JP2023147837A - ポリウレタンフォーム用発泡性組成物 - Google Patents

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【課題】優れた断熱性能を確保しつつ、圧縮強度に優れたポリウレタンフォームを形成することの出来る取り扱い性に優れた発泡性組成物を提供する。【解決手段】ポリオールを主成分とし、触媒及び発泡剤を含有する組成物Aと、ポリイソシアネートを主成分とする組成物Bとの反応、発泡・硬化により、ポリウレタンフォームを形成する発泡性組成物において、組成物Aが、発泡剤として1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとを共に含有するように構成した。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物に係り、特に、フォーム(発泡体)特性に優れたポリウレタンフォームを有利に製造することの出来る発泡性組成物に関するものである。
従来より、ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性や接着性を利用して、主に断熱部材として、建築用内外壁材やパネル等の断熱を始め、金属サイディングや電気冷蔵庫等の断熱、ビル・マンション・冷凍倉庫等の躯体壁面、天井、屋根等の断熱及び結露防止、また輸液パイプ等の断熱に、実用化されてきている。そして、かかるポリウレタンフォームは、一般に、ポリオール化合物を主体とし、これに、触媒や発泡剤、更に必要に応じて整泡剤、難燃剤等の各種助剤を配合したポリオール配合液(プレミックス液)からなるポリオール組成物と、ポリイソシアネートを主体とする組成物とを、混合装置により連続的に又は断続的に混合して、フォーム形成箇所に適用し、反応せしめて、発泡・硬化させることにより、製造されているのである。
ところで、かかるポリウレタンフォームの製造のために、現在使用されている発泡剤としては、地球温暖化係数において比較的優位とされるHFC-134a、HFC-245fa、HFC-365mfc等のハイドロフルオロカーボン(HFC)系発泡剤が知られている。このハイドロフルオロカーボン系発泡剤は、オゾン層破壊の少ない又は生じない代替フロンとして認識されているものではあるが、近い将来、環境破壊の問題に対する強い要請により、そのような代替フロンの使用も制限されるとの推測から、それに代わり、化学的に不安定であるために、地球温暖化係数が低くなるハイドロフルオロオレフィン(HFO)やハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)と呼ばれるハロゲン化ハイドロオレフィン系発泡剤が、開発されてきている。
例えば、特表2013-500386号公報(特許文献1)においては、ハロゲン化ハイドロオレフィン系発泡剤の1つであるHCFO-1233zdを用い、それと、少なくとも1つのポリエステルポリオール及び少なくとも1つのポリエーテルポリオールとを含む組成物を構成して、この組成物とポリイソシアネートとを反応、発泡・硬化させることにより、ポリウレタンフォームを形成せしめる技術が、提案されている。そして、そこで用いられるハロゲン化ハイドロオレフィン系発泡剤は、上記したHFC系発泡剤と比較して、ポリオールとの相溶性が良好であり、系内から発泡剤が脱離し難い性質を有しているものではあるが、そこで提案されているポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールとを、ポリオール成分として、単に併用するだけでは、形成されるフォームの難燃性が低く、また施工性や寸法安定性等において良好な特性を発揮する硬質のポリウレタンフォームを得ることは、困難なことであったのであり、加えて、形成されるフォームの断熱性能においても、更にはフォームの圧縮強度においても、今一つ充分でないという問題を内在するものであった。
また、ポリウレタンを発泡せしめるための発泡剤として用いられるハイドロクロロフルオロオレフィン(HFCO)にあっても、特開2021-116317号公報等においては、上記したHCFO-1233zdの他、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HCFO-1336mzz)等も明らかにされているのであるが、それらの中で、例えば、HCFO-1224ydを用いた場合にあっては、その沸点が低いために、気温の高い夏場での使用が難しく、それを配合せしめてなる薬液が突沸したり、その沸騰による劣化が惹起されたりする等の問題を内在する他、形成されるポリウレタンフォームの圧縮強度が充分でない等のフォーム物性上の問題も内在するものであった。
特表2013-500386号公報 特開2021-116317号公報
ここにおいて、本発明は、かくの如き事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、フォーム特性に優れたポリウレタンフォームを形成することの出来る発泡性組成物を提供することにあり、また、他の課題とするところは、優れた断熱性能を確保しつつ、圧縮強度に優れたポリウレタンフォームを形成することの出来る取り扱い性に優れた発泡性組成物を提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組み合せにて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載やそこに開示の発明思想に基づいて認識され得るものであることが、理解されるべきである。
