JP4419310B2 - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気冷蔵庫用や建築資材用などの断熱材などとして利用できる優れた断熱性を有する硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬質ポリウレタンフォームなどの硬質フォームの製造に使用する発泡剤としては、特定フロン類によるオゾン層の破壊の防止のための代替発泡剤である水(イソシアネートとの反応で副生するCOガスによる発泡)やHCFC−141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)などが使用されてきた。しかし、前者ではこのCOガスの熱伝導率が大きく、フォームの断熱性能が悪化するため、高い断熱性能が求められる電気冷蔵庫用等の断熱材には向いていない。また、後者のHCFC−141bについてはオゾン破壊係数(以下、ODPという)が0.11と大きく、地球環境保護の観点から将来的にその使用は禁止される予定である。
そこで、そのHCFC−141bの代替発泡剤の一つとして、シクロペンタンを使用することが知られている。シクロペンタンは、ODPが0であるため、欧州を中心として既に発泡剤として使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このシクロペンタンを発泡剤として使用する場合、熱伝導率がHCFC−141bよりも大きいので、得られる硬質ポリウレタンフォームの断熱性能が劣るという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、フォームの断熱性能を向上させる工夫としてフォーム中の気泡を均一の細かい気泡とすることにより、輻射伝熱の効果を小さくすることが非常に有効な手段であることに着目し検討を重ねた。この結果、第1級アミノ基を1〜2つ含む炭素環式化合物および第1級アミノ基をつ含む複素環式化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の環状第1級アミン化合物と、エーテル性の酸素原子および/または第3級アミン性の窒素原子を含んでいてもよい炭素数5〜12のフッ素化炭化水素を使用すると、フォーム中の気泡を均一に微細化でき、得られる硬質フォームが、優れた断熱性を示すことを見い出した。
すなわち、本発明は、ポリオールとポリイソシアネートとを、(A)第1級アミノ基を1〜2つ含み、かつベンゼン環を1〜2つ有する芳香族アミン化合物、及び、第1級アミノ基を1〜2つ含み、かつビシクロ環を有する脂肪族環式アミン化合物から選ばれる少なくとも1種類の環状第1級アミン化合物、(B)エーテル性の酸素原子および/または第3級アミン性の窒素原子を含んでいてもよい炭素数5〜12のフッ素化炭化水素、(C)炭素数4〜6の炭化水素および(D)水、並びに触媒の存在下に反応させることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【0005】
また、本発明は、上記硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、(A)環状第1級アミン化合物、(B)フッ素化炭化水素並びに(C)炭素数4〜6の炭化水素および/または(D)水とを予め配合したエマルジョン分散系のポリオール予備混合物をポリイソシアネートと反応させることにより、ポリオールとポリイソシアネートを反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、ポリオールとして、ポリアミン類、アルカノールアミン類、糖類、フェノール類および多価アルコール類から選ばれる開始剤にアルキレンオキシドを付加して得られるポリエーテルポリオールと、多価アルコール類−多価カルボン酸縮合系のポリエステルポリオールを併せて使用する硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上記硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、(C)炭素数4〜6の炭化水素がシクロペンタンである硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、(A)環状第1級アミン化合物が、第1級アミノ基を2つ含み、かつベンゼン環を1〜2つ有する芳香族アミン化合物、及び、第1級アミノ基を2つ含み、かつビシクロ環を有する脂肪族環式アミン化合物から選ばれる少なくとも1種類の環状第1級アミン化合物である硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、(A)環状第1級アミン化合物の使用量が、ポリオール100質量部に対して0.1〜10質量部である硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、(B)フッ素化炭化水素の使用量が、ポリオール100質量部に対して0.1〜3質量部である硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、(C)炭素数4〜6の炭化水素の使用量が、ポリオール100質量部に対して10〜30質量部である硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、(D)水の使用量が、ポリオール100質量部に対して0.1〜5質量部である硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法により製造できる硬質ポリウレタンフォームは、ウレア結合を含むものであり、いわゆる硬質ポリウレタンウレアフォームである。また、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンウレアフォームを製造することもできる。
【0007】
(ポリオール)
