JP4110302B2 - 硬質イソシアヌレートスプレーフォームの製造法 - Google Patents

硬質イソシアヌレートスプレーフォームの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硬質イソシアヌレートスプレーフォームの製造法、特に衝突混合型高圧吹き付け装置を使用し、スプレー施工方法によって硬質イソシアヌレートフォームを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬質ウレタンフォームは電気冷蔵庫内部の断熱材やラミネーションボード等の建材用途等に幅広く利用されている。その中でも住宅又は建築物を施工する際の断熱材としてスプレー施工方法による硬質フォームが工期短縮等の理由により最近急速に需要が拡大している。この用途では高い難燃性が要求されることもあり、従来のウレタン系スプレーフォームに加え、耐熱性の高いイソシアヌレート結合を導入したイソシアヌレート系スプレーフォームが広まりつつある。イソシアヌレート結合とはポリイソシアネートが自己3量化した結合のことであり、原料及び水に対しポリイソシアネートを化学量論的に過剰に反応させることにより製造される。
【0003】
一般的に硬質スプレーフォームは、ポリオールに発泡剤としてのフロン系化合物及びポリイソシアネートと反応して炭酸ガスを発泡させる水、更に触媒や必要に応じて他の助剤を混合したポリオールプレミックスとポリイソシアネートの2液をスプレー発泡機により混合噴霧させつつ、壁等の接着面に発泡反応させて硬化形成される。このようなスプレー成形による製造法では、冬場の気温が低い場合、壁等に吹き付けたスプレー原液の初期発泡反応が不十分となり発泡が遅れる結果液体のまま垂れてしまい成形性が悪くなる、またフォームの密度が高くなる等の問題が発生する。イソシアヌレート系スプレーフォームではポリイソシアネートの自己3量化反応の活性化エネルギーが高いためか低温での反応はより起こり難い物となる。発泡剤として使用されるフロン系化合物は、気化しやすく初期発泡は起こり易くなるものの逆に気化熱を奪われるため解決するには至らない。またフロン系発泡剤は環境問題より消滅されるべきものである。これに対し水を発泡剤とするシステムの検討がなされているが、水とポリイソシアネートの反応も低温では起こり難く、直ちに反応して炭酸ガスを発生させ初期発泡を改良させるには至らない。また、水を多く使用したフォームでは物性の低下及び被着面との接着性が悪化する問題が発生し易くなる。
【0004】
即ち、吹き付けたスプレー原液を直ちに発泡させるような原液システムが求められている。
【0005】
硬質イソシアヌレートスプレー処方においては反応性を上げることが重要であり、そのために反応性の高いアミンポリオールを使用したり触媒の使用部数を増加したりする。しかし、単純に触媒の使用部数を増加しても反応性の向上には限界がありイソシアヌレートスプレー発泡での初期発泡性の改良は困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑み発明されたものであり、硬質イソシアヌレートスプレーフォーム製造において従来問題であった初期発泡性の改良、及び施工性の改善、フォームの低密度化を達成し得る製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、硬質イソシアヌレートスプレーフォームシステムについて鋭意検討した結果、初期発泡性改良剤として特定の化学構造を有するアミン化合物を用いることにより硬質イソシアヌレートスプレー処方において初期発泡性を改良できること、更に低密度のフォームを成形性よく製造できる新規な事実を見いだし本発明を完成するに至った。即ち本発明は、ポリオールとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、整泡剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ硬質イソシアヌレートスプレーフォームを製造する方法において、初期発泡性改良剤として下記一般式(1)〜(5)で示されるアミン化合物から選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を使用することを特徴とする硬質イソシアヌレートスプレーフォームの製造法である。
【0008】
【化6】
Figure 0004110302
【0009】
(式中、R1〜R4は各々独立して炭素数1〜4の低級アルキル基又は水素を表し、aは1〜50の数を表す。)
【0010】
【化7】
Figure 0004110302
【0011】
(式中、R5〜R10は各々独立して炭素数1〜4の低級アルキル基又は水素を表し、x,y,zはそれぞれ独立して1〜50の範囲の数を表す。Aはグリセリン又はトリメチロールプロパンを表す。)
【0012】
【化8】
Figure 0004110302
【0013】
(式中、bは2〜8の範囲の整数を表す。)
【0014】
【化9】
Figure 0004110302
【0015】
(式中、R11、R12は各々独立して炭素数1〜4の低級アルキル基又は水素を表し、Aは酸素又は窒素基を表す。R13はAが酸素基の場合は結合基なしであり、Aが窒素基の場合は水素を表す。BはAが酸素基の場合水素を表し、Aが窒素基の場合ヒドロキシアルキル基を表す。cは1〜3の範囲の整数を表す。)
【0016】
【化10】
Figure 0004110302
【0017】
(式中、dは2〜12の整数を表す。)
以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】
