JP4154742B2 - 硬質ウレタンスプレーフォームの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬質ウレタンスプレーフォームの製造法、特に衝突混合型高圧吹き付け装置を使用し、発泡剤として水のみを使用したスプレー施工方法によって硬質ポリウレタンフォームを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬質ウレタンフォームは電気冷蔵庫内部の断熱材やラミネーションボード等の建材用途等に幅広く利用されている。その中でも住宅等建築物を施工する際に断熱材として利用される硬質ウレタンスプレーフォームは最近急速に需要が拡大している。
【0003】
従来、硬質ウレタンスプレーフォームの製造には発泡剤としてハロゲン化炭化水素、例えば、トリクロロモノフルオロメタン(以下CFC−11と略記する)をポリオールに対して15〜30重量部を使用し、フォームの発泡性等を確保して良好なフォームを製造していた。
【0004】
しかしながら、ハロゲン化炭化水素のうちオゾン層を破壊する危険性の高いCFC−11の使用禁止が世界的に求められ、日本国内では1996年までに全面的にCFC−11を使用することが禁止された。そこでCFC−11のようなフロン化合物のいわゆる代替化合物、例えば、塩化メチレン、ジクロロフルオロエタンやジクロロモノフルオロエタン(以下それぞれHCFC−123,HCFC−141bと略記する)、又はペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン等のハイドロカーボン類等が提案されてきた。硬質ウレタンスプレ−処方においてはCFC−11の代替発泡剤として特にHCFC−141bが用いられ成果をあげてきたが、このHCFC−141bについてもオゾン層破壊の可能性が指摘されており2000年より使用が一部規制されることが既に決定している。
【0005】
このため、HCFC−141bの代替発泡剤が必要となるが、ペンタン等のハイドロカーボン類は可燃性、引火性が高く事故を起こす危険性が高いため硬質ウレタンスプレー処方では使用が難しい。また次世代の発泡剤としてHCFC245fa,HCFC365mfc等が候補に挙げられているが、まだ商業生産の段階に至っておらず、またオゾン層破壊の潜在的可能性は依然として残ると推定される。したがって、これら代替フロン化合物を全く使用せず、代わりに発泡剤として水のみを使用する水発泡硬質ウレタンスプレー処方の開発が強く望まれている。
【0006】
しかしながら、水のみを発泡剤として使用するといくつかの技術的問題が生じてくる。硬質ウレタンスプレー処方が他のウレタン処方と大きく異なる点はその反応性の早さである。硬質ウレタンスプレー処方ではポリオールプレミックスとポリイソシアネートを混合撹拌したものを面材に吹き付け瞬時に発泡させてフォームが急速にゲル化して固まるようにする。このためスプレー処方における初期のフォーム立ち上がり時間いわゆるクリームタイム(以下C.T.と略記する)は通常1秒以下の値であり、ゲル化タイム(以下G.T.と略記する)は5〜10秒前後とされている。
【0007】
従来、発泡剤として用いられてきたCFC−11、HCFC−141bの沸点はそれぞれ24℃、32℃と低温であり、スプレー原液が面材に吹き付けられると同時に発泡剤であるフロン化合物が気化しやすく硬質ウレタンスプレーの初期発泡性を高める手助けとなる。水も補助発泡剤としてCFC−11、HCFC−141b等と併用されてきたが、これは水とポリイソシアネートとの反応によって生成する炭酸ガスが発泡効果をもたらすためである。水とポリイソシアネートの反応は活性化エネルギーが高く、混合撹拌直後、即ち反応初期の発泡は期待できない。また水の沸点は100℃と高く、フロン化合物と同様な吹き付け直後の気化は期待できず初期発泡性が悪化してしまう。すなわちフロン化合物を使用せず、水のみを発泡剤として使用するならばC.T.が1秒以上になりG.T.もHCFC−141bを発泡剤として用いるよりもかなり遅くなってしまう。
【0008】
初期発泡性が悪くなる、即ちC.T.が遅くなると次のような問題が生じてくる。硬質ウレタンスプレー発泡においては、面材にスプレーを吹き付けた瞬間に面材に対して垂直方向に瞬時にスプレーフォームが発泡して立ち上がらなければならない。ところがC.T.が遅くなるとフォームが発泡する前に面材に付着したスプレー原液が垂れる、いわゆる液垂れ現象が起きてしまい、特に水平でない面材の場合はフォームが大きく垂れてしまうことになる。即ち成形性が悪くなり施工性が悪化する。またフォームの発泡が不十分になり密度が高くなってしまう。硬質ウレタンスプレー処方においては反応性を上げることが重要であり、そのために反応性の高いアミンポリオールを使用したり触媒の使用部数を増加したりする。