JP5412018B2 - ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム並びにポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びポリウレタンフォーム並びにポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びそれから得られたポリウレタンフォーム並びにそのような発泡性組成物を用いたポリウレタンフォームの製造方法に係り、特に、発泡剤として二酸化炭素を利用して製造されるポリウレタンフォームの特性を更に有利に向上せしめ得る技術に関するものである。
従来より、ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性や接着性を利用して、主に、断熱部材として、建築用内外壁材やパネル等の断熱、金属サイディングや電気冷蔵庫等の断熱、ビル・マンション・冷凍倉庫等の躯体、壁面、天井、屋根等の断熱及び結露防止、輸液パイプ等の断熱に実用されている。また、かかるポリウレタンフォームは、一般に、ポリオール化合物に、発泡剤、更に必要に応じて触媒や整泡剤、難燃剤等の各種助剤を配合したポリオール配合液(プレミックス液)と、イソシアネート化合物とを、混合装置により連続的に又は断続的に混合してポリウレタンフォーム用発泡性組成物と為し、これを、スラブ発泡法、注入発泡法、スプレー発泡法、ラミネート連続発泡法等の方式によって発泡、硬化させることにより、製造されている。
そして、そこで用いられるポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、成層圏オゾン層の破壊という環境問題から、発泡剤として、オゾン層破壊の少ない又は生じない代替フロンであるハイドロフルオロカーボン系発泡剤(例えば、HFC−245fa,HFC−365mfc等)が、使用されている。しかし、近い将来、そのような代替フロンの使用も制限されるとの推測から、近年においては、二酸化炭素(炭酸ガス)を、代替フロン系発泡剤等の、既存の発泡剤の一部又は全部の代替として、用いて製造されるポリウレタンフォームが、検討されてきている。例えば、特許文献1,2には、ポリイソシアネート化合物と水との化学反応で生成する二酸化炭素を発泡剤として利用する、所謂「水発泡法」で製造されるポリウレタンフォームが、明らかにされている。また、特許文献3には、発泡剤として、水とポリイソシアネート化合物との反応により発生する二酸化炭素と、超臨界状態、亜臨界状態又は液体状態の二酸化炭素とを併用して、製造されるポリウレタンフォームが、明らかにされている。
ところが、そのような二酸化炭素を発泡剤として用いて製造される従来のポリウレタンフォームにあっては、基本的に、他の発泡法で製造されるポリウレタンフォームよりも難燃性が劣っており、また、断熱性能や寸法安定性にも欠ける等という問題を内在している他、スプレー発泡法等によって、被接着面材乃至は躯体の表面にポリウレタンフォーム層を形成する際に、かかる面材乃至は躯体との接着強度が充分でなく、そのために、施工後に、ポリウレタンフォーム層が剥離したり、脱落したりする等の問題を内在するものであった。
このため、特許文献4,5においては、ポリオール化合物として、活性水素含有基と2個以上のビニル重合性官能基を有する、ポリオールの不飽和カルボン酸部分エステル又は部分不飽和アルキルエーテル、アミンの不飽和カルボン酸部分アミド化物又は部分不飽和アルキル化物、及びポリチオールの不飽和カルボン酸部分チオエステル又は部分不飽和アルキルチオエーテルからなる群より選ばれた1種以上の活性水素化合物を用いて、ポリイソシアネート化合物と反応せしめ、更に発泡剤として二酸化炭素等を用いて、発泡させるようにした硬質ポリウレタンフォームの製造方法が、明らかにされている。
しかしながら、本発明者が検討したところによれば、かかる活性水素化合物を、ポリイソシアネート化合物と反応させて得られる硬質ポリウレタンフォームにあっては、その断熱性能や面材との接着性が、未だ充分でないことに加えて、ISO 5660に準拠して実施した「コーンカロリーメーターによる発熱性試験」においては、残炭率が低く、形状の保持性が悪いために、難燃性が未だ充分でなく、建築基準法等において規定される不燃材料評価試験乃至防火性能試験・発熱試験には合格し難いものであった。
特開平4−227645号公報 特開2004−59641号公報 特開2004−107376号公報 特開2008−223001号公報 特開2010−6914号公報
そこで、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、発泡剤として二酸化炭素を利用して製造されるポリウレタンフォームにおいて、その断熱性能や寸法安定性、更には面材との接着性を有利に確保しつつ、残炭率を高め、そして、その難燃性を効果的に向上せしめ得るポリウレタンフォーム用発泡性組成物を提供することにあり、また、かかるポリウレタンフォーム用発泡性組成物を用いることによって、上記の如き優れた特性を具備せしめたポリウレタンフォームを提供することにあり、更には、そのようなポリウレタンフォームを製造し得る方法を提供することにある。
そして、本発明者が、上記の課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、ポリオール化合物として、前記した公知の活性水素化合物を用いて、ポリウレタンフォームを製造するに際して、更に、特定のフェノール樹脂系ポリオールを、ポリオール化合物として併用することによって、得られるポリウレタンフォームに、優れた断熱性能や寸法安定性、面材との接着性を付与せしめしつつ、残炭率を有利に向上させて、優れた難燃性能を効果的に付与せしめ得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応せしめると共に、発泡剤として二酸化炭素を用いて発泡させることにより得られるポリウレタンフォームの製造に使用される、該ポリオール化合物として、活性水素含有基と2個以上のビニル重合性官能基を有する、ポリオールの不飽和カルボン酸部分エステル又は部分不飽和アルキルエーテル、アミンの不飽和カルボン酸部分アミド化物又は部分不飽和アルキル化物、及びポリチオールの不飽和カルボン酸部分チオエステル又は部分不飽和アルキルチオエーテルからなる群より選ばれた1種以上の活性水素化合物を含んでなる発泡性組成物であって、前記ポリオール化合物が、更に、ノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られるフェノール樹脂系ポリオールを含んでいることを特徴とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の好ましい態様の一つによれば、前記発泡剤としての二酸化炭素は、水とポリイソシアネート化合物との反応により発生せしめられる二酸化炭素が、用いられることとなる。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の好ましい態様の別の一つによれば、前記アルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はそれらの混合物である。
さらに、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物の別の好ましい態様の一つによれば、前記ポリオール化合物として、公知の活性水素化合物と上記で規定された特定のフェノール樹脂系ポリオールとの2成分に加えて、更に、芳香族ジアミンにアルキレンオキサイドを付加して得られる芳香族ジアミン系ポリオールが、有利に用いられることとなる。
そして、本発明は、そのようなポリウレタンフォーム用発泡性組成物を発泡、硬化させて得られるポリウレタンフォームをも、その要旨とするものである。