そこで、本発明は、先ず、上記した課題を解決するべく、ポリオールを主成分とし、触媒及び発泡剤を含有する組成物Aと、ポリイソシアネートを主成分とする組成物Bとの反応、発泡・硬化により、ポリウレタンフォームを形成する発泡性組成物にして、前記組成物Aが、前記発泡剤として、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとを共に含有していることを特徴とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の好ましい態様の一つによれば、前記1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンとして、(E)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンが用いられていることを特徴とする。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の好ましい態様の他の一つによれば、前記1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとして、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンが用いられていることを特徴としている。
さらに、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の好ましい態様の別の一つによれば、前記1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと前記1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとの使用割合が、質量比において、20:80~60:40であることを特徴とする。
加えて、本発明にあっては、望ましくは、前記組成物Aが、前記ポリオールの50質量%以上の割合を占めるように、芳香族ポリエステルポリオールを含有していることを特徴とする。
また、本発明にあっては、望ましくは、前記組成物Aが、前記ポリオールとして、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールを含有していることを特徴とする。
さらに、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物にあっては、望ましくは、水無含の組成物として調整されていることを特徴としている。
このように、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物にあっては、発泡剤として、ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)である、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとを組み合わせて、共に含有せしめてなるものであるところから、そのような発泡性組成物を反応させて、発泡・硬化せしめて得られるポリウレタンフォームの熱伝導率が、効果的に低減せしめられ得て、優れた断熱性能が付与されることとなると共に、圧縮強度に優れたフォームが有利に提供され得ることとなるのである。
しかも、発泡剤として、そのような特定の2種類のハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)の併用により、互いの発泡剤としての長所を補い合い、熱伝導特性の低減化に有利に寄与し得ることとなると共に、薬液の沸点が高くなることにより、夏場での薬液の沸騰による劣化や突沸が効果的に抑制され得ることとなることによって、その取り扱い性、更には発泡作業性にも優れた発泡性組成物が、提供され得るのである。
また、本発明の好ましい態様に従って、ポリオールとして、大割合の芳香族ポリエステルポリオールや、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールを用いることにより、本発明の特徴は、より一層有利に発揮され得ることとなるのであり、更に、組成物A中に実質的に水を存在させないようにして、反応系に発泡剤としての水が存在しないようにすることによって、ポリウレタンフォームの熱伝導率を更に効果的に低減せしめ得て、その断熱性の更なる向上を図ることが可能となるのである。
以下、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物について、その構成を詳細に説明することとする。
先ず、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物は、ポリオールを含む組成物Aとポリイソシアネートを含む組成物Bとから構成され、それら組成物中のポリオールとポリイソシアネートとの反応と共に、発泡剤による発泡にて、目的とするポリウレタンフォームが形成されることとなる発泡性組成物であるが、そこで用いられる組成物Aを構成する主たる成分であるポリオールには、ポリイソシアネートと反応してポリウレタンを生じる公知の各種のポリオール化合物が、単独で又は適宜に組み合わされて、用いられることとなる。そして、そのようなポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ポリマーポリオール等が、適宜に選択されて、用いられることとなる。
