、独立
気泡率が小さく低密度(軽量)で生産性に優れ、寸法安
定性にも優れた硬質ポリウレタンフォームの出現が望ま
れていた。そこで、本願発明者らは、上記問題点を解決
すべく鋭意研究し、特定の連通化剤を特定量用い、また
特定量の発泡剤(水)を用いることにより、優れた断熱
性を有し、独立気泡率が低く低密度であり、寸法安定性
にも優れた硬質ポリウレタンフォームが得られることを
見出し、本願発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、環境対策に適合する発泡剤と
して水を使用したものであって、優れた断熱性を有する
とともに、独立気泡率が低く、密度が小さく軽量である
にもかからわず、寸法安定性に極めて優れた硬質ポリウ
レタンフォームおよびその製造方法を提供することを目
的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る硬質ポリウレタンフォーム
は、独立気泡率が80%以下であり、発泡体の成形密度
が20kg/m3以上45kg/m3以下であり、熱伝導率が2
3.0乃至35.0mW/m・Kであり、湿熱寸法変化
率が−3%乃至3%の範囲内にあることを特徴としてい
る。
【0009】また、本発明に係る硬質ポリウレタンフォ
ームの尿素結合とウレタン結合の比率(尿素結合/ウレ
タン結合)は、0.40以上1.88以下の範囲である
ことが好ましい。本発明に係る断熱材用硬質ポリウレタ
ンフォームは、独立気泡率が80%以下であり、発泡体
の成形密度が20kg/m3以上45kg/m3以下であり、熱伝
導率が23.0乃至35.0mW/m・Kであり、湿熱
寸法変化率が−3%乃至3%の範囲内にあることを特徴
としている。
【0010】本発明に係る硬質ポリウレタンフォームの
製造方法は、少なくともポリオールと、ポリイソシアネ
ートと、水と、連通化剤とから得られる硬質ポリウレタ
ンフォームの製造方法であって、前記ポリオール100
質量部に対して、水を4乃至15質量部、連通化剤を
0.5〜4.0質量部の量で用いることを特徴としてい
る。
【0011】
【発明の具体的説明】本発明に係る硬質ポリウレタンフ
ォームは、特定の独立気泡率、成形密度、熱伝導率、お
よび湿熱寸法変化率を有している。このような硬質ポリ
ウレタンフォームは、ポリオール、ポリイソシアナー
ト、発泡剤、特定の連通化剤を用いることにより得るこ
とができる。
【0012】以下に詳説する。 [ポリイソシアナート]本発明で用いられるポリイソシ
アナートとしては、公知のものが使用でき、特に制限さ
れない。ポリイソシアネートとしては、たとえば、トル
エンジイソシアナート(以下「TDI」という)および
/またはジフェニルメタンジイソシアナート(以下「M
DI」という)が挙げられる。
【0013】TDIは異性体の混合物、すなわち2,4
−体100%品、2,4−体/2,6−体=80/20
及び/又は65/35(それぞれ重量比)等が挙げられ
る。また、TDI−TRC(商品名、三井化学(株)
製)などの多官能性のタールを含有する、いわゆる粗T
DIも使用できる。MDIとしては、4,4’−体を主
成分とする純品が挙げられる。また、3核体以上の多核
体を含有するコスモネートシリーズ(商品名、三井化学
(株)製)などのポリメリックMDIを用いることもで
きる。
【0014】またこれらポリイソシアナートと後述する
ポリオールを反応させて得られるイソシアナート基を分
子末端に有するプレポリマーもイソシアナート組成物の
一部または全部として使用できる。また、上記ポリイソ
シアナートを部分的に三量化、カルボジイミド化、アミ
ド化などの手段で変成した変性ポリイソシアナートも使
用することができる。 [ポリオール]本発明で用いられるポリオールとして
は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール
などの公知のポリオールが挙げられ、特に制限はない。
【0015】ポリオールとしては、具体的には、たとえ
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、ショ糖、グリセリン等の多価アルコール、トリレン
ジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、トリ
エタノールアミン等の脂肪族アミン類の単独または混合
系に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブ
チレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレン
オキサイドを付加重合させて得られたヒドロキシル価3
30〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオール
等が挙げられる。
【0016】なお、平均分子量は、OHVと官能基数
(複数の場合は平均官能基数)から計算して求める。本
発明にかかる硬質ポリウレタンフォームは、(A)数平
均分子量が2000〜9000であるポリオキシアルキ
レンポリエーテルポリオールおよび(B)数平均分子量
が250〜750であるポリオキシアルキレンポリエー
テルポリオールからなるポリオール組成物と、ポリイソ
シアネートとを反応させて製造することができ、得られ
る硬質ポリウレタンフォームについて該発泡体の密度は
20kg/m3以上45kg/m3以下の範囲にある。
【0017】前期ポリオール組成物中、前期ポリオキシ
アルキレンポリエーテルポリオール(A)が5〜40質
量%の割合で含まれ、前期ポリオキシアルキレンポリエ
ーテルポリオール(B)が60〜95質量%の割合で含
まれることが望ましい(ただし、(A)+(B)=10
0質量%)。また、本発明においては2、5(または
6)−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2、2、1]
ヘプタン(以下「NBDA」ということがある)を開始
剤とするポリエーテルポリオールも好ましく用いること
ができる。すなわち、2、5(または6)−ビス(アミ
ノメチル)−ビシクロ[2、2、1]ヘプタンを開始剤
とし、アルキレンオキサイドを付加して得られる水酸基
価200〜600mgKOH/g、好ましくは300〜
500mgKOH/gのものである。
【0018】また、本発明においては、ポリエステルポ
リオールも好ましく使用できる。当該ポリエステルポリ
オールとしては、200から600mgKOH/gの水
酸基価を有するものを、さらに好ましく用いることがで
きる。このようなポリエステルポリオールとしては、具
体的には、たとえば、フタル酸等のジカルボン酸及びま
たはそのジエステルとエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタン
ジオール、グリセリン等のポリオールとチタンアルコキ
シド等の触媒の存在下または非存在下に、縮合により酸
価を5mgKOH/gまで低減して製造される芳香族ポ
リエステルポリオール、あるいは、無水フタル酸等の環
状酸無水物に、イソシアナートと反応し得る活性水素を
2以上有する多価活性水素化合物を付加して生成するカ
ルボン酸に、酸価が5mgKOH/g以下になるまでジ
メチルパルミチルアミン等の長鎖炭化水素を含有する3
級アミンを触媒としてアルキレンオキシドを付加して製
造されるポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0019】本発明においては、上記NBDAを開始剤
とするポリオール及びポリエステルポリオールと併用で
きるポリオールとしては公知のものを用いることがで
き、特に制限はない。このようなポリオールとしては、
ショ糖/グリセリン混合物にプロピレンオキシドを付加
した水酸基価450mgKOH/gのポリオールが好適
である。また、たとえば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ソルビトール、ショ糖等の多価アルコール、ト
リレンジアミン等の芳香族アミン類やエチレンジアミ
ン、トリエタノールアミン等の脂肪族アミン類の単独ま
たは混合系にアルキレンオキシドを付加重合させて得た
ヒドロキシル価350−800mgKOH/gのポリエ
ーテルポリオール等を用いることもできる。
【0020】[ウレタン化触媒]本発明においては、ウレ
タン化触媒を使用することもできる。このような触媒と
しては、通常のウレタン発泡に用いられるアミン類、4
級アンモニウム化合物、アルカリ金属塩、錫化合物、フ
ェノラート化合物、金属ハロゲン化物、金属錯化合物等
の触媒を用いることができ、特に制限されない。
【0021】前記アミン類としては、たとえば、トリメ
チルアミノエチルピペラジン、トリエチルアミン、トリ
プロピルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチル
モルフォリン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘ
キサメチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミ
ン、ジアゾビシクロウンデセン、1,3,5−トリス
(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリア
ジン等を挙げることができる。