加えて、本発明は、上述の如きポリウレタンフォームを得るべく、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応せしめると共に、発泡剤として二酸化炭素を用いて発泡させることにより、ポリウレタンフォームを製造するに際し、該ポリオール化合物として、活性水素含有基と2個以上のビニル重合性官能基を有する、ポリオールの不飽和カルボン酸部分エステル又は部分不飽和アルキルエーテル、アミンの不飽和カルボン酸部分アミド化物又は部分不飽和アルキル化物、及びポリチオールの不飽和カルボン酸部分チオエステル又は部分不飽和アルキルチオエーテルからなる群より選ばれた1種以上の活性水素化合物を用いる方法において、前記ポリオール化合物として、更に、ノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られるフェノール樹脂系ポリオールを用いることを特徴としている。
このように、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、発泡体の形成に二酸化炭素を用いるものの、ポリオール化合物として、公知の活性水素化合物と共に、特定のフェノール樹脂系ポリオールを組み合わせて、用いていることによって、得られるポリウレタンフォームに対して、優れた断熱性能に加えて、優れた寸法安定性が付与され得、更には、面材との接着性においても優れた特徴を発揮するものであって、各種の用途に有利に適用され得るものとなるのである。
しかも、そのような本発明に従う発泡性組成物を用いて得られたポリウレタンフォームにあっては、ポリオール化合物として、所定の活性水素化合物に特定のフェノール樹脂系ポリオールが組み合わされていることによって、ISO 5660に規定される発熱性試験においても、高い残炭率を示すものとなり、これによって、形状保持性が高められ、また、面材付きのものにおいて、建築基準法等に規定される不燃材料評価試験乃至防火性能試験・発熱性試験にても、優れた難燃性を発揮するものとなったのである。
以下、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物、及びこれを用いて得られるポリウレタンフォーム、並びにそのようなポリウレタンフォームの製造方法について、詳細に説明することとする。
先ず、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、ポリオール化合物として、少なくとも、所定の活性水素化合物と共に、特定のフェノール樹脂系ポリオールが組み合わされて用いられ、それらが配合、含有せしめられている。
そこにおいて、ポリオール化合物の一つとして用いられる所定の活性水素化合物は、先に背景技術として指摘した特許文献4,5等から明らかな如く、ポリウレタンの製造に用いられるポリオール化合物として公知のものであって、それら特許文献に明らかにされている活性水素化合物(a)が、そのまま、本発明においても用いられ得るのである。
例えば、そのような活性水素化合物(a)が有する活性水素含有基としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、一級アミノ基、二級アミノ基等があり、好ましくは、ヒドロキシル基及びメルカプト基であり、特に好ましくは、ヒドロキシル基である。また、活性水素化合物(a)は、ビニル重合性官能基をも有しており、それは、ビニル基(CH2 =CH−)の他、その1位の炭素原子に結合する水素が、炭素数が1〜15のアルキル基又は炭素数が6〜21のアリール基にて置換されてなる置換ビニル基をも含むものである。このビニル重合性官能基の例としては、(メタ)アクリロイル基、アリル基、プロペニル基、1−ブテニル基等から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中で好ましくは、(メタ)アクリロイル基、アリル基及びプロペニル基であり、更に好ましくは、(メタ)アクリロイル基及びアリル基である。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を意味し、以下、同様の記載法を用いる。
そして、それら活性水素含有基とビニル重合性官能基の2個以上とを有する活性水素化合物(a)は、以下の化合物(a1)〜(a3)からなる群より選ばれるものであって、それらのうちの1種が用いられる他、2種以上を併用することも可能である。
・化合物(a1):ポリオール[多価アルコール、多価フェノール、多価アルコール若 しくは多価フェノールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記 する)付加物、アミンのAO付加物、多価アルコールとポリカルボ ン酸若しくはラクトンとから誘導されるポリエステルポリオール等 ]の不飽和カルボン酸部分エステル又は部分不飽和アルキルエーテ ル[特に、部分(メタ)アクリル酸エステル又は部分アリルエーテ ル]
・化合物(a2):アミンの不飽和カルボン酸部分アミド化物又は部分不飽和アルキル 化物[特に、部分(メタ)アクリルアミド化物又は部分アリル化物 ]
・化合物(a3):ポリチオールの不飽和カルボン酸部分チオエステル又は部分不飽和 アルキルチオエーテル[特に、部分(メタ)アクリルチオエステル 又は部分アリル化物]
なお、上記化合物(a1)の製造に用いられる多価アルコールとしては、例えば、炭素数2〜18(好ましくは2〜12)の2価アルコール[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−及び1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等]、炭素数3〜18(好ましくは3〜12)の3〜5価の多価アルコール[アルカンポリオール及びその分子内若しくは分子間脱水物、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ジグリセリン;糖類及びその誘導体、例えば、α−メチルグルコシド、キシリトール、グルコース、フルクトース等]、及び炭素数5〜18(好ましくは5〜12)の6〜10価又はそれ以上の多価アルコール[6〜10価のアルカンポリオール、及び6〜10価のアルカンポリオール若しくは3〜5価のアルカンポリオールの分子内若しくは分子間脱水物、例えば、ジペンタエリスリトール;糖類及びその誘導体、例えば、ソルビトール、マンニール、ショ糖等]のうちの1種、及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
また、化合物(a1)の製造に用いられる多価フェノールとしては、多価フェノール[単環多価フェノール(ハイドロキノン等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF等)等]、3〜5価の多価フェノール[単環多価フェノール(ピロガロール、フロログルシン等)、3〜5価の、多価フェノール化合物のホルマリン低縮合物(数平均分子量1000以下)(ノボラック樹脂、レゾールの中間体)等]、6〜10価又はそれ以上の多価フェノール[6価以上の、多価フェノール化合物のホルマリン低縮合物(数平均分子量1000以下)(ノボラック樹脂、レゾールの中間体)等]、多価フェノールとアルカノールアミンとの縮合物(マンニッヒポリオール)のうちの1種、及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
さらに、化合物(a1)の製造に用いられるポリオールのうち、アミンのAO付加物におけるアミンとしては、例えば、アンモニア;炭素数2〜20のアルカノールアミン[モノ−、ジ−若しくはトリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等];炭素数1〜20のアルキルアミン[メチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、オクチルアミン等];炭素数2〜6のアルキレンジアミン[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等];アルキレン基の炭素数が2〜6のポリアルキレンポリアミン(重合度2〜8)[ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等];炭素数6〜20の芳香族アミン[アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミン、ナフタレンジアミン、アントラセンジアミン等];炭素数4〜15の脂環式アミン[イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン等];炭素数4〜15の複素環式アミン[ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン等]のうちの1種、及びこれらの2種以上の併用等が挙げられる。