なお、それらポリオール化合物の中で、ポリエステルポリオールとしては、多価アルコール-多価カルボン酸縮合系のポリオールや、環状エステル開環重合体系のポリオール等の公知のものを挙げることが出来る。そこにおいて、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を用いることが出来、その中でも、2価アルコールが好ましく用いられることとなる。また、多価カルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、及びこれらの無水物等が挙げられる。更に、環状エステルとしては、ε-カプロラクトン等が挙げられる。
そして、本発明にあっては、ポリエステルポリオールとしては、ポリオールの50質量%以上の割合を占めるように、芳香族系のポリエステルポリオールを用いることが好ましく、具体的には、フタル酸系ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、更にそのようなポリエステルポリオールの2種類以上を組み合わせることも有効である。なお、フタル酸系ポリエステルポリオールには、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらの無水物等と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の二価アルコールとの縮合物からなるフタル酸系ポリエステルポリオールが、好ましく用いられることとなる。このようなフタル酸系ポリエステルポリオールを使用すると、断熱性能や圧縮強度に優れた硬質ポリウレタンフォームを有利に得ることが出来る利点があり、また、本発明に従う2種類の特定のハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)を組み合わせて含有せしめる際に、発泡性組成物としての保存安定性に優れたものを与える特徴がある。
また、上記したポリオール化合物の一つであるポリエーテルポリオールとしては、エチレンジアミン系、マンニッヒ系、グリセリン系、芳香族系、シュクロース系、ソルビトール系、トルエンジアミン系、トリレンジアミン系等の各種のポリエーテルポリオールを挙げることが出来るが、本発明にあっては、その目的を有利に達成する上において、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールが、好適に用いられることとなる。そこにおいて、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールとしては、主な反応開始剤として、エチレンジアミンを使用し、これに、アルキレンオキシドを付加してなるポリオールであって、その水酸基価が400~1000mgKOH/g、好ましくは500~900mgKOH/gとなるように調整されたものが、好適に用いられることとなる。そこで、エチレンジアミンとしては、二塩化エチレンとアンモニアとの反応により生成する通常のものを使用することが出来、またアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等を、単独で又は2種以上組み合わせて用いることが出来るが、原料の価格や硬質フォームの物性上からして、プロピレンオキシドが有利に用いられることとなる。
そして、本発明にあっては、上述の如きポリオールを主成分(一般に、50質量%以上の割合で含有されている)とし、これに、ポリウレタンとポリイソシアネートとを反応、硬化せしめる触媒や、フォームを形成するための発泡剤が含有せしめられ、更に、従来からポリウレタンフォームの製造に際して用いられている各種の添加剤、例えば、難燃剤、整泡剤等を含有する組成物Aが調製されるものであるところ、特に、本発明にあっては、発泡剤として、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd)と1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)とを組み合わせて、それらが共に含有せしめられるようにすることによって、優れた断熱性能(低熱伝導率)を確保しつつ、圧縮強度に優れたフォームを形成し得る発泡性組成物が、有利に提供され得るのである。また、そのような特定の2種類のHCFOを組み合わせて用いることにより、互いの発泡剤の長所を補い合い、熱伝導特性が有利に低減され得ると共に、薬液の沸点を効果的に高めることが出来るところから、高い断熱性能を有する発泡体を、有利に得ることが出来ると共に、夏場の薬液の沸騰による劣化や突沸を効果的に抑制乃至は阻止する特徴を発揮せしめることが出来る。
なお、それら特定の2種のハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)には、それぞれ、幾何異性体が存在するが、本発明にあっては、E体である1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、換言すれば(E)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンが好適に用いられ、また、Z体である1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、換言すれば(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンが有利に用いられることとなる。