【0022】前記アジリジン類としては、たとえば、2
−エチルアジリジン等を挙げることができる。前記4級
アンモニウム化合物としては、たとえば、3級アミンの
カルボン酸塩等を挙げることができる。前記アルカリ金
属塩類としては、たとえば、オクチル酸カリウム、酢酸
ナトリウムなどを例示することができる。
【0023】前記鉛化合物としては、たとえば、ナフテ
ン酸鉛、オクチル酸鉛等を挙げることができる。前記錫
化合物としては、たとえば、ジブチル錫ジアセテート、
ジブチル錫ジラウレート等を挙げることができる。前記
アルコラート化合物としては、たとえば、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド等を挙げることができ
る。
【0024】前記フェノラート化合物としては、たとえ
ば、カリウムフェノキシド、リチウムフェノキシド、ナ
トリウムフェノキシド等を挙げることができる。前記金
属ハロゲン化物としては、たとえば、塩化鉄、塩化亜
鉛、臭化亜鉛、塩化錫等を挙げることができる。金属錯
体化合物としては、たとえば、アセチルアセトン金属塩
等の金属錯化合物等を挙げることができる。
【0025】これらの触媒は、単独または、2種以上併
用して用いることができ、その使用量は、ポリオール1
00質量部に対して、好ましくは0.01〜10.0質
量部、さらに好ましくは0.1〜2質量部の量を用いる
ことが望ましい。 [発泡剤]本発明において用いられる発泡剤は、好まし
くは水、炭酸ガスであり、特に好ましくは水であること
が望ましい。
【0026】発泡剤として用いる水は、通常、イオン交
換水、蒸留水が用いられるが、場合により、工業用水を
そのまま用いることもできる。水の量は、全ポリオール
成分100質量部当たり、好ましくは4乃至15質量
部、さらに好ましくは5〜12質量部、特に好ましくは
6〜10質量部であることが望ましい。
【0027】水を用いる場合、使用量が上記範囲にある
と、成形密度、湿熱寸法安定性、断熱性に優れたセルを
形成することができる。 [整泡剤]本発明に係る硬質ポリウレタンフォームの製造
では、整泡剤を用いてもよい。整泡剤としては、従来公
知の含珪素有機系の界面活性剤を用いることができ、た
とえば、シリコーン誘導体(アルキレンオキサイド変性
ポリジメチルシロキサンで末端にアルコキシ基または活
性のOH基などを有する)を用いることができる。また
ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、長鎖脂肪酸ア
ルキロールアマイドなど、いわゆるノニオン系の界面活
性剤も用いることができる。
【0028】このような整泡剤としては、市販の整泡剤
を用いることができ、たとえば、SZ−1127、SZ
−1142、SZ−1605、SZ−1642、SZ−
1649、SZ−1655、L−580、L−574
0、L−5420、L−5421等(日本ユニカー
(株)製)等、SF−2935F、SF−2938F、
SF−2940F、SF−2945F、SF−290
8、SRX−294A、SH−190、SH−192、
SH−193等(東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製)、F−327、F−345、F−305等
(信越化学工業(株)製)などを好ましく用いることが
できる。
【0029】このような整泡剤は、1種単独で、または
2種以上を併用して用いることができ、その使用量は、
ポリオール100質量部に対して、好ましくは0.5〜
5.0質量部、より好ましくは0.5〜5.0質量部、
さらに好ましくは0.5〜3.0質量部、特に好ましく
は1.0〜2.0質量部の量を用いることが望ましい。
整泡剤が上記範囲にあると、独立気泡率を一定の範囲と
し、断熱性に優れた硬質ポリウレタンフォームを得るこ
とができる。 [連通化剤]本発明においては、さらに連通化剤を用い
ることができる。このような連通化剤としては、ポリジ
メチルシロキサン誘導体あるいはポリマー乳化分散水溶
液を用いることができる。
【0030】ポリジメチルシロキサン誘導体としては、
市販のF370(商品名、日本ユニカー社製)などが挙
げられる。ポリマー乳化分散水溶液としては、市販のVa
nnox FM-210(商品名、三共エアプロダクツ(株)製)
などを用いることができる。このような連通化剤は、1
種単独で、または2種以上を併用して用いることがで
き、その使用量は、ポリオール100質量部に対して、
好ましくは0.5〜4.0質量部、さらに好ましくは
1.0〜3.0質量部、特に好ましくは1.5〜2.5
質量部の量を用いることが望ましい。
【0031】連通化剤が上記範囲にあると、一定の範囲
内の成形密度、独立気泡率を有するとともに、断熱性、