また、多価アルコール、多価フェノール、又はアミンに付加させるAOとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−、1,3−、1,4−若しくは2,3−ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド(炭素数5〜30又はそれ以上)、スチレンオキサイド等、及びこれらの2種以上の併用(併用する場合には、ランダム付加、ブロック付加、これらの組合せの何れでも良い。)が挙げられる。これらのAOのうち、炭素数2〜8のものが好ましく、PO及び/又はEOを主成分とし、必要により20%以下の他のAOを含むものが更に好ましい。そして、その付加反応は、従来公知の通常の方法により行なうことが出来る。1分子当たりのAOの付加モル数は、好ましくは1〜70、更に好ましくは1〜50である。なお、上記及び以下において、%は、特に記載のない限り、質量%を意味するものである。
さらに、化合物(a1)の製造に用いられるポリオールのうち、ポリエステルポリオールに用いられる多価アルコールは、前記と同様のものが挙げられ、ポリカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等]、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸[フタル酸若しくはその異性体、トリメリット酸等]、これらのポリカルボン酸のエステル形成性誘導体[酸無水物、アルキル基の炭素数が1〜4の低級アルキルエステル等]のうちの1種、及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。ラクトンとしては、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンのうちの1種、及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。なお、この化合物(a1)の製造に用いるポリオールとしては、好ましくはヒドロキシル基を3〜10個、更に好ましくは3〜6個有するものである。
そして、化合物(a1)は、部分(メタ)アクリル酸エステル、及び部分アリルエーテルの場合を例にとると、例えば、以上例示したポリオールを、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシル基が未反応で残るような当量比で、ハロゲン化(メタ)アクリル又はハロゲン化アリルを用いて部分(メタ)アクリロイル化又は部分アリル化することにより得られる。ハロゲン化(メタ)アクリルとしては、塩化(メタ)アクリロイル、臭化(メタ)アクリロイル、ヨウ化(メタ)アクリロイルが、またハロゲン化アリルとしては、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリルが挙げられ、そのうちの1種又はそれらの2種以上が用いられる。また、上記のポリオールと(メタ)アクリル酸とを用い、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシル基が未反応で残るような当量比で、通常の方法でエステル化反応しても良い。
また、化合物(a1)は、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸及びその誘導体、又はアリルアルコール等の不飽和アルコールに前記のAOを付加しても得ることが出来る。この場合、AOの中では、PO及び/又はEOを主成分とし、必要により20%以下の他のAOを含むものが好ましい。その付加反応は、従来公知の通常の方法により行なうことが出来る。なお、AOの付加モル数は、好ましくは1〜70、更に好ましくは1〜50である。
先の活性水素化合物(a)の一つとして示された化合物(a2)は、前記のアミンのうち、ポリアミン又はアルカノールアミンと、前記のハロゲン化(メタ)アクリル又はハロゲン化アリルを、1分子中に少なくとも1個のアミノ基又は水酸基(アルカノールアミンの場合)が未反応で残るような当量比で、反応させることにより得られる。
さらに、先の活性水素化合物(a)の一つとして示された化合物(a3)の製造に用いられるポリチオールとしては、チオール基を2〜4個有し、炭素数2〜18のものが好ましく、例えば、エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−プロパンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、4−t−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)チオシアヌル酸、ジ(2−メルカプトエチル)スルフィド、ジ(2−メルカプトエチル)エーテルのうちの1種、及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
そして、前記の化合物(a3)は、これらポリチオールに、前記のハロゲン化(メタ)アクリル又はハロゲン化アリルを、1分子中に少なくとも1個のチオール基が未反応で残るような当量比で、反応させることにより得られる。
ところで、活性水素化合物(a)は、分子内に前記ビニル重合性官能基を2個以上有するものであるが、このビニル重合性官能基の数(平均)は、好ましくは2〜20個、更に好ましくは2〜10個、より好ましくは2.1〜7個、特に好ましくは2.5〜5個、最も好ましくは3〜4個である。ビニル重合性官能基の数が2個未満であると、ポリウレタンフォームの物性が低下するようになる。また、活性水素化合物(a)は、活性水素含有基を1個以上有し、好ましくは1〜8個有するものであって、これにより、ポリウレタンフォームの成形時の硬化を良好に行ない得るのである。なお、かかる活性水素化合物(a)のビニル重合性官能基数や活性水素含有基数は、活性水素化合物(a)が、反応混合物等、組成が単一でない場合には、平均の個数が用いられることとなる。
さらに、かかる活性水素化合物(a)の活性水素価は、10〜1800が好ましく、更に好ましくは20〜1500、特に好ましくは30〜1000、最も好ましくは50〜500である。ここで、活性水素価は、“56100/活性水素1個当たりの分子量”を意味し、活性水素を有する基が水酸基の場合、水酸基価に相当する。なお、水酸基価は、試料1gを中和するのに相当するKOHのmgであって、“56100/水酸基1個当たりの分子量”を意味する。なお、ここで、56100は、KOH1モルのmg数を示している。活性水素価の測定方法は、上記定義の値を測定出来る方法であれば、公知の方法で良く、特に限定されないが、水酸基価の場合、例えば、JIS−K1557に記載の方法が挙げられる。
また、かかる活性水素化合物(a)における分子内のビニル重合性官能基の濃度としては、通常、5mmol/g以上、好ましくは7mmol/g以上であることが望ましく、その上限は、30mmol/g程度である。なお、この分子内のビニル重合性官能基の濃度は、分子内のビニル重合性官能基のモル数で表わされ、次式:(分子内のビニル重合性官能基の数/分子量)×1000で示されるものである。なお、活性水素化合物(a)の組成が単一でない場合には、上記のビニル重合性官能基の数としては、平均の数が用いられ、分子量は、活性水素化合物(a)の有する活性水素含有基から、末端基定量法により求められた数平均分子量が用いられることとなる。
