JP5614608B2 - 超音波によるコンクリート表面ひび割れの深さ測定方法 - Google Patents

超音波によるコンクリート表面ひび割れの深さ測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波を利用してコンクリート構造物の表面ひび割れの深さを測定する測定装置とそれを用いた測定方法に関する。
コンクリート構造物には、使用条件、環境、外力など様々な原因によりひび割れが発生する。かぶりコンクリートの厚さ以上になって鉄筋に到達する深さのひび割れ(以下「有害ひび割れ」という。)は鉄筋が腐食する原因となる。そのため、ひび割れの深さの調査は、コンクリート構造物の健全度診断の定期点検の項目の1つになっている。
超音波を含む弾性波を用いたコンクリートのひび割れの性状(深さ、方向、位置)を計測する従来技術として、図16に示されるように、コンクリート構造物10の表面の目視で確認できた表面ひび割れに11対して、表面ひび割れ11の一方に低周波数の発信用垂直探触子1を設置し、発信用垂直探触子1からコンクリートの内部に縦波を発信し、表面ひび割れの反対側に設置した受信用垂直探触子2でその縦波を受信し、探触子の位置関係、伝播時間差、位相などの情報から表面ひび割れの深さ、角度を推定する計測方法が開発されている。
また、特開2001−12933号公報には、ハンマーなどを用いて表面ひび割れ付近のコンクリート表面を打撃し、発生した衝撃弾性波のエネルギーが表面ひび割れを通過するときに減衰する程度により表面ひび割れの深さを推定する方法が開示されている。
また、AE法(アコースティックエミッション)という、コンクリートのひび割れ発生に伴った弾性波を検出し、ひび割れの発生や進展を計測する方法が知られている。
特開昭63−247653号公報 特開2001−12933号公報
しかしながら、垂直探触子をコンクリートの表面ひび割れの両側に配置して計測する方法は、縦波弾性波が減衰しやすいため、ひび割れの有無を近くで目視して確認しないと計測できず、近距離計測しかできない。また、図17に示されるように表面ひび割れ上に装置や設備3などがある場合、ひび割れの有無を直接目視で確認することができず、装置や設備を移動しない限り、ひび割れの計測は不可能になる。また、縦波弾性波の減衰が大きくなると、初動時間の判別が難しくなるという問題がある。
また、特開2001−12933号公報に開示された計測方法は、大きいエネルギーを持つ表面波を作り出すことができるが、先ず近くでひび割れの有無を目視で確認する必要がある。目視で確認できない個所や、遠方で目視できないコンクリートのひび割れには対応が困難である。また、人手によりハンマーを持ってコンクリート表面を打撃して表面波を作り出すため、打撃の場所、コンクリートの硬さ、ハンマーの打撃速度や打撃力などによってエネルギーの大きさを常に一定に維持するのは困難である。また、人がハンマーで打撃するため周波数の制御が困難であり、超音波計測より低い周波数しか生成できない。すなわち、エネルギーを一定に維持することができない表面波でエネルギー減衰の変化によってひび割れの深さを推定するため、計測データの信頼性が欠けている。
また、AE法(アコースティックエミッション)による計測方法は、コンクリートのひび割れ発生に伴った弾性を情報として計測するため、元々発生しているひび割れには対応できない。
本発明は、上記従来技術のもつ課題を解決する、測定精度を向上させ、長距離測定が可能で、複数のひび割れが存在する場合でも最大深さのひび割れ深さを測定可能な超音波を用いたコンクリート表面ひび割れ深さ測定装置とそれを用いた測定方法を提供することを目的とする。
本発明の超音波によるコンクリート表面ひび割れの深さ測定方法は、前記課題を解決するために、送信用超音波探触子から発信された縦波がコンクリート中で表面波が発生する入射角度になるようにコンクリート表面に配置する工程と、前記送信用超音波探触子の設置位置から所定距離をおいて受信用超音波探触子をコンクリート表面に配置する工程と、 前記送信用超音波探触子からコンクリート中に表面波を発信する工程と、前記受信用超音波探触子で前記送信用超音波探触子から発信された表面波を受信する工程と、前記受信用超音波探触子で受信した表面波のデータを演算手段に送信する工程と、前記演算手段で受信した表面波のデータに基づいてコンクリートの表面ひび割れの深さを演算する工程と、を有し、複数の表面ひび割れが存在する場合の受信表面波の振幅が、表面ひび割れの無い場合の受信表面波の振幅とほぼ同じになる送信表面波の波長に基づき最大深さの表面ひび割れの深さを測定することを特徴とする。