寸法安定性にも優れた硬質ポリウレタンフォームを得る
ことができる。特に、水、連通化剤が上記範囲にある
と、適度な成形密度を有し、湿熱寸法安定性、断熱性、
フォームセル成形性に優れ、一定の独立気泡率を有する
硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0032】[その他添加剤]本発明においては、用途や
目的に応じて各種添加剤を添加することができる。その
ような添加剤としては、たとえば、難燃剤、酸化防止
剤、着色剤、低粘度化剤などが挙げられる。 [硬質ポリウレタンフォームの製造方法]本発明の硬質ポ
リウレタンフォームの製造方法は、前記ポリオール、ポ
リイソシアネート、発泡剤、連通化剤、必要に応じ触
媒、その他添加剤等から製造することができる。
【0033】発泡はどのような状態で実施してもよい
が、成型品の形状または形状に類似した金型内部で実施
する方法が広く用いられている。ポリイソシアネートと
ポリオールは発泡直前で混合することが好ましい。その
他の成分は必要に応じて予めポリイソシアネートまたは
ポリオールと予め混合することが一般的であり、それら
混合物は混合後直ちに使用しても、貯留し必要量を適宜
使用してもよい。その他の成分の混合は必要に応じて適
宜その混合の組み合わせ、混合順序、混合後の貯留時間
等を決定することができる。
【0034】このような混合物のうちポリオールとその
他の成分の混合物、即ちポリオールと発泡剤、連通化
剤、必要に応じ触媒、架橋剤、界面活性剤、その他添加
剤などを混合したものをレジンプレミックスと呼称する
ことがある。これらの組成は必要とされる軟質ポリウレ
タンモールドフォームの品質によって適宜設定すること
ができる。このレジンプレミックスをポリイソシアネー
トと反応させることが好ましい。
【0035】ポリイソシアネートとレジンプレミックス
中の活性水素の割合(NCO/H(活性水素の当量比)
は、好ましくは80〜200、さらに好ましくは90〜
150、特に好ましくは100〜130であることが望
ましい。使用するレジンプレミックスの粘度は発泡機で
の混合性、フォームの成形性の観点から好ましくは2500
mPa・s/25℃以下、さらに好ましくは1500mPa・s/25℃以
下であることが望ましい。
【0036】ポリイソシアネートとレジンプレミックス
等の混合方法は特に限定されず、ダイナミックミキシン
グ、スタティックミキシングいずれでもよく、また両者
を併用してもよい。ダイナミックミキシングによる混合
方法としては攪拌翼等により混合する方法が挙げられ
る。又スタティックミキシングによる混合方法としては
発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行う方法やスタ
ティックミキサー等を用いて送液配管内で混合を行う方
法等が挙げられる。
【0037】発泡直前で実施される混合や物理発泡剤等
のガス状成分と液状成分の混合はスタティックミキシン
グで貯留可能成分同士の混合はダイナミックミキシング
で実施することが好ましい。混合温度、圧力は目的の軟
質ポリウレタンフォームの品質、原料の種類や組成によ
って必要に応じて任意に設定することができ、混合に先
立ち必要に応じて加熱することもできる。
【0038】各出発成分は、液温15乃至80℃、好ま
しくは20乃至30℃で攪拌混合し、オープンモールド
に、或いは場合により高圧下で、必要に応じて温度制御
の可能なクローズドモールドに導入することにより硬質
ポリウレタンフォームを得ることができる。モールド
(金型)温度は20乃至110℃、好ましくは30乃至
60℃、特に好ましくは45乃至55℃とすることが好
ましい。 [硬質ポリウレタンフォーム]このようにして得られる
硬質ポリウレタンフォームは、独立気泡率が80%以
下、好ましくは30.0%以上75.0%以下、さらに
好ましくは35.0%以上70.0%以下であることが
望ましい。
【0039】また、発泡体の成形密度は、20kg/m3
上45kg/m3以下、好ましくは24kg/m3以上43kg/m3
以下、さらに好ましくは35kg/m3以上40kg/m3以下で
あることが望ましい。さらに、湿熱寸法変化率は、−3
%乃至3%、好ましくは−2%以上2%以下、さらに好
ましくは−1%以上1%以下であることが望ましい。
【0040】本発明に係る硬質ポリウレタンフォームの
尿素結合とウレタン結合の比率(尿素結合/ウレタン結
合)は、好ましくは0.4以上1.88以下、さらに好
ましくは0.44以上1.56以下、特に好ましくは
0.49以上1.22以下であることが望ましい。な
お、本発明においては、上記独立気泡率、成形密度、熱
伝導率、湿熱寸法変化率の測定は、下記の方法により行