しかしながら、単純に触媒の使用部数を増加しても反応性の向上には限界があり水発泡での初期発泡性の改良は困難なため、HCFC−141bを発泡剤として用いた場合に比べて施工性、フォーム物性が劣り実用化が遅れていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水発泡硬質ウレタンスプレーフォーム製造において従来問題であった初期発泡性の改良、及び施工性の改善、フォームの低密度化を達成し得る製造法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは水発泡硬質ウレタンスプレーフォームシステムについて鋭意検討した結果、初期発泡性改良剤として特定の化学構造を有するアミン化合物を用いることにより水発泡硬質ウレタンスプレー処方において初期発泡性を改良できること、更に低密度のフォームを成形性よく製造できる新規な事実を見出し本発明を完成するに至った。即ち本発明は、ポリオールとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、整泡剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ硬質ウレタンスプレーフォームを製造する方法において、発泡剤として水のみを用い、さらに初期発泡性改良剤として下記一般式(1)〜(5)で示されるアミン化合物から選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を使用することを特徴とする硬質ウレタンスプレーフォームの製造法である。
【0011】
【化6】
【0012】
(式中、R1〜R4は各々独立して炭素数1〜4の低級アルキル基又は水素を表し、aは1〜50の数を表す)
【0013】
【化7】
【0014】
(式中、R5〜R10は各々独立して炭素数1〜4の低級アルキル基又は水素を表し、x,y,zはそれぞれ独立して1〜50の範囲の数を表す。Aはグリセリン又はトリメチロールプロパンを表す。)
【0015】
【化8】
【0016】
(式中、bは2〜8の範囲の整数を表す)
【0017】
【化9】
【0018】
(式中、R11、R12は各々独立して炭素数1〜4の低級アルキル基又は水素を表し、Aは酸素又は窒素基を表す。R13はAが酸素基の場合は結合基なしであり、Aが窒素基の場合は水素を表す。BはAが酸素基の場合水素を表し、Aが窒素基の場合ヒドロキシアルキル基を表す。cは1〜3の範囲の整数を表す。)
【0019】
【化10】
【0020】
(式中、dは2〜12の整数を表す)
以下本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明の製造法によって使用される初期発泡性改良剤としては前記一般式(1)〜(5)で示される活性水素を有するアミン化合物が使用できる。
【0022】
前記一般式(1)で示されるアミン化合物は、ポリプロピレングリコール及び又はポリエチレングリコールとアンモニアを高温高圧で反応させて得られるポリオキシアルキレンポリアミンであり、原料であるポリプロピレングリコールやポリエチレングリコールの分子量により様々な分子量を有するアミン化合物を得ることができる。本発明の製造法において使用可能な一般式(1)で表されるアミン化合物の分子量は特に限定されるものではないが、一般的には200〜4000であり、より望ましいのは分子量が200〜600の化合物である。
【0023】
前記一般式(2)で示されるアミン化合物は、グリセリン又はトリメチロールプロパンを原料としたポリオキシアルキレンポリオールとアンモニアを反応させて得られる化合物であり、原料であるポリオキシアルキレンポリオールの分子量により様々な分子量を有するアミン化合物を得ることができる。本発明の製造法において使用可能な一般式(2)で表されるアミン化合物の分子量は特に限定されるものではないが、一般的には200〜4000であり、より望ましいのは分子量が200〜600の化合物である。
【0024】
前記一般式(3)で示されるアミン化合物は、炭素数が2〜8のジオールにアセトニトリルを反応、付加させた後に水添反応を行って得られるものである。本発明の製造法において使用可能な一般式(3)で表されるアミン化合物の分子量は特に限定されるものではないが、一般式(3)におけるbの値が2〜4の化合物が特に望ましい。
【0025】
前記一般式(4)で示されるアミン化合物は、アンモニアにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを反応させて得られるポリオキシアルキレンアミン類又はポリエチレンポリアミン類に、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを反応させて得られる化合物であり、その分子量は特に限定されるものではないが、一般式(4)におけるcの値が1〜2の化合物が望ましい。
【0026】
前記一般式(5)で示される化合物は、アルキレンジアミンと呼ばれる化合物であり、その分子量は特に限定されるものではないが、一般式(5)におけるdの値が2〜6の化合物が望ましい。
【0027】
前記一般式(1)〜(5)で示される化合物の使用量は特に限定されるものではないがポリオールを100重量部としたとき通常0.02〜50重量部であり、より好ましくは分子量が大きい化合物の場合は3〜20重量部であり、分子量が小さい化合物の場合は0.2〜5重量部である。
