JP4241529B2 - 超音波検査方法及び超音波検査装置 - Google Patents

超音波検査方法及び超音波検査装置 Download PDF

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本発明は、ガイド波を用いた超音波検査技術に係わり、特に埋設されている配管などの
被検査体を検査するのに好適な超音波探傷方法及び装置に関する
発電プラントや化学プラントに用いられる配管構造物は、建設から長期間が経過すると、配管の内外面からの腐食や侵食が顕在化してくる。これらの劣化が進行して配管の肉厚を貫通するまでに至ると、配管内の液体や蒸気といった内部流体の漏洩につながる恐れがある。このため、配管の肉厚の状態を、非破壊的な手段により定量的に評価し、漏洩に至る以前に、配管の交換や補修といった対策を施す必要がある。
非破壊的且つ定量的に評価する手段の代表的なものに、超音波厚み計がある。超音波厚み計は、一般には、電気と音響を相互に変換する圧電素子を有する超音波センサを用いて、検査対象配管中にバルク波(縦波や横波といった弾性波)を励起して、配管底面で反射した弾性波を同一もしくは別の超音波センサで受信して、配管の肉厚を測定する装置である。この装置は、受信波の受信時間を肉厚に換算するという測定原理上、高い精度で配管の肉厚を測定することができる一方で、検査範囲は、センサの大きさとほぼ同等程度に限られる。長尺の配管のように検査要求範囲が広くなると、測定点の増加により、検査に長時間を要する欠点がある。また、保温材がある配管や、埋設配管,垂直配管などアクセス性に問題のある配管においては、検査の準備・片付けに要する時間も多大である。
このような問題に対する一つの対応策として、ガイド波(配管や板のように境界面を有する物体中を、反射やモード変換しながら進行する縦波・横波の干渉によって形成される弾性波)を用いて配管の長距離区間を一括して検査する方法がある。この方法は、ガイド波が配管の周方向断面積が変化する位置で反射する特徴を利用した方式である。配管の軸方向に、配管の中心軸に対して対称の単一モードのガイド波を伝播させて、その反射波の波高値や出現時間から配管に生じた減肉あるいは欠陥の大きさと軸方向位置を測定する。減肉あるいは欠陥以外に、溶接線からの反射波も得られるが、減肉あるいは欠陥からの反射波が、配管の中心軸に対して非軸対称に振動するのに対して、溶接線からの反射波が軸対称に振動する特徴を捉えて識別する(例えば、特許文献1参照)。
特表平10−507530号公報
前記の従来技術は、複数のガイド波の励振リングに時間遅延を与えてトーンバースト波(4サイクルのトーンバースト波を図10に例示)を印加し、被検査体である配管にガイド波を発生させて、そのガイド波をその配管の配管軸方向の一方向(検査対象部位のある方向)に伝播する技術である。しかしながら、その配管がコンクリートなどに埋設されていた場合、伝播中のガイド波が著しく減衰することが知られている。
このガイド波の減衰の現象について詳細に説明する。初めに、材質が炭素鋼(縦波音速=5940m/s,横波音速=3260m/s)で、外径114.3mm ,肉厚6mm(肉厚と外径の比が0.052 )の配管の場合の、周波数と肉厚の積とガイド波の音速の関係を、図11に示す。同図において、41はT(0,1)モード、42はT(0,2)モード、43はT(0,3)モード、44はT(0,4)モードと呼ばれ、T(0,m)で表すmの数字が大きいほど肉厚方向、即ち板厚方向の変位分布が複雑になる。
前記の従来技術では、図11のモードの中で、例えばT(0,1)モードを選択的に送受信する訳であるが、このときの配管が埋設されていない場合と埋設されている場合の波形の比較を図12を用いて説明する。図12(a)は、配管が埋設されていない場合に、管端から0.6mの位置にガイド波トランスデューサ51を設置して、管端に向けてガイド波52を送信したときの受信波形であり、良好なSN比が確保されているが、配管がコンクリートに埋設されている場合には、図12(b)のように、管端の信号が殆ど受信できない状態になる。これは、ガイド波の伝播に伴いエネルギーがコンクリート側に漏洩して、配管内を伝播するガイド波のエネルギーが減衰するためである。