また、上述の如き1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとは、適宜の割合において使用可能であるが、本発明においては、質量基準において、20:80~60:40、より好ましくは、30:70~55:45の割合において、併用されることとなる。なお、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの使用割合が80%よりも多くなり過ぎると、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの使用割合が少なくなり過ぎることとなり、それらの併用による圧縮強度の向上効果が、充分に発揮され難くなる等の問題を生じ、一方、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの使用割合が20%よりも低くなる(1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの使用割合が80%よりも多くなる)と、薬液の沸点が低くなり過ぎてしまい、夏場において薬液が沸騰して、その劣化を惹起したり、突沸を生じたりして、その取り扱い性、ひいては発泡作業性に悪影響をもたらす恐れがある。
このように、本発明にあっては、発泡剤として、ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)のうちの特定の化合物である、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとを組み合わせて、用いることを特徴とするものであるが、他の公知の発泡剤も、本発明の目的を損なわない限りにおいて、補助的に用いることが可能である。そのような公知の発泡剤としては、例えば、上記した特定の化合物以外のハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)の他、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、ハイドロカーボン(HC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、更には水等を挙げることが出来る。それら補助的な発泡剤の中でも、水は、ポリウレタンフォームの製造に際して、通常、よく用いられて来ているが、特に、本発明にあっては、発泡剤としての水が実質的に存在しない組成物Aを用いるようにすることが推奨され、これによって、形成されるポリウレタンフォームの熱伝導率を更に低減させることが可能となり、以て、その断熱性能の向上に、より一層寄与せしめることが可能となる。ここで、発泡剤としての水が実質的に存在しないとは、組成物A中に、添加剤中に含まれている水分を除いて、水を添加しないことであり、添加剤中の水を含めても、組成物A中に水が1質量%未満であり、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である状態を指すものである。
なお、上記した2種のハイドロクロロフルオロオレフィンの合計の使用量は、ポリオールを含む組成物A中のポリオール全体の100質量部に対して15~50質量部が好ましく、更には25~40質量部であることが好ましい。かかるハイドロクロロフルオロオレフィンの合計使用量が50質量部を超えるようになると、フォームのコア密度が低くなり、それによってフォームの強度の低下、ひいては寸法安定性の悪化が惹起される恐れがある。また、コストの面でも不利となる問題もある。一方、ハイドロクロロフルオロオレフィンの合計使用量が15質量部よりも少なくなると、発泡剤としての特性を充分に発揮することが出来ず、得られるフォームの密度が高くなってしまうことがあり、またポリオール組成物Aの粘度が高くなってしまい、イソシアネートとの混合性が悪化して、良好なスプレーパターンを得ることが出来なくなる等の問題を惹起するようになる。
ところで、本発明にあっては、ポリオールを主成分とする組成物Aとポリイソシアネートを主成分とする組成物Bとが混合され、触媒の存在下において反応せしめられて、発泡剤により発泡させてられ、硬化せしめられることにより、硬質のポリウレタンフォームが形成されることとなるのであるが、そこで用いられる触媒としては、その一つとして、ポリオールとポリイソシアネートとの反応を促進させるために、樹脂化触媒が有利に用いられることとなる。この樹脂化触媒は、フォームの種類に応じて適宜に選択されて、用いられるものであり、例えば、ウレタン化触媒やイソシアヌレート化触媒が、単独で用いられたり、或いはこれらが併用されたりされる。ここで、ウレタン化触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸ビスマス(2-エチルヘキシル酸ビスマス)、ネオデカン酸ビスマス、ネオドデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の脂肪酸ビスマス塩、ナフテン酸鉛等を挙げることが出来る。一方、イソシアヌレート化触媒としては、第4級アンモニウム塩、オクチル酸カリウム、酢酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン等を挙げることが出来る。これらのうち、第4級アンモニウム塩を用いることが、特に好ましい。
