JP5615662B2 - 揚げ豆腐製品の製造方法 - Google Patents
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Description
生揚げは、例えば1丁から1/4丁程度の厚切りにした豆腐を、内部は豆腐の状態を保つように、表面部のみを油で揚げた食品であり、厚揚げとも呼ばれる。
揚げ出し豆腐は、豆腐に片栗粉や小麦粉等の衣を付けて、豆腐は豆腐の状態を保つように、衣のみを油で揚げた食品である。
豆腐を水蒸気で蒸して、豆腐に含まれる水分を減少させ堅さを引き出す蒸しステップと、
前記蒸した後の豆腐を直に又は衣を付けて油で揚げて揚げ豆腐を造る揚げステップと、
前記揚げた後の揚げ豆腐をその表面温度が100℃以下に下がってから65℃未満に下がるより前に気密性フィルムで密封包装する包装ステップと、
かごを上下複数段にセットできるラックを用い、各かごの上に前記密封包装後の揚げ豆腐を載せて該かごをラックに上下複数段に上下相互間隔をおいてセットし、ラックごと前記密封包装後の揚げ豆腐を冷蔵庫に入れて芯温度が5℃以下になるように冷却する冷却ステップと
を含むことを特徴としている。前記のとおり、「揚げ豆腐」は、油揚げ、生揚げ(絹生揚げを含む)及び揚げ出し豆腐の総称である。
前記蒸した後の豆腐を直に又は衣を付けて油で揚げて揚げ豆腐を造る揚げステップと、
前記揚げた後の揚げ豆腐をその表面温度が100℃以下に下がってから65℃未満に下がるより前に気密性フィルムで密封包装する包装ステップと、
かごを上下複数段にセットできるラックを用い、各かごの上に前記密封包装後の揚げ豆腐を載せて該かごをラックに上下複数段に上下相互間隔をおいてセットし、ラックごと前記密封包装後の揚げ豆腐を冷蔵庫に入れて芯温度が5℃以下になるように冷却する冷却ステップと
を含むことを特徴とする揚げ豆腐製品の製造方法である。
豆乳に凝固剤を添加して凝固させる公知の方法(図示略)により、豆腐を造る。平均的な豆腐よりも堅い豆腐を造ることが好ましく、また、造った豆腐を充分に水切りすることが好ましい。水分が少ないことで、後の揚げステップでの揚げあがりがよく、油が傷みにくいからである。なお、油揚げを造る場合は、薄切りにした豆腐を造る。また、生揚げ又は揚げ出し豆腐を造る場合は、例えば1丁から1/4丁程度の厚切りにした豆腐を造る。なお、通常の生揚げには木綿豆腐を造り、絹生揚げには絹豆腐を造る。
続いて、前記の豆腐を蒸す。工業的には例えば、図1に示すように、載せ板11を上下複数段にセットできる公知のキャスター12付きラック10を用い、各載せ板11の上に豆腐1を載せてラック10にセットし、ラック10ごと豆腐1を公知の蒸し庫20に入れて蒸す。蒸し温度は75〜85℃が好ましく、蒸し時間は6〜15分が好ましい。蒸すことによって豆腐に含まれる水分が減少し、さらに堅さを引き出すことができる。なお、本ステップは、行うことが好ましい(特に、生揚げをつくる場合に好ましい)ステップであって、必須ではない。
続いて、前記の豆腐(第1ステップを経た豆腐又は第1及び第2ステップを経た豆腐)を直に又は衣を付けて油で揚げて揚げ豆腐を造る。
・油揚げを造る場合は、薄切りの豆腐1を直に、内部まで揚がるように、油で揚げて造る。
・生揚げを造る場合は、厚切りの豆腐1を、内部は豆腐の状態を保つように、表面部のみを油で揚げる。
・揚げ出し豆腐を造る場合は、厚切りの豆腐1に片栗粉や小麦粉等の衣を付けて、豆腐は豆腐の状態を保つように、衣のみを油で揚げる。
前記揚げた後の揚げ豆腐2を、その表面温度が気密性フィルムが変形又は溶融しない温度(例えば100℃以下)に下がってから65℃未満に下がるより前に、気密性フィルムで密封包装する。この工業的な包装には、公知の包装機を用いることができる。図1に一例として示す包装機40は、コンベア41と、ロール巻状から巻き解かれた気密性フィルム3をコンベア上に供給するフィルム供給機42と、包装の背部となる箇所で気密性フィルム3を熱封着する背部熱封着機43と、包装の端部となる箇所で気密性フィルム3を熱封着する端部熱封着機44と、包装の端部となる箇所を切断する切断機45とからなる。気密性フィルム3には、例えばポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はこれらのラミネートフィルムが使用される。