本発明では、少なくとも一部分が埋設されている被検査体をガイド波を用いて検査する場合に、ガイド波の減衰を抑制して被検査体のできるだけ長い区間を一括して検査するに好適な超音波検査方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波検査方法は、被検査体に、前記被検査体が接触する物体の横波音速よりも位相速度の遅いガイド波を伝播させ、前記被検査体を伝播してきた前記ガイド波を受信し、前記受信したガイド波に基づいて前記被検査体の検査を行う超音波検査方法であり、同じく超音波検査装置は、被検査体にガイド波を伝播及び前記被検査体に伝播したガイド波を受信するガイド波トランスデューサと、前記ガイド波トランスデューサで受信したガイド波に基づく受信信号を解析する解析手段とを備えた超音波検査装置において、前記被検査体が接触する物体の横波音速よりも位相速度の遅いガイド波を前記被検査体に伝播させる送信波形を前記ガイド波トランスデューサに印加するガイド波送受信器を備えている超音波検査装置である。
本発明の目的は、本発明の実施例で示された手段においては、ガイド波を用いて被検査体(本発明の実施例では主に配管を対象としている。)の割れもしくは減肉を検出する超音波検査方法において、前記被検査体が接触する物体の横波音速よりも位相速度の遅いガイド波を前記被検査体に伝播させるステップと、前記伝播したガイド波を受信するステップと、前記受信したガイド波を解析して前記被検査体の割れや減肉を検出するステップとからなることにより達成される。
さらに、ガイド波を用いて被検査体の割れもしくは減肉を検出する超音波検査装置において、振動方向を前記被検査体の検査方向(被検査体が配管である場合には、配管軸方向)になるように傾斜して配置した剪断振動子と、前記剪断振動子に固定した音響伝達物質とを備えたガイド波トランスデューサがガイド波を用いた超音波検査方法や装置に有用である。
また、被検査体が配管である場合には、ガイド波を用いて配管の割れもしくは減肉を検出する超音波検査方法や装置で用いられるガイド波トランスデューサとしては、ガイド波トランスデューサから配管の略周方向に伝播した周方向のガイド波を吸音する吸音体を備えている円環状ガイド波トランスデューサが好ましい。
また、配管の円周方向に少なくとも2つ以上のガイド波トランスデューサを配列し、前記2つ以上のガイド波トランスデューサの振動の極性が全て略同一配管軸方向に向いて配置した円環状ガイド波トランスデューサを用いても良い。
また、ガイド波を用いて配管の割れもしくは減肉を検出する超音波検査方法や装置において、振動方向を被検査体の配管の軸方向にガイド波を伝播できるように傾斜して配置した剪断振動子を配管の円周方向に少なくとも2つ以上配列し、前記2つ以上の剪断振動子による振動の極性が全て略同一方向に向いて音響伝達媒質に配置した円環状ガイド波トランスデューサを用いても良い。
さらに、ガイド波を用いて配管の割れもしくは減肉を検出する超音波検査方法や装置において、ガイド波トランスデューサと、ガイド波を受信する受信手段と、前記受信したガイド波を解析する解析手段を備えることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、少なくとも一部分が埋設されている被検査体をガイド波を用いて超音波検査する場合に、ガイド波の伝播中における減衰を抑制して、被検査体の長い区間を超音波検査することが可能となる。
はじめに、本発明の第1の実施形態における超音波検査装置の構成を、図1を用いて説明する。図1において、1はガイド波トランスデューサ、2はガイド波送受信器、3はA/D変換器、4はコンピュータ、11は配管、13は被検査体である配管11中を伝播するガイド波である。