そして、上記した活性水素化合物(a)の中では、好ましくは、化合物(a1)及び(a2)が用いられ、より好ましくは、化合物(a1)が用いられる。また、更に好ましくは、多価アルコール若しくはそのAO付加物の部分アリルエーテル、及び多価アルコール若しくはそのAO付加物の部分(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましくは、多価アルコール若しくはそのAO付加物の部分(メタ)アクリル酸エステルであり、最も好ましくは、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートである。
一方、本発明において、上記した活性水素化合物(a)と共に、ポリオール化合物の一つとして用いられる特定のフェノール樹脂系ポリオールは、ノボラック樹脂、換言すればノボラック型のフェノール樹脂に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド又はそれらの混合物等のアルキレンオキサイドを付加、反応させることによって、得られるものである。そして、このようなフェノール樹脂系ポリオールの調製に使用されるノボラック型フェノール樹脂(ノボラック樹脂)としては、本発明にあっては、低粘度化の観点から、遊離フェノール類を5〜35質量%、好ましくは10〜30質量%程度の割合で含有するものが、採用されることとなる。これは、遊離フェノール類の含有割合が5質量%未満では、有効な低粘度化を図ることが困難であって、目的とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物として使用に供することが出来ない恐れがあるからであり、逆に35質量%を超えるようになると、ポリウレタンフォームが脆くなり過ぎて、成形性の悪化を招く傾向があるからである。
そして、このようなノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを、フェノール類の1モルに対して、アルデヒド類を0.3〜1.0モルの割合で配合し、更に酸触媒を加えて、所定の反応条件(温度や時間)で反応させた後、必要に応じて減圧脱水処理を施すことにより、ノボラック型フェノール樹脂の初期縮合物として、有利に製造されることとなる。ここで、初期縮合物とは、分子量が比較的に低いフェノール樹脂であって、1分子中に、2〜10程度のフェノール骨格を有する縮合物や未反応フェノール類の混合物である。なお、かかるノボラック型フェノール樹脂(初期縮合物)の製造方法は、上記の方法に何等限定されるものではなく、生成するノボラック型フェノール樹脂中に上記の遊離フェノール類の所定割合が存在するようにして、適宜に反応条件や反応環境(例えば、常圧、減圧、加圧、不活性ガスの共存の有無、段階的又は逐次的反応等)を設定して、製造することが出来る。更には、上記反応終了後の縮合物に対して、必要に応じて、別途フェノール類を加える等して、遊離フェノール類の含有割合を、上記のように調整することも可能である。
なお、上記ノボラック型フェノール樹脂の製造に際して用いられるフェノール類としては、特に限定されるものではなく、一般に、フェノールが採用されるが、必要に応じて、例えば、クレゾール、エチルフェノール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキルフェノールのうちの1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることも、又はそのようなアルキルフェノールのうちの1種以上とフェノールとを併用することも出来る。更には、m−クロロフェノール、o−ブロモフェノール等のハロゲン化フェノール;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、フロログルシノール等の多価フェノール;ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]、ビスフェノールF(4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン)等のビスフェノール;レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール系化合物の精製残渣;α−ナフトール、β−ナフトール、β−ヒドロキシアントラセン等のヒドロキシル基含有多核化合物のうちの1種を、単独で、或いはそれらの2種以上を混合して用いることも、又はそれらのうちの1種以上と、フェノールやアルキルフェノールとを併用することも出来る。
一方、上記フェノール類と反応せしめられるアルデヒド類としては、特に限定されるものではなく、一般にホルマリン、パラホルムアルデヒドのうちの何れか一方若しくは両方が用いられるが、必要に応じて、その他のホルムアルデヒド類(例えば、トリオキサン、テトラオキサン、ポリオキシメチレン等)、グリオキサール等を、単独で、或いは併用することが出来る。
また、ノボラック型フェノール樹脂の製造に使用される酸触媒としては、シュウ酸が好適であるが、その他にも、有機スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸等)、有機カルボン酸(例えば、酢酸等)の二価金属(例えば、マグネシウム、亜鉛、鉛等)の塩、かかる二価金属の塩化物、それら二価金属の酸化物、無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)等を、単独で用いてもよく、勿論、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、ポリオール化合物の一つとして用いられるフェノール樹脂系ポリオールは、上述のようにして製造されたノボラック型フェノール樹脂に、塩基性触媒の存在下で、所定のアルキレンオキサイドを付加反応させることによって、得られるものであり、これによって、有利には、遊離フェノール類を含む、ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基の部位に、上記所定のアルキレンオキサイドが付加されて、フェノール性水酸基がアルコール性水酸基へ変換されたフェノール樹脂系ポリオールとなる。このように、所定のアルキレンオキサイドの付加によって、フェノール樹脂が改質され、ポリオール化合物の親水性が更に向上されることとなり、その結果として、上記フェノール樹脂系ポリオールは、特に、二酸化炭素を発泡剤とする発泡法において用いられるポリオール化合物として好適であるのみならず、後述するポリイソシアネート化合物との混合性にも優れたものとなるのである。
なお、上記フェノール樹脂系ポリオールは、アルキレンオキサイドの配合量等を適宜に選定することにより、その水酸基価が、有利には、100〜600mgKOH/gとなるように、好ましくは150〜450mgKOH/gとなるように、より好ましくは200〜400mgKOH/gとなるように構成される。この水酸基価が低くなり過ぎると、それを用いて得られるフォームが柔らかくなり過ぎて、成形性が悪くなり、目的とするポリウレタンフォームが得られない傾向があるからであり、逆に、水酸基価が高くなり過ぎると、粘度が充分に低くならず、ポリイソシアネート化合物との混合性が悪くなる傾向があるからである。また、この水酸基価に対応して、フェノール樹脂系ポリオールの粘度も変動することとなるが、本発明において用いられるフェノール樹脂系ポリオールの粘度は、500〜60000mPa・s/25℃の範囲とされる。
ここで、上記のフェノール樹脂系ポリオールの製造に用いられるアルキレンオキサイドとしては、一般に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド又はそれらの混合物等であり、得られるフォームの特性に応じて、適宜に選定されることとなる。また、そのようなアルキレンオキサイドの配合量としては、一般に、ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基に対して、1〜20倍当量となる範囲において、適宜に選択されることとなる。
そして、上記フェノール樹脂系ポリオールの製造に用いられる、換言すれば上記ノボラック型フェノール樹脂と所定のアルキレンオキサイドとの付加反応に用いられる、塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ性触媒を好適に採用することが出来、これらのうちの少なくとも1種が適宜に選択されて、用いられることとなるが、勿論、これらに限定されるものではないことは、言うまでもないところである。