本発明の製造法によって使用される初期発泡性改良剤としては、前記一般式(1)〜(5)で示される活性水素を有するアミン化合物が使用できる。
【0019】
前記一般式(1)で示されるアミン化合物は、ポリプロピレングリコール及び/又はポリエチレングリコールとアンモニアを高温高圧で反応させて得られるポリオキシアルキレンポリアミンであり、原料であるポリプロピレングリコールやポリエチレングリコールの分子量により様々な分子量を有するアミン化合物を得ることができる。分子量は特に限定されるものではないが、一般的には200〜4000であり、より好ましいのは分子量が200〜600の化合物である。
【0020】
前記一般式(2)で示されるアミン化合物は、グリセリンもしくはトリメチロールプロパンを原料としたポリオキシアルキレンポリオールとアンモニアを反応させて得られる化合物であり、原料であるポリオキシアルキレンポリオールの分子量により様々な分子量を有するアミン化合物を得ることができる。分子量は特に限定されるものではないが、一般的には200〜4000であり、より望ましいのは分子量が200〜600の化合物である。
【0021】
前記一般式(3)で示されるアミン化合物は、炭素数が2〜8のジオールにアクリロニトリルを反応、付加させた後に水添反応を行って得られるものである。分子量は特に限定されるものではないが、一般式(3)におけるbの値が2〜4の化合物が特に望ましい。
【0022】
前記一般式(4)で示されるアミン化合物は、アンモニアにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを反応させて得られるポリオキシアルキレンアミン類もしくはポリエチレンポリアミン類にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを反応させて得られる化合物であり、その分子量は特に限定されるものではないが一般式(4)におけるcの値が1〜2の化合物が望ましい。
【0023】
前記一般式(5)で示される化合物は、アルキレンジアミンと呼ばれる化合物であり、その分子量は特に限定されるものではないが一般式(5)におけるdの値が2〜6の化合物が望ましい。
【0024】
前記一般式(1)〜(5)で示される化合物は、任意に組み合わせて使用できるがエチレンジアミンを少量組み合わせるのがより好ましい。
【0025】
前記一般式(1)〜(5)で示される化合物の使用量は、特に限定されるものではないがポリオールを100重量部としたとき通常0.02〜50重量部であり、より好ましくは分子量が大きい化合物の場合は3〜20重量部であり、分子量が小さい化合物の場合は0.2〜10重量部である。
【0026】
本発明の製造法によって使用される初期発泡性改良剤は、ポリイソシアネートと素早く反応して反応熱を出す。このためウレア結合を生成する水とポリイソシネートの反応を促進して炭酸ガスを発生させ易くなり初期の発泡性が改良されるものと推定される。
【0027】
水とポリイソシアネートの反応は、泡化触媒と呼ばれる3級アミン触媒によっても促進されるが、泡化触媒単独では反応が早くなく、イソシアヌレートスプレー処方においては初期の発泡性は十分と言えない。本発明の製造法においては、泡化触媒を用いずに前述の一般式(1)〜(5)で表されるアミン化合物だけで初期発泡性を改良することが可能であるが、泡化触媒と初期発泡性改良剤を併用すると初期発泡性をさらに改良することができ、より望ましい。
【0028】
本発明において泡化触媒とは、水とポリイソシアネートの反応を主に促進する3級アミン触媒であり例えばN,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,’,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N’,N’’−テトラメチル−N’’−(2−ヒドロキシルエチル)トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’’−テトラメチル−(2−ヒドロキシルプロピル)トリエチレンジアミン等が挙げられ、その中でもより好ましいのはN,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルである。これらの泡化触媒は、単独で初期発泡性改良剤と併用しても良いし、数種類を混合して初期発泡性改良剤と併用しても差し支えない。本発明の製造法において使用する泡化触媒の使用量は、特に限定される物ではないが、ポリオールを100重量部としたとき通常0.02〜10重量部であり、より好ましくは0.1〜5重量部である。その他本発明の製造法に使用される触媒としては、前述の泡化触媒以外の3級アミン触媒やイソシアヌレート触媒、有機錫化合物、有機鉛化合物等の金属触媒が使用できる。3級アミン触媒としては特に限定されるものではないが、例えばトリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(3−ジメチルアミノプロピル)イミダゾール、1−n−ブチル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられ好ましくはトリエチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾールが利用される。イソシアヌレート触媒としては、特に限定される物ではないが2−ヘチルヘキサン酸カリウム、酢酸カリウム等のカリウムに代表されるアルカリ金属塩、トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム2−ヘキサノート等の4級アンモニウム塩等が挙げられ、好ましくは2−エチルヘキサン酸カリウムが利用される。その他、スプレー用途には必須である金属触媒として有機錫、有機鉛が使用される。