ここで有利に用いられる第4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、プロピルトリメチルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、ヘプチルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、ノニルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ウンデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、トリデシルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム等の脂肪族アンモニウム化合物、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、トリメチルアミノエトキシエタノール等のヒドロキシアンモニウム化合物、1-メチル-1-アザニア-4-アザビシクロ[2,2,2]オクタニウム、1,1-ジメチル-4-メチルピペリジニウム、1-メチルモルホリニウム、1-メチルピペリジニウム等の脂環式アンモニウム化合物等が、挙げられる。これらの中でも、触媒活性に優れ、工業的に入手可能なところから、テトラメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、1-メチル-1-アザニア-4-アザビシクロ[2,2,2]オクタニウム、及び1,1-ジメチル-4-メチルピペリジニウムが、好ましく用いられることとなる。
また、かくの如き第4級アンモニウム塩を構成する有機酸基又は無機酸基としては、例えば、ギ酸基、酢酸基、オクチル酸基、蓚酸基、マロン酸基、コハク酸基、グルタル酸基、アジピン酸基、安息香酸基、トルイル酸基、エチル安息香酸基、メチル炭酸基、フェノール基、アルキルベンゼンスルホン酸基、トルエンスルホン酸基、ベンゼンスルホン酸基、リン酸エステル基等の有機酸基や、ハロゲン基、水酸基、炭酸水素基、炭酸基等の無機酸基が挙げられる。これらの中でも、触媒活性に優れ且つ工業的に入手可能なことから、ギ酸基、酢酸基、オクチル酸基、メチル炭酸基、ハロゲン基、水酸基、炭酸水素基、炭酸基が好ましい。
さらに、このような第4級アンモニウム塩からなる触媒としては、各種のものが市販されており、例えば、U-CAT 18X、U-CAT 2313(サンアプロ株式会社製)、カオーライザーNo.410、カオーライザーNo.420(花王株式会社製)等を挙げることが出来る。
そして、かかる触媒の一つとして用いられる樹脂化触媒の使用量としては、その触媒としての機能を有効に発揮させつつ、ポリオール含有組成物A中のポリオール全体の100質量部に対して、0.1~5質量部、好ましくは0.5~3質量部の範囲内において、選択されることとなる。なお、この樹脂化触媒の使用量が0.1質量部よりも少なくなると、得られるフォームがべたつき、ゴミ等が付着して、外観が悪くなる問題があり、またスプレー発泡操作においては、床等に付着した飛沫がべたつくことになるために、施工性が悪くなる等の問題があり、一方5質量部よりも多くなると、樹脂化反応時に発熱が高くなり、フォームの黄変等、外観に異常をきたし、発泡中に発生する飛沫に含まれる第4級アンモニウム塩触媒により、吹付け施工を行っている作業現場の作業環境を悪化せしめる恐れがある。
また、上述の如き樹脂化触媒に加えて、更に必要に応じて、従来からポリウレタンフォームの製造に際して用いられている公知の触媒が、適宜に選択されて、ポリオールを含有する組成物Aに含有せしめられることとなる。例えば、アミン系触媒は、ポリウレタンの初期発泡性を有利に向上せしめ得るものであり、またスキン層とコア層との密度差を変えることなく、フォームの密度を全体的に下げる作用があり、更にフォームのべたつきを改善して、ゴミ等の付着による外観の悪化を有利に阻止し得ると共に、スプレー発泡法においては、床等に付着した飛沫のべたつきによる作業性の悪化等を改善する特徴を発揮するものである。そして、そのようなアミン系触媒としては、化学構造内にOH基やNH基を有する反応性アミン化合物や、環状構造を有する環式アミン化合物を用いることが推奨され、中でも、反応性アミン化合物を触媒として用いることによって、より一層臭気の低減を図ることが出来る。
なお、そのようなアミン系触媒として用いられる反応性アミン化合物や環式アミン化合物は、公知のウレタン化触媒の中から適宜に選択され得るところであって、例えば、反応性アミン化合物としては、2,4,6-トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、N,N-ジメチルアミノエタノール、N,N-ジメチルアミノエトキシエタノール、エトキシ化ヒドロキシルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ジアミノ-2-プロパノール、N,N,N’-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、1,4-ビス(2-ヒドロキシプロピル)、2-メチルピペラジン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-エチル-2-メチルイミダゾール、1-メチル-2-エチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)イミダゾール、3,3-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン、N-メチル-N’-ヒドロキシエチルピペラジン等を挙げることが出来る。また、環式アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、N,N’-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン、メチレンビス(ジメチルシクロヘキシル)アミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、モルフォリン、N-メチルモルフォリン、N-エチルモルフォリン、N-(2-ジメチルアミノエチル)モルフォリン、4,4’-オキシジエチレンジモルフォリン、N,N’-ジエチルピペラジン、N,N’-ジメチルピペラジン、N-メチル-N’-ジメチルアミノエチルピペラジン、1,8-ジアゾビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7等を挙げることが出来る。