本発明に使用されるポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。ポリオールは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコール類、糖類、アルカノールアミン類、ポリアミン類、フェノール類などの少なくとも1種の開始剤にアルキレンオキシドを反応させて得られるものが好ましい。アルキレンオキシドとしてはプロピレンオキシド、1,2‐ブチレンオキシド、2,3‐ブチレンオキシドおよびエチレンオキシドなどが好ましい。プロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドの併用が特に好ましい。ポリエーテルポリオールを得る際にプロピレンオキシドを反応させた後、エチレンオキシドを反応させることによって、末端にオキシエチレン基を含有する、すなわち、末端に第1級水酸基を含有するポリオールを得ることができる。ポリオールの一部として、このようなポリオールを使用できる。
【0008】
開始剤としての多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。糖類としては、シュークロース、デキストロース、ソルビトールなどがある。アルカノールアミン類としてはジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。ポリアミン類としては、エチレンジアミン、トリレンジアミンなどが挙げられる。フェノール類としてはビスフェノールAなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコール−多価カルボン酸縮合系のポリオール、環状エステル開環重合体系のポリオールなどが挙げられる。多価アルコールとしては上記したものが使用でき、2価アルコールが好ましい。多価カルボン酸としては、アジピン酸、フタル酸などの2価カルボン酸など、環状エステルとしてはε−カプロラクトンなどが挙げられる。
ポリオールの水酸基価は200〜900が好ましく、250〜800が特に好ましい。
【0009】
ポリオールとポリイソシアネートとの反応性を向上させるためには、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性を高めることが好ましい。本発明ではそのために、芳香環を有するポリエーテルポリオールを使用することが好ましく、芳香族ポリアミンを開始剤とするポリエーテルポリオールを使用することが特に好ましい。
本発明においては、(A)環状第1級アミン化合物、(B)フッ素化炭化水素、触媒、整泡剤や他の添加剤を予め混合することが好ましい。本発明では、ポリイソシアネートを反応させる前のポリオールを含む混合物をポリオール予備混合物という。ポリオール予備混合物に(C)シクロペンタン等の炭化水素および/または(D)水を含ませることができる。その場合、ポリオール予備混合物は、エマルジョン分散系であることが好ましい。
【0010】
ポリオール予備混合物の状態をエマルジョン分散系にすることは、親水性/疎水性のバランスに注視しながらポリオールを選択し、好適な比率で配合させることにより、通常の撹拌機で容易に行うことができる。ポリオールの親水性/疎水性を調整する手段として親水性が特に強いポリオールを適量配合することが有効である。親水性が強いポリオールとして多価アルコール−フタル酸縮合系のポリエステルポリオールが使用できる。このときポリエーテルポリオールと多価アルコール−フタル酸縮合系ポリエステルポリオールの割合は質量比で80/20〜95/5の範囲が好ましい。このポリオール予備混合物とポリイソシアネートとを反応させることにより、得られる硬質ポリウレタンフォームは断熱性が優れる。エマルジョン分散系のポリオール予備混合物は、炭素数4〜6の炭化水素が分散質であり、ポリオールが分散媒となっていると考えられる。
【0011】
エマルジョン分散系のポリオール予備混合物を構成するポリオールは、トリレンジアミンなどの芳香族アミンやビスフェノールAなどの芳香族フェノールを開始剤とする芳香環を有するポリエーテルポリオール50〜80質量%、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールを開始剤とする脂肪族ポリエーテルポリオール1〜20質量%、芳香環を有するポリエステルポリオール5〜20質量%及びその他のポリオールを0〜30質量%のポリオール混合物であることが好ましい。
(A)環状第1級アミン化合物および(B)フッ素化炭化水素を含有させることにより、フォーム中の気泡はより微細になり、このことにより従来に比べより優れた断熱性能を有する硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
また、(B)フッ素化炭化水素および/または(C)シクロペンタン等の炭素数4〜6の炭化水素をポリオール予備混合物に含めず、第3成分として反応現場で直接混合・反応させることもできる。このとき、ポリオール予備混合物はエマルジョン状態である必要はないが、エマルジョン状態になりうる上記記載の原料を使用することが好ましい。
【0012】
(ポリイソシアネート)
本発明に使用されるポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂肪族環式系、または脂肪族系のポリイソシアネート、それら2種類以上の混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネートは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのポリイソシアネートやそれらのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体などが挙げられる。このうちトリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDIなどの芳香環を有するものがポリオールとの相溶性がよい点で好ましい。
ポリイソシアネートの使用量は、(ポリイソシアネートのイソシアネート基)/(ポリオール予備混合物におけるイソシアネート基と反応しうる活性水素含有基)(モル比)が、1.1/1〜1.4/1となる範囲が好ましく、特に1.1/1〜1.2/1となる範囲が好ましい。