送信用超音波探触子から発信された縦波がコンクリート中で表面波が発生する入射角度になるようにコンクリート表面に配置する工程と、前記送信用超音波探触子の設置位置から所定距離をおいて受信用超音波探触子をコンクリート表面に配置する工程と、前記送信用超音波探触子からコンクリート中表面波を発信する工程と、前記受信用超音波探触子で前記送信用超音波探触子から発信された表面波を受信する工程と、前記受信用超音波探触子で受信した表面波のデータを演算手段に送信する工程と、前記演算手段で受信した表面波のデータに基づいてコンクリートの表面ひび割れの深さを演算する工程と、を有し、複数の表面ひび割れが存在する場合、表面ひび割れの無い場合の受信表面波の振幅とほぼ同じになる送信表面波の波長に基づき最大深さの表面ひび割れの深さを測定することで、深さの小さい表面ひび割れが多数存在しても最大深さの表面ひび割れの深さを測定することが可能となる。
本発明の原理を示す図である。 本発明の原理を示す図である。 本発明の表面波によるコンクリート表面ひび割れ測定装置の一実施形態を示す図である。 本発明の発信用超音波探触子の一実施形態を示す図である。 本発明の周波数の異なる表面波による表面ひび割れの測定を示す図である。 本発明の周波数の異なる表面波による表面ひび割れの測定を示す図である。 本発明の表面波によるコンクリート表面ひび割れ測定装置の一実施形態を示す図である。 本発明の受信用超音波探触子による受信されたデータを示す図である。 本発明の受信用超音波探触子の一実施形態を示す図である。 表面ひび割れが1本の場合の表面波の伝幡状態を示す図である。 表面ひび割れが複数本の場合の表面波の伝幡状態を示す図である。 送信表面波の臨界波長を示す図である。 臨界波長を求めるための測定装置の概要である。 臨界波長を求めるための測定装置の概要である。 表面波の波長と表面ひび割れ深さの関係を示す図である。 従来の超音波によるコンクリート表面ひび割れ深さ測定装置を示す図である。 従来技術を示す図である。
本発明の実施の形態を図により説明する。図1、図2は、本発明の超音波によるコンクリート表面ひび割れの深さ測定の原理を説明する図である。
図1は、超音波の伝搬速度の異なる2つ媒体A、Bの境界面に超音波探触子から縦波が境界面の垂線に対してαLの入射角度で入射した状態を示す図である。例えば、測定する媒体Aをコンクリートとし、媒体Bを接触媒体としてアクリル樹脂を用いた場合、媒体Aのコンクリートの縦波の伝搬速度4000m/s、媒体Bのアクリル樹脂の縦波の伝搬速度2700m/s程度で、測定媒体Aの縦波伝搬速度が接触媒体Bの縦波伝搬速度より大きい。但し、コンクリートの縦波の伝搬速度はコンクリートの種類により相違するので上記に示したコンクリートの伝搬速度はその一例を示すものである。
媒体Aと媒体Bの境界面に対する垂線に平行の超音波の縦波を入射すると反射縦波と屈折縦波が現れ、コンクリート中には屈折縦波のみが入射する。この屈折縦波を測定に用いたのが、従来例の超音波によるコンクリートのひび割れの測定に垂直探触子を用いたものである。
図1に示されるように、境界面との垂線に対してαLの縦波入射角で媒体Aに縦波を入射すると、モード変換によって反射縦波と屈折縦波だけでなく、反射横波と屈折横波が現れる。このとき、縦波屈折角θLが縦波入射角αLより大きくな角度になっているのは、媒体Aの縦波伝搬速度が媒体Bの縦波伝搬速度より大きい。また、縦波反射角βLが横波反射角βsより大きく、縦波屈折角θLが横波屈折角θsより大いのは、いずれの場合も、縦波音速が横波音速より大きいからである。
縦波入射角αLを増加していくと、それにつれて縦波反射角βL、横波反射角βs、縦波屈折角θL及び横波屈折角θsも大きくなっていくが、縦波入射角αLがある角度に達すると、図2に示されるように縦波屈折角θLが90度になる。このときの縦波入射角αLを縦波臨界角という。縦波入射角αLが縦波臨界角を超えると、媒体A中では屈折横波だけが現れるようになる。