前記密封包装された揚げ豆腐製品4を冷蔵庫に入れ、揚げ豆腐2の芯温度が5℃以下になるように冷却する。工業的には例えば、図1に示すように、かご51を上下複数段にセットできる公知のキャスター52付きラック50を用い、各かご51の上に揚げ豆腐製品4を載せてラック50にセットし、ラック50ごと揚げ豆腐製品4を公知の冷蔵庫60に入れて冷却する。この冷却には、例えばトンネル状冷蔵庫(通称:トンネルフリーザー)等の公知の冷蔵庫60を用いることができる。冷却の条件については、例えば庫内を0〜−10℃にしたトンネルフリーザーに1時間30分〜2時間入れれば、揚げ豆腐2の芯温度が5℃以下になる。揚げ豆腐2の芯温度が5℃以下になれば、揚げ豆腐製品4の製造終了であり、速やかに出荷する。
(1)揚げた後の揚げ豆腐2をその表面温度が65℃未満に下がるより前に気密性フィルム3で密封包装するので、揚げ豆腐2を揚げ終わってから気密性フィルム3で密封包装し終わるまでの時間、すなわち揚げ豆腐2が工場内の空気に触れる時間が極めて短い(例えば2分以内)。このため、工場内の空気に存在する菌(少なくなるように工場管理しているが、ゼロにはできない)が揚げ豆腐に付く数が従来よりも遙かに少ない。しかも、その少ない菌は、表面温度が65℃以上である揚げ豆腐の熱によってほとんど死滅し、この状態で密封包装されるため、無菌に近い揚げ豆腐製品を製造することができる。そして、密封包装状態の揚げ豆腐2を冷蔵庫で芯温度5℃が以下になるまで冷却してから出荷するため、揚げ豆腐2は従来と比べて格段に傷みにくい。このため、製造終了後の消費期限設定を製造日を含め7〜8日間と従来よりも長くすることができ、販売店におけるロス率の低下に大きく貢献する。
(2)前記のとおり、揚げ豆腐が工場内の空気に触れる時間が極めて短いため、揚げ豆腐2の表面の油が酸化しにくく、色つやが良くなる。
本実施例の方法により製造した揚げ豆腐2について細菌検査を行った。なお、揚げ豆腐2は、具体的には生揚げである。また、密封包装開始時の(図1のとおり、気密性フィルム3にかかる直前の位置Pにおける)揚げ豆腐2の表面温度は、その表面に放射温度計を直に近付けて測定したところ、約80℃であった。製造終了後の揚げ豆腐製品4を、揚げ豆腐2の芯温度5℃の状態で製造日を含め7日間冷蔵した後、揚げ豆腐2を包装から取り出し、表面部を含めた10gを切り出して潰し、これに90gの水を加え撹拌して試料とし、その試料1gを分析した。日を変えて多数の試料を作成し、これらを分析したところ、試料1g当たりの生菌数で、大腸菌群数は0個/g、大腸菌(陽性/陰性)は0個/g、一般細菌数は100〜103個/gであった。通常の基準では、一般細菌数については105個/g未満であれば合格としているから、この基準を大幅に下回っていることが分かった。
2 揚げ豆腐
3 気密性フィルム
4 揚げ豆腐製品
5 包装背部の熱封着部
6 包装端部の熱封着部
10 ラック
11 載せ板
12 キャスター
20 蒸し庫
30 フライヤー
31 油槽
32 油
33 コンベア
34 換気フード
40 包装機
41 コンベア
42 フィルム供給機
43 背部熱封着機
44 端部熱封着機
45 切断機
50 ラック
51 かご
52 キャスター
60 冷蔵庫
Claims (3)
- 豆腐を水蒸気で蒸して、豆腐に含まれる水分を減少させ堅さを引き出す蒸しステップと、
前記蒸した後の豆腐を直に又は衣を付けて油で揚げて揚げ豆腐を造る揚げステップと、
前記揚げた後の揚げ豆腐をその表面温度が100℃以下に下がってから65℃未満に下がるより前に気密性フィルムで密封包装する包装ステップと、
かごを上下複数段にセットできるラックを用い、各かごの上に前記密封包装後の揚げ豆腐を載せて該かごをラックに上下複数段に上下相互間隔をおいてセットし、ラックごと前記密封包装後の揚げ豆腐を冷蔵庫に入れて芯温度が5℃以下になるように冷却する冷却ステップと
を含むことを特徴とする揚げ豆腐製品の製造方法。 - 前記揚げ豆腐を揚げ終わってから気密性フィルムで密封包装し終えるまでの時間は、3分以内である請求項1記載の揚げ豆腐製品の製造方法。
- 前記冷却ステップでは、前記ラックをキャスター付きラックとし、前記冷蔵庫をトンネル状冷蔵庫とし、キャスター付きラックごと前記密封包装後の揚げ豆腐を庫内を0〜−10℃にしたトンネル状冷蔵庫に入れて行う請求項1又は2記載の揚げ豆腐製品の製造方法。
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