【0013】
((A)環状第1級アミン化合物)
本発明において使用される(A)環状第1級アミン化合物は、第1級アミノ基を1〜2つ含み、かつベンゼン環を1〜2つ有する芳香族アミン化合物、及び、第1級アミノ基を1〜2つ含み、かつビシクロ環を有する脂肪族環式アミン化合物から選ばれる少なくとも1種類である。環状第1級アミン化合物の第1級アミノ基の数は、1〜2の範囲であり、2が特に好ましい。
香族アミン化合物としては第1級アミノ基は、ベンゼン環に直接結合していてもよく、アルキレン基を介して結合していてもよい。これらは、第1級アミノ基に加えて他の置換基が付加されていてもよい。具体的にはアニリン、アミノフェノール、キシリレンジアミン、キシリジン、トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン等が挙げられる。脂肪族環式アミン化合物としてはビシクロ環を有するノルボルナンジアミン等が挙げられる
香族アミン化合物、脂肪族環式アミン化合物は、組合せてもよい
環状第1級アミン化合物の使用量は、ポリオール100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、特に0.5〜7質量部が好ましい。この使用量が10質量部を超えると、フォームの成形性が悪化し、充填不良が発現するという不利な点がある。
【0014】
((B)フッ素化炭化水素)
本発明において使用される(B)エーテル性の酸素原子および/または第3級アミン性の窒素原子を含んでいてもよい炭素数5〜12のフッ素化炭化水素は、特に構造を限定しない。脂肪族炭化水素化合物、脂環式炭化水素化合物または芳香族炭化水素化合物の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置換された構造を有するものが挙げられる。該フッ素化炭化水素は、炭素数が5〜12であって、5〜7が好ましく、5が特に好ましい。
また、これらのフッ素化炭化水素は、エーテル性の酸素原子および/または第3級アミン性の窒素原子を含むものであってもよい。
該フッ素化炭化水素は、フッ素原子を少なくとも1つ含むことによって本発明における熱伝導率低減効果を発揮するが、フッ素原子によって置換される水素原子の数が多いほど好ましく、水素原子がすべてフッ素原子で置換されているものがさらに好ましい。本発明におけるフッ化炭化水素は、フッ素原子以外の他の置換基を有してもよい。
(B)フッ素化炭化水素として有効な物質の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0015】
(B)フッ素化炭化水素の具体的としては、パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、ヘプタフルオロヘキサン、パーフルオロ(デカヒドロナフタレン)、パーフルオロ(ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(デカヒドロ−1−メチルナフタレン)、パーフルオロ(ジメチルシクロブタン)、パーフルオロ(ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロ(プロピルテトラヒドロフラン)、パーフルオロ(N−メチルモルホリン)、パーフルオロ(N−エチルモルホリン)等が挙げられる。
(B)フッ素化炭化水素の使用量は、ポリオール100質量部に対して0.1〜3質量部が好ましく、0.2〜2.2質量部がより好ましく、0.4〜1.7質量部が更に好ましく、0.4〜1.2質量部が特に好ましい。また、使用する下記の(C)炭素数4〜6の炭化水素および(D)水との合計量に対して、10質量%未満が好ましい。
【0016】
((C)炭素数4〜6の炭化水素および(D)水)
本発明においては、(C)炭素数4〜6の炭化水素および(D)水を使用する。これらは、発泡剤として働くと考えられる。
(C)炭素数4〜6の炭化水素としては、ブタン、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどが挙げられ、シクロペンタンが特に好ましい。
炭素数4〜6の炭化水素の使用量は、ポリオール100質量部に対して10〜30質量部が好ましく、特に12〜25質量部が好ましい。
(D)水の使用量は、ポリオール100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、特に0.3〜2質量部が好ましい。
【0017】
(触媒)
ポリオールとポリイソシアネートを反応させる際、触媒を存在させる。触媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
触媒の具体例としては、活性水素含有基とイソシアネート基の反応を促進させる有機スズ化合物などの金属化合物系触媒やトリエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの第3級アミン触媒が使用される。また、カルボン酸金属塩などのイソシアネート基同士を反応させる多量化触媒が目的に応じて使用される。
触媒の使用量は、ポリオール100質量部に対して0.5〜5質量部が好ましく、0.5〜2質量部が特に好ましい。
【0018】
(添加剤)
さらに、本発明においては、良好な気泡を形成するための整泡剤を使用することが好ましい。整泡剤としては、例えばシリコーン系整泡剤や含フッ素化合物系整泡剤などがある。整泡剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。整泡剤の使用量は、ポリオール100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
その他、任意に使用しうる配合剤としては、例えば充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤などの種々の添加剤がある。
本発明においてポリオール予備混合物の状態は、エマルジョン分散系であることが好ましい。