さらに、縦波入射角αLが増加していくと、それにつれて横波屈折角θsも大きくなっていくが、縦波入射角αLがある角度に達すると、横波屈折角θsが90度になる。このと時の縦波入射角αLを横波臨界角という。縦波入射角αLが横波臨界角を超えると、媒体A中への屈折波は無くなり、表面波のみが存在するようになる。
横波臨界角は常に縦波臨界角より大きい。縦波臨界角と横波臨界角の値は、測定媒体A及び接触媒体Bの材質により変化する。例えば、接触媒体Bとして黒ブチルゴム、ハネナイトGP35L、黒ネオプレンゴム、ウレタン90、黒天然ゴムなどのゴム系を用い、媒体Aをコンクリートとした場合、ゴム系接触媒体Bの縦波伝搬速度が1500m/s前後で、測定媒体Aのコンクリートの縦波伝搬速度が4000m/sのとすると、縦波臨界角は22度で、横波臨界角は38度になる。
図3は、この超音波の性質を利用した超音波によるコンクリート表面ひび割れの深さ測定装置の一実施形態を示す図である。
図3に示されるように、コンクリート構造物10に表面ひび割れ11が存在する場合、コンクリート構造物10の表面の表面ひび割れ11のある位置から所定距離をおいて発信用超音波探触子12を配置する。コンクリート構造物10の表面の表面ひび割れ11を挟んだ所定距離をおいて発信用超音波探触子12の配置位置の反対側の受信用超音波探触子13を配置する。
発信用超音波探触子12は、コンクリート中でモード変換し表面波が発生する横波臨界角以上の縦波入射角度でコンクリート表面に入射するように設置される。横波臨界角以上で斜角入射することで、モード変換した表面波のみを発生させることが可能となる。
図4は、発信用超音波探触子12の一実施形態を示す図である。発信用超音波探触子12は、その縦波入射角αLを横波臨界角以上の角度に設置するために斜角治具14を用いる。斜角治具14は、発信用超音波探触子12を取り付けるケーシング内にくさび状の接触媒体16が配置される。くさび状の接触媒体16の傾斜面に振動子17を配置する。くさび状の接触媒体16の他方の面は、コンクリート表面に密着して配置する。接触媒体16とコンクリート表面との接触面に空気が存在すると、発信用探触子12から発信された縦波が空気層で反射してしまい測定媒体であるコンクリート中に超音波が伝達されないので、接触媒体16をコンクリート表面に確実に密着させることが重要である。ケーシング内にはダンパー15が配置される。
接触媒体16の材質により横波臨界角が相違する。接触媒体16として、黒ブチルゴム、ハネナイトGP35L、黒ネオプレンゴム、ウレタン90、黒天然ゴムなどのゴム系を用いた場合の横波臨界角は41度である。接触媒体16の材質の相違による横波臨界角の変化は、接触媒体の材質により超音波の伝搬速度が相違するためである。上記の横波臨界角は、ゴム系の縦波の伝搬速度が1500m/s、コンクリートの縦波の伝搬速度が4000m/sとした場合である。
発信用超音波探触子12として広帯域超音波を用いることで、多様なひび割れ深さに対応できる多様な波長を持つ表面波を発生させることができる。図3に示され表面波による表面ひび割れの深さ測定の手法は、発信用超音波探触子12から周波数成分の異なる超音波を発信し、ひび割れ深さを超えた表面波を受信用超音波探触子13で受信することで、ひび割れ深さを測定できる。
図5は、表面波による表面ひび割れ深さの測定を説明する図である。発信用超音波探触子12から周波数成分の異なる超音波を発信し、異なる周波数f1、f2、f3の表面波を発生させる。周波数ではf1>f2>f3、波長ではf1<f2<f3である。図5に示されるように表面ひび割れがない場合はすべての波が通過し、受信用超音波探触子13で受信される。
図6に示されるように表面ひび割れが存在すると、表面ひび割れの深さより小さい波長の表面波f1、f2は表面ひび割れを通過できず、表面波f3のみが表面ひび割れを通過し受信用超音波探触子13で受信される。周波数の変化を狭帯域で実施し、受信用超音波探触子13で受信できなくなった入射周波数の波長が表面ひび割れの深さとする。