ガイド波トランスデューサ1は、配管11にガイド波13を発生させる素子で、剪断振動圧電素子5,くさび6で構成される。剪断振動圧電素子5は、斜め上側に電気的なプラス極を斜め下側に電気的なマイナス極を有して両極がガイド波の伝播方向に間隔を有してくさび6上に固定され、剪断振動圧電素子5の両極間に電荷が印加された際に剪断振動圧電素子5が歪んでくさび6の中に横波垂直波(Shear vertical波、以下、横波またはSV波という。)7を発生させることができる。その剪断振動圧電素子5は、配管11に対して横波7を入射角度θで入射するように斜角に配置され、入射角度θは、屈折角度を90°としたスネルの法則θ=sin-1(Cw/c(ω))で算定される。ここで、Cwはくさび6の横波音速、c(ω)(ωはガイド波の中心角周波数)は、発生させたいモードの位相速度である。例えば、くさび6の材質をアクリル(横波音速=1430m/s)とする場合では、L(0,1)モードのfd=1MHzmmでは、位相速度が2379m/s(図2参照)なので、入射角θは37°に決定される。なお、位相速度とは、波の山谷が伝わる速度のことで、波の固まり(波束)の伝わる速度である群速度と対比して使用される。数式による表現は、例えば「物理学 小出昭一郎著 裳華房、p.122」に記載されているが、詳細は省略する。
ガイド波トランスデューサ1で、横波(SV波)を入射する構造とする理由は次の通りである。通常、圧電素子を斜角に配置したトランスデューサでは、厚み振動型の圧電素子を利用して、くさび6中に縦波を発生させるが、本発明では、後述する理由で、音速の遅いガイド波を送信する必要がある。その際、ガイド波の音速がアクリルの縦波音速より遅くなるので、縦波の入射では臨界角を超えてしまい効率良くガイド波を送信することができないためである。
図1における各手段の接続関係を説明する。ガイド波トランスデューサ1は、配管11にくさび6部分が接触して配置され、ガイド波送受信器2と同軸ケーブルを介して電気的に接続されている。ガイド波送受信器2は、ガイド波を送信するためにガイド波トランスデューサ1に送信波形を印加して、さらにガイド波トランスデューサ1からの受信波形を増幅する手段で、コンピュータ4とデジタルデータを通信できるように接続され、また、受信波形を、A/D変換器3に送るように同軸ケーブルを介して接続されている。このガイド波送受信器2は、例えば、送信波形の周波数を任意に設定できるシンセサイザ、もしくは任意波形発生器と、それらの信号を増幅するパワーアンプと、市販の超音波レシーバ、もしくは広帯域アンプで構成することができる。A/D変換器3は、アナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有し、ガイド波送受信器2から出力されるガイド波の受信波形をデジタル波形としてコンピュータ4に通信するように接続される。このA/D変換器3は、例えば、市販のオシロスコープやコンピュータ組み込み式のボードタイプが利用される。
次に、本発明の第1の実施形態におけるガイド波送受信装置の動作を、図2から図5を用いて説明する。図2は、材質が炭素鋼(縦波音速=5940m/s,横波音速=3260m/s) で、外径114.3mm,肉厚6mm(肉厚と外径の比が0.052 )の配管で、配管が埋設されていない状態のガイド波の周波数と位相速度の関係を示す分散曲線である。同図において、30はコンクリート中を伝播する縦波音速、31はコンクリート中を伝播する横波音速、32はL(0,1)モードガイド波の位相速度、33はL(0,2)モードガイド波の位相速度、34はL(0,3)モードガイド波の位相速度、35はL(0,4)モードガイド波の位相速度である。各モードは、振動の形態が異なるために、コンクリートに埋設されたときにコンクリートへのエネルギーの漏洩の程度が異なる。この中で、最も減衰が少ないのは、L(0,1)モードの周波数領域36であることが実験でわかった。この周波数帯域では、L(0,1)モードの位相速度が、コンクリートの遅い方の音速、即ち横波音速よりもさらに音速が遅くなるので、全反射によりエネルギーの閉じ込めが起こるものと推定できる。
この現象を図3を用いて説明する。通常は図3(b)のように、配管11中を伝播するガイド波13bが、コンクリート12に漏洩超音波14bを放出しながら伝播する一方で、L(0,1)モードの周波数帯域36では、図3(a)のように、配管11中を伝播するガイド波13aは、コンクリート12に漏洩超音波14aをほとんど放出せずに伝播することができる。