【0029】
本発明に使用されるポリオールは、スプレー処方に用いられる公知の第3級アミノ基含有ポリオール、オキシアルキル化多価アルコール又はポリエステルポリオール、さらには含燐ポリオールやハロゲン含有ポリオール等の難燃ポリオール等が挙げられる。これらのポリオールは単独で使用することもできるし適宜混合して併用することもできる。
【0030】
第3級アミノ基含有ポリオールとしては、例えば開始剤としてアンモニア、ヒドラジンの他、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン化合物、N−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン化合物、トルエンジアミン、ジフェニルメタン−4,4’−ジアミン等の芳香族ポリアミン化合物、モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアミン等のアルカノールアミン化合物:又はこれらの混合物にエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオールが挙げられる。オキシアルキル化多価アルコールとしては、例えば開始剤としてグリコール、グリセリン、ビスフェノール、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン、シュークロース等の多価アルコール、又はこれらの混合物にエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオールが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ポリカルボン酸、あるいはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ポリカルボン酸と多価アルコールとを縮合させて製造されるもの、又はポリエチレンテレフタレート系廃棄物より製造されるものが挙げられる。
【0031】
これらのうち好ましいポリオールは、第3級アミノ基含有ポリオール、ポリエステルポリオール、オキシアルキル化多価アルコール及びこれらの混合系であり特に芳香族ポリエステルポリオールを10wt%以上含む混合系が好ましく使用される。本発明においては、これら使用されるポリオールの平均水酸基価が200〜600であるものが、特に好ましく使用される。
【0032】
本発明に使用されるポリイソシアネートは、公知の有機ポリイソシアネートであれば問題なく、例えばトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、それらの重合イソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、またそれらをポリオールと反応させたトルエンジイソシアネートプレポリマー、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートプレポリマー等のイソシアネート末端プレポリマー、カルボジイミド変性等の変性イソシアネート、さらにはそれらの混合ポリイソシアネート等を例示できるが、より好ましくはジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート及びその重合イソシアネートの混合ポリイソシアンート(クルードMDI)である。
【0033】
本発明において、前記ポリオールとポリイソシアネートとの混合比率はイソシアネート指数として通常130〜350であり、好ましくは180〜250である。混合方法としては、通常用いられるスプレー発泡機により行うことが出来る。スプレー発泡機は外部混合式、内部混合式のいずれでも良い。
【0034】
本発明に使用される発泡剤としては、公知の塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化メタン、ハロゲン化エタン類等のハロゲン化炭化水素、さらにはハイドロフルオロカーボン等が使用できるが、これらのうちジクロロトリフルオロエタン(HCFC−123)及びジクロロモノフルオロエタン(HCFC−141b)等のフロン化合物や1,1,1,3,3−ペンタフルオロペンタン(HFC−245fa)及びテトラフルオロエタン(HFC−134a)等のハイドロフルオロカーボン化合物が好ましく使用される。さらにはシクロペンタン、ノルマルペンタン、イソペンタン等の炭化水素等を使用することも可能であり、水のみを発泡剤として用いることも可能である。
【0035】
本発明における水の使用重量部数は、ポリオール100重量部に対して0.5重量部以上、好ましくは2.0〜10.0重量部である。水とフロンの使用割合は一概には決められず、所望の密度やフォーム物性に応じて決定される。これら発泡剤の量は、要求される用途、物性に応じて決定されるが、得られるフォームの密度が通常10〜70kg/m3、好ましくは15〜50kg/m3となる様に選ばれる。
【0036】
本発明においては整泡剤として有機シリコン化合物を用いる。その使用部数は特に限定されるものではないがポリオール100重量部に対して0.1〜5重量部が望ましい。
【0037】
また必要に応じて着色剤、難燃剤、老化防止剤その他公知の添加剤等も使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は公知の形式と手順を逸脱しないならば通常使用される範囲で十分使用することができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例、比較例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される物ではない。なお、硬質イソシアヌレートスプレーフォームシステムの処方は次に示す配合を用いた。