【0028】
本発明の製造法によって使用される初期発泡性改良剤はポリイソシアネートと素早く反応して反応熱を出す。このためウレア結合を生成する水とポリイソシネートの反応を促進して炭酸ガスを発生させ易くなり初期の発泡性が改良されるものと推定される。
【0029】
水とポリイソシアネートの反応は泡化触媒と呼ばれる3級アミン触媒によっても促進されるが、泡化触媒単独では反応が早くなく、水発泡硬質ウレタンスプレー処方においては初期の発泡性は十分と言えない。本発明の製造法においては泡化触媒を用いずに前述の一般式(1)〜(5)で示されるアミン化合物だけで初期発泡性を改良することが可能であるが、泡化触媒と初期発泡性改良剤を併用すると初期発泡性をさらに改良することができ、より望ましい。
【0030】
本発明において泡化触媒とは、水とポリイソシアネートの反応を主に促進する3級アミン触媒をいい、具体的には、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,’,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N’,N’’−テトラメチル−N’’−(2−ヒドロキシルエチル)トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’’−テトラメチル−(2−ヒドロキシルプロピル)トリエチレンジアミン等が例示される。この中でもより好ましいのはN,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルである。これらの泡化触媒は単独で初期発泡性改良剤と併用しても良いし、数種類を混合して初期発泡性改良剤と併用しても差し支えない。本発明の製造法において泡化触媒の使用量は特に限定されるものではないが、ポリオールを100重量部としたとき通常0.02〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
【0031】
本発明の製造法で使用される初期発泡性改良剤は他のアミン触媒や有機錫化合物、有機鉛化合物等の金属触媒と混合して調整使用されてよい。混合調整にあたっては必要ならば溶媒としてジプロピレングリコール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール及び水等が使用されるが、溶媒の量は特に限定されるものではなく、好ましくは触媒の全量に対して70%以下である。このように混合調製された初期発泡性改良剤はポリオールに添加して使用することができる。また種々の初期発泡性改良剤を別々にポリオールに添加しても差し支えない。本発明に使用されるポリオールはスプレー処方に用いられる公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アミンポリオール、更には含燐ポリオールやハロゲン含有ポリオール等の難燃ポリオールが使用できる。これらのポリオールは単独で使用することもできるし適宜混合して併用することもできる。
【0032】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖、脂肪族アミン、蔗糖アミン、芳香族アミン等の開始剤にエチレンオキシドやプロピレンオキシドの付加反応により、例えば、Polyurethane Handbook(Gunter Oretel著)P.42〜53又は特開昭62−112616号公報に記載の方法により製造することができる。ポリエステルポリオールとしては、例えば、『ポリウレタン樹脂ハンドブック』(岩田敬治著)P.109に記載されているようにジエチレングリコールを用いた縮合系ポリエステルポリオール等が挙げられ、またP.117に記載されているようにナイロン製造時の廃物、TMP、ペンタエリストールの廃物、フタル酸系ポリエステルの廃物、廃品を処理し誘導したポリエステルポリオール等も挙げられる。いずれも通常スプレーフォーム製造に用いられるポリオールであれば問題なく使用できる。
【0033】
本発明に使用されるポリイソシアネートは特に限定されるものではないが、MDI及び/又はその誘導体が望ましい。MDIとその重合体のポリフェニル−ポリメチレンジイソシアネートの混合体及び/又は末端イソシアネート基を持つジフェニルメタンジイソシアネート誘導体を挙げることができる。
【0034】
本発明においてイソシアネートインデックスは特に限定されるものではないが一般に70〜130の範囲である。
【0035】
本発明においては発泡剤として水を使用する。水の使用部数は所望のフォーム密度に応じて適宜選択できるが、その使用部数はポリオール100重量部に対して2重量部以上が好ましい。
【0036】
本発明においては整泡剤として有機シリコン化合物を用いる。その使用部数は特に限定されるものではないが、ポリオール100重量部に対して0.1〜5重量部が望ましい。
【0037】