次に、超音波検査装置の動作を、図1のブロック図と図4のフローチャートを用いて説明する。始めに、コンピュータ4は、ガイド波送受信器2に対して送信のトリガを送出し、それに同期して、ガイド波送受信器2は、ガイド波トランスデューサ1に対してガイド波を駆動する信号を印加する。この印加された信号によって、ガイド波トランスデューサ1の剪断振動圧電素子5には、周期的な剪断変形が生じ、くさび6中にSV波7(Shear vertical波、図1の紙面に平行方向に振動する横波)を励起する(ステップS101)。SV波7は、剪断振動圧電素子5の配管11に対する傾斜角度に従って斜めに入射し、上述のスネルの法則により、配管11にコンクリートよりも音速の遅いガイド波13を送信する(ステップS102)。ガイド波13は、配管11を軸方向に伝播するが、このうち、割れや減肉などの不連続な点でガイド波が反射した成分は、ガイド波トランスデューサ1で受信され、受信波形としてガイド波送受信器2に入力される(ステップS103)。ガイド波送受信器2は、受信波形を増幅して、増幅した受信波形をA/D変換器3に送る。A/D変換器3は、ガイド波送受信器2がガイド波トランスデューサ1に送信波形を印加すると同時に発生させたトリガ信号に同期して、信号のデジタル化を開始しており、増幅した受信波形は、A/D変換器3でデジタル信号に変換され、コンピュータ4に転送される。次に、コンピュータ4は、ガイド波の受信波形(時間軸波形)を、分散曲線を参照して距離軸波形に変換する(ステップS104)。ユーザは、距離軸波形を見て欠陥の有無を判定する。
次に、本実施形態を用いた場合の効果を図5を用いて説明する。図5は、埋設配管において、漏洩減衰の少ないL(0,1)モードの周波数領域36を用いたときの受信信号を、従来のモードを用いたときの受信信号と比較した実験結果である。図5(a)は、測定体系であり、奥行き1mのコンクリート12を貫通するように配管11が埋設されている。配管11の材質は、SUS304鋼であり、外径が48.6mm、厚さが3.7mmである。配管11の一端側部分にガイド波トランスデューサ1を設置し、ガイド波13を配管11の他端側部分(以下、反対側端と言う。)に向けて送信する。図5(b)は、そのときの受信波形であり、信号s1は、配管11の反対側端からの反射信号であり、ガイド波13がコンクリート12を通過していることが確認された。一方で、従来のモードのガイド波を用いたときの受信信号が、図5(c)であり、配管11の反対側端からの反射信号は受信されていない。
以上のように、本実施形態によれば、ガイド波トランスデューサ1から配管11の軸方向に送信されたガイド波13の音速が、配管11が埋設される媒質(例えば、コンクリート)よりも遅くなるという条件を満たすガイド波のモードと周波数を選定するので、その媒質へのガイド波成分の漏洩減衰が少なく、遠方の欠陥を検出することができるようになる。
次に、本発明の第2の実施形態を図6から図7を用いて説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態におけるガイド波トランスデューサの構成であり、第1の実施形態と同じガイド波トランスデューサ1に加えて、吸音材8が、ガイド波トランスデューサ1の周囲に配管11を囲むようにして配置される。以下、ガイド波トランスデューサ1と吸音材8をあわせて、吸音材付き円環状ガイド波トランスデューサ9aとする。吸音材8は、例えばアクリルで構成され、配管の外周に密着するように、外径に合わせて加工するのが望ましい。吸音材8を配管11に接して設置することによって、配管11の周方向に送信されるガイド波15は、伝播するにつれて吸音材8に超音波14cとして漏洩するので、配管11を一周して再度ガイド波トランスデューサ1に戻ってくる割合が減少する。図6では、吸音材8が配管11を囲むようにして全周に配置されるが、部分的に配置しても良い。この場合は、ガイド波15を吸収する効果が若干低下する。装置構成や装置の動作は、第1の実施形態と同じであるので、説明は省略する。
図7は、本実施形態における吸音材付き円環状ガイド波トランスデューサ9aを用いたときの効果を説明する図である。図7(a)には、本発明の第1の実施形態で、非埋設配管を検査したときの試験結果の一例を示した。配管11の管端からの信号s2を検出できているが、その前にノイズn2が出現している。このノイズの原因は、ガイド波トランスデューサ1から配管の周方向に送信されるガイド波15であり、周回するたびに受信されることによって、ノイズとなって現れる。図7(b)は、本実施形態における吸音材付き円環状ガイド波トランスデューサ9aを用いたときの試験結果の一例である。配管の周方向に送信されたガイド波によるノイズn2が軽減されたことがわかる。配管11の管端でガイド波が反射して得られた信号s3は、図7(a)で示した条件と同じ振幅で検出されており、SN比を向上できている。