なお、かかるフェノール樹脂系ポリオールの使用量としては、全ポリオール化合物の100質量部中に、一般に、10質量部以上、好ましくは20質量部以上の割合で含まれるように、適宜に決定されることとなる。このフェノール樹脂系ポリオールの使用量が10質量部未満となると、形成されるポリウレタンフォームの特性の向上を充分に図り難くなる等の問題を惹起する。また、このフェノール樹脂系ポリオールと前記した活性水素化合物(a)とは、質量比にて、一般に、90/10〜10/90の割合において、用いられることが望ましいのである。なお、それらポリオールの配合比率において、フェノール樹脂系ポリオールの割合が多くなり過ぎると、粘度が高くなり、ポリイソシアネートとの混合性が悪くなる等の問題が惹起される恐れがあり、また、活性水素化合物(a)の割合が多くなり過ぎると、熱伝導率や難燃性等の特性が充分でなくなる等の問題が惹起され易くなる。
また、本発明にあっては、ポリオール化合物として、上記した活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールに加えて、公知の他の各種のポリオール化合物が、必要に応じて用いられ得、その中でも、得られるポリウレタンフォームの寸法安定性等の特性をより向上せしめる上において、芳香族ジアミン系ポリオールや他のポリオールが、単独で若しくは組み合わせて、有利に用いられ得るが、特に、芳香族ジアミン系ポリオールが、活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールと共に、ポリオール化合物として有利に用いられることとなる。
そして、それら活性水素化合物(a)やフェノール樹脂系ポリオールと共に、ポリオール化合物の更に他の一つとして有利に用いられる芳香族ジアミン系ポリオールは、芳香族ジアミンに対して、公知の手法に従って、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等の所定のアルキレンオキサイドを付加させることによって、得られるものである。換言すれば、かかる芳香族ジアミン系ポリオールは、芳香族ジアミンを開始剤として、これに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド又はそれらの混合物等のアルキレンオキサイドを開環付加せしめてなる、末端水酸基の多官能ポリエーテルポリオール化合物である。
なお、そのような芳香族ジアミン系ポリオールを与える、開始剤としての芳香族ジアミンには、公知の各種の芳香族ジアミン化合物を用いることが出来、具体的には、トリレンジアミンと総称される、フェニレンジアミンの各種のメチル置換体の他、そのアミノ基に対して、メチル、エチル、アセチル、ベンゾイル等の置換基が導入されてなる誘導体や、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン等を、例示することが出来る。また、それらの中でも、得られるポリウレタンフォームの特性を高める上において、トリレンジアミンが好ましく用いられることとなる。
ところで、かくの如き芳香族ジアミンにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等の所定のアルキレンオキサイドを付加させて得られる芳香族ジアミン系ポリオールとしては、各種のものが市販されており、例えば、トリレンジアミン系ポリオールとして、サンニックスHA−501、同HM−550、同HM−551(以上、何れも、三洋化成工業株式会社製品)等の商品を例示することが出来、本発明にあっては、それら市販品の中から、適宜に選定して用いられることとなる。なお、この芳香族ジアミン系ポリオールの水酸基価は、有利には200〜600mgKOH/g、また粘度は、有利には500〜30000mPa・s/25℃の範囲内とされる。
このように、本発明にあっては、かくの如き芳香族ジアミン系ポリオールが、前記した活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールと共に、ポリオール化合物として有利に用いられることとなるのであるが、そのような芳香族ジアミン系ポリオールは、ポリオール化合物全体の10質量%以上、好ましくは20質量%以上の割合において用いられることが、本発明の目的をより良く達成する上において望ましいのである。また、その中で、[活性水素化合物(a)+フェノール樹脂系ポリオール]と芳香族ジアミン系ポリオールとは、質量比にて、1/9〜9/1の割合において用いられることが望ましい。更に、それら[活性水素化合物(a)+フェノール樹脂系ポリオール]と芳香族ジアミン系ポリオールの配合比率において、[活性水素化合物(a)+フェノール樹脂系ポリオール]の割合が多くなり過ぎると、寸法安定性の向上効果が低下するようになり、また芳香族ジアミン系ポリオールの割合が多くなり過ぎると、最大発熱速度が大きくなり、難燃性が低下するようになるので、望ましくない。
なお、本発明にあっては、ポリオール化合物として、前記した活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールに加えて、有利には、上述した芳香族ジアミン系ポリオールが、用いられることとなるのであるが、また、先の特許文献4,5において活性水素化合物(a)と共に用いられ得ることが明らかにされている、ビニル重合性官能基を有しない活性水素化合物(b)も、併用することが可能である。そして、かかるポリオール化合物として必須の[活性水素化合物(a)+フェノール樹脂系ポリオール]の使用による優れた作用・効果に悪影響をもたらさない限りにおいて、芳香族ジアミン系ポリオールと共に、又はそれに代えて、上記の活性水素化合物(b)や他の公知のポリオール化合物を同時に用いることも可能である。例えば、そのような他の公知のポリオール化合物としては、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂肪族アミン系ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエーテルポリオール等の、公知のポリエーテルポリオール、又は、多価アルコールと、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ダイマー酸等のポリカルボン酸とを反応させて得られるポリカルボン酸系ポリエステルポリオール、ラクトン等を開環重合させて得られるラクトン系ポリエステルポリオール等の、公知のポリエステルポリオールを挙げることが出来る。
何れにしても、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、上述の如き活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールを少なくとも含むポリオール化合物が用いられ、それら成分の導入によって、得られるポリウレタンフォームの難燃性、及び面材との接着性の向上が、より一層有利に実現されることとなるのである。
ところで、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、少なくとも、上述の如き活性水素化合物(a)とフェノール樹脂系ポリオールとが、ポリオール化合物として含有せしめられると共に、更に、発泡剤として、二酸化炭素及び/又はその形成源が、導入せしめられるのである。
ここで、そのような二酸化炭素又はその形成源は、(1)発泡剤源である水を添加せしめることによって、或いは、(2)亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素を添加せしめることによって、ポリウレタンフォーム用発泡性組成物中に導入せしめられるのであるが、かかる(1),(2)のうちの何れか一方であっても、或いは、それらの両方を組み合わせてもよい。なお、亜臨界状態の二酸化炭素とは、圧力が臨界圧力以上で、温度が臨界温度未満である液体状態の二酸化炭素、圧力が臨界圧力未満で温度が臨界温度以上である液体状態の二酸化炭素、或いは温度及び圧力が臨界点未満であるが、これに近い状態の二酸化炭素を指し、また、超臨界状態の二酸化炭素とは、圧力、温度が共に臨界圧力、臨界温度以上の、臨界点を超えた流体状態の二酸化炭素を意味する。