った。
【0041】前記独立気泡率は、通常硬質ポリウレタン
フォームの測定に用いられている方法によった。具体的
には「空気式見掛け容積測定器」を使用して、ASTM
D−2856に記載の方法により測定される見掛け容
積率(%)である。本発明に係る独立気泡率は、東芝ベ
ックマン空気比較比重計モデル930を用いて行った値
である。
【0042】前記成形密度は、JIS K-6400に記
載の方法により測定した。本発明では、表皮スキン有り
の直方体フォームサンプルを用いて成形密度の測定を行
なった。前記熱伝導率は、JIS A−1412−2に
したがい、測定装置としてAnacon社 モデルTCA-8を用い
て測定した値である。
【0043】前記湿熱寸法変化率は、80mm×80mm×
20(厚さ)mmの硬質ポリウレタンフォーム試験片を、
70℃、湿度95%RHに設定し、オーブン中で48時
間静置した後の、前記試験片の寸法変化率を測定したも
のである。前記尿素結合とウレタン結合の比率(尿素結
合/ウレタン結合)は、以下の方法により求めた。 {X1分子量×X2}/{X1×X1の官能基数×X2分子
量} (式中X1はポリオールの仕込み質量(g)、X1分子量は
用いたポリオールの平均分子量、X1の官能能基数とは
用いたポリオールの平均官能基数、X2は水の仕込み質
量(g)、 X2分子量は水の分子量である。) X1分子量は56.1*1000*X1の官能基数*X1
の水酸基価で求めることができる。なお水酸基価の単位
はmgKOH/gである。
【0044】このような硬質ポリウレタンフォームは、
特定のポリイソシアネートインデックスの量のポリイソ
シアネート、ポリオール、水等の発泡剤、ウレタン触媒
および必要に応じてヌレート化触媒を用いるとともに、
整泡剤、鎖延長剤・架橋剤等を用いて製造することがで
きる。このような硬質ポリウレタンフォームは、優れた
断熱性を有するとともに、独立気泡率が低く、密度が小
さく軽量であるにもかかわらず、寸法安定性に優れてい
るので、冷蔵庫、冷凍庫、断熱パネル、船舶、車両等の
断熱材、断熱構造材等として広範囲に用いることができ
る。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る硬質ポリウレタンフォーム
は、優れた断熱性を有するとともに、独立気泡率が低
く、密度が小さく軽量であるにもかかわらず、寸法安定
性に優れている。また、セル成形性にも優れている。さ
らに、硬質ポリウレタンフォームの製造後、短期間に断
熱性能が定常状態に至る。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。 (使用原料)ポリオールA :ペンタエリスリトールにプロピレンオキ
サイドを付加した水酸基価350mgKOH/gのポリエーテ
ルポリオールポリオールB :トリレンジアミンとトリエタノールアミ
ンの70:30(質量比)の混合物に、プロピレンオキ
サイドを付加した水酸基価350mgKOH/gのポリエーテ
ルポリオールポリオールC :トリエタノールアミンにプロピレンオキ
サイドを付加した水酸基価550mgKOH/gのポリエーテ
ルポリオールポリオールD :グリセリンにプロピレンオキサイドを付
加した水酸基価34mgKOH/gのポリエーテルポリオールポリオールE :ジプロピレングリコールにプロピレンオ
キサイドを付加した水酸基価20mgKOH/gのポリエーテ
ルポリオール整泡剤 :ポリエーテル変性シリコーンオイル(SH190
(東レ・ダウコーニング社製))連通化剤: ポリジメチルシロキサン誘導体(F370(信越
化学(株)製)触媒A :N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン(POLYCAT8
(商品名、エアプロダクツケミカルズ社製)触媒B :N,N,N',N'-テトラメチルヘキサンジアミン(MI
NICOTMHD(商品名、信越化学(株)製) イソシアネート :コスモネートM−200(商品名、三
井化学(株)製)難燃剤 :トリスクロロプロピルホスフェート(TCPP)
(ファイロールPCF(商品名、アクゾ・カシマ(株)
製))
【0047】
【実施例1、2】表1に示す割合でポリオール、触媒、
整泡剤、連通化剤、水等を混合した溶液に、イソシアネ
ートを表1に示すインデックスとなるように添加し、液
温25℃で高速回転ラボスターラーを用いて6000rp
mで約6秒間混合し、得られた混合物を、20cm×20c
m×20cmの木製ボックス内に素早く注入し、発泡させ
た。注入後15分後に得られたポリウレタンフォームを
取り出して、硬質ポリウレタンフォーム(フリーフォー
ム)を得た。
【0048】得られた硬質ポリウレタンフォームを20