以上のように、本実施形態を用いれば、ガイド波トランスデューサ1から送信されたガイド波が、配管11の円周方向に伝播することを抑制できるので、ノイズを低減できる。
次に、本発明の第3の実施形態を図8を用いて説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態におけるガイド波トランスデューサの構成であり、第1の実施形態と同じガイド波トランスデューサ1を、ガイド波の送信方向(伝播方向)や振動極性が同じになるように配管11の周囲に複数個配置したものである。以下、ガイド波トランスデューサ1を円環状に複数個配置した構成のトランスデューサを、複数配列型円環状ガイド波トランスデューサ9bとする。複数配列型円環状ガイド波トランスデューサ9bでは、全てのトランスデューサにおいて図1中の剪断振動圧電素子5のように電気的極がガイド波の伝播方向に間隔を置いて配置される。このことにより、全てのトランスデューサで振動極性を同一にして配置されるので、軸対称ガイド波を送信することが可能となる。装置構成や装置の動作は、第1の実施形態と同じであるが、一部異なる使用方法があるので、付け加えて説明する。本実施の形態においては、ある一つのトランスデューサで送信して同じトランスデューサで受信するという使用方法ができる。図8の構成においては、トランスデューサが8個あるので、8個を切り替えて送受信すれば、トランスデューサを一箇所に固定したままで、周方向の8ラインの検査ができることとなる。さらには、8個のトランスデューサ全てで送信して、受信のトランスデューサを切り替えるという方法もある。この場合でも、同様に8ライン分の検査が可能となる。
本実施形態を用いれば、本発明の第2の実施形態の吸音材の効果、すなわちノイズの低減に加えて、トランスデューサを配管の周方向に回転させなくても、電気的に使用する剪断振動圧電素子5を切り替えるだけで、配管の全周を検査できるという効果がある。ガイド波の送信強度を高めることができるので、受信信号の振幅を向上することができるようになり、SN比を向上させることができる。
次に、本発明の第4の実施形態を図9を用いて説明する。図9は、本発明の第4の実施形態におけるガイド波トランスデューサの構成であり、第1の実施形態と同じ性質の剪断振動圧電素子5a,5b,5cを、くさび6に接着した構造である。以下、複数の剪断振動圧電素子5a,5b,5cを同じくさび6に接着したタイプのトランスデューサを、マルチ素子型円環状ガイド波トランスデューサ9cとする。装置構成や装置の動作は、第1の実施形態と同じであるので、説明は省略する。
本実施形態では、複数の剪断振動圧電素子5a,5b,5cでくさび6を共通にしているので、剪断振動圧電素子5a,5b,5cを密に配置できるようになり、ガイド波の強度を高めることができるので、受信信号の振幅を向上することができるようになり、本発明の第3の実施形態に比べてさらにSN比を向上させることができる。
このように、いずれの実施例でも、埋設された配管11をガイド波を用いて検査する場合に、減衰が少ないガイド波13を利用するので、配管11の長距離区間を感度良く検査することが可能となる。
本発明の第1の実施形態による超音波検査装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における超音波検査方法で使用する振動モードと周波数帯域を説明するグラフ図である。 本発明の第1の実施形態により、ガイド波を送信した場合のガイド波の減衰の様相を(a)図で、従来技術によりモードや周波数を特に選定せずに、ガイド波を送信した場合のガイド波の減衰の様相を(b)図で示して比較した説明図である。 本発明の第1の実施形態により、コンクリートに埋設された配管を検査する方法を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施形態により、(a)図で示す水平方向の壁厚さ1mのコンクリート壁を貫通した配管を検査した結果の受信波形を(b)図で示し、従来の検査結果における受信波形を(c)図で示して比較した説明図である。 