【0039】
Figure 0004110302
【0040】
【化11】
Figure 0004110302
【0041】
(式中、a1は2〜3であり、分子量は約230である。)
D−400:サンテクノケミカル社製、ジェファーミンD−400
【0042】
【化12】
Figure 0004110302
【0043】
(式中、a2は5〜6であり、分子量は約400である。)
T−403:サンテクノケミカル社製、ジェファーミンT−403
【0044】
【化13】
Figure 0004110302
【0045】
(式中、分子量は約440である。)
EGDA :4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン
【0046】
【化14】
Figure 0004110302
【0047】
BDDA :4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン
【0048】
【化15】
Figure 0004110302
【0049】
EDA :エチレンジアミン
AEEA :アミノエチルエタノールアミン
PDA :1,3−プロパンジアミン
TEDA :東ソー社製、トリエチレンジアミン
DT :東ソー社製、ペンタメチルジエチレントリアミン
10)イソシアーネート
クルードMDI
NCO濃度=31.0%(日本ポリウレタン社製、MR−200)
b.発泡条件
スプレー発泡マシン:ガスマー社製 H−2000
原料液温度:40±1℃
基材 :スレート板、ベニヤ板(40×60cm)
基材表面温度:0℃
c.測定項目
以下の項目を測定
反応性
クリームタイム(以下、CTと略す):フォーミングの開始時間(秒)である。
【0050】
ライズタイム(以下、RTと略す):フォームの発泡最大高さに達した時間(秒)である。
【0051】
フォーム物性
接着性の評価
スレート板に吹き付け発泡させたフォームを観察し5段階にランク付けをした。
【0052】
1:接着性が非常に強い
2:強い
3:普通
4:弱い
5:かなり弱く、フォームの剥離も見受けられる
フォーム密度
フリーで発泡させたフォーム及びベニヤ板に吹き付け発泡させたフォームから5×5×5cmの大きさを持つ試験片を切りとり密度を測定した。
【0053】
寸法安定性の評価
ベニヤ板に吹き付け発泡させたフォームから5×5×5cmの大きさを持つ試験片を切りとり、50℃及び−20℃に45時間保持したときの寸法変化を評価した。
【0054】
成形性の評価
スレート板に吹き付けたフォームについてセル荒れやボイドの状態を観察し、5段階にランク付けをした。
【0055】
1.ほとんどなし
2.小さい
3.中程度
4.大きい
5.非常に大きい
実施例1
初期発泡性改良剤としてジェファーミンD230を5.0pbw使用し、泡化触媒を使用しなかった場合のデータであり、その結果を表1に示した。
【0056】
【表1】
Figure 0004110302
【0057】
実施例2
初期発泡性改良剤としてジェファーミンD230を5.0pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データであり、その結果を表1に示した。
【0058】
実施例3
初期発泡性改良剤としてジェファーミンD400を5.0pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データであり、その結果を表1に示した。
【0059】
比較例1
初期発泡性改良剤を用いずに通常の触媒(樹脂化触媒であるオクチル酸カリウムを5.0pbw、TEDAを1.7pbw,泡化触媒であるDTを1.0pbw使用)のみで発泡させた場合のデータであり、その結果を表1に示した。
【0060】
実施例4
初期発泡性改良剤としてジェファーミンT403を5.0pbw使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データであり、その結果を表2に示した。
【0061】
【表2】
Figure 0004110302
【0062】
実施例5
初期発泡性改良剤としてEGDAを5.0pbw使用した場合の発用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データであり、その結果を表2に示した。
【0063】
実施例6
初期発泡性改良剤としてBDDAを5.0pbw使用した場合の発用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データであり、その結果を表2に示した。
【0064】
実施例7
初期発泡性改良剤としてAEEAを1.8pbw使用した場合の発用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データであり、その結果を表3に示した。
【0065】
【表3】
Figure 0004110302
【0066】
実施例8
初期発泡性改良剤としてPDAを1.3pbw使用した場合の発泡用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データであり、その結果を表3に示した。
【0067】
実施例9
初期発泡性改良剤としてEDAを1.0pbw使用した場合の発泡用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データであり、その結果を表3に示した。
【0068】