特に、上記(1)の水発泡の場合には、発泡剤源である水が、後述するポリイソシアネート化合物との反応により、フォームの形成に利用される炭酸ガスを生成する役割を果たすと共に、用いられるポリオール化合物の粘度低下にも僅かながら寄与することとなる。かかる水発泡のための水の配合量は、所望のフォーム密度となるように適宜に設定され得るが、通常、ポリオール化合物の100質量部に対して、0.5〜12質量部、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜8質量部の範囲で、適宜に設定され得る。なお、水の配合量が、ポリオール化合物の100質量部に対して、0.5質量部未満では、炭酸ガスの発生量が充分ではなく、逆に12質量部を超えるようになると、密度の極端な低下によるフォームの脆弱化が惹起される恐れがある。
一方、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素を混合せしめる場合にも、その添加量は、所望のフォーム密度となるように適宜に設定され得るものであり、通常、フェノール樹脂系ポリオールや活性水素化合物(a)を少なくとも含むポリオール化合物の100質量部に対して、0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部の範囲で、適宜に設定され得る。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールを含むポリオール化合物と反応して、ポリウレタンを生成するポリイソシアネート化合物が、用いられる。このポリイソシアネート化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有する有機系イソシアネート化合物であり、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリトリレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートの他、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を挙げることが出来る。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。一般的には、反応性や経済性、取扱性等の観点から、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)が好適に用いられる。
かかるポリイソシアネート化合物と、上記活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールを含むポリオール化合物との配合割合は、フォームの種類(例えば、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート)によって変更されることとなるが、一般に、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)とポリオール化合物(各ポリオールの合計)の水酸基(OH)との比率を示すNCO/OHインデックス(当量比)が、0.9〜4.5程度の範囲となるように、適宜に設定される。
また、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、一般に、活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールを含むポリオール化合物や、二酸化炭素(水発泡法の場合には、発泡剤源である水)からなる発泡剤、更には、ポリイソシアネート化合物以外にも、従来からポリウレタンフォームの製造に際して用いられている触媒や整泡剤等の各種の助剤が、配合せしめられることとなる。
具体的には、触媒に関しては、例えば、水を発泡剤源として用いる際に、ポリイソシアネート化合物と水との反応によって生成する炭酸ガスを早期に発生せしめることが要求される場合には、それらポリイソシアネート化合物と水との反応を促進する作用を有するアミン系泡化触媒が、有利に用いられる。そのようなアミン系泡化触媒としては、例えば、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン等を挙げることが出来、これらは、単独で用いてもよく、或いは2種以上を併用することも出来る。また、その配合量としては、通常、活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールを含むポリオール化合物の100質量部に対して、0.1〜30質量部程度が、好適である。
また一方、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応を促進させるためには、樹脂化触媒が有利に用いられる。この樹脂化触媒は、フォームの種類に応じて適宜に選択されて用いられるものであり、例えば、ウレタン化触媒、イソシアヌレート化触媒が単独で用いられたり、或いは、これらが併用される。ウレタン化触媒としては、例えば、第三級アミン、ジブチル錫ジラウレート、エチルモルホリン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、オクチル酸ビスマス(2−エチルヘキシル酸ビスマス)、ネオデカン酸ビスマス、ネオドデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の脂肪酸ビスマス塩、ナフテン酸鉛等を挙げることが出来る一方、イソシアヌレート化触媒としては、例えば、ヒドロキシアルキル第四級アンモニウム塩、オクチル酸カリウム、酢酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン等を挙げることが出来る。これらの樹脂化触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、樹脂化触媒の配合量は、一般に、ポリオール化合物の100質量部に対して、0.1〜15質量部程度が、望ましい。
また、上記の整泡剤は、ポリウレタンフォームのセル構造を均一に整えるために用いられるものであって、ここでは、シリコーンや非イオン系界面活性剤が好適に採用される。具体例として、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、ポリシロキサンオキシアルキレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ヒマシ油エチレンオキシド付加物、ラウリル脂肪酸エチレンオキシド付加物等を挙げることが出来、これらのうちの1種が単独で或いは2種以上が組み合わされて用いられる。なお、この整泡剤の配合量は、所期のフォーム特性や、使用する整泡剤の種類等に応じて適宜に決定され得るが、好ましくは、ポリオール化合物の100質量部に対して、0.1〜10質量部程度の割合とされる。
加えて、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物には、更に必要に応じて、公知の難燃剤や起泡剤の他、例えば、尿素、メラミン等のホルムアルデヒド捕捉剤や、気泡微細化剤、可塑剤、補強基材等の、従来から知られている各種添加剤を、適宜に選択して配合することも出来る。
なお、前記した難燃剤としては、環境への負荷が少なく、発泡性組成物の減粘剤としても機能するトリスクロロエチルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリエチルフォスフェート等のリン酸エステルが、有利に用いられる。このリン酸エステルを配合する場合、その配合量は、所期のフォーム特性や難燃剤の種類等に応じて適宜決定され得るが、好ましくは、ポリオール化合物の100質量部に対して、5〜60質量部の範囲で選択され、その範囲の中でも、特に、10〜40質量部程度が好適である。また、上記リン酸エステル以外にも、難燃剤として、水酸化アルミニウム等が好適に使用され得る。