本発明の第2の実施形態による吸音材付き円環状ガイド波送受信センサの配管へ装着した状態での配管管軸方向から見た図である。 本発明の第2の実施形態において、長さ1.2m の配管を検査した結果を、吸音材のないガイド波送受信素子で検査した結果を示す(a)図と、吸音材が有る場合の検査した結果を示す(b)図とで比較した説明図である。 本発明の第3の実施形態による複数配列型円環状ガイド波送受信センサの構造を配管に装着した状態で示した図にして、左図は配管軸方向から見た図、右図はその側面から見た図である。 本発明の第3の実施形態によるリング状ガイド波送受信センサの構造を配管に装着した状態で示した図にして、左図は配管軸方向から見た図、右図はその側面から見た図である。 トーンバースト波の波形図である。 Tモードガイド波の位相速度の分散曲線を表すグラフ図である。 T(0,1)モードのガイド波で配管を検査したときの管端からの受信波形を、被検査体が非埋設配管の場合を(a)図に、被検査体が埋設配管の場合を(b)図に表して比較した説明図である。
符号の説明
1…ガイド波トランスデューサ、2…ガイド波送受信器、3…A/D変換器、4…コンピュータ、5…剪断振動圧電素子、6…くさび、7…横波(SV波)、8…吸音材、9a…吸音材付き円環状ガイド波トランスデューサ、9b…複数配列型円環状ガイド波トランスデューサ、9c…マルチ素子型円環状ガイド波トランスデューサ、11…配管、12…コンクリート、13…ガイド波。

Claims (9)

  1. 被検査体に、前記被検査体が接触する物体の横波音速よりも位相速度の遅いガイド波を伝播させ、
    前記被検査体を伝播してきた前記ガイド波を受信し、
    前記受信したガイド波に基づいて前記被検査体の検査を行う超音波検査方法。
  2. 請求項1において、
    前記ガイド波の位相速度よりも音速の遅い横波を、前記被検査体に接触する音響伝達物質中に発生させ、
    前記音響伝達物質中に発生した横波を前記被検査体に斜めに入射させることによって、前記ガイド波を前記被検査体に伝播させる超音波検査方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記受信したガイド波の時間軸波形を距離軸波形に変換して前記被検査体の検査結果を表す超音波検査方法。
  4. 被検査体にガイド波を伝播及び前記被検査体に伝播したガイド波を受信するガイド波トランスデューサと、前記ガイド波トランスデューサで受信したガイド波に基づく受信信号を解析する解析手段とを備えた超音波検査装置において、
    前記被検査体が接触する物体の横波音速よりも位相速度の遅いガイド波を前記被検査体に伝播させる送信波形を前記ガイド波トランスデューサに印加するガイド波送受信器を備えている超音波検査装置。
  5. 請求項4において、
    前記ガイド波トランスデューサは、
    被検査体にガイド波を検査方向へ伝播させる超音波検査装置のガイド波トランスデュー
    サであって、前記被検査体に接触する音響伝達物質に、横波垂直波を発信する剪断振動圧電素子を、前記被検査体の面に対して斜めになるように設けたガイド波トランスデューサである超音波検査装置。
  6. 請求項5において、
    前記ガイド波トランスデューサは、
    前記検査方向とは異なる方向へ前記被検査体に伝播したガイド波を吸音する吸音体を備えたガイド波トランスデューサである超音波検査装置。
  7. 請求項5において、
    前記ガイド波トランスデューサは、
    前記剪断振動圧電素子の電気的極が前記ガイド波の伝播方向に間隔を置いて前記ガイド波トランスデューサに配置され、複数の前記ガイド波トランスデューサが、前記検査方向とは異なる方向に配置されているガイド波トランスデューサである超音波検査装置。
  8. 請求項7において、
    前記被検査体は配管であり、複数の前記ガイド波トランスデューサが前記配管の円周方向に配置されている超音波検査装置。
  9. 請求項4から請求項8までのいずれか一項において、前記解析手段は、前記受信信号内のガイド波の波形の情報を距離軸波形の情報に変換する手段を含んでいる超音波検査装置。
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