また必要に応じて着色剤、難燃剤、老化防止剤その他公知の添加剤等も使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は公知の形式と手順を逸脱しないならば通常使用される範囲で十分使用することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によればこれまで困難であった、水発泡硬質ウレタンスプレー処方における初期発泡性の改良を行うことができる。更に水発泡硬質ウレタンスプレー処方において発泡時のフォームの安定性、成形性を改善し、またフォームの低密度化を達成することができ、良好な硬質ウレタンスプレーフォームを製造することができる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例、比較例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される物ではない。なお、水発泡硬質ウレタンスプレーフォームシステムの処方は次に示す配合を用いた。
【0040】
a.処方
(重量部)
ポリオール 1) 40.0
ポリオール 2) 40.0
ポリオール 3) 20.0
整泡剤 4) 1.5
水 4.2
TCPP 5) 25.0
触媒−A 6) 変化
触媒−B 7) 変化
オクチル酸鉛 8) 1.0
アミン化合物 9) 変化
イソシアネート 10) Index=105
1)ソルビトール系ポリオール(武田薬品工業社製、SO−300)
OH価=300mgKOH/g
2)アミンポリオール(旭オーリン社製、450ED)
OH価=450mgKOH/g
3)廃PET系ポリオール(オキシド社製、テロール250)
OH価=250mgKOH/g
4)シリコーン界面活性剤
(日本ユニカー社製、L−5420)
5)難燃剤:トリスクロロプロピルフォスフェート
(アクゾカシマ社製、ファイロールPCF)
6)東ソー社製:トリエチレンジアミン
7)東ソー社製:ペンタメチルジエチレントリアミン
8)日本化学産業株式会社製、ニッカオクチックス鉛
9)表中の触媒記号の説明
D−230:サンテクノケミカル社製、ジェファーミンD−230
【0041】
【化11】
【0042】
(式中、a1は2〜3であり、分子量は約230である。)
D−400:サンテクノケミカル社製、ジェファーミンD−400
【0043】
【化12】
【0044】
(式中、a2は5〜6であり、分子量は約400である。)
T−403:サンテクノケミカル社製、ジェファーミンT−403
【0045】
【化13】
【0046】
(式中、分子量は約440である。)
EGDA :4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン
【0047】
【化14】
【0048】
BDDA :4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン
【0049】
【化15】
【0050】
EDA :エチレンジアミン
AEEA :アミノエチルエタノールアミン
PDA :1,3−プロパンジアミン
TEDA :東ソー社製、トリエチレンジアミン
DT :東ソー社製、ペンタメチルジエチレントリアミン
10)イソシアーネート
クルードMDI
NCO濃度=31.2%(日本ポリウレタン社製、MR−200)。
【0051】
b.発泡条件
スプレー発泡マシン:ガスマー社製 H−2000
原料液温度:40±1℃
基材 :スレート板、ベニヤ板(40×60cm)
基材表面温度:15℃。
【0052】
c.測定項目
以下の項目を測定
反応性
クリームタイム;フォーミングの開始時間(秒)
ライズタイム:フォームの発泡最大高さに達した時間(秒)
タックフリータイム:フォームが手につかなくなる時間(秒)
フォーム物性
接着性の評価
スレート板に吹き付け発泡させたフォームを観察し5段階にランク付
けをした。
1:接着性が非常に強い
2:強い
3:普通
4:弱い
5:かなり弱く、フォームの剥離も見受けられる
フォーム密度
フリーで発泡させたフォーム及びベニヤ板に吹き付け発泡させたフォームから5×5×5cmの大きさを持つ試験片を切りとり密度を測定
寸法安定性の評価
ベニヤ板に吹き付け発泡させたフォームから5×5×5cmの大きさを持つ試験片を切りとり、50℃及び−20℃に45時間保持したと
きの寸法変化を評価
成形性の評価
スレート板に吹き付けたフォームについてセル荒れやボイドの状態を
観察し、5段階にランク付けをした
1.ほとんどなし
2.小さい
3.中程度
4.大きい
5.非常に大きい。
【0053】
参考例1
初期発泡性改良剤としてジェファーミンD230を5.0pbw使用し、泡化触媒を使用しなかった場合の発泡データ。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
実施例2
初期発泡性改良剤としてジェファーミンD230を5.0pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データ。結果を表1にあわせて示す。
【0056】
実施例3