また、上記起泡剤は、水を発泡剤源として用いる際に、炭酸ガスが発生するまでの発泡と硬化の時間的なずれを、起泡剤の有する石鹸機能による泡立ち(高起泡性と泡安定性)で補うために用いられるものであって、特に、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物を吹き付け方式の発泡法(吹き付け発泡法)で発泡・硬化させる場合に有用である。かかる起泡剤としては、石鹸の成分として知られる脂肪酸アルカリ金属塩、特に、炭素数が12〜18であるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸のナトリウム塩又はカリウム塩を例示することができる。これらの中でも、水発泡法においては、脂肪酸カリウム塩が、特に好適に用いられる。
さらに、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物においては、上述の如く、オゾン層の保全の観点から、二酸化炭素が、発泡剤として採用されるのであるが、このように、二酸化炭素を主たる発泡剤として採用する場合においては、必要に応じて、過酸化水素水や、ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、テトラフルオロエタン(HFC-134a)等に代表されるハイドロフルオロカーボンや、ジクロロメタン、イソプロピルクロライド等に代表されるハロゲン系炭化水素を、二酸化炭素による発泡作用を補助するための発泡助剤として、添加することも可能である。
そして、上述せる如きフェノール活性水素化合物(a)及び樹脂系ポリオールを含むポリオール化合物並びに二酸化炭素又はその形成源、ポリイソシアネート化合物等を用いて、本発明に従うポリウレタンフォーム用発泡性組成物を製造するに際しては、従来のポリウレタンフォーム用発泡性組成物と同様な製造手法が、採用され得る。
例えば、水発泡法を採用する場合、即ち、発泡剤として水とポリイソシアネートとの反応により発生する二酸化炭素を用いる場合には、先ず、前記活性水素化合物(a)とフェノール樹脂系ポリオールを含むポリオール化合物に対して、発泡剤源としての水、そして必要に応じて、泡化触媒、樹脂化触媒、整泡剤、難燃剤、起泡剤、その他各種助剤が配合されて、ポリオール配合液(プレミックス液)が調製される。次いで、この調製されたポリオール配合液とポリイソシアネート化合物とが、低圧高速撹拌混合機を用いて高速撹拌混合されることにより、或いは、高圧衝突混合機(例えば、現場スプレー発泡機)を用いて高圧衝突混合されることにより、液状のポリウレタンフォーム用発泡性組成物が製造せしめられるのである。なお、本発明において、水発泡法に適した低粘性を有する芳香族ジアミン系ポリオールを、ポリオール化合物として、本発明に従うフェノール樹脂系ポリオールと共に用いるようにすることによって、ポリイソシアネート化合物との混合が有利に実施され、均質な発泡性組成物が製造され得る特徴がある。
一方、発泡剤として、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素を用いる場合には、先ず、活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールを含むポリオール化合物に対して、必要に応じて、泡化触媒、樹脂化触媒、整泡剤、難燃剤、起泡剤、その他各種助剤が配合されて、ポリオール配合液(プレミックス液)が調製される。そして、この調製されたポリオール配合液がポリイソシアネート化合物と混合せしめられる直前に、好ましくはポリオール配合液に対して、所定の圧力と温度の下、亜臨界状態若しくは超臨界状態の二酸化炭素が添加、混合された後、ポリイソシアネート化合物が更に添加混合されることにより、液状のポリウレタンフォーム用発泡性組成物が製造され得るのである。
そして、このようにして製造されたポリウレタンフォーム用発泡性組成物は、例えば、面材上に塗布して板状に発泡、硬化を行なうラミネート連続発泡法、電気冷蔵庫等の断熱性能が要求される空間部内や軽量・高強度ボードのハニカム構造内に注入充填して発泡、硬化を行なう注入発泡法、現場発泡機のスプレーガンヘッドから被着体へ吹き付けて発泡、硬化させるスプレー発泡法によって、発泡、硬化せしめられ、目的とするポリウレタンフォームが形成されることとなる。
かくして、上記したポリウレタンフォーム用発泡性組成物を用いて得られるポリウレタンフォームにあっては、ポリオール化合物として、少なくとも活性水素化合物(a)及びフェノール樹脂系ポリオールが用いられているところから、発泡剤として二酸化炭素を用いているにも拘わらず、優れた残炭率、ひいては難燃性が付与され得ることとなるのであり、しかも、その面材との接着性、寸法安定性、断熱性等においても、優れた特性が付与されたものとなるのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下に示す「%」及び「部」は、何れも質量基準である。
先ず、以下の如くして、ノボラック型フェノール樹脂を調製し、そしてその得られたノボラック型フェノール樹脂に所定のアルキレンオキサイドを付加させて、目的とするフェノール樹脂系ポリオールを準備した。なお、得られたフェノール樹脂系ポリオールの粘度及び水酸基価は、以下の測定手法で測定した。
(1)粘度(mPa・s)は、B型粘度計を用いて、JIS K 7117−1に準じて測定した。
(2)水酸基価(mgKOH/g)は、JIS K 1557−1に準じて測定した。
<ノボラック型フェノール樹脂の調製>
撹拌装置を備えた反応容器内に、フェノール9400部、92%パラホルムアルデヒド1630部、酸触媒としてのシュウ酸19部を仕込んだ後、撹拌混合しながら、100℃の温度で、5時間、反応させた。その後、減圧下で水分を溜去することにより、目的とするノボラック型フェノール樹脂を得た。その遊離フェノールの含有量は、30質量%であった。
<フェノール樹脂系ポリオールの調製>
撹拌装置を備えた耐圧反応容器内に、上記ノボラック型フェノール樹脂の4000部を、アルカリ触媒としての水酸化カリウムの200部と共に、仕込んだ後、撹拌混合しながら、加圧条件下、エチレンオキサイドを3400部加えて、ノボラック型フェノール樹脂に付加させた。その後、水酸化カリウム(触媒)を酢酸で中和して、目的とするノボラック型のフェノール樹脂系ポリオールを得た。この得られたフェノール樹脂系ポリオールについて、水酸基価及び25℃における粘度を測定したところ、それぞれ300mgKOH/g及び5000mPa・s/25℃であった。
<活性水素化合物(a)の準備>
ソルビトールとアクリル酸とを反応させることによって、水酸基価が222であり、分子内のビニル重合性官能基が7.9mmol/gであるビニル重合性活性水素化合物を、準備した。
実施例1〜6及び比較例1〜2
先ず、ポリオール化合物として、上記で準備したフェノール樹脂系ポリオール及び活性水素化合物(a)を用い、更に、トリレンジアミン系ポリオール(商品名:サンニックスHM−551、三洋化成工業株式会社製、水酸基価:400mgKOH/g)を用い、また、シリコーン整泡剤(商品名:SH−193、東レ・ダウコーニング社製)、難燃剤(トリスクロロプロピルホスフェート)、触媒A(商品名:TOYOCAT−TT、東ソー株式会社製)、触媒B(商品名:カオライザーNo.31、花王株式会社製)、触媒C(商品名:カオライザーNo.410、花王株式会社製)及び起泡剤(リシノール酸カリウム)を用いて、下記表1に示される配合割合において、それぞれの成分を混合せしめて、各種のポリオール配合液を調製した。
Figure 0005412018
次いで、かかる得られた各種のポリオール配合液と、ポリイソシアネート化合物としてのクルードMDI(商品名:コスモネートM−200、三井化学株式会社製)を、それぞれ、20℃に温調した後、NCO Indexが2.5となるように計量し、次いで、ホモディスパーを用いて、高速攪拌混合して、発泡原液と為し、更に、それを、予め60℃に加熱しておいた金型(サイズ:300mm×300mm×40mm)内へ注入して、発泡、硬化させることにより、実施例1〜6及び比較例1〜2に係る各種の硬質ポリウレタンフォーム(単体)を、それぞれ作製した。