そして、かかる触媒の一つとして用いられるアミン系触媒の使用量としては、その触媒としての機能を有効に発揮させつつ、臭気や作業環境の悪化等の問題を低減して、有効なフォーム特性を得るべく、組成物A中のポリオール全体の100質量部に対して、0.1~7質量部、好ましくは0.2~3質量部、より好ましくは0.3~1質量部の範囲内において、選択されることとなる。なお、このアミン系触媒の使用量が0.1質量部よりも少なくなると、触媒としての機能を充分に発揮せしめ難くなると共に、得られるフォームがべたつき、ゴミ等が付着して、外観が悪くなる等の問題があり、またスプレー発泡操作においては、床等に付着した飛沫がべたつくことになるために、施工性が悪くなる等の問題を惹起する。また、かかるアミン系触媒の使用量が、7質量部よりも多くなると、得られるポリウレタンフォームの臭気が顕著となり、また発泡中に揮発するアミン系触媒により、吹付け作業環境が悪化する等の問題を惹起するようになる。このため、臭気の点から、かかるアミン系触媒は、その添加量が少ないことが好ましいのである。
一方、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物を、上記した組成物Aと共に構成する組成物Bにおいて、その主成分となるポリイソシアネートは、組成物Aに対して配合せしめられて、組成物A中のポリオールと反応して、ポリウレタン(樹脂)を生成するものであって、分子中に2つ以上のイソシアネート基(NCO基)を有する有機イソシアネート化合物であり、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリトリレントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートの他、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を挙げることが出来る。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。一般的には、反応性や経済性、取り扱い性等の観点から、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)が、好適に用いられることとなる。
なお、かかるポリイソシアネートを主成分とする組成物Bと前記したポリオールを主成分とする組成物Aとの配合割合は、形成されるフォームの種類(例えば、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート)によって、適宜に決定されることとなるが、一般に、組成物B中のポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)と組成物A中のポリオールの水酸基(OH)との比率を示す、NCO/OHインデックス(当量比)が、0.9~2.5程度の範囲となるように、適宜に決定されることとなる。
ところで、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物を構成する組成物Aや組成物Bには、上記した配合成分乃至は含有成分に加えて、更に必要に応じて、公知の難燃剤や整泡剤等の、従来から知られている各種の助剤を適宜に選択して、配合せしめることも可能である。
ここで用いられる整泡剤は、ポリウレタンフォームのセル構造を均一に整えるために用いられるものであって、ここでは、シリコーン系のものや非イオン系界面活性剤が、好適に採用される。具体例として、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、ポリシロキサンオキシアルキレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ヒマシ油エチレンオキシド付加物、ラウリル脂肪酸エチレンオキシド付加物等を挙げることが出来、これらのうちの、1種が単独で、或いは2種以上が組み合わされて、用いられる。なお、この整泡剤の配合量は、所期のフォーム特性や、使用する整泡剤の種類等に応じて適宜に決定されるところであるが、組成物A中のポリオール全体の100質量部に対して、0.1~10質量部、好ましくは1~8質量部の範囲で選択されることとなる。
また、難燃剤としては、環境への負荷が少なく、発泡性組成物の減粘剤としても機能する、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリエチルフォスフェート等のリン酸エステルが、有利に用いられる。このリン酸エステルを配合する場合、その配合量は、所期のフォーム特性や難燃剤の種類等に応じて適宜に決定され得るところであるが、組成物A中のポリオール全体の100質量部に対して、一般に5~60質量部、好ましくは10~40質量部の範囲で選択される。また、上記リン酸エステル以外にも、難燃剤として、水酸化アルミニウム等が好適に使用され得る。なお、前記した難燃剤としては、環境への負荷が少なく、発泡性組成物の減粘剤としても機能する、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリエチルフォスフェート等のリン酸エステルが、有利に用いられる。このリン酸エステルを配合する場合、その配合量は、所期のフォーム特性や難燃剤の種類等に応じて適宜に決定され得るが、組成物A中のポリオール全体の100質量部に対して、一般に5~60質量部、好ましくは10~40質量部の範囲で選択される。