異なる周波数成分の表面波による表面ひび割れの測定の一つの手法は、発信用超音波探触子12の持つ周波数領域の範囲の中で入射周波数を狭帯域で変更しながら送信し、異なる周波数の表面波を発生させ、受信用超音波探触子13で受信できなくなった時の入射周波数の波長を表面ひび割れの深さを測定するものである。
また、異なる周波数成分の表面波による表面ひび割れの測定の他の手法は、発信用超音波探触子12から広帯域周波数の超音波を発信し、異なる周波数の表面波を発生させ、受信用超音波探触子13で受信した受信波形により周波数分析を行い、発信用超音波探触子12から発信した元周波数成分と比較し、消えた周波数の波長から表面ひび割れの深さを測定するものである。
表面波のエネルギーは、縦波の約10倍、横波の約3倍以上であるから、縦波、横波を用いる表面ひび割れの測定よりも長距離間の測定が可能であり、さらに、表面波のエネルギーが距離の1乗に反比例して減衰するのに対して、縦波と横波のエネルギーが距離の2乗に反比例して減衰するので、表面波の距離による減衰率が縦波と横波より少ないので、より遠距離間での測定が可能になる。150kHz以下の低周波数の発信用超音波探触子12を用いることで、さらに減衰率が小さくすることができ、より遠距離測定が可能になる。
図7に示されるように、発信用超音波探触子12の縦波入射角を接触媒体16の材質に応じた横波臨界角以上の角度に設定しても、接触媒体16の材料のばらつき等の影響で入射縦波を100%表面波にモード変換することができないことがある。そのため、コンクリートの内部に屈折縦波が発生する。その結果、図8に示されるように、受信用超音波探触子13がひび割れ先端で回折した屈折縦波を受信してしまうことがある。そのため、表面波の初動時間(立ち上がる時間)の判別が困難になり、初動時間を判別する精度が悪くなる。
図9は、測定に不必要な屈折縦波を減衰するための受信用超音波探触子13の実施形態を示す図である。受信用超音波探触子13の先端に測定に不必要な波を減衰する減衰材18を取り付ける。減衰材18としては、ハネナイト、GP35L、油粘土等である。ひび割れの先端から回折した屈折縦波は受信用超音波探触子13の先端に取り付けた減衰材18によりそのエネルギーが低下し、波が消滅し、結果として純粋な表面波を受信することができ、表面波の初動時間を正確に判断することができる。
図10に示すように、表面ひび割れが1本の場合、発信用超音波探触子12から発信される波長λの送信表面波は、伝播する途中に表面ひび割れにぶっつかると、一部が反射し、一部が表面ひび割れに沿って回折して受信用超音波探触子13で受信される。
しかし、図11に示すように、表面ひび割れが複数本存在する場合、発信用超音波探触子12から発信される波長λの送信表面波は、ひび割れa、b毎、またはひび割れ同士間で反射と回折が繰り返し発生するため、受信用超音波探触子13で受信された情報から表面ひび割れ深さを推定するのは、ほぼ不可能である。
複数の表面ひび割れの中で有害な表面ひび割れの有無を検知するには、表面ひび割れの本数に関係なく、表面ひび割れの深さのみを計測する手法が必要となる。
図12に示すように、複数の表面ひび割れが存在しても、発信用超音波探触子12から波長がλcの表面波を送信した場合、反射と回折する状況が発生せず完全に通過し、表面波を受信用超音波探触子13で受信する。この表面波の波長λcを臨界波長という。この臨界波長λcの表面波は、複数の表面ひび割れの中で最も深い表面ひび割れのみに関係するため、最大深さの表面ひび割れより深さの小さい表面ひび割れが多数存在しても反射、回折することなく完全に通過できると考えられる。その結果、臨界波長λcが分かれば、表面ひび割れの数に関係なく、その中で一番深い表面ひび割れの深さhmaxが推定可能である。
図13、図14は、表面ひび割れの深さに応じた臨界波長λcを求めるための計測システムの概要を示す図である。図13に示されるように、発信用超音波探触子12と受信用超音波探触子13は、コンピュータに周波数・電圧・波数可変式送受信器を介して連結される。発信用超音波探触子12と受信用超音波探触子13として、公称周波数50kHz(最適周波数35kHz)のコンクリート用超音波探触子を用いた。