実施例10
初期発泡性改良剤としてジェファーミンD230を2.5pbw、またEDAを0.5pbw同時に使用し、泡化触媒としてDTを0.8pbw使用した場合の発泡データであり、その結果を表4に示した。
【0069】
【表4】
Figure 0004110302
【0070】
比較例2
初期発泡性改良剤を用いずに通常の触媒(樹脂化触媒であるオクチル酸カリウムを5.0pbw、TEDAを2.5pbw,泡化触媒であるDTを1.5pbw使用)のみで発泡させ、アミン触媒の使用量を比較例1より増加した場合の発泡データであり、その結果を表4に示した。
【0071】
表1〜表4から明らかなように、比較例1の場合、即ち本発明の初期発泡性改良剤を使用しない場合ではCTが1秒を超えてしまい液垂れを起こすようになる。また、接着性も悪くフォームの剥離まで起きるようになる。アミン触媒、泡化触媒の使用量を増加しても比較例2に示したように比較例1と比べて改善が見られない。これに対して実施例1〜実施例10に示したように本発明の初期発泡性改良剤を用いることによりCTが0.8秒前後に短縮され液垂れが解消されているのが理解されるであろう。また、接着性が非常に強くなり、いずれも低密度のフォームが得られている。フォームの寸法安定性についても比較例1,比較例2と同様の値であり、悪化していないのが分かる。泡化触媒を併用しない場合、即ち実施例1でも初期発泡性が改善されているが、実施例2〜実施例9の様に泡化触媒と併用した場合ではさらに初期発泡性が改善されていることが分かる。また、実施例10ではエチレンジアミン及びジェファーミンD230を初期発泡性改良剤として、泡化触媒としてDTを使用した場合のデータを示したが、実施例2〜実施例9と比較して遜色ないデータを示している。結論として、本発明の初期発泡性改良剤を用いると硬質イソシアヌレートスプレーフォーム製造において従来問題であった初期発泡性の低下を改善することが出来、フォームの垂れ、施工性の悪化等の問題に寄与することが出来る。さらに本発明の初期発泡性改良剤により、フォームの密度が低減化され接着性が向上できる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によればこれまで困難であった、硬質イソシアヌレートスプレー処方における初期発泡性の改良を行うことができる。特に、冬場低温時のスプレー施工において発泡時のフォームの安定性、成形性を改善し、またフォームの低密度化を達成することができ、良好な硬質イソシアヌレートスプレーフォームを製造することができる。
【0073】

Claims (5)

  1. ポリオールとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、及び整泡剤の存在下に反応させ硬質ウレタンスプレーフォームを製造する方法において、発泡剤として水のみを用い、初期発泡性改良剤として下記一般式(1)〜(5)で示されるアミン化合物から選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を使用し、触媒として、3級アミン触媒、イソシアヌレート触媒、及び泡化触媒を使用し、なお且つ泡化触媒としてペンタメチルジエチレントリアミン及び/又はビス(ジメチルアミノエチル)エーテルを使用することを特徴とする硬質イソシアヌレートスプレーフォームの製造法。
    Figure 0004110302
    (式中、R1〜R4は各々独立して炭素数1〜4の低級アルキル基又は水素を表し、aは1〜50の数を表す)
    Figure 0004110302
    (式中、R5〜R10は各々独立して炭素数1〜4の低級アルキル基又は水素を表し、x,y,zはそれぞれ独立して1〜50の範囲の数を表す。Aはグリセリン又はトリメチロールプロパンからOH基を除いた基を表す。)
    Figure 0004110302
    (式中、bは2〜8の範囲の整数を表す)
    Figure 0004110302
    (式中、R11、R12は各々独立して炭素数1〜4の低級アルキル基又は水素を表し、Aは酸素又は窒素基を表す。R13はAが酸素基の場合は結合基なしであり、Aが窒素基の場合は水素を表す。BはAが酸素基の場合水素を表し、Aが窒素基の場合ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基を表す。cは1〜3の範囲の整数を表す。)
    Figure 0004110302
    (式中、dは3〜12の整数を表す)
  2. 初期発泡性改良剤として、一般式(1)〜(5)で示されるアミン化合物から選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物と、泡化触媒とを混合して使用することを特徴とする請求項1に記載の製造法。
  3. 初期発泡性改良剤として、一般式(1)〜(5)で示されるアミン化合物から選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物、泡化触媒及びエチレンジアミンを混合して使用することを特徴とする請求項1に記載の製造法。
  4. 3級アミン触媒がトリエチレンジアミンであり、イソシアヌレート触媒が2−ヘチルヘキサン酸カリウムであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の製造法。
  5. イソシアネートインデックスが70〜130であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の製造法。
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