初期発泡性改良剤としてジェファーミンD400を5.0pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データ。結果を表1にあわせて示す。
【0057】
比較例1
初期発泡性改良剤を用いずに通常のアミン触媒(樹脂化触媒であるTEDAを1.0pbw,泡化触媒であるDTを1.0pbw使用)のみで発泡させた場合の発泡データ。結果を表1にあわせて示す。
【0058】
実施例4
初期発泡性改良剤としてジェファーミンT403を5.0pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データ。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
実施例5
初期発泡性改良剤としてEGDAを5.0pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データ。結果を表2にあわせて示す。
【0061】
実施例6
初期発泡性改良剤としてBDDAを5.0pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データ。結果を表2にあわせて示す。
【0062】
実施例7
初期発泡性改良剤としてAEEAを1.8pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データ。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
実施例8
初期発泡性改良剤としてPDAを1.3pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データ。結果を表3にあわせて示す。
【0065】
実施例9
初期発泡性改良剤としてEDAを1.0pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データ。結果を表3にあわせて示す。
【0066】
参考例2
初期発泡性改良剤としてジェファーミンD230を2.5pbw、またEDAを0.5pbw同時に使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データ。結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
比較例2
初期発泡性改良剤を用いずに通常のアミン触媒(樹脂化触媒であるTEDAを1.5pbw,泡化触媒であるDTを1.5pbw使用)のみで発泡させ、アミン触媒の使用量を比較例1より増加した場合の発泡データ。結果を表4にあわせて示す。
【0069】
表1〜表4から明らかなように、比較例1の場合、即ち発泡剤として水のみを用い、本発明の初期発泡性改良剤を使用しない場合ではC.T.が1秒を超えてしまい液垂れを起こすようになる。また接着性も悪くフォームの剥離まで起きるようになる。アミン触媒、泡化触媒の使用量を増加しても比較例2に示したように比較例1と比べて改善が見られない。これに対して実施例2〜実施例9に示したように本発明の初期発泡性改良剤を用いることによりC.T.が0.8秒前後に短縮され液垂れが解消されているのが理解される。また接着性が非常に強くなり、いずれも低密度のフォームが得られている。フォームの寸法安定性についても比較例1、比較例2と同様の値であり、悪化していないのが分かる。泡化触媒を併用しない場合、即ち参考例1でも初期発泡性が改善されているが、実施例2〜実施例9の様に泡化触媒と併用した場合ではさらに初期発泡性が改善されていることが分かる。また参考例2ではエチレンジアミン及びジェファーミンD230を初期発泡性改良剤として、泡化触媒としてDTを使用した場合のデータを示したが、実施例2〜9と比較して遜色ないデータを示している。結論として、本発明の初期発泡性改良剤を用いると水発泡硬質ウレタンスプレーフォーム製造において従来問題であった初期発泡性の低下を改善することが出来、フォームの垂れ、施工性の悪化等の問題に寄与することが出来る。さらに本発明の初期発泡性改良剤により、フォームの密度が低減化され接着性が向上できる。
Claims (2)
- ポリオールとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、整泡剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ硬質ウレタンスプレーフォームを製造する方法において、発泡剤として水のみを用い、初期発泡性改良剤として下記一般式(1)〜(5)で示されるアミン化合物から選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を使用し、且つ泡化触媒としてペンタメチルジエチレントリアミンを使用することを特徴とする硬質ウレタンスプレーフォームの製造法。
- イソシアネートインデックスが70〜130であることを特徴とする請求項1に記載の製造法。
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