図14に示されるように、発信用超音波探触子12と受信用超音波探触子13を500mmの間隔をおいて41°の傾斜角で配置する。発信用超音波探触子12から30〜60kHzの周波数の表面波を5kHz間隔で発信する。最初は、表面ひび割れのない状態で5kHz間隔で波長の異なる表面波を発信し、受信用超音波探触子13で表面ひび割れがない状態の表面波を受信し、受信した表面波の振幅を計測する。
次に、発信用超音波探触子12と受信用超音波探触子13の配置位置の中間位置に深さ5mmのスリットを形成し、発信用超音波探触子12から30〜60kHzの周波数の表面波を5kHz間隔で発信し、受信用超音波探触子13でスリット深さ5mmの状態の表面波を受信し、受信した表面波の振幅を計測する。同様に、スリット深さを、25mm、50mm、100mmに変化させ、発信用超音波探触子12から30〜60kHzの周波数の表面波を5kHz間隔で発信し、受信用超音波探触子13で各深さの表面波を受信し、受信した表面波の振幅を計測する。
測定の結果を図15に示す。図15の縦軸は、表面ひび割れの深さh/送信波の波長λとし、横軸は、受信された表面波の振幅/表面ひび割れなしの場合の受信された表面波の振幅(この振幅比をARという。)とする。図15に示される測定結果から、次の(1)式が導かれる。
h/λ=0.12(AR)-0.91・・・・・・・(1)
振幅比AR=1.0の時、発信用超音波探触子12から送信された表面波が、表面ひび割れを完全に通過し、受信用超音波探触子13で受信される。この時の表面波の波長が臨界波長λcである。この結果を(1)式に代入すると、表面ひび割れの深さが、送信される表面波の波長の1/10以下では、表面波の振幅は、表面ひび割れが無いときとほとんど同じであることが判明した。有害ひび割れの有無を判定したい場合、有害ひび割れの約10倍程度の波長の表面波を送信して、受信した表面波の振幅とひび割れ無しの場合との振幅との比が1.0のであれば、有害ひび割れの存在の可能性があると判断できる。また、複数の表面ひび割れの内の最大深さを推定するには、送信する表面波の波長を次第に長くしていき、受信される表面波の振幅が表面ひび割れ無しの時の振幅とほぼ同程度になったとき、その波長の1/10を最大表面ひび割れ深さと推定する。
以上のように、本発明の超音波によるコンクリート表面ひび割れの深さ測定装置及び測定方法は、接触媒体16の材質に応じた縦波入射角度を横波臨界角以上とし、モード変換した表面波を発生させ、エネルギーが大きく、エネルギーの減衰率が少ない表面波を測定に用いるので高精度、遠距離間の測定が可能になる。また、超音波探触子を使用することで、衝撃弾性波法より入射周波数を自由に変化、制御することができ、様々なひび割れ深さの測定に対応可能となる。また、複数のひび割れが存在する場合でも、最大深さのひび割れの測定もしくは有害ひび割れの有無の検出が可能となる。
10:コンクリート構造物、11:表面ひび割れ、12:発信用超音波探触子、13:受信用超音波探触子、14:斜角治具、15:ダンパー、16:接触媒体、17:振動子、18:減衰材

Claims (1)

  1. 送信用超音波探触子から発信された縦波がコンクリート中で表面波が発生する入射角度になるようにコンクリート表面に配置する工程と、
    前記送信用超音波探触子の設置位置から所定距離をおいて受信用超音波探触子をコンクリート表面に配置する工程と、
    前記送信用超音波探触子からコンクリート中に表面波を発信する工程と、
    前記受信用超音波探触子で前記送信用超音波探触子から発信された表面波を受信する工程と、
    前記受信用超音波探触子で受信した表面波のデータを演算手段に送信する工程と、
    前記演算手段で受信した表面波のデータに基づいてコンクリートの表面ひび割れの深さを演算する工程と、を有し、
    複数の表面ひび割れが存在する場合の受信表面波の振幅が、表面ひび割れの無い場合の受信表面波の振幅とほぼ同じになる送信表面波の波長に基づき最大深さの表面ひび割れの深さを測定することを特徴とする超音波によるコンクリート表面ひび割れの深さ測定方法。
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