本発明において、ポリオールとポリイソシアネートの反応温度は、特に制限ないが、15〜25℃が好ましく、特に18〜22℃が好ましい。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本願発明はこれらに限定されない。以下において、部は質量部を示す。使用したポリオールを表1に示す。POはプロピレンオキシド、EOはエチレンオキシドを示す。
使用した環状第1級アミン化合物の内容を表2に示す。また、使用したフッ化炭化水素化合物の内容を表3に示す。
【0020】
[実施例1〜28]
表1より選ばれるポリオールを組み合わせて合計100部とし、これにシリコーン系整泡剤を2部、水を1部に固定して添加した。更に反応触媒としてカオーライザーNO.3(花王製、アミン触媒)、更には表2に示した環状第1級アミン化合物類および表3に示したフッ素化炭化水素を表4〜表7に示した部数配合し、これに適当量のシクロペンタンを加えたものを予備混合してエマルジョン分散状態のポリオール予備混合物とした。また、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製クルードMDI)をインデックス115となる量秤量し、それぞれの液温を20℃に調整した後、これらを、撹拌機を用いて3000rpmで混合し、上部が開放状態の200mm立方体の木製箱にてフリー発泡を実施した。アミン触媒添加量(全アミン触媒添加量:ポリオール100部に対して0.5〜2部)の加減により、クリームタイムを10秒、ゲルタイムを40秒に合わせ、また、シクロペンタン添加量(全シクロペンタン添加量:ポリオール100部に対して15〜20部)の加減により、フリー発泡密度を27.0kg/mに合わせた。その後、400mm×400mm×50mm(t)の40℃に温調されたアルミニウム製モールドに注入発泡し、硬質ポリウレタンフォームを得た。得られた硬質ポリウレタンフォームの熱伝導率を測定した(単位:mW/mK、測定温度条件=10℃、英弘精機社製、HC−074使用)。その結果を表4〜表7に示した。
【0021】
[比較例1]
実施例1において、環状第1級アミン化合物およびフッ化炭化水素化合物を配合しないこと以外は、実施例1と同様にして硬質ポリウレタンフォームを得た。
その結果を表8に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0004419310
【0023】
【表2】
Figure 0004419310
【0024】
【表3】
Figure 0004419310
【0025】
【表4】
Figure 0004419310
【0026】
【表5】
Figure 0004419310
【0027】
【表6】
Figure 0004419310
【0028】
【表7】
Figure 0004419310
【0029】
【表8】
Figure 0004419310
【0030】
【発明の効果】
本発明により、オゾン層破壊のおそれのない炭化水素系の発泡剤により断熱性能の優れた硬質ポリウレタンフォームを製造できる。

Claims (9)

  1. ポリオールとポリイソシアネートとを、(A)第1級アミノ基を1〜2つ含み、かつベンゼン環を1〜2つ有する芳香族アミン化合物、及び、第1級アミノ基を1〜2つ含み、かつビシクロ環を有する脂肪族環式アミン化合物から選ばれる少なくとも1種類の環状第1級アミン化合物、(B)エーテル性の酸素原子および/または第3級アミン性の窒素原子を含んでいてもよい炭素数5〜12のフッ素化炭化水素、(C)炭素数4〜6の炭化水素および(D)水、並びに触媒の存在下に反応させることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. (A)環状第1級アミン化合物、(B)フッ素化炭化水素並びに(C)炭素数4〜6の炭化水素および/または(D)水とを予め配合したエマルジョン分散系のポリオール予備混合物をポリイソシアネートと反応させることにより、ポリオールとポリイソシアネートを反応させる請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. ポリオールとして、ポリアミン類、アルカノールアミン類、糖類、フェノール類および多価アルコール類から選ばれる開始剤にアルキレンオキシドを付加して得られるポリエーテルポリオールと、多価アルコール類−多価カルボン酸縮合系のポリエステルポリオールを併せて使用する請求項1または2に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. (C)炭素数4〜6の炭化水素がシクロペンタンである請求項1〜3のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. (A)環状第1級アミン化合物が、第1級アミノ基を2つ含み、かつベンゼン環を1〜2つ有する芳香族アミン化合物、及び、第1級アミノ基を2つ含み、かつビシクロ環を有する脂肪族環式アミン化合物から選ばれる少なくとも1種類の環状第1級アミン化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. (A)環状第1級アミン化合物の使用量が、ポリオール100質量部に対して0.1〜10質量部である請求項1〜5のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  7. (B)フッ素化炭化水素の使用量が、ポリオール100質量部に対して0.1〜3質量部である請求項1〜6のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  8. (C)炭素数4〜6の炭化水素の使用量が、ポリオール100質量部に対して10〜30質量部である請求項1〜7のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  9. (D)水の使用量が、ポリオール100質量部に対して0.1〜5質量部である請求項1〜8のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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