時間経過後にスリッターで100×100×100mmに
切断し、フォーム内部のフリー密度(見かけ密度)を測
定した。なお、フリー密度は、JIS K-6400に記
載の方法により測定した。また、50℃に温度調整され
たアルミ製横型パネル(縦15×横60×厚み9cm)を
用いてパネル発泡を行った。パネル発泡の際、成形密度
が30kg/m3になるように注入し、注入後12分経過後
に取り出し、パネルフォームを得た。
【0049】得られた硬質ポリウレタンフォームを20
時間経過後にスリッターでコア部を90×90×40mm
に切断し、切断したフォームを温度70℃、湿度95%
RHに設定したオーブン中で48時間静置することによ
り、湿熱寸法変化率および独立気泡率を測定した。な
お、湿熱寸法変化率は、両末端、中央部の計3箇所の中
の最大値を%で示したものである。
【0050】また、50℃に温度調整されたアルミ製横
型パネル(縦33×横33×厚み8cm)を用いてパネル
発泡を行った。パネル発泡の際、成形密度が30kg/m3
になるように注入し、注入後12分経過後に取り出し、
パネルフォームを得た。得られた硬質ポリウレタンフォ
ームを20時間経過後にスリッターでコア部を200×
200×25mmに切断し、切断したフォームの熱伝導率
を測定した。
【0051】また、上記フリーフォーム(パネルフォー
ム)のフォームセル性を評価した。フォームセル性と
は、セル型、セル均一性を意味し、フォームセル性が極
めて良好な場合を◎、良好な場合を○、粗く不良な場合
を×とした。
【0052】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴 田 雅 昭 神奈川県横浜市栄区笠間町1190 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4J034 CA03 CA04 CA05 CA15 CB03 CB07 CB08 CC03 CC08 DA01 DB03 DB04 DC02 DF16 DF22 DG03 DG04 DG14 HA01 HA07 HC12 HC34 HC35 HC61 HC64 HC67 HC71 JA42 KA01 KB02 KC02 KC08 KC17 KC18 KD02 KD04 KD12 KE01 KE02 MA21 NA03 NA07 NA08 QA02 QA05 QB16 QC01 QD01 QD03 RA12 RA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 独立気泡率が80%以下であり、発泡体
    の成形密度が20kg/m3以上45kg/m3以下であり、熱伝
    導率が23.0乃至35.0mW/m・Kであり、湿熱
    寸法変化率が−3%乃至3%の範囲内にあることを特徴
    とする硬質ポリウレタンフォーム。
  2. 【請求項2】 尿素結合とウレタン結合の比率(尿素結
    合/ウレタン結合)が0.40以上1.88以下の範囲
    であることを特徴とする請求項1記載の硬質ポリウレタ
    ンフォーム。
  3. 【請求項3】 独立気泡率が80%以下であり、発泡体
    の成形密度が20kg/m3以上45kg/m3以下であり、熱伝
    導率が23.0乃至35.0mW/m・Kであり、湿熱
    寸法変化率が−3%乃至3%の範囲内にあることを特徴
    とする断熱材用硬質ポリウレタンフォーム。
  4. 【請求項4】 少なくともポリオールと、ポリイソシア
    ネートと、水と、連通化剤とから得られる硬質ポリウレ
    タンフォームの製造方法であって、前記ポリオール10
    0質量部に対して、水を4乃至15質量部、連通化剤を
    0.5〜4.0質量部の量で用いることを特徴とする硬
    質ポリウレタンフォームの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007197499A (ja) * 2006-01-24 2007-08-09 Asahi Glass Co Ltd 硬質ポリウレタンフォームの製造方法、透水層の形成方法および岩盤の補強方法
JP2009167341A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム
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CN110698714A (zh) * 2019-10-08 2020-01-17 长虹美菱股份有限公司 一种基于保温冰箱的保温发泡系统

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