また、上記で調製された各種の発泡原液をそれぞれ用いて、それらを、予め60℃に加熱しておいた金型(サイズ:300mm×300mm×40mm。この金型内には、250mm×250mm×0.45mmの鋼板が、予め設置されている)へ注入し、更に、250mm×250mm×0.45mmの鋼板が裏面に予め接着されてなる鉄板にて、蓋をした後、発泡、硬化させることにより、実施例1〜6及び比較例1〜2に係る、各種の両面鋼板付きの硬質ポリウレタンフォーム(鋼板付きフォーム)を作製した。
そして、かくして得られた各種のポリウレタンフォームのフォーム単体及び鋼板付きフォームを用いて、難燃性の評価を行なうと共に、併せて、面材との接着性、寸法安定性及び熱伝導率の評価を行ない、その得られた結果を、それぞれ、下記表2に示した。
なお、各種のポリウレタンフォームについての難燃性、接着性、寸法安定性及び熱伝導率は、以下の測定手法で測定した。
(1)フォーム単体の難燃性評価
各フォーム単体から、縦×横のサイズが99±1mmになるように、3個切り出し、そして、フォーム部分の厚みが25mmとなるように、上下のスキン層をカットして、試験体を準備した。
次いで、その試験体について、コーンカロリーメーター(株式会社東洋精機製作所製、CONE III)を用いて、(財)日本建築綜合試験所編、「防耐火性能試験・評価業務方法書4.12.1発熱性試験・評価方法」に準拠して、加熱開始後5分間における最大発熱速度、発熱速度が200kW/m2 を超えた時間、総発熱量を測定した。結果は、3試験体の平均値にて求めた。また、残炭率は、下式に基づいて、求めた。
残炭率=(試験後のフォーム重量/試験前のフォーム重量)×100
(2)鋼板付きフォームの不燃材料評価
それぞれの鋼板付きフォームから、縦×横のサイズが99±1mmとなるように、3個切り出し、試験体を得た。
次いで、その試験体について、コーンカロリーメーター(株式会社東洋精機製作所製、CONE III)を用いて、(財)日本建築綜合試験所編、「防耐火性能試験・評価業務方法書4.10.2発熱性試験・評価方法」に準拠して、加熱開始後20分間における最大発熱速度、発熱速度が200kW/m2 を超えた時間、総発熱量を測定し、不燃材料評価を行ない、その結果を、3試験体の平均値にて求めた。
(3)密度の測定
見掛け全体密度の測定を、JIS K 7222に準拠して行なった。
(4)面材との接着性評価
それぞれの鋼板付きフォームから、上下の鋼板のサイズが50mm×200mmとなるように、試験体を切り出し、そして該試験体の鋼板の50mmの辺の中心部に、ばね秤を引っ掛けた後、鋼板を引き剥す方向に鋼板面に垂直方向へ鋼板が剥離するまで引っ張り、鋼板が剥離した際の荷重を読み取ることにより、当該鋼板のピーリング強度(N)を求めて、接着性評価の指標とした。なお、このピーリング強度の測定は、鋼板付きフォームの上下の鋼板(面板)について行なった。
(5)寸法安定性の評価
得られたフォームを、150mm×150mm×30mmの形状に切り出し、50℃の雰囲気下で、24時間静置し、その厚みの変化を測定して、寸法変化率[=(切出後の寸法−静置後の寸法)×100/切出後の寸法]を求め、評価した。その評価結果は、寸法変化率が1%未満の場合を○、1〜3%の場合を△、3%を超えるものを×とした。
(6)熱伝導率の測定
得られたポリウレタンフォームについて、熱伝導率測定装置:AUTO A HC−074/200(英弘精機株式会社製)を用いて、JIS A 1412−2付属書A(規定)平板比較法のA6.測定方法に準拠して行なった。
Figure 0005412018
かかる表2の結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜6において得られたポリウレタンフォームにあっては、何れも、優れた残炭率、難燃性、不燃材料評価を示し、且つ面材との接着性、寸法安定性、更には熱伝導率においても、優れた結果が得られている。
これに対して、フェノール樹脂系ポリオールや活性水素化合物(a)を単独で用いて(比較例1〜2)、それらを併用しない場合にあっては、残炭率が低く、そのために、難燃性が充分でなく、また、面材との接着性や熱伝導率が悪く、且つ不燃材料評価も悪く、更に寸法安定性においても、フェノール樹脂系ポリオールを用いた場合においては、充分でないものとなった。
実施例7
先の実施例1〜6において、活性水素化合物(a)として用いた、ソルビトールとアクリル酸とを反応させて得られるビニル重合性活性水素化合物に代えて、ペンタエリスリトールとメタクリル酸とを反応させて得られるビニル重合性活性水素化合物(水酸基価:165、ビニル重合性官能基:8.8mmol/g)、又はグリセリンとメタクリル酸とを反応させて得られたビニル重合性活性水素化合物(水酸基価:246、ビニル重合性官能基:8.8mmol/g)を用いて、先の実施例と同様にして、硬質ポリウレタンフォームを製造したところ、先の実施例と同様に、残炭率や難燃性、更には接着性、寸法安定性、熱伝導率等の特性が向上せしめられ得ることを確認した。

Claims (6)

  1. ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応せしめると共に、発泡剤として二酸化炭素を用いて発泡させることにより得られるポリウレタンフォームの製造に使用される、該ポリオール化合物として、活性水素含有基と2個以上のビニル重合性官能基を有する、ポリオールの不飽和カルボン酸部分エステル又は部分不飽和アルキルエーテル、アミンの不飽和カルボン酸部分アミド化物又は部分不飽和アルキル化物、及びポリチオールの不飽和カルボン酸部分チオエステル又は部分不飽和アルキルチオエーテルからなる群より選ばれた1種以上の活性水素化合物を含んでなる発泡性組成物であって、
    前記ポリオール化合物が、更に、ノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られるフェノール樹脂系ポリオールを含んでいることを特徴とするポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  2. 前記二酸化炭素が、水とポリイソシアネート成分との反応により発生する二酸化炭素である請求項1に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  3. 前記アルキレンオキサイドが、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はこれらの混合物である請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  4. 前記ポリオール化合物に、更に、芳香族ジアミンにアルキレンオキサイドを付加させて得られる芳香族アミン系ポリオールを含む請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム用発泡性組成物を発泡、硬化させて得られるポリウレタンフォーム。
  6. ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応せしめると共に、発泡剤として二酸化炭素を用いて発泡させることにより、ポリウレタンフォームを製造するに際し、該ポリオール化合物として、活性水素含有基と2個以上のビニル重合性官能基を有する、ポリオールの不飽和カルボン酸部分エステル又は部分不飽和アルキルエーテル、アミンの不飽和カルボン酸部分アミド化物又は部分不飽和アルキル化物、及びポリチオールの不飽和カルボン酸部分チオエステル又は部分不飽和アルキルチオエーテルからなる群より選ばれた1種以上の活性水素化合物を用いる方法において、
    前記ポリオール化合物として、更に、ノボラック型フェノール樹脂にアルキレンオキサイドを付加させて得られるフェノール樹脂系ポリオールを用いることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
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