さらに、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、更に必要に応じて、例えば、尿素、メラミン等のホルムアルデヒド捕捉剤や、気泡微細化剤、可塑剤、補強基材等の、従来から知られている各種添加剤を、適宜に選択して配合することも出来る。
そして、上述の如くして得られた組成物Aと組成物Bとを用いて、触媒の存在下で反応させて、発泡・硬化せしめるに際しては、公知の各種のポリウレタンフォームの製造手法が採用され得るところであって、例えば、それら組成物Aと組成物Bとの混合物を面材上に塗布して、板状に発泡・硬化を行うラミネート連続発泡法、電気冷蔵庫等の断熱性の要求される空間部内や軽量・高強度ボードのハニカム構造内に注入、充填して、発泡・硬化を行う注入発泡法、または現場発泡機のスプレーガンヘッドから所定の被着体(構造体)へ吹き付けて、発泡・硬化させるスプレー発泡法によって、本発明に従う発泡性組成物は発泡・硬化せしめられ、目的とするポリウレタンフォームが形成されることとなるのであるが、特に、本発明にあっては、環境温度(周囲温度)下において、現場発泡せしめられるスプレー発泡法が、好適に採用される。このような現場吹付け発泡法への適用によって、本発明の特徴が更に有利に発揮され、また断熱特性や強度特性、寸法安定性等の特性に優れたポリウレタンフォームが、有利に得られることとなるのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、比較例と対比することにより、本発明の特徴を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下に示す百分率(%)及び部は、特に断りのない限り、何れも、質量基準にて示されるものである。
また、以下の実施例や比較例において得られた組成物A(薬液)の沸点や、ポリウレタンフォームの初期熱伝導率、15日後の熱伝導率及び圧縮強度については、それぞれ、以下の如くして評価乃至は測定した。
(1)沸点の測定
50mLの密閉可能な透明ガラス瓶に、40mLの薬液を充填して、密閉した後、湯煎にて、それぞれ30℃から0.5℃刻みで30分間の加熱処理を行い、その後、湯煎から取り出して、ガラス瓶の蓋を開けた際に、沸騰が発生する温度を測定する。これを、5個のサンプルを用いて測定し、その平均値を沸点とした。
(2)初期及び15日後の熱伝導率の測定
実施例や比較例で得られた各発泡体について、それぞれの熱伝導率を、JIS-A-9526(2017)に準拠して、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製オートラムダHC-074)を使用して、測定する。具体的には、23℃、50%RHの雰囲気下で24時間静置した発泡体のコア部から、縦:200mm、横:200mm、厚み:25mmの寸法で、試験片を切り出した後、その切り出しから1日以内の試験片の熱伝導率を測定する一方、25℃、50%RHの雰囲気下で15日間保管された試験片の熱伝導率を測定して、それらの測定値を、それぞれ、初期熱伝導率及び15日後の熱伝導率とする。
(3)圧縮強度の測定
所定の合板表面に、下吹き1回及び上吹き2回の吹き付け手法に従って形成された発泡層から、試験片として、50mm×50mm×50mmのサイズにおいて、その中に内部スキン層(1回目の上吹きによるスキン層)が1層存在するようにして切り出し、その得られた試験片を用いて、JIS-K-7220に準じて、10%圧縮強度を、万能試験機を用いて測定することにより、それぞれの圧縮強度を求めた。
先ず、以下の実施例及び比較例において用いられる成分として、以下の各種原料を準備した。
ポリオール:フタル酸系ポリエステルポリオール(エア・ウォータ・パフォーマンス ケミカル株式会社製、RDK133)
ポリオール:フタル酸系ポリエステルポリオール(エア・ウォータ・パフォーマンス ケミカル株式会社製、RFK505)
ポリオール:エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(AGC株式会社製、75 0ED)
触媒:第4級アンモニウム塩(花王株式会社製、カオーライザーNo.420)
触媒:イミダゾール系触媒(東ソー株式会社製、TOYOCAT-DM70)
触媒:金属触媒(東栄化工株式会社製、ヘキソエート鉛)
整泡剤:シリコーン系整泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャ パン合同会社製、Niax Silicone L-6100)
難燃剤:リン酸エステル[ワンシャン社製、トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホ スフェート、TCPP]
発泡剤:水
発泡剤:HCFO-1233zd(Honeywell社製、1-クロロ-3,3, 3-トリフルオロプロペン、E体)
発泡剤:HCFO-1224yd(AGC株式会社製、1-クロロ-2,3,3,3 -テトラフルオロプロペン、Z体)
-組成物Aの調製-
上記で準備した各種の原料、即ち、ポリオール、触媒、整泡剤、難燃剤及び発泡剤を、下記表1及び表2に示される各種の組合せ及び配合割合において、均一に混合せしめて、実施例1~6及び比較例1~2に係る各種の液状の組成物Aを、それぞれ調製した。そして、その得られた組成物Aについて、その沸点を、前記した測定手法に従って測定して、その結果を、下記表1及び表2に併せ示した。
-組成物Bの調製-
ポリイソシアネートとして、ポリメリックMDI(万華化学ジャパン株式会社製、Wannate PM-130)を準備して、このポリイソシアネートのみにて、組成物Bを構成した。
-ポリウレタンフォームの製造-
上記で得られたポリオールを主体とする各種の組成物Aと、ポリイソシアネートからなる組成物Bとを、発泡機(グラコ社製、A-25)を使用して、910mm×910mmのフレキシブルボードに対して5mm以下の厚みで下吹きの後、30mm以下の厚みで積層を行い、層厚みが60mm程度の発泡体(ポリウレタンフォーム)を作製した。なお、この吹き付け発泡において、ポリオール含有組成物Aとポリイソシアネート含有組成物Bとは、体積比で1:1の割合で混合せしめられるようにした。
そして、かくして得られた各種のポリウレタンフォームを用いて、その初期熱伝導率及び15日後の熱伝導率を測定し、更に圧縮強度の測定を行って、それら得られた結果を、下記表1及び表2に併せ示した。
Figure 2023147837000001
Figure 2023147837000002
かかる表1及び表2の結果から明らかなように、本発明に従う実施例1~6において調製されたポリオールを含有する各組成物Aにあっては、何れも、初期熱伝導率及び15日後の熱伝導率に優れたポリウレタンフォームを与えるものであることが認められると共に、その得られたポリウレタンフォームは、何れも、高い圧縮強度を有するものであることを認めた。しかも、実施例1~6において調製された組成物Aは、何れも、その沸点が比較的高く、そのために、夏場における薬液の沸騰による劣化や突沸の抑制に効果的に寄与し、その取り扱い性や発泡作業性において、有効なものであることを認めた。
これに対して、比較例1や比較例2に係る組成物Aにあっては、発泡剤として、HCFO-1233zdやHCFO-1224ydを単独にて含有するものであるところから、薬液の沸点や熱伝導率の何れかにおいて充分な特性を発揮し難いものとなり、夏場での使用に問題を生じたり、或いは、断熱性能において問題を内在していることに加えて、何れの組成物Aを用いて得られたポリウレタンフォームにあっても、その圧縮強度において、充分なものでないことを認めた。
-発泡剤としての水の影響についての検討-
上記した実施例3及び実施例5において、それぞれ、発泡剤としての水を加えることなく、発泡剤としての、HCFO-1233zdの20部及びHCFO-1224ydの20部を用いることとしたこと以外は、実施例3及び実施例5と同様にして、実施例7及び実施例8に係る組成物Aを調製した。次いで、その調整された組成物Aを、前記したポリイソシアネートからなる組成物Bと反応せしめて、ポリウレタンフォームを製造し、その得られたポリウレタンフォームについて、初期熱伝導率及び15日後の熱伝導率について測定して、その得られた結果を、下記表3に、実施例3及び実施例5の結果と対比して示した。
Figure 2023147837000003
かかる表3の結果から明らかな如く、発泡剤として水を添加していない実施例7及び実施例8においては、何れも、ポリウレタンフォームの初期熱伝導率や15日後の熱伝導率において、実施例3や実施例5よりも、より優れた結果が得られることが認められるのである。

Claims (7)

  1. ポリオールを主成分とし、触媒及び発泡剤を含有する組成物Aと、ポリイソシアネートを主成分とする組成物Bとの反応、発泡・硬化により、ポリウレタンフォームを形成する発泡性組成物にして、
    前記組成物Aが、前記発泡剤として、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとを共に含有していることを特徴とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  2. 前記1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンとして、(E)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンが用いられていることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  3. 前記1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとして、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンが用いられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  4. 前記1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと前記1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンとの使用割合が、質量比において、20:80~60:40であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  5. 前記組成物Aが、前記ポリオールの50質量%以上の割合を占めるように、芳香族ポリエステルポリオールを含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  6. 前記組成物Aが、前記ポリオールとして、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールを含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  7. 前記組成物Aが、前記発泡剤となる水を含有することのない組